JP2627915B2 - 20―カルボキシプレグナン誘導体の製造方法 - Google Patents
20―カルボキシプレグナン誘導体の製造方法Info
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- JP2627915B2 JP2627915B2 JP5345488A JP5345488A JP2627915B2 JP 2627915 B2 JP2627915 B2 JP 2627915B2 JP 5345488 A JP5345488 A JP 5345488A JP 5345488 A JP5345488 A JP 5345488A JP 2627915 B2 JP2627915 B2 JP 2627915B2
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- carboxypregnane
- producing
- derivative
- saturated hydrocarbon
- carbon atoms
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は医薬品および医薬品中間体として重要な20−
カルボキシプレグナン誘導体の製造方法に関する。
カルボキシプレグナン誘導体の製造方法に関する。
(従来の技術) 多くの医療上の有用なステロイド化合物は、産業的に
は、容易に入手可能でかつ安価な原料であるコレステロ
ールやβ−シトステロールより合成されることが多いこ
とが、ケイ・キースリッヒ(K.Kieslich,J.Basic Micro
biol.,25,461(1985))により示されている。
は、容易に入手可能でかつ安価な原料であるコレステロ
ールやβ−シトステロールより合成されることが多いこ
とが、ケイ・キースリッヒ(K.Kieslich,J.Basic Micro
biol.,25,461(1985))により示されている。
この合成過程で、コレステロールやβ−シトステロー
ルの側鎖を切断し、17−オキソ化合物を得る方法がこれ
まで種々開発されてきた(C.K.A.Martin,Adv.Appl.Micr
obiol.,25,29(1977)およびK.Arimaら、Agr.Biol.Che
m.,33,1636(1969))。
ルの側鎖を切断し、17−オキソ化合物を得る方法がこれ
まで種々開発されてきた(C.K.A.Martin,Adv.Appl.Micr
obiol.,25,29(1977)およびK.Arimaら、Agr.Biol.Che
m.,33,1636(1969))。
この17−オキソ化合物は多くの性ホルモンやジウレテ
ィック・スピロラクトン等の合成中間体として極めて有
用である。
ィック・スピロラクトン等の合成中間体として極めて有
用である。
また、最近この17−オキソ化合物の17位に新たな側鎖
を化学的に付加し、新しい生物活性を有するステロイド
化合物を製造する方法が産業的に利用できるようにな
り、β−シトステロールより、アンドロスト−4−エン
−3,17−ジオンを経てコルチコステロイドを合成してい
る(G.Neffら、Chem.Ber.,113,1184(1980))。
を化学的に付加し、新しい生物活性を有するステロイド
化合物を製造する方法が産業的に利用できるようにな
り、β−シトステロールより、アンドロスト−4−エン
−3,17−ジオンを経てコルチコステロイドを合成してい
る(G.Neffら、Chem.Ber.,113,1184(1980))。
また、微生物交換によるエストロジェンの生成例とし
て、ノルテストステロンを基質として、アルスロバクタ
ー・シンプレックス(Arthrobacter Simplex)を発酵さ
せて、75%収率でエストラジオールを生成する等の報告
がある(K.Kieslich,J.Basic Microbiol.,25,461(198
5))。
て、ノルテストステロンを基質として、アルスロバクタ
ー・シンプレックス(Arthrobacter Simplex)を発酵さ
せて、75%収率でエストラジオールを生成する等の報告
がある(K.Kieslich,J.Basic Microbiol.,25,461(198
5))。
更に、本発明者らはコルチコステロイドの合成中間体
を発酵法により高率で得る微生物を探索し、コレステロ
ールやβ−シトステロールより、選択的に20−カルボキ
シプレグナン誘導体(20−カルボキシ−プレグナ−1,4
−ジエン−3−オン)を合成する菌株を得ている(M.Ii
daら、J.Ferment.Tech.,65,525(1987)、ロドコッカス
・エクイ(MIL−1037およびK−3株))。この20−カ
ルボキシプレグナン誘導体は化学的方法で容易に4−デ
ヒドロ・プロゲステロンに変換できて、コルチコステロ
イド製造の重要な中間体になるものである。
を発酵法により高率で得る微生物を探索し、コレステロ
ールやβ−シトステロールより、選択的に20−カルボキ
シプレグナン誘導体(20−カルボキシ−プレグナ−1,4
−ジエン−3−オン)を合成する菌株を得ている(M.Ii
daら、J.Ferment.Tech.,65,525(1987)、ロドコッカス
・エクイ(MIL−1037およびK−3株))。この20−カ
ルボキシプレグナン誘導体は化学的方法で容易に4−デ
ヒドロ・プロゲステロンに変換できて、コルチコステロ
イド製造の重要な中間体になるものである。
(発明が解決しようとする課題) 前記の本発明者等が見出した発酵法による20−カルボ
キシプレグナン誘導体の合成は選択性が良いものである
が、収量を一層上げることが課題であった。
キシプレグナン誘導体の合成は選択性が良いものである
が、収量を一層上げることが課題であった。
本発明の目的は発酵法により20−カルボキシプレグナ
ン誘導体を高収率、高収量で製造することである。
ン誘導体を高収率、高収量で製造することである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、炭素数10〜19の高級直鎖飽和炭化水素及び
第二銅塩を添加した培地中に、ロドコッカス・エクイ変
異株K−3株(微工研菌寄第9880号、Rhodococcus equi
MIL−1045)を接種培養し、基質としてコレスタン系ス
テロイド化合物を添加し反応させることを特徴とする20
−カルボキシプレグナン誘導体を製造する方法である。
第二銅塩を添加した培地中に、ロドコッカス・エクイ変
異株K−3株(微工研菌寄第9880号、Rhodococcus equi
MIL−1045)を接種培養し、基質としてコレスタン系ス
テロイド化合物を添加し反応させることを特徴とする20
−カルボキシプレグナン誘導体を製造する方法である。
ロドコッカス・エクイ変異株K−3株の微生物学的性
質は、親株(MIL−1037)と同じであるが、ステロイド
類の微生物変換を行う際に、コレスタン系ステロイド化
合物の側鎖を選択的に切断する性質を有している。親株
(MIL−1037)はステロイド類の骨格まで分解し、CO2と
H2Oにするため、変換体は得られていない。従って、親
株で変換を行う際には、この分解阻害剤として、α,
α′−ジピリジル等を用いている。変異株では、この阻
害剤を必要としない利点がある。
質は、親株(MIL−1037)と同じであるが、ステロイド
類の微生物変換を行う際に、コレスタン系ステロイド化
合物の側鎖を選択的に切断する性質を有している。親株
(MIL−1037)はステロイド類の骨格まで分解し、CO2と
H2Oにするため、変換体は得られていない。従って、親
株で変換を行う際には、この分解阻害剤として、α,
α′−ジピリジル等を用いている。変異株では、この阻
害剤を必要としない利点がある。
本発明において基質として用いられるコレスタン系ス
テロイド化合物の好ましい例としてβ−シトステロール
およびコレステロールが挙げられる。
テロイド化合物の好ましい例としてβ−シトステロール
およびコレステロールが挙げられる。
本発明に用いられる高級直鎖飽和炭化水素としては、
例えばn−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n
−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、
n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカ
ン、n−ノナデカン、等が挙げられ、特に好ましいのは
n−ヘキサデカンである。
例えばn−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n
−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、
n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカ
ン、n−ノナデカン、等が挙げられ、特に好ましいのは
n−ヘキサデカンである。
n−ヘキサデカンは、炭素数16の直鎖飽和炭化水素
(CH3(CH2)14CH3)であり、一般的に炭化水素を資化
する微生物の培地に炭素源として用いられる。本発明に
用いる菌株は、本来、この炭化水素資化性菌であり、n
−ヘキサデカンは、この菌の生育に最適な炭化水素であ
る。
(CH3(CH2)14CH3)であり、一般的に炭化水素を資化
する微生物の培地に炭素源として用いられる。本発明に
用いる菌株は、本来、この炭化水素資化性菌であり、n
−ヘキサデカンは、この菌の生育に最適な炭化水素であ
る。
本発明に用いる第二銅塩は、一価陽イオンや、Ca2+等
に比較して、n−ヘキサデカンとの相乗効果が認められ
る。好ましい銅塩としては塩化第二銅、酢酸第二銅、リ
ン酸第二銅が挙げられる。
に比較して、n−ヘキサデカンとの相乗効果が認められ
る。好ましい銅塩としては塩化第二銅、酢酸第二銅、リ
ン酸第二銅が挙げられる。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、培地中に高級直鎖飽和炭化水
素及び第二銅塩を添加することにより、20−カルボキシ
プレグナン誘導体を、従来よりも高収率、高収量で製造
することができる。
素及び第二銅塩を添加することにより、20−カルボキシ
プレグナン誘導体を、従来よりも高収率、高収量で製造
することができる。
(実施例) 以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
グルコース5.0g、肉エキス5.0g、コーンスティプリカ
ー10.0g、K2HPO42.0gを蒸留水1000mlに溶解し、pHを7.2
に調整した。
ー10.0g、K2HPO42.0gを蒸留水1000mlに溶解し、pHを7.2
に調整した。
このようにして得られた組成の培地100mlにn−ヘキ
サデカンを1%となるように添加し、この培地にロドコ
ッカス・エクイ変異株K−3株(微工研菌寄第9880号、
Rhodococcus equi MIL−1045)を2ml接種して、27℃の
温度にて22時間振とう培養(220r.p.m.)を行った。
サデカンを1%となるように添加し、この培地にロドコ
ッカス・エクイ変異株K−3株(微工研菌寄第9880号、
Rhodococcus equi MIL−1045)を2ml接種して、27℃の
温度にて22時間振とう培養(220r.p.m.)を行った。
培養終了後、基質としてβ−シトステロールを上記フ
ラスコに50mg添加し、さらに7日間上記と同様の条件で
反応を行った。
ラスコに50mg添加し、さらに7日間上記と同様の条件で
反応を行った。
この培養液を硫酸でpH2.0に合わせ、等量の酢酸エチ
ルで抽出し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮を行
った。この抽出物をジアゾメタンを用いてメチル化し、
OV−1カラムを用いたガラスクロマトグラフィーにて温
度230℃で定量分析を行った。
ルで抽出し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮を行
った。この抽出物をジアゾメタンを用いてメチル化し、
OV−1カラムを用いたガラスクロマトグラフィーにて温
度230℃で定量分析を行った。
尚、内部標準として5α−コレスタンを用いた。
比較のために、培地中に添加物のない場合、及びn−
ヘキサデカンのみを添加した場合についても、同様の方
法で培養を行った。
ヘキサデカンのみを添加した場合についても、同様の方
法で培養を行った。
この様にして得られた結果を次表に示す。n−ヘキサ
デカン及び塩化銅を添加した場合、無添加の場合に比較
して約2.4倍、n−ヘキサデカン添加の場合に比較して
約1.4倍の20−カルボキシ−プレグナ−1,4−ジエン−3
−オンを生成した。
デカン及び塩化銅を添加した場合、無添加の場合に比較
して約2.4倍、n−ヘキサデカン添加の場合に比較して
約1.4倍の20−カルボキシ−プレグナ−1,4−ジエン−3
−オンを生成した。
Claims (4)
- 【請求項1】炭素数10〜19の高級直鎖飽和炭化水素及び
第二銅塩を添加した培地中に、ロドコッカス・エクイ変
異株K−3株(微工研菌寄第9880号、Rhodococcus equi
MIL−1045)を接種培養し、基質としてコレスタン系ス
テロイド化合物を添加し反応させることを特徴とする20
−カルボキシプレグナン誘導体を製造する方法。 - 【請求項2】コレスタン系ステロイド化合物がβ−シト
ステロールである請求項1記載の20−カルボキシプレグ
ナン誘導体を製造する方法。 - 【請求項3】高級直鎖飽和炭化水素が炭素数16である請
求項1記載の20−カルボキシプレグナン誘導体を製造す
る方法。 - 【請求項4】高級直鎖飽和炭化水素が炭素数16である請
求項2記載の20−カルボキシプレグナン誘導体を製造す
る方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5345488A JP2627915B2 (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 20―カルボキシプレグナン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5345488A JP2627915B2 (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 20―カルボキシプレグナン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01228497A JPH01228497A (ja) | 1989-09-12 |
JP2627915B2 true JP2627915B2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=12943305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5345488A Expired - Lifetime JP2627915B2 (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 20―カルボキシプレグナン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2627915B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602004013123D1 (de) * | 2003-01-21 | 2008-05-29 | Pharmacia & Upjohn Co Llc | Verfahren zur herstellung von 19-nor-10beta-carboxylsäuren durch fungale oxidation von 6-substituierten-delta6-pregnanen |
-
1988
- 1988-03-09 JP JP5345488A patent/JP2627915B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01228497A (ja) | 1989-09-12 |
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