JPH05105949A - 制振性の優れた鋼の製造方法 - Google Patents

制振性の優れた鋼の製造方法

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JPH05105949A
JPH05105949A JP29657591A JP29657591A JPH05105949A JP H05105949 A JPH05105949 A JP H05105949A JP 29657591 A JP29657591 A JP 29657591A JP 29657591 A JP29657591 A JP 29657591A JP H05105949 A JPH05105949 A JP H05105949A
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JP
Japan
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steel
vibration damping
damping characteristic
amount
rolling
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Withdrawn
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JP29657591A
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English (en)
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Yoshiyuki Watabe
義之 渡部
Yuzuru Yoshida
譲 吉田
Hiroshi Tamehiro
博 為広
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制振性、製造性に優れた鋼を大量かつ安価に
製造する方法を提供する。 【構成】 Si:0.5〜5.0重量%、Al:0.5
〜3.0重量%、かつB:N量の1〜2倍を含有し残部
が鉄および不可避的不純物からなる鋼を1100〜13
50℃の温度範囲に再加熱し、圧延を900℃以上で終
了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振性の優れた鋼の製造
方法に関するもので、鉄鋼業においては厚板ミルに適用
することが最も好ましいが、ホットコイル、形鋼などに
も幅広く適用できる。また、この方法で製造した鋼は、
造船、建築、橋梁、産業機械、自動車などの制振性、防
振性などを必要とする箇所に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】現在、制振性の優れた鋼としては、合金
系、複合系の2種類がある(「鉄と鋼」第60年(19
74)第14号p.127−144および第70年(1
984)第2号p.16−19参照)。
【0003】合金系には、母相と析出相との界面、ま
たは粒界での粘性、塑性流動を利用して防振性を高めた
複合型(片状黒鉛鋳鉄など)、磁区壁の非可逆移動に
伴う磁気の機械的静履歴を利用した強磁性型(12%C
r、純鉄など)、すべり転位と不純物原子の相互作用
による機械的静履歴を利用した転位型(Mgなど)、
熱弾性マルテンサイトにおける変態双晶型などがある。
【0004】また複合系には、鋼にダンピングシート
(アスファルト−ゴム質−無機充填材)を接着し、その
伸び変形による粘弾性ヒステリシスを利用した非拘束型
と、鋼の間に粘弾性樹脂をサンドウィッチし、樹脂の
ずり変形による粘弾性ヒステリシスを利用した拘束型が
ある(例えば特開昭63−188040号公報など参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】複合系は制振性におい
て優れるが、使用性能は十分でなく、ガス切断や溶接が
大きく制約される。合金系においても、そのほとんどの
ものが特殊合金であるために製造性や使用性能に大きな
制約がある。純鉄は製造性と使用性能をまずまず満足で
きるが、制振性の面で不十分である。また特願平2−8
4396号に見られるFe−Al合金は制振性は良好で
あるが、Al添加量が多くなると加工性が劣化し、使用
性能上問題がある。このような現状に鑑み、両性能を満
たす制振鋼の製造が強く要望されている。
【0006】上記した要望にそうべく、本発明は十分な
制振性と機械的性質、ガス切断・溶接性などの使用性能
を同時に満足できると共に、経済的に大量生産可能な制
振鋼の製造技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、Si:
0.5〜5.0重量%、Al:0.5〜3.0重量%、
かつB:N量の1〜2倍を含有し残部が鉄および不可避
的不純物からなる鋼を1100〜1350℃の温度範囲
に再加熱し、圧延を900℃以上で終了することを特徴
とする制振性の優れた鋼の製造方法である。
【0008】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】まず、ガス切断や溶接などの使用性能を満
足するためには、樹脂、ゴムなどを接着またはサンドウ
ィッチすることや、特殊な合金成分を用いることはでき
ない。そこで純鉄系を基本とする成分系について検討
し、純鉄系における前述の問題の解決を試みた。
【0010】その結果、Siを0.5%以上、Alを
0.5%以上、BをN量の1〜2倍添加することによっ
て制振性が画期的に向上することが確認できた。すなわ
ち、これらの成分系によって結晶粒が著しく粗大し、磁
区壁の移動が容易になって制振性が向上するものとの推
察を得た。
【0011】結晶粒の粗大化には、Si、Al各々単独
では約3%以上添加する必要があるが、添加量が多すぎ
ると加工性、製造性が劣化する。本発明においては、S
i、Alを複合添加することにより、いずれも0.5%
以上の添加で良好な制振性を確保することが可能とな
る。添加量の上限は加工性によって制限されるものであ
り、Si、Alそれぞれ5.0%および3.0%であ
る。これらの元素は結晶粒を大きくするだけでなく、固
溶強化によって強度も増加させる効果を有する。
【0012】Bは結晶粒の粗大化を抑制する侵入型に固
溶したNを固定するために添加するものであるため、N
量と等量以上の添加が必須である。しかし、多すぎると
他の不純物元素と同様、結晶粒の粗大化を阻害し制振性
を劣化させるため、N量の2倍以下としなければならな
い。
【0013】NをはじめP、S、Oなど不純物は特に限
定しないが、低いほど制振性が向上することは明らかで
ある。
【0014】結晶粒を粗大化させるには、成分系に加え
てその製造条件も限定しなければならない。すなわち、
1100〜1350℃の高温に加熱し、900℃以上で
圧延を終了する必要がある。再加熱温度が低いと結晶粒
の粗大化が十分でなく、制振性が劣化する。しかし再加
熱温度が1350℃以上であるとバーニング現象が起こ
り、鋼の製造ができない。また、圧延温度が低すぎると
結晶粒が小さくなったり、クラックが発生するので、圧
延終了温度は900℃以上としなければならない。圧延
終了温度が高いほど結晶粒は大きくなり制振性は向上す
るので、その上限については規定しない。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例について述べる。
【0016】純鉄をベースに種々の成分の鋼板(厚み1
0mm)を製造し、その制振性などを調査した。表1に
本発明鋼および比較鋼についてのSi、Al、B、N含
有量、製造条件を示した。また制振特性および製造性を
併記した。表1より明らかなように、本発明法にしたが
って製造した鋼板(本発明鋼)はすべて良好な特性を有
した。これに対して、本発明によらない比較鋼は制振
性、製造性に劣った。すなわち、鋼5はSi、Al量が
少なく制振性が劣った。鋼6はSi量が、鋼7はAl量
が多く、制振性は良好であるが、圧延中に割れが発生し
た。鋼8、鋼9はB/Nが適当でなく、制振性に劣っ
た。鋼10は再加熱温度が低く、また鋼11は圧延温度
が低いため圧延中に割れが発生し、製品が製造できなか
った。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明により制振性と使
用性能の両方を同時に満足できる鋼の製造が可能とな
る。その結果、現場での溶接施工能率や安全性が著しく
向上する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:0.5〜5.0重量%、Al:
    0.5〜3.0重量%、かつB:N量の1〜2倍を含有
    し残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼を1100
    〜1350℃の温度範囲に再加熱し、圧延を900℃以
    上で終了することを特徴とする制振性の優れた鋼の製造
    方法。
JP29657591A 1991-10-17 1991-10-17 制振性の優れた鋼の製造方法 Withdrawn JPH05105949A (ja)

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