JP2635224C - - Google Patents

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JP2635224C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は液晶パネル用スペーサ等に好適な高弾性率の架橋重合体微粒子の製造
方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 一般に、液晶表示パネルでは液晶物質を間隙に有する二枚のガラス基板を一定
の間隙に保持することが必要とされており、そのためにガラス基板の間にスペー
サを介在させ、両ガラス基板を所望のセルギャップになるまで押圧し、固定する
方法がとられている。 【0003】 このようなスペーサとして、従来よりスチレン系単量体等を懸濁重合させて得
られるポリマー微粒子が用いられている。 【0004】 しかしながら、スチレン系のポリマー微粒子は一般に機械的強度が低く、押圧
時の圧力によりスペーサが破壊もしくは変形し、適正なセルギャップが得られず
、また耐溶剤性に乏しく液晶を汚染する等の問題が生じる。これらの問題を解決
する手段として、架橋性単量体を用いた架橋ポリマービーズが提案されているが
、満足のいくものが得られていない。 【0005】 【課題を解決するための手段】 このような現状に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、架橋性単量体を
主構成成分とする重合性単量体に、常法に比べて非常に多くの有機過酸化物系ラ
ジカル重合開始剤を加えて水系懸濁重合することにより高強度の架橋重合体微粒
子が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。 【0006】 即ち、本発明は、架橋性単量体を70重量%以上含む重合性単量体に対し3〜10
重量%の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤を用い、水系媒体中で懸濁重合させ
ることを特徴とする架橋重合体微粒子の製造方法を提供するものである。 【0007】 本発明において用いられる架橋性単量体としては、ラジカル重合可能な不飽和
二重結合を2個以上有する架橋性単量体であれば特に限定されるものでない。例
えば、ジビニルベンゼン、1,4 −ジビニロキシブタン、ジビニルスルホン等のビ
ニル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)
シアヌレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物;(ポリ)エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート等の(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及
びグリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。これらの架橋性単量体は単独又は2種以上混合して用いるこ
とができる。本発明においては、特にジビニルベンゼンが好ましい。通常市販の
ジビニルベンゼンは55〜80重量%程度の純度でエチルスチレン等の不純物をかな
り含んでおり、また、主成分であるジビニルベンゼン自体もパラ体とメタ体との
混合物(パラ体60〜70重量%)である。ジビニルベンゼンを用いる場合、純度は
より高い方が好ましいが、特にメタ体の高純度品を用いた場合により高弾性率の 架橋重合体微粒子が得られる。 【0008】 又、本発明において用いられる非架橋性単量体としては、ラジカル重合可能な
、架橋性単量体以外の全ての単量体を用いることができるが、例えばスチレン、
p−(m−)メチルスチレン、p−(m−)エチルスチレン、p−(m−)クロロスチレ
ン、p−(m−)クロロメチルスチレン、スチレンスルホン酸、p−(m−)t−ブト
キシスチレン、α−メチル−p−t −アミロキシスチレン、p−t −アミロキシ
スチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボ
ン酸系モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビ
ニルエーテル;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;N −メ
チル(メタ)アクリルアミド、N −エチル(メタ)アクリルアミド等のN −アル
キル置換(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系モ
ノマーが挙げられる。これらの非架橋性単量体は単独又は2種以上混合して用い
ることができる。 【0009】 本発明における前記架橋性単量体と非架橋性単量体の混合割合は、架橋性単量
体が70重量%以上である。前記混合割合よりも架橋性単量体が少ない場合には充
分な圧縮弾性率が得られないため好ましくない。 【0010】 本発明において用いられる有機過酸化物系ラジカル重合開始剤としては、例え
ば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等が挙げられ、特に過酸化ベンゾイル
を好適に用いることができる。これらの有機過酸化物系ラジカル重合開始剤は単
独又は2種以上混合して用いることができる。従来、これらのラジカル重合開始 剤の添加量は通常、一般的に単量体に対し0.1 〜3重量%であったが、本発明に
おいては3〜10重量%、より好ましくは4〜7重量%添加することにより達成さ
れる。有機過酸化物系ラジカル重合開始剤の添加量が前記添加量の範囲より少な
い場合にも、多い場合にも、適当な強度の架橋重合体微粒子が得られない。また
アゾ系の開始剤では使用量を多くしてもさほど弾性率の向上は見られない。 【0011】 架橋重合体微粒子の強度を圧縮弾性率で表したとき、従来の架橋ポリスチレン
系では高々360 kg/mm2であったが、。本発明によれば 370〜 550kg/mm2の高弾
性率の架橋重合体微粒子が得られる。 【0012】 本発明でいう圧縮弾性率とは、下記方法により測定した値である。 【0013】 <圧縮弾性率の測定方法> 島津粉体圧縮試験機((株)島津製作所製 PCT−200)により、試料台上に散布
した試料粒子1個について、粒子の中心方向へ荷重をかけ、荷重−圧縮変位を測
定し、10%変位時の荷重を求めた。これを次式に代入し、10%圧縮弾性率を算出
した。この操作を異なる3個の粒子について行い、その平均値を粒子の10%圧縮
弾性率とした。なお、測定は室温で行った。 【0014】 【数1】 【0015】 ここで、E ;圧縮弾性率(kg/mm2) F ;圧縮荷重(kg) K ;粒子のポアソン比(定数,0.38) S ;圧縮変位(mm) R ;粒子の半径(mm) 10%圧縮弾性率の平均値が前記範囲よりも小さい場合には、ガラスセル押圧時
のスペーサの変形が塑性変形となるため、セルギャップの再現性等、信頼性の低 下を招き、更には前記下限よりも充分に小さい場合には押圧時の圧力によりスペ
ーサが破壊される等好ましくない。また、前記範囲よりも大きい場合には前述し
たように変形性が乏しく、スペーサの粒径分布がそのままセルギャップムラに反
映されるため好ましくない。 【0016】 本発明において、水系重合は常法に従い、分散安定剤の存在下に撹拌しつつ温
度25〜 100℃、より好ましくは50〜90℃の範囲で行われる。該分散安定剤として
は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオ
キシェチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の界面活性剤;ゼラチン、澱粉
、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子
;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、燐酸カルシウム等の難水溶性無機塩が挙げられる。 【0017】 本発明に係る 架橋重合体微粒子の平均粒子径は、目的によって任意に設計し得
るが、通常1〜20μm 程度が好ましい。また、本発明の架橋重合体微粒子をスペ
ーサとして用いる場合、粒径分布の広いスペーサを使用すると、セルギャップム
ラが発生し易い、その他、多数個のスペーサのうち、特にセルギャップよりも粒
径の小さいスペーサがパネルの空間内で移動し、電極の周辺に凝集し易い等の欠
点があるため、粒径分布の標準偏差がその平均粒子径の20%以下であることが好
ましく、より好ましくは10%以下である。 【0018】 従って、本発明により得られる架橋重合体微粒子を液晶表示パネル用スペーサ
として用いる場合は、架橋重合体微粒子の粒径分布が広い場合には水簸法又は風
力法等により分級するのが好ましい。 【0019】 【実施例】 以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」は重量部を示す。 【0020】 実施例1 ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製GH−17、ケン化度86.5〜89
mol %)の3%水溶液 800部に、m−ジビニルベンゼン(純度92%、日精化学工
業(株)製)80部、エチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)
製NK−エステル1G)20部、過酸化ベンゾイル5部の混合液を加えて微分散させ、
撹拌しながら窒素気流下80℃で15時間重合を行った。得られた微粒子をイオン交
換水及び溶剤で洗浄後、分級操作を施し、更に単離乾燥して平均粒子径 7.0μm
、標準偏差が0.47μm である架橋重合体微粒子を得た。 【0021】 得られた架橋重合体微粒子の10%圧縮弾性率(平均値)を下記の方法により評
価したところ、420kg/mm2であり、液晶表示パネル用スペーサとして有用なもの
であった。 【0022】 実施例2 実施例1においてm−ジビニルベンゼンに代えて市販のジビニルベンゼン(純
度81%、新日鐵化学(株)製DVB-810)を用いた以外は実施例1と同じ方法によ
り平均粒子径 6.0μm、標準偏差が 0.4μm の架橋重合体微粒子を得た。 【0023】 この架橋重合体微粒子の10%圧縮弾性率(平均値)を評価したところ 380kg/
mm2であった。 【0024】 実施例3 実施例2において過酸化ベンゾイルを7部とした以外は実施例2と同じ方法に
より平均粒子径 7.5μm、標準偏差が 0.5μm の架橋重合体微粒子を得た。 【0025】 この架橋重合体微粒子の10%圧縮弾性率(平均値)を評価したところ 420kg/
mm2であった。 【0026】 実施例4 実施例1において、m−ジビニルベンゼンの代わりにジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、過酸化ベンゾイルの代わりに過酸化ラウロイルを6部用い
た以外は同様な方法により平均粒子径7.75μm、標準偏差が0.52μm の架橋重合
体微粒子を得た。 【0027】 この微粒子の10%圧縮弾性率(平均値)は 520kg/mm2であった。 【0028】 比較例1 実施例1において過酸化ベンゾイルを1部とした以外は実施例1と同じ方法に
より平均粒子径 6.4μm、標準偏差が0.43μm の架橋重合体微粒子を得た。 【0029】 この架橋重合体微粒子の10%圧縮弾性率を評価したところ 280kg/mm2であり
、液晶表示パネル用スペーサとして使用に耐えないものであった。 【0030】 比較例2 実施例1において過酸化ベンゾイルを15部とした以外は実施例1と同じ方法に
より平均粒子径 6.5μm、標準偏差0.43μm の架橋重合体微粒子を得た。 【0031】 この架橋重合体微粒子の10%圧縮弾性率を評価したところ260 kg/mm2であり
、液晶表示パネル用スペーサとして使用に耐えないものであった。 【0032】 比較例3 実施例3においてモノマーとして、スチレン70部、ジビニルベンゼン30部を用
いた以外は実施例3と同じ方法により平均粒子径 7.0μm、標準偏差0.47μm の
架橋重合体微粒子を得た。 【0033】 この架橋重合体微粒子の10%圧縮弾性率を評価したところ 200kg/mm2であり 、液晶表示パネル用スペーサとして使用に耐えないものであった。 【0034】 【発明の効果】 以上述べた如く本発明方法は、その操作が非常に簡単であるにも拘わらず、高
弾性率の架橋重合体微粒子を提供することができ、液晶表示パネル用のスペーサ
等の製造に有効に利用できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 架橋性単量体を70重量%以上含む重合性単量体に対し3〜10重
    量%の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤を用い、水系媒体中で懸濁重合させる
    ことを特徴とする架橋重合体微粒子の製造方法。 【請求項2】 架橋性単量体がメタ−ジビニルベンゼンを主成分とするもので
    ある請求項1記載の架橋重合体微粒子の製造方法。

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