JP2632458B2 - 屋根材および屋根裏の換気方法 - Google Patents

屋根材および屋根裏の換気方法

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弘 志田
努 杉山
龍博 永野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋根裏に空気の流れを
作り、屋根裏の熱気や湿気の除去、木材等屋根裏材の腐
食防止等に有利な屋根材並びにその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から民家等の屋根は言うまでもな
く、最近では高層集合住宅や大型公共建築物のRC野地
屋根上、あるいは鉄骨上の耐火野地板上に金属板の葺屋
根が広く採用されてきており、金属製屋根材はその軽量
性、施工能率の他その多彩な意匠性(表面形状、色彩)
が評価されている。
【0003】従来、金属屋根材の裏側には木毛、合成樹
脂発泡体等が裏打ちされているが、これは金属屋根材の
高熱伝導性、音の伝達性を改善し、屋根材と野地板の間
の結露を防止することを目的としている。
【0004】従来はいずれの屋根材を用いるとしても図
4に示すごとく屋根の結露防止、通風(熱風でなく、単
なる空気の流れ)による湿気の拡散などのためにタルキ
やバックアップ材8を用いて屋根裏の下地材2と屋根材
1の間に空間9を設け、空気の流れを図っているのが普
通である。
【0005】しかし、タルキやバックアップ材8を用い
る施工法は材料のコスト、熟練者が長時間の作業を必要
となるなどコストアップの原因となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の屋根材は軽量
であり、一枚あたりの面積が大きく、施工が能率的にで
きるもので、断熱性もあり、かつタルキのごとき支持部
材、バックアップ材が不要で、野地板上に直接施工で
き、屋根裏の通気性を高く保持可能な板屋根の開発並び
にその施工にあたり、その特徴を更に補強できる施工方
法の開発を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 金属板の表面材及び断熱性のある裏打材からなる屋根
材において、前記裏打材の表面に軒から棟の方向に空気
の流れが可能な複数の凹溝と、これにつながる水勾配方
向に対し横方向凹溝を軒側端に設けた屋根材、及び 記載の屋根材を野地板上に施工した屋根の軒先納め
に空気が入り易いようにスリット穴を設けた屋根裏の
換気構造を開発することにより梅雨期、夏期を中心とし
た季節では換気を維持すると共に、冬期には換気を閉止
して暖房コストの削減ができる方法を開発することによ
り上記の目的を達成した。
【0008】本発明の屋根材に使用する金属板としては
特に限定しないが汎用されるアルミニウム、鉄、銅また
はそれらの合金板が用いられる。これらの材質は腐食に
対して比較的耐久性があるが、色彩の美麗化と酸性雨な
どの対策を兼ね、必要に応じて各種表面処理(化学的防
食被覆、塗装等)を施した板材が好ましく採用される。
【0009】厚さは材質により異なるが、例えば耐食性
アルミニウム合金材では1.0mm以下、0.5〜0.
8mm程度の板で良い。
【0010】断熱性のある裏打材としてはロックウー
ル、グラスウール等の成形体、合成樹脂の発泡材等が断
熱性、軽量性の維持及び夜間における屋根の冷却による
屋根裏への結露を防止するために好ましい。
【0011】裏打材は表面材と一体化されて施工される
ため屋根材が施工時、降雪時、暴風時等に受ける各種の
押圧に対する抵抗力が必要であるのでロックウール、グ
ラスウール等の外面は合成樹脂により固められている。
また合成樹脂としてはある程度の硬度があるポリウレタ
ン、ポリスチレン等の発泡体が好ましい。
【0012】もちろんポリプロピレン、高密度ポリエチ
レンでも良い。この厚さは必要により任意に選べる。
【0013】本発明の屋根材の一例は、図1、図5及び
図6に示すごとく、この裏打材12は軒から棟の方向に
空気の流れができるだけの幅及び高さの溝4が設けられ
おり、更にこの縦溝4は一部において横方向の凹溝4
にもつながるようにしてあるため、空気の流れの均一
化(例えば、日光が一部の屋根にしか当たらなかったと
きの空気の流れの均一化)に効果がある。また、このよ
うにしてあるため軒先から棟方向に施工によって完全に
溝がそろわなかったときでも空気の流れを充分に行わせ
ることができる。
【0014】裏打材の材質、この溝の高さと幅の選択が
適切であればこの屋根材(平板瓦)はタルキやバックア
ップ材などの使用をしないで、野地板(下地材)2の上
に直接施工できるメリットがある。
【0015】このように施工しても図2の矢印に示され
るように縦溝4により空気は軒から棟方向に流れ、特に
日中は太陽光により暖められ、上昇気流となり、棟換気
6から大気中に抜け出る。また外気より屋内の温度が高
いときも同様である。
【0016】この場合、図3に示すごとく空気が屋根裏
に入りやすくするように軒先納めにスリット7を設ける
と空気の流れは一層良くなる。この通風孔は風雨により
雨水が屋根裏に侵入するのを防ぐためスリットにし、高
さを変えて2重にすることは有効である。
【0017】さらに棟換気を開閉式にし、屋根裏の換気
量を調節可能とすると、梅雨時、夏期など屋根裏の換気
を行うことを必要とするときは開放にし、また冬期暖房
の必要なときはこれを閉じることにより暖房の効率を高
めることが可能となる。しかし、夜間の冷気で屋根材が
冷却され、露点以下になり結露することがあるので注意
が必要である。
【0018】
【作用】屋根材として金属薄板の表面材と断熱性のある
裏打材を一体化した平板瓦の裏打材に溝を設け、それ自
体で空気の流れが可能とする平板瓦は下地材に直接施工
しても表面材と一体化された裏打材の縦溝により屋根裏
の通風は確保され、結露防止に効果があり、さらに真夏
時の熱気の拡散、梅雨時の湿気の除去に有効に作用す
る。
【0019】この平板瓦を施工し、軒先納めにスリット
を設けることによりこの通風は更に効果を挙げることが
できる。また、この場合棟換気を開閉式とすることによ
り通風を調節可能とし、冬期の暖房効率を高めることも
可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明の平板瓦は軽量であり、また裏打
材により表面材は補強され、施工時において踏み割れ、
ヘコミなどを効果的に防止する。
【0021】さらに従来屋根材と下地材の間に空気層を
設けるためにはタルキを用いるのが一般的であるが、タ
ルキはコストアップを招くほか、この方式の施工は熟練
者の多くの工程を必要とするが、本発明に係る平板瓦は
野地板の上に直接施工して良いので工数の省略、コスト
ダウンが図れる。また裏打材は断熱材であるので屋根裏
への熱の貫通(逆でも良い。)を防止すると共に、屋根
裏の換気を確保し、結露を防止して木材の腐食やカビの
発生の防止に効果があり、ひいては建物の寿命を長持ち
させるのに役立つものである。
【0022】裏打材は軒から棟の方向に空気が流れるだ
けの幅及び高さを有する凹溝及びこの凹溝に加えて水勾
配に対し横方向にもつながる凹溝4aが設けられている
ため空気の流れの一層の均一化に効果があり、良好な換
気が維持できる。仮に結露したり、雨が吹き込んだ場合
でもタルキやバックアップ材のごときものはなく、屋根
裏は軒に向かって傾斜した溝があるだけであり、水は下
地材の上を流れて屋根裏から外へ流れ出ることになる。
【0023】また、次の特徴としては野地板に直接施工
でき、これで換気が確保できることであり、更に軒先納
めに二重にスリットを設けることにより屋根裏の一層の
通気性の向上が可能となることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】施工された屋根材及び屋根裏の断面構造。
【図2】本発明の屋根材を施工した屋根全体の断面図。
【図3】本発明の軒先納めの断面図。
【図4】従来の屋根材及び屋根裏の断面図。
【図5】(a)は屋根材の裏面であり、(b)は(a)
のAA’断面の側面図である。
【図6】(a)は図5の正面図、(b)は(a)の側面
図である。
【符号の説明】
1 屋根材 11 表面材 12 裏打材 2 下地材(野地板) 3 チャンネル 4 溝4a 水勾配方向に対し横方向に設けた凹溝 5 軒先 6 棟換気 7 スリット 8 タルキ 9 タルキ間の空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 努 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内 (72)発明者 永野 龍博 大阪市浪速区敷津東1丁目2番47号株式 会社クボタ内 (72)発明者 池田 仁純 茨城県水海道市花島町1455−16山本金属 株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−138744(JP,U) 実開 昭58−83538(JP,U) 実公 昭56−21946(JP,Y1) 特表 平2−502109(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面材及び断熱性のある裏打材
    からなる屋根材において、前記裏打材の表面に軒から棟
    の方向に空気の流れが可能な複数の凹溝と、これにつな
    がる水勾配方向に対し横方向凹溝を軒側端に設けたこ
    とを特徴とする屋根材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の屋根材を野地板上に施工
    した屋根の軒先納めに空気が入り易いようにスリット穴
    を設けた屋根裏の換気構造
JP3286978A 1991-10-07 1991-10-07 屋根材および屋根裏の換気方法 Expired - Fee Related JP2632458B2 (ja)

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JPS5737610A (en) * 1980-08-18 1982-03-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd Combustion wick
ES2037692T3 (es) * 1987-11-05 1993-07-01 Herbert Prignitz Material aislante del calor constituido por laminas (aislante-hermetica) para su aplicacion en superficies (techos).

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