JP2630483B2 - 新規電子伝導性高分子及びそれを用いた導電性材料 - Google Patents

新規電子伝導性高分子及びそれを用いた導電性材料

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JP2630483B2
JP2630483B2 JP2069272A JP6927290A JP2630483B2 JP 2630483 B2 JP2630483 B2 JP 2630483B2 JP 2069272 A JP2069272 A JP 2069272A JP 6927290 A JP6927290 A JP 6927290A JP 2630483 B2 JP2630483 B2 JP 2630483B2
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プラスチツクの帯電防止材料や、電気、電
子工業の分野において、電池、コンデンサー、電子デバ
イス、エレクトロクロミツク素子の電極或いは電解質材
料又は面状発熱体及び電磁遮蔽材料等の広範囲な導電性
材料として応用できるものである。
〔従来の技術〕
電子伝導性を有する有機高分子材料は、近年バツテリ
ーや種々の機能デバイスとしての応用が検討されてい
る。例えば、ポリアニリン、ポリチオフエン、ポリピロ
ール、ポリフエニレンビニレン、ポリフエニレンアセチ
レン、ポリアセチレン等が有望で、西独特許第3,223,54
4号、同3,318,856号、同3,318,857号、同3,325,892号、
同3,338,904号、同3,421,296号、特開昭58−187432号、
同59−43060号、同59−112583号、同58−209864号、同5
9−207933号、同60−120722号、同60−67527号、同62−
225518号、同62−53328号、同63−199726、同60−22381
7号、同61−83221号、同59−31565号等に記載されてい
る。これらの高分子は電子伝導性には優れているもの
の、機械的強度に乏しいとが溶媒に溶けにくく成形加工
性に劣る等の欠点を有しており、電子伝導性に優れ、か
つ成形加工性に優れた電子伝導性高分子が望まれてい
た。
導電性材料としては、これらの電子伝導性高分子と電
解質とをそれぞれ層として組み合わせたものが用いられ
ているが、デバイス或いはバツテリーとして十分機能す
るためには、両者の界面において電子とイオンの交換を
速やかに行わせる必要がある。
電解質としては、漏液がないこと、機械的強度が大き
いこと、積層材料のフレキシビリテイーが大きいことな
どの点から高分子固体電解質が優れており、種々の報告
がされている。
このような高分子固体電解質と電子伝導性高分子とを
組み合わせた導電性電子材料としては、ポリマー(POLY
MER)22巻1454〜1455頁(1981年11月)等にポリアセチ
レンと固体電解質を組み合わせた有機電池が提案されて
いるが、この付加重合において作製されたポリアセチレ
ンのフイルムは酸化安定性が悪く、また、高分子固体電
解質との界面での接触が不十分で良好な導電性が得られ
ないとか、デバイス材料として応答速度が遅いなどの問
題があつた。
また特開昭62−98577号には電解重合した主鎖に共役
二重結合を有する高分子と高分子固体電解質を組み合わ
せた積層体の導電性材料が記載されているが、電子伝導
性高分子と高分子固体電解質との界面での密着が不十分
で界面抵抗が大きく、良好な導電性が得られないとか、
機械的強度に乏しくなどの問題があつた。
また、機械的強度と導電性の両立を目指した化合物と
して、第37回(1988年)高分子討論会2H04にて側鎖にカ
ルバゾール基の繰り返し単位を有する化合物、例えば、 が検討されているが、その導電率は10-4〜10-5S/cmと不
十分なものであつた。
またポリアニリンあるいはポリヘテロ環を電極材料と
して用いた場合、酸化還元反応に伴ないアニオンがドー
プ又は脱ドープされる。この際アニオンの拡散が律速に
なることが竹原等により第56回電気化学会3G24で報告さ
れている。
アニオンの拡散を防止する方法としてはこの具体例が
特開昭63−215772号にアニオン性化合物をドーピング剤
として用いる方法が開示されている。しかしこの方法で
はドーピングをくり返すに従がいアニオン性化合物の拡
散による濃度勾配が生じ、十分な改良手段とはなり得な
かつた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の第1の目的は、電子伝導性に優れ、かつ機械
的強度、成形加工性に優れた電子伝導性高分子を提供す
ることにある。
本発明の第2の目的は電子伝導性高分子の酸化還元反
応において、アニオンのドープ及び脱ドープ反応がすば
やく生じる電子伝導性高分子を提供することにある。
本発明の第3の目的は、高分子固体電解質と組み合わ
せたとき、接触界面での抵抗が少なく、電気伝導性に優
れ、かつデバイス材料として応答速度が速い電子伝導性
高分子と高分子固体電解質との積層体の導電性材料を提
供することにある。
本発明の第4の目的は電子伝導性高分子の高分子固体
電解質の機能を持たせ、実質的に電解質層を不要化した
導電性材料を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、以下の電子伝導性高分子あるいはそれを
用いた導電性材料によって達成することができた。即
ち、少なくとも、アニリンのN位と芳香環のp−位に繰
り返しのための結合部位を持つアニリン化合物又はヘテ
ロ原子以外の個所に2つの結合部位を持つ不飽和ヘテロ
環化合物の少なくとも1つからなる電子伝導性部位を繰
り返し単位として側鎖に有し、さらに該電子伝導性部位
の繰り返し単位と主鎖との連結部に2価のオキシアルキ
レン基の繰り返し単位を有し、主鎖にエチレン系繰り返
し単位を有することを特徴とする電子伝導性高分子、あ
るいはそれを用いた導電性材料によって達成することが
できた。
本発明の電子伝導性高分子について、更に詳しく説明
する。
側鎖のアニリンのN位と芳香族のp−位に繰り返しの
ための結合部位を持つアニリン化合物、ヘテロ原子以外
の個所に2つの結合部位を持つ不飽和ヘテロ環化合物の
少なくとも1つからなる電子伝導性部位は、1種であつ
てもよく、また2種以上であつてもよい。更に電子伝導
性部位の繰り返し単位の間を連結基で連結してもよい。
アニリンのN位と芳香環のp−位に繰り返しのための
結合部位を持つアニリン化合物又はヘテロ原子以外の個
所に2つの結合部位を持つ不飽和ヘテロ環化合物の少な
くとも1つからなる電子伝導性部位を繰り返し単位とし
て側鎖に有し、さらに該電子伝導性部位の繰り返し単位
と主鎖との連結部に2価のオキシアルキレン基の繰り返
し単位を有し、主鎖にエチレン系繰り返し単位を有する
電子伝導性高分子を誘導するエチレン系化合物は好まし
くは下記一般式(I)又は(II)で表わされる。
一般式(I)、(II)において、A11、A12、A13
A21、A22、A23は、同じでも異なっていてもよく、水素
原子又はエチレン炭素上の置換基を表わし、L1、L2
L3、L4は同じでも異なっていてもよく2価の連結基を表
わす。D1、D2、D3、D4はアニリン化合物又はヘテロ環化
合物を表わし、同じでも異なっていてもよい。aは1で
ある。nは整数を表わす。
Gは置換もしくは無置換のアルキレン基を表わし、t
は2〜30を表わす。Gは同じでも異なってもよい。
一般式(I)、(II)を詳細に説明する。
A11、A12、A13、A21、A22、A23で表わされるエチレン
炭素上の置換基の好ましい例として、置換又は無置換の
炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル
基、メトキシエチル基、カルボキシメチル基)、シアノ
基、カルボキシ基(アルカリ金属塩を含む)、カルバモ
イル基(置換又は無置換の炭素数1〜4のアルキル基、
置換又は無置換のフエニル基で置換されていてもよい、
例えば−CONH2、−CON(CH3、−CONC2H4OCH3置換又は無置換の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル
基(例えば−COOCH3、−COOC2H5−COOC4H9(n−))、ハロゲン原子(例えばフツ素、
塩素、臭素)があげられる。
A11、A12、A13、A21、A22、A23の特に好ましい例はそ
れぞれ同じでも異なつていてもよく、水素原子、塩素原
子、メチル基、カルボキシル基を表わす。
電子伝導性部位及びオキシアルキレンの繰り返し単位
及び主鎖を形成するエチレンはそれぞれ一般式のL1
L2、L3、L4で表わされる連結基で連結される。
L1、L2、L3、L4はそれぞれ同じでも異つていてもよ
く、 X1 μJ1−X2 J2−X3 J3 で表
わされる。J1、J2、J3は同じでも異なつていてもよく、
−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−OCO−、−COO
−、 等を挙げることができる。R1は、水素原子、それぞれ置
換されてもよいアルキル基、フエニル基を表わす。R
2は、炭素数1〜4のアルキレン基を表わす。R3は、水
素原子、置換されてもよい炭素数1〜6のアルキル基を
表わす。J1、J2、J3は好ましくは、−CO−、−SO2−、
−CONH−、−SO2NH−、−NH−CO−、−NH−SO2−、−O
−、−NHCONH−、−S−、−CO2−、−OCO−、−NHCO2
−、及び−OCONH−である。
X1、X2およびX3は同じでも異なつていてもよく、それ
ぞれ置換されてもよいアルキレン基、アリーレン基、ア
ラルキレン基又は を表わす。ここでG1、t1はそれぞれG、tと同義であ
る。好ましくは、X1、X2およびX3は炭素数1〜4のアル
キレン基、炭素数6〜9のアリーレン基、置換アリーレ
ン基又は である。μ、p、q、rおよびsは0または1を表わ
す。t2はtと同義である。
一般式〔I〕、〔II〕中、D1、D2、D3、D4で表される
電子伝導性部位は、それぞれ同じでも異つてもよく、ア
ニリン化合物、又は、ヘテロ環化合物を表す。D2、D3
D4は2価であり、D1は3価である。
上記ヘテロ環の好ましい具体例としては ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾー
ル(イソを含む)、チアゾール(イソを含む)、ピリジ
ン、ジアジン、 ベンゾジアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサ
ゾール、ベンゾチアゾール、プリン、キノリン、イソキ
ノリン、ベンゾジアジン、フルオレン、 アクリジン、フエナジン、フエノキサジン、ピラゾロト
リアゾール、ピラゾロジアゾール、ピラゾロアゾール、
ベンゾピラゾロアゾールが挙げられる。
ZはO、S又は−N−R3(R3は上記と同義)を表わ
す。
D1、D2、D3、D4の特に好ましい例はアニリン化合物、
ピロール化合物、チオフエン化合物、フラン化合物であ
る。
D1、D2、D3、D4で表わされるアニリン化合物及びヘテ
ロ環化合物はそれぞれ任意の置換基で置換されているも
のでもよい。この置換基の例として、ハロゲン原子、ニ
トロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、−NHCO
R4、−NHSO2R4、−SOR4、−SO2R4、−COR4アミノ基(アルキル基で更に置換されていてもよい)、
水酸基や加水分解して水酸基を形成する基が挙げられ
る。R4は、アルキル基、フエニル基、又はアラルキル基
を表わす。R5及びR6は同じでも異なつていてもよく、水
素原子、アルキル基、フエニル基、又はアラルキル基を
表わす。また、2つの置換基が縮環して炭素環又は複素
環を形成してもよい。
さらに上記のD1、D2、D3、D4で例示した置換基中及び
A11、A12、A13、A21、A22、A23の置換基中のアルキル
基、アルコキシ基、フエニル基、アラルキル基及びX1
X2、X3の置換アルキレン基、置換アリーレン基、置換ア
ラルキレン基の置換されてもよい置換基の例としては、
水酸基、ニトロ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素
数1〜4のアルキル基、−NHSO2R7−、−NHCR7−、 −SO2R7−、−COR7、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ
基(アルキル基で更に置換されていてもよい)等が挙げ
られる。
R7はR4と同義である。R8及びR9は同じであつても異な
つていてもよく、R5と同義である。
アニリン化合物及びヘテロ環化合物の具体例を以下に
示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
好ましくは、アニリン、チオフエン、ピロールであ
る。
Gは炭素数1〜9の置換もしくは無置換のアルキレン
基を表わし、好ましくは−CH2CH2−、 を表わし、特に好ましくは−CH2CH2−を表わす。
tは2〜30を表わすが好ましくは2〜10を表わし、特
に好ましくは2〜5を表わす。
以下に一般式(I)、(II)で示されるくり返し単位
の具体例を示すが、本発明においてこれに限定されるも
のではない。
mは2〜30の任意の整数を表わす(以下同義) nは任意の整数を表わす(以下同義) lは2以上の任意の整数を表わす(以下同義) 本発明の電子伝導性高分子は、側鎖にアニオン性基を
有するエチレン性繰り返し単位をさらに有することが好
ましい。
側鎖にアニオン性基を有するエチレン性繰り返し単位
を誘導するエチレン性化合物は、好ましくは下記一般式
(III)で表わされる。
ここでA31、A32、A33は同じでもまた異なつていても
よくA11と同義である。L5はL1と同義である。Eはアニ
オン性基を表わす。
Eのアニオン性基の好ましい例としてはカルボキシル
基及びその金属塩、スルホン酸基及びその塩、硫酸基及
びその塩、リン酸基及びその塩などがあげられる。
以下に一般式(III)で示されるくり返し単位の具体
例を以下に示すが、本発明においてこれに限定されるも
のではない。(Mは水素原子、アルカリ金属(例えば、
Li、Na、K)、アルカリ土類金属(例えば、Mg、Ca)を
表わす。) 本発明の化合物は、機械的強度を上げたり、溶解性を
改良する目的で一般式(I)若しくは、(II)、必要に
より(III)で表わされる繰り返し単位の他に任意のモ
ノマーの繰り返し単位を持つことができる。
この具体例として、アクリル酸、α−クロロアクリル
酸、α−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸な
ど)、イタコン酸、クロトン酸又はシトラコン酸らのア
クリル酸類から誘導されるエステルもしくはアミド(例
えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−ブチル
アクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、t−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチ
ルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレートおよびβ−ヒドロキシメタクリレート)、ビ
ニルエステル(例えばビニルアセテート、ビニルプロピ
オネートおよびビニルラウレート)、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、芳香族ビニル化合物(例えば
スチレンおよびその誘導体、例えばビニルトルエン、ジ
ビニルベンゼン、ビニルアセトフエノンおよびスルホス
チレン)、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエー
テル(例えばビニルエチルエーテル)、マレイン酸エス
テル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピリジ
ン、2−および4−ビニルピリジン、側鎖にオキシアル
キレン基の繰り返し単位を有するエチレン性化合物(例
えば CH3=C(CH3)COOCH2CH2OmCH3(mは上記と同義) CH2=CHCOOCH2CH2OmCH3(mは上記と同義) CH2=C(CH3)COOCH2CH2OmH(mは上記と同義) CH2=CHCOOCH2CH2OmH(mは上記と同義))、 側鎖に環状炭酸エステル、環状エステル又は環状エーテ
ルを有するエチレン性化合物(例えば、 および電子伝導性部位を繰り返し単位として側鎖に有
し、連結部にオキシアルキレン基の繰り返し単位を有さ
ないエチレン系化合物等が挙げられるがこれに限定され
るものではない。
電子伝導性部位を繰り返し単位として側鎖に有し、連
結部にオキシアルキレン基の繰り返し単位を有さないエ
チレン系化合物の具体例を示すが、本発明においてこれ
に限定されるものではない。
kは任意の整数を表わす。(以下同義) 本発明の電子伝導性部位を繰り返し単位として側鎖に
有し、該電子伝導性部位の繰り返し単位と主鎖との連結
部にオキシアルキレン基のくり返し単位を有するエチレ
ン系繰り返し単位は、ポリマー中で任意の比率で有して
よい。好ましくは1〜50モル%である。特に好ましくは
1〜20モル%である。
側鎖にアニオン性基を有するエチレン系繰り返し単位
はポリマー中で任意の比率で有してよいが、好ましくは
5〜80モル%である。
本発明の電子伝導性高分子を得る合成法は、一般に用
いられている合成法、例えば、公知の重合法、化学的酸
化重合法、電解酸化重合法、C−Cカツプリング反応等
を用いることができる。
例えば、電子伝導性部位を側鎖に有するように主鎖の
重合を行つた後、化学的酸化重合法、電解酸化重合法、
C−Cカツプリング反応等で電子伝導性部位の重合を行
つて本発明の化合物を得ることができる。この際、異な
つた電子伝導性部位で重合してもよい。また、電子伝導
性部位の重合を化学的酸化重合法、、電解酸化重合法、
C−Cカツプリング反応等で行つた後で主鎖ポリマーに
高分子反応で電子伝導性部位の繰り返し単位を有する側
鎖を導入してもよい。また、化学的酸化重合法、電解酸
化重合法、C−Cカツプリング反応等で電子伝導性部位
の重合を行つたプレモノマーで、主鎖の重合を行つても
よい。この際、電子伝導性部位の重合を行つたプレモノ
マーの単独重合でもよいし、他の任意のモノマーとの共
重合でもよい。
上記の化学的酸化重合法は、水又は任意の有機溶媒中
(含水しても良い)に単量体化合物を溶解または分散
し、60℃〜−20℃(好ましくは20℃〜0℃)で触媒(酸
化剤)溶液を徐々に滴下して行われる。この場合、適当
な分散剤や界面活性剤を用いることでポリマーの水分散
液を得ることもでき、成形加工性に優れており好まし
い。
上記の電解酸化重合法は、水又は導電性の塩を溶解で
きる有機溶媒中、単量体化合物と導電性塩を溶解又は分
散し、正、負極を浸漬して80℃〜−20℃(好ましくは30
℃〜0℃)で定電圧法、定電位法又は定電流法にて行わ
れる。好ましくは定電圧法である。
上記のC−Cカツプリング反応は、主にチオフエン系
化合物に適用され(アニリン系化合物やピロール系化合
物に適用してもよい)、ハロゲン化チオフエン系化合物
にグリニヤール反応剤又は金属ハロゲン化物等を作用さ
せ得ることができる。具体的には、Synthesis Metal,2
6,267(1988)等に記載されている。また、本発明の化
合物は任意のドーパント(例えば、ハロゲン又は前記重
合時に用いる塩)でドーピングされていてもよい。
化学的酸化重合法で用いることのできる触媒として
は、例えば、塩化第二鉄、塩化第二銅などの塩化物、硫
酸第二鉄、硫酸第二銅などの硫酸塩、二酸化鉛、二酸化
マンガンなどの金属酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素などの過酸化物、ベンゾキノン
などのキノン類、沃素、臭素などのハロゲン、フエリシ
アン化カリウムなどが挙げられる。これらの具体例は、
特開昭63−213518号、同63−193926号、同62−116665
号、同62−104832号、同63−215717号、同63−69823
号、同63−101415号、同60−58430号等にも記載されて
いる。触媒の量は、単量体の化合物の特性と使用される
触媒により変化するが、触媒/単量体の化合物のモル比
率で0.01から10の範囲で使用することができる。
電解酸化重合法で用いることのできる電極材料として
は、金属電極(例えば、Au、Pt、Ni、Cu、Sn、Zu、Ag、
Ru、ステンレス等)、炭素電極(例えば、グラツシーカ
ーボン)、金属酸化物含有電極(例えば、SnO2、In
2O3)等が挙げられる。また、別に参照電極を用いると
好ましい。
化学的酸化重合法及び電解酸化重合法で使用すること
のできる溶媒としては、有機溶媒(例えばアセトニトリ
ル、ジメチル硫酸、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、スル
フオラン、ホルムアミド、ジメトキシエタン、プロピレ
ンカーボネート、ジオキサン、メタノール、エタノー
ル、γ−ブチルラクトン、ニトロベンゼン、テトラヒド
ロフラン、ニトロメタン等が挙げられる)、水あるいは
両者の混合物を挙げることができる。
また、化学的酸化重合や電解酸化重合の際に、導電性
化合物を加えて重合してもよい。導電性化合物として
は、無機酸(例えば、HCl、H2SO4、HClO4、HBF4)、有
機酸(例えば、トルエンスルホン酸、トリフルオロメチ
ルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸のようなスルホ
ン酸、ギ酸、酢酸、ポリアクリル酸のようなカルボン
酸)、有機塩酸(例えば、ピリジン、トリエタノールア
ミン)導電性の塩(例えば、アルカリ金属カチオン(Li
+、Na+、K+等)、NO+、NO2 +カチオン、オニウムカチオ
ン(Et4N+、Bu4N+、Bu3P+等)と負イオン(BF4 -、As
F4 -、AsF6 -、SbF6 -、SbCl6 -、PF6 -、ClO4 -、AlF4 -、AlF
6 -、NiF4 2-、ZrF6 2-、TiF6 2-、B10Cl10 2-、HSO4 -、SO4
2-、Cl-、Br-、F-、I-)からなる塩、スルホン酸アニオ
ン(CH3C6H4SO3 -、C6H5SO3 -、CF3SO3 -、ポリスチレンス
ルホン酸等)を含む塩、HCOOLi、ポリアクリル酸ソーダ
のようなカルボン酸アニオンを含む塩、FeCl3のような
塩化物、ピリジン塩酸塩のような有機アミン塩)があげ
られる。
分散剤としては、カチオン、アニオン、ノニオン、ベ
タインのそれぞれポリマー及び界面活性剤(乳化剤)を
用いることができる。これらの具体例としては、ポリビ
ニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピ
レンオキサイド、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、デキストリ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ナ
トリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ゼラ
チン、コラーゲン、3級又は4級アンモニウム塩サイト
を有するポリマー、オキソニウム塩サイトを有するポリ
マー、スルホニウム塩サイトを有するポリマー、4級ア
ンモニウム塩サイトを有する長鎖アルキル化合物、高級
脂肪酸アルカリ塩(例えば、C11H23COONa)、アルキル
硫酸塩(例えば、ラウリル硫酸ソーダ)、アルキルスル
ホン酸塩(例えば、ラウリルスルホン酸ソーダ)、アル
キルアリールスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ)、スルホコハク酸エスエル塩、高級
アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム
(例えば、塩化ドデシルピリジウム)、第四級アンモニ
ウム塩(例えば、塩化トリメチルアンモニウム)、ポリ
エチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
脂肪酸モノグリセリド、アミノ酸等が挙げられる。
分散剤を使用する際には、モノマーに対して1〜300
重量%、好ましくは5〜200重量%で使用する。界面活
性剤を使用する際には、モノマーに対して0.01〜50重量
%、好ましくは0.1〜20重量%で使用する。
これらの水分散液は、透析や限外過等の処理をして
用いてもよい。
これらの水分散液には、前記の導電性化合物を添加し
てもよいし、ポリ酢酸ビニルポリマーなどの高分子化合
物をブレンドしてもよい。
本発明の電子伝導性高分子は、高分子固体電解質と積
層してポリマー電池のような導電性材料として使用でき
る。本発明の電子伝導性高分子は複数層を形成してもよ
く、また公知の電子伝導性高分子とで複数層を形成して
もよい。また、周期律表I a族又はII a族の金属イオン
の塩との積層を更に有してもよい。しかし、高分子固体
電解質と本発明の電子伝導性高分子が直接接触している
ものが好ましい。
本発明の電子伝導性高分子との積層導電性材料を得る
高分子固体電解質は、カチオンポリマー、アニオンポリ
マー、ポリアクリロニトリル、ポリアルキレンオキシド
ポリマー(PEO、PPOやPEOを含むケイ素化合物及びフオ
スフアゼン等)、ポリビニルアルコール等と塩を組み合
わせたものが挙げられる。これらの具体例は、特開昭61
−256573号、同61−124001号、同62−20263号、同62−1
39266号、同63−241066号、同63−241026号、同63−135
477号、同63−142061号、同63−130613号、同60−23974
号、同63−136409号、同63−193954号、同63−186766
号、同63−205364号、米国特許4822701号、マクロモレ
キユール21巻648頁に記載されている。
高分子固体電解質を構成する塩としては、前記の化学
的酸化重合法や電解重合法における重合時に用いられる
導電性の塩を挙げることができる。好ましくは、周期律
表I a又はII a族の金属イオンの塩であり、更に好まし
くは、Li塩である。
積層体導電性材料は、本発明の化学的酸化重合法で、
得られた電子伝導性高分子が粉末又は塊状であるときに
は、圧縮成形で加工したフイルムを高分子固体電解質膜
に圧着せしめて作成することができる。また得られた電
子伝導性高分子が水分散液であるときには、ローラーコ
ート、スピンコート、ギーサーコート、デイツプコー
ト、スプレーによるコート、押出成形等の公知の塗布方
法、及び公知の乾燥方法を用いることができる。
また、電解酸化重合法で電極上に形成した電子伝導性
高分子膜や、上記手段等でフイルム化された電子伝導性
高分子膜上に、溶解又は溶融された高分子固体電解質を
塗布等で密着積層してもよい。
また本発明の化合物は高分子固体電解質の機能を持た
すことで実質的に電解層を不要化することも可能であ
る。
すなわち正極(本発明の化合物)と負極との間にセパ
レーターを用いるだけでバツテリーとしての機能を発現
することができる。
該積層材料はそれぞれのコンポーネントを独自に作成
した後積層させても良いし、またセパレーター上に正極
材料を塗布あるいは圧着した後負極を積層させてもよ
い。
セパレーターは負極材料のイオン(例えばLi+)が拡
散しやすい様任意の有機溶媒(例えばプロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、
ジメトキシエタン、メチルテトラヒドロフラン等を)含
浸させておくのが好ましい。
上記有機溶媒にはリチウム塩を入れても良い。セパレ
ーター材料としては、ポリオレフイン、ポリエステル、
塩化ビニル、フツ素樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、
セルロース、ポリウレタン等任意の材料を用いることが
できる。またこれらにプラズマ処理、グロー処理、放射
線処理、プラズマ重合、プラズマ開始重合、放射線重
合、放射線開始重合等の処理をしても良い。
また本発明の電子伝導性高分子を電池として用いる場
合、正極活物質として、マンガン、モリブデン、バナジ
ウム、チタン、クロム、ニオブなどの酸化物、硫化物や
セレン化物、活性炭(特開昭60−167,280記載)、炭素
繊維(特開昭61−10,882記載)、ポリアニリン、アミノ
基置換芳香族ポリマー、複素環ポリマー、ポリアセン、
ポリイン化合物などを併用することができる。なかで
も、活性炭、γ−MnO2(特開昭62−108,455、同62−10
8,457に記載)、γ−β−MnO2とLi2MnO3の混合物(米国
特許4,758,484)、アモルフアス状V2O5(特開昭61−20
0,667)、V6O13、MoS2(特開昭61−64,083)、TiS2(特
開昭62−222,578)、ポリアニリン(特開昭60−65,03
1、同60−149,628、同61−281,128、同61−258,831、同
62−90,878、同62−93,868、同62−119,231、同62−18
1,334、同63−46,223)、ポリピロール(西独特許3,30
7,954A1、同3,318,857、同3,338,904、同3,420,854A1、
同3,609,137A1、特開昭60−152,690、同62−72,717、同
62−93,863、同62−143,373)、ポリアセン、ポリアセ
チレン(特開昭57−121,168、同57−123,659、同58−4
0,781、同58−40,781、同60−124,370、同60−127,66
9、同61−285,678)、ポリフエニレンが特に有効であ
る。
電極活物質には、通常、カーボン、銀(特開昭63−14
8,554)あるいはポリフエニレン誘導体(特開昭59−20,
971)などの導電性材料やテフロンなどの接合剤を含ま
せることができる。
負極活性質としては、金属リチウム、ポリアセン、ポ
リアセチレン、ポリフエニレンの他、リチウム合金とし
て、アルミニウムやマグネシウムなどの合金(特開昭57
−65,670、同57−98,977)、水銀合金(特開昭58−111,
265)、Ptなどの合金(特開昭60−79,670)、Sn−Ni合
金(特開昭60−86,759)やウツド合金(特開昭60−167,
279)、導電性ポリマーとの合金(特開昭60−262,35
1)、Pd−Cd−Bi合金(特開昭61−29,069)、Ga−In合
金(特開昭61−66,368)、Pb−Mgなどの合金(特開昭61
−66,370)、Znなどの合金(特開昭61−68,864)、Al−
Agなどの合金(特開昭61−74,258)、Cd−Snなどの合金
(特開昭61−91,864)、Al−Niなどの合金(特開昭62−
119,865、同62−119,866)、Al−Mnなどの合金(米国特
許4,820,599号)などが用いられている。なかでも、リ
チウム金属あるいはそのAl合金を用いることが有効であ
る。
(実施例) 以下に本発明の合成例及び実施例を示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。
〔合成例1;本発明の化合物1の合成〕 m−ニトロフエノール27.8g、N,N−ジメチルホルムア
ミド120ml及び炭酸カリウム25gを80℃を撹拌しながら、
2−〔2−(2−クロロエトキシ)エトキシ〕エタノー
ル37gを滴下した。80℃、1時間撹拌した後、酢酸エチ
ル200ml及び水200mlを加え、酢酸エチル層を抽出した。
水200mlで洗浄し、酢酸エチルを濃縮し、2−〔2−
{2−(3−ニトロフエノキシ)エトキシ}エトキシ〕
エタノール(1−A)を得た。
上記で得た(1−A)にアセトニトリル100ml、ピリ
ジン7.5mlを加えた後、5〜10℃で撹拌しながら、メタ
クリロイルクロリド7.9gを滴下した。5〜10℃で1時間
撹拌した後、酢酸エチル200ml及び水200mlを加え、酢酸
エチル層を抽出した。水200mlで洗浄し、2−〔2−
{2−(3−ニトロフエノキシ)エトキシ}エトキシ〕
エチルメタクリレート(1−B)の酢酸エチル溶液を得
た。
還元鉄25g、塩化アンモニウム1g、水50ml、イソプロ
ピルアルコール250mlを撹拌いしながら75℃に昇温し
た。その水溶液に(1−B)酢酸エチル溶液を1時間で
滴下後、2時間さらに撹拌した。この反応液の不溶物を
過後、酢酸エチル200ml及び水500mlを加え、酢酸エチ
ル層を抽出した。酢酸エチル層を濃縮しクロロホルムを
展開溶媒として用いシリカゲルカラムにて精製し2−
〔2−{2−(3−アミノフエノキシ)エトキシ}エト
キシ〕エチルメタクリレート15.3g(1−C)を得た。
(NMR元素分析にて構造確認、元素分析計算値、C%62.
14、H%7.44、N%4.53;実測値 C%61.85、H%7.3
6、N%4.62) (1−C)2.5g、n−ブチルアクリレート17.5g、及
びエタノール100mlを70℃で撹拌しながらアゾイソブチ
ロニトリル0.5gを添加し、6時間撹拌し、プレポリマー
(1−D)を得た。NMR、元素分析より(1−D)の構
造は、 x/y=6/94(モル)比であつた。
(1−D)10g、アニリン20g、LiClO47.5g、CF3COOH2
0g及びアセトニトリル500mlを撹拌しながら正、負極と
もPt板を用い、定電圧法(2V、2mA/cm2)にて1時間電
解重合を行ない負極上にポリマー析出物を得た。元素分
析より本発明の化合物1は x/y=6/94、平均n数=50であつた。
〔合成例2;本発明の化合物2の合成〕 2−〔2−{2−(1−ピロリル)エトキシ}エトキ
シ〕エチルメタクリレート(2−C)2g、n−ブチルア
クリレート18g、及びエタノール100mlを70℃で撹拌しな
がら、アゾイソブチロニトリル0.5gを添加し、6時間撹
拌し、プレポリマー(2−D)を得た。NMR、元素分析
より(2−D)の構造は、 x/y=5/95(モル比)であつた。
(2−D)15g、ピロール20g、LiClO47.5g及びアセト
ニトリル500mlを撹拌しながら、正・負極ともPt板を用
い、定電圧法(2V、2mA/cm2)にて1時間電解重合を行
い負極上にポリマー析出物を得た。元素分析により、本
発明の化合物2は、 x/y=5/95(モル比)、平均n数=55であつた。
〔合成例3;比較化合物1の合成〕 アニリン20g、LiClO415g、CF3COOH20g及びアセトニト
リル500mlを撹拌しながら正、負極ともPt板を用い、定
電圧法(3V、2mA/cm2)にて1時間電解重合を行ない負
極上に析出物(比較化合物1)を得た。
〔合成例4;比較化合物2の合成〕 o−アミノフエネチルメタクリレート0.005モル、n
−ブチルアクリレート0.095モル及び酢酸エチル100mlを
70℃で撹拌しながらアゾイソブチロニトリル0.5gを添加
し6時間撹拌し、プレポリマー(4−D)を得た。
(4−D)20g、アニリン20g、LiClO415g、CF3COOH20
g及びアセトニトリル500mlを撹拌しながら正、負極とも
Pt板を用い、定電圧法(3V、2mA/cm2)にて1時間電解
重合を行ない、負極上に析出物(比較化合物2)を得
た。
元素分析より比較化合物2は 式においてx/y=6/94(モル比)、平均k数=24であつ
た。
〔合成例5;比較化合物3の合成〕 合成例2において、モノマー(2−C)の代わりに2
−(1−ピロリル)エチルメタクリレートを用いた以外
は全く同様に合成し、比較化合物3を得た。
元素分析により比較化合物3は、 x/y=5/95(モル比)、平均k数=57であつた。
〔合成例6;比較化合物4の合成〕 合成例3においてアニリンをピロールに置き換えて、
CF3COOHを用いない以外は同様の操作を行い比較化合物
4を合成した。
〔合成例7;本発明の化合物3の合成〕 2−〔2−{2−(4−(2−ブロム)チエニル)メ
トキシ}エトキシ〕エチルメタクリレート(7−C)10
g、V−3 40g(M=H)、エタノール300ml及び2,2′
−アゾビスイソブチレート0.6gを窒素気流下80℃で5時
間撹拌した。エタノール濃縮後、ニトロベンゼン1、
三塩化鉄1.5モルを加え窒素気流下100℃で2−クロロチ
オフエン0.5モルを1時間で滴下した。滴下後60℃で6
時間撹拌した後ニトロベンゼンを濃縮した。これにエタ
ノール500mlを加え加熱抽出後セフアデツクスカラムに
て精製し、本発明の化合物3、25gを得た。
元素分析及びNMRにより本発明の化合物3は x/y=15/85(モル比)、平均n数=12であつた。
〔合成例8;本発明の化合物4の合成〕 合成例1で得た(1−C)1g、o−アミノフエネチル
メタクリレート19g及びエタノール100mlを70℃で撹拌し
ながらアゾイソブチロニトリル0.5gを添加、6時間撹拌
し、プレポリマー(1−D)を得た。
NMR、元素分析より(1−D)の構造は、 x/y=6/94(モル比)であつた。
(1−D)1g、アニリン30g、LiClO412g、CF3COOH30g
及びアセトニトリル700mlを撹拌しながら正、負極ともP
t板を用い、定電圧法(3V、2mA/cm2)にて1時間電解重
合を行ない負極上にポリマー析出物を得た。元素分析よ
り、本発明の化合物1は、 x/y=6/94、平均(n+k)/2数=45であつた。
〔合成例9;比較化合物5の合成〕 特開昭63−215772号の実施例2に従がい、p−スチレ
ンスルホン酸ナトリウムとイソチアナフテンを用いてポ
リイソチアナフテン(比較化合物5)を合成した。
〔合成例10〕 合成例1、2、7、8に準じて本発明の化合物5〜20
を得た。
実施例−1 電気伝導度測定 本発明の化合物1、2、6、9、13、16、17、20及び
比較化合物1〜5を粉体とし、圧力をかけ成形加工する
ことによりそれぞれ厚み0.2mmのプレートを得た。4prob
e法で測定した電気伝導度を表1に示した。
引掻強度テスト 得たプレートをそのまま1mm径のサフアイア針を用い
耐引掻テストを行い、フイルムが破壊し傷あとが残つた
時の針にかけた荷重を求め、引掻強度とし、表1に示し
た。
積層材料の導電率測定 得たプレートを下記で示す高分子固体電解質のキヤス
トフイルム(厚さ200μ程度)を積層させ、ステンレス
板ではさみ積層材料を作成した。この積層材料のそれぞ
れの導電率(Cole−Coleプロツト法)を測定した結果を
表1に示した。
(高分子固体電解質フイルム) ベンジルメタクリレート0.9g、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート0.1gをプロピレンカーボネート3g
に溶解し、これにアゾビスイソブチロニトリル0.1gを添
加して均一溶液とした。この溶液をテフロン板上にキヤ
ストし125℃で1時間加熱した。得られた薄膜をLiBF4
プロピレンカーボネート/ジメトキシエタン溶液(LiBF
4;1.4モル、プロピレンカーボネート;500ml、ジメトキ
シエタン;500ml)に1時間浸漬した。この浸漬操作を計
3回繰り返し高分子固体電解質フイルム2を得た。
(Cole−Coleプロツト法で得た導電率は2×10-3S/cmで
あつた。) 連続充放電テスト1 得た積層材料にリチウムシートを圧着したものをステ
ンレス缶に入れ、口を絶縁性の合成ゴムによつて封じ、
圧縮成形して第1図のような電池を作成した。この電池
を2次電池として連続充放電テスト(電流密度1.1mA/cm
2、充放電深度3.5〜2.0V)を行ない1サイクル目及び50
サイクル目の放電容量を20℃で測定し表1に示した。
連続充放電テスト2 得た積層材料にリチウムシートを圧着したものを用い
て、図2に示す単3型電池を作成した。この電池を2次
電池として連続充放電テスト(電流密度1.1mA/cm、充放
電深度3.5〜2.0V)をおこない、1サイクル目及び50サ
イクル目の放電容量を20℃で測定し表1に示した。
〔発明の効果〕 表1の本発明の化合物1、6、9、16、17及び20と比
較化合物1、2及び5の比較及び本発明の化合物2及び
13と比較化合物1、2及び5の比較より、本発明の化合
物が機械的強度、積層材料の導電性、放電容量、充放電
サイクル特性のいずれの性質も優れていることが明らか
になつた。
【図面の簡単な説明】
図1は実施例中の連続充放電テスト1で作成した電池構
成を示す。 図2は実施例中の連続充放電テスト2で作成した電池構
成を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01M 4/60 H01M 4/60 6/18 6/18 E 10/40 10/40 B

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、アニリンのN位と芳香環のp
    −位に繰り返しのための結合部位を持つアニリン化合物
    又はヘテロ原子以外の個所に2つの結合部位を持つ不飽
    和ヘテロ環化合物の少なくとも1つからなる電子伝導性
    部位を繰り返し単位として側鎖に有し、さらに該電子伝
    導性部位の繰り返し単位と主鎖との連結部に2価のオキ
    シアルキレン基の繰り返し単位を有し、主鎖にエチレン
    系繰り返し単位を有することを特徴とする電子伝導性高
    分子。
  2. 【請求項2】側鎖にアニオン性基を有するエチレン系繰
    り返し単位をさらに有する請求項(1)記載の電子伝導
    性高分子。
  3. 【請求項3】請求項(1)又は(2)記載の電子伝導性
    高分子と高分子固体電解質との積層体よりなる導電性材
    料。
  4. 【請求項4】請求項(1)又は(2)記載の電子伝導性
    高分子とセパレーターとの積層体よりなる導電性材料。
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