JP2626599B2 - セルラー式移動通信システムにおける移動機呼出方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はセルラー式移動通信シス
テムに関し、特に複数の小ゾーン無線基地局が含まれる
ページングエリアをカバーする１以上の大ゾーン無線基
地局を有するセルラー式移動体通信システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のセルラー式移動通信システムで
は、周波数の有効利用のために小ゾーン構成をとり、そ
の小ゾーンを複数まとめたエリアをページングエリアと
している。移動機は、そのページングエリア毎に位置登
録を行い、移動機がページングエリア相互間を移動した
ときや電源投入されたときに位置登録は更新される。

【０００３】移動機への呼出しに際し、位置登録されて
いるページングエリア内の全ての無線基地局から呼出し
を行い、移動機は、電波の受信状態の一番よい無線基地
局を選択して呼出しを受信し、その無線基地局を介して
移動通信交換局に呼出応答を送信していた。

【０００４】このようにページングエリア内の全ての無
線基地局から一斉に呼出しを行うことは移動交換局およ
び無線基地局の処理量を増大させ、特にゾーン半径が小
さくなるに従い無線基地局の数が増加するに伴って問題
化しており、対策として、移動機への呼出しを通信衛星
回線で行い、移動機からの呼出応答およびそれ以後の通
信を地上回線で行う通信システムが考えられている。

【０００５】（文献：特開平４−３５４２１６移動通信
システム 畠山 泉）

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
セルラー式移動通信システムにおいては、移動機への呼
出しに際し、位置登録されているページングエリア内の
全ての無線基地局から呼出しを行い、移動機は、電波の
受信状態の最もよい無線基地局からの呼出しを受信し、
その無線基地局を介して移動通信交換局に呼出応答を送
信していた。しかし、この場合、ページングエリア内の
全ての無線基地局から呼出しを行うため、移動通信交換
局およびページングエリア内の全ての無線基地局におい
て移動機の着信接続に伴う処理量が多くなると共に、無
線基地局の無線チャネルの使用状況に関係なく行われる
ので、ある無線基地局にトラヒックが偏ってしまうとい
う問題があった。

【０００７】また、統括基地局とマルチビーム方式の通
信衛星と移動機とにより衛星回線を構成し、基地局と移
動機とにより地上回線を構成する移動通信システムにお
いて、移動機の呼出しを通信衛星回線で行い、移動機か
らの呼出応答およびそれ以後の通信を地上回線で行う通
信システムの場合、移動機には、衛星回線用と地上回線
用の周波数帯域の違う二種類の受信機を持たなくてはな
らず、移動機自体の容量が大きくなってしまい、また、
通信衛星を使っての呼出しのため移動機への接続時間が
大きくなってしまうという問題があった。

【０００８】本発明の目的は、大ゾーン無線基地局を利
用することにより、前出の文献に示される方法のように
移動機自体の容量および移動機への接続時間を大きくさ
せることなく、移動通信交換局および小ゾーン無線基地
局の、移動機への着信接続に伴う処理量を軽減させ、ま
た無線基地局の無線チャネル使用状況に応じて無線基地
局を選択し、呼出応答を行うことにより、空きチャネル
の少ない無線基地局からの移動機への着信を規制し、無
線基地局のトラヒック量を分散させることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のセルラー式移動
通信システムにおける移動機呼出方法は、移動通信交換
局は移動機を大ゾーン無線基地局を介して呼出し、移動
機は大ゾーン無線基地局からの呼出しを受信すると、大
ゾーン無線基地局および小ゾーン無線基地局の中から、
移動機における受信状態が最も良好な電波を発信する無
線基地局を選択し、その無線基地局を介して移動交換局
に呼出応答を行う。

【００１０】さらに、移動通信交換局は、小ゾーン無線
基地局および大ゾーン無線基地局における無線チャネル
の使用状況より、一定の空きチャネルを有する無線基地
局を使用可能な無線基地局として、小ゾーン無線基地局
および大ゾーン無線基地局を介して移動機に向けて放送
し、移動機は、使用可能な無線基地局の中から、移動機
における受信状態が最も良好な電波を発信する無線基地
局を選択する。

【００１１】

【作用】ページングエリア内にある移動機への呼出し
を、同エリア内の全小ゾーン無線基地局に替えて同エリ
アをカバーする大ゾーン基地局のみから行い、呼出しを
受信した移動機は、大ゾーン基地局およびページングエ
リア内の全ての小ゾーン無線基地局の中から受信状態が
最良の電波を発信する無線基地局を選択し、それを介し
て呼出応答を行う。さらに、上述の全無線基地局におけ
るチャネル使用状況より、無線基地局のその時点での使
用可能か否かの別を放送し、移動機は使用可能とされる
無線基地局の中から接続先となる無線基地局を選択す
る。

【００１２】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００１３】図１は、本発明の移動機呼出方法の一実施
例が適用されるセルラー式移動通信システムの構成を示
すブロック図、図２は移動機のブロック図、図３（ａ）
および（ｂ）はページングエリア内の全ての無線基地局
の無線チャネル使用状況（空きチャネルの数）および、
無線基地局の使用可能か否かの別を示す無線基地局状況
図、図４および図５は図３（ａ）および（ｂ）に示す無
線基地局状況に対応する移動機への呼出しの着信シーケ
ンス図である。

【００１４】図１のセルラー式移動体通信システムは、
移動通信交換局１と小ゾーン無線基地局２，３，４とペ
ージングエリアの全域をカバーする大ゾーン無線基地局
５と移動機６とで構成されている。移動通信交換局１に
は、制御部１１とページングエリア内の全ての無線基地
局の無線チャネル使用状況（空きチャネルの数）から使
用可能な無線基地局を選び出す選択部１２と、この選択
部１２で選び出した使用可能な無線基地局の無線基地局
番号を無線基地局２，３，４，５を介して移動機６に放
送している報知情報に付加する情報付加部１３を備えて
いる。移動機６には、制御部６１と報知情報から無線基
地局番号を抽出し、更新・保持する抽出メモリ部６２
と、無線基地局の発する電波の受信状態を測定する測定
部６３と、その測定結果から最も受信状態の優れた無線
基地局を選択する選択部６４とを備えている。

【００１５】以下、無線基地局状況図が図３（ａ）の場
合について、図４に示す着信シーケンスの概略を説明す
る。なお、図４および図５において波状の線は無線伝送
を示す。

【００１６】図３（ａ）において、移動通信交換局１
は、選択部１２で使用可能な無線基地局２，３，４，５
を選び出し、情報付加部１３でこの使用可能な無線基地
局２，３，４，５に固有の無線基地局番号を報知情報に
付加する。なお、無線基地局５は大ゾーン無線基地局で
ある。この無線基地局番号の付加された報知情報は各無
線基地局を介して移動機６に向けて放送される。

【００１７】移動機６は、報知情報を受信し、抽出メモ
リ部６２により報知情報に付加されている無線基地局番
号を抽出し、更新し、保持している。移動機６を呼出し
するとき、移動通信交換局１は大ゾーン無線基地局５を
介して移動機６に呼出しを送信する。呼出しを受信した
移動機６は、抽出メモリ部６２に保持している無線基地
局番号を有する小ゾーン無線基地局２，３，４および大
ゾーン無線基地局５から発信される電波の受信状態を測
定部６３で測定し、その測定した電波の受信状態が最も
良好な小ゾーン無線基地局２を選択部６４で選択した場
合、この選択した小ゾーン無線基地局２を介して呼出応
答を移動通信交換局１に送信する。呼出応答を受信した
移動通信交換局１は移動機６との回線接続処理を行う。

【００１８】次に、図３（ｂ）に示すように無線基地局
２における空きチャネルの数が１チャネルとなり、移動
通信交換局１により、無線基地局２から移動局６に対す
る着信が規制される場合は、図５に示すように、移動機
６における受信電界強度測定対象の電波から、無線基地
局２の発信する電波は除外され、移動機６が発する呼出
応答は使用が可能とされる無線基地局３、４、５の中の
無線基地局３から送信されている。

【００１９】このように、ページングエリア内の全ての
無線基地局における無線チャネルの使用状況から使用可
能な無線基地局を指定し、その中から使用無線基地局を
選択することによって無線基地局のトラヒック量を分散
することができる。

【００２０】

【発明の効果】ページングエリアをカバーする大ゾーン
無線基地局からのみ移動機への呼出しを行うことによ
り、通信衛生利用の場合のように移動機自体の容量と移
動機への接続時間とを大きくさせることもなく、移動通
信交換局および小ゾーン無線基地局の移動機への着信接
続に伴う処理量を軽減させる効果があり、さらに各無線
基地局における無線チャネルの使用状況に応じて無線基
地局を選択し、呼出応答を送信することにより、空きチ
ャネルの少ない無線基地局から行う移動機への着信を規
制し、無線基地局のトラヒック量を分散させ、無線チャ
ネルの使用効率を改善する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の移動機呼出方法が提供されるセルラー
式移動通信システムの構成例を示すブロック図である。

【図２】移動機のブロック図である。

【図３】無線基地局の無線チャネル使用状況および無線
基地局の使用可能か否かの別を示す無線基地局状況図で
ある。

【図４】図１の移動通信システムにおける、移動機への
呼出しの着信シーケンス例を示す図である。

【図５】図１の移動通信システムにおける、移動機への
呼出しの着信シーケンス例を示す図である。

【符号の説明】

１ 移動通信交換局 ２，３，４ 小ゾーン無線基地局 ５ 大ゾーン無線基地局 ６ 移動機 １１ 制御部 １２ 選択部 １３ 情報付加部 ６１ 制御部 ６２ 抽出メモリ部 ６３ 測定部 ６４ 選択部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の小ゾーン無線基地局と、前記小ゾ
   ーン無線基地局が複数含まれるぺージングエリアをカバ
   ーする１または２以上の大ゾーン無線基地局を有するセ
   ルラー式移動通信システムにおける、移動通信交換局か
   ら前記ページングエリアにある移動機を呼出す移動機呼
   出方法において、 前記移動通信交換局は、前記小ゾーン無線基地局および
   大ゾーン無線基地局における無線チャネルの使用状況よ
   り、一定の空きチャネルを有する無線基地局を使用可能
   な無線基地局として、前記小ゾーン無線基地局および大
   ゾーン無線基地局を介して前記移動機に向けて放送し、 前記移動通信交換局は前記移動機を前記大ゾーン無線基
   地局を介して呼出し、前記移動機は前記大ゾーン無線基
   地局からの呼出しを受信すると、前記使用可能な無線基
   地局の中から、前記移動機における受信状態が最も良好
   な電波を発信する無線基地局を選択し、該無線基地局を
   介して前記移動体交換局に呼出応答を行うことを特徴と
   するセルラー式移動通信システムにおける移動機呼出方
   法。