JP2625520B2 - 弾性表面波コンボルバの製造方法 - Google Patents
弾性表面波コンボルバの製造方法Info
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- JP2625520B2 JP2625520B2 JP63227610A JP22761088A JP2625520B2 JP 2625520 B2 JP2625520 B2 JP 2625520B2 JP 63227610 A JP63227610 A JP 63227610A JP 22761088 A JP22761088 A JP 22761088A JP 2625520 B2 JP2625520 B2 JP 2625520B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は圧電基板の物理的非線形効果を利用してコン
ボリューション信号を得る弾性表面波コンボルバに関
し、特に効率の良好な弾性表面波コンボルバに関する。
ボリューション信号を得る弾性表面波コンボルバに関
し、特に効率の良好な弾性表面波コンボルバに関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 弾性表面波コンボルバは、スペクトラム拡散通信を行
なうにあたってのキーデバイスとして、近年その重要性
が増大しつつある。また、実時間信号処理デバイスとし
ての応用も多く考えられ、盛んに研究されている。
なうにあたってのキーデバイスとして、近年その重要性
が増大しつつある。また、実時間信号処理デバイスとし
ての応用も多く考えられ、盛んに研究されている。
第4図はこの様な従来の弾性表面波コンボルバの一例
を示す概略平面図であり、第5図はそのV−V概略断面
図である。
を示す概略平面図であり、第5図はそのV−V概略断面
図である。
これらの図において、1はYカット(Z伝搬)のニオ
ブ酸リチウム等の圧電体からなる基板であり、2,3は該
基板上に形成され入力電気信号を弾性表面波に変換する
ための1対の入力用すだれ状電極であり、4はこれら2
つのすだれ状電極の間において基板1上に形成されたコ
ンボリューション信号を取出すための出力用電極であ
る。また、5,6は基板1上に形成されたグランド電極で
ある。これらの電極はアルミニウム等の導電性材料から
なり、通常のフォトリソグラフィーの技術を用いて作製
される。また、電極4としては銅等のブロック状の導電
性材料が用いられる場合もある。
ブ酸リチウム等の圧電体からなる基板であり、2,3は該
基板上に形成され入力電気信号を弾性表面波に変換する
ための1対の入力用すだれ状電極であり、4はこれら2
つのすだれ状電極の間において基板1上に形成されたコ
ンボリューション信号を取出すための出力用電極であ
る。また、5,6は基板1上に形成されたグランド電極で
ある。これらの電極はアルミニウム等の導電性材料から
なり、通常のフォトリソグラフィーの技術を用いて作製
される。また、電極4としては銅等のブロック状の導電
性材料が用いられる場合もある。
この様な弾性表面波コンボルバを用いてコンボリュー
ション信号を取出す際には、まず入力用すだれ状電極2,
3にそれぞれ搬送角周波数ωの2つの電気信号を入力
し、これらの電気信号を弾性表面波信号に変換する。そ
して、これら弾性表面波を圧電基板1の表面で互いに反
対向きに伝搬させ、基板1の物理的非線形効果を利用し
て出力用電極から搬送角周波数2ωのコンボリューショ
ン信号を取出す。即ち、2つの弾性表面波を A(t−x/v)exp(jωt+jkx) 及び G(t+x/v)exp(jωt−jkx) とすると、基板1上では、該基板の非線形効果により、
その積である F(t−x/v)・G(t+x/v)exp(2jωt) の弾性表面波が発生する。この信号は、一様な出力用電
極4により、該電極領域内で積分され、相互作用領域長
をlとすると、 で表わされる信号として取出される。ここで、積分範囲
は相互作用長が信号長よりも大きいときには、実質上−
∞〜+∞とみなすことができ、τ=F(t−x/v)とす
ると、上式は となり、上記信号は2つの弾性表面波のコンボリューシ
ョンとなる。
ション信号を取出す際には、まず入力用すだれ状電極2,
3にそれぞれ搬送角周波数ωの2つの電気信号を入力
し、これらの電気信号を弾性表面波信号に変換する。そ
して、これら弾性表面波を圧電基板1の表面で互いに反
対向きに伝搬させ、基板1の物理的非線形効果を利用し
て出力用電極から搬送角周波数2ωのコンボリューショ
ン信号を取出す。即ち、2つの弾性表面波を A(t−x/v)exp(jωt+jkx) 及び G(t+x/v)exp(jωt−jkx) とすると、基板1上では、該基板の非線形効果により、
その積である F(t−x/v)・G(t+x/v)exp(2jωt) の弾性表面波が発生する。この信号は、一様な出力用電
極4により、該電極領域内で積分され、相互作用領域長
をlとすると、 で表わされる信号として取出される。ここで、積分範囲
は相互作用長が信号長よりも大きいときには、実質上−
∞〜+∞とみなすことができ、τ=F(t−x/v)とす
ると、上式は となり、上記信号は2つの弾性表面波のコンボリューシ
ョンとなる。
この様なコンボリューションのメカニズムは、たとえ
ば「柴山,“弾性表面波の応用",テレビジョン,30 457
(1976)」等に詳しく述べられている。
ば「柴山,“弾性表面波の応用",テレビジョン,30 457
(1976)」等に詳しく述べられている。
ところで、弾性表面波コンボルバは前述の様に基板の
物理的非線形性を利用するものであり、基板としては、
電気的エネルギーを弾性エネルギーに変換する能力を示
す電気機械結合定数k2と、出力電圧V0及び単位ビーム幅
当りのパワーP1,P2によりM=V0/(P1・P2)1/2で示さ
れる非線形性能指数Mとが大きいのが好ましい。
物理的非線形性を利用するものであり、基板としては、
電気的エネルギーを弾性エネルギーに変換する能力を示
す電気機械結合定数k2と、出力電圧V0及び単位ビーム幅
当りのパワーP1,P2によりM=V0/(P1・P2)1/2で示さ
れる非線形性能指数Mとが大きいのが好ましい。
しかし、この点から基板材料として最も好ましいもの
とされているYカット(Z伝搬)ニオブ酸リチウムを用
いた場合でさえ、上記の様な構成の従来の弾性表面波コ
ンボルバでは十分なコンボリューション効率(一定入力
に対するコンボリューション出力)が得られなかった。
とされているYカット(Z伝搬)ニオブ酸リチウムを用
いた場合でさえ、上記の様な構成の従来の弾性表面波コ
ンボルバでは十分なコンボリューション効率(一定入力
に対するコンボリューション出力)が得られなかった。
そこで、圧電基板上に該圧電基板よりも大きな2次非
線形性を有する有機誘電体膜を形成することにより、圧
電基板単体の場合よりも大きな非線形効果を得、コンボ
リューション効率を向上させる方法もある。
線形性を有する有機誘電体膜を形成することにより、圧
電基板単体の場合よりも大きな非線形効果を得、コンボ
リューション効率を向上させる方法もある。
しかしながら、有機誘電体膜上に真空蒸着等により薄
膜状の出力用電極を設ける場合には、該有機誘電体膜の
種類によっては電極蒸着時の加熱等により有機誘電体膜
の酸化、分解、昇華等が生ずることがあり、また、フォ
トリソグラフィー技術により電極パターンを作製する際
に溶剤等によって有機誘電体膜の溶解、劣化等が発生す
ることもあり、従って良好な特性の弾性表面波コンボル
バが得にくいという難点がある。更に、有機誘電体膜が
圧電基板に密着形成されるので、弾性表面波の伝搬時に
該弾性表面波が減衰せしめられ、このためにコンボリュ
ーション出力の低下をもたらすことがあり、コンボリュ
ーション効率の向上を安定的に実現することは困難であ
った。
膜状の出力用電極を設ける場合には、該有機誘電体膜の
種類によっては電極蒸着時の加熱等により有機誘電体膜
の酸化、分解、昇華等が生ずることがあり、また、フォ
トリソグラフィー技術により電極パターンを作製する際
に溶剤等によって有機誘電体膜の溶解、劣化等が発生す
ることもあり、従って良好な特性の弾性表面波コンボル
バが得にくいという難点がある。更に、有機誘電体膜が
圧電基板に密着形成されるので、弾性表面波の伝搬時に
該弾性表面波が減衰せしめられ、このためにコンボリュ
ーション出力の低下をもたらすことがあり、コンボリュ
ーション効率の向上を安定的に実現することは困難であ
った。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、圧
電基板と出力用電極との間に有機誘電体膜を設ける場合
の該有機誘電体膜の酸化、分解、昇華、溶解、劣化等を
回避することのできる弾性表面波コンボルバの製造方法
を提供することを目的とする。
電基板と出力用電極との間に有機誘電体膜を設ける場合
の該有機誘電体膜の酸化、分解、昇華、溶解、劣化等を
回避することのできる弾性表面波コンボルバの製造方法
を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、以上の如き目的は、 圧電基板上に弾性表面波を励振するための対をなす入
力用すだれ状電極が設けられており、該圧電基板上には
前記対をなすすだれ状電極から励振される弾性表面波を
相互作用させることにより該基板の非線形性を利用して
得られるコンボリューション信号を取出すための出力用
ブロック状電極が載置されている弾性表面波コンボルバ
を製造する方法であって、 前記出力用ブロック状電極の前記圧電基板に相対せし
められる面に前記圧電基板より大きな非線形性を有する
有機誘電体膜を形成し、該有機誘電体膜を形成した面を
前記圧電基板に相対させて該圧電基板上に前記出力用ブ
ロック状電極を載置することを特徴とする、弾性表面波
コンボルバの製造方法、 により達成される。
力用すだれ状電極が設けられており、該圧電基板上には
前記対をなすすだれ状電極から励振される弾性表面波を
相互作用させることにより該基板の非線形性を利用して
得られるコンボリューション信号を取出すための出力用
ブロック状電極が載置されている弾性表面波コンボルバ
を製造する方法であって、 前記出力用ブロック状電極の前記圧電基板に相対せし
められる面に前記圧電基板より大きな非線形性を有する
有機誘電体膜を形成し、該有機誘電体膜を形成した面を
前記圧電基板に相対させて該圧電基板上に前記出力用ブ
ロック状電極を載置することを特徴とする、弾性表面波
コンボルバの製造方法、 により達成される。
本発明による弾性表面波コンボルバの製造方法におい
ては、前記有機誘電体膜を形成した前記出力用ブロック
状電極を前記圧電基板上に載置する前に、前記圧電基板
のう前記出力用ブロック状電極の載置される表面に微小
突起を形成してもよい。
ては、前記有機誘電体膜を形成した前記出力用ブロック
状電極を前記圧電基板上に載置する前に、前記圧電基板
のう前記出力用ブロック状電極の載置される表面に微小
突起を形成してもよい。
また、本発明による弾性表面波コンボルバの製造方法
においては、前記出力用ブロック状電極に前記有機誘電
体膜を形成する前に、前記出力用ブロック状電極の前記
有機誘電体膜を形成する表面に微小突起を形成してもよ
い。
においては、前記出力用ブロック状電極に前記有機誘電
体膜を形成する前に、前記出力用ブロック状電極の前記
有機誘電体膜を形成する表面に微小突起を形成してもよ
い。
[実施例] 以下、図面を参照しながら本発明の具体的実施例を説
明する。
明する。
第1図は本発明による弾性表面波コンボルバの第1の
実施例を示す概略平面図であり、第2図はそのII−II概
略断面図である。尚、本図において、上記第4図及び第
5図におけると同様の部材には同一の符号が付されてい
る。
実施例を示す概略平面図であり、第2図はそのII−II概
略断面図である。尚、本図において、上記第4図及び第
5図におけると同様の部材には同一の符号が付されてい
る。
第1図及び第2図において、1はYカット(Z伝搬)
のニオブ酸リチウム等の圧電体からなる基板である。但
し、圧電基板1としては、その他のカット及び伝搬方向
ニオブ酸リチウムや更に他の弾性表面波デバイス用圧電
体を用いることもできる。
のニオブ酸リチウム等の圧電体からなる基板である。但
し、圧電基板1としては、その他のカット及び伝搬方向
ニオブ酸リチウムや更に他の弾性表面波デバイス用圧電
体を用いることもできる。
2,3は該基板上に形成された入力電気信号を弾性表面
波に変換するための入力用すだれ状電極であり、4aはこ
れら2つのすだれ状電極の間において基板1上に配置さ
れたコンボリューション信号を取出すための出力用ブロ
ック状電極である。また、5,6は基板1上に形成された
グランド電極である。上記電極2,3,5,6はアルミニウム
等の導電性材料からなり、通常のフォトリソグラフィー
の技術を用いて作製される。また、上記電極4aは銅等の
ブロック状導電性材料からなる。該ブロック状電極の基
板1側の面即ち下面は十分に良好な面精度に研磨されて
おり、ここには有機誘電体膜7が付されている。そし
て、該誘電体膜の付されたブロック状電極4aは基板1上
に載置され所定の位置に保持されている。誘電体膜7は
基板1よりも非線形性が大きいものであり、この様なも
のとしては、たとえば2−メチル−4−ニトロアニリン
やp−ニトロアニリンをポリオキシエチレン中に分散さ
せ分極処理した物質等を用いることができる。該誘電体
膜は真空蒸着法やスピンコート法により容易にブロック
状電極4aに付することができる。該誘電体膜の厚さはた
とえば数1000オングストローム〜数ミクロン程度であ
る。
波に変換するための入力用すだれ状電極であり、4aはこ
れら2つのすだれ状電極の間において基板1上に配置さ
れたコンボリューション信号を取出すための出力用ブロ
ック状電極である。また、5,6は基板1上に形成された
グランド電極である。上記電極2,3,5,6はアルミニウム
等の導電性材料からなり、通常のフォトリソグラフィー
の技術を用いて作製される。また、上記電極4aは銅等の
ブロック状導電性材料からなる。該ブロック状電極の基
板1側の面即ち下面は十分に良好な面精度に研磨されて
おり、ここには有機誘電体膜7が付されている。そし
て、該誘電体膜の付されたブロック状電極4aは基板1上
に載置され所定の位置に保持されている。誘電体膜7は
基板1よりも非線形性が大きいものであり、この様なも
のとしては、たとえば2−メチル−4−ニトロアニリン
やp−ニトロアニリンをポリオキシエチレン中に分散さ
せ分極処理した物質等を用いることができる。該誘電体
膜は真空蒸着法やスピンコート法により容易にブロック
状電極4aに付することができる。該誘電体膜の厚さはた
とえば数1000オングストローム〜数ミクロン程度であ
る。
尚、第2図に示される様に、基板1の上面にはランダ
ムに多数の微小突起8が形成されている。該微小突起は
数ミクロン角で高さ数1000オングストローム以下の形状
であり、これは基板表面をドライエッチングすることに
よりランダムな位置に形成することができる。該微小突
起はスペーサとしての役割を有し、従って上記有機誘電
体膜7と基板1との間には部分的にエアーギャップ9が
形成される。尚、該エアーギャップは微小突起8の高さ
を適宜設定することによりたとえば数1000オングストロ
ーム以下とすることができ、更にスペーサとしては上記
スポット状の微小突起8のかわりに線状の微小突起を用
いることもできる。
ムに多数の微小突起8が形成されている。該微小突起は
数ミクロン角で高さ数1000オングストローム以下の形状
であり、これは基板表面をドライエッチングすることに
よりランダムな位置に形成することができる。該微小突
起はスペーサとしての役割を有し、従って上記有機誘電
体膜7と基板1との間には部分的にエアーギャップ9が
形成される。尚、該エアーギャップは微小突起8の高さ
を適宜設定することによりたとえば数1000オングストロ
ーム以下とすることができ、更にスペーサとしては上記
スポット状の微小突起8のかわりに線状の微小突起を用
いることもできる。
本実施例における出力用ブロック状電極4aは真空蒸着
等により作製される密着電極と同程度の性能を有するこ
とが知られている(「長,山之内,“超高周波用コンボ
ルバの取り出し電極に関する一考察",昭和58年度電子通
信学会総合全国大会予稿集」参照)。
等により作製される密着電極と同程度の性能を有するこ
とが知られている(「長,山之内,“超高周波用コンボ
ルバの取り出し電極に関する一考察",昭和58年度電子通
信学会総合全国大会予稿集」参照)。
この様な弾性表面波コンボルバにおけるコンボリュー
ション信号の取出しは、上記第4図及び第5図に示され
る従来の弾性表面波コンボルバと同様にして行なうこと
ができる。即ち、入力用すだれ状電極2,3にそれぞれ搬
送角周波数ωの2つの信号を入力し、これらの電気信号
を弾性表面波信号に変換し、これら弾性表面波を圧電基
板1の表面で互いに反対向きに伝搬させ、基板の物理的
非線形効果を利用して出力用ブロック状電極4aから搬送
角周波数2ωのコンボリューション信号を取出すことが
できる。
ション信号の取出しは、上記第4図及び第5図に示され
る従来の弾性表面波コンボルバと同様にして行なうこと
ができる。即ち、入力用すだれ状電極2,3にそれぞれ搬
送角周波数ωの2つの信号を入力し、これらの電気信号
を弾性表面波信号に変換し、これら弾性表面波を圧電基
板1の表面で互いに反対向きに伝搬させ、基板の物理的
非線形効果を利用して出力用ブロック状電極4aから搬送
角周波数2ωのコンボリューション信号を取出すことが
できる。
本実施例においては、有機誘電体膜7の付されたブロ
ック状電極4aが基板1上に載置されており、更に有機誘
電体膜7と基板1との間に部分的にエアーギャップが形
成されているので、入力用電極2,3により励振された弾
性表面波は出力用電極4aの下方の領域においても有機誘
電体膜7による減衰が少なく、従って出力用ブロック状
電極4aに対応する領域全体にわたって良好に相互作用が
行なわれ、良好な効率で弾性表面波コンボリューション
信号が得られる。この弾性表面波信号に基づく電場の空
気中への漏れが上記エアーギャップ9を介して有機誘電
体膜7と相互作用を起し、かくしてブロック状電極4aに
よりコンボリューション出力を得ることができる。
ック状電極4aが基板1上に載置されており、更に有機誘
電体膜7と基板1との間に部分的にエアーギャップが形
成されているので、入力用電極2,3により励振された弾
性表面波は出力用電極4aの下方の領域においても有機誘
電体膜7による減衰が少なく、従って出力用ブロック状
電極4aに対応する領域全体にわたって良好に相互作用が
行なわれ、良好な効率で弾性表面波コンボリューション
信号が得られる。この弾性表面波信号に基づく電場の空
気中への漏れが上記エアーギャップ9を介して有機誘電
体膜7と相互作用を起し、かくしてブロック状電極4aに
よりコンボリューション出力を得ることができる。
本実施例では、有機誘電体膜7がブロック状電極4aの
表面上に直接形成されているので、基板1上に有機誘電
体膜を形成し更にその上に真空蒸着等により出力用電極
を設ける場合の様に有機誘電体膜を劣化させることがな
く、良好な特性の弾性表面波コンボルバを得ることがで
きる。
表面上に直接形成されているので、基板1上に有機誘電
体膜を形成し更にその上に真空蒸着等により出力用電極
を設ける場合の様に有機誘電体膜を劣化させることがな
く、良好な特性の弾性表面波コンボルバを得ることがで
きる。
第3図は本発明による弾性表面波コンボルバの第2の
実施例を示す概略断面図であり、上記第2図に対応する
図である。本図において、上記第2図におけると同様の
部材には同一の符号が付されている。
実施例を示す概略断面図であり、上記第2図に対応する
図である。本図において、上記第2図におけると同様の
部材には同一の符号が付されている。
本実施例では、ブロック状電極4aの下面を研磨時に粗
く(表面粗さたとえば数1000オングストローム程度)形
成しておき且つ該粗面に対し有機誘電体膜7を付するこ
とにより該有機誘電体膜の下面を粗面となし、かくして
該誘電体膜と基板との間に部分的にエアーギャップを形
成している。これにより上記第1実施例と同様のスペー
サ効果が得られる。
く(表面粗さたとえば数1000オングストローム程度)形
成しておき且つ該粗面に対し有機誘電体膜7を付するこ
とにより該有機誘電体膜の下面を粗面となし、かくして
該誘電体膜と基板との間に部分的にエアーギャップを形
成している。これにより上記第1実施例と同様のスペー
サ効果が得られる。
本実施例においても、上記第1実施例と同様の作用効
果が得られる。
果が得られる。
上記実施例では、すだれ状電極2,3として通常のシン
グル電極が用いられているが、本発明においては、弾性
表面波の電極間反射の影響を低減するため、これら入力
用電極としてダブル電極を用いてもよい。
グル電極が用いられているが、本発明においては、弾性
表面波の電極間反射の影響を低減するため、これら入力
用電極としてダブル電極を用いてもよい。
更に、上記実施例では入力用電極2,3により励振され
る弾性表面波のビーム幅はブロック状電極4aの幅とほぼ
等しく設定されているが、本発明においては比較的幅の
大きなすだれ状電極を用いてビーム幅の大きな弾性表面
波を励振させ、ホーン型導波路またはマルチストリップ
カプラ等のビーム幅変換器を通してビーム幅を圧縮した
上で相互作用させてもよい。
る弾性表面波のビーム幅はブロック状電極4aの幅とほぼ
等しく設定されているが、本発明においては比較的幅の
大きなすだれ状電極を用いてビーム幅の大きな弾性表面
波を励振させ、ホーン型導波路またはマルチストリップ
カプラ等のビーム幅変換器を通してビーム幅を圧縮した
上で相互作用させてもよい。
また、セルフコンボリューションを抑圧するためにツ
ートラック構造としても良い。更に、出力用ブロック状
電極が分割されていてもよい。
ートラック構造としても良い。更に、出力用ブロック状
電極が分割されていてもよい。
[発明の効果] 以上の様に、本発明によれば、出力用電極としてブロ
ック状電極を用い、該ブロック状電極の圧電基板側の面
に該圧電基板よりも非線形性の大きな有機誘電体膜を付
与した後に、該出力用ブロック状電極を前記圧電基板上
に載置する様にしたことにより、圧電基板上に有機誘電
体膜を形成した後に出力用電極を形成する場合に生ずる
加熱等の際の有機誘電体膜の酸化、分解、昇華等や、フ
ォトリソグラフィー技術にて電極パターンを形成する際
の溶剤等による有機誘電体膜の溶解、劣化等を回避する
ことができる。また、有機誘電体膜を形成した出力用ブ
ロック状電極を圧電基板上に載置する前に該圧電基板の
表面に微小突起を形成しておくか、もしくは、有機誘電
体膜を出力用ブロック状電極に形成する前に該出力用ブ
ロック状電極の有機誘電体膜を形成すべき面に微小突起
を形成しておくことにより、有機誘電体膜を形成した出
力用ブロック状電極と圧電基板との間にエアーギャップ
が形成されるため、圧電基板上における有機誘電体膜に
よる弾性表面波の減衰を低減させることができる。
ック状電極を用い、該ブロック状電極の圧電基板側の面
に該圧電基板よりも非線形性の大きな有機誘電体膜を付
与した後に、該出力用ブロック状電極を前記圧電基板上
に載置する様にしたことにより、圧電基板上に有機誘電
体膜を形成した後に出力用電極を形成する場合に生ずる
加熱等の際の有機誘電体膜の酸化、分解、昇華等や、フ
ォトリソグラフィー技術にて電極パターンを形成する際
の溶剤等による有機誘電体膜の溶解、劣化等を回避する
ことができる。また、有機誘電体膜を形成した出力用ブ
ロック状電極を圧電基板上に載置する前に該圧電基板の
表面に微小突起を形成しておくか、もしくは、有機誘電
体膜を出力用ブロック状電極に形成する前に該出力用ブ
ロック状電極の有機誘電体膜を形成すべき面に微小突起
を形成しておくことにより、有機誘電体膜を形成した出
力用ブロック状電極と圧電基板との間にエアーギャップ
が形成されるため、圧電基板上における有機誘電体膜に
よる弾性表面波の減衰を低減させることができる。
第1図は本発明による弾性表面波コンボルバを示す概略
平面図であり、第2図はそのII−II概略断面図である。 第3図は本発明による弾性表面波コンボルバを示す概略
断面図である。 第4図は従来の弾性表面波コンボルバを示す概略平面図
であり、第5図はそのV−V概略断面図である。 1:基板、 2,3:入力用すだれ状電極、 4a:出力用ブロック状電極、 5,6:グランド電極、 7:有機誘電体膜、 8:微小突起、9:エアーギャップ。
平面図であり、第2図はそのII−II概略断面図である。 第3図は本発明による弾性表面波コンボルバを示す概略
断面図である。 第4図は従来の弾性表面波コンボルバを示す概略平面図
であり、第5図はそのV−V概略断面図である。 1:基板、 2,3:入力用すだれ状電極、 4a:出力用ブロック状電極、 5,6:グランド電極、 7:有機誘電体膜、 8:微小突起、9:エアーギャップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−227110(JP,A) 特開 昭62−195910(JP,A) 特開 昭62−195907(JP,A) 特開 昭63−76514(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】圧電基板上に弾性表面波を励振するための
対をなす入力用すだれ状電極が設けられており、該圧電
基板上には前記対をなすすだれ状電極から励振される弾
性表面波を相互作用させることにより該基板の非線形性
を利用して得られるコンボリューション信号を取出すた
めの出力用ブロック状電極が載置されている弾性表面波
コンボルバを製造する方法であって、 前記出力用ブロック状電極の前記圧電基板に相対せしめ
られる面に前記圧電基板より大きな非線形性を有する有
機誘電体膜を形成し、該有機誘電体膜を形成した面を前
記圧電基板に相対させて該圧電基板上に前記出力用ブロ
ック状電極を載置することを特徴とする、弾性表面波コ
ンボルバの製造方法。 - 【請求項2】前記有機誘電体膜を形成した前記出力用ブ
ロック状電極を前記圧電基板上に載置する前に、前記圧
電基板の前記出力用ブロック状電極の載置される表面に
微小突起を形成する、請求項1に記載の弾性表面波コン
ボルバの製造方法。 - 【請求項3】前記出力用ブロック状電極に前記有機誘電
体膜を形成する前に、前記出力用ブロック状電極の前記
有機誘電体膜を形成する表面に微小突起を形成する、請
求項1に記載の弾性表面波コンボルバの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63227610A JP2625520B2 (ja) | 1988-09-13 | 1988-09-13 | 弾性表面波コンボルバの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63227610A JP2625520B2 (ja) | 1988-09-13 | 1988-09-13 | 弾性表面波コンボルバの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0276408A JPH0276408A (ja) | 1990-03-15 |
JP2625520B2 true JP2625520B2 (ja) | 1997-07-02 |
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ID=16863637
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JP63227610A Expired - Fee Related JP2625520B2 (ja) | 1988-09-13 | 1988-09-13 | 弾性表面波コンボルバの製造方法 |
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WO2007129643A1 (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-15 | Japan Advanced Institute Of Science And Technology | 有機半導体材料を用いた電界効果トランジスタおよびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62195907A (ja) * | 1986-02-21 | 1987-08-29 | Murata Mfg Co Ltd | 表面弾性波素子 |
JPS62195910A (ja) * | 1986-02-21 | 1987-08-29 | Murata Mfg Co Ltd | 表面弾性波素子 |
JPS6376514A (ja) * | 1986-09-19 | 1988-04-06 | Hitachi Ltd | 弾性表面波装置 |
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1988
- 1988-09-13 JP JP63227610A patent/JP2625520B2/ja not_active Expired - Fee Related
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