JP2624578B2 - オレフィン重合用触媒成分及びポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒成分及びポリオレフィンの製造方法

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JP2624578B2
JP2624578B2 JP41388390A JP41388390A JP2624578B2 JP 2624578 B2 JP2624578 B2 JP 2624578B2 JP 41388390 A JP41388390 A JP 41388390A JP 41388390 A JP41388390 A JP 41388390A JP 2624578 B2 JP2624578 B2 JP 2624578B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン重合用触媒
成分及びポリオレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】チーグ
ラー型触媒と一般に呼ばれているオレフィン重合用触媒
は、遷移金属化合物成分と有機金属化合物成分とから一
般に構成されている。それら二成分のうち、前者の遷移
金属化合物成分の調製に塩化マグネシウムやマグネシウ
ムジアルコキシドを担体原料として用いる技術が従来よ
り広範に実施されており、またその関連技術として極め
て多くのものが存在している。
【0003】しかしながら、これらのマグネシウム化合
物をオレフィン重合用触媒の担体原料として用いる場
合、触媒としての活性向上及び生成ポリマーの粒径制御
のために最適粒径のものを用いる必要があり、マグネシ
ウム化合物のみを粉砕して担体原料とする場合もあれ
ば、未粉砕のマグネシウム化合物をエステル等で処理す
る際に共粉砕するという形態をとる場合もあるが、いず
れにせよ機械的粉砕等の処理が不可欠の操作となってい
る。かかる粉砕処理等を施さないものを担体原料として
用いた場合、重合活性は低く、遷移金属(例えばチタ
ン)それ自体の担持量が低いため、単位触媒あたりの生
産性が低く、これに起因してポリマー中の残留塩素量が
多くなる等の問題が生じる。更に、得られるポリマー粒
子の形状や粒径分布にも問題があり、ポリオレフィンを
製造する際のプロセス上のトラブル(例えば、多発した
微粉ポリマーのための移送ラインの閉塞)が生じる原因
にもなる。それゆえ、粉砕工程は非常に重要なものと認
識され、その機械的粉砕のための条件設定(湿式か又は
乾式かという粉砕方式、粉砕品の形状に影響を与える粉
砕機、粉砕強度、粉砕時間等)などの工程一つをとって
みても、相当な労力、コストのかかるものであった。
【0004】また、生成ポリマーの粒径、形状等、いわ
ゆるモルフォロジー改良を目的として、シリカ等の無機
酸化物上にマグネシウムを担持させる方法(特開昭61
−291604、同61−291105、同62−11
9203、又は同62−119204号各公報)や、マ
グネシウム化合物を一旦アルコール等の溶媒に溶解した
後、再び析出させたものを用いる方法(特開昭56−8
11号公報)も知られているが、これらにおいては粉砕
工程は省略できるものの、担持処理や溶解、析出処理が
必須となるため工程的にも極めて煩雑になり、触媒の性
能安定性にかけるという欠点がある。
【0005】かかる現状に鑑み、本発明者らは鋭意検討
を行なった結果、金属マグネシウム、アルコール及び特
定量のハロゲンを反応させて得た生成物は、粒径分布が
狭く、粉砕処理等の最適粒径調整処理を施さなくてもそ
のままオレフィン重合用触媒の担体原料として使用で
き、その場合、従来と同等以上のチタン担持量、重合活
性、立体規則性を発現しつつ、生成するポリマーにおい
て、そのモルフォロジーも格段に優れているという驚く
べき事実を見出した。更には、金属マグネシウム、アル
コール及びハロゲンの反応条件を適宜選択すれば、生成
するポリマーのモルフォロジー制御も自由に行なうこと
ができることも見出した。
【0006】ところで、本発明にかかる金属マグネシウ
ム、アルコール及び特定量のハロゲンを反応させて得た
生成物は、従来知られているいかなるマグネシウム系担
体原料とも全く異なる物質である。事実、従来より金属
マグネシウムとアルコールを反応させる際には少量のヨ
ウ素や、オルトギ酸エチル等を投入することが知られて
いる(特公昭46−7093号公報、米国特許第4,4
12,132号明細書)が、これらの反応においてはヨ
ウ素等は単に反応開始剤として用いられているに過ぎ
ず、量的にもごく微量である。それに比べ、本発明にお
いて用いるハロゲンの量が反応開始剤として用いるより
はるかに多量であることからも、本発明にかかる生成物
がこれら従来技術に示されているものとは全く異なるも
のであることがわかる。すなわち、本発明は従来知られ
ている全く新しいオレフィン重合用触媒の担体原料を提
供し、かつそれを用いた固体触媒組成物及びポリオレフ
ィンの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、オレフィン重合用固体触媒成分調製に用い
る固体生成物であって、金属マグネシウム、アルコー
ル、及び金属マグネシウム1モルに対し0.0001グ
ラム原子以上の量のハロゲンを反応させて得られる固体
生成物を提供する。また、本発明は、(a)金属マグネ
シウム、アルコール、及び金属マグネシウム1モルに対
し0.0001グラム原子以上の量のハロゲンを反応さ
せて得られる固体生成物と(b)下記一般式(I)に示
すチタン化合物と(c)場合により、電子供与性化合物
とを用いて得られる固体触媒組成物を提供する。 TiXn(OR)4-n・・・(I) (式中、Xはハロゲン原子、特に塩素原子であり、Rは
炭素原子数1〜10の炭化水素基、特に直鎖または分岐
鎖のアルキル基であり、基Rが複数存在する場合にはそ
れらは互に同じでも異なっていてもよい。nは0〜4の
整数である。)さらに、本発明は、(A)(a)金属マ
グネシウム、アルコール、及び金属マグネシウム1モル
に対し0.0001グラム原子以上の量のハロゲンを反
応させて得られる固体生成物と(b)前記チタン化合物
と(c)場合により、電子供与性化合物とを用いて得ら
れる固体触媒成分と、(B)有機金属化合物と、(C)
場合により、電子供与性化合物と、を用いるポリオレフ
ィンの製造方法を提供する。
【0008】この場合、上記固体生成物(a)は、下記
式(1)で示される球形度(S)がS<1.60であ
り、かつ下記式(2)で示される粒径分布指数(P)が
P<5.0であることが好ましい。 S=(E1/E2)2 ・・・(1) (ここで、E1は粒子の投影の輪郭長、E2は投影面積
に等しい円の周長を示す。) P=D90/D10 ・・・(2) (ここで、D90は累積重量分率が90%に対応する粒
子径、D10は累積重量分率が10%に対応する粒子径
を示す。)また、上記式(1)で示される球形度(S)
がS<1.60であり、かつ上記式(2)で示される粒
径分布指数(P)がP<5.0である固体生成物は、金
属マグネシウム、アルコール、及び金属マグネシウム1
モルに対し0.0001グラム原子以上の量のハロゲン
を反応させて得られたもの以外であっても、触媒の担体
原料として良好な性質を示す。さらに、固体生成物は、
CuKα線で測定したX線回折スペクトルにおいて散乱
角5〜20゜の範囲に強ピーク3本が出現し、しかもこ
れらのピークを低散乱角側から順にピークa、ピークb
及びピークcとした場合に、ピーク強度比b/cが0.
4以上であることが好ましい。本発明のポリオレフィン
の製造方法によれば、上記式(1)で示される球形度
(S)がS<1.60であり、かつ上記式(2)で示さ
れる粒径分布指数(P)がP<5.0であるポリオレフ
ィンパウダーを良好に得ることができる。以下、本発明
を更に詳しく説明する。
【0009】本発明で用いる固体生成物(a)は、金属
マグネシウムとハロゲンとアルコールとから得る。この
場合、金属マグネシウムの形状等は得に限定されない。
従って、任意の粒径の金属マグネシウム、例えば顆粒
状、リボン状、粉末状等の金属マグネシウムを用いるこ
とができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に
限定されないが、表面に酸化マグネシウム等の被膜が生
成されていないものが好ましい。また、アルコールとし
ては任意のものを用いることができるが、炭素原子数1
〜6の低級アルコールを用いることが好ましい。特に、
エタノールを用いると、触媒性能の発現を著しく向上さ
せる固体生成物が得られるので好ましい。アルコールの
純度及び含水量も限られないが、含水量の多いアルコー
ルを用いると金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウ
ム[Mg(OH)2]が生成されるので、含水量が1%
以下、特に2000ppm以下のアルコールを用いるこ
とが好ましい。更に、より良好なモルフォロジーを有す
る固体生成物(a)を得るためには、水分は少なければ
少ないほど好ましく、一般的には200ppm以下が望
ましい。
【0010】ハロゲンの種類については特に制限されな
いが、塩素、臭素又はヨウ素、特にヨウ素が好適に使用
される。これらの状態、形状、粒度等は得に限定され
ず、任意のものでよく、例えばアルコール系溶媒(例え
ば、エタノール)中の溶液の形で用いることができる。
アルコールの量については問わないが、金属マグネシウ
ム1モルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ま
しくは5〜50モルである。アルコール量が多すぎる場
合、モルフォロジーの良好な固体生成物(a)の収率が
低下するおそれがあり、少なすぎる場合は、反応槽での
撹拌がスムーズに行なわれなくなるおそれがある。しか
し、そのモル比に限定されるものではない。ハロゲンの
使用量は、金属マグネシウム1モルに対して、0.00
01グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原
子以上、更に好ましくは0.001グラム原子以上であ
る。0.0001グラム原子未満の場合、ハロゲンを反
応開始剤として用いる量と大差なく、得られた固体生成
物(a)を粉砕することなく用いた場合、担持量、活
性、立体規則性、生成ポリマーのモルフォロジー等すべ
てにおいて不良となる。そのため、固体生成物(a)の
粉砕処理が不可欠なものとなる。ハロゲン使用量の上限
については特に定めないが、本発明でいう固体生成物
(a)が得られる範囲で適宜選択すればよい。一般的に
は、0.06グラム原子未満の範囲で選ばれる。また、
ハロゲンの使用量を適宜選択することにより、固体生成
物(a)の粒径を自由にコントロールすることが可能で
ある。
【0011】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
との反応それ自体は、公知の方法と同様に実施すること
ができる。即ち、金属マグネシウムとアルコールとハロ
ゲンとを、還流下(約79℃)で、水素ガスの発生が認
められなくなるまで(通常、約20〜30時間)反応さ
せて固体生成物を得る方法である。具体的には、例えば
ハロゲンとしてヨウ素を用いる場合、金属マグネシウ
ム、アルコール中に固体状のヨウ素を投入し、しかる後
に加熱し還流する方法、金属マグネシウム、アルコール
中にヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し還流す
る方法や、金属マグネシウム、アルコール溶液を加熱し
つつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法などが挙げ
られる。いずれの方法も、不活性ガス(例えば、窒素ガ
ス、アルゴンガス)雰囲気下で、場合により不活性有機
溶媒(例えば、n−ヘキサン等の飽和炭化水素)を用い
て行なうことが好ましい。金属マグネシウム、アルコー
ル、ハロゲンの投入については、最初から各々全量を反
応槽に投入しておく必要はなく、分割して投入してもよ
い。特に好ましい形態は、アルコールを最初から全量投
入しておき、金属マグネシウムを数回に分割して投入す
る方法である。このようにした場合、水素ガスの一時的
な大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望まし
い。また、反応槽も小型化することが可能となる。更に
は、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされる
アルコールやハロゲンの飛沫同伴を防ぐことも可能とな
る。分割する回数は、反応槽の規模を勘案して決めれば
よく、特に問わないが、操作の煩雑さを考えると通常5
〜10回が好適である。また、反応自体は、バッチ式、
連続式のいずれでもよいことは言うまでもないさらに
は、変法として、最初から全量投入したアルコール中に
金属マグネシウムを先ず少量投入し、反応により生成し
た生成物を別の槽に分離して除去した後、再び金属マグ
ネシウムを少量投入するという操作を繰り返すことも可
能である。
【0012】こうして得た固体生成物を、次の固体触媒
組成物の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いても
よく、また瀘別後ヘプタン等の不活性倍で洗浄したもの
を用いてもよい。いずれの場合においても、得られた固
体生成物(a)は、粉砕あるいは粒度分布をそろえるた
めの分級操作をすることなく以下の工程に用いることが
できる。また、固体生成物(a)は球状に近く、しかも
粒径分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つを
とってみても、球形度のばらつきは非常に小さい。この
場合、前記(1)式で表わされる球形度(S)が1.6
0未満であり、かつ前記(2)式で表わされる粒径分布
指数(P)が5.0未満であることが好ましい。ここ
で、D90とは重量累積分率が90%に対応する粒子径
をいう。即ちD90であらわされる粒子径より小さい粒
子群の重量和が全粒子総重量和の90%であることを示
している。D10も同様である。さらに、前記(1)式
で表わされる球形度(S)が1.60未満であり、かつ
前記(2)式で表わされる粒径分布指数(P)が5.0
未満である固体生成物は、少なくとも金属マグネシウム
又はRMgR′(R,R′はアルキル基であって両者は
同一でも異なっていてもよい)で表わされるマグネシウ
ム化合物とアルコールとから得られたものであれば触媒
用担体として好適に使用できる。
【0013】本発明では、下記一般式(I)に示すチタ
ン化合物を、チタン化合物(b)として用いる。 TiXn(OR)4-n ・・・(I) (式中、Xはハロゲン原子、特に塩素原子であり、Rは
炭素原子数1〜10の炭化水素基、特に直鎖または分岐
鎖のアルキル基であり、基Rが複数存在する場合にはそ
れらは互に同じでも異なっていてもよい。nは0〜4の
整数である。)具体的には、Ti(O−i−C
374、Ti(O−C494、TiCl(O−C
253、TiCl(O−i−C373、TiCl(O
−C493、TiCl2(O−C492、TiCl
2(O−i−C372、TiCl4等を挙げることがで
きる。
【0014】本発明の固体触媒成分は、必要に応じて任
意の電子供与性化合物(c)を用いることができる。そ
れらの電子供与性化合物(c)は、通常は、酸素、窒
素、リンあるいは硫黄を含有する有機化合物である。具
体的には、アミン類、アミド類、ケトン類、ニトリル
類、ホスフィン類、ホスミルアミド類、エステル類、エ
ーテル類、チオエーテル類、アルコール類、チオエステ
ル類、酸無水物類、酸ハライド類、アルデヒド類、有機
酸類、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物等を
挙げることができ、より具体的には下記のものを挙げる
ことができる。
【0015】芳香族カルボン酸、例えば、安息香酸、p
−オキシ安息香酸;酸無水物、例えば、無水コハク酸、
無水安息香酸、無水p−トルイル酸;炭素原子数3〜1
5のケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾ
フェノン、ベンゾキノン;炭素原子数2〜15のアルデ
ヒド類、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデ
ヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデド、ナフトア
ルデヒド;炭素原子数2〜18のエステル類、例えば、
ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘ
キシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチ
ル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エ
チル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、ピバリ
ン酸エチル、マレイン酸ジメチル、シクロヘキサンカル
ボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息
香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安
息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベ
ンジル、トリイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイ
ル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、
アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、p−ブトキ
シ安息香酸エチル、o−クロル安息香酸エチル、ナフト
エ酸エチル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、クマリン、フタリド、炭酸エチレン;芳香族ジカル
ボン酸のモノ及びジエステル、例えばフタル酸のモノエ
ステル及びジエステルが好ましく、例えば、モノメチル
フタレート、ジメチルフタレート、モノメチルテレフタ
レート、ジメチルテレフタレート、モノエチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、モノエチルテレフタレート、
ジエチルテレフタレート、モノプロピルフタレート、ジ
プロピルフタレート、モノプロピルテレフタレート、ジ
プロピルテレレート、モノブチルフタレート、ジブチル
フタレート、モノブチルテレフタレート、ジブチルテレ
フタレート、モノイソブチルフタレート、ジイソブチル
フタレート、モノアミルフタレート、ジアミルフタレー
ト、モノイソアミルフタレート、ジイソアミルフタレー
ト、エチルブチルフタレート、エチルイソブチルフタレ
ート、エチルプロピルフタレート、
【0016】炭素原子数2〜20の酸ハロゲン化物類、
この酸ハロゲン化物の酸部分(アシル基部分)として
は、炭素数2〜20程度の脂肪族(脂環族等の環を有す
るものも含む)系の一塩基性、二塩基性または三塩基性
酸からそれぞれの水酸基を引き抜いた1価〜3価のアシ
ル酸、あるいは炭素数7〜20程度の芳香族(アルカリ
ール型やアラルキル型のものも含む。)系の一塩基性、
二塩基性または三塩基性酸からそれぞれの水酸基を引き
抜いた1価〜3価のアシル基などが好ましい。また、前
記酸ハロゲン化物中のハロゲン原子としては、塩素原
子、臭素原子などが好ましく、特に塩素原子が好まし
い。本発明において、好適に使用するこのできる酸ハロ
ゲン化物としては、例えば、アセチルクロリド、アセチ
ルブロミド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリ
ド、イソブチリルクロリド、2−メチルプロピオニルク
ロリド、バレリルクロリド、イソバレリルクロリド、ヘ
キサノイルクロリド、メチルヘキサノイルクロリド、2
−エチルヘキサノイルクロリド、オクタノイルクロリ
ド、デカノイルクロリド、ウンデカノイルクロリド、ヘ
キサデカノイルクロリド、オクタデカノイルクロリド、
ヘンジルカルボニルクロリド、ジクロヘキサンカルボニ
ルクロリド、マロニルジクロリド、スクシニルジクロリ
ド、ペンタンジオイルジクロリド、ヘキサンジオイルジ
クロリド、ジクロヘキサンジカルボニルジクロリド、ベ
ンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、メチルベンゾ
イルクロリド、フタロイルクロリド、イソフタロイルク
ロリド、テレフタロイルクロリド、ベンゼン−1,2,
4−トリカルボニルトリクロリドなどを挙げることがで
きる。これらの中でも、特にフタロイルクロリド、イソ
フタロイルクロリド、テレフタロイルクロリドなどが好
ましく、特にフタロイルクロリドが好ましい。なお、こ
れらの酸ハロゲン化物は、一種を単独で使用してもよい
し、二種以上を併用してもよい。
【0017】炭素原子数2〜20のエーテル類、例え
ば、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル、n−ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、エチ
レングリコールブチルエーテル;酸アミド、例えば、酢
酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミド;アミン
類、例えば、トリブチルアミン、N、N′−ジメチルピ
ペラジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、
ピロリン、テトラメチルエチレンジアミン;ニトリル
類、例えば、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニ
トリル;テトラメチル尿素、ニトロベンゼン、リチウム
ブチレート;Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合
物、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチル
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、γ−クロルプロピル
トトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルト
リエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、
ビニルトリブトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチ
ル、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキ
シシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエト
キシジシロキサン等を挙げることができる。これらのう
ち、好ましいものは、エステル類、エーテル類、ケトン
類、酸無水物等である。
【0018】固体触媒成分(A)は、前記の固体生成物
(a)と、前記チタン化合物(b)と、必要に応じて電
子供与性化合物(c)とを用い、公知の方法で調製する
ことができる。例えば、固体生成物(a)と電子供与性
化合物(c)とを接触させた後、前記チタン化合物
(b)と接触させるのが好ましい。固体生成物(a)に
電子供与性化合物(c)を接触させる際の条件には特に
制限はなく、各種の事情に応じて適宜定めればよい。通
常は、マグネシウム原子換算で固体生成物(a)1モル
に対して電子供与性化合物(c)0.01〜10モル、
好ましくは0.05〜5モル%を加え、0〜200℃に
て5分〜10時間の条件、好ましくは30〜150℃に
て30分〜3時間の条件で接触反応を行なえばよい。な
お、この反応系には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンま
たはオクタン等の不活性炭化水素を溶媒として加えるこ
ともできる。固体生成物(a)に、またはそれと電子供
与性化合物(c)との接触生成物に、前記チタン化合物
(b)を接触させる際の条件には特に制限はないが、通
常は生成物中のマグネシウム1モルに対して、前記チタ
ン化合物(b)を1〜50モル、好ましくは2〜20モ
ルの範囲で加え、0〜200℃にて5分〜10時間、好
ましくは30〜150℃にて30分〜5時間反応させ
る。前記チタン化合物(b)との接触は、液体状のチタ
ン化合物(例えば、四塩化チタン)はそれ単独で、それ
以外のチタン化合物は任意の不活性炭化水素溶媒(例え
ば、ヘキサン、ヘプタン、灯油)に溶解させた状態で行
なうことができる。また、前記の固体生成物(a)と前
記チタン化合物(b)と、必要に応じて電子供与性化合
物(c)との前記の接触の前に、例えば、ハロゲン化炭
化水素、ハロゲン含有ケイ素化合物、ハロゲンガス、塩
化水素、ヨウ化水素等を固体生成物(a)に接触させる
こともできる。なお、反応終了後は、不活性炭化水素
(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、生成物を
洗浄するのが好ましい。
【0019】固体触媒成分は、細孔容積が0.4cc/
g以上で、比表面積が300m2/g以上であることが
好ましい。細孔容積または比表面積のいずれかが上記範
囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。な
お、細孔容積及び比表面積は、例えばBET法に従っ
て、吸着された窒素ガスの体積から求めることができる
[「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエ
テイ(J.Am.Chem.Soc.)」第60巻、第309ページ(19
83年)参照]。
【0020】本発明製造方法では、有機金属化合物
(B)として、周期率表第1族〜第3族の金属を含む任
意の有機化合物を好適に用いることができる。この周期
率表第1族〜第3族の金属としては、例えば、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カドミウム、アルミ
ニウム等を挙げることができ、特にアルミニウムが好ま
しい。有機金属化合物(B)の具体例を示せば、アルキ
ルリチウム、例えば、メチルリチウム、エチルリチウ
ム、プロピルリチウムまたはブチルリチウム;ジアルキ
ル亜鉛、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロ
ピル亜鉛またはジブチル亜鉛等がある。
【0021】また、有機アルミニウム化合物としては、
一般式 AlR4 m2 3-m (式中、R4は炭素原子数1〜10のアルキル基、シク
ロアルキル基、またはアリール基であり、mは1〜3の
整数であり、X2はハロゲン原子例えば塩素原子または
臭素原子である)で表わされる化合物が広く用いられ
る。具体的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウムまたはトリオクチルアルミニウム;あるい
は、ジアルキルアルミニウムモノハライド化合物、例え
ば、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジプロピルア
ルミニウムモノクロリドまたはジオクチルアルミニウム
モノクロリド等を挙げることができる。
【0022】本発明製造方法においては、必要に応じて
電子供与性化合物(C)を併用することができる。この
場合、電子供与性化合物(C)としては、前記の固体触
媒成分(A)の調製の際に用いた電子供与性化合物
(c)と同様のものを用いることができる。この際、電
子供与性化合物(C)は、前記の固体触媒成分(A)の
調製の際に用いた電子供与性化合物(c)と同じもので
あっても、異なるものであってもよい。
【0023】本発明方法で重合することのできるオレフ
ィンは、通常は一般式 R3−CH=CH2 (式中R3は水素原子、または炭素原子数1〜20のア
ルキル基もしくはシクロアルキル基である)で表わされ
る化合物、例えば、直鎖モノオレフィン類例えばエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、またはオ
クテン−1;分岐モノオレフィン類例えば4−メチル−
ペンテン−1;あるいはジエン類例えばブタジエン等で
ある。本発明方法は、これらの単独重合、あるいは各種
オレフィン相互の共重合に有効に利用することができ
る。重合条件も、公知の方法と同様の条件を用いること
ができ、例えば、大気圧よりも高いオレフィンの分圧下
で、−80℃〜+150℃の温度下で、場合により不活
性炭化水素希釈剤の存在下で、液相または気相中で実施
することができる。このようにして得られたポリオレフ
ィンパウダーは球状に近く、さらに粒径分布もシャープ
である。即ち、前述の球形度(S)が1.60未満であ
り、かつ粒径分布指数(P)が5.0未満である。
【0024】本発明方法は、前述の説明から明らかなよ
うに、所謂チーグラー型触媒を用いるポリオレフィンの
製造方法において、金属マグネシウムとアルコールと特
定量のハロゲンを反応させることによって生成した固体
生成物(a)等の特定の担体を用いることを特徴とする
ものである。従って、その固体生成物(a)以外の構成
成分、即ち、前記チタン化合物(b)、有機金属化合物
(B)及びその他の所望成分(例えば、電子供与性化合
物)、並びに固体触媒成分(A)の調製方法、あるいは
オレフィンの重合条件等については、従来の技術をその
まま適用することができる。それらの従来法は、例え
ば、特公昭46−34098号、特開昭52−9807
6号、特開昭53−2580号、特開昭53−4309
4号、特開昭61−181807号、特開昭62−12
7305号、特開昭60−63207号、特開昭60−
139706号公報等に記載されている。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、以下の実施例においては、下記の試薬を用
いた。 エタノール:和光純薬(株)製、試薬特級。 ヨウ素:和光純薬(株)製、試薬特級。 金属マグネシウム:顆粒状(平均粒度350μm)。 また、X線回折測定は以下の通りに実施した。固定生成
物を平均粒径10μmとなるように粉砕した。粉砕物を
常温で真空乾燥し、得られた乾燥粉体を不活性ガス雰囲
気下でマイラーフィルム製セルに充填した。マイラーフ
ィルムの厚さは6μmであり、マイラーフィルムと乾燥
粉体とを合わせたセルの厚さは1mmであった。このセ
ルを、粉末X線回折装置[理学電気工業(株)製]に取
り付け、透過法によりX線回折スペクトルを測定した。
対陰極には銅(Cu)を用い、電圧50kv、電流12
0mA、及び波長(λkα)1.53オングストローム
の条件を用いた。実施例1 (1)固体生成物(a)の調製 撹拌機付きのガラス製反応器(内容積約6リットル)を
窒素ガスで充分に置換し、エタノール約2430g、ヨ
ウ素16g及び金属マグネシウム160gを投入し、撹
拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなく
なるまで、加熱下で反応させ、固体状反応生成物を得
た。この固体状生成物を含む反応液を減圧下乾燥させる
ことにより固体生成物(a)を得た。この固体生成物
(a)についてCuKα線を用いてX線回折分析を行な
ったところ、2θ=5〜20゜の範囲に3本の回折ピー
クが現われた。これらのピークを低角側から順にピーク
a、ピークb及びピークcとした場合に、ピーク強度比
b/cは0.75であった。 (2)固体触媒成分(A)の調製 窒素ガスで充分に置換したガラス製三ツ口フラスコ(内
容積500ml)に、前記固体生成物(a)(粉砕して
いないもの)16g、精製ヘプタン80ml、四塩化ケ
イ素2.4ml、及びフタル酸ジエチル2.3mlを加
えた。系内を90℃に保ち、撹拌しながら四塩化チタン
77mlを投入して110℃で2時間反応させた後、固
体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。更
に、四塩化チタン122mlを加え、110℃で2時間
反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒
成分(A)を得た。この固体触媒成分の比表面積は41
3m2、細孔容積は0.56cc/gであった。 (3)重合 ステンレススチール製オートクレーブ(内容積約1リッ
トル)に、精製ヘプタン400ml、トリエチルアルミ
ニウム1ミリモル、ジフェニルジメトキシシラン0.2
5ミリモル及びチタン原子換算で0.005ミリモルの
前記固体触媒成分(A)を添加し、水素を0.5kg/
cm2まで加え、全圧8kg/cm2で70℃においてプ
ロピレンの重合を2時間行なった。結果を表1に示す。
【0026】なお、表中の立体規則性とは、沸騰ヘプタ
ンで6時間抽出した後の不溶分をいう。また、球形度
(S)は次のようにして測定した。 固体生成物(a)の場合 乾燥後の固体生成物(a)のサンプルを、走査型電子顕
微鏡(日本電子(株)製JSM−25SIII)にて、加
速電圧5KV、150倍で撮影し、ネガを得た。次に、
このネガを透過法にて画像解析処理した。画像解析処理
は、画像解析装置(nexus社製)により、20画素
(1画素を1.389μ×1.389μとした)以下の
粒子をカットし、残りの粒子約2000個について行な
った。画像解析処理により、その輪郭長E1及び粒子の
投影面積に等い円の周長E2を求め、前記(1)式で算
出した。 ポリオレフィンパウダーの場合 ポリオレフィンパウダーのサンプルを、直接反射法にて
画像解析処理した。画像解析処理は、1画素を0.08
13mm×0.0813mmとした以外は、固体生成物
(a)と同様に行ない、前記(1)式にて算出した。同
じく、粒径分布指数(P)は、ふるいにて粒子の粒度分
布を求め、その分布と対数分布紙上にプロットし、90
%粒子径(D90)及び10%粒子径(D10)を求め
て前記(2)式で算出した。以下の実施例、比較例すべ
て同様である。
【0027】実施例2 実施例1(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、エタ
ノール約2430g、ヨウ素1.6g及び金属マグネシ
ウム160gから固体生成物(a)を調製した。この固
体生成物(a)を用いて、実施例1(2)及び(3)と
同様の方法で固体触媒成分(A)を調製し、更に重合を
行なった。結果を表1に示す。実施例3 実施例1(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、エタ
ノール約2430g、ヨウ素32g及び金属マグネシウ
ム160gから固体生成物(a)を調製した。この固体
生成物(a)を用いて、実施例1(2)及び(3)と同
様の方法で固体触媒成分(A)を調製し、更に重合を行
なった。結果を表1に示す。
【0028】実施例4 実施例1(1)に記載の方法を繰り返して固体生成物
(a)を調製した。続いて実施例1(2)に記載の方法
を繰り返すが、但し、フタル酸ジエチルの代わりに、フ
タル酸ジメチル1.9mlを用いて固体触媒成分(A)
を調製した。この固体触媒成分(A)を用いて、実施例
1(3)と同様の方法で重合を行なった。結果を表1に
示す。実施例5 実施例1(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、重合
を行なう際の有機金属化合物(B)として、トリイソブ
チルアルミニウム1ミリモルを用いた。結果を表1に示
す。
【0029】実施例6 (1)固体生成物(a)の調製 実施例3に記載の方法を繰り返して固体生成物(a)を
調製した。 (2)固体触媒成分(A)の調製 窒素ガスで充分に置換したガラス製三ツ口フラスコ(内
容積500ml)に前記の固体生成物(a)(粉砕して
いないもの)16g、精製ヘプタン60ml、四塩化ケ
イ素2.5ml、及びフタル酸ジエチル2.4mlを加
えた。系内を90℃に保ち、撹拌しながら四塩化チタン
308mlを投入して110℃で2時間反応させた後、
固体成分を分離して精製ヘプタンで洗浄し、固体触媒成
分(A)を得た。 (3)重合 実施例1(3)に記載の方法を繰り返して重合を実施し
た。結果を表1に示す。実施例7 (1)固体生成物(a)の調製 撹拌機付きのガラス製反応器(内容積約6リットル)を
窒素ガスで充分に置換し、エタノール約2430g、ヨ
ウ素16g及び金属マグネシウム160gを投入し、撹
拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなく
なるまで、加熱下で反応させ、固体状反応生成物を得
た。この固体状反応生成物を含む反応液を瀘過し、残さ
をヘプタン500mlを用いて5回洗浄した。こうして
得た固体生成物(a)を乾燥させることなくヘプタンス
ラリーとした。 (2)固体触媒成分(A)の調製、(3)重合 実施例1と同様の方法にて行なった。実施例8 実施例7(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、エタ
ノール約2430g、ヨウ素1.6g及び金属マグネシ
ウム160gから固体生成物(a)を調製した。この固
体生成物(a)を用いて、実施例7(2)及び(3)と
同様の方法で固体触媒成分(A)を調製し、更に重合を
行なった。結果を第1表に示す。実施例9 実施例7(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、エタ
ノール約2430g、ヨウ素32g及び金属マグネシウ
ム160gから固体生成物(a)を調製した。この固体
生成物(a)を用いて、実施例7(2)及び(3)と同
様の方法で固体触媒成分(A)を調製し、更に重合を行
なった。結果を第1表に示す。実施例10 (1)固体生成物(a)の調製 撹拌機付きのガラス製反応器(内容積約6リットル)を
窒素ガスで充分に置換し、エタノール約2430g、ヨ
ウ素16g及び金属マグネシウム160gを投入し、撹
拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなく
なるまで、加熱下で反応させ、固体状反応生成物を得
た。 (2)固体触媒成分(A)の調製 前記の固体生成物(a)15gを、撹拌機付きのガラス
製反応器(内容積500ml)に取り、n−ヘキサン2
00ml、四塩化ケイ素3.7ml、イソプロピルアル
コール57mlを投入して70℃で2時間加熱し、撹拌
した後、四塩化チタアン32mlを投入して還流下で6
時間加熱下で撹拌した。得られた固体生成物を常温にて
n−ヘキサンで充分に洗浄し、固体触媒成分(A)を得
た。 (3)重合 ステンレススチール製オートクレーブ(内容積約1リッ
トル)に、精製したn−ヘキサン400mlを投入した
ジエチルアルミニウムクロライド1.5ミリモルと前記
固体触媒成分(A)をチタン原子換算で0.01ミリモ
ル投入した後、水素圧1.5kg/cm2及びエチレン
圧1.5kg/cm2で、80℃において1時間重合を
行なった。固体生成物(a)のヨウ素含有量、固体触媒
成分(A)のチタン担持量、ポリマーの収量、触媒活
性、ポリマーの粒径分布、更に、固体生成物(a)を調
製する際のアルコールと金属マグネシウムとのモル比、
及び金属マグネシウムに対するヨウ素のモル%を表3に
示す。
【0030】比較例1 実施例1(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、ヨウ
素を使用しないで固体生成物を調製した。この固体生成
物を1リットルステンレススチール製ボールミルで24
時間粉砕した。この粉砕した固体生成物を用いて、実施
例1(2)及び(3)と同様の方法で固体触媒成分を調
製し、更に重合を行なった。結果を表2に示す。比較例2 実施例1(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、エタ
ノール約2430g、ヨウ素0.042g及び金属マグ
ネシウム160gから固体生成物を調製した。この固体
生成物を用いて、実施例1(2)及び(3)と同様の方
法で固体触媒成分を調製し、更に重合を行なった。結果
を表2に示す。比較例3 比較例1と同様の方法であるが、固体生成物を粉砕する
ことなく、そのまま用いて固体触媒成分を調製し、更に
重合を行なった。結果を表2に示す。比較例4 実施例10(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、ヨ
ウ素を使用しないで固体生成物を調製した。この固体生
成物を用いて、実施例10(2)及び(3)と同様の方
法で固体触媒成分を調製し、更に重合を行なった。結果
を表3に示す。比較例5 実施例10(1)に記載の方法を繰り返すが、但し、エ
タノール約2430g、ヨウ素0.042g及び金属マ
グネシウム160gから固体生成物を調製した。この固
体生成物を用いて、実施例10(2)及び(3)と同様
の方法で固体触媒成分を調製し、更に重合を行なった。
結果を表3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】実施例11 (1)固体触媒成分(A)の調製 十分に窒素置換したガラス製三ツ口フラスコに精製ヘプ
タン30ml、実施例1(1)で得た固体生成物(a)
30ミリモル、TiCl41.65ミリモル及びフタル
酸クロリド(フタロイルジクロリド)3.0ミリモルを
加え、98℃で1時間反応させた後、TiCl4をさら
に100ml加え、昇温し、110℃で2時間かけて撹
拌した。得られた固相部を100mlの熱ヘプタンで2
回洗浄後、TiCl4を100ml加え、110℃で更
に2時間反応させた。反応終了後、固相部を精製ヘプタ
ンで十分に洗浄し、所望の固体触媒成分(A)を得た。 (2)プロピレンの重合 内容積1リットルのステンレス製オートクレーブに精製
ヘプタン400ml、Al(C2532.0ミリモ
ル、ノルボニルトリメトキシシラン0.25ミリモル及
びTi原子に換算して0.005ミリモルに相当する上
記で調製した固体触媒成分(A)を加え、水素を0.2
kg/cm2(絶対圧)、プロピレンを8kg/cm
2(絶対圧)まで供給し、70℃で2時間重合を行なっ
た。結果を表4に示す。実施例12及び13 重合時間を表4に示す時間に変えたほかは、実施例11
と同様にして実施した。結果を、表4に示す。実施例14〜17 フタル酸クロリドの使用量を表4に表示の値に変えたほ
かは、実施例11と同様にして実施した。結果を、表4
に示す。実施例18及び19 固体生成物(a)の使用量を表4に表示の値に変えたほ
かは、実施例11と同様にして実施した。結果を、表4
に示す。
【0035】比較例6 フタル酸クロリドを使用しなかったほかは、実施例11
と同様にして実施した。結果を表4に示す。比較例7 固体生成物(a)に代えてMgCl2を用いたほかは、
実施例11と同様にして実施した。結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明によると、ポリオレフィン用触媒
に、金属マグネシウムとハロゲンとアルコールとから得
られる固体生成物(a)等を用いることにより、その粉
砕等の粒径調製処理を施さずとも、高触媒活性、高立体
規則製が発現し、かつ良好なパウダーモルフォロジーを
有するポリマーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製造方法を示すフローチャート図であ
る。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン重合用固体触媒成分の調製に
    用いる固体生成物であって、金属マグネシウム、アルコ
    ール、及びマグネシウム1モルに対し0.0001グラ
    ム原子以上の量のハロゲンを反応させて得られる固体生
    成物。
  2. 【請求項2】 ハロゲンがヨウ素である請求項1記載の
    固体生成物。
  3. 【請求項3】 下記式(1)で示される球形度(S)が
    S<1.60であり、かつ下記式(2)で示される粒径
    分布指数(P)がP<5.0である請求項1又は2記載
    の固体生成物。 S=(E1/E2)2 ・・・(1) (ここで、E1は粒子の投影の輪郭長、E2は粒子の投
    影面積に等しい円の周長を示す。) P=D90/D10 ・・・(2) (ここで、D90は累積重量分率が90%に対応する粒
    子径、D10は累積重量分率が10%に対応する粒子径
    を示す。)
  4. 【請求項4】 少なくとも金属マグネシウム又はRMg
    R′(R,R′はアルキル基であって両者は同一でも異
    なっていてもよい)で表わされるマグネシウム化合物と
    アルコールとを反応させて得られる固体生成物であっ
    て、前記式(1)で示される球形度(S)がS<1.6
    0であり、かつ前記式(2)で示される粒径分布指数
    (P)がP<5.0である固体生成物。
  5. 【請求項5】 (a)請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の固体生成物と(b)下記一般式(I)に示すチタン
    化合物とを用いて得られる固体触媒組成物。 TiXn(OR)4-n・・・(I) (式中、Xはハロゲン原子、特に塩素原子であり、Rは
    炭素原子数1〜10の炭化水素基、特に直鎖または分岐
    鎖のアルキル基であり、基Rが複数存在する場合にはそ
    れらは互に同じでも異なっていてもよい。nは0〜4の
    整数である。)
  6. 【請求項6】 (a)請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の固体生成物と(b)前記チタン化合物と(c)電子
    供与性化合物とを用いて得られる固体触媒組成物。
  7. 【請求項7】 (A)(a)請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の固体生成物と(b)前記チタン化合物とを用
    いて得られる固体触媒成分と、 (B)有機金属化合物とを用いることを特徴とするポリ
    オレフィンの製造方法。
  8. 【請求項8】 (A)(a)請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の固体生成物と(b)前記チタン化合物と
    (c)電子供与性化合物とを用いて得られる固体触媒成
    分と、 (B)有機金属化合物と、 (C)電子供与性化合物とを用いることを特徴とするポ
    リオレフィンの製造方法。
  9. 【請求項9】 得られるポリオレフィンパウダーが、前
    記式(1)で示される球形度(S)がS<1.60であ
    り、かつ前記式(2)で示される粒径分布指数(P)が
    P<5.0である請求項7又は8記載のポリオレフィン
    の製造方法。
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