JP2627030B2 - セルロースエステルフイルムおよびその製造方法 - Google Patents
セルロースエステルフイルムおよびその製造方法Info
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Description
イルムおよびその製造方法に関する。
材料等の記録材料の支持体として用いられている。セル
ロースアセテート、セルロースアセテートブチレートお
よびセルロースアセテートプロピオネートが代表的な支
持体の材料である。寸度安定性、透明性、光沢が優れて
いるセルロースアセテートフイルム、特にトリアセチル
セルロースフイルムが多用されている。一般にセルロー
スエステルフイルム、特にセルロースアセテートフイル
ムは、引裂強度、耐折強度および衝撃強度が弱いという
問題がある。特に低湿度の状態下では、非常に硬く脆く
なり、かつ裂けやすくなる。
可塑剤をフイルムに添加することは古くから良く知られ
ている。低分子量可塑剤の例としては、トリフェニルホ
スフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレー
ト、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリ
ルブチルグリコレートおよびトリアセチンを挙げること
ができる。トリアセチルセルロースフイルムに関して
は、リン酸エステル、特にトリフェニルホスフェートが
代表的である。
セルロースエステル、溶剤および可塑剤を含むドープを
支持体上に流延し、次いで溶剤を蒸発させる工程により
製造する。溶剤としては、メチレンクロライドが主に用
いられる。上記支持体としては、鏡面状に仕上げたドラ
ムまたはバンドが代表的である。例えば、特定の組成か
らなるドープを10℃以下の支持体上に流延し、2秒以
上風にあてた後、剥ぎ取り、さらに高温(100〜16
0℃)で乾燥し残りの溶剤を蒸発させてフイルムを得る
ことができる(特開昭60−176834号および同6
0−203430号各公報参照)。
と共に低分子量可塑剤も揮発するという問題がある。揮
発した可塑剤は、乾燥工程においてフイルムを汚染す
る。可塑剤は再びフイルム内に浸透してフイルム中の可
塑剤の濃度が不均一となる。可塑剤の濃度が不均一であ
ると、フイルムのカールや、フイルム上に設ける塗膜の
接着不良の原因となる。これらを解決するため、揮発性
の低い高分子量可塑剤が提案されている(特公昭43−
16305号、同44−32672号、同47−760
号および特開平2−292342号各公報参照)。高分
子量可塑剤の例には、メチレンクロライドに可溶である
特定のポリウレタン、ポリエステルおよびそれらのコポ
リマーが含まれる。
不揮発性という利点がある。さらに、低湿条件における
フイルムの引裂強度および耐折強度を向上させる作用が
非常に優れている。しかし、湿度によるフイルムの寸度
変化が大きくなる問題がある。特に写真用支持体として
使用する場合、寸度変化が大きいとパーホレーション間
隔に変化を起き、その結果、映写不良や印刷時のズレが
生じて重大な問題となる。また、高分子量可塑剤には、
フイルムの燃焼性が大きくなる欠点がある。セルロース
エステルフイルムについては、燃焼性が問題となる用途
が多い。例えば、映画フイルムでは、その燃焼性がJI
Sに規定されている。さらに、写真材料の支持体に可塑
剤を用いる場合は、写真特性を損なうことがないという
条件が加わる。
ン化アルキルリン酸エステルの二量体を可塑剤として使
用することが特開昭60−250053号公報に開示さ
れている。この方法によれば低分子量可塑剤の問題点で
あった揮発性および拡散性は充分に改善することができ
る。しかし、引裂強度および耐折強度等の強度物性を向
上させる作用については、さらに改善する必要がある。
分子量可塑剤の問題を解決するために高分子量可塑剤を
使用しても、高分子量可塑剤により新たな問題が生じて
しまう。そこで、本発明者等は、改めて低分子量可塑剤
の改良を試みた。
特にトリフェニルホスフェートは、は強度物性を向上さ
せる作用および難燃性が優れている。さらに、比較的多
量にリン酸エステルの使用すると、セルロースエステル
フイルムの強度物性が著しく改善され、その寸度変化を
小さくすることもできる。しかし、リン酸エステル系可
塑剤は揮発性および拡散性があるため、多量に使用する
と、写真材料の保存時あるいは使用時にフイルム表面に
可塑剤が析出する問題、いわゆるブリードアウトが起き
る。
を用いて寸度安定性および強度物性の改良され、かつ可
塑剤がほとんど析出しないセルロースエステルフイルム
を提供することである。
エステル系可塑剤を含むセルロースエステルフイルムで
あって、さらに下記式[I]を有する化合物を含むこと
を特徴とするセルロースエステルフイルムにより達成さ
れた。
またはアルケニル基であり、各基は置換基を有していて
もよい;上記ベンゼン環は−COOR以外の置換基を有
していてもよい;そして複数の−COORで表される基
は互いに異なっていてもよい。
ロースエステル、溶剤、リン酸エステル系可塑剤および
上記式[I]を有する化合物を含むドープを支持体上に
流延し、次いで溶剤を蒸発させる工程からなる方法によ
り製造することができる。
は、リン酸エステル系可塑剤およびセルロースエステル
の双方との親和性が著しく優れている。このため、この
化合物は、可塑剤をセルロースエステル中に相溶化する
機能を有する。従って、可塑剤として優れた機能を有す
るリン酸エステル系可塑剤のセルロースエステルとの親
和性が低いという問題点を解決することができる。
スエステル中にリン酸エステル系可塑剤を比較的多量に
用いても可塑剤がほとんど析出しない。そして、寸度安
定性および強度物性が優れたセルロースエステルフイル
ムを得ることができる。
トパイピング特性が改良されるという効果も有する。さ
らに、本発明ではリン酸エステル系可塑剤の比率を上げ
ることが可能であるため、製膜過程における溶媒の乾燥
効率が上昇するという製造時のメリットがあることも判
明した。
エステルフイルムは、下記式[I]を有する化合物を含
むことを特徴とする。
6である。3または4であることが好ましく、3である
ことが特に好ましい。
る。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は、4以下
であることが好ましい。アルキル基の例としては、メチ
ル、エチル、プロピルおよびブチルを挙げることができ
る。メチルおよびエチルが特に好ましい。アルケニル基
の例としては、プロペニルよびアリルを挙げることがで
きる。各基は置換基を有していてもよい。置換基の例と
しては、ハロゲン原子、アルコキシ基(例、メトキシ)
およびヒドロキシを挙げることができる。
を有していてもよい。−COOR以外の置換基の例とし
ては、アルキル基(例、メチル、エチル)、ヒドロキシ
アルキル基(例、ヒドロキシメチル)、アルコキシ基
(例、メトキシ)およびハロゲン原子を挙げることがで
きる。
異なっていてもよい。上記ベンゼン環に(COOR)で
表される基が結合する位置は、nが3の場合、1、2お
よび4位であること(すなわち、式[I]を有する化合
物がトリメリット酸エステルであること)が特に好まし
い。また、nが4の場合、1、2、4および5位である
こと(すなわち、式[I]を有する化合物がピロメリッ
ト酸エステルであること)が特に好ましい。トリメリッ
ト酸またはピロメリット酸のメチルまたはエチルエステ
ルがさらに好ましく、トリメリット酸のメチルまたはエ
チルエステルが最も好ましい。
示す。
合成することができる。例えば、無水カルボン酸または
カルボン酸をアルコールの存在下で触媒を用いてエステ
ル化することで容易に合成できる。上記(無水)カルボ
ン酸の例には、(無水)トリメリット酸、トリメシン酸
および(無水)ピロメリット酸が含まれる。上記触媒の
例としては、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸およ
びテトラブトキシ錫を挙げることができる。
の触媒下でアルコールと反応させてエステル交換しても
よい。
好ましい。また、多官能カルボン酸をオキシ塩化リンや
塩化チオニルと反応させて酸クロライドとし、次いで塩
基触媒(例、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下で
アルコールとエステル化してもよい。これらの合成方法
については、特公昭36−2593号および同37−7
227号各公報、および米国特許3058942号明細
書に記載がある。
に対して3乃至50重量%の範囲で使用することが好ま
しく、5乃至30重量の範囲で使用することが特に好ま
しい。
としては、セルロースアセテート、セルロースアセテー
トブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネー
トを挙げることができる。フイルムを写真材料の支持体
として用いる場合は、セルロースアセテートが好まし
い。重合度が250乃至400、そして結合酢酸量54
乃至62%であるセルロースアセテートが特に好まし
い。セルロースの原料は木材パルプでもリンターでもよ
い。また、両者を併用してもよい。
する。リン酸系可塑剤は、既に様々な化合物が知られて
おり、実際に使用されている。代表的なリン酸エステル
系可塑剤を下記式(IIa)および(IIb)で示す。
1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 およびR7 は、それ
ぞれ、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アリー
ル基またはアラルキル基である。各基は置換基を有して
いてもよい。アルキル基の炭素数は1乃至12であるこ
とが好ましい。アルキル基の例としては、メチル、エチ
ル、ブチル、シクロヘキシルおよびオクチルを挙げるこ
とができる。アリール基の例としてはフェニルを挙げる
ことができる。アラルキル基の例としてはベンジルを挙
げることができる。上記置換基の例としては、アルキル
基(例、メチル)、アリール基(例、フェニル)、アル
コキシ基(例、メトキシ、ブトキシ)およびアリールオ
キシ基(例、フェノキシ)を挙げることができる。
基、アリーレン基、スルホニル基およびそれらの組み合
わせから選ばれる2価の連結基である。mは1以上の整
数であり、1乃至10であることが好ましい。
れるリン酸エステル系可塑剤の具体例を示す。
ートが特に好ましい。リン酸エステル系可塑剤に加え
て、低分子量可塑剤または高分子量可塑剤を併用しても
よい。
ルに対して5乃至20重量%の範囲である。本発明で
は、可塑剤は比較的多量(セルロースエステルに対して
10乃至40重量%)に用いることができる。
μm乃至500μmであることが好ましく、50μm乃
至200μmであることが特に好ましい。
セルロースエステル、溶剤、リン酸エステル系可塑剤お
よび式[I]を有する化合物を含むドープを支持体上に
流延し、次いで溶剤を蒸発させる工程からなる方法によ
り製造すること好ましい。この製造方法は、式[I]を
有する化合物を使用する点を除き、既によく知られてい
る。セルロースエステルフイルムの製造方法について
は、米国特許2492978号、同2739070号、
同2739069号、同2492977号、同2336
310号、同2367603号、同2492978号、
同2607704号、英国特許640731号および同
735892号各明細書、および特公昭45−9074
号、同49−4554号、同49−5614号および特
開昭62−115035号各公報に記載がある。
塩化物、低級脂肪族アルコール、シクロヘキサンおよび
ジオキサンを挙げることができる。低級脂肪族炭化水素
の塩化物の例としては、メチレンクロライドを挙げるこ
とができる。低級脂肪族アルコールの例としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコールおよびn−ブタノールを挙げることが
できる。メチレンクロライドは、セルロースエステルの
良溶媒である(メチレンクロライド中のセルロースエス
テルの溶解度は非常に高い)。メチレンクロライドを7
0乃至100重量%、その他の溶剤(セルロースエステ
ルの貧溶媒)を30乃至0重量%の組成で用いることが
好ましく、メチレンクロライドを75乃至87重量%、
その他の溶剤を25乃至13重量%の組成で用いること
がさらに好ましい。
10乃至50重量%の範囲であることが好ましい。ドー
プ中の乾燥後に固体となる成分の総量は18乃至35重
量%であることが特に好ましい。
が進行するように調整することが好ましい。ドープのゲ
ル化温度は、主にセルロースエステルの濃度および溶剤
組成に依存する。セルロースエステルの濃度または貧溶
媒の濃度が高いと、ゲル化温度は高くなる。セルロース
エステルの濃度が35重量%以上となると、均質なドー
プを作成することが困難になる。また、溶剤中の貧溶媒
の比率が25重量%以上となるとドープに白濁が生じた
り、粘度が上昇して取り扱いが困難となる。
(支持体からフイルムの剥離を促進する)や染料を添加
してもよい。
ン酸エステル系可塑剤および式[I]を有する化合物を
加圧容器に入れて密閉し、加圧下で加熱して攪拌するこ
とにより得ることができる。上記加熱温度は、溶媒の常
圧における沸点以上で、かつ加圧下で溶媒が沸騰しない
範囲内とする。加熱温度は、通常は、60℃以上であ
り、好ましくは80乃至110℃である。このように、
加圧してドープを調製すると、常圧における沸点以上に
加熱することができる。また、圧力により沸騰を抑えて
過濃縮状態を生じないようにして、ゲルの発生を防止す
ることができる。一方、加熱により溶解度及び溶解速度
を上昇させ、短時間に各成分を溶剤中に完全に溶解する
ことができる。
れてもよい。また、順次加圧容器に投入してもよい。加
圧容器には加熱および攪拌ができるように構成されてい
る必要がある。
加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧
の上昇を利用してもよい。あるいは、加圧容器を密閉
後、各成分を圧力下で添加してもよい。
が好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用
いることができる。また、加圧容器の外部にプレートヒ
ーターを設け、配管して液体を循環させることにより容
器全体を加熱することもできる。
いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近
に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容
器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好
ましい。
を設置してもよい。加圧容器内で各成分を溶剤中に溶解
する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あ
るいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
の支持体としてはバンドまたはドラムを用いる。
に剥取部の周辺を冷却することが好ましい。剥離に関係
するのは支持体とドープの界面であるから、支持体表面
を充分に冷却することが重要である。冷媒あるいは冷風
で直接冷却することができる。あるいは、パイプ中に冷
媒を送り間接的に冷却してもよい。冷却温度は支持体表
面温度として10℃以下であることが好ましく、5℃以
下であることがさらに好ましい。
に乾燥風を使用しなくても溶剤を蒸発させることは可能
である。乾燥風を用いる方法は、剥離前にフイルムの表
面が乾燥して、剥離後のフイルムの伸びを防止できる利
点が有る。
の温度が上昇しないように注意する。特に、乾燥風によ
りドープが流延されていない部分の支持体表面の温度が
上昇すると、溶剤がドープ内で気化し、発泡してしま
う。このため、熱を遮蔽する手段を実施することが好ま
しい。あるいは、上記のように支持体上のドープが流延
されている部分を冷却することが好ましい。
ことができる。遮風板は、乾燥風が支持体上のドープが
流延されている部分のみを通過し、流延されていない部
分には接触しないように設ける。カーテンやエアーカー
テンを設けて同様に乾燥風を遮蔽してもよい。遮蔽手段
は乾燥風が支持体(バンド)面を流れる流路全体に設け
ることが好ましい。ただし、乾燥が進行すると発泡が生
じにくくなるため、支持体の後半部分を省略することも
できる。また、熱風の熱量の多くが消費される排風部付
近においても省略することができる。
スエステルフイルムを製造することができる。この製造
方法に関して、特に好ましい条件は以下の3点である。 (1)ドープ中の乾燥後に固体となる成分の総量が18
乃至35重量%である。 (2)ドープ中の全溶剤の75乃至87重量%がメチレ
ンクロライドである。 (3)ドープを流延する支持体の表面温度が10℃以下
である。
写真材料の支持体として好ましく用いることができる。
以下、写真材料について説明する。
剤層が設けられている。支持体とハロゲン化銀乳剤層の
間には通常、下塗り層が設けられる。下塗り層は主にゼ
ラチンを含む。
よい。ゼラチン硬化剤の例としては、クロム塩(例、ク
ロム明礬)、アルデヒド類(例、ホルムアルデヒド、グ
ルタールアルデヒド)、イソシアネート類、活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシトリアジ
ン)およびエピクロルヒドリン樹脂を挙げることができ
る。
い。マット剤の例としては、無機微粒子(例、SiO
2 、TiO2 )およびポリメチルメタクリレート共重合
体微粒子(粒径:1乃至10μm)。
フコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート
法、グラビアコート法あるいはエクストルージョンコー
ト法により支持体上に塗布することができる。
構成する他の層について説明する。写真材料の各層は、
バインダーとして親水性コロイドを含む。親水性コロイ
ドの例としては、タンパク質(例、ゼラチン、コロイド
状アルブミン、カゼイン)セルロース誘導体(例、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス)、糖誘導体(例、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘
導体)および合成親水性コロイド(例、ポリビニルアル
コール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸
共重合体、ポリアクリルアミド、これらの誘導体または
部分加水分解物)を挙げることができる。二つ以上のコ
ロイドを相溶した混合物を使用してもよい。ゼラチンが
最も一般に用いられている。
剤層及びその他の層には、合成ポリマーを添加してもよ
い。合成ポリマーと上記親水性コロイドを併用してもよ
い。合成ポリマーがビニルポリマーの場合、ラテックス
状の水分散物として使用することができる。合成ポリマ
ーには、写真材料の寸度安定性を増大する化合物を重合
化したポリマーを含む。合成ポリマーはコポリマーでも
ホモポリマーでもよい。ポリマーの合成に使用するモノ
マーの例としては、アルキルアクリレート、アルキルメ
タクリレート、アクリル酸、メタアクリル酸、スルホア
ルキルアクリレート、スルホアルキルメタアクリレー
ト、グリシジルアクリレート、グリジルメタアクリレー
ト、ヒドロオキシアルキルアクリレート、ヒドロキシア
ルキルメタアクリレート、アルコキシアルキルアクリレ
ート、アルコキシアルキルメタアクリレート、スチレ
ン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、無水ア
レイン酸および無水イタコン酸を挙げることができる。
写真材料に添加する合成ポリマーについては、米国特許
2376005号、同2739137号、同28534
57号、同3062674号、同3411911号、同
3488708号、同3525620号、同36357
15号、同3607290号、同3645740号、英
国特許1186699号及び同1307373号各明細
書に記載がある。
剤を用いて硬膜処理することが好ましい。硬化剤の例と
しては、アルデヒド系化合物類(例、ホルムアルデヒ
ド、グルタルアルデヒド)、ケトン系化合物類(例、ジ
アセチル、シクロペンタンジオン)、反応性ハロゲンを
有する化合物類(例、ビス(2−クロロエチル尿素)、
2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリ
アジン)、反応性のオレフィンを有する化合物類(例、
ジビニルスルホン、5−アセチル−1,3−ジアクリロ
イルヒキサヒドロ−1,3,5−トリアジン)、N−メ
チロール化合物(例、N−ヒドロキシメチルフタルイミ
ド)、イソシアナート類、アジリジン化合物類、酸誘導
体類、カルボジイミド系化合物、エポキシ化合物類、イ
ソオキサゾール系化合物類、ハロゲノカルボキシアルデ
ヒド類(例、ムコクロル酸)、ジオキサン誘導体(例、
ジヒドロキシジオキサン、ジクロロジオキサン)、N−
カルバモイルピリジニウム塩類、ハロアミジニウム塩類
および無機硬化剤(例、クロム明礬、硫酸ジルコニウ
ム)を挙げることができる。反応性ハロゲンを有する化
合物類については、米国特許3288755号、同27
32303号、英国特許974723号および同116
7207号各明細書に記載がある。反応性のオレフィン
を有する化合物類については、米国特許3635718
号、同3232763号、同3490911号、同36
42486号および英国特許994869号各明細書に
記載がある。N−メチロール化合物については、米国特
許2732316号および同2586168号各明細書
に記載がある。イソシアナート類については、米国特許
3103437号明細書に記載がある。アジリジン化合
物類については、米国特許3017280号および同2
983611号各明細書に記載がある。酸誘導体類につ
いては、米国特許2725294号および同27252
95号各明細書に記載がある。カルボジイミド系化合物
については、米国特許3100704号明細書に記載が
ある。エポキシ化合物類については、米国特許3091
537号明細書に記載がある。イソオキサゾール系化合
物類については、米国特許3321313号および同3
543292号各明細書に記載がある。また、硬化剤の
代わりに、そのプレカーサーを用いてもよい。硬化剤の
プレカーサーの例としては、アルカリ金属ビサルファイ
トアルデヒド付加物、ヒダイントインのメチロール誘導
体および一級脂肪酸のニトロアルコールを挙げることが
できる。
(例、硝酸銀)の溶液と水溶性ハロゲン塩(例、臭化カ
リウム)の溶液を水溶性高分子(例、ゼラチン)の溶液
の存在下で混合して調製する。ハロゲン化銀には、塩化
銀および臭化銀に加えて、混合ハロゲン化銀(例、塩臭
化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀)が含まれる。
の発生を防ぐ機能を有する化合物を添加してもよい。上
記の機能を有する化合物は古くから知られている。それ
らの化合物の例としては、複素環化合物(例、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイン
デン、3−メチル−ベンゾチアゾール、1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール)、含水銀化合物、メルカ
プト化合物、金属塩類を挙げることができる。
化学増感剤の例としては、金化合物(例、塩化金酸塩、
三塩化金)、他の貴金属(例、白金、パラジウム、イリ
ジウム、ロジウム、ルテニウム)の塩類、銀塩と反応し
て硫化銀を形成すイオウ化合物、第一錫塩、アミン類、
その他の還元性物質を挙げることができる。
増感してもよい。その場合、シアニン色素類(例、シア
ニン、メロシアニン、カルボシアニン)またはスチリル
染料を使用する。これらの色素または染料は組み合せて
使用してもよい。
剤、紫外線吸収剤あるいは高吸収剤を添加してもよい。
増白剤の例としては、スチルベン、トリアジン、オキサ
ゾールおよびクマリン系化合物を挙げることができる。
紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール、チア
ゾリジンおよび桂皮酸エステル系化合物を挙げることが
できる。高吸収剤としては、種々の写真用フィルター染
料を使用することができる。
(例、脂肪酸のアミドまたはエステル、ポリエステ
ル)、水不溶性物質、あるいは界面活性剤を添加しても
よい。スベリ剤および接着防止剤については、米国特許
2732305号、同4042399号、同31210
60号および英国特許14466304号各明細書に記
載がある。水不溶性物質については、米国特許3121
060号、英国特許1320564号および同1320
565号各明細書に記載がある。界面活性剤について
は、米国特許第3617286号明細書に記載がある。
成する層、特に写真材料の最も外側に設けられる層(帯
電防止層)に、帯電防止剤を添加してもよい。耐電防止
剤の例としては、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、ビ
グアニド化合物、スルホン酸型アニオン化合物、リン酸
エステルと第4級アンモニウム塩類、カチオニック化合
物、ノニオニック化合物、錯化合物および有機塩類を挙
げることができる。親水性ポリマーについては、米国特
許2725297号、同2972535号、同2972
536号、同2972537号、同2972538号、
同3033679号、同3072484号、同3262
807号、同3525621号、同3615531号、
同3630743号、同3653906号、同3655
384号、同3655386号、英国特許122215
4号および同1235075号各明細書に記載がある。
疎水性ポリマーについては、米国特許2973263号
および同2976148号各明細書に記載がある。ビグ
アニド化合物については、米国特許2584362号お
よび同2591590号各明細書に記載がある。スルホ
ン酸型アニオン化合物については、米国特許26392
34号、同2649372号、同3201251号およ
び同3457076号各明細書に記載がある。リン酸エ
ステルと第4級アンモニウム塩類については、米国特許
3317344号および同3514291号各明細書に
記載がある。カチオニック化合物については、米国特許
2882157号、同2982651号、同33999
95号、同3549369号および同3564043号
各明細書に記載がある。ノニオニック化合物について
は、米国特許3625695号明細書に記載がある。両
性化合物については、米国特許3736268号明細書
に記載がある。錯化合物については、米国特許2647
836号明細書に記載がある。有機塩類については、米
国特許2717834号および同3655387号各明
細書に記載がある。
クロ乳剤、赤外線用乳剤、X線その他の不可視光記録用
乳剤およびカラー写真用乳剤(例、色形成カプラーを含
む乳剤、染料現像薬を含む乳剤、漂白され得る染料を含
有する乳剤)が含まれる。
もしくは4当量の色形成カプラーを含有してもよい。色
形成カプラーの例としては、開鎖型ケトメチレンイエロ
ーカプラー(例、ベンゾイルアセトアニライド系化合
物、ピバロイセルアセトアニライド系化合物)、マゼン
タカプラー(例、ピラゾロン系化合物、インダゾロン系
化合物)、シアンカプラー(例、フェノール系化合物、
ナフトール系化合物)、カラードカプラーおよび離脱抑
制型カプラーを挙げることができる。イエローカプラー
については、特公昭48−18256号公報に記載があ
る。マゼンタカプラーについては、特公昭48−384
16号公報に記載がある。シアンカプラーについては、
特開昭48−42732号公報に記載がある。カラード
カプラーについては、米国特許2428054号、同2
449966号、同2455170号、同260078
8号、同2983608号および同3148062号各
明細書に記載がある。離脱抑制型カプラーについては、
米国特許3227554号明細書に記載がある。
用いて乾燥膜厚が135μmになるように流延した。バ
ンドの温度は0℃とし、30℃の熱風で乾燥した。遮風
板を用いて、乾燥風によりドープが流延されていない部
分の支持体の温度が上昇することを防止した。
得るための流延速度の限界(限界速度)は、18m/分
であった。また、限界速度において流延されたドープが
バンド上にある時間(剥ぎ取り限界時間)は、20秒で
あった。
フイルムを支持体として用いて、以下のように写真材料
を作成した。
布し、90℃で3分間乾燥してバッキング層を形成し
た。 カーボンブラック(一次粒径の平均:20μm) 9.6重量部 ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート (ヘキサヒドロフタル酸:38モル%、ヒドロキシプロピル基:8モル%、 メトキシ基:16モル%) 20重量部 アセトン 600重量部 メチルセロソルブ 150重量部 メタノール 200重量部
を設けた。その上に下記に示すような組成の各層を設け
て、多層カラー写真材料(試料番号1〜10)を作成し
た。
を含むゼラチン層 (ゼラチン)0.5g/m2
示す。
間保存した後35mm幅に裁断し、穿孔し、400フィー
トのロール状フイルムを得た。
(1)耐折強度、(2)衝撃強度、(3)ブリードアウ
トである。それぞれの評価方法を以下に示す。
いて、ISO8776−1988の規格に従って折り曲
げによって切断するまでの往復回数を測定した。
りをつけ、ぶら下げる。その時の重りの位置(h=0)
から種々の高さ(h)に重りを垂直に持ち上げ、自由落
下させる。ASTM D1709−85を参照して、重
さ(W)を高さ(h)に読み替え、50%破断高さ(h
50)を求める。h50の持つ位置エネルギー5gh
50(J)を衝撃強度とした。なお、破断時に固定点や重
りの取りつけ点で破断した時は再試験した。
い、ガラス板を上にかぶせて密閉し、2、4または8分
間放置した後、取りはずし25℃、60%RHに30分
間放置した後、可塑剤のブリードアウトの状態を目視で
判定した。
以上、ブリードアウトは○以上が実用範囲である。
号1と試料番号9および10を比較すると、トリフェニ
ルホスフェートが増量されるに従い、耐折強度および衝
撃強度が共に著しく改良される。さらに試料番号2〜6
と試料番号7〜9を比較すると、式(I)を有する化合
物が特異的にブリードアウトの発生を防止することがわ
かる。
Claims (4)
- 【請求項1】 リン酸エステル系可塑剤を含むセルロー
スエステルフイルムであって、さらに下記式[I]を有
する化合物を含むことを特徴とするセルロースエステル
フイルム。 【化1】 式中、nは3、4、5または6であり;Rはアルキル基
またはアルケニル基であり、各基は置換基を有していて
もよい;上記ベンゼン環は−COOR以外の置換基を有
していてもよい;そして複数の−COORで表される基
は互いに異なっていてもよい。 - 【請求項2】 上記式[I]においてnは3または4で
あり、そしてRは炭素数4以下のアルキル基またはアル
ケニル基である請求項1記載のセルロースエステルフイ
ルム。 - 【請求項3】 リン酸エステル系可塑剤がトリフェニル
ホスフェートである請求項1記載のセルロースエステル
フイルム。 - 【請求項4】 セルロースエステル、溶剤およびリン酸
エステル系可塑剤を含むドープを支持体上に流延し、次
いで溶剤を蒸発させる工程からなるセルロースエステル
フイルムの製造方法であって、上記ドープがさらに下記
式[I]を有する化合物を含むことを特徴とするセルロ
ースエステルフイルムの製造方法。 【化2】 式中、nは3、4、5または6であり;Rはアルキル基
またはアルケニル基であり、各基は置換基を有していて
もよく;上記ベンゼン環は−COOR以外の置換基を有
していてもよい;そして複数の−COORで表される基
は互いに異なっていてもよい。
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- 1991-09-26 JP JP27477691A patent/JP2627030B2/ja not_active Expired - Fee Related
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