JP2627320B2 - スペクトラム拡散信号復調回路 - Google Patents

スペクトラム拡散信号復調回路

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【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は情報信号と擬似雑音(PN)符号を乗算するこ
とにより得られたスペクトラム拡散信号を復調するため
のスペクトラム拡散信号復調回路に関する。
(ロ) 従来の技術 近年、通信方式として、干渉や妨害を与えたり受けた
りすることが少ない、傍受されにくい、信号秘匿能力が
増大する等の利点を有するスペクトラム拡散通信方式が
提案されている。
斯るスペクトラム拡散通信では、送信側で情報信号若
しくは情報信号にて変調された搬送波と擬似雑音(PN)
符号を乗算することによりスペクトラムを広帯域に拡散
して送信し、一方受信側では送信側で用いたのと同一の
PN符号で乗算することにより情報信号若しくは情報信号
にて変調された搬送波を復調するようになされている。
ところで、斯るスペクトラム拡散通信では、受信側で
発生させるPN符号を送信側で用いられたPN符号と同期さ
せなければ、スペクトラムは拡散されたままとなり、情
報信号を復調することができないため、受信側では先ず
符号発生部より発生するPN符号と送信側で用いられたPN
符号との同期確立を行ない、然る後斯る同期状態を維持
するようになされている。
斯るスペクトラム拡散信号復調回路としては、例えば
ジャテック出版の「スペクトラム拡散通信方式」第191
頁〜第229頁に開示されたダウ・ディザ又は遅延ロック
ループを用いたものが知られている。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 然し乍ら、上記従来の技術は、ほとんどがアナログ信
号回路で構成されているため、回路構成が複雑且つ高価
になると云う問題を有していた。
本発明は斯る問題に鑑み、殊に同期確立後の位相制御
動作を行なう回路の回路構成の簡素化を計ることを目的
とする。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、受信されたスペクトラム拡散信号を2値化
信号に交換する2値化手段と、基準位相の第1PN符号、
該第1PN符号よりも位相の進んだ第2PN符号及び前記第1P
N符号よりも位相の遅れた第3PN符号を発生する符号発生
手段と、前記2値化信号と第1PN符号とを乗算し、その
出力端に復調信号を導出する第1乗算手段と、前記2値
化信号と第2PN符号とを乗算する第2乗算手段と、前記
2値化信号と第3PN符号とを乗算する第3乗算手段と、
前記第2乗算手段の出力を計数する第1計数手段と、第
3乗算手段の出力を計数する第2計数手段と、前記第1
及び第2計数手段の計数値を演算する演算手段と、この
演算手段の出力に基づき前記符号発生手段から出力され
る符号の位相を制御する位相制御手段とを備えたことを
特徴とする。
また、第1及び第2計数手段の出力端に夫々タイミン
グ調整手段が設けられ、第1及び第2計数手段の計数値
を同時に演算手段に供給するようにしたことを特徴とす
る。
(ホ) 作用 本発明に依れば、2値化されたスペクトラム拡散信号
と基準位相に対して位相の進んだ第2PN符号及び位相の
遅れた第3PN符号とを夫々乗算し、各乗算出力を演算、
例えば減算することにより基準位相を有する第1PN符号
の位相同期状態を判定して符号発生手段から出力される
符号の位相を制御する。
(ヘ) 実施例 第1図は本発明の一実施例を示す図である。第1図に
おいて、(1)はスペクトラム拡散信号が印加される入
力端子、(2)はスペクトラム拡散信号を2値化信号
(例えば、1及び−1)に変換する2値化回路、(3)
は基準位相の第1PN符号P(t)、第1PN符号P(t)よ
りも符号クロック周期Tの1/2だけ位相の進んだ第2PN符
号P(t+T/2)及び第1PN符号P(t)よりも符号クロ
ック周期Tの1/2だけ位相の遅れた第3PN符号P(t−T/
2)を発生する符号発生回路、(4)は2値化信号と第1
PN符号P(5)とを乗算する第1乗算回路、(5)は2
値化信号と第2PN符号P(t+T/2)とを乗算する第2乗
算回路、(6)は2値化信号と第3PN符号P(t−T/2)
とを乗算する第3乗算回路、(7)は第2乗算回路
(5)の出力を計数する第1計数回路、(8)は第3乗
算回路(6)の出力を計数する第2計数回路、(9)は
第1計数回路(7)の出力端に配設されたタイミング調
整回路、(10)は第2計数回路(8)の出力端に配設さ
れたタイミング調整回路、(11)はタイミング調整回路
(9)(10)を介して供給された各計数値を演算する演
算回路で、第1計数回路(7)の計数値から第2計数回
路(8)の計数値を減ずるようになされている。(12)
は演算回路(11)の出力をアナログ信号に変換するD/A
コンバータ、(13)はD/Aコンバータ(12)のアナログ
信号出力が供給されるフィルタ、(14)はフィルタ(1
3)を介して供給される直流電圧により制御される電圧
制御発振器(VCO)で、その出力は読み出しクロック信
号として符号発生回路(3)に供給される。(15)は第
1乗算回路(4)の出力を計数する第3計数回路、(1
6)は第3計数回路(15)の計数値と基準値設定部(1
7)に予じめ設定された基準値とを比較し、計数値が基
準値以上となったとき、Hレベルの検出信号を符号発生
回路(3)に供給する符号位相検出回路、(18)はVCO
(14)の発振信号に基づき第1乃至第3計数回路(7)
(8)(15)にリセット信号を供給するリセット回路で
ある。尚、D/Aコンバータ(12)、フィルタ(13)及びV
CO(14)にて位相制御手段(A)を構成している。
次に、動作について第2図を参照して説明する。
今、第3計数回路(15)の計数値が基準値未満であ
り、符号位相検出回路(16)の出力がLレベルにあると
すると、符号発生回路(3)は所定周期で1ビットづつ
若しくは数ビットづつ出力符号の位相をシフトする。斯
様にシフトされた符号と2値化信号との乗算結果は、前
記シフトタイミングよりも短い周期のリセット信号にて
リセットされる第3計数回路(15)にて計数される。そ
して、当該計数回路(15)の計数値が基準値以上となる
と、符号位相検出回路(16)の出力がHレベルとなり、
その後の位相シフトは停止される。即ち、同期確立状態
となる。
斯る同期確立状態において、入力端子(1)から印加
されたスペクトラム拡散信号(第2図a)は2値化回路
(2)で2値化信号(第2図b)に変換された後、第1
乗算回路(4)に供給され、斯る第1乗算回路(4)に
おいて符号発生回路(3)からの第1PN符号P(t)
(第2図c)と乗算される。斯る第1乗算回路(4)の
乗算出力(第2図d)は後段回路へ供給され、情報信号
が復調される。
また、2値化信号は第2乗算回路(5)において符号
発生回路(3)からの第2PN符号P(t+T/2)(第2図
g)と、また第3乗算回路(6)において符号発生回路
(3)の第3PN符号P(t−T/2)(第2図e)と夫々乗
算される。各乗算回路の出力をSl(t)(第2図f)、
Se(t)(第2図h)とする。
斯る乗算出力は、夫々第1及び第2計数回路(7)
(8)で計数され、タイミング調整回路(9)(10)で
タイミング調整された後、演算回路(11)に供給され
る。
ところで、第1PN符号P(t)の位相が完全に同期し
ていれば、第1及び第2計数回路(7)(8)の計数値
は同一となるから、演算回路(11)の出力も「0」とな
り、VCO(14)は制御を受けない。
然し乍ら、第1PN符号P(t)の位相がずれてくる
と、第1及び第2計数回路(7)(8)の計数値は不一
致となるから、該計数値の差が演算回路(11)で算出さ
れ、D/A変換された後、フィルタ(13)を介してVCO(1
4)に供給される。
従って、VCO(14)の発振周波数、即ちPN符号の読み
出し速度が調整され、第1PN符号が同期するように調整
される。
斯くして、位相同期動作は達成されるが、本発明は斯
る実施例に限定されるものではなく、例えば位相制御回
路に可変分周器を設け、演算回路の出力にて分周比を制
御するようにしても良い。また、タイミング調整回路
(9)(10)は乗算回路と計数回路間に設けても良い。
(ト) 発明の効果 本発明に依れば、受信されたスペクトラム拡散信号を
2値化信号に変換する2値化手段と、基準位相の第1PN
符号、該第1PN符号よりも位相の進んだ第2PN符号及び前
記第1PN符号よりも位相の遅れた第3PN符号を発生する符
号発生手段と、前記2値化信号と第1PN符号とを乗算
し、その出力端に復調信号を導出する第1乗算手段と、
前記2値化信号と第2PN符号とを乗算する第2乗算手段
と、前記2値化信号と第3PN符号とを乗算する第3乗算
手段と、前記第2乗算手段の出力を計数する第1計数手
段と、第3乗算手段の出力を計数する第2計数手段と、
前記第1及び第2計数手段の計数値を演算する演算手段
と、この演算手段の出力に基づき前記符号発生手段から
出力される符号の位相を制御する位相制御手段とを備え
たので、デジタル回路にて構成することが可能となり、
回路構成の簡素化、集積回路化を計ることが出来る。
また、タイミング調整回路を設ければ、演算手段によ
る演算時間が短くて済み、ラッチ回路等の保持回路が不
要となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図、第2図はその各部
波形図である。 (2)……2値化回路、(3)……符号発生回路、
(4)……第1乗算回路、(5)……第2乗算回路、
(6)……第2乗算回路、(7)……第1計数回路、
(8)……第2計数回路、(9)(10)……タイミング
調整回路、(11)……演算回路、(A)……位相制御手
段。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信されたスペクトラム拡散信号を2値信
    号に交換する2値化手段と、基準位相の第1PN符号、該
    第1PN符号よりも位相の進んだ第2PN符号及び前記第1PN
    符号よりも位相の遅れた第3PN符号を発生する符号発生
    手段と、前記2値化信号と第1PN符号とを乗算し、その
    出力端に復調信号を導出する第1乗算手段と、前記2値
    化信号と第2PN符号とを乗算する第2乗算手段と、前記
    2値化信号と第3PN符号とを乗算する第3乗算手段と、
    前記第2乗算手段の出力を計数する第1計数手段と、前
    記第3乗算手段の出力を計数する第2計数手段と、前記
    第1及び第2計数手段の計数値を演算する演算手段と、
    この演算手段の出力に基づき前記符号発生手段から出力
    される符号の位相を制御する位相制御手段と、前記第1
    乗算手段の出力を計数する第3計数手段と、この第3計
    数手段の計数値と予め設定された基準値とを比較し、こ
    の比較出力で前記符号発生手段の位相をシフトする符号
    位相検出手段とを備え、 前記第3計数手段の計数値が前記基準値未満であると
    き、前記符号発生手段から出力される符号の位相をシフ
    トし、前記計数値が前記基準値以上となったとき、同期
    が確立したものと見なして前記符号の位相シフトを停止
    すると共に、 前記第1及び第2計数手段の計数値が不一致の時、前記
    符号発生手段の出力の位相を変更し、前記第1及び第2
    計数手段の計数値が一致した時、前記符号発生手段の出
    力の位相を変更しないことを特徴とするスペクトラム拡
    散信号復調回路。
  2. 【請求項2】第1及び第2計数手段の出力端にそれぞれ
    タイミング調整手段が設けられ、第1及び第2計数手段
    の計数値を同時に演算手段に供給するようにしたことを
    特徴とする請求項1記載のスペクトラム拡散信号復調回
    路。
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JPS62139424A (ja) * 1985-12-13 1987-06-23 Nec Home Electronics Ltd 相関器同期制御方法および装置

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