JP2634766B2 - 射出成形用材料供給装置 - Google Patents

射出成形用材料供給装置

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JP2634766B2
JP2634766B2 JP951094A JP951094A JP2634766B2 JP 2634766 B2 JP2634766 B2 JP 2634766B2 JP 951094 A JP951094 A JP 951094A JP 951094 A JP951094 A JP 951094A JP 2634766 B2 JP2634766 B2 JP 2634766B2
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義治 是行
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、射出成形用材料供給
装置、特に、材料供給管により供給された樹脂材料をそ
の内部に蓄えるとともに、この蓄えられた樹脂材料を射
出成形装置に供給するホッパを備えてなる射出成形用材
料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形装置に樹脂材料を供給す
る射出成形用材料供給装置として、材料供給管により供
給された樹脂材料をその内部に蓄えるとともに、この蓄
えられた樹脂材料を射出成形装置に供給するホッパを備
えたものは、一般に良く知られている。かかる材料供給
装置が付設された射出成形装置を用いて行う射出成形に
おいて、成形品の樹脂材料を変更する材料替え時には、
変更後の樹脂材料に変更前の樹脂材料が混入することを
防止するために、ホッパ内をできるだけきれいに清掃
し、変更前の樹脂材料がその内部に残留しないようにす
る必要がある。
【0003】この清掃を行う場合、樹脂材料(例えばチ
ップ状あるいはペレット状など)のホッパ内への供給を
停止した後、ホッパ内に溜まっている樹脂材料を、使い
切るか又はホッパ外部へ排出するとともに、ホッパの上
蓋を取り外し、作業者の手作業により、圧縮エアを吹き
付けてホッパ内壁に付着残存した変更前の樹脂材料およ
びその粉末を除去するのが、従来、最も一般的である。
尚、上記材料替えとしては、成形用の樹脂材料(所謂ベ
ース材)の材質自体を異なる材質に変更する異材質への
切り替え(この場合、ベース材の色が異なれば成形品の
色も変更されることとなる)、およびベース材の材質自
体は同じでもその着色材(所謂マスタバッチ)を変更して
成形品の色を替える同材質での色替え、更に異材質への
切り替えでかつマスタバッチも変更して色替えも行う場
合など、成形品の材質や色を変更する種々の場合が含ま
れる。
【0004】しかしながら、かかる方法では、ホッパ内
の清掃は、上蓋を取り外して手作業によるエアブローで
行なわれるので、多大の手間と時間とを要する上、ホッ
パ内壁に付着残存した変更前の樹脂材料およびその粉末
がエアブローに伴って周囲に飛散し、ホッパ回りが汚さ
れるという不具合がある。また、かかるホッパは、射出
成形装置の射出シリンダの上方に配置されることが多
く、特に、大形の射出シリンダの場合には、ホッパの清
掃作業は機上作業となり、安全管理により注意を払う必
要が生じる。更に、ホッパ内壁に強固に付着残存した樹
脂材料あるいはその粉末は、エアブローだけでは、ある
程度制限された時間内に確実に除去することはなかなか
に難しく、十分な清掃効果を得る上でも作業が長時間化
するという問題もある。
【0005】上記のような手作業でのエアブローに伴う
諸問題に対して、ホッパ内部のエアブローによる清掃を
自動的に行わせるようにすることが種々提案されてお
り、例えば、特開平1−160622号公報では、主副
二段のホッパを備えた射出成形設備において、材料替え
(色替え)時に、副ホッパと主ホッパとを順次自動的にエ
アブローで清掃するようにした自動材料替え方法が開示
されている。以下、この従来技術について説明する。図
5は、本従来技術に係る射出成形設備を概略的に表す縦
断面説明図であるが、この図に示すように、この射出成
形設備は、射出シリンダ72内に回転スクリュー73が
配設されてなる射出成形機71と、射出シリンダ72の
後部上方に配置された材料供給装置とを備えており、上
記射出シリンダ72の前端側は成形金型75に結合され
ている。
【0006】上記材料供給装置は、射出シリンダ72に
直接に連結された主ホッパ74と、該主ホッパ74の上
方に配設された副ホッパ81とを備えており、該副ホッ
パ81に材料供給管82が接続されている。樹脂材料と
してのベース材およびマスタバッチ(成形品の仕様に応
じて必要な場合)は、この材料供給管82から上記副ホ
ッパ81内に供給される。また、副ホッパ81の上部に
は図示しない吸引装置に連結された吸引管88が接続さ
れ、該吸引管88の副ホッパ81内への開口部の下方に
はフィルタ83が配置されている。更に、上記吸引管8
8の途中部からは主ホッパ74の材料供給筒部78に接
続される分岐吸引管89が分岐しており、この分岐部に
は切換バルブ90が介装されている。
【0007】尚、上記主ホッパ74の材料供給筒部78
における分岐吸引管89の接続部よりも下方および副ホ
ッパ81の材料供給筒部85の途中部には、スライドダ
ンパ79,86の伸縮作動により各材料供給筒部78,8
5を開閉するプレート80,87がそれぞれ設けられて
いる。また、上記主ホッパ74の上方開口端部と上蓋7
6との隅部全周および副ホッパ81のフィルタ83の下
方全周には、各ホッパ74,81の内壁に付着残存した
樹脂材料およびその粉末を吹き飛ばすために、エアブロ
ーノズル77,84がそれぞれ設けられている。
【0008】そして、色替えを行う際には、まず、上記
副ホッパ81への材料供給を停止するとともに、主副の
ホッパ74,81間に設けられたプレート87を閉じた
状態で、副ホッパ81内を吸引して負圧にし、材料供給
管82内に残存した樹脂材料およびその粉末を副ホッパ
81内に吸引した後、エアブローノズル84から圧縮エ
アを吹き出し、副ホッパ81の内壁に付着残存した前色
用の樹脂材料およびその粉末を吹き落として清掃する。
このとき、主ホッパ74から射出シリンダ72への材料
供給は継続され、従って射出成形機71による射出成形
は継続して行なわれている。その後、上記プレート87
を開いて副ホッパ81内を再度エアブローし、その内部
の吹き落とされた前色用の樹脂材料およびその粉末を主
ホッパ74内に供給した後、プレート87を閉じる。
【0009】次に、主ホッパ74内が空になったことを
確かめた後、射出シリンダ72との間のプレート80を
閉じるとともに、エアブローノズル77から圧縮エアを
吹き出し、主ホッパ74の内壁に付着残存した前色用の
樹脂材料およびその粉末を吹き落として清掃する。そし
て、切換バルブ90を切り換えて分岐吸引管89と吸引
装置(不図示)とを連通させ、吸引装置を作動させて主ホ
ッパ74内の吹き落とされた前色用の樹脂材料およびそ
の粉末を分岐吸引管89より外部に排出させるようにな
っている。尚、このとき、副ホッパ81内には、変更後
の新たな色の(次色用の)樹脂材料が供給されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれ
ば、確かに、ホッパ74,81内部のエアブローによる
清掃を、人手をかけず安全にかつ周囲を汚すことなく、
自動的に行わせることができる。しかしながら、ホッパ
74,81の内壁に付着残存した前色用の樹脂材料ある
いはその粉末の除去は、やはりエアブローだけで行なわ
れるので、ある程度制限された時間内でこれらを確実に
除去することはなかなかに難しく、十分な清掃効果を得
るためには依然としてかなりの時間がかかり、材料替え
に長時間を要するという問題があった。また、吸引管8
8の副ホッパ81内への開口部はフィルタ83で覆われ
ているが、チップ状あるいはペレット状などの粒状物や
粉体の場合には、一般にフィルタの目詰まりが生じ易
く、このフィルタ83が目詰まりした場合には、吸引管
88からホッパ81内を吸引する際に十分な吸引効果が
得られなくなる。
【0011】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、材料替え時においてホッパ内部の清掃作業を簡
略化して材料替えに要する時間を短縮することができ、
また、吸引管のフィルタの目詰まりを防止することがで
きる射出成形用材料供給装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に記載された発明(以下、本願の第1の発明という)に
係る射出成形用材料供給装置は、材料供給管により供給
された樹脂材料をその内部に蓄えるとともに、この蓄え
られた樹脂材料を射出成形装置に供給するホッパを備え
てなる射出成形用材料供給装置であって、上記樹脂材料
を圧力作用により上記材料供給管を通じて上記ホッパ内
に供給する圧力手段が設けられており、上記材料供給管
は上記ホッパに対してその内周の接線方向に接続されて
いることを特徴としたものである。
【0013】また、本願の請求項2に記載された発明
(以下、本願の第2の発明という)に係る射出成形用材料
供給装置は、上記第1の発明において、上記圧力手段
は、一端が吸引装置に連結され他端が上記ホッパに連結
された吸引管を備えており、該吸引管のホッパ内への開
口部はフィルタで覆われ、該フィルタの吸引方向におけ
る下流側には、フィルタを介してホッパ内に向かってエ
アを吹き出すエア吹出口が設けられていることを特徴と
したものである。
【0014】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記圧力手
段が設けられるとともに、上記材料供給管はホッパに対
してその内周の接線方向に接続されているので、上記圧
力手段の圧力作用により材料供給管内を通じて供給され
て来た樹脂材料は、ホッパ内壁に沿って、つまりこのホ
ッパ内壁をこすりながらホッパ内に供給され、これによ
り、ホッパ内壁の付着物はこすり落とされる。すなわ
ち、従来、エアブローだけで清掃を行っていた場合に比
べて、ホッパ内壁に付着残存した変更前の樹脂材料およ
びその粉末は容易かつ確実に除去される。しかも、上記
ホッパの内壁は、射出成形時における通常の材料供給に
より、供給された樹脂材料でこすられて清掃されている
ので、材料替え時、特に改めてホッパ内の清掃を行う必
要がなくなり、材料替えに要する時間を大幅に短縮する
ことができる。
【0015】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、上記圧力手段は上記吸引管を備えているの
で、その一端に連結された吸引装置の作用により、吸引
管を介してホッパ内部を吸引し、該ホッパ内を負圧化し
てその圧力作用で樹脂材料をホッパ内に供給することが
できる。この場合において、上記吸引管のホッパ内への
開口部を覆うフィルタの吸引方向における下流側には、
該フィルタを介してホッパ内部に向かってエアを吹き出
すエア吹出口が設けられているので、このエア吹出口か
らホッパ内部に向かってエアを吹き出すことにより、上
記フィルタの目詰まりを確実に防止することができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は、本実施例に係る射出成形
用材料供給装置を概略的に表す全体構成図である。この
図に示すように、上記射出成形用材料供給装置は、射出
成形機の主要部を構成する射出シリンダ2の上方に配置
・連結されて該射出シリンダ2内に成形用の樹脂材料
(所謂ベース材 ; 以下、単に成形用材料という)を供給
するホッパ4(機上ホッパ)と、該機上ホッパ4に成形用
材料を送給する材料送給装置5と、上記射出シリンダ2
に成形用材料と同材質の樹脂材料に顔料を濃縮させたも
のをペレット状にした所謂マスタバッチを供給するマス
タバッチ用のサイクロンホッパ6と、該マスタバッチ用
サイクロンホッパにマスタバッチを送給するマスタバッ
チ送給装置7とを備えている。
【0017】上記射出シリンダ2の内部には、該シリン
ダ2内に供給されて加熱溶融させられた成形用材料を混
錬し、射出シリンダ2の前端側に結合された成形金型
(不図示)の成形空間内に充填するスクリュー3が回転可
能に配設されている。上記射出シリンダ2は、従来から
良く知られているものと同じもので、具体的には図示し
なかったが、上記射出シリンダ2の後端側には、スクリ
ュー3を回転駆動するための駆動装置が取り付けられて
いる。また、上記機上ホッパ4は、射出シリンダ2の後
側上部に連結して取り付けられている。
【0018】上記機上ホッパ4に成形用材料を送給する
材料送給装置5は、使用済みで廃棄された樹脂成形品を
所定サイズ以下の小片に粉砕する粉砕機11と、該粉砕
機11で得られたリサイクル用の粉砕材を送給するリサ
イクル材送給管12と、新規材料でなる例えばペレット
状の原材を送給する原材送給管13とを備えている。
尚、上記リサイクルされる使用済みの樹脂成形品は、原
材と同材質の樹脂で成形されたものが選ばれて用いられ
る。また、これら原材送給管13とリサイクル材送給管
12とは、三方切換弁14を介して、上記機上ホッパ4
に成形用材料を供給する材料供給管15に接続されてお
り、上記三方切換弁14を切換操作することにより、材
料供給管15とリサイクル材送給管12または原材送給
管13との連通状態が切り換えられる。そして、この連
通状態を切換制御することにより、材料供給管15側に
送給される成形用材料について、リサイクル材と原材と
の割合が定められる。尚、後で詳しく説明するように、
機上ホッパ4内への材料供給時には、該ホッパ4内部に
負圧が作用し、この負圧によって上記リサイクル材用ま
たは原材用の各送給管12,13および材料供給管15
内の成形用材料が機上ホッパ4の内部に吸引されるよう
になっている。
【0019】上記マスタバッチ用サイクロンホッパ6は
機上ホッパ4の側方に配置され、マスタバッチ用サイク
ロンホッパ6の下端部に接合されたマスタバッチ供給管
17は、上記機上ホッパ6の射出シリンダ2への供給筒
部43に接続されている。また、図2から良く分かるよ
うに、マスタバッチ用サイクロンホッパ6の上端側には
フィルタ16が配設されるとともに、該フィルタ16の
上方にはスプリング18で支持された上蓋17が配設さ
れている。そして、この上蓋17とマスタバッチ用サイ
クロンホッパ6の上端部との間から、エア抜きを行うこ
とができるようになっている。
【0020】上記マスタバッチ用サイクロンホッパ6に
マスタバッチを送給するマスタバッチ送給装置7は、マ
スタバッチを蓄えるマスタバッチ用ホッパ21と、該ホ
ッパ21の下端部に連結されたフィーダ22(ロータリ
フィーダ)と、一端が上記マスタバッチ用サイクロンホ
ッパ6の上部に接続され、他端がロータリフィーダ22
の出口側に接続されたマスタバッチ送給ホース23と、
該送給ホース23内に圧縮エアを供給するエア供給管2
4とを備えており、該エア供給管24の端末は、圧縮エ
ア供給源(不図示)から配管されたエアパイプ25に接続
されている。また、上記エア供給管24には、上流側か
ら順に、エアフィルタ26,圧力調整用のレギュレータ
27及びソレノイドバルブ28が介設されている。
【0021】上記ロータリフィーダ22は、図4に詳し
く示すように、マスタバッチ用ホッパ21の下端部に連
結されたロータケース32と、該ロータケース32と一
体的に形成されたフィーダ本体31とを備えており、該
フィーダ本体31の下端部には、一端がマスタバッチ送
給ホース23に、他端がエア供給管24にそれぞれ接続
されてマスタバッチをエアにより送給する三方継手39
が結合されている。上記ロータケース32内には、外周
部に所定サイズの凹部33aが多数形成されたロータ3
3が回転可能に収納され、該ロータ33の回転に伴っ
て、ロータ33の凹部33aとロータケース32の内周
とで形成される所定容積の空間部34,…,34内に、マ
スタバッチ用ホッパ21から落下供給されるマスタバッ
チがそれぞれ所定量充填される。
【0022】一方、ロータケース32の下部には、フィ
ーダ本体31の供給筒部35に開口する穴部32aが形
成されており、ロータ33の回転に伴って、上記穴部3
2aに対応する領域にさしかかった凹部33a内に充填さ
れた所定量のマスタバッチが、供給筒部35内から更に
三方継手39内に落下供給され、この所定量のマスタバ
ッチが、エア供給管24からの圧縮エアによりマスタバ
ッチ送給ホース23を介して上記マスタバッチ用サイク
ロンホッパ6内に圧送される。尚、フィーダ本体31の
供給筒部35の入口側には、該入口を開閉する開閉ドア
36が設けられている。上記ロータ33の回転はインバ
ータ制御されており、このロータ33の回転数および計
量時間により、上記射出シリンダ2から成形金型(不図
示)の成形空間内に射出される材料の1ショット当たり
の重量(ショット重量)に対するマスタバッチの混合比率
が定まる。本実施例では、例えば、ショット重量に対し
て3.3%の混合比率でマスタバッチを供給するように
している。尚、マスタバッチを計量して送給するフィー
ダは、上記ロータリ式のものに限定されるものではな
く、例えば、所謂1ショット計量式のフィーダなど、他
の形式のものを用いることができる。
【0023】次に、射出シリンダ2内に成形用材料を供
給する上記機上ホッパ4について説明する。上記図2に
詳しく示されているように、該機上ホッパ4は、上下両
側が開口した略円筒状のホッパ本体41と、該ホッパ本
体41の上端側を覆う上蓋42と、ホッパ本体41の下
端側に設けられて射出シリンダ2に連結された上記供給
筒部43とを備えている。該供給筒部43の入口側に
は、ホッパ本体41との接続口を開閉制御するために、
スライドダンパ45で駆動される開閉シャッタ44が設
けられている。また、上記供給筒部43には、上述のよ
うに、一端がマスタバッチ用サイクロンホッパ6の下端
側に結合されたマスタバッチ供給管19の他端側が接続
されている。更に、上記供給筒部43には、ホッパ4内
部の成形用材料を排出させる際に用いられる排出管46
がつなぎ込まれており、この排出管46には、スイッチ
操作によって遠隔で開閉駆動できる電動バルブ50が介
設されている。一方、機上ホッパ4の本体側部には、機
上ホッパ4内に蓄えられた成形用材料の高さレベルを検
出するレベル計47が取り付けられている。
【0024】本実施例では、上記上蓋42の略中央部分
に吸引管48の一端が接続されており、該吸引管48の
他端側は図示しない吸引装置に接続されている。上記吸
引管48のホッパ4内への開口部48aは、所定メッシ
ュのフィルタ49で覆われている。本実施例では、成形
用材料として例えば直径3mmのペレットが用いられ、上
記フィルタ4のメッシュサイズは、このペレットを通過
させない範囲で適宜定められている。そして、成形工程
中にホッパ4内の成形用材料の貯蔵レベルが予め設定さ
れたレベルを切ると、上記レベル計47に接続されたタ
イマ(不図示)がONされ、所定時間T0後に吸引装置(不
図示)が駆動される。これにより、ホッパ4内部のエア
が吸引管48を介して吸引され、ホッパ4内が負圧化す
る結果、材料供給管15から所定量の成形用材料がホッ
パ4内に供給される。そして、貯蔵レベルが上記設定レ
ベルに達すると、所定時間T1後に材料の供給が停止さ
れるようになっている。
【0025】また、本実施例では、フィルタ49の吸引
方向における下流側に、所定圧力の圧縮エアを供給する
エア供給管52に接続されたエア吹出管51が、フィル
タ49を介して機上ホッパ4の内部に向かってエアを吹
き出すようにその吹出口の向きを設定した上で接続され
ている。尚、上記エア供給管52の上流側端末部は、圧
力調整用の絞り弁55およびソレノイドバルブ53を順
次介して、圧縮エア供給源(不図示)から配管されたエア
パイプ54に接続されている。そして、成形中における
材料供給時、上記レベル計47に接続されたタイマ(不
図示)がONされた際には、吸引装置(不図示)が駆動さ
れる前に、上記ソレノイドバルブ53が開かれてエア吹
出管51から機上ホッパ4の内部に向かって所定圧力の
エアが吹き出され、上記フィルタ49がエアブローされ
るようになっている。これにより、該フィルタ49の目
詰まりが確実に防止される。
【0026】更に、本実施例では、機上ホッパ4内に成
形用材料を供給する上記材料供給管15は、図3から良
く分かるように、ホッパ4に対してその内周の接線方向
に接続されている。従って、材料供給管15内から吸引
されて来た成形用材料は、ホッパ4の内壁に沿って、つ
まりこのホッパ4の内壁をこすりながらホッパ4内に供
給される。これにより、ホッパ4の内壁の付着物はこす
り落とされる。すなわち、ホッパ4の内壁は、射出成形
時における通常の材料供給により、供給された成形用材
料でこすられて容易かつ確実に清掃されることになる。
また、このとき、吸引されて来た成形用材料は、主とし
てペレットのサイズの微妙な差異(つまり各ペレットの
重量の微妙な差異)に応じて、重いものはホッパ4の内
壁側に、逆に軽いものは比較的中央側に積層される。
尚、上記マスタバッチ送給ホース23も、マスタバッチ
用サイクロンホッパ6に対してその内周の接線方向に接
続されており、該マスタバッチ用サイクロンホッパ6の
内壁は、射出成形時における通常のマスタバッチの供給
により、供給されたマスタバッチでこすられて清掃され
るようになっている。
【0027】以上の構成において、成形品の樹脂材料の
材質や色を変更する材料替えを行う際、機上ホッパ4側
では、まず、材料送給装置5およびマスタバッチ送給装
置7から機上ホッパ4側への材料の供給が停止され、そ
の時点でホッパ4の内部に残存した材料(変更前の成形
用材料)は、使い切るか又はホッパ4の外部に排出され
る。尚、このとき、吸引管48の開口部48aを覆う上
記フィルタ49は、エア吹出管51からの圧縮エアによ
ってエアブローされる。本実施例では、上述のように、
機上ホッパ4の内壁は、射出成形時における通常の材料
供給により、供給された成形用材料でこすられて清掃さ
れており、変更前の成形用材料およびその粉末が付着す
ることが有効に防止されている。従って、材料替えを行
うに際して、機上ホッパ4内部の清掃を改めて行う必要
はない。一方、材料送給装置5側では、原材およびリサ
イクル材が変更後のものに取り替えられるとともに、よ
り好ましくは、原材送給管13と材料供給管15とが連
通するように三方切換弁14が切り換えられる。そし
て、吸引装置(不図示)が駆動されてホッパ4内が負圧化
されることにより、変更後の成形用材料が材料供給管1
5からホッパ4内に供給される。尚、このときも、材料
供給管15内から吸引されて来た成形用材料は、上述の
ように、ホッパ4の内壁に沿って(つまりこのホッパ4
の内壁をこすりながら)ホッパ4内に供給される。
【0028】この場合、ホッパ4内の清掃用に供給され
た変更後の成形用材料およびホッパ4の内壁からこすり
落とされた変更前の成形用材料は機上ホッパ4内に溜ま
ることとなるが、このホッパ4内に溜まった材料は、成
形金型(不図示)から取り外された状態の射出シリンダ2
内へ供給され、スクリュー3の回転に伴って、該スクリ
ュー3の外表面およびシリンダ2の内壁に付着残存した
変更前の成形用材料をこすり落としながら、射出シリン
ダ2の前端部から外部に排出(パージ)される。この排出
される樹脂の色を観察することにより、射出シリンダ2
の内部の清掃状態を確かめることができる。そして、こ
れら射出シリンダ2の内部が十分に清掃されたことが確
認されると、材料替えの清掃が完了する。
【0029】尚、上記実施例では、射出シリンダ2の内
部に付着残存した変更前の成形用材料およびその粉末を
こすり落とすために、変更後の成形材料を清掃用として
機上ホッパ4内に供給するようにしていたが、この代わ
りに、清掃専用のパージ材を、例えば白色あるいは透明
の樹脂材料でチップ状もしくはペレット状に形成し、こ
のパージ材を供給することによって機上ホッパ4および
射出シリンダ2の内部を清掃するようにしても良い。こ
の清掃専用のパージ材としては、より好ましくは、例え
ばポリエチレンや専用洗浄材料(例えば、商品名 アサク
リーン : 旭化成 株式会社製)など、基本的に白色ある
いは透明で比較的安価な樹脂材料を用いることができ、
特に、変更後の成形用材料が高価な材料である場合に
は、清掃コストの抑制に寄与することができる。
【0030】また、上記マスタバッチ用サイクロンホッ
パ6においても、マスタバッチ送給ホース23は、マス
タバッチ用サイクロンホッパ6に対してその内周の接線
方向に接続されており、該マスタバッチ用サイクロンホ
ッパ6の内壁は、射出成形時における通常のマスタバッ
チの供給により、供給されたマスタバッチでこすられて
清掃されるようになっている。すなわち、変更前のマス
タバッチおよびその粉末が付着することが有効に防止さ
れている。従って、材料替えを行うに際して、機上ホッ
パ4内部の清掃を改めて行う必要はない。
【0031】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記材料供給管15は機上ホッパ4に対してその内
周の接線方向に接続されているので、上記吸引装置(不
図示)の圧力作用により材料供給管15内を通じて供給
されて来た成形用材料は、ホッパ4の内壁に沿って、つ
まりこのホッパ4の内壁をこすりながらホッパ4内に供
給され、これにより、ホッパ4の内壁の付着物はこすり
落とされる。すなわち、従来、エアブローだけで清掃を
行っていた場合に比べて、ホッパ4の内壁に付着残存し
た変更前の樹脂材料およびその粉末は容易かつ確実に除
去される。しかも、上記機上ホッパ4の内壁は、射出成
形時における通常の材料供給により、供給された樹脂材
料でこすられて清掃されているので、材料替え時、特に
改めてホッパ4内の清掃を行う必要がなくなる。また、
上記マスタバッチ用サイクロンホッパ6についても、上
述のように、マスタバッチ送給ホース23は、マスタバ
ッチ用サイクロンホッパ6に対してその内周の接線方向
に接続されているので、機上ホッパ4の場合と同じく、
材料替え時、特に改めてその内部の清掃を行う必要がな
くなる。従って、材料替えに要する時間を大幅に短縮す
ることができる。
【0032】また、上記機上ホッパ4の場合、上記吸引
管48の一端に連結された吸引装置の作用により、吸引
管48を介して機上ホッパ4の内部を吸引し、該ホッパ
4内を負圧化してその圧力作用で成形用材料をホッパ4
内に供給することができる。この場合において、上記吸
引管48の機上ホッパ4内への開口部48aを覆うフィ
ルタ49の吸引方向における下流側には、該フィルタ4
9を介してホッパ4の内部に向かってエアを吹き出すエ
ア吹出管51が設けられているので、このエア吹出管5
1からホッパ4の内部に向かってエアを吹き出すことに
より、フィルタ49の目詰まりを確実に防止し、吸引管
48から機上ホッパ4内を吸引する際の吸引効果の低下
を防止することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る射出成形用材料供給装
置を概略的に表す全体構成図である。
【図2】 上記射出成形用材料供給装置の機上ホッパを
拡大して示す縦断面説明図である。
【図3】 上記機上ホッパへの材料供給管の接続状態を
示す横断面説明図である。
【図4】 上記射出成形用材料供給装置のマスタバッチ
用ホッパおよびロータリフィーダを拡大して示す縦断面
説明図である。
【図5】 従来技術に係る射出成形設備を概略的に示す
縦断面説明図である。
【符号の説明】
2…射出シリンダ 4…機上ホッパ 6…マスタバッチ用サイクロンホッパ 15…材料供給管 23…マスタバッチ送給ホース 24…エア供給管 48…吸引管 48a…吸引管の開口部 49…フィルタ 51…エア吹出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 仁志 広島県東広島市八本松町大字原175番地 の1 大協株式会社内 (72)発明者 森下 文雄 広島県東広島市八本松町大字原175番地 の1 大協株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料供給管により供給された樹脂材料を
    その内部に蓄えるとともに、この蓄えられた樹脂材料を
    射出成形装置に供給するホッパを備えてなる射出成形用
    材料供給装置であって、 上記樹脂材料を圧力作用により上記材料供給管を通じて
    上記ホッパ内に供給する圧力手段が設けられており、上
    記材料供給管は上記ホッパに対してその内周の接線方向
    に接続されていることを特徴とする射出成形用材料供給
    装置。
  2. 【請求項2】 上記圧力手段は、一端が吸引装置に連結
    され他端が上記ホッパに連結された吸引管を備えてお
    り、該吸引管のホッパ内への開口部はフィルタで覆わ
    れ、該フィルタの吸引方向における下流側には、フィル
    タを介してホッパ内に向かってエアを吹き出すエア吹出
    口が設けられていることを特徴とする請求項1記載の射
    出成形用材料供給装置。
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