JP2629296B2 - 音響信号再生方法 - Google Patents

音響信号再生方法

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、いわゆるヘッドホン装置のように頭部に装
着されて用いられる電気−音響変換器ユニットにより、
音響信号を再生する音響信号再生方法に関する。
B.発明の概要 本発明は、いわゆるヘッドホン装置等を用いて音響信
号を再生するにあたって、検出用音源装置から同期して
発生られる検出用電磁波信号と検出用音響信号とを、受
信装置と聴取者の頭部上の二箇所に配設される一対のマ
イクロホンとによりそれぞれ検出し、これら受信装置の
出力信号とマイクロホンの出力信号間の位相差とに基づ
いて聴取者の頭部の方向変化を算出し、この算出結果に
基づいた伝達特性により音響信号を処理するようにした
ことにより、簡素な構成の装置を用いて安定した聴取者
の頭部の方向の検出ができ、良好な頭外定位感及び前方
定位感が得られるようにしたものである。
C.従来の技術 従来、いわゆるヘッドホン装置のように、聴取者の頭
部に装着されることにより両耳介近傍に対応して支持さ
れる一対の電気−音響変換器ユニットを用いて音響信号
の再生を行う場合に、音像の方向感、頭外定位感等を良
好なものとする音響信号再生方法として、いわゆるバイ
ノーラル方式を採用したものが提案されている。
このバイノーラル方式を採用した音響信号再生方法
は、例えば、特公昭53−283号公報に記載されているよ
うに、ヘッドホン装置により再生される音響信号に対し
て、予め所定の信号処理を行うものである。すなわち、
音像の方向感及び定位感は、左耳及び右耳の聴取する音
の音量差、時間差、位相差等により決定される。したが
って、上記所定の信号処理とは、聴取者より離間させて
配置されたスピーカ装置により音響再生を行う場合に音
源より聴取者の左右の耳までの距離の差異及び聴取者の
頭部近傍での反射や回折等により生ずる音響効果と、等
価的な音響効果が、ヘッドホン装置により再生される音
響において生ずるようにする信号処理である。このよう
な信号処理は、例えば、左耳用及び右耳用の音響信号を
それぞれレベル調整回路及び遅延回路等を介してヘッド
ホン装置に供給することにより行うことができる。
ところで、聴取者より離間させて配置されたスピーカ
装置により音響再生を行う場合には、聴取者が頭部の方
向を回転させても音像の絶対的な方向及び位置は変化し
ないので、聴取者の感じる音像の相対的な方向及び位置
が変化する。これに対し、ヘッドホン装置を用いてバイ
ノーラル方式により音響再生を行う場合には、聴取者が
頭部の方向を回転させるとヘッドホン装置も頭部ととも
に回転させられるので、聴取者の感じる音像の相対的な
方向及び位置は変化しない。
このような、聴取者の頭部の方向変化に対する音像の
変位状態の差異から、ヘッドホン装置を用いたバイノー
ラル方式による音響再生においては、音場は聴取者の頭
部内に形成されてしまい、音像を聴取者の前方に定位さ
せることが困難であり、しかも、前方の音像は上昇して
しまう傾向がある。
そこで、従来、特公昭42−227号公報及び特公昭54−1
9242号公報に記載されているように、聴取者の頭部の方
向変化を検出し、この検出結果に基づいて上記信号処理
の状態を変化させることにより、ヘッドホン装置におい
て良好な前方定位感が得られるようにした音響信号再生
方法が提案されている。このような音響信号再生方法に
おいては、聴取者の頭部にいわゆるジャイロスコープや
磁針等の方向検出装置や、ギヤやリンク装置等からなる
移動検出装置を配設し、該聴取者の頭部の方向を検出す
るようにしている。そして、この検出結果に基づき、音
響信号を処理する上記レベル調整回路や遅延回路等を制
御するようにして、聴取者より離間されて配置されたス
ピーカ装置による音響再生と同様の音場感を得ようとす
るものである。
D.発明が解決しようとする課題 ところで、上述のような音響信号再生方法を行うため
には、聴取者の頭部の方向を検出する装置として、ジャ
イロスコープや磁針、あるいはギヤ、リンク等を用いて
なる装置を用いる必要がある。
しかしながら、ジャイロスコープを用いてなる装置に
おいては、ジャイロスコープ自体が極めて高価であるば
かりでなく、大きさ及び重量が大きく、さらに、動作さ
せるために大型の電源を必要とする。そのため、この装
置は、自由に動き回る聴取者の頭部に配設し該頭部の方
向変化を検出する装置としては不適当なものである。
そして、磁針を用いてなる装置は、地磁気の水平分力
の方向を基準として聴取者の頭部の方向を検出するもの
であり、比較的廉価に、かつ、小型、軽量に構成するこ
とができるものである。しかしながら、方向検出の応答
性が遅く、また、安定性に乏しいので、聴取者の頭部の
方向変化を迅速に高精度で検出することができない。
さらに、ギヤやリンク装置等を用いてなる装置は、例
えば聴取者の体部を基準として、ギヤの回転やリンクの
伸縮等により該聴取者の頭部の移動を検出する装置であ
り、聴取者の頭部の自由な動きを阻害するため不快感が
あるばかりか、体部と頭部の距離の個人差等のため、高
精度な検出をすることができない。
したがって、これらの検出装置を用いる音響信号再生
方法においては、実用上問題のない構成の装置を用いて
聴取者の頭部の方向変化を迅速、高精度に、かつ、安定
して検出することができないため、良好な音像定位感を
得ることが困難である。
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるも
のであって、ヘッドホン装置等を用いて音響再生を行う
にあたり、簡素な構成の装置により聴取者の頭部の方向
変化の迅速、高精度、かつ、安定した検出が行えるよう
にして、前方定位についても良好な頭外定位感が得られ
る音響信号再生方法を提供することを目的とする。
E.課題を解決するための手段 上述の課題を解決し上記目的を達成するため、本発明
に係る音響信号再生方法は、検出用音源装置により非可
聴帯域の検出用音響信号及び検出用電磁波信号を同期し
て発生させ、上記検出用電磁波信号を受信する受信装置
の出力信号と聴取者の頭部上の二箇所に配設され上記検
出用音響信号を感受する一対のマイクロホンの出力信号
の位相差とに基づいて上記頭部の方向変化を演算手段に
より算出し、算出された該頭部の方向に対応する伝達特
性に基づいて左チャンネル及び右チャンネルの音響信号
をそれぞれ処理して上記聴取者の頭部に装着されて支持
される一対の電気−音響変換器ユニットにより再生する
ことを特徴とする。
F.作用 本発明に係る音響信号再生方法においては、聴取者の
頭部の方向変化が、検出用音源装置より発せられる検出
用電磁波信号を受信する受信装置の出力信号と、検出用
音響信号を感受する該頭部の二箇所に配設される一対の
マイクロホンの出力信号間の位相差とに基づいて算出さ
れ、この算出結果に応じて左チャンネル及び右チャンネ
ルの音響信号をそれぞれ信号処理するので、常に、聴取
者の頭部の方向に応じた信号処理が施された音響信号が
再生される。
G.実施例 以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照しながら
説明する。
本発明に係る音響信号再生方法を行うには、第1図に
示すように、聴取者の頭部Mに装着され該聴取者の左右
両耳介の近傍に対応して支持される左側及び右側の一対
の電気−音響変換器ユニット1L,1Rを備えてなるヘッド
ホン装置2を用いる。上記一対の電気−音響変換器ユニ
ット1L,1Rは、それぞれ、送られる音響信号を音響に変
換して再生するユニットである。
また、上記ヘッドホン装置2には、例えば左側と右側
のような互いに離間した二箇所に第1及び第2のマイク
ロホン3,4を配設する。これらマイクロホン3,4は、主
に、非可聴帯域の音響、例えばいわゆる超音波を感受す
るように構成されたマイクロホンである。
そして、上記聴取者より離間した位置には、検出用音
源装置5を設置する。この検出用音源装置5は、検出用
音響信号を発生するスピーカ6と、検出用電磁波信号を
発生する発信機7とを有して構成されている。
上記スピーカ6は、超音波発振源8より第1の変調装
置9を介して、所定周波数(例えば30KHz)の非可聴帯
域の音響信号である超音波信号が供給され、検出用音響
信号となる超音波を発する。上記第1の変調装置9に
は、変調信号供給源10より、所定周波数(例えば1KHz)
の変調信号が供給されている。上記超音波信号は、上記
第1の変調装置9において上記変調信号に基づいて変調
される。すなわち、上記スピーカ6より発せられる超音
波は、例えば、第2図中にAで示すように、所定の時間
毎に所定レベルの音波が間歇的に発せられるような、い
わゆるバースト波や、あるいは、所定周期でレベルが所
定の変動をするようになされた、いわゆるレベル変調波
等となされ、位相検出が可能なようになされている。
上記発信機7は、電磁波信号発振源11より第2の変調
装置12を介して、所定周波数(例えば80MHz)の信号を
供給され、検出用電磁波信号を発する。上記第2の変調
装置12には、上記第1の変調装置9と同様に、上記変調
信号供給源10より所定周波数(例えば1KHz)の変調信号
が供給されている。上記電磁波信号発振源11より供給さ
れる信号は、上記第2の変調装置12において上記変調信
号に基づいて変調される。すなわち、上記発信機7より
発せられる検出用電磁波信号は、例えば、第2図中にB
で示すように、上記超音波と同様に、いわゆるバースト
波や、あるいは、いわゆるレベル変調波等となされ、位
相検出が可能なようになされている。
上記第1及び第2のマイクロホン3,4の出力信号は、
上記スピーカ6より発せられる超音波を感受した信号で
あり、第2図中にC及びDで示すように、上記スピーカ
6より超音波が発せられて後、上記検出用音源装置5と
上記聴取者との距離及び音速に応じた所定時間を隔てて
上記超音波に対応する信号が出力される。そして、これ
ら第1及び第2のマイクロホン3,4の出力信号を、演算
手段となる演算装置13に送る。
この演算装置13においては、上記第1のマイクロホン
3の出力信号は、第1の前置アンプ14a,第1のバンドパ
スフィルタ15a、第1のゲインコントロール回路16a、第
1の検波素子17a、第1のローパスフィルタ18aを介し
て、第1及び第2の位相差検出回路19,20に送られる。
また、上記第2のマイクロホン4の出力信号は、第2の
前置アンプ14b、第2のアンドパスフィルタ15b、第2の
ゲインコントロール回路16b、第2の検波素子17b、第2
のローパスフィルタ18bを介して、上記第1の位相差検
出回路19に送られる。
上記第1及び第2のバンドパスフィルタ15a,15bは、
カットオフ周波数が上記超音波の周波数に対応するよう
になされている。そして、上記第1及び第2のローパス
フィルタ18a,18bは、カットオフ周波数が上記変調信号
の周波数に対応するようになされている。したがって、
上記第1及び第2のローパスフィルタ18a,18bより出力
される信号は、第2図中にE及びFで示すように、上記
第1及び第2のマイクロホン3,4の出力信号における変
調信号周波数に対応した矩形波となっている。
そして、上記発信機7より発せられる検出用電磁波信
号は、発せられると略同時に受信機21により受信され、
第3の検波素子22、第3のローパスフィルタ23を介し
て、上記第2の位相検出回路20に送られる。上記第3の
ローパスフィルタ23は、上記第1及び第2のローパスフ
ィルタ18a,18bと同様に構成されてなるものであり、こ
の第3のローパスフィルタ23の出力信号は、第2図中に
Gで示すように、上記受信機21の出力信号における変調
信号周波数に対応した矩形波となっている。
なお、上記受信機21には、受信アンテナを設ける必要
があるが、上記第1または第2のマイクロホン3,4の出
力信号を上記演算装置13に送るためのケーブルを受信ア
ンテナとして用いるようにしてもよい。
上記第1の位相差検出回路19は、第2図中にΔT1で示
す上記第1のローパスフィルタ18aの出力信号と上記第
2のローパスフィルタ18bの出力信号との対応する例え
ば信号立上がり部間の時間差t1に基づき、これら信号間
の位相差を検出する。そして、検出された位相差を示す
信号を角度算出回路24に送る。
また、上記第2の位相差検出回路20は、第2図中にΔ
T2で示す上記第3のローパスフィルタ23の出力信号と上
記第1のローパスフィルタ18aの出力信号における対応
する例えば信号立上がり部間の時間差t2に基づき、これ
ら信号間の位相差を検出する。そして、検出された位相
差を示す信号を角度算出回路24に送る。
上記角度算出回路24においては、上記各時間差t1,t2
により示される位相差と、音速V及び上記頭部Mの半径
rとに基づき、第3図中に矢印lで示す、上記スピーカ
6と上記聴取者の頭部Mの中心との距離lを算出する。
さらに、この距離l、上記位相差、上記音速V及び上記
半径rとに基づき、第3図中に矢印θで示す、該頭部M
の方向の示す角度θを算出する。この角度θは、例え
ば、 θ≒Sin-1{V2t1(t1+2t2)/4rl} により求めることができる。
なお、上記音速Vは、予めこの角度算出回路24におい
て定数として設定しておいてもよく、また、気温、湿
度、気圧等の変動に伴って変更されるようにしておいて
もよい。また、上記距離lの算出に際しては、上記第1
及び第2のマイクロホン3,4と上記頭部Mの中心との位
置関係や、上記頭部Mの形状や大きさに基づく補正を行
うようにしてもよい。そして、上記角度θを示す信号
を、I/Oポート25を介して、信号処理回路26に供給す
る。
上記一対の電気−音響変換器ユニット1L,1Rには、音
響信号供給源27より出力される左チャンネル及び右チャ
ンネル音響信号SL,SRを、上記信号処理回路26を介して
供給する。
上記音響信号供給源27は、所定の左チャンネル及び右
チャンネル音響信号SL,SRを出力する装置であって、例
えば、各種の記録ディスク再生装置、記録テープ再生装
置、または、電波受信装置等である。
上記信号処理回路26は、送られる上記左チャンネル及
び右チャンネル音響信号SL,SRに所定の信号距離を行う
回路であり、上記角度算出回路24より上記I/Oポート25
を介して上記角度θを示す信号が供給される第1乃至第
4の信号処理部28a,28b,28c,28dを備えてなる。これら
各信号処理部28a,28b,28c,28dにおいては、上記角度θ
に基づいて、聴取者に対向して離間されて設置された左
チャンネル用及び右チャンネル用の一対のスピーカ装置
により左チャンネル及び右チャンネル音響信号SL,SR
対応して再生する場合の該聴取者の各耳に対する伝達特
性を表現するインパルスレスポンスが設定される。
すなわち、上記第1の信号処理28aは、右チャンネル
音響信号SRが再生された音響の右耳に対する伝達特性を
表現するインパルスレスポンス(hRR(t,θ))を設定
する。上記第2の信号処理部28bは、右チャンネル音響
信号SRが再生された音響の左耳に対する伝達特性を表現
するインパルスレスポンス(hRL(t,θ))を設定す
る。上記第3の信号処理部28cは、左チャンネル音響信
号SLが再生された音響の右耳に対する伝達特性を表現す
るインパルスレスポンス(hLR(t,θ))を設定する。
上記第4の信号処理部28Dは、左チャンネル音響信号SL
が再生された音響の左耳に対する伝達特性を表現するイ
ンパルスレスポンス(hLL(t,θ))を設定する。
なお、これらの各インパルスレスポンスは、予め上記
角度θに対応させて設定し、メモリ装置(ROM)等に記
憶させておき、上記角度θにより読出しアドレスを決定
して読出すようにしてもよい。
この信号処理回路26においては、上記右チャンネル音
響信号SRを上記第1及び第2の信号処理部28a,28bに送
る。上記第1の信号処理部28aにおいては上記インパル
スレスポンス(hRR(t,θ))を用いて畳み込み積分処
理を行い、上記第2の信号処理部28bにおいては上記イ
ンパルスレスポンス(hRL(t,θ))を用いて畳み込み
積分処理を行う。
また、上記左チャンネル音響信号SLを、上記第3及び
第4の信号処理部28c,28dに送る。上記第3の信号処理
部28cにおいては上記インパルスレスポンス(hLR(t,
θ))を用いて畳み込み積分処理を行い、上記第4の信
号処理部28dにおいては上記インパルスレスポンス(hLL
(t,θ))を用いて畳み込み積分処理を行う。
そして、上記第1及び第3の信号処理部28a,28cの出
力信号を、右側用加算器29Rにより互いに加算する。こ
の右側用加算器29Rの出力信号を、右側増幅器30Rを介し
て右耳用音響信号ERとして上記右側電気−音響変換器ユ
ニット1Rに送って再生する。
また、上記第2及び第4の信号処理部28b,28dの出力
信号を、左側用加算器29Lにより互いに加算する。この
左側用加算器29Lの出力信号を、左側増幅器30Lを介して
左耳用音響信号ELとして上記左側電気−音響変換器ユニ
ット1Lに送って再生する。
上述のようにして行う本発明に係る音響信号再生方法
においては、聴取者の頭部Mの方向を示す角度θが変化
しても、この角度θを瞬時にして検出し、検出した角度
θに基づいて左チャンネル及び右チャンネルの各音響信
号SL,SRをそれぞれ処理する。したがって、聴取者に対
向するように離間して前方に設置された一対のスピーカ
装置により音響信号を再生する場合と同様の良好な頭外
定位感及び前方定位感を得ることができる。
また、上述の実施例において、上記信号処理回路26に
より行う信号処理は、インパルスレスポンスを用いた畳
み込み積分処理に限定されることなく、聴取者の各耳に
伝達される音響の振幅周波数特性や位相周波数特性を決
定する伝達関数と、該音響の各耳に到達する時間差とに
基づき、信号レベル調整回路と信号遅延回路とにより行
われる信号処理としてもよい。さらに、本発明に係る音
響信号再生方法を行うために用いるヘッドホン装置2
は、いわゆる耳介挿入型のものでもよい。
そして、本発明に係る音響信号再生方法においては、
複数人で1台の上記検出用音源装置5を用いて、各人に
おいて良好な頭外定位感及び前方定位感が得られる音響
信号再生を行うことができる。
すなわち、第4図に示すように、各聴取者の頭部M1,M
2,M3,M4に、それぞれ上記ヘッドホン装置2を装着す
る。そして、これら各ヘッドホン装置2に対応して、上
記演算装置13、上記音響信号供給源27及び上記信号処理
回路26を設ける。これら各ヘッドホン装置2は、第1及
び第2のマイクロホン3,4の出力信号をそれぞれ個別的
に演算装置13に送り、それぞれ個別的に上記音響信号供
給源27より信号処理回路26を介して音響信号が供給され
る。したがって、各聴取者は、それぞれ別個の音響信号
を聴取することもできる。
そして、各聴取者の前方に1台の検出用音源装置5を
設置する。すると、各聴取者に対応して設けられた各演
算装置13は、上記検出用音源装置5の方向を基準とした
それぞれの聴取者の頭部M1,M2,M3,M4の方向を示す角度
θ123を算出する。各聴取者に対応する信号
処理回路26は、上記各角度θ123に基づいて
信号処理を行う。したがって、各聴取者は、それぞれ、
第4寸図中に矢印D1,D2,D3,D4で示す上記検出用音源装
置5の方向の音像定位感を得ることとなる。
H.発明の効果 上述のように、本発明に係る音響信号再生方法におい
ては、聴取者の頭部の方向変化を、検出用音源装置より
発せられる検出用電磁波信号を受信する受信装置の出力
信号と、検出用音響信号を感受する該頭部の二箇所に配
設される一対のマイクロホンの出力信号間の位相差とに
基づいて演算手段により算出し、この算出結果に応じて
左チャンネル及び右チャンネルの音響信号をそれぞれ信
号処理する。
このようにして方向変化の検出を行うための装置は、
迅速、かつ、高精度な検出ができるため、常に、聴取者
の頭部の方向に応じた信号処理を施した音響信号を再生
することを可能となすともに、簡素に構成でき、小型
化、軽量化が容易である。
すなわち、本発明は、ヘッドホン装置等を用いて音響
再生を行うにあたり、簡素な構成の装置により聴取者の
頭部の方向変化の迅速、高精度、かつ、安定した検出が
行えるようにして、前方定位感についても良好な頭外定
位感が得られる音響信号再生方法を提供することができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る音響信号再生方法を行うための装
置の構成を模式的に示すブロック図であり、第2図は上
記装置の演算装置に供給される信号の状態を概略的に示
すタイムチャートであり、第3図は上記装置の演算装置
により算出される距離及び角度を示す模式図である。 第4図は上記音響信号再生方法を行うための装置の構成
の他の例を示す模式図である。 1L……左側電気−音響変換器ユニット 1R……右側電気−音響変換器ユニット 2……ヘッドホン装置 3……第1のマイクロホン 4……第2のマイクロホン 5……検出用音源装置 6……スピーカ 7……発信機 13……演算装置 26……信号処理回路 M……聴取者の頭部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検出用音源装置により非可聴帯域の検出用
    音響信号及び検出用電磁波信号を同期して発生させ、 上記検出用電磁波信号を受信する受信装置の出力信号
    と、聴取者の頭部上の二箇所に配設され上記検出用音響
    信号を感受する一対のマイクロホンの出力信号間の位相
    差とに基づいて上記頭部の方向変化を演算手段により算
    出し、 上記演算手段により算出された該頭部の方向に対応する
    伝達特性に基づいて左チャンネル及び右チャンネルの音
    響信号をそれぞれ処理して上記聴取者の頭部に装着され
    て支持される一対の電気−音響変換器ユニットにより再
    生してなる音響信号再生方法。
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