JP2631780B2 - 超音波映像検査装置 - Google Patents

超音波映像検査装置

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JP2631780B2
JP2631780B2 JP3169273A JP16927391A JP2631780B2 JP 2631780 B2 JP2631780 B2 JP 2631780B2 JP 3169273 A JP3169273 A JP 3169273A JP 16927391 A JP16927391 A JP 16927391A JP 2631780 B2 JP2631780 B2 JP 2631780B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超音波映像検査装置
に関し、詳しくは、アレイプローブ(アレイ型超音波探
触子)を用いて電子走査を行う場合に、アレイプローブ
の焦点合わせが超音波測定の熟練者でなくても手間がか
からずに簡単にできるような焦点合わせ方式の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】超音波測定装置の1つである超音波検査
装置は、被検体を破壊することなくその表面や内部の欠
陥を検出することができるので多くの分野において使用
されている。被検体の欠陥の有無は、被検体内部の特定
の深さの範囲を対象に検査されることが多く、この種の
検査では、被検体の対象範囲をプローブで走査すること
で検査画像が採取される。この場合に使用されるプロー
ブとしては、焦点型のプローブが使用されることが多
い。しかし、これとは別に圧電素子を多数一列に配列し
て構成されるアレイプローブを使用するものも実用化さ
れている。
【0003】以下、後者のアレイプローブを用いる超音
波検査装置について説明する。図4は、アレイプローブ
を用いる従来の超音波映像検査装置のスキャナ部の斜視
図である。図において、1は検査のための水槽、2は水
槽1に入れられた水、3は水槽1の底面に載置された被
検体である。4は、XYZスキャンができるスキャナで
あって、以下の部材よりなる。水槽1を載置するスキャ
ナ台5と、スキャナ台5の左右の端に固定され、上部が
Y軸移動台である角型のフレーム6,6、フレーム6,
6に橋渡しされ、X軸移動台であるアーム7、アーム7
に装架されたホルダ8、ホルダ8に垂下されて装着さ
れ、アレイプローブをZ軸方向に移動させるポール9、
そしてポール9の先端側に装着されたアレイプローブ1
0である。
【0004】ここで、フレーム6,6は、図示しない機
構により駆動されてアーム7をY軸方向に移動する。ア
ーム7も図示しない機構により駆動されてホルダ8をX
軸方向に移動する。さらに、ホルダ8も図示しない機構
によりポール9と協働してアレイプローブ10をZ軸方
向(X軸およびY軸に直交する方向)に駆動する。
【0005】図5は、アレイプローブ10の説明図であ
る。このプローブ内には、短冊状の小さな振動子(圧電
素子)11が先のスキャナ4との取付状態関係において
X方向に配列されている。振動子11の先には音響レン
ズ12が設けられていて、Y軸方向の超音波ビームにつ
いては所定の幅のビームを発生する。X方向については
超音波ビーム12Xが電子集束と呼ばれる手法により図
示するように集束される。
【0006】電子集束では複数の振動子11に対してそ
れぞれの振動子11を送受信する時に時間差(遅延時
間)を与えて駆動し、それぞれのビームの発生タイミン
グを変える。これによりそれぞれのビームの位相が集束
すべき焦点位置で合わせられる。このことにより、指向
性が鋭くなり、見かけ上でビームが集束される。したが
って、複数の振動子11を駆動するタイミングを相互に
変えることにより、言い換えれば、それぞれの振動子1
1を駆動するパルスの遅延時間のパターン(以下遅延駆
動パターン)をいろいろと変えることによって超音波ビ
ーム12xの焦点位置を変えることができる。
【0007】また、複数の振動子11に対する駆動パル
スについての遅延駆動パターンを保持したままで、送受
信する振動子群を1つずつX方向にシフトしていけば、
一定の焦点位置で超音波ビーム12Xを矢印で示すよう
にX方向に移動させることができ、これにより被検体3
をX方向に電子走査することができる。
【0008】このアレイプローブ10を用いて被検体3
をXY平面走査してそのCスコープ像を得る場合、X方
向の走査は、先の電子走査により行われ、Y方向の走査
はプローブを機械的に走査することになる。後者の機械
走査は、図4のスキャナ4におけるアーム7をフレーム
6上で移動させることにより行われる。このとき機械走
査に比べて電子走査のスピードが非常に速いので、Y方
向の機械走査は、ノンストップで行うことができる。し
たがって、採取されるCスコープ像は非常に高速に映像
化される。Cスコープ像では特定の焦点深さで映像化を
行うため、図6のように、被検体3を構成する部材3A
と3Bとの間の接合面3Cの検査等によく用いられる。
この場合には、焦点を接合面に合わせる必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波映像
検査装置は、通常、マイクロプロセッサとメモリを有す
る画像処理装置を備えている。そこで、各種の操作につ
いてあらかじめデータを設定することが可能であり、超
音波検査が簡単な操作で済むようにあらかじめある種の
操作に関してデータ設定をしておくことができる。しか
し、検査対象である被検体に応じて行わなければならな
い焦点合わせについては、検査対象物に応じて決まるこ
となので、あらかじめデータ設定により操作を簡単にし
ておくことが実作業では難しい。その結果、焦点合わせ
だけは、被検体の音響特性、材質等を理解している技術
者が電子計測器等を使用して行うことになる。これは、
必要に応じて被検体内部における超音波の状態をAスコ
ープ又はCスコープ等で画像表示し、それを観察しなが
ら測定条件等を考慮に入れて行わなければならい。その
結果、超音波測定に熟練する人によらざるを得ず、しか
も手間のかかる作業になる。
【0010】そこで、この発明の目的は、このような従
来技術の問題点を解決するものであって、アレイプロー
ブの焦点を測定の熟練者でなくても手間をかけずに簡単
に適正な状態に設定することができ、かつ、鮮明な測定
画像を得ることができる超音波映像検査装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためのこの発明の超音波映像検査装置の特徴は、被検
体の検査対象面に沿った方向においてアレイプローブに
所定の遅延時間パターンを有する駆動パルス群を加えて
被検体に対して電子走査を行い、この電子走査による超
音波ビームの移動に伴って遅延時間パターンにより電子
集束される超音波ビームの焦点が前記被検体の深さ方向
に沿って順次変化するように遅延時間パターンを選択
し、この電子走査により得られた測定値に基づいて表示
データを生成し、ディスプレイの画面上に測定画像を表
示し、この測定画像のうちある映像部分が選択されたこ
とを示す信号が外部から入力されたときにこの入力信号
に応じて映像部分に対する測定値が採取されたときの遅
延時間パターンを得て、この遅延時間パターンの駆動パ
ルス群を用いて被検体についての測定画像を得るもので
ある。
【0012】
【作用】電子走査により焦点合わせをした場合に、焦点
位置以外での反射エコーは低く、かつ、測定対象付近以
外のところでは焦点位置での反射エコーも低くなる。そ
こで、被検体の特定の深さにエコーを発生する、平面的
にある程度のエリアを持つ測定対象がある場合には、遅
延駆動パターンを変えることによりアレイプローブの焦
点位置を深さ方向で移動させる深さ方向の傾斜走査をす
る。このことにより、深さ方向に変化がある画像をディ
スプレイの画面上に得ることができる。この画像は、あ
たかも深さ方向に透視し、その画像の中で測定対象面と
なる位置に合焦した部分だけが鮮明に強調されたように
見える。そこで、ディスプレイ上において、鮮明な映像
部分を選択することで深さ方向の焦点合わせ位置が分か
り、そこをアレイプローブの焦点位置とすることで適正
な焦点合わせが可能になる。なお、以上の場合には、深
さ方向において測定対象位置の前後に測定対象以外には
大きな反射部分がないものとする。もし、そのようなも
のがあれば、それを含まない範囲で深さ方向に傾斜走査
をすればよい。
【0013】超音波測定技術や電子計測の技術を熟知し
ていないオペレータでも、焦点合わせ位置に対応する位
置にある映像が鮮明に描き出されている画像を見れば、
その鮮明な画像の位置は画面上誰しも分かり、それを選
択できる。しかも、このときには、同時に測定し、観察
したい面も判別できる。そこで、オペレータが鮮明な画
像部分の位置を選択してその位置を入力すれば、この映
像検査装置は、この選択された位置情報を入力装置より
受けてこれにより選択された映像を採取したときの遅延
駆動パターンを得ることができる。そして、この遅延駆
動パターンの駆動パルス群によりアレイプローブを駆動
することで被検体や超音波伝播媒体等の条件に合致した
適正な焦点位置で検査対象部分の画像を採取する。これ
により、超音波測定に慣れていない人であっても単にデ
ィスプレイに表示された画像から鮮明な映像の位置を入
力するだけで簡単にアレイプローブについての焦点合わ
せができることになる。
【0014】先に説明したように電子集束ビームの焦点
深さは、遅延駆動パターンを変えることにより実現され
る。電子集束ビームに関与する振動子11数をM(偶
数)、焦点距離をDxとすると、i番目の振動子11に与
える遅延時間Tiは次式で示される。 Ti=f(Dx,c)=[(Dx2+d2・((M−1)/2)2)1/2−(Dx2+d2・((M+1)/2−i)2)1/2] /c … ここで、cは水中における音速であり、dは振動子
11が配置されているピッチである。そこで、この発明
では値Dxを電子走査中に変化させる。これにより図3
(c)に示すように電子走査中に焦点深さを変えること
ができる。アレイプローブは、一般に長手方向に振動子
が数百程度というように多数配列されている。その関係
でプローブ自体をZ方向に移動させると、プローブ自体
を被検体に対して一定の姿勢に保って測定することが難
しくなり、測定精度が低下する問題がある。そこで、前
記のように遅延駆動パターンを選択して焦点を移動させ
ることが所定の測定精度を保つことができる点で有効で
ある。しかも、駆動パターンの選択は、電子的な処理で
あるので機械的なものに比べて高速に行うことができ、
瞬時の焦点合わせが可能になる。
【0015】
【実施例】図1は、この発明の超音波映像検査装置を適
用した一実施例のブロック図であり、図2は、その傾斜
走査とこれにより得られる測定画像の説明図、図3は、
傾斜走査の全体的な処理のフローチャートである。図1
において、20は、超音波映像探傷装置であって、アレ
イプローブ10と超音波探傷部19、画像処理装置2
1、スキャン制御装置11、そしてスキャナ4等とを備
えている。アレイプローブ10は、例えば、16個の素
子が遅延駆動パターンに従って順次励振され、かつ、先
に説明したように電子走査によりその位置が順次1素子
づつシフトされる。このことにより所定の位置で集束す
る超音波ビームを発生して被検体3の縦断面方向の探傷
を行う。なお、この実施例における被検体3には、先に
述べたように表面からある深さ位置に検査対象となるよ
うな、例えば、接合面3cが存在している。また、電子
走査においてシフトする素子数は1素子に限定されな
い。
【0016】超音波探傷部19は、スイッチ回路14を
制御してアレイプローブ10の振動子を1素子(複数素
子でも可)づつシフトして駆動する電子走査駆動回路1
3と、この駆動回路により電子走査制御され、アレイプ
ローブ10に複数個の励振パルスを送出し、それに応じ
たエコー受信信号をアレイプローブ10から受けるスイ
ッチ回路14、電子走査制御に応じてスイッチ回路14
からのエコー受信信号を受けるレシーバ15、レシーバ
15のエコー受信信号出力を受けるミキサ16、ミキサ
16の出力からそのエコーにゲートをかけてそのピーク
を検出するピーク検出回路17、ピーク値をA/D変換
するA/D変換回路18とを備えている。なお、電子走
査駆動回路13は、遅延駆動パターンに従う複数の励振
パルスをパラレル(先の例では16個パラレル)に発生
してスイッチ回路14に供給する。また、ミキサ16で
は、エコー受信信号を送信時と同じ遅延駆動パターンで
信号を遅延させている。また、ピーク検出回路17は、
ここではその内部にゲート回路が含まれている。
【0017】これにより超音波探傷部19は、例えば、
16個単位で駆動された振動子11からの信号をレシー
バ15で増幅し、検波してミキサ16により加算してエ
コーを示す1つのピーク波形を合成して、ピーク検出回
路17においてそのピークを検出し、その検出値をA/
D変換回路18によりA/D変換して画像処理装置21
に送出する。
【0018】画像処理装置21は、マイクロプロセッサ
とメモリ等で構成され、画像処理装置21のマイクロプ
ロセッサ(MPU)22は、スキャナ4からアレイプロ
ーブ10のY方向の測定点の走査上の座標値(Y)(デ
ジタル値)をインタフェース24,バス25を介して受
け、さらに電子走査駆動回路13からアレイプローブ1
0の駆動制御に対応するX方向の位置信号を同様に受け
て走査上の座標位置(X)を算出する。そしてインタフ
ェース24,バス25を介して前記A/D変換回路18
からの検出されたピーク値を取込みメモリ23に測定デ
ータとして算出した(X,Y)座標に対応して記憶す
る。また、画像処理装置21は、電子走査駆動回路13
に対して電子走査制御に必要な遅延駆動パターン等の制
御信号を送出し、A/D変換回路18をはじめ、その他
の超音波探傷部19の回路にも各種の制御信号お送出す
る。
【0019】なお、バス25には、さらに操作パネル
(図示せず)、画像メモリ26、ディスプレイ27等が
接続されている。ディスプレイ27には、タッチスクリ
ーン28が画面に装着されている。このタッチスクリー
ン28は、タッチスクリーンインタフェース29を介し
てバス25に接続されている。そこで、そのタッチ位置
が割込み処理によりMPU22に読込まれる。このタッ
チスクリーン28は、この選択された表示映像部分の画
面上における位置情報を与える入力装置となっている。
【0020】さて、以上の構成により画像処理装置21
は、アレイプローブ10を電子走査したときの実際の平
面走査の座標位置(X,Y)と、その走査位置に置ける
エコー受信信号のピーク値とを得ることができる。ここ
で、メモリ23には、図2の(a)に示すように、X方
向の電子走査(主走査)に応じてZ方向に電子走査によ
り焦点位置を移動させる電子的な傾斜走査プログラム2
3aと、平面走査プログラム23b、焦点合わせプログ
ラム23c、表示処理プログラム等が格納されている。
そして、そのパラメータ記憶領域23dには、測定条件
を決める各種パラメータ等が記憶されている。また、遅
延駆動パターン領域23eには、先の式に従って得ら
れる焦点距離対応の遅延駆動パターンが浅い方から深い
方に向かって順番にテーブル化されて記憶されている。
【0021】傾斜走査においては、まず、電子的傾斜走
査プログラム23aがMPU22により起動されて電子
的な制御でのX走査が行われる。電子的傾斜走査プログ
ラム23aがMPU22により実行されると、MPU2
2は、あらかじめ操作パネルから入力されたアレイプロ
ーブ10の焦点距離と被検体3との位置関係(通常、水
槽の底部に被検体3は配置されているので、その厚み等
が操作パネルから入力されることでこの位置関係が決定
される。)に応じて測定開始点において、まず、X方向
の超音波ビーム12xの最短焦点が被検体3の表面直下
に位置付けられるようにアレイプローブ10のZ座標位
置(高さ)を算出してアレイプローブ10を位置決めす
る。このときには、アレイプローブ10の焦点位置は、
遅延駆動パターン領域23eの最初の遅延駆動パターン
が選択され、これにより駆動されて決定される。これが
先の最短焦点に対応している。これは、図2の(c)に
おいて左側に示す一番短い距離で集束するものに対応す
る遅延駆動パターンである。なお、Z方向に特別に位置
指定があった場合には、それに従ってアレイプローブ1
0がZ方向で先の焦点が指定された位置に位置付けられ
るが、そのような場合を除いてこの最初の位置が傾斜走
査の基準位置(初期位置)になる。
【0022】そして、MPU22は、測定開始とともに
X方向に図2(c)に示すように順次焦点位置が深さ方
向に深くなるような遅延駆動パターンを遅延駆動パター
ン領域23eのテーブルの先頭から順次読出して複数の
各振動子11(先の例では16個)に加えて1素子ずつ
シフトさせて電子傾斜走査によるX走査を行う。このX
走査が終了した時点でY方向の移動も行われ、同様な電
子傾斜走査のX走査が行われる。なお、Y方向の走査
は、高さ一定の走査になる。
【0023】平面走査プログラム23bは、通常の二次
元走査プログラムであり、MPU22がこのプログラム
を実行することでMPU22は、アレイプローブ10の
高さ(Z座標)を固定にし、さらにX方向の電子走査の
焦点位置も固定して、X方向に電子走査を、Y方向には
あらかじめ設定された速度でアレイプローブ10を移動
させる平面走査を行う。
【0024】さて、傾斜走査においては、式に従って
電子走査中に焦点を変化させることになるが、実際に
は、遅延駆動パターンの遅延時間Tiは、最小時間単位
(量子化単位)があるので、図2(a)に示すように階
段状に順次距離Dx が増加する方向に変化することにな
る。
【0025】X,Y走査によるCスコープ像を得る際
に、図2(a)に示すように焦点移動制御を行うことに
より、被検体3の界面エコーによるデータは、画像上で
は、図2(b)に示すような測定画像がモニタ画面27
aとしてディスプレイ27の画面上に表示される。この
画像は、線間隔が狭いほど映像が鮮明であることを示し
ている。画像上で1番鮮明に見える付近(図の中央部)
が接合面3Cに合焦している。このときディスプレイ2
7の画面に表示された画像は、X方向の走査に伴って同
時に深さ方向であるZ方向の走査(焦点移動)も行わ
れ、図2(b)に示すように焦点の合っている深さの境
界面の映像が明確になり、その前後にある他の部分の映
像は、点線(及び網線)で示すように徐々にぼやけたも
のになる。その理由は、図6に示すように被検体3の内
部に検査対象面となるような接合面3Cがある場合にこ
れに対して傾斜走査が行われると、X方向の各測定点の
更新にともない、同時に焦点位置が深さ方向に順次移動
するからである。その結果、接合面3Cに一致するにと
ころに焦点があっているときの接合面の映像のみが鮮明
に映し出されることになる。
【0026】ここで、MPU22は、焦点合わせプログ
ラム23cを起動する。このプログラムは、まず、タッ
チスクリーン28からの割込み待ちループに入り次のよ
うな処理を行う。オペレータが先のモニタ画像27aを
観測してタッチスクリーン28を介して画像上で1番鮮
明に見える付近をタッチすると、その表示画面上の座標
位置がタッチスクリーン28からMPU22に割込み処
理で与えられる。この割込み信号を受けたMPU22
は、この画面上の座標位置(Xd ,Yd )がX,Yの走
査上の位置と対応しているので、焦点合わせプログラム
23cの実行によりその画面上座標(Xd ,Yd )のう
ち、X方向の座標Xd の位置からアレイプローブ11の
電子走査におけるX方向における振動子11の位置を得
る。そして、この振動子11の位置から遅延駆動パター
ン領域23eのテーブルを検索してこの振動子11を中
心として駆動した遅延駆動パターンを読出し、平面走査
の場合の遅延駆動パターンとしてメモリ23の所定の領
域に書込み、設定する。その結果、平面走査が実行され
たときには、焦点合わせプログラム23cの実行により
設定された遅延駆動パターンの情報を呼び出し、そのZ
方向の位置にアレイプローブ10を位置決めしてその遅
延駆動パターンにより再度Cスコープ像を得る平面走査
を行うことにより、測定画像として画像全面が鮮明な像
を得ることができる。
【0027】次に、画像処理装置10の焦点合わせの全
体的な処理について図3に従って説明する。まず、所定
の焦点合わせ機能キーが入力された時点で図3の処理が
スタートし、そのステップで操作パネルからアレイプ
ローブ10の焦点距離と被検体3の厚さ等の初期情報を
入力する。一方、メモリ23の所定領域には超音波探傷
部19に対する各種の制御情報が設定される。なお、ゲ
ート位置は、アレイプローブ10の焦点位置に合わせて
設定される。設定される時間は、X方向における電子走
査における焦点距離により決定されるZ座標の各測定位
置とに基づいてアレイプローブ10の焦点位置を割出し
てゲート設定のための時間を算出する。このような処理
を行うのがメモリ23に記憶されているゲート設定処理
プログラム(図示せず)である。その算出結果は、電子
傾斜走査に対応してMPU22によりインタフェース2
4を介してピーク検出回路17に与えられる。なお、ゲ
ート幅が充分広く設定されているときはゲート位置を固
定しておいてもよい。
【0028】次のステップにおいて、まず、電子的傾
斜走査プログラム23aが起動され、測定開始位置(初
期位置)にまずアレイプローブ10が位置付けられる。
すなわち、MPU22は、このプログラムを実行してア
レイプローブ10の高さ方向の基準位置としてアレイプ
ローブ10の最短焦点がその表面直下に来る距離と等し
くなるように被検体3とアレイプローブ10との間隔を
設定する。
【0029】ステップで、操作パネル上の測定開始キ
ーの入力待ちループに入り、走査開始か否かをそのキー
入力により検出する。キーが入力されると、次のステッ
プにおいて、電子傾斜走査測定が開始され、電子的傾
斜走査プログラム23aの実行により被検体3がX方向
に傾斜走査で電子スキャンされる。その結果、X方向の
振動子11のシフトに応じて徐々に被検体3の焦点が深
さ方向に増加してX方向の1ラインの走査が終わる。こ
のとき同時にY方向の走査も行われる。このX,Y方向
の走査に応じて各測定点に対応して得られたピーク値の
多階調のデータは、その都度現在の走査位置のXY座標
に応じてそのXY座標に対応する画像メモリ26のアド
レスに表示データとして記憶される。画像メモリ26に
記憶された表示データは、次にディスプレイ27のビデ
オメモリに転送され、ディスプレイ27に内蔵されたコ
ントローラの制御の下にその画像が表示される。このと
き表示されているモニタ画像27aで代表されるような
画像は、X方向において深さ方向に傾斜走査を行った場
合の探傷映像となっている。これは、単に被検体の表面
あるいは測定対象に沿ったXY平面上の測定画像とは相
違している。
【0030】走査が終了して1画面分の測定が終わる
と、次のステップにおいて、MPU22は、焦点合わ
せプログラム23bを起動して、タッチスクリーン28
の入力待ちループに入る。タッチスクリーン28上にお
いて画像が鮮明な部分の映像をオペレータがタッチする
と、X方向の電子走査時点においてアレイプローブ10
の焦点が接合面3Cに適合する適正な距離になるような
遅延刺激パターンが与えられる状態に設定される。
【0031】以上説明してきたが、この実施例では、X
方向に電子的傾斜走査を行っているが、X方向1ライン
分は同じ遅延駆動パターンを使用して被検体を走査する
ようにし、Y方向走査の、例えば、1ピッチ毎に遅延駆
動パターンを変えてそれにより深さ方向に焦点を移動さ
せるようにして被検体をXY走査するようにしてもよ
い。なお、X方向あるいはY方向における電子走査によ
る焦点の移動は、ここでの実施例のように浅い方から深
くなる方向へ移動させても、これとは逆に深い方から浅
くなる方向へ移動させてもよい。
【0032】実施例では、式において焦点距離Dxを電
子走査中に変化させたが、変化させる量は、距離に関係
する定数でなくともよい。例えば、式において被検体
の音速Cを変化させることも考えられる。Cの正確な値
が未知の場合には、その中で焦点が選択できる程度の範
囲で変化させればよい。これにより音速に応じて焦点位
置が変わる映像を測定画像として得ることができる。そ
こで、鮮明な映像部分は、音速Caが適正な状態になっ
ているものに対応し、映像上で音速Cの選定もできる。
また、式の演算に限ることなく、例えば、水を介し被
検体深さDaの位置で焦点を結ばせる演算式を用いる
と、水距離と深さDaとが変化させる対象になる。
【0033】要するに、この発明では、遅延時間を決定
する定数すべてが変化させる対象となる。演算式による
各定数の代入値は大部分が推定値であり、実測値とずれ
ている可能性がある。言い換えれば、鮮明な画像を選択
することにより等価的に適正なパラメータを選択し、パ
ラメータを適正な状態に補正していることになる。この
実施例では、Cスコープ像を中心に説明しているが、電
子走査のみのBスコープ像を採るようなものでも適用で
きる。なお、実施例においては、鮮明映像部分の選択を
タッチスクリーンで行っているが、これは、キーボード
上のカーソルキーやマウスをはじめ各種の選択手段を用
いることができる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、この
発明にあっては、映像上で鮮明な部分を見付けることに
より、焦点合わせが簡単にできる。従来のエコー最大値
をさがす方法では各種のパラメータのずれの補正するこ
とはできないが、この発明にあっては、各種のパラメー
タのずれの補正を含むような関係で従来より鮮明な像が
得られる。また、従来より時間が節約できる。専門的な
知識を必要としない焦点合わせが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、この発明の超音波映像検査装置を適
用した一実施例のブロック図である。
【図2】 図2は、その傾斜走査とこれにより得られる
測定画像の説明図である。
【図3】 図3は、傾斜走査の全体的な処理のフローチ
ャートである。
【図4】 図4はアレイプローブが取付けられたスキャ
ナの説明図である。
【図5】 図5は、アレイプローブに対する電子走査の
説明図である。
【図6】 図6は、アレイプローブの構造とアレイプロ
ーブと被検体との焦点関係の説明図である。
【符号の説明】
3…被検体、4…スキャナ、10…アレイプローブ、1
9…超音波探傷部、20…超音波映像検査装置、21…
画像処理装置、22…マイクロプロセッサ(MPU)、
23…メモリ、23a…電子的傾斜走査プログラム、2
3b…平面走査プログラム、23c…焦点合わせ処理プ
ログラム、23d…遅延パターン領域、24…インタフ
ェース、25…バス、26…画像メモリ、27…ディス
プレイ、28…タッチスクリーン。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象面を有する被検体を電子走査形
    のアレイプローブにより走査して前記被検体から得られ
    る焦点位置に対応する位置からのエコーに対してそのレ
    ベルを検出して測定値とし、この測定値に基づき表示デ
    ータを生成して前記検査対象面の測定画像をディスプレ
    イの画面上に表示する超音波映像検査装置において、前
    記検査対象面に沿った方向において前記アレイプローブ
    に所定の遅延時間パターンを有する駆動パルス群を加え
    て前記被検体に対して電子走査を行い、この電子走査に
    よる超音波ビームの移動に伴って前記遅延時間パターン
    により電子集束される前記超音波ビームの焦点が前記被
    検体の深さ方向に沿って順次変化するように前記遅延時
    間パターンを選択し、この電子走査により得られた測定
    値に基づいて前記表示データを生成し、前記ディスプレ
    イの画面上に測定画像を表示し、この測定画像のうちあ
    る映像部分が選択されたことを示す信号が外部から入力
    されたときにこの入力信号に応じて前記映像部分に対す
    る測定値が採取されたときの前記遅延時間パターンを得
    て、この遅延時間パターンの駆動パルス群を用いて被検
    体についての測定画像を得ることを特徴とする超音波映
    像検査装置。
  2. 【請求項2】 さらに前記映像部分が選択されたことを
    示す入力信号を入力する入力装置を備える請求項1記載
    の超音波映像検査装置。
  3. 【請求項3】 入力装置がタッチスクリーンである請求
    項2記載の超音波映像検査装置。
  4. 【請求項4】 入力装置がマウスおよびキーボードのい
    ずれかである請求項3記載の超音波映像検査装置。
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