JP2627068B2 - セラミック基板用グリーンシートの製造方法 - Google Patents

セラミック基板用グリーンシートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、肉厚のシートであっても特別な乾燥手段を
用いることなく表面に皺や亀裂のない均質な乾燥シート
が得られるセラミック基板用グリーンシートの製造方法
に関する。
〔従来の技術〕 セラミック基板用グリーンシートは、通常、セラミッ
ク粉末、溶媒、有機バインダー、可塑剤及び必要に応じ
て分散剤から成るスラリーから成形されている。
従来、セラミックグリーンシートの成形用バインダー
としては、主としてポリビニルブチラール樹脂が用いら
れてきた。ポリビニルブチラールは成形性には優れる
が、多量の可塑剤を必要とする。また、溶媒としてはブ
タノール、トルエン、キシレン等が用いられる。近年、
特に脱脂性の観点からアクリル系樹脂がバインダーとし
て用いられることがあり、この場合、メチルエチルケト
ン/エタノールやトルエン/酢酸エチルの混合溶液に予
め溶解したものが市販されている。この他、成形工程で
の安全性や衛生面の観点から、水溶性バインダーの研
究、開発も進められている。
一方、回路基板用厚膜ペーストは、従来96%アルミナ
基板用として販売されており、ペーストのバインダーと
してはエチルセルロースが汎用的に使用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これまで、セラミックグリーンシートの成形用バイン
ダーとして有機溶剤可溶性バインダーが用いられてきた
主な理由は、溶媒が揮撥し易く、乾燥が早いこと、水系
スラリーに比べて粒子の堅い凝集が起こりにくく、表面
性状の良好なシートが得られることにある。しかし、有
機溶剤系スラリーであっても、例えばコンデンサー等の
製造に用いられる誘電体薄膜のように薄いシート(通常
0.1mm以下)であればよいが、0.1〜1.0mmと厚みを増す
程、乾燥工程で表面に皺ができたり、亀裂が生じ易くな
る不具合があった。
同様な問題はセラミック基板とペーストの同時焼成の
場合にもある。例えば、コンデンサー用電極ペーストは
誘電体シート全面に薄く塗布し、乾燥後これをはさみ込
んで一体化し、焼成を行なうので大きな問題は生じてい
ない。これに対し、セラミック基板とペーストを同時焼
成する場合においては、その表面にも予め導体や抵抗を
印刷しておく必要がある。こうしたセラミックグリーン
シートとの同時焼成用ペーストは現在販売されていな
い。市販の厚膜ペーストをそのまま用いると、脱脂工程
においてペースト膜の剥離を生じたり、シートの一部に
割れが生じたりするという不具合がある。
従って、本発明の目的は、前記のような問題を解消
し、肉厚のシートであっても特別な乾燥手段を用いるこ
となく表面に皺や亀裂のない、均質なセラミック基板用
グリーンシートの製造方法を提供することにある。な
お、本願明細書では、更に本発明の応用として上記製造
方法によって製造されたセラミック基板用グリーンシー
トを用いて回路基板を同時焼成により形成する場合に、
印刷ペーストの厚みや、厚みの不均一に関係なく、脱脂
工程でのペースト膜の剥離やシートの割れ等を生じない
厚膜用ペースト組成物をも開示するが、これは本願の特
許請求の範囲を構成するものではない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、前記目的を達成するため、セラミッ
ク粉末、溶媒、可塑剤、有機バインダー及び必要に応じ
て分散剤とから成るスラリーから成形してなるセラミッ
ク基板用グリーンシートの製造方法において有機バイン
ダーとしてブチルメタクリレート樹脂を、溶媒としてメ
チルイソブチルケトンとイソホロンの混合溶液から成る
溶剤に溶かす工程を有することを特徴とするセラミック
基板用グリーンシートの製造方法が提供される。
本発明によればさらに、上記製造方法によるセラミッ
ク基板用グリーンシートを構成する有機バインダーと同
一のものをペースト用バインダーとして含有することを
特徴とするグリーンシート同時焼成用厚膜ペースト組成
物が提供される。
〔発明の作用〕 前記したように、スラリーからドクターブレード法に
よって比較的に厚膜に成形した場合に、乾燥工程におい
て亀裂が入ったり皺が生ずる原因は、溶媒が、キャステ
ィングされたスラリーの空気に接している面からのみ揮
撥することにあると考えられる。空気と接している面側
の溶媒が先に揮撥してしまう結果、乾燥収縮が空気面で
開始し、さらに進むと有機バインダーの膜が形成され、
残った溶媒は内部に閉じ込められて、キャリアフィルム
側の乾燥が益々遅れることになる。その結果、空気面側
とキャリアフィルム面側との乾燥収縮量の差から空気面
側に引張りの力が作用することになり、この力がシート
表面に亀裂を発生させる原因となる。
本発明者は、揮撥速度が大きく異なる溶媒2種以上を
用いることによって上記の問題を解決できることを見い
出した。
本発明のグリーンシートの製造方法においては、有機
バインダーとしてブチルメタクリレート樹脂を用い、こ
れをメチルイソブチルケトンとイソホロンの混合溶液に
溶かすことを特徴としている。ブチルメタクリレート樹
脂はメタノール、エタノールを除くアルコール類、ケト
ン類、炭化水素類に溶解性がある。これらの中からメチ
ルイソブチルケトンとイソホロンの2種を選択するの
は、セラミック粒子の分散性に優れることによる。これ
は、上記混合溶媒中に溶解したブチルメタクリレート樹
脂が、セラミック粒子表面に安定に付着し、微粒子がお
互いに近づくことを妨げるためと考えられる。この分散
性は、分散剤としてリン酸エステル系の薬品を予め溶媒
中に添加混合しておくことによってさらに良くすること
ができる。
これら2種の溶媒の成形性への寄与は、メチルイソブ
チルケトンとイソホロンの揮撥速度が大きく異なること
による。乾燥工程において、沸点117℃のメチルイソブ
チルケトンは粒子の再配列(乾燥収縮)を伴ないながら
揮撥するが、揮撥が完了する時点でも揮撥速度の遅いイ
ソホロン(沸点213℃)が残っているため、空気面に膜
を形成することがない。また、この時、大部分の溶媒は
既に揮散しており、粒子の再配列もほぼ完了しているの
で、その後のイソホロンの揮散によって空気面側とキャ
リアフィルム面側での大きな収縮量の差が生じることが
ないので、表面性状が良好で密度の均質な乾燥シートが
得られる。
さらに本発明者の研究によると、セラミック基板とペ
ーストの同時焼成の場合の脱脂工程におけるペースト膜
の剥離やシートの割れの問題は、ペーストのバインダー
とグリーンシートのバインダーを同じにすることにより
解決できることが見い出された。このような解決手段を
採用する理由は、上記問題の原因が、ペースト中のバイ
ンダーとセラミックグリーンシートを構成するバインダ
ーの熱分解温度に差異があるためである。例えば、上記
グリーンシートのバインダーとして用いるブチルメタク
リレート樹脂と、ペーストのバインダーとして汎用され
ているエチルセルロースの熱重量分析(TGA)による熱
分解曲線は添附図面に示すとおりであり、エチルセルロ
ースの熱分解温度が高い。このようにペーストバインダ
ーの熱分解温度の方がシートのバインダーの熱分解温度
よりも高いと、バインダーの熱分解ガスがペースト膜部
分で流出路がなくなることになり、これがペースト膜剥
離の原因となる。また、これと逆のケースでは、やはり
基板からの分解ガスがメカニカルに非常にゆるく接触し
たままのペースト粒子を動かすことになってしまい不都
合である。
従って、この問題を解決する手段として最良なのは、
ペーストのバインダーとグリーンシートのバインダーを
一致させ、バインダーの熱分解挙動を完全に一致させる
ことである。但し、ペースト用バインダー中に少なくと
も80体積%以上のグリーンシート用バインダーが含有さ
れていれば充分な効果が得られる。また、この第2発明
の技術的手段は、前記第1発明のみでなく、グリーンシ
ート用バインダーとしてブチルメタクリレート樹脂以外
のものを用いた場合にも同時に適用でき、これに限定さ
れるものでないことは容易に理解されるだろう。
〔実 施 例〕
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明す
るが、本発明が下記実施例に限定されるものでないこと
はもとよりである。
実施例1 平均粒径1.8μmのアルミナ粉末100部(体積部、以下
同じ)をメチルイソブチルケトン(MIBK)とイソホロン
の混合溶液100部とボールミルを用いて混合した。次に
ブチルメタクリレート樹脂30部、可塑剤としてジブチル
フタレート3部を添加し、バインダーが完全に溶解する
までボールミル混合を続けてスラリーを作った。成形は
キャリアフィルムとブレードとのギャップを0.8〜2.0mm
とし、成形速度約1m/minでドクターブレード法によって
行なった。その結果を表−1に示す。
上記結果から明らかなように、イソホロンを5体積%
以上メチルイソブチルケトンに添加することによって良
好な性状のシートが得られた。
実施例2 平均粒径1.8μmのアルミナ粉末と平均粒径2μmの
ガラス粉末の混合物計100部をメチルイソブチルケトン
とイソホロンの混合溶液100部とボールミルを用いて混
合した。次に、ブチルメタクリレート樹脂30部、可塑剤
としてジブチルフタレート(DBP)3〜6部を添加し、
バインダーが完全に溶解するまでボールミル混合を続け
てスラリーを作った。成形はキャリアフィルムとブレー
ドとのギャップを0.8〜2.0mmとし、成形速度約1m/minで
ドクターブレード法によって行なった。その結果を表−
2に示す。
上記結果から明らかように、可塑剤の量がバインダー
比20%以上になると、シートが柔軟になりすぎてしま
う。可塑剤量としては15%が適当であった。このとき、
メチルイソブチルケトンに添加するイソホロンの量が15
%以上であれば良好な性状のシートが得られた。メチル
イソブチルケトンの下限量についても同様と考えられ
る。
実施例3 粒径2μmの銀粉末を50〜80重量%、表−3に示すバ
インダーをAg粉末に対して1〜3重量%、残部ターピネ
オールから成るペーストを三本ローラーミルを用いて調
製した。これをセラミック固形分に対して30体積%のブ
チルメタクリレート樹脂をバインダーとするグリーンシ
ートにスクリーン印刷し、150℃で10分間乾燥した後、3
00℃/Hrの昇温速度で400℃迄上げ、30分間保持して脱脂
を行なった。乾燥、脱脂工程の結果を表−3に示す。
上記結果から明らかなように、Agのペースト中含有量
を70重量%以上とし、ペーストのバインダーをグリーン
シートに合わせたものでは何ら問題は生じなかった(表
−3、No.4)のに対し、エチルセルロースを用いたもの
(No.3)ではペースト膜の剥離が生じた。これは、添附
図面に示されるようにエチルセルロースの熱分解温度が
シートのバインダーとして用いたブチルメタクリレート
のそれよりも約100℃高温側にあるためと考えられる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明のセラミック基板用グリーンシ
ートの製造方法によれば、有機バインダーとしてのブチ
ルメタクリレート樹脂をメチルイソブチルケトンとイソ
ホロンの混合溶液から成る溶剤に溶かす工程を有するた
め、肉厚のシートであっても特別な乾燥手段を用いるこ
となく、表面に皺や亀裂のない均質な乾燥シートが得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
添附図面は2種のバインダーの熱分解曲線を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉末、溶媒、可塑剤、有機バイ
    ンダー及び必要に応じて分散剤とから成るスラリーから
    セラミック基板用グリーンシートを製造する方法におい
    て、有機バインダーとしてのブチルメタクリレート樹脂
    を、メチルイソブチルケトンとイソホロンの混合溶液か
    ら成る溶剤に溶かす工程を有することを特徴とするセラ
    ミック基板用グリーンシートの製造方法。
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