JP2627126B2 - 制振性の優れた高強度鋼の製造方法 - Google Patents

制振性の優れた高強度鋼の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振性の優れた高強度鋼
の製造方法に関するもので、鉄鋼業においては厚板ミル
またはホットコイルに適用することが最も好ましいが、
形鋼などにも幅広く適用できる。また、この方法で製造
した鋼は、造船、建築、橋梁、産業機械、自動車などの
制振性、防振性などを必要とする部位に用いることがで
きる。
【0002】
【従来の技術】現在、制振性の優れた鋼としては合金
系、複合系の2種類がある(「鉄と鋼」第60年(19
74)第14号p.127〜144および第70年(1
984)第2号p.16〜19参照)。
【0003】合金系には、母相と析出相との界面、また
は粒界での粘性、塑性流動を利用して制振性を高めた複
合型(片状黒鉛鋳鉄など)、磁区壁の非可逆移動に伴う
磁気の機械的静履歴を利用した強磁性型(12%Cr、
純鉄など)、すべり転位と不純物原子の相互作用による
機械的静履歴を利用した転位型(Mgなど)、熱弾性マ
ルテンサイトにおける変態双晶型などがある。
【0004】また複合系には、鋼にダンピングシート
(アスファルト−ゴム質−無機充填材)を接着し、その
伸び変形による粘弾性ヒステリシスを利用した非拘束型
と、鋼の間に粘弾性樹脂をサンドウィッチし、樹脂のず
り変形による粘弾性ヒステリシスを利用した拘束型とが
ある(例えば特開昭63−188040号公報など参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】複合系は制振性におい
て優れるが、使用性能は十分でなく、ガス切断や溶接が
大きく制約される。合金系においても、そのほとんどが
特殊合金であるために製造性や使用性能に大きな制約が
ある。純鉄は製造性と使用性能をほぼ満足できるが、制
振性の面で不十分である。また特開平2−84396号
公報に見られるFe−Al合金は制振性は良好である
が、Al添加量が多くなると加工性が劣化し、製造およ
び使用性能上問題がある。このような現状に鑑み、良好
な制振性と優れた使用性能を有する制振鋼の製造が強く
要望されている。
【0006】上記の市場ニーズに応えるべく、本発明は
良好な制振性と機械的性質、ガス切断・溶接性などの使
用性能を同時に満足すると共に、経済的に大量生産可能
な制振鋼の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、重量%
で、Si:1.5〜4.0%、Al:0.5%以下、C
r:1.0〜7.0%、B:0.0003〜0.005
%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼
片を1000〜1350℃の温度範囲に再加熱し、圧延
を850℃以上で終了した後、900℃以上の温度で1
時間以上焼鈍処理することを特徴とする制振性の優れた
高強度鋼の製造方法である。
【0008】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】まず、ガス切断や溶接などの使用性能を容
易にするためには、樹脂、ゴムなどと鋼の接着またはサ
ンドウィッチあるいは特殊な合金成分を用いることはで
きない。そこで純鉄系を基本とする成分系について検討
し、純鉄系における前述の問題の解決を試みた。
【0010】その結果、化学成分として重量%でSi:
1.5〜4.0%、Al:0.5%以下、Cr:1.0
〜7.0%、B:0.0003〜0.005%を添加す
ることが重要であることが分かった。すなわち、Si、
Crの複合添加によりフェライト結晶粒が著しく粗大化
し、磁区壁の移動が容易になって制振性が向上するこ
と、B添加によってフェライト強度が大幅に向上するこ
とが分かった。
【0011】一般に、フェライト結晶粒の粗大化にはS
i、Alはおのおの単独では約3%以上、Crは12%
以上添加する必要があるが、添加量が多すぎるとガス切
断性、溶接性などの使用性能、鋼の溶解、圧延の容易さ
の製造性が劣化する。本発明においては、Si、Crを
複合添加することにより良好な制振性を確保することが
可能となる。これらの元素は制振性の向上に効果を有す
るだけでなく、固溶強化によって強度も増加させる。
【0012】Si、Cr添加量の下限はこれらの元素が
効果を発揮する最低必要量で、それぞれ1.5%、1.
0%である。また、これら元素の上限は製造性、使用性
能によって制限されるものであり、それぞれ4.0%、
7.0%である。
【0013】Alは本発明では必ずしも必要な元素でな
いが、極微量でも結晶粒の粗大化に有効な元素である。
Al量が0.5%を越えると製造性が著しく損なわれる
ので、その上限を0.5%に限定する。
【0014】Bは第一義的には鋼の強度を高めるために
添加するものであるが、侵入型に固溶し、Nを固定して
制振性を向上させる。その適正な添加量は0.0003
〜0.005%である。B添加量が0.0003%以下
では強度向上の効果がない。しかし、多すぎると他の不
純物元素と同様結晶粒の粗大化を阻害し、制振性を劣化
させるため、0.005%以下としなければならない。
また、強度を向上させるためには、B/N≧1.0とす
ることが特に望ましい。
【0015】NをはじめP、S、Oなど不純物は特に限
定しないが、低いほど制振性が向上することは明らかで
ある。
【0016】本発明が対象とする鋼(純鉄)の代表的成
分は、重量%でC:0.005%以下、Mn:0.3%
以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、N:
0.010%以下である。
【0017】結晶粒を粗大化させるには、成分系に加え
てその製造条件も限定しなければならない。すなわち、
1000〜1350℃の高温に加熱し、850℃以上で
圧延を終了した後、900℃以上の温度で1時間以上焼
鈍処理する必要がある。
【0018】再加熱温度が低いと結晶粒の粗大化が不十
分で、制振性が劣化する。しかし再加熱温度が1350
℃以上であるとバーニング現象が起こり、鋼の製造が困
難となる。
【0019】また、圧延温度が低すぎると結晶粒が小さ
くなったり、クラックが発生するので圧延終了温度は8
50℃以上としなければならない。圧延終了温度が高い
ほど結晶粒は大きくなり、制振性は向上するので、その
上限については規定しない。
【0020】引続く焼鈍処理は圧延による歪を除去し、
結晶粒をさらに粗大化させ、制振性をより一層改善する
ために行うものである。焼鈍温度が低過ぎるとその効果
は小さく、制振性向上に寄与しないため、焼鈍温度は9
00℃以上としなければならない。焼鈍温度は高いほど
結晶粒が大きくなり、制振性が向上するのでその上限に
ついては特に限定しないが、再加熱温度と同様の理由に
より自ずと制限されるものである。焼鈍処理においても
短時間で結晶粒を十分粗大化させることはできない。こ
のため焼鈍時間は1時間以上としなければならない。焼
鈍時間が長くなるほど結晶粒が大きくなり、制振性が向
上するので、その上限については特に限定しない。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例について述べる。
【0022】純鉄をベースに種々の成分の鋼板(厚み1
0mm)を製造し、その制振性などを調査した。表1に
本発明鋼および比較鋼についてのSi、Al、Cr、B
添加量、製造条件を示した。また制振特性および製造性
も併記した。
【0023】
【表1】
【0024】表1より明らかなように、本発明法により
製造した鋼板(本発明鋼)はすべて良好な特性を有す
る。これに対して、本発明によらない比較鋼は制振性、
製造性に劣った。すなわち、鋼はSi量が少なく制振
性に劣った。鋼はSi量が多く、鋼の溶解が困難なば
かりか圧延時に割れが発生し、製造性が著しく悪かっ
た。鋼は焼鈍処理がなく、制振性が劣った。鋼はB
フリーで引張強さが50Kg/mmを満足しなかっ
た。鋼はAl量が多く制振性は良好であるが、圧延中
に割れが発生した。は焼鈍時間が短いために、制振
性が今一歩であった。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明により制振性と使
用性能の両方を同時に満足できる高強度鋼の製造が可能
となる。その結果、現場での溶接施工能率や安全性が著
しく向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/34 C22C 38/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Si:1.5〜4.0%、A
    l:0.5%以下、Cr:1.0〜7.0%、B:0.
    0003〜0.005%を含有し、残部が鉄および不可
    避的不純物からなる鋼片を1000〜1350℃の温度
    範囲に再加熱し、圧延を850℃以上で終了した後、9
    00℃以上の温度で1時間以上焼鈍処理することを特徴
    とする制振性の優れた高強度鋼の製造方法。
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