JP2634770B2 - 密閉型照明装置 - Google Patents

密閉型照明装置

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JP2634770B2
JP2634770B2 JP6117053A JP11705394A JP2634770B2 JP 2634770 B2 JP2634770 B2 JP 2634770B2 JP 6117053 A JP6117053 A JP 6117053A JP 11705394 A JP11705394 A JP 11705394A JP 2634770 B2 JP2634770 B2 JP 2634770B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防水性、防塵性を備え
て蛍光管を収装する密閉型照明装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から工事などの仮設用照明装置とし
ては白熱電球が使用されて来たが、仮設用電力料金が高
価であるため、白熱電球と同一の明るさを得るのに数分
の一の電力で済む電球型の蛍光管が経済性の面で注目さ
れており、特に、トンネルあるいは掘削工事現場などの
照明装置としては、消費電力を低減しながら所望の光量
が得られるとともに、スペース効率のよい蛍光管が適し
ている。トンネル等の工事現場では地下水の滴下や、飛
石等から蛍光管及び安定器等の電気回路を保護する必要
があるため密閉型の照明装置が必要とされ、この種の密
閉型照明装置としては、板状のフレーム上にトランス
(安定器)、グロースタータ及び蛍光管を固設し、この
蛍光管を備えたフレームを筒状に形成された透明のプラ
スチックケースの内部に収装すると共に、このプラスチ
ックケースの両端をゴムキャップ等で封止したものが知
られており、プラスチックケースにより蛍光管に加わる
衝撃を緩和する一方、両端に設けたゴムキャップにより
防水性、防塵性を実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の密閉型照明装置においては、プラスチックケースの
両端を封止されているため蛍光管へ電力を供給するトラ
ンスから発生した熱がプラスチックケースの内部から排
出されにくく、このためプラスチックケースの内部の温
度が上昇してトランスの焼損を招いたり蛍光管の寿命を
短縮するという問題があった。
【0004】そこで本発明は、防水性及び防塵性を確保
しながら温度上昇による蛍光管又はトランスの劣化を防
止可能な密閉型照明装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ソケット
を介して蛍光管を支持するフレームと、所定の透過率を
備える樹脂により筒状に形成されて内部に前記フレーム
及び蛍光管を収装した筒部とを備えた密閉型照明装置に
おいて、前記筒部の一端を封止するとともに前記フレー
ムの一端と結合する封止部材と、前記筒部の他端と嵌合
する変圧器ケースと、前記変圧器ケースの外部に形成さ
れた放熱手段と、前記変圧器ケースの内部の第1空間に
収装されて前記蛍光管へ電力を供給するトランスと、
記第1空間の外側に隔壁を介して画成され、前記フレー
ムの他端と嵌合する第2空間と、前記隔壁に形成されて
第1空間と第2空間とを連通する通路と、前記第1空間
とトランスとの間の所定の間隙及び第2空間と嵌合した
フレームとの間隙に充填した熱伝導率の良い絶縁性無機
物質の粉末を含む樹脂からなる第1の樹脂層とを備え
る。
【0006】また、第2の発明は、前記変圧器ケースが
軽合金で形成され、前記第1樹脂層を筒部に面したトラ
ンスの端面を覆う所定の位置まで形成し、この第1樹脂
層の端面から筒部側に所定の厚さで熱伝導率の低い第2
の樹脂層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の
密閉型照明装置。
【0007】
【作用】したがって、第1の発明は、ソケットを介して
蛍光管を支持するフレームを収装した筒部の一端は封止
部材で封止される一方、他端は内部に画成した第1空間
にトランスを収装した変圧器ケースの開口端部と嵌合す
ることで変圧器ケース及び筒部が封止され、外部からの
水や埃の侵入を防止でき、変圧器ケース内に画成された
第1空間にはトランスが収装され、同じく第2空間には
フレームの一端が嵌合し、これらトランス及びフレーム
と第1及び第2空間の間には樹脂が充填されて締結手段
を用いることなくトランス及びフレームを確実に変圧器
ケース部へ固定される。この樹脂は熱伝導率の良い絶縁
性無機物質の粉末を含むため、トランスから発生する熱
はこの第1樹脂層を介して変圧器ケースの放熱手段へ伝
達して外部へ放出されるため、トランスの冷却を行いな
がら筒部の内部の温度上昇を抑制して、熱によるトラン
ス及び蛍光管の劣化を防止できる。
【0008】また、第2の発明は、第1樹脂層がトラン
スを覆うように形成されるとともに、第1樹脂層の端面
から筒部側に所定の厚さで熱伝導率の低い第2の樹脂層
が形成されるため、トランスから発生した熱が筒部へ伝
導するのを抑制する一方、熱伝導率の良い絶縁性無機物
質の粉末を含んだ第1樹脂層から放熱性の良い軽合金
変圧器ケースの放熱手段の熱伝導によってしてトランス
の冷却を行いながら、筒部の内部の温度上昇を抑制し
て、熱によるトランス及び蛍光管の劣化を防止できる。
【0009】
【実施例】図1〜図9に本発明の実施例を示す。
【0010】図1において、筒部1はプラスチック等の
樹脂により円筒状に形成されるとともに、例えば透明な
どの所定の透過率を備えており、ソケット70、70を
介して直管状の蛍光管4を支持したフレーム5を収装す
る。
【0011】筒部1の図中右側の端部には封止部材とし
ての後述するキャップ3が嵌合する一方、他端には後述
する変圧器ケース2が嵌合して、筒部1の両端は封止さ
れる。
【0012】フレーム5は図8に示すように、ほぼ
「コ」の字状の断面を備えた板状部材で形成されてお
り、図1において、フレーム5の上面には蛍光管4の長
さに応じた所定の間隔でソケットホルダ7A、7Bが筒
部1の断面方向に固設され、これらソケットホルダ7
A、7Bにはソケット70、70が相互に対峙するよう
にそれぞれ固設される。なお、ソケットホルダ7Aは変
圧器ケース2側に、ソケットホルダ7Bはキャップ3側
に配設される。
【0013】そして、蛍光管4はこれらソケット70、
70に嵌合することでフレーム5を介して筒部1の内部
でほぼ同軸的に支持される。なお、ソケットホルダ7A
の変圧器ケース2側の端面には、蛍光管4を始動するた
めのグロースタータ40が固設される。
【0014】図8に示すように、蛍光管4と筒部1との
間には蛍光管4を所定の角度αで覆う反射部材としての
リフレクタ8が介装され、このリフレクタ8は円弧状の
断面を備える一方、図1にも示すように蛍光管4のほぼ
全長に等しく形成されて、リフレクタ8の内周をフレー
ム5の図中下部に当接させるとともに、図示しない締結
手段によってリフレクタ8は蛍光管4に沿うようにフレ
ーム5へ固設される。
【0015】ここで、筒部1の一端を封止するキャップ
3は図4に示すように、筒部1の外周と嵌合可能な内径
を備えた円筒部3Aと、この円筒部3Aの端部を封止し
た底部3Bとを備えた円筒状部材により形成され、円筒
部3Aの内周を筒部1の外周と嵌合させるとともに、底
部3Bの内側と筒部1の端部との間に環状のパッキンな
どで構成されるシール部材12を介装することで筒部1
の一端を封止する。
【0016】一方、フレーム5のキャップ3側の端部は
筒部1の端部より内側に配設され、このフレーム5の端
部にはほぼL字状の断面を備えた取付金具51が固設さ
れる。
【0017】底部3Bの内部には位置決めピン36が突
設されて取付金具51に形成された貫通孔51Bと嵌合
して取付金具51及びフレーム5が筒部1の内部で所定
の位置、すなわち、フレーム5が図中筒部1の下方に配
設されるよう位置決めを行う。
【0018】さらに、底部3Bの所定の位置には貫通孔
30が形成され、この貫通孔30と対峙する取付金具5
1にはネジを備えた貫通孔51Aが形成されて、キャッ
プ3の外部から貫通孔30を挿通して貫通孔51Aと螺
合したネジ35によってキャップ3とフレーム5が結合
される。なお、ネジ35と底部3Bとの間にはパッキン
34が介装されて貫通孔30から筒部1の内部へ水や埃
が侵入するのを防止する。
【0019】底部3Bには係止手段としての吊り下げフ
ック33が筒部1の軸方向に突設され、吊り下げフック
33には図示しないワイヤなどを挿通するための貫通孔
33Aが形成される。
【0020】円筒部3Aの外部の図中上部には筒部1の
軸方向に沿って、かつ蛍光管4側で開口したT溝31が
形成され、このT溝31には同じく係止手段としての貫
通孔9Aを備えたアイフック9が係合する。さらに、図
中下方の円筒部3Aの外部にもアイフック9を係合可能
なT溝32が形成され、このT溝32は底部3B側で開
口する。
【0021】こうして、筒部1の一端は内部でフレーム
5と結合したキャップ3により封止される。
【0022】一方、筒部1の他端を封止する変圧器ケー
ス2は図3及び図5〜図7に示すように、底部25を備
えて一端を封止する一方、他端を開口した筒状部材によ
り形成され、開口端部2C側には筒部1の内周と嵌合可
能な外径を備えた円筒部24が形成される。
【0023】そして、円筒部24が終了する所定の位置
には、筒部1の外形より大なるフランジ部23が外部に
向けて突設され、筒部1は円筒部24の外周に嵌合する
とともに、筒部1の端部とフランジ部23との間に環状
のパッキンなどで構成されたシール部材11を介装する
ことで筒部1の一端を封止する。
【0024】この変圧器ケース2は熱伝導率の良好なア
ルミ合金等の軽合金で形成されるとともに、外部には放
熱手段としての放熱フィン26が突設される。
【0025】図5〜図7にも示すように、変圧器ケース
2の内部には略8角形の断面を備えた第1空間22が底
部25の内側からほぼフランジ部23までの軸方向(図
3の左右方向)に画成され、この第1空間22には蛍光
管4へ電力を供給するトランス6(又は安定器)が収装
される。
【0026】このトランス6も略8角形の断面を備えて
おり、第1空間22とトランス6との間には図3に示す
ように所定の間隙Lが形成される。
【0027】変圧器ケース2の所定の側面には図1に示
すように、フランジ部23より底部25側の所定の位置
に変圧器ケース2の第1空間22と外部とを連通するコ
ード穴10が貫通形成され、トランス6へ電力を供給す
る図示しないコードが挿通され、トランス6の筒部1側
の端面6Aは図3に示すように、コード穴10より開口
端部2C側へ突出しない第1空間22に収装される。
【0028】この変圧器ケース2の内部にはトランス6
を収装する第1空間22に加えて、フレーム5を支持す
るための第2空間20、21が第1空間22の外側に画
成される。
【0029】第2空間20は、図3において、変圧器ケ
ース2の途中から第1空間22の外側、かつ変圧器ケー
ス2の内部に画成されたほぼ方形断面の空間であり、変
圧器ケース2の開口端部2C側で開口する。
【0030】そして、第1空間22と第2空間20とは
図6、図7に示すように変圧器ケース2の内側へ図中左
右から所定量だけ突設された隔壁2D、2Dを介して画
成される一方、隔壁2D、2D間には第1空間22と第
2空間20とを連通する通路としての切り欠き部20A
が形成される。
【0031】第2空間21は上記第2空間20と対峙す
る変圧器ケース2の内部に同様にして形成され、隔壁2
E、2Eで第1空間22と画成される一方、切り欠き部
21Aを介して第1空間22と連通する。
【0032】このように変圧器ケース2の途中から開口
端部2Cへ向けて開口形成された第2空間20、21に
は、フレーム5の端部に結合したサブフレーム5A、5
Bが嵌合する。
【0033】ここで、フレーム5の変圧器ケース2側の
端部は、変圧器ケース2の円筒部24より筒部1の内側
に配設され、図3に示すようにフレーム5の端部下面に
は板状部材で形成されたサブフレーム5Bが、同じくフ
レーム5の上面には板状部材を屈曲形成したサブフレー
ム5Aがネジ50を介して結合される。
【0034】サブフレーム5Bはフレーム5と平行して
配設されるとともに、筒部1から突出して第2空間21
に嵌合する。一方、サブフレーム5Aは一旦上方へ屈曲
した後にフレーム5と平行に再び屈曲して筒部1から突
出して第2空間20に嵌合する。
【0035】第2空間20、21の内部には図3に示す
ように、サブフレーム5A、5Bと当接するボス2Fが
所定の位置に突設され、サブフレーム5A、5Bはこれ
らボス2Fで当接するため図中上下方向への変位を規制
されるとともに、サブフレーム5A、5Bの端部は第2
空間20、21の底部に当接して図中左方への変位を規
制される。
【0036】そして、トランス6を収装した第1空間2
2及びサブフレーム5A、5Bと嵌合した第2空間2
0、21にはケイ砂等の熱伝導率の良い絶縁性無機物質
の粉末を所定の割合で混合した第1樹脂層61が充填形
成される。
【0037】この第1樹脂層61は、例えばエポキシ、
ポリエステルなどの熱硬化性樹脂で構成され、第1空間
22の底部からトランス6の端面6Aを覆う所定の位
置、例えば図10に示すようにトランス6の端面6Aか
らD1だけ筒部1側の位置まで充填される。
【0038】変圧器ケース2の開口端部2Cを上方へ向
けた状態で前記樹脂を充填すると、第1空間22ではト
ランス6との間隙Lに第1樹脂層61が形成されるとと
もに、切り欠き部20A、21Aから第2空間20、2
1にも樹脂が流入して第1空間22、第2空間20、2
1には絶縁性無機物質の粉末を含んだ第1樹脂層61が
形成される。
【0039】こうして、第1空間22に収装されたトラ
ンス6は第1樹脂層61で変圧器ケース2に固着される
とともに、第2空間20、21に嵌合したサブフレーム
5A、5Bも第1樹脂層61によって変圧器ケース2と
結合され、蛍光管4を支持したフレーム5はサブフレー
ム5A、5Bを介して変圧器ケース2に支持される。
【0040】さらに、第1樹脂層61の端面からは筒部
1へ向けた所定の厚さ、例えば図10に示す厚さD2で
第2樹脂層62が形成される。この厚さD2は、第2樹
脂層62の端面がコード穴10を過ぎた開口端部2C側
となるよう設定され、コード穴10と、このコード穴1
0に挿通した図示しないコードとの間隙を封止して変圧
器ケース2の内部の防水性、防塵性を確保するもので、
上記第1樹脂層61と同様にして切り欠き部20A、2
1Aを介して第1空間22及び第2空間20、21に充
填形成されて、この第2樹脂層62がトランス6と筒部
1の内部とを画成する隔壁を形成する。
【0041】そして、この第2樹脂層62は絶縁性無機
物質を含まない上記のような熱硬化性樹脂のみより構成
され、第1樹脂層に比して熱伝導率が低く設定される。
【0042】図3及び図9に示すように、変圧器ケース
2の底部25には係止手段としての吊り下げフック29
が筒部1の軸方向に突設され、吊り下げフック29には
図示しないワイヤなどを挿通するための貫通孔29Aが
形成される。
【0043】また、変圧器ケース2の外部の図3に示す
上方には筒部1の軸方向に沿って、かつ筒部1側に開口
したT溝27が形成され、このT溝27には同じく係止
手段としての貫通孔9Aを備えたアイフック9が脱着自
在に係合する。さらに、同じく図中下方の変圧器ケース
2の外部にもアイフック9を係合可能なT溝28が形成
され、このT溝28は底部25側に開口する。
【0044】なお、変圧器ケース2は図2に示す分割線
2Jを境にケース2A、2Bに2分して形成され、ケー
ス2B側の分割面は図3に示すように接着剤等を充填す
るための溝部2Gが分割面に沿って形成され、この溝部
2Gの所定の位置にはケース2Aに突設した図示しない
位置決め用のボスと嵌合する穴2Hが形成される。変圧
器ケース2は溝部2Gに充填した接着剤によりケース2
A、2Bを結合するとともに、溝部2Gに充填した接着
剤によって変圧器ケース2の内部の防水性、防塵性を確
保する。
【0045】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0046】ソケットホルダ7A、7B及びソケット7
0、70を介して蛍光管4を支持するフレーム5を収装
した筒部1は両端を変圧器ケース2及びキャップ3で封
止され、変圧器ケース2に開口形成したコード穴10は
第1及び第2樹脂層61、62によって図示しないコー
ドとの間隙を封止されて筒部1の内側は外部から遮断さ
れて防水性、防塵性を確保してトンネル等の工事現場の
環境に対応することができ、樹脂で形成された筒部1に
よって飛石等の衝撃から蛍光管4を保護して建設作業現
場等における取り扱いを容易にすることができる。
【0047】蛍光管4を支持したフレーム5は両端を変
圧器ケース2及びキャップ3で支持されており、さらに
変圧器ケース2とフレーム5の結合は2又状に分岐した
サブフレーム5A、5Bを介して行われ、変圧器ケース
2とフレーム5の結合剛性を確保することができ、変圧
器ケース2及びキャップ3に形成した吊り下げフック2
9又は33へ図示しないワイヤ等を挿通することで水平
あるいは鉛直方向など筒部1を任意の姿勢で支持するこ
とができる。
【0048】トランス6へ通電すると蛍光管4が点灯
し、蛍光管4からの光線とリフレクタ8で反射された光
線により筒部1から所定の角度範囲において効率良く照
明を行う。
【0049】トランス6は通電によって発熱するが、図
10に示すように、トランス6は第1空間22との間隙
L及び端面6Aから筒部1側の位置D1までを第1樹脂
層61で覆われるため、トランス6で発生した熱は、ま
ず第1樹脂層61へ伝導する。
【0050】第1樹脂層61には所定の熱伝導率を備え
た絶縁性無機物質が混合されているため、間隙Lに充填
形成された第1樹脂層61ではこの絶縁性無機物質を介
してトランス6から外部に向けて、すなわち、変圧器ケ
ース2へ向けて放熱が行われ、変圧器ケース2は熱伝導
率の良い軽合金等で形成されるため伝導した熱は外部に
突設した放熱フィン26から効率良く大気中に放出さ
れ、トランス6は絶縁性無機物質、第1樹脂層61、変
圧器ケース2及び放熱フィン26を介して冷却される。
【0051】ここで、筒部1に面した端面6Aで発生し
た熱は、同様にして第1樹脂層61へ伝導するが、第1
樹脂層61の筒部1側に形成された第2樹脂層62には
絶縁性無機物質が含まれず、熱伝導率は第2樹脂層62
より第1樹脂層61の方が大となるため、トランス6か
ら筒部1へ向かう熱は第2樹脂層62でほぼ遮断され、
端面6Aで発生した熱は第1樹脂層61から変圧器ケー
ス2へ放出される一方、筒部1へ伝導する熱を抑制する
ことができ、筒部1及びトランス6の温度上昇を抑制し
て蛍光管4及びトランス6の熱による劣化は前記従来例
に比して低減されるのである。
【0052】こうして、蛍光管4及びトランス6を外部
から遮断して防水性、防塵性を確保しながらも、トラン
ス6で発生した熱を絶縁性無機物質を含んだ第1樹脂層
61、軽合金製の変圧器ケース2を介して効率良く冷却
するとともに、第2樹脂層62によって筒部1の内部へ
の熱伝導を抑制することで前記従来例に比して筒部1内
の温度上昇を抑制することが可能となって熱による蛍光
管4の劣化を防止することができるとともに、変圧器ケ
ース2を筒部1から突出させたことによってトランス6
を効率良く冷却することができるため、トランス6の焼
損等を防止して熱による劣化を防止することが可能とな
るのである。
【0053】さらに、変圧器ケース2の第2空間20、
21へ嵌合したサブフレーム5A、5Bは第1樹脂層6
1及び第2樹脂層62によって変圧器ケース2と結合さ
れ、締結手段等を用いることなく確実にフレーム5の端
部と変圧器ケース2とを結合することが可能となって、
部品点数を低減して製造コストの低減を推進することが
できる。
【0054】第2空間20、21に嵌合したサブフレー
ム5A、5Bはボス2Fを介して変圧器ケース2と当接
するため、第1樹脂層61、第2樹脂層62でフレーム
5と変圧器ケース2を絶縁することはなく、フレーム5
と変圧器ケース2はサブフレーム5A、5Bを介して導
通し、万一トランス6から電流が漏れた場合にはフレー
ム5に接続された図示しない電源コードと一体に形成さ
れる接地線を介してアースされる。
【0055】なお、変圧器ケース2及びキャップ3に形
成した吊り下げフック29、33にワイヤ等を挿通する
例を示したが、T溝27、31に係合したアイフック
9、9の貫通孔9Aにワイヤを挿通して筒部1を支持し
てもよく、あるいは、図11に示すように、板状部材で
形成されたスタンド90を鉛直方向で壁面等に支持し、
このスタンド90に所定の間隔で固設されるとともに上
方へ向けて屈曲形成されたフック91、91で変圧器ケ
ース2のT溝28及びキャップ3のT溝32を支持して
鉛直方向で蛍光管4を固定することもでき、この場合、
アイフック9、9をT溝27、31から取り外してもよ
い。
【0056】図12は他の実施例を示し、蛍光管4の外
周にドーナツ状に形成された発泡ウレタンなどの衝撃緩
衝部材92、92を所定の間隔で配設したもので、その
他の構成は前記第1実施例と同様である。
【0057】衝撃緩衝部材92は筒部1と蛍光管4との
間に介装されるため、筒部1に衝撃が加わった場合、樹
脂で形成された筒部1がたわんで蛍光管4に衝撃を加え
ることを防ぐことができ、耐衝撃性をさらに向上させる
ことができ、建設作業現場等における取り扱いを容易に
することができる。
【0058】なお、上記実施例において、変圧器ケース
2をケース2A、2Bにより形成したが、一体に形成す
ることができる。
【0059】また、上記実施例において、蛍光管4を覆
うリフレクタ8を配設したが、筒部1の全周で照明する
場合にはリフレクタ8を取り外せばよい。
【0060】また、上記実施例において、第1及び第2
樹脂層61、62でサブフレーム5A、5Bを変圧器ケ
ース2に結合したが、サブフレーム5A、5Bを図示し
ない締結手段を介して変圧器ケース2の内部に結合して
もよく、あるいは、第2空間20、21へサブフレーム
5A、5Bを圧入して変圧器ケース2と結合することも
できる。
【0061】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、ソケ
ットを介して蛍光管を支持するフレームを収装した筒部
の一端は封止部材で封止される一方、他端は内部に画成
した第1空間にトランスを収装した変圧器ケースの開口
端部と嵌合することで変圧器ケース及び筒部が封止さ
れ、外部からの水や埃の侵入を防止でき、変圧器ケース
内に画成された第1空間にはトランスが収装され、同じ
く第2空間にはフレームの一端が嵌合し、これらトラン
ス及びフレームと第1及び第2空間の間には樹脂が充填
されて締結手段を用いることなくトランス及びフレーム
を確実に変圧器ケースへ固定することができ、密封型照
明装置の部品点数を削減して製造コストの低減を図ると
同時に、この第1樹脂層は熱伝導率の良い絶縁性無機物
質の粉末を含むため、トランスから発生する熱はこの第
1樹脂層を介して変圧器ケースの放熱手段へ伝達して外
部へ放出されるため、トランスの冷却を行いながら筒部
の内部の温度上昇を抑制して、熱によるトランス及び蛍
光管の劣化を防止して、密封型 照明装置の耐久性及び信
頼性の向上と、部品点数の削減による製造コストの低減
を両立させることが可能となるのである。
【0062】また、第2の発明は、第1樹脂層がトラン
スを覆うように形成されるとともに、第1樹脂層の端面
から筒部側に所定の厚さで熱伝導率の低い第2の樹脂層
が形成されるため、トランスから発生した熱が筒部へ伝
導するのを抑制する一方、熱伝導率の良い絶縁性無機物
質の粉末を含んだ第1樹脂層から放熱性の良い軽合金製
変圧器ケースの放熱手段への熱伝導によってトランスの
冷却を行いながら、封止された筒部の内部の温度上昇を
抑制して、熱によるトランス及び蛍光管の劣化を防止で
き、密封型照明装置の耐久性及び信頼性をさらに向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す密閉型照明装置の正面図
である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図2のB−B矢視断面図である。
【図4】キャップ部の断面図である。
【図5】(a)は図1のC−C矢視断面図を、(b)は
図1のD−D矢視断面図をそれぞれ示す。
【図6】図1のE−E矢視断面図である。
【図7】図1のF−F矢視断面図である。
【図8】図2のG−G矢視断面図である。
【図9】トランスケースのT溝及びアイフックを示す平
面図である。
【図10】トランスの冷却の様子を示すトランスケース
の概略図である。
【図11】密閉型照明装置のスタンドを示す側面図であ
る。
【図12】緩衝部材を示す概略図である。
【符号の説明】
1 筒部 2 変圧器ケース 2C 開口端部 2D、2E 隔壁 3 キャップ 4 蛍光管 5A、5B サブフレーム 5 フレーム 6 トランス 6A 端面 8 リフレクタ 9 アイフック 20、21 第2空間 20A、21A 切り欠き部 22 第1空間 26 放熱フィン 29、33 吊り下げフック 61 第1樹脂層 62 第2樹脂層 70 ソケット 92 衝撃緩衝部材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソケットを介して蛍光管を支持するフレ
    ームと、 所定の透過率を備える樹脂により筒状に形成されて内部
    に前記フレーム及び蛍光管を収装した筒部とを備えた密
    閉型照明装置において、 前記筒部の一端を封止するとともに前記フレームの一端
    と結合する封止部材と、 前記筒部の他端と嵌合する変圧器ケースと、 前記変圧器ケースの外部に形成された放熱手段と、 前記変圧器ケースの内部の第1空間に収装されて前記蛍
    光管へ電力を供給するトランスと、前記第1空間の外側に隔壁を介して画成され、前記フレ
    ームの他端と嵌合する第2空間と、 前記隔壁に形成されて第1空間と第2空間とを連通する
    通路と、 前記第1空間とトランスとの間の所定の間隙及び第2空
    間と嵌合したフレームとの間隙に充填した熱伝導率の良
    い絶縁性無機物質の粉末を含む樹脂からなる第1の樹脂
    層とを備えたことを特徴とする密閉型照明装置。
  2. 【請求項2】 前記変圧器ケースが軽合金で形成され、
    前記第1樹脂層を筒部に面したトランスの端面を覆う所
    定の位置まで形成し、この第1樹脂層の端面から筒部側
    に所定の厚さで熱伝導率の低い第2の樹脂層を形成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型照明装置。
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