JP2631508B2 - 硬膜剤 - Google Patents

硬膜剤

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な硬膜剤に関するもので、特にラッテ
クス、ゼラチン等の保護コロイドに対して、優れた硬膜
作用を有すると共に写真材料に対する悪影響のない水溶
性硬膜剤に関するものである。
[発明の背景] 水分散性ラッテクスあるいはゼラチン等の化合物の成
膜、特にハロゲン化銀乳剤層、下引層等の写真構成層の
成膜の際、硬膜剤を用いることによって、その膜の特性
を著しく改良することが行なわれており、従来、このよ
うな硬膜剤としては、ビニルスルホン系化合物(USP3,4
90,911)、アルデヒド系化合物(USP3,288,775)、反応
性エチレン系化合物(USP3,635,718)、エポキシ系化合
物およびムコクロル酸系化合物(USP3,091,537)、アジ
リジン系化合物(USP3,017,280)等のものが知られてい
る。
しかしながら、ビニルスルホン系化合物、アルデヒド
系化合物、反応性エチレン系化合物等は、殆どのラテッ
クスに対して、硬膜作用が不十分で、写真構成層間の接
着性に影響を与える。例えば写真用プラスチックフィル
ム支持体と感光性ハロゲン化銀乳剤層との接着が不十分
になる。また、これらの硬膜剤を写真感光材料のゼラチ
ンに適用した場合は、高アルカリ水溶液中での処理のた
め、ゼラチンの硬膜作用が十分ではなく、或は硬膜反応
が緩慢で、経時によって硬膜作用が変化し写真性能にも
変化をもたらす場合がしばしばあった。
一方、アジリジン系化合物(たとえばヘキサメチレン
−1,6−ビス(エチレンウレア))はゼラチンやラッテ
クスにおいても優れた硬膜作用を示すが、このアジリジ
ン系化合物は水に対する溶解性が低いため有機溶媒を用
いなければならない。或は人体に対する害が懸念される
等の問題点を有している。またエポキシ系化合物および
ムコクロル酸系化合物はラテックスに対する硬膜作用が
弱く実用的ではない。
本発明者等は、或る種の化合物の反応性を検討してい
る中で、一般式[I]で示される化合物に、前記従来の
欠点を克服する硬膜作用のあることを発見し、これに基
いて、本発明が成されたものである。
[発明の目的] したがって、本発明の第1の目的は、ラテックス、ゼ
ラチン等に対する硬膜作用は勿論のこと、写真材料に対
しても悪影響を及ぼさずに優れた硬膜作用を有し、また
経時によってその硬膜作用が変化せず、しかも水溶性で
ある硬膜剤を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、人体に害を及ぼす危険性
のない硬膜剤を提供することにある。[発明の構成]本
発明の前記目的は一般式[I]で示される化合物を硬膜
剤として使用することによって達成された。
一般式[I] [式中、Rは炭素数1〜4個のアルキル基、Lは炭素数
1〜10個のアルキレン基またはフェニレン基、nは2〜
4の整数を表わす。] 以下本発明に係る前記一般式[I]で表わされる硬膜
剤の代表的具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
ない。
本発明の一般式[I]で表わされる硬膜剤は以下の様
にして合成することができる。
合成例1. [例示化合物1の合成] ヘキサメチレンジアミン11.6gをジエチルエーテル200
mlに溶解し、5℃に冷却した後臭化シアン23.3gを添加
し5℃で8時間攪拌した後、ジエチルエーテルを減圧留
去し、ヘキサメチレンジシアナミド、臭化水素塩を得
た。これを精製することなく、100mlのメタノールに溶
解し、さらに濃塩酸20mlを加えて室温で20時間攪拌した
後メタノールを減圧留去し、さらに得られた固体をエタ
ノールで再結晶し、白色の結晶8.2gを得た。
融点162〜166℃ この物質をFDマススペクトル及び1HNMRで固定したと
ころ、例示化合物1と同一のものであることが確認され
た。
合成例2 [例示化合物4の合成] p−フェニレンジアミン10.8gをジエチルエーテル80m
lに溶解し、5℃に冷却した後、臭化シアン25.4gを添加
し、5℃〜8℃で10時間攪拌した後、溶媒のジエチルエ
ーテルを減圧留去し、p−フェニレンジアミンシアナミ
ド、臭化水素塩を得た。これを精製することなく200ml
のエタノールに溶解し、さらに濃塩酸20mlを加えて60〜
65℃で8時間加熱攪拌した後、エタノールを約3分の1
程度まで濃縮し、そのまま再結晶することにより白色の
結晶6.4gを得た。
融点196〜199℃ この物質をFDマススペクトル及び1HNMRで固定したと
ころ、例示化合物4と同一のものであることが確認され
た。
本発明の硬膜剤はハロゲン化銀感光材料の感光性ハロ
ゲン化銀を含む保護コロイド層及び/または感光性ハロ
ゲン化銀を含まない保護コロイド層の硬膜に有利に用い
ることができる。また、支持体と保護コロイド層の接着
を良くするために、塗設されるラテックス下引層の硬膜
に対しても有利に用いることができる。
本発明の硬膜剤を用いることが可能なハロゲン化銀感
光材料は、その用途に特に限定されない。例えば、一般
用モノクロポジ感材、一般用モノクロネガ感材、直接ポ
ジ感材、印刷用感材、Xレイ用感材、高解像力感材、カ
ラーポジ感材、カラーネガ感材等のハロゲン化銀感光材
料に広く用いることができる。
ハロゲン化銀感光材料の保護コロイドとしては、ゼラ
チンを用いるのが一般的であるが、それ以外の親水性コ
ロイドと併用して用いることもできる。併用し得る親水
性コロイドとしては、例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチ
ンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カ
ゼイン等の蛋白質:ヒドロキシエチルセルロース,カル
ボキシメチルセルロース、セルロース酸エステル類等の
セルロース誘導体:アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の
酸誘導体:ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ル部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド
酸、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等
の単一もしくは共重合体のような合成親水性高分子物質
を用いることができる。
上記のゼラチンとしては、石灰処理ゼラチン、酸処理
ゼラチンやBull、Soc.Scl.phot.Japan.No.16,30(196
6)に記載された酵素処理ゼラチン、又はゼラチンの加
水分解物や酵素分解物を用いることができる。また上記
のゼラチン誘導体としてはゼラチンに、例えば酸ハライ
ド、酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカ
ンサルトン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミ
ド化合物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合
物類等の化合物を反応させて得られたものを用いること
が出来る。
また上記のゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマ
ーとしてはゼラチンにアクリル酸、メタアクリル酸、そ
れらのエステル、アミド等の誘導体、アクリロニトリ
ル、スチレン等のようなビニル系モノマーの単一又は共
重合体をグラフトさせたものを用いることが出来る。特
に、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー例えばア
クリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタアクリ
ルアミド、ヒドロキシアルキルメタアクリレート等との
グラフトポリマーが好ましい。
また、上記ゼラチンのゼリー強度は限定されないが、
ゼリー強度250g以上であることが好ましい。(ゼリー強
度は、バギー法により測定した値である) 本発明の硬膜剤を用いたハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤層、その他の親水性コロイド層は、本
発明の硬膜剤と他の硬膜剤を併用することにより硬膜さ
れてもよい。硬膜剤は、処理液中に硬膜剤を加える必要
がない程度に、感光材料を硬膜できる量を添加すること
が望ましいが、処理液中に硬膜剤を加える事も可能であ
る。
本発明の硬膜剤の添加はゼラチン水溶液に対して硬膜
剤水溶液を加えることによって行なう。添加量は乾燥ゼ
ラチンに対して0.01〜50重量%が好ましく、特に0.1〜2
0重量%が好ましい。
添加時期はハロゲン化銀乳剤層の塗布直前が好まし
く、また本発明の硬膜剤を含有するハロゲン化銀乳剤塗
布液の塗布直前の最終的なpH値は、4.5〜9.5が好まし
く、更に5.0〜7.5に調整されることが好ましい。
本発明の硬膜剤に併用しうる他の硬膜剤としては、ア
ルデヒド系及びアジリジン系硬膜剤、イソオキサゾール
系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜
剤、アクリロイル系硬膜剤、カルボジイミド系硬膜剤、
その他マレイミド系、アセチレン系、メタンスルホン酸
エステル系、トリアジン系、高分子型の硬膜剤が挙げら
れる。
本発明の硬膜剤と他の硬膜剤を併用する場合には目的
に応じて任意の割合で用いることができる。本発明の硬
膜剤を用いたハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀
乳剤には、ハロゲン化銀としては臭化銀、沃臭化銀、沃
塩化銀、塩臭化銀および塩化銀等の通常のハロゲン化銀
乳剤に使用される任意のものを用いることができる。
本発明の硬膜剤を用いたハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子は、酸
性法、中性法、アンモニア法の何れの方法で得られたも
のでもよい。
前述の如き、本発明の硬膜剤を用いたハロゲン化銀写
真感光材料には、各種の写真用添加剤を加えることがで
き、例えば、化学増感剤、光学増感剤、カブリ防止剤、
安定剤、可塑剤、界面活性剤、寸法安定性改良剤(例え
ば、水溶性又は難溶性合成ポリマーの分散物)、色素形
成カプラー(マゼンタカプラー、シアンカプラー、イエ
ローカプラー、カラードカプラー、DIRカプラー、現像
主薬の酸化生成物と反応して現像促進剤、漂白促進剤、
現像剤、ハロゲン化銀溶剤、漂白剤、硬膜剤、カプリ
剤、カブリ防止剤、色素形成カプラー、色素を形成しな
いカプラー、化学増感剤、分光増感剤及び減感剤のよう
なフラグメントを放出するカプラー等)、疎水性の写真
用添加剤を分散するための低沸点溶媒又は高沸点溶媒、
画像安定剤、紫外線防止剤、現像促進剤、現像遅延剤等
の現像性を変化させる化合物、蛍光増白剤、フィルター
染料、ハレーション防止染料、帯電防止剤等の写真特性
を現出させるかまたはその改良等を目的とする写真用添
加剤を挙げることができる。
また本発明の硬膜剤は、例えばハロゲン化銀乳剤層と
支持体との接着性付与を目的として設けられているラテ
ックス下引層に用いることが出来、 本発明の硬膜剤を下引層に用いる場合、硬膜剤の添加
は下引液に硬膜剤水溶液を加えることにより行なう。こ
の硬膜剤の添加量は下引層に用いられるビニル重合体に
対して0.01〜50重量%だ好ましく、特に0.1〜20重量%
が好ましい。また硬膜剤の添加時期は、下引液の塗布直
前が好ましい。
下引層に用いられるビニル重合体を構成するビニル単
重体としては、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、α−クロル酢酸ビニル、スチレン、置
換スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸のア
ルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸のアルキル
エステル;塩素、フェニル基等を置換したアルキルアク
リレート、あるいはアルキルメタクリレート、ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルクロルエ
チルエーテル、ブタジエン、イソブレン、クロロブレン
等の疎水性単重体およびアクリルアミド、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、イタコン
酸モノエチルエステル、マレイン酸、無水マレイン酸、
マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸アミド、フ
マール酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒ
ドロキシブチルアクリレート、ジ−(2−ヒドロキシエ
チル)マレエート、N−(ヒドロキシメチル)アクリル
アミド、N−ビニル−2−ピロリドン等の親水性単重体
が挙げられる。
これらの単重体を目的に応じて1種以上を選択して重
合させた各種の重合体、共重合体として用いることがで
きる。この代表的なものを次に例示する。該重合体とし
ては、第1群及び第2群に分類して例示することができ
る。
(第1群重合体) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート−ブチルアクリ
レート−スチレン、 2−ヒドロキシエチルメタクリレート−ブチルアクリ
レート−iso−ブチルアクリレート−スチレン、 2−ヒドロキシエチルメタクリレート−ブチルアクリ
レート−ブチルメタクリレート−スチレン、 2−ヒドロキシエチルメタクリレート−ブチルアクリ
レート−プロピルメタクリレート−スチレン、 2−ヒドロキシエチルメタクリレート−プロピルアク
リレート−スチレン、 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート−ブチルアク
リレート−スチレン、 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート−ブチルアク
リレート−ブチルメタクリレート−スチレン、 2−ヒドロキシエチルアクリレート−ブチルアクリレ
ート−t−ブチルアクリレート−スチレン、 (第2群重合体) 塩化ビニリデン−メチルアクリレート、アクリル酸、 エチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート−イタコン酸、 エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート、 塩化ビニリデン−メチルアクリレート−イタコン酸、 スチレン−ブタジエン−イタコン酸、 α−クロロメチルメタクリレート−スチレン−アクリ
ルアミド、 ブチルアクリレート−スチレン−無水マレイン酸、ア
クリルアミド、 上記共重合体は公知の乳化重合法によって合成するこ
とができる。
下引層に好ましく用いられるビニル重合体は、上記の
第1群及び第2群であり、特に好ましく用いられるビニ
ル重合体は第1群である。
上記ビニル重合体は、適切な溶剤に溶解し、支持体上
に塗布されて下引層とすることが出来る。
上記ビニル重合体を溶解した下引液は、使用目的、塗
布方法により異るが、重合体の固形分濃度が0.1〜40重
量パーセントであるようにして用いるのが好ましい。
用いられる溶剤としては、例えば、シクロヘキサン、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジプロピルケトン、
メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、アセト
ニルマアセトンメチルエチルケトン、ニトロベンゼン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又は水等
が挙げられるが、特に水が好ましく用いられる。
水を溶媒として用いることは、有機溶剤を必要としな
い為、有害な有機溶剤等を排気もしくは排水中に放出す
ることがなく、公害発生の無い方法として有効な手段で
ある。この様な利点は第1群及び第2群のビニル重合体
が好ましく用いられる1つの理由である。また本発明の
硬膜剤は水溶性であるため、このような水を溶剤とした
下引液にも容易に添加することが出来る。
このようにして得られたビニル重合体を主成分とする
下引液は前述したように重合体成分を0.1〜40wt%含
み、必要に応じて界面活性剤、親水性有機コロイド、マ
ット剤、滑剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよ
い。また架橋剤として本発明の硬膜剤の他には、写真用
ゼラチンのいわゆる硬膜剤、例えばホルムアルデヒド、
グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ムコクロル
酸、テトラメチレン−1,4−ビス(エチレンウレア)、
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア)等のエ
チレンイミン基を有する化合物、トリメチレン−1,3−
ビスメタンスルホン酸エステル等のメタンスルホン酸エ
ステル、ビスアクリロイルウレア、メタキシレンビニル
スルホン酸等の活性ビニル化合物、2−メトキシ−4,6
−ジクロルトリアジン、2−ソデイウムオキシ−4,6−
ジクロルトリアジン等の活性ハロゲンを有する化合物、
ビスフェノールグリシジルエーテル等のエポキシ基を有
する化合物、イソシアネート等を併用することができ
る。
下引液は、一般によく知られた塗布方法、例えばディ
ップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート
法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビ
アコート法、あるいはホッパーを使用するエクストルー
ジョンコート法等により塗布することができる。必要に
応じて、尾崎等著「コーティング工学」253項(1973年
朝倉書店発行」などに記載された方法により2層以上の
層を同時に塗布することもできる。
下引液の塗布量としては固形分体積にして支持体1平
方米当り0.01〜10cc、特に0.1〜3ccであることが好まし
い。
このようにして支持体上に塗布された下引液は乾燥工
程において乾燥される。その条件は80℃〜200℃で10秒
から10分の範囲内で温度及び時間を適宜決めることがで
きる。
[実施例] 以下実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明の実施態様はこれに限定されない。
実施例−1 (第1群ビニル重合体の合成) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 95部 ブチルアクリレート 120部 スチレン 85部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 6部 過硫酸アンモニウム 1部 水 700部 脱気後の水を用い上記組成の混合物を80℃で5時間反
応させて乳化重合し、乾燥固形分30wt%の下引用樹脂を
得た。
(下引層を有する支持体の作製) あらかじめ30W/m2minのコロナ放電処理を施した厚さ1
00μのポリエチレンテレフタレートフィルムに、上記の
合成された第1群のビニル重合体の水性乳化物10mlに下
記構造式の界面活性剤の20%水溶液0.1mlと、硬膜剤を
第1表に示す如く添加し、純水にて100mlに仕上げた下
引液を乾燥重量で0.6g/m2となるように塗布し、100℃で
1分間乾燥して下引層を有する支持体を作製し、試料と
した。
界面活性剤 得られた試料について以下の試験を行なった。
接着力試験 接着力試験は以下の二つの試験方法を用いた 1)乾燥膜付試験 試料面に、カミソリで浅傷を碁盤の目上につけ、その
うえにセロハン接着テープを圧着したのち該テープを急
激に剥離したときの、セロハンテープの接着面積に対す
る試料膜の残存率を百分率で示した。
2)処理膜付試験 処理浴中で試料面にキリ上の鋭利な先端で碁盤の目上
に傷をつけて、その面をこすり、試料膜の残存率を百分
率で示した。実用上、この百分率が80%以上であれば支
障ない 得られた結果を次ぎの表−1に示す。
表−1の結果から明らかなように、本発明の硬膜剤
(試料No.1〜3)は、充分な硬膜性即ち処理膜付試験並
びに乾燥膜付試験の両方を共に満足しているのに対し
て、比較試料No.5及びNo.6では、硬膜性がはるかに低く
不充分である。また比較試料No.4は本発明と同様に硬膜
性には優れているものの、水溶性でないため、有機溶剤
を用いる必要があるなどの欠点がある。
実施例−2 (第2群ビニル重合体の合成) 塩化ビニリデン 180部 メチルアクリレート 105部 アクリル酸 15部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 6部 過硫酸アンモニウム 1部 水 700部 脱気後の水を用いて上記組成の混合物を80℃で5時間
反応させて、乳化重合し、乾燥固形分30wt%の下引樹脂
を得た。
(下引層を有する支持体の作製) あらかじめ赤外線照射処理を施した厚さ100μのポリ
エチレンテレフタレートフィルムに、上記の合成された
第2群のビニル重合体の水性乳化物17mlに実施例−1で
用いたものと同一の界面活性剤の20%水溶液0.1mlと、
硬膜剤として例示化合物1の1%水溶液6mlを添加し、
純水にて100mlに仕上げた下引液を20μの膜厚に塗布
し、100℃で1分間乾燥させた。
次にゼラチン1g、サポニン20mg、第2表に示した硬膜
剤及び純水100mlよりなる上層用塗布液を下引層のうえ
に20μの膜厚に塗布し、100℃で1分間乾燥させて試料
とした。
得られた試料について実施例−1と同様に接着性試験
を行なった。
その結果を表−2に示す。
表−2の結果から明らかな様に、本発明の硬膜剤はゼ
ラチンに対しても充分な硬膜作用を示すことがわかる。
実施例−3 下引き層を設けたトリアセチルセルロース支持体上に
表−3に示されるように硬膜剤を添加した沃臭化銀乳剤
を塗布し、乾燥して試料(10)〜(14)を作製した。
得られた試料(10)〜(14)を温度23℃湿度55%で1
日、3日、および温度40℃湿度80%で1日保存した。
各試料について膨潤度およびスクラッチ耐性を測定し
た。
なお、膨潤は試料片を32℃の蒸留水中で3分間処理し
たのち、次式に従って膨潤度を求めた。
スクラッチ耐性は、試料片をアルカリ液で3分間処理
したのち、スクラッチメーターにて1mφ針を用いて試料
表面にキズの発生する引っ掻き強度(g)を測定し、ス
クラッチ耐性とした。
結果を表−4に示す。
第4表から明らかなように、本発明の硬膜剤は、比較
硬膜剤に比べ経時変化が少ないことが判る。
実施例−4 実施例−1の保存処理した試料(10)〜(14)につい
て光楔露光した後、現像処理し、カブリ、最高濃度を測
定した。
結果を表−5に示す。
表−5から明らかな様に本発明の硬膜剤はカブリ、濃
度などの写真性能に対し何ら悪影響を与えない。
[発明の効果] 前述の如く、本発明は、一般式[I]で示される化合
物を硬膜剤として使用することにより、ラテックス、ゼ
ラチン等に対して優れた硬膜作用を有し、また経時によ
って変化せず、従って写真特性に悪影響を与えない。し
かも水溶性であるため有機溶剤等を用いる必要がないた
め取扱上または経済上好ましい。また本発明の硬膜剤は
人体に害を及ぼす危険性もない等の優れた効果を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−68867(JP,A) 特開 昭62−38461(JP,A) 特開 昭56−8420(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I]で示されることを特徴とする
    硬膜剤。 一般式[I] [式中、Rは炭素数1〜4個のアルキル基、Lは炭素数
    1〜10個のアルキレン基またはフェニレン基、nは2〜
    4の整数を表わす。]
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