JP2633042B2 - パルプシートの解砕方法 - Google Patents

パルプシートの解砕方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、パルプシートの解砕方法に関し、詳しくは
セルロース誘導体の製造において、反応に先立って原料
パルプシートを解砕する際に、原料パルプシートを先ず
水中で解砕した後、解砕パルプ中の水を親水性有機溶剤
で置換し乾燥することにより、反応性に秀れた解砕パル
プを乾燥状態で得る方法に関するものである。
(従来の技術) 酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースなどに代表されるセルロース誘導体の用途は衣料
用繊維、プラスチック、フィルム、フィルター素材、塗
料、インク、セラミックバインダー、食品添加剤など多
岐にわたり、工業的に重要なものである。
従来、セルロース誘導体の製造において、反応に先立
って乾燥状態で解砕されたセルロース原料を得る方法と
して乾式解砕法が広く用いられて来た。乾式解砕法は、
乾燥状態(通常セルロースシートは乾燥状態で3〜10%
程度の水分を含有する)の原料セルロースシートをその
ままアトリッションミル、ハンマーミル、カッターミル
などの乾式解砕機に供給し、解砕されたセルロース原料
を得る方法である。
(発明が解決しようとする課題) 従来から、セルロース誘導体を製造する場合の原料セ
ルロースとして、主としてαセルロース含有率の比較的
高いパルプが使用されて来た。
しかしながら、一般にセルロース原料は、世界的な資
源の制約とパルプ製造工場の公害問題から要求価格に見
合う高品位のものは得られ難くなることが予想される。
αセルロース含有率の低い低品位パルプはその本来の
使用目的からパルプシートが固く、従来から広く取り入
れられている乾式解砕機では解砕効果が十分でなかった
り、また、解砕時の熱と衝撃により解砕物の反応性が著
しく劣化してしまい、誘導体化がうまく行えないことが
しばしばある。
原料セルロースシートを水中で解砕する方法は、乾式
解砕のように解砕時に熱や過度の衝撃を受けないため、
解砕時における反応性の劣化は少ないが、解砕後の含水
状態のパルプを常法にしたがって乾燥しようとすると、
いわゆる角質化が起り、反応性が著しく劣化してしま
う。
このような現象を防ぐために、たとえば、酢酸セルロ
ースの製造においては、原料セルロースシートを水中で
解砕し、反応溶媒である酢酸で解砕パルプ中の水を置換
し乾燥状態を経ずに反応に供する方法(米国特許第3767
642号)があるが、この方法では乾燥状態で、反応性に
富んだ解砕されたセルロース原料を得ることはできな
い。多種多様なセルロース誘導体の製造のいずれにも利
用できるような解砕されたセルロース原料を、乾燥状態
で得る方法が必要とされている。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、解砕時の反応性劣化を防ぐため、原料
セルロースシートを水中で解砕することを前提とし、解
砕されたセルロース原料の乾燥時の角質化を防止し、か
つ乾燥性の良い親水性の置換用溶剤について、鋭意検討
を重ねた結果、本発明に到達したものである。
本発明は以下の方法によって実施される。
まず、パルプシートを常法に従って水中で解砕し脱水
する。脱水の方法としては、特に限定されないが、フィ
ルタープレスや遠心脱液が便利である。次ち、得られた
解砕パルプのケーキ中に含まれる水を親水性の溶剤で置
換する。使用する親水性溶剤としては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級
アルコール類や、アセトンなどのケトン類、テトラハイ
ドロフランなどが上げられる。
置換に使用する親水性溶剤の量としては、使用する溶
剤の種類、置換の方法によって異なるため限定できない
が、置換後のケーキ中の水分量を30重量%(以下%はす
べて重量%)以下にすることが必要である。置換後のケ
ーキ中の水分量が30%を越えると乾燥時に角質化を起
し、反応性が劣化してしまう。置換の方法は、特に限定
されないが、例えば、ブフナーロートを用いて、吸引下
でケーキ上に親水性溶剤をふりかける方法が便利であ
り、工業的にも容易である。
次に、このようにして、水分量が30%以下になるよう
に親水性溶剤で置換されたパルプケーキを脱液、乾燥
し、反応性に富んだフラツフ状の解砕パルプを乾燥状態
で得るのであるが、パルプケーキをそのまま乾燥したの
では、パルプ間に再結合を生じ、フラツフ状のパルプを
得ることができない。
そこで、乾燥に先立って、あるいは、乾燥の途中で、
未乾燥状態あるいは乾燥途中の状態で、パルプケーキを
再解砕する必要がある。完全に乾燥した後に再解砕を行
うと乾式解砕と同じこととなり反応性の劣化につなが
る。
本発明においては、パルプ中に揮発分(水分も含む、
以下同じ)が10%以上残存している状態で再解砕を行
う。揮発分が10%より少ない状態で再解砕を行うとセル
ロースの反応性が劣化する可能性が高い。
再解砕の方法としては、特に限定されない。アトリッ
ションミル、ハンマーミル、カッターミル、ジェットミ
ルなどが上げられるが、パルプケーキが特に柔らかい場
合は、圧搾空気を吹き付ける方法や振動を与える方法な
どを採用することもできる。得られたフラツフ状パルプ
を常法に従って乾燥することにより、反応性に富んだ解
砕パルプを乾燥状態で得ることができる。
(発明の効果) 本発明の方法により、パルプシートから反応性の劣化
をまねくことなく、フラツフ状の解砕パルプを乾燥状態
で得ることができ、種々のセルロース誘導体の製造にお
いて非常に有用である。特に、シートが硬いため乾式解
砕で利用が困難であった低グレードパルプを誘導体化の
原料として用いる場合に有用である。
(実施例) 以下に本発明を具体的に説明する実施例を示すが、本
発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
また、実施例中の部とは重量部を、%は重量%を示す
ものである。
本発明によって得られる乾燥フラツフパルプの反応性
を評価するために、アセチル化反応を行い酢酸セルロー
スを製造した。酢酸セルロースの製造は次の方法で行っ
た。
解砕パルプの水分を常法に従って、水分5%に調湿し
た。この調湿パルプを前処理機に投入し、5%水分パル
プ100部に対し、100部の氷酢酸を均一に散布し40℃に30
分間混合し、前処理活性化した。予め12℃に冷却した無
水酢酸250部、酢酸375部、硫酸1.0部の混液を捏和式酢
化酸に準備しておき前記の前処理活性化パルプを投入攪
拌混合した。内容物は、原料パルプが同伴する水と無水
酢酸との反応、及びセルロースと無水酢酸との反応に依
り、発熱するが初期の16℃前後より、60分かけて77℃に
到達するように、外部冷却により調整し、さらに77℃に
て12分間保持して酢化反応行わせた。
次いで、10部の20%酢酸マグネシウム水溶液を添加混
合し、系内の硫酸を完全に中和し、且つ、酢酸マグネシ
ウム過剰とした。完全中和した反応混合物をオートクレ
ーブに移し、密閉下でゲージ圧5kg/cm2の水蒸気を攪拌
下に吹き込み約60分かけて150℃に到達させた。150℃で
50分間保持した後、反応物を大気下に徐々にフラッシュ
させて、反応混合物を100℃とした。反応混合物は激し
い攪拌の下に、希酢酸水溶液を加えて、フレークス状酢
酸セルロースとして分離した後、充分水洗して取り出し
乾燥した。
なお、原料パルプシートの密度はJIS P−8118−1976
により測定した。
また、酢酸セルロースの物性測定は次の方法で行っ
た。
酢化度:ASTM D−871(1970年) 粘 度:酢酸セルロース濃度20%になるよう96%アセト
ン水溶液に溶解し、25±0.1℃で、銅球(直径6.32mm、
重さ1.043g)が、酢酸セルロース溶液を充たした内径2
5.9mmの管内を10cm落下するに要する時間(秒) 濾過度:96%アセトン水溶液に20%濃度に溶解した酢酸
セルロース溶液を50℃で所定の濾布を通し、一定圧力下
に濾過する濾過量を測定し、次式により濾過度KWを算出
する。
P1:濾過開始から20分間の濾過量(ml) P2:20分より60分までの40分間の濾過量(ml) 濾過度は、上記の式により算出できるが、これの物性
的意味は、所定の濾布上での目詰りの度合いである。す
なわち、濾過度は酢酸セルロースのアセトン溶液中の不
溶解分の多少を表わしており、濾過度の悪い酢酸セルロ
ースは不溶解分が多いと考えられる。よって、濾過度の
悪い酢酸セルロースは当然紡糸ノズルへの閉塞物も多く
なり、糸切れ発生の度合いが増え、そのような酢酸セル
ロースは可紡性が悪いと考えられる。そこで、可紡性の
評価として濾過度の測定結果で判定した。
ここでいう可紡性とは、最高紡糸速度、ドラフト比、
糸切れ発生頻度が所定の基準値内に入ることを意味す
る。
実施例1〜6 表−1に記載した各種パルプシートのそれぞれについ
て、20gを水2を用いて、家庭用ミキサーで30秒間解
砕し、ブフナーロートを用いて吸引脱水して、それぞ
れ、含水パルプケーキ(A)を得た。そのまま、ブフナ
ーロート上で(A)に実施例1〜3では表−1に記載し
た量のアセトンを、実施例4〜6ではイソプロパノール
をふりかけ、吸引脱液し、それぞれ溶剤置換パルプケー
キ(B)を得た。(B)に含まれる揮発分量と水分量を
表−1に示した。
次に、実施例1と2と4については(B)を室温で2
時間風乾した後、アトリッションミルで再解砕し、気流
乾燥機で乾燥して乾燥状態のフラッフパルプを得た。ま
た、実施例3と5と6については、(B)をナイロン袋
に投入し、第1図に示した方法で圧搾空気を利用して再
解砕し、気流乾燥機で乾燥して乾燥状態のフラッフパル
プを得た。各々の実施例における再解砕前のパルプケー
キ中の揮発分を表−1に示した。
得られた、それぞれの乾燥フラッフパルプを用いて酢
酸セルロースを製造した。得られた酢酸セルロースの酢
化度、粘度および濾過度は表−1に示した通りで、濾過
性、可紡性に優れた製品であった。
比較例1〜6 実施例1〜6と同じパルプシートをそのままアトリッ
ションミルで乾式解砕した。得られた解砕パルプは多く
の未解砕物を含んでいた。これらの解砕パルプを用い
て、実施例と同じ方法で酢酸セルロースを製造した。そ
れぞれの製品の酢化度、粘度および濾過度を表−1に実
施例と比較して示したが、濾過性、可紡性の悪い製品し
か得られなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例(3,5,6)における再解砕方
法の説明図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプシートを水中で解砕した後、解砕パ
    ルプ中の水を親水性有機溶剤で置換した後乾燥すること
    を特徴とするパルプシートの解砕方法。
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