JP2627593B2 - 遊技用図柄ドラムの図柄絵付け方法 - Google Patents

遊技用図柄ドラムの図柄絵付け方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遊技用図柄ドラムの
図柄絵付け方法に関し、更に詳細には、各種の娯楽用遊
技機、主として遊技媒体にパチンコ球やコインを使用す
る遊技機に実施される図柄表示装置の図柄ドラム外周
に、多種多色の図柄を施すための図柄絵付け方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】娯楽用遊技機の代表例の一つとして実施さ
れるパチンコ機やスロットマシンにおいて、図柄組合わ
せゲームを奏して遊技者の有利となる特別遊技状態に係
る権利を成立表示するための好適な手段として、各種形
態の図柄可変表示装置が採用されている。この表示装置
の一つとして、一般に「ドラム形式」とも称されているも
のでは、合成樹脂成形されたリング形や平プーリ形の回
転体の外周に、各色に区別された各種多様な識別用の図
柄、例えば数字、アルファベット文字、その他図形のキ
ャラクターマーク等を所要順序に配置してなる図柄ドラ
ムが、複数個(通常では左、中、右の3個)を組単位とし
て縦列セットされている。なお図柄ドラムは、各メーカ
毎の遊技機においてサイズ(直径および幅)や図柄のコマ
数等の異なる各種タイプのものが選択使用されている。
【0003】このような図柄ドラムに対する図柄の成
形、すなわち図柄の絵付けについて従来から一般的に行
なわれている方法として、以下のものが挙げられる。 (a) 図柄シールの巻回貼付方法、すなわちセルロイド
等の帯状母材の片面に、オフセット印刷等に基いて各色
多様な図柄を印刷配置してなる図柄シールが、図柄ドラ
ムの素地である合成樹脂成形された平プーリ形のリング
体の外周に対して基準位置(通常ではインデックスの設
置位置)に基いて巻回されて貼付される方法。 (b) スクリーン印刷による多色刷り方法、すなわち絹
布やナイロン布材等のスクリーンを使用し、これに型紙
を貼って柔かいインクをスクイージで押し出し、ステン
シル以外の部分にインクをつける印刷方法に基いて、回
転ローラに位置決めセットされたリング体の外周に、各
種図柄の部分毎に1色ずつ直接塗布し、これを各色毎に
繰返して全部分を多色印刷する方法があり、夫々の絵付
け作業条件に応じて採用されている。なお図柄ドラムに
おける図柄は、傾向としてカラフルであることが好ま
れ、一般的に1コマ分ずつに2〜3色とされ、全コマ分
では5〜6色が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように図柄ドラ
ム(円形リング)を対象とした従来の図柄絵付け方法で
は、何れの方法による場合にあっても、品質性、量産性
およびその他の面において多くの問題がある。すなわち
前記(a)項の方法では、専ら作業者自身による直接の手
巻き作業に頼っており、その作業の多くの場合として、
ローラやシリンダー等の円形回転具に所定のリング体を
位置決めセットしたもとで、接着性を付与された1枚の
図柄シールを巻付けて貼付している状況にある。このよ
うな実作業状況にあっては、極めて手間が掛かると共に
かなりの熟練が要求される。しかも作業時間当りに数多
くの絵付けができず、図柄ドラムの量産性の大きな隘路
となっている。またリング体の外周貼付面に対して図柄
シールがずれたり、しわを生じ易く、これを不良品とし
て処分すれば大きな損失となる。仮にシールを張替える
にしても、手間が掛かると共に新たな図柄シールを必要
として歩留りが悪くなってしまう欠点が指摘される。更
に同一の図柄シールを貼付した図柄ドラムにおいて、個
々には良品にみえたとしても、相互対比した場合に各図
柄が基準位置(前記インデックス位置)から円周方向にず
れていることがあり、品質にむら、バラ付き等を招くこ
とがある。
【0005】一方前記(b)項の方法では、回転ローラに
対するリング体の毎回の位置決めセットおよび取外し等
の作業を作業者自身が担当し、絵付け本作業について
は、印刷機による色替え多色刷り作動が行なわれて終了
される。このような作業にあっては、毎回の色刷り終了
後にインクの充分な乾燥時間を置いて次期の他色刷りを
待たなければならず、1つのリング体に対する所定の絵
付け作業完了までに相当な時間が掛かってしまう。これ
がために能率のよい短時間での絵付けができず、図柄ド
ラムの量産性の向上を図ることが到底困難で期待もでき
ない現状にある。また前述の色替え多色刷りにより絵付
けされた夫々の図柄ドラムについてみると、各種の図柄
における異色部分同志に印刷不良に起因するずれや色む
ら等が生じ、見栄えの悪い図柄が存在した不良品ドラム
となってしまうことがあり、その品質の維持に大きな問
題があった。
【0006】このように前述した何れの図柄絵付け方法
についても、稼働能率および生産性等の向上に困難な面
が内在して作業全般に係る進展性が期待し得ず、これに
大きく起因して不良品の多発を伴ない、図柄ドラムの製
品コストが割高となっている。現にこれらの方法ではそ
の稼働性に自ずと限度があり、各種図柄が多彩である場
合やロット数の多い場合等には不向きとされ、むしろ少
色単純図柄や少ロットの場合の絵付け方法とされてい
る。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述した従来技術に内在して
いる前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案さ
れたものであって、曲面体や円形体に対する好適な貼付
手段の一つとして知られている熱転写方式に基いて、図
柄ドラムの素地であるリング体の外周に対して、多彩な
各種の図柄を能率良くきれいに転写して、鮮明で適正な
図柄を有する良質な図柄ドラムを安価に量産することに
適した遊技用図柄ドラムの図柄絵付け方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した課題を克服し、
所期の目的を達成するため本発明は、遊技用図柄ドラム
の素地として合成樹脂成形されたプーリ形状のリング体
の外周全面に、図柄フィルムにリング体1本分単位で印
刷形成されて下地部分に外れ用および当り用の各種所定
コマ分の図柄を所定の順序 間隔の規則性を以って配置
した図柄表示部を写し取る絵付け方法にあって、 駆動制
御により基準位置を始点として回転毎に回転 停止さ
れるセットローラの位置決め用セット部分に対して、
リング体を、アーム部を合わせて基準位置に着脱可能
位置決めセットするリング体セット工程と、前記セッ
トローラにセットされたリング体外周の基準位置に、前
記図柄フィルムの1本分単位の図柄表示部の始端を整
する図柄整合工程と、前記セットローラと組にして回転
可能にされた加熱転写ローラを、リング体に適した転写
位置にセットして前記図柄フィルムの図柄表示部の始
端をリング体外周の一端に押圧する転写準備工程と、前
記セットローラの駆動に伴ないリング体および加熱転写
ローラを押圧状態で同調回転させる転写作動工程と
工程に同調して前記図柄フィルムを伸張状態で給送する
フィルム給送工程と、 前記転写作動工程およびフィルム
給送工程の同調協働条件により、前記リング体の外周全
面に亘り前記1本分単位の図柄表示部を加熱接着させな
がら図柄フィルムから剥離させる絵付け工程とに基い
て、 リング体の外周全面に、1本分単位の図柄表示部に
おける下地部分を写し取ると共に、外れ用および当り用
を含む所定コマ分の図柄を所定の順序 間隔に配置する
ように構成したことを特徴とする。
【0009】
【実施例】次に、本発明に係る遊技用図柄ドラムの図柄
絵付け方法につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参
照しながら、以下詳細に説明する。
【0010】本実施例の図柄絵付け方法は、図9に略示
されたパチンコ機の遊技盤Pに設置される「ドラム型式」
の図柄可変表示装置Iにおける図柄ドラムを対象例とし
て、これに実施する場合を主に示す。そして同方法の実
施概略として、図1および図2に略示する熱転写装置M
の運転稼働制御により、図柄ドラムの素地である1個ず
つのリング体Rの外周に対して、図柄フィルムFにおけ
る1単位ずつの図柄を1回転1作業の熱転写方式で自動
的に絵付けするようになした例を主に示す。
【0011】そこでこの図柄絵付け方法の技術内容を一
層明瞭にするべく、その説明に先立ち、同方法に直接使
用される前記リング体R、図柄フィルムFそして熱転写
装置について予め説明する。
【0012】図柄ドラムの素地となる前記リング体R
は、一般的に行なわれている合成樹脂型加工法により、
図3に略示するように、平プーリ状に成形されたもの
で、中心のフランジ状のボス部1と、図示4本の放射状
のアーム部2と、一定外周幅の平滑なリム部3が連設さ
れている。そしてリム部3の外周面が図柄の絵付け面と
されて、その内周面の所定位置に図柄の基準指標位置と
されるインデックス4が半径方向内方に突設されてい
る。なおこのリング体Rは、比較的硬質で透明な樹脂材
(例えばポリカーボネート質)で成形されており、ボス部
1およびアーム部2がリム部3の一方の開口面側に変位
され、インデックス4がリム部3の他方の開口面側に変
位されている。またインデックス4については、絵付け
により製品とされた図柄ドラムDの実施にあたり遮光面
が形成される。
【0013】前記図柄フィルムFは、図4に示すよう
に、連続帯状をなす伸縮性(延展性)の小さい軟質合成樹
脂製の透明なフィルム母材5の片面に、一般的に実施さ
れているカラー印刷機(図示せず)等により、前記リング
体Rの1個に対する1単位分の多彩な図柄表示部6が長
手方向(移送方向)に亘り、同一延長線上に所定間隔(例
えばリング体Rの円周全長に整合した一定間隔)で裏刷
りされて、リング体Rの絵付け面の幅および円周全長に
適合する帯状面域とされている。また各図柄表示部6の
裏面、すなわちフィルム母材5の反印刷面側には加熱溶
着性の接着面7が形成されている。
【0014】この図柄フィルムFにおける夫々の図柄表
示部6では、その印刷面域内において、図5に例示する
ような外れ用および当り用を含む8種16コマ分の各種
の図柄6a,6aが所定の順序および間隔で配置されて
いる。そして色彩等について、各々の図柄6a,6a
は、例えば赤、黄、黄緑、桃、青等の内、2色以上が使
用されると共に、全色が紫外線の照射に対して好適に発
光照明し得るインク(発光インクともいう)で印刷されて
いる。また各図柄6a,6aを除いた周囲の下地部分6
bは、全ての図柄が良好に映える別単色の通常インク
(発光インク以外)で印刷されて、図柄表示部6の全体が
多数色とされている。
【0015】このような図柄フィルムFは、図4に示す
如く、通常の状態として芯管8に所定直径分で巻回され
たロール単位にされて取扱い得るようになっている。ま
た絵付けされた製品としての図柄ドラムが、後述する図
柄可変表示装置に複数個単位で使用されることの前提に
あって、図5に例示した図柄表示部6が図柄6a,6a
の種類、配置順序等を適宜変更した左列用、中列用、右
列用のものも用意される。そして何れの図柄フィルムF
にあっても、各図柄表示部6毎に対する位置決め用のマ
ーク9が等間隔で付されている。このマーク9は、後述
する熱転写装置側における光電センサー形式の検出手
段26,27で好適に検出されるべく遮光性のものが例
とされて、フィルム母材5の各側縁において、各図柄表
示部6の始端と終端に対応する所要の各位置に整合して
付されている。
【0016】前記熱転写装置Mは、既に知られているよ
うに曲面に対して良好な絵付けが容易に可能とされる特
長を利用して、前述のリング体Rの1個ずつに対して図
柄フィルムFにおける1単位の図柄表示部6を熱転写す
るものである。その基本的な構成として、図1および図
2に略示するように、被転写物であるリング体セット用
転写部11と、この両側に亘る図柄フィルム用の給送部
17等を備え、この双方11,17がリング体Rの回転
周速度と、図柄フィルムFの給送(繰出し)速度とを同調
維持する条件に基いて、互いに同期可動制御されて各リ
ング体Rに対する1作動毎に絵付けをなし得るようにな
っている。
【0017】熱転写装置Mにおける転写部11では、軸
端部にリング体Rを着脱可能にセットし得る図示下方の
駆動式のセットローラ12と、この上方に位置する従動
式の加熱転写ローラ15(熱圧ローラともいう)が所定の
転写間隔で平行に対設されている。そしてセットローラ
12にはリング体Rの位置決めセット手段として、その
軸端面側に前記アーム部2等に対する係合部13が形成
され、また外周の軸方向にインデックス4に対する挿入
溝14が凹刻されている。一方熱圧ローラ15の外周に
は適度の弾力柔軟性を有する円筒状の押圧マット16が
着脱交換可能に密嵌されて、ヒータ(図示せず)等で所要
温度(インクの性状に適した150〜200℃)に保温さ
れるようになっている。なおセットローラ12には、リ
ング体用のチャック手段を付設してもよい。
【0018】但しこの転写部11では、熱圧ローラ15
を切換え可動体(図示せず)に支持して、セットローラ1
2に整合する転写位置と、これより上方に離隔退避する
非転写位置(待機位置)とに切換え得るようになってい
る。また熱圧ローラ15を位置調節可能にして、セット
ローラ12との転写間隔の微調整を図り、押圧マット1
6が図柄フィルムFの上からリング体Rの外周に適正に
圧接し得るよう構成してある。そして熱圧ローラ15の
切換えについては、押ボタンやペダル等による操作が可
能であることの前提において、後述するフィルム用の給
送部17側の検出手段26,27の検出条件と回転角度
や時間等を基準にした1回の転写作動終了条件等に基い
て自動制御が可能とされている。
【0019】前記給送部17では、図柄フィルムFをロ
ール状単位でセットして繰出し得る図示左方の従動式の
繰出しローラ18と、転写使用済みフィルムつまりフィ
ルム母材5を巻取り得る図示右方の駆動式の巻取りロー
ラ21が配設されて、リング体Rの1個ずつに対する稼
働時に互いに同一周速度で回転されるようになってい
る。そして繰出しローラ18側には、ロール状の図柄フ
ィルムFの芯管8を直接嵌挿セットし得るチャック手段
19と、同フィルムFの外周に適宜圧接し得る案内押え
ローラ20が付設される。また巻取りローラ21側に
は、フィルム母材5用の巻取り芯管22をセットし得る
チャック手段23と、フィルム逆戻り防止用の案内押え
ローラ24等が付設されている。更に、フィルムの移送
途上、すなわち前記転写部11の前後部位に、張力調節
用の案内ローラ25,25がフィルムFを挟む上下の関
係で配設されている。
【0020】なおこの給送部17に対するロール状の図
柄フィルムFのセットについては、夫々の案内押えロー
ラ20,24を一旦退避させたもとで、繰出しローラ1
8に芯管8部分を嵌挿してチャック手段19で位置決め
保持する。そしてこのフィルムFの始端部を巻取りロー
ラ21側へ引出して巻取り芯管22の外周に適宜セット
した後、各案内押えローラ20,24を元の位置にセッ
トする。この状態において少なくとも案内ローラ25,
25間に亘るフィルムは、転写部11のセットローラ1
2に対するリング体Rの着脱時の邪魔にならないよう
に、同ローラ12の外周より適宜浮上した位置で水平状
に展張されて、熱圧ローラ15により上から転接される
ようになっている(図1参照)。
【0021】前記給送部17における所定位置に、光電
センサ形式の第1および第2の検出手段26,27が設
置されている。この検出手段26,27は、前記図柄フ
ィルムFの各位置のマーク9,9を直接検出して最先行
の図柄表示部6の位置を確認するためのもので、図1お
よび図2に例示するように、第1検出手段26が前記セ
ットローラ12の基準位置(リング体Rのインデックス
4の位置)に整一されて、表示部6の始端を検出し、第
2検出手段27が図示左方の所定位置に整一されて、表
示部6の終端を検出するよう設定された場合を示す。そ
してこの双方の手段26,27の検出条件に基いて、図
柄フィルムFが前記基準位置に対して最先行の図柄表示
部6の始端から次行の図柄表示部6の始端までに亘る所
定長さ単位で給送されて停止するよう設定される。
【0022】なお検出手段は第1検出手段26のみとし
たり、第2検出手段27を図示右方の所定位置に設置し
てもよく、何れも位置調節可能とされる。そしてその検
出条件については、当該の発光部からの投射光がマーク
9により遮られた時点または遮られた直後に受光部に受
けられる時点で、光信号が電気信号に変換されることに
基いて検出状態とされる。
【0023】なお本実施例の図柄絵付け方法の態様とし
て、前述した熱転写装置Mの転写部11に対するリング
体Rの着脱、すなわち絵付け前リング体のセットと絵付
け後リング体(図柄ドラム)の取外しについては、少数ロ
ットの場合を例にした作業者による手作業と、多数のロ
ットの場合を例にした機械運転による自動的作業があ
る。しかるに何れの場合にも、リング体Rはセットロー
ラ12に対してボス部1およびアーム部2を外向きにし
て、インデックス4と挿入溝14、またアーム部2と係
合部13をともに整合した状態で位置決め嵌挿セットさ
れるものである。
【0024】ちなみに前記機械的作業の場合には、図2
に略示するように、リング体用の搬出入交換装置Cが前
記熱転写装置Mの臨接部位に関連して付設される。この
装置Cでは、絵付け前の多数個のリング体Rを予め同一
向きでストックしてピッチ的に適時移送するストック送
出部28と、この送出部28におけるリング体を先行順
に取出して、前記転写部11のセットローラ12へのセ
ットおよび取外しを行なう着脱交換部29と、着脱交換
部29で取出された図柄ドラムDを搬入してピッチ的に
適時移送する製品搬送部30とを備えており、熱転写装
置Mの転写作動に同期可動制御されてリング体および図
柄ドラムの移送並びに交換を含む作動を行なうよう設定
されている。
【0025】次に、前述したリング体R、図柄フィルム
Fおよび熱転写装置Mを直接使用して行なわれる自動的
な図柄絵付け方法について説明する。
【0026】この方法では、熱転写装置Mの毎回の転写
作動による絵付けにおいて、その開始時の初期条件とし
て、転写部11のセットローラ12が基準位置、例えば
挿入溝14を縦中心線の上位にした位置で休止待機され
る。また熱圧ローラ15が休止位置に待機されている一
方、給送部17に展張セットされた図柄フィルムFが給
送休止されて、その最先行の図柄表示部6の始端を所定
位置、すなわちセットローラ12の挿入溝14の中心に
整一した位置に待機させている(図1、図2および図7
参照)。このもとで、転写部11にセットされたリング
体Rの1個ずつに対して、両部11,17の同調駆動制
御により、同様な図柄の絵付けを自動的に行ない得るも
のである。
【0027】この絵付け方法の基本的な態様として、図
6(a)〜(f)に略示するように、転写部11に対する
リング体のセットおよび図柄整合の工程と、リング体セ
ット後における運転開始により行なわれる転写部11の
転写準備セットおよび転写作動の工程と、これにタイミ
ングを合わせた給送部17のフィルム給送工程とに区分
され、これらの工程を含む一連のサイクルに基いて1回
毎の絵付けが行なわれる。以下、各工程毎に順次説明す
る。
【0028】(リング体のセットおよび図柄整合の工程) この工程では、リング体Rを前述の転写部11における
セットローラ12のセット手段13,14にアーム部2
およびインデックス4を合わせた所定の向きで位置決め
嵌挿セットする。これによりリング体Rが同ローラ12
と適正に一体化されてズレ等を生ずることなく同期回転
可能とされると共に、基準となるインデックス4の中心
位置が、前述した図柄フィルムFの最先行の図柄表示部
6の始端に対して下方で整一される(図6(a)および図
7参照)。なおこの作業について作業者自身による場合
では、リング体Rを把持してセットすることになる。一
方前述した搬出入交換装置Cの運転による場合では、着
脱交換部29がストック送出部28のリング体Rの1個
をクランプして、その前進端位置でローラ12にセット
した後、後退待機することになる。
【0029】(転写準備セットおよび転写作動の工程)こ
の工程では、前述したリング体セット後における運転開
始に基いて、転写部11が転写状態にセットされて1回
分の絵付けに合わせて作動することになる。すなわち熱
圧ローラ15が転写位置にセットされて、その押圧マッ
ト16を前述の図柄フィルムFの上からリング体R外周
に圧接して、セットローラ12との間にリング体Rおよ
びフィルムFを適正に挟持する(図6(b)参照)。このも
とで、セットローラ12が前記挿入溝14およびリング
体Rのインデックス4の位置を基準にして駆動回転され
ることに対して、熱圧ローラ15も同調回転されて、そ
のマット16で図柄表示部6をリング体R外周に加熱圧
接する。なお前記運転開始については、例えば作業者に
よる押ボタンスイッチ操作条件またはリング体セット後
の検知時間条件等が選択され、これらの条件により熱転
写装置全体が運転される。
【0030】(フイルム給送工程)この工程では、前述し
た運転開始に基いて給送部17が転写部11の作動と同
調して1回分の絵付けに合わせた所定時間に亘り作動さ
れることになる。すなわち巻取りローラ21の駆動回転
により繰出しローラ18から図柄フィルムFが繰出され
て、前述した最先行の図柄表示部6の始端を基準にして
所定長分の単位で給送される(図6(c)および図6(d)
参照)。このフィルム給送過程において、巻取りローラ
21の回転速度(フィルム給送速度)と前記リング体Rの
回転速度(絵付け面の周速度)とが基本的には同等にさ
れ、微視的に観た場合、繰出される図柄フィルムFの速
度よりもリング体Rの回転速度が極めて僅少ながら大き
くなっている。これにより図柄フィルムFが転写部11
側に対して適正に伸張されながら給送されることとな
り、最先行の図柄表示部6がその長手方向の全長に亘っ
て良好に展張維持されつつリング体R外周に転接され
る。
【0031】(絵付け工程)この工程では、前述した転写
作動工程とフィルム給送工程との同調協働条件における
加熱転写過程で行なわれることになり、この過程におい
て熱圧ローラ15で加熱された当該図柄表示部6は、そ
の移送中に接着面7が溶解されて回転状態のリング体R
の外周に押圧接着されながら、丁度薄膜から写し絵が剥
がし取られるかのように長手方向に亘り連続してフィル
ム母材5から剥離されると同時にリング体Rの外周にき
れいに写し取られる(図6(c)および図6(d)参照)。そ
して転写部11の両ローラ12,15およびリング体R
が1回転を終了した時点で、リング体Rに対する1回の
図柄絵付けが終了される。
【0032】前述した絵付けの終了後において、転写部
11ではセットローラ12が前述と同様に挿入溝14を
縦中心線の上位にした基準位置に休止待機され、また熱
圧ローラ15が休止位置に復帰待機される(図6(e)参
照)。一方給送部17ではその後も暫時作動されて、使
用済みのフィルム母材5の巻取りおよび図柄フィルムF
の繰出しがなされる。そして各検出手段26,27が最
先行位置の次期図柄表示部6に対するマーク9,9を検
出した時点で、当該回の所定長分単位のフィルム給送を
終了して一旦休止され、図柄表示部6の始端を前記セッ
トローラ12の基準位置に対する上方に整一させてその
まま待機させる(図6(f)参照)。これにより、当該回の
図柄絵付けの全工程並びに各部の作動が終了される。
【0033】図柄絵付け工程の終了後においては、セッ
トローラ12におけるリング体、すなわち製品化された
図柄ドラムDを取外す一方、次の新たなリング体Rをセ
ットローラ12に位置決め嵌挿セットする。以後は前述
と同様に運転開始に基いて、各工程が順次協働して行な
われて同様な熱転写方式による絵付けがなされるもので
ある。なお図柄ドラムDの取外しおよびリング体Rのセ
ット作業について、前述した搬出入交換装置Cによる場
合では、着脱交換部29が、セットローラ12に対する
前進端位置で図柄ドラムDをクランプして後退時に取外
し、製品搬入部30に収容する一方、ストック送出部2
8内の次期リング体Rをクランプしてローラ12にセッ
トすることになる。
【0034】このように本実施例の図柄絵付け方法で
は、図柄フィルムFに予じめ印刷された各々の図柄表示
部6を、個々のリング体R外周に熱転写して絵付けをす
るものであるから、多彩な多種複雑な図柄であっても、
一回毎の転写作動により適正な写し取りを的確に行なっ
て、1つの製品である図柄ドラムDを短時間で能率よく
作製できる。そして各図柄ドラムD外周の図柄表示面を
観ると、図8に例示するように、インデックス4を基準
位置として、同表示部6の始端に終端が適宜ラップした
状態で絵付けされる。このラップ分rは、前述したよう
にリング体Rの回転速度とフィルム給送速度との微差に
よって生ずる図柄フィルムFの伸張状態において、当該
図柄表示部6の全体が好適に伸展されながら写し取られ
ることによるものである。これにより同表示部6の始端
および終端に隙間がなく、また目立つ程の継ぎ目もなく
きれいな図柄面に仕上げられる。しかもこの図柄面全体
は、多彩なインクが乾燥した性状にあることから、手指
が触れることがあっても当該部分のインクの剥がれや汚
れ等を生ずることはなく、各図柄を鮮明に維持できる。
【0035】なお前述した絵付け方法による同一サイズ
の図柄ドラムの作製において、前記リング体Rに、図5
に例示した図柄表示部6の左列用の次に中列用または右
列用を絵付けする場合には、これに該当する図柄フィル
ムFが前記熱転写装置Mの給送部17に交換セットされ
たもとで、前述した各工程に基いて同様に転写されてき
れいな図柄面に仕上げられる。
【0036】(図柄ドラムの実施態様)扨て前述した本実
施例の図柄絵付け方法により作製された図柄ドラムD
は、パチンコ機やスロットマシンに実施されるドラム式
図柄表示装置の図柄表示体として適用できる。そこでこ
の図柄ドラムの実施態様として、パチンコ機に実施され
る場合の図柄可変表示装置について、以下に説明する。
【0037】すなわち図9に例示するように、遊技盤P
に実施される図柄可変表示装置Iは、各始動入賞具54
に対する遊技球の入賞毎において、当該スイッチ55の
検出条件により、図14に略示する電気制御装置Eから
発生される制御出力に基いて、図柄ドラムDを設定時間
に亘り回転して停止する形式のものである。その全体の
概要としては、図10〜図12に示すように、遊技盤P
の前側に取着される透視体31と、遊技盤Pの裏側に整
合して組付けられる収容箱体41と、この収容箱体41
内に縦列状態で収容セットされる3列の図柄表示ユニッ
ト45,45,45等から構成されている。
【0038】前記透視体31では、図10に示す如く、
その中央部に開口された方形の窓口32内の前側および
後側に、透明な透視表示板33およびレンズ体36が重
ね合わせ状態で組付けられている。そして透視表示板3
3の前面において、左右両側に上下3コマ分と中央部に
1コマ分の有効図柄用の表示窓面34a,34bが形成
されている。また各表示窓面34a,34bに合わせて
有効図柄の組合わせ成立ライン、すなわち大当たり成立
ラインとして、横中央1本の水平ライン35aと、互い
に交差する2本の斜状ライン35b,35bが設定され
て、中央の1コマ有効図柄を基準にして全体では3通り
の成立が表示されるようになっている。なお透視体31
の上部には、始動入賞具54で入賞検出されたセーフ球
の有効保留数を表示する保留ランプ37と、図柄可変表
示作動中の表示ランプ38と、大当たり成立時の表示ラ
ンプ39とが配設されている。また透視表示板33およ
びレンズ体36は、図11に示す如く、共に側面から見
て前向きの凸円弧形に成形されて、互いに前後離隔状態
で整合されている。
【0039】一方前記収容箱体41は、図11に示す如
く、前面開口した方形状に成形されて、遊技盤P裏面に
位置決め固定される保持枠体44の裏側に整合して組付
けられている。そしてこの箱体41内に各図柄表示ユニ
ット45を収容セットするための収容室42が画成さ
れ、また箱体41の後板部に各ユニット45に対応して
コネクター用の逃し口43が開口されている(図12参
照)。なお保持枠体44は、前後面を開口した方形枠状
に成形されており、前述の透視体31の裏側に位置決め
されたもとで、遊技盤P裏面に直付け固定されて、その
前開口部がレンズ体36に整合されるようになってい
る。
【0040】また前記3基の図柄表示ユニット45は、
図12に示す如く、何れも方形状の駆動基盤46と、こ
の基盤46中央部に装着されたステッピングモータ47
で回転制御される前述の図柄ドラムDとから構成されて
いる。そして収容箱体41の収容室42内において、当
該駆動基盤46を位置決め保持したもとで、各図柄表示
ユニット45が互いに等間隔で整列保持されている。こ
のセット状態において、各ユニット45は、図柄ドラム
Dの外周前部が保持枠体44の前開口部から露出されて
レンズ体36裏面に臨んでおり、また駆動基盤46の後
端に装着された接続具49が当該の逃し口43から後側
に露出されて、前記電気制御装置Eに対してハーネス5
3を介し接続できるようになっている。
【0041】前記各々の図柄表示ユニット45におい
て、駆動基盤46では、その片側に前記モータ47およ
び接続具49の他に、後部の所定位置で図柄ドラムDの
各図柄の位置を検出する1個の光電センサ形式の検出具
50と、前部の所定位置で図柄を照明する紫外線発光用
のランプ51が配置されており、また他側にこれらの電
気部品に係る必要な駆動制御回路52が構成されてい
る。また図柄ドラムDは、そのボス部1が当該モータ4
7の軸48に連結されて、図11中の反時計方向へ回転
される。そしてこの回転中において、各々の検出具50
が、当該のインデックス4で遮光された時点で検出(O
N)状態とされて、個々のモータ47および図柄ドラム
Dの1回転(360°)を検出するように設定されてい
る。但し各モータ47は、Nパルス単位で1回転(1周
360°)し、nパルス単位(N/16)で1図柄分の角度
22.5°を変動して停止するよう設定される。また各
ランプ51は、前記表示窓面34a,34bに対応する
サイズとして、左右両側が長く、中央が短いものであっ
てもよい。
【0042】なお3列の図柄ドラムD同志の図柄につい
ては、各インデックス4を基準位置として、図5に示す
ように、左列および中列において互いに8種類の同数ず
つの図柄が順序不同で配置されていることに対して、右
列において1図柄が別種類に変更されて不同配置されて
いる。そして前記透視体31側の各ライン35a,35
bに停止表示されて成立される「大当たりの図柄組合わ
せ列」として、図13に示すように、6種類3通りずつ
が設定された場合を例示する。ちなみに図5中の番号
「0〜15」は、各列の図柄ドラムDの停止図柄を決定す
る乱数カウンターの値を意味し、当該の検出具50に対
してインデックス4が一致した位置を基準「0」値として
設定されており、このカウンター値は、モータ47およ
び図柄ドラムDの1回転毎にリセットされる。
【0043】前述した図柄可変表示装置Iに係る基本的
な電気制御系統については、図14に略示するように、
前記電気制御装置Eの制御部を主体として構成されてい
る。すなわち始動入賞具54のスイッチ55による始動
信号の発生毎において、同始動信号が入賞判定部56に
入力された時点で、乱数設定部57が各列のステッピン
グモータ47の駆動条件および図柄ドラムDの停止図柄
を決定するための乱数データ(外れ、リーチ外れ、大当
たりの何れか一つ)を設定する。この乱数データに基い
てモータ制御部58から送出される夫々のパルス出力に
従って各列のモータ47が設定条件(時間および速度)で
順次駆動されて図柄ドラムDを回転変動する。そしてそ
の後各列のモータ47および図柄ドラムDが順次停止さ
れた時点で、各検出具50に対するインデックス4の停
止位置に基いて夫々のカウンター部59がnパルスを1
図柄分のカウンター値として「0〜15」の範囲から検出
して夫々の図柄検出部60に入力する。
【0044】これにより夫々の図柄検出部60が、各カ
ウンター値に基いて透視体31側の各ライン35a,3
5b上における各列の図柄ドラムDの停止図柄を検出判
定して、その検出信号を入賞判定部56に入力する。そ
して最終的には、同入賞判定部56が検出信号の入力順
に基いて夫々の停止図柄の組合わせ状態を個々にまたは
全体的に判定する。この結果各々の入賞成立ライン35
a,35b上における各列の停止図柄の組合わせにおい
て、全列の同種一致時では「大当たり」、左列および右列
の同種一致で中列の異種不一致時では「リーチ外れ」、そ
してこれら以外では全て「外れ」として夫々判定される。
なお前記始動入力時や図柄変動中および終了時に、スピ
ーカからの効果音、ランプによる効果光が夫々発生され
る。
【0045】前述のように構成された図柄可変表示装置
Iに係る基本的な図柄変動制御、すなわち各列のステッ
ピングモータ47および図柄ドラムDの回転制御等につ
いては、要約して次のように設定されている。
【0046】すなわち、電源投入時において、3列の図
柄ドラムDが変動開始して設定時間後に予じめ設定され
た「外れ図柄」を電源投入後の図柄として決定する。これ
により前面の透視表示板33の各ライン35a,35b
上に各列の図柄ドラムDが外れ図柄を固定表示してお
り、また各列の検出具50に対するインデックス4の位
置により、スタート前の図柄原点位置の確認がなされて
いる。この状態以後のパチンコ遊技中に遊技球が始動入
賞具54に入ったことに対してスイッチ55の検出信号
が電気制御装置Eの入賞判定部56に入力されると、乱
数設定部57で設定された一つの乱数データ(外れ、リ
ーチ外れ、大当たりの何れか一つ)に基いて、各列のモ
ータ47および図柄ドラムDの回転変動条件(変動時間
および速度)が決定される。
【0047】各列のモータ47および図柄ドラムDは、
前述の乱数データに基いて設定された回転変動条件で制
御されることの前提において、始動入力に対し変動開始
され、また停止入力に対して変動停止される。すなわち
前述の始動入力に対して初めに左列がスタートされ、以
下中列と右列が所定時間差毎に順次スタートされて、夫
々暫時増速されながら高速に変動される。そしてこの変
動中において、設定時間後に前記乱数データに対応する
図柄停止入力があった以後に、「外れ、リーチ外れ、大
当たり」の何れかに応じた図柄合わせの変動をなしたも
とで、初めに左列が減速変動されながら所定時間後に停
止され、以下右列と中列が所定時間差毎に順次減速され
て停止される。
【0048】この変動過程において、電気制御装置Eで
は、各々のカウンター部59が各列の検出具50に対す
るインデックス4の位置を、nパルス1図柄分に基いて
カウンター値「0〜15」に変換カウントしており、また
双方の一致時点毎に「0」点としてカウンター値がリセッ
トされる。なお始動入力時に効果音A、各列ドラムの変
動開始から終了時までの間に効果音Bおよび効果光aが
発生される。
【0049】前述した図柄変動停止について、前記乱数
データが「外れ」の場合では、各列のモータ47および図
柄ドラムDが設定時間に基いて変動停止される前提にお
いて、透視表示板33の各ライン35a,35b上に夫
々異種不一致の図柄を停止表示する。この停止時に対応
して各列の検出具50に対するインデックス4の位置に
基いて、夫々のカウンター部59がカウンター値「0〜
15」の一つをカウント検出してそのデータを当該の図
柄検出部60に送信し、次いで同検出部60が停止図柄
を検出してその情報を入賞判定部56に送信する。そし
て最終的には入賞判定部56において、始動入力時の乱
数データ「外れ」と、図柄検出部60からの検出データ
「外れ」とが対比確認されて、停止表示された図柄同志の
組合わせが「外れ」である判定がなされる。なおこの「外
れ」時においては、各列図柄ドラムDの停止時に関連し
て効果音Cおよび効果光aが発生される。
【0050】図柄変動停止について、前記乱数データが
「リーチ外れ」の場合では、各列のモータ47および図柄
ドラムDが、前述の「外れ」の場合と部分的に変更された
条件を含む設定時間に基いて変動停止される前提におい
て、透視表示板33の各ライン35a,35b上に左列
および右列の同種一致の図柄で、中列が異種不一致の図
柄を停止表示する。この停止時に対応して前述と同様に
各列の検出具50に対するインデックス4の位置に基い
て各カウンター部59からカウント検出データ、各図柄
検出部60から図柄検出情報が送信され、入賞判定部5
6において、始動入力時の乱数データと、図柄検出デー
タとが対比確認されて停止表示された図柄同志の組合わ
せが「リーチ外れ」である判定がなされる。なおこの「リ
ーチ外れ」時において、左列ドラムDの停止時には効果
音Cおよび効果光a、右列ドラムDの停止前の所要時点
から停止時までに効果音Dおよび効果光b(リーチ音お
よびリーチ光ともいう)が発生される。
【0051】図柄変動停止について、前記乱数データが
「大当たり」の場合では、各列のモータ47および図柄ド
ラムDが、前述の「リーチ外れ」の場合と同様な設定時間
に基いて変動停止される前提において、透視表示板33
の各ライン35a,35b上に左列、右列、中列の同種
一致の図柄を停止表示する。この停止時に対応して各列
の検出具50に対するインデックス4の位置に基いて各
カウンター部59からカウント検出データ、各図柄検出
部60から図柄検出情報が送信され、入賞判定部56に
おいて、始動入力時の乱数データと、図柄検出データと
が対比確認されて停止表示された図柄同志の組合わせが
「大当たり」である判定がなされる。なおこの「大当たり」
時においては、左列ドラムDおよび右列ドラムDの停止
に関連して前述と同様に効果音C,Dおよび効果光a,b
が発生されると共に、中列ドラムDの停止時に効果音E
および効果光c(大当たり音および大当たり光ともいう)
が発生される。
【0052】そして前述した図柄可変表示装置Iの図柄
変動制御にあって、3列の図柄ドラムDの全ての図柄6
aは、前述のように発光インクで絵付けされたものであ
ることにより、効果光に対して良好に表示される。つま
り各列ドラムDの停止に関連して発生される効果光とし
て、各表示ユニット45におけるランプ51が点灯また
は点滅されることに対して、各列の図柄ドラムDの停止
図柄6aは、その内側からランプ51の照射を受けて紫
外線に対して好適に発光する。これにより在来から多用
されている通常のインクで印刷された図柄と対比して、
極めて鮮明に発光表示して遊技者に呈することができ
る。
【0053】なお図柄可変表示装置Iの図柄変動制御に
あって、透視表示板33の各ライン35a,35bの何
れか1本に、図13に例示する図柄の組合わせの何れか
1組による「大当たり」が表示されると、当該パチンコ機
では、これに基いて遊技者にとって有利となる特別遊技
状態が成立されて電動入賞装置61に開成作動条件が付
与される(図9参照)。そしてこの開成作動条件として、
前記電気制御装置Eから送出される駆動出力に基いて、
電磁ソレノイド62が設定時間に亘り通電励磁されるこ
とに伴ない、開閉部材63が動作変化されて入賞領域6
4を開放する。これにより多くの遊技球が容易に入賞領
域64に入り、セーフ球としてカウントスイッチ65お
よびVスイッチ66で検出されて裏側へ排出処理され
る。
【0054】
【変更例】本発明の対象とする遊技用図柄ドラムの図柄
絵付け方法は、前述した実施例で開示した技術のみに制
限されず、実施例を適宜変更した他の技術も好適に推奨
される。すなわち転写部11に位置決めセットされたリ
ング体Rに対する図柄フィルムFを毎回手動操作にて位
置合わせセットする態様例として、1つ分または2つ分
の図柄表示部6を印刷した単葉状の図柄フィルムFを使
用する。この前提において、転写部11のセットローラ
12にセットしたリング体R外周の基準位置に対して、
図柄フィルムFの図柄表示部6の始端を手合わせにより
整一させる。そして図柄フィルムFを適宜展張状態に保
持したもとで、押しボタン操作やペダル操作等により転
写部11を運転する。これによりセットローラ12およ
びリング体Rと、転写位置にセットされた加熱転写ロー
ラ15が同調回転されると共に、図柄フィルムFが展張
状態で送込まれる。そして転写部11の回転作動終了の
結果、リング体R外周に図柄表示部6が熱転写されてき
れいな図柄面に仕上げられる。
【0055】そしてこの方法によれば、各種サイズ(直
径および幅)のリング体についても、好適に絵付けをす
ることができる。またリング体外周の所要角度範囲部分
毎に図柄を転写することもできる。
【0056】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る遊技用
図柄ドラムの図柄絵付け方法は、パチンコ機やスロット
マシン等に実施されるドラム式図柄可変表示装置におけ
る遊技用の図柄ドラムを対象として、熱転写装置におけ
る転写部のセットローラに位置決めセットした図柄ドラ
ムの素地であるリング体の外周に、図柄フィルムに印刷
された図柄表示部を位置合わせして、セットローラおよ
びリング体と、転写ローラとの協動回転による熱転写作
動により絵付けをなし得るものである。これにより1回
の熱転写作動により1個のリング体に対して1つ分の図
表示部を的確に写し取ることができ、多彩で多種複雑
な図柄であっても、早くきれいに絵付けをすることがで
きる。
【0057】従って本発明の図柄絵付け方法によれば、
冒頭で説明した従来の「図柄シールの巻回貼付方法」や
「スクリーン印刷による多色刷り方法」とは全く異なり、
むしろ多彩で多種複雑な図柄の絵付けとしてロット数に
関係なく好に実施できる。そして従来の夫々の絵付け
方法に係る量産性、品質性の問題を解決して、きれいな
図柄面をもつ良質な図柄ドラムを、高度の熟練や特別な
専門技術を必要とせず短時間で能率よく作製し得る。こ
により全体の作業性を良化して量産性を向上し得ると
共に、品質の向上並びに統一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る図柄絵付け方法が好適に実施され
る熱転写装置の概略面図である。
【図2】熱転写装置の概略面図である。
【図3】リング体の概略斜視図である。
【図4】フィルム母材を芯管に巻回した状態で示す図柄
フィルムの概略斜視図である。
【図5】リング体に熱転写される図柄表示部を示す説明
図である。
【図6】熱転写装置における転写部での熱転写工程を示
す説明図である。
【図7】転写部において図柄表示部の始端とリング体の
インデックスとが整一された状態を示す説明図である。
【図8】リング体に熱転写された図柄表示部の始端と終
端とがラップした状態を示す説明図である。
【図9】本発明に係る図柄絵付け方法により作製された
図柄ドラムを備えた図柄可変表示装置が配設された遊技
盤の正面図である。
【図10】図柄可変表示装置の正面図である。
【図11】図柄可変表示装置の配設部位を縦断して示す
遊技盤の要部側面図である。
【図12】図柄可変表示装置の配設部位を横断して示す
遊技盤の要部平面図である。
【図13】図柄可変表示装置における「大当たり」のパタ
ーンを示す説明図である。
【図14】電気制御装置の概略構成図である。
【符号の説明】2 アーム部 6 図柄表示部6a 図柄 6b 下地部分 12 セットローラ13 係合部(セット部分 ) 15 熱圧ローラ(加熱転写ローラ) D 図柄ドラム F 図柄フィルム R リング体
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 B41M 5/00 Z

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技用図柄ドラム(D)の素地として合成
    樹脂成形されたプーリ形状のリング体(R)の外周全面
    に、図柄フィルム(F)にリング体1本分単位で印刷形成
    されて下地部分(6b)に外れ用および当り用の各種所定コ
    マ分の図柄(6a)を所定の順序 間隔の規則性を以って配
    置した図柄表示部(6)を写し取る絵付け方法にあって、 駆動制御により 基準位置を始点として回転毎に回転
    停止されるセットローラ(12)の位置決め用セット部分(1
    3)に対して、前記リング体(R)を、アーム部(2)を合わせ
    基準位置に着脱可能に位置決めセットするリング体セ
    ット工程と、 前記セットローラ(12)にセットされたリング体(R)外周
    の基準位置に、前記図柄フィルム(F)の1本分単位の
    柄表示部(6)の始端を整合する図柄整合工程と、 前記セットローラ(12)と組にして回転可能にされた加熱
    転写ローラ(15)を、リング体(R)に適した転写位置にセ
    ットして前記図柄フィルム(F)の図柄表示部(6)の始端
    をリング体(R)外周の一端に押圧する転写準備工程と、 前記セットローラ(12)の駆動に伴ないリング体(R)およ
    加熱転写ローラ(15)を押圧状態で同調回転させる転写
    作動工程と該工程に同調して前記図柄フィルム(F)
    伸張状態で給送するフィルム給送工程と、 前記転写作動工程およびフィルム給送工程の同調協働条
    件により、前記リング体(R)の外周全面に亘り前記1本
    分単位の図柄表示部(6)を加熱接着させながら図柄フィ
    ルム(F)から剥離させる絵付け工程とに基いて、 リング体(R)の外周全面に、1本分単位の図柄表示部(6)
    における下地部分(6b)を写し取ると共に、外れ用および
    当り用を含む所定コマ分の図柄(6a)を所定の順序 間隔
    に配置するように構成した ことを特徴とする遊技用図柄
    ドラムの図柄絵付け方法。
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