JP2624453B2 - 船舶の動揺軽減装置 - Google Patents

船舶の動揺軽減装置

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JP2624453B2
JP2624453B2 JP6167984A JP16798494A JP2624453B2 JP 2624453 B2 JP2624453 B2 JP 2624453B2 JP 6167984 A JP6167984 A JP 6167984A JP 16798494 A JP16798494 A JP 16798494A JP 2624453 B2 JP2624453 B2 JP 2624453B2
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忠雄 吉田
善宏 山瀬
光哉 小川
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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
    • B63B39/00Equipment to decrease pitch, roll, or like unwanted vessel movements; Apparatus for indicating vessel attitude
    • B63B39/06Equipment to decrease pitch, roll, or like unwanted vessel movements; Apparatus for indicating vessel attitude to decrease vessel movements by using foils acting on ambient water
    • B63B39/061Equipment to decrease pitch, roll, or like unwanted vessel movements; Apparatus for indicating vessel attitude to decrease vessel movements by using foils acting on ambient water by using trimflaps, i.e. flaps mounted on the rear of a boat, e.g. speed boat

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
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  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願に係る発明は、主に排水
量型の高速船における波浪中航走時のローリング及びピ
ッチングの動揺を軽減すべく、特にローリングとピッチ
ングの複合的な動揺に対して適正な制御力を発生させて
より大きな減揺効果を発揮させるべくフィン及びトリム
タブを自動制御等をする船舶の動揺軽減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、旅客船をはじめとする船舶の高速
化のニーズに伴い、乗客の乗り心地等を左右するローリ
ングやピッチング等による船体動揺に対して、これを軽
減化すべき装置が強く要望されている。
【0003】従来より船体中央部に両舷に突出させた一
対のフィンスタビライザでローリング制御を行う装置が
知られている。このフィンスタビライザは、船体のロー
リング(横揺れ)の軽減を目的としており、船体のピッ
チング(縦揺れ)の軽減には有効でなかった。しかし、
実際には波浪や波風の方向によってはローリングよりも
ピッチングによる船体の動揺が大きくなる場合もあり、
ローリング制御だけでなくピッチング制御も行うことが
できる装置が必要とされていた。
【0004】そこで、特開平3−224892号公報で
は両方の制御が可能な船体減揺装置(以下「従来例1」
という)が提案されている。この装置は、船体の前部に
おける左右両舷および後部における左右舷の4か所に配
設されたフィンのうち、予め選択された一対の第1の組
のフィンと、他の一対の第2の組のフィンと、ピッチン
グ制御信号を発生するピッチング制御信号発生装置と、
ローリング制御信号を発生するローリング制御発生装置
と、通常はピッチング制御信号に基づいて第1の組のフ
ィンを作動させるとともに、ローリング制御信号に基づ
いて第2の組のフィンを作動させ、ピッチング制御の要
求度が大きくローリング制御の要求度が小さい時には、
ピッチング制御信号に基づいて第1の組のフィン及び第
2の組のフィンを作動させ、ピッチング制御の要求度が
小さくローリング制御の要求度が大きい時にはローリン
グ制御信号に基づいて第1の組のフィンおよび第2の組
のフィンを作動させるように各制御信号の信号経路を切
り換えるための制御信号経路切り換え装置と、各制御信
号に応じて各フィンを作動させるためのフィン作動装置
を備えたものである。
【0005】また、同様にピッチングとローリング制御
を行うことができるようにしたものとして実開平5−5
8595号公報記載の船体減揺装置(以下「従来例2」
という)がある。この装置は、船尾端にトリムタブと称
される左右舷一対の揚力発生板を設け、この一対の揚力
発生板を左右それぞれに位相差をもたせて交互に往復作
動させることによりローリング減衰を可能にするととも
に、一対の揚力発生板を同時位相往復作動させることに
よりピッチング減衰ができるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来例1の場合、例え
ばローリング制御の要求度が大きくピッチング制御の要
求度が小さい時には、ローリング制御のみ重点的に行う
ものであるから、この時の制御としては実際に生じてい
るピッチングの影響を何らフィンの制御量の中に反映し
ていないことになる。しかし、実際には気象条件や航路
によって、船体はローリングとピッチングとが複合した
複雑な動揺をすることが多いことから、いずれかの制御
の要求度が小さい(一定値以上になっていない)からと
いってこれを何ら考慮せずに制御することは、制御とし
ては大雑把となり適正な制御力も得られずその減揺効果
には自ずと限界がある。
【0007】従来例2の場合は、ローリングとピッチン
グの制御を行うことできるものであるが、ローリング制
御を行っている時にはピッチング制御は行うことはでき
ず、また、ピッチング制御を行っている時にはローリン
グ制御はできない構成である。従って、この場合も例え
ばローリング制御の時にピッチングの影響を制御量に反
映できない大まかな制御にならざるを得ないので減揺効
果にも限界がある。
【0008】近年の高速フェリーなどのように乗客の安
全や乗り心地などに対する厳しい要求を考慮すると、ロ
ーリングとピッチングを同時に考慮したきめ細かい制御
が必要とされるが、従来例1、2のような制御方式では
これに適応できないものである。
【0009】ピッチングに対しては船首と船尾に設けた
フィン(又はトリムタブ)が有効であり、ローリングに
対しては左右舷のフィン(又はトリムタブ)を働かせな
いと効果的な制御力は得られない。従来例1の場合、ロ
ーリングとピッチングの両方が同時に大きくなった状態
では、ピッチング制御は右舷にある前後のフィンで行
い、ローリングに対しては左舷にある前後フィンで行う
としているが、ピッチング制御は問題ないとしてもロー
リング制御については前後のフィンでは効果的な制御力
を得ることはできず、十分なローリング軽減効果は得ら
れないおそれがある。
【0010】また、従来例2では船尾端に一対のトリム
タブのみを設けて制御する方式であるから、モータボー
トのようなごく小型の動揺軽減装置としては有効に働く
が、これより大型の船舶には有効といえない。
【0011】この出願に係る発明の目的は、ローリング
とピッチングによる複合的な動揺に対してきめ細かい制
御を行うことによって減揺効果を高め得る船舶の動揺軽
減装置を提供することにあり、また、この場合の各セン
サの異常判別を行う装置の提供を他の目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1の発明装置は、船首部の左右舷にフィンと船尾端
の左右舷にトリムタブを備え、これらを所定の角度動作
させることにより船の動揺を軽減する装置であって、少
なくともロール角速度およびピッチ角速度をそれぞれ検
出するロール角速度検出手段およびピッチ角速度検出手
段と、これらの検出信号を受けてロール成分とピッチ成
分の相対量によりロール制御量又はピッチ制御量を適応
制御手法を用いて配分調整する制御量配分手段と、この
制御量配分手段から出力される実ロール成分指令値およ
び実ピッチ成分指令値によりフィンとトリムタブを所定
角度動作させるよう制御する機側コントローラとを備
え、上記各検出手段からの入力信号が異常の場合、その
センサ異常信号を受けてその故障の状態又は船速に応じ
てフィンとトリムタブの制御面を中立又は格納位置に固
定すべき制御面位置制御信号を機側コントローラに出力
するよう構成した故障状態判別手段を設けた船舶の動揺
軽減装置である。
【0013】請求項2の発明装置は、上記構成におい
て、制御量配分手段を、ロール・ピッチ制御量配分比α
をロール角速度/(ロール角速度+ピッチ角速度)で決
定し、これよりロール成分指令値×αを実ロール成分指
令値とし、ピッチ成分指令値×(1−α)を実ピッチ成
分指令値として機側コントローラに出力するよう構成し
てなる。
【0014】請求項3の発明装置は、上記請求項1の構
成において、制御量配分手段を、ロール・ピッチ制御量
配分比βをピッチ角速度/(ロール角速度+ピッチ角速
度)で決定し、これよりロール成分指令値×(1−β)
を実ロール成分指令値、ピッチ成分指令値×βを実ピッ
チ成分指令値としてフィンおよびトリムタブ制御用の機
側コントローラに出力するよう構成してなる。
【0015】請求項4の発明装置は、上記いずれかの構
成において、少なくともロール角速度検出手段、ピッチ
角速度検出手段、および船速検出手段からの入力信号が
予め設定された予測信号レベルを連続して設定回数を超
えた時に異常と判断し、異常と判断した時にその信号源
を自動的に切り離して正常信号のみ制御量配分手段に出
力するよう構成した異常信号判別手段を設けてなる。
【0016】請求項5の発明装置は、上記請求項1の構
成において、故障状態判別手段を、制御量配分手段から
の制御装置異常信号を受けて故障状態を判別しフィンと
トリムタブの制御面を格納又は中立位置に固定すべき制
御面位置制御信号を機側コントローラに出力するよう構
成してなる。
【0017】請求項6の発明装置は、上記いずれかの構
成において、ロール角速度信号およびピッチ角速度信号
から船体の上下加速度を推定できる装置を備えてなる。
【0018】請求項7の発明装置は、請求項6の構成に
おいて、船の吃水を検出するドラフト計と、そのドラフ
ト信号を受けて船体の重心位置における上下加速度に補
正する重心補正演算手段を備えてなる。
【0019】
【作用】請求項1〜4では、ローリングやピッチングな
どで生じる船体の複合的な動揺に対して、適応制御手法
を用いて適正な制御力を得てきめ細かい制御、つまり、
ローリングとピッチングの相対量に対応して制御量を決
めて(例えば船体動揺がローリング以外にピッチングに
よるものでもある場合にはピッチングの影響を必ず制御
量の中に考慮して)フィンやトリムタブの制御面を制御
することができることから、従来より更に効果的で大き
な減揺作用を発揮する。また、各種センサの異常を判別
し、それに応じて制御面の適切な位置に格納、固定でき
る。減揺作用が発揮されにくい船速の小さい場合も同様
である。
【0020】特に請求項5では、制御装置の異常をも判
別し、それに応じて制御面を適切な位置に格納又は固定
できる。
【0021】請求項6では、上下加速度計がなくても乗
り心地の評価となるべき上下加速度を簡便かつ迅速に推
定できる。
【0022】請求項7では、船体重心位置における上下
加速度に補正して、別途必要に応じて設けた上下加速度
計とともに、乗り心地などの評価をしうる。
【0023】
【実施例】以下、この出願に係る発明の実施例を図面に
基づき説明する。図1はこの出願に係る発明装置の機器
構成図である。この図は、上部構造物1の両舷に魚雷状
の没水体2を有する双胴船を上から透視的に見て各機器
の配置を模式的に示した平面図である。両舷の没水体2
の前部には両舷の左右に一対のフィン3,4が突設され
ている。図2(a)(b)(c) に 示すように各フィン3
(4)は左右方向軸線3a(4a)まわりに一定のフィ
ン角度±θ範囲に回動可能になっており、風波等の外的
条件に応じて最適な迎え角となるように制御されるよう
になっている。θ=0°がフィンの中立位置を示す。各
舷に配設した左右一対のフィン3(4)は連動するよう
に構成され、油圧シリンダ等の駆動装置で同一の動作を
するようになっている。そして、フィン3,4を駆動す
るための油圧ユニット5、機側コントローラ6がそれぞ
れ配設されている。一方、船尾端には両舷にトリムタブ
7,8が配設されている。このトリムタブ7,8は、図
3にも示すよう周知の構成のもので、水平方向の軸7a
(8a)まわりに揺動自在に構成され、油圧シリンダ9
の作動により通常は一定範囲のトリムタブ角度δをとる
ようなっている。そして、船尾端に配備されたウオータ
ジェット推進器( トリムタブの上方に噴出口がある) を
後進状態にした場合に、その噴流が当たらないように仮
想線の位置(格納位置)まではね上げられるようになっ
ている。各トリムタブ7,8には、これを駆動するため
の油圧ユニット10とこれを制御するための機側コント
ローラ11がそれぞれ配設されている。更に、上部構造
物1には船速計(船速検出手段)12、操舵室にライド
・コントロール・システム(以下「RCS」と略す)の
制御装置13、同操作パネル14が配設されているほ
か、上下加速度計15、ローリング角速度計であるレー
トジャイロ(ロール角速度検出手段)16、ピッチング
角速度計であるレートジャイロ(ピッチ角速度検出手
段)17が配設されている。
【0024】図4はRCSシステム構成図である。RC
S用センサには、前述したようにロール角速度、ピッチ
角速度検出用の2つのレートジャイロ16,17、計算
で求めた上下加速度の評価に主に用いる一つの上下加速
度計15、船速を検出するための船速計12等がある。
操舵室にはRCS主演算装置13aとリレーロジック部
13bからなるRCS制御装置13、RCS操作パネル
14、異常信号モニタ用の船体/機関部データロガ19
が配置される一方、RCS制御装置13からの指令信号
によって作動する機側コントローラ(左右舷フィン用と
左右舷トリムタブ用)6,11、この機側コントローラ
6,11からの指令によって所定のフィン角度、トリム
タブ角度をとるよう制御される油圧制御弁6a,11
a、油圧サーボ6b,11bが機側に配置されている。
油圧サーボ6bによって図1の左右舷フィン3,4、左
右舷トリムタブ7,8が所定の角度をとるよう動作す
る。
【0025】RCS制御装置13は、フィンおよびトリ
ムタブを自動制御するための制御演算処理、センサ等R
CS構成機器の異常診断および異常処理、各種制御用信
号およびモニタ用信号の入出力処理を行うものであり、
主な機能としては、操作パネル14からの操作による
制御状態の遷移処理(シーケンス処理)、船体動揺を
軽減すべく、適正な制御力を発生するフィンおよびトリ
ムタブ角度を計算し、機側コントローラに指令値として
出力、手動調整選択時にRCS操作パネルにより入力
されたフィン又はトリムタブ角度を機側コントローラに
出力、主演算装置、センサ等の異常診断および異常処
理、機器の異常のLED ランプ表示である。
【0026】RCS操作パネル14は、フィンおよびト
リムタブの作動状況の監視、機器異常の監視、油圧駆動
装置の遠隔発停、各制御用設定値の手動入力・変更など
を行い、主な機能としては、フィンおよびトリムタブ
角度の油圧駆動装置の遠隔発停、フィンおよびトリム
タブの角度の手動設定、フィン角度およびトリムタブ
角度のモニタ、機器の異常の代表表示である。
【0027】機側コントローラ6,11は、RCS制御
装置13からの指令値に従い、フィンおよびトリムタブ
の角度を制御し、また、制御場所の遠隔/機側切換、駆
動装置の異常処理等を行うほか、フィン又はトリムタ
ブを手動により設定角度にする。フィンを中立位置お
よびトリムタブを格納位置に復帰する。フィン又はト
リムタブの油圧駆動装置の異常処理を行う。
【0028】なお、各駆動装置に対する異常/モニタ信
号、油圧サーボの異常信号、フィン角度・トリムタブ角
度(実際にとった角度のフードバック信号)、フィン・
トリムタブリミット信号などをRCS制御装置にモニタ
/異常監視用として送信するようになっている。リレー
ロジック部13bは、主演算装置13aとアイソレート
する機能をもち、主演算装置13bがフエイルしても制
御信号や異常信号が機側コントローラに出力できるよう
にした安全回路の役割を果たすとともに、入出力信号の
増幅器としての機能などを有する。
【0029】図5はRCSの制御ブロック図である。ロ
ール角速度検出手段16、ピッチ角速度検出手段17お
よび船速検出手段12の検出信号は異常信号判別手段2
0に送られる。この異常信号判別手段20は、各センサ
からの信号が正常か異常かを判別する機能を有する。つ
まり、図6に示すように予め各センサの予測信号レベル
を記憶させておき、入力信号がこの予測信号レベルを連
続して設定回数を超えた時には「異常」と判断するよう
に構成されている。そして、ロール角速度、ピッチ角速
度のセンサ入力信号等の状態をチェックして、異常と判
断すれば、その信号源を自動的に切り離す(異常信号が
きてもスキップする)機能を備えている。
【0030】センサ異常と判断された時には異常信号判
別手段20からそのセンサ異常信号が故障状態判別手段
21に送られる。一方、後述する制御量配分手段22か
ら出力されきた制御装置異常信号も故障状態判別手段2
1に入力される。そして、故障状態判別手段21でRC
Sを構成する機器(制御装置、各センサ等)の故障状態
に応じてフィンやトリムタブの制御面を中立又は格納位
置に固定したり、格納したりすべき制御面位置制御信号
を制御面制御手段(機側コントローラ)23に送信する
ようになっている。
【0031】一方、異常信号判別手段20で正常な信号
と判断された時には、ロール角速度、ピッチ角速度の検
出信号はそのまま制御量配分手段22に入力される。こ
の制御量配分手段22は、ロール成分とピッチ成分の相
対量によりロール制御量又はピッチ制御量を適応制御手
法を用いて配分調整できる機能を備えている。
【0032】適応制御の一例としては、ロール・ピッチ
制御量配分比αをα=ロール角速度/(ロール角速度+
ピッチ角速度)により決定して、制御面制御手段23に
与えるべく実ロール成分指令値(これはフィンやトリム
タブにどれだけの角度をとらせるかの角度指令値)を、
ロール成分指令値×αとして、また、実ピッチ成分指令
値を、ピッチ成分指令値×(1−α)として設定するも
のである。なお、上記配分比αに代えて、ピッチ角速度
/(ロール角速度+ピッチ角速度)を配分比βとしても
よい。この場合は、制御面制御手段に与えるべく実ロー
ル成分指令値はロール成分指令値×(1−β)、実ピッ
チ成分指令値はピッチ成分指令値×βとして設定され
る。上記ロール成分指令値とピッチ成分指令値はロール
角速度とピッチ角速度に基づき制御量配分手段22で演
算される。
【0033】上記実ロール成分指令値と実ピッチ成分指
令値は、制御面制御手段23に送信され、制御面操作量
制限手段24を介して各フィンのフィン角制御信号、ト
リムタブ角制御信号がフィン又はトリムタブ駆動装置2
6,27に送信され、これによって各フィン及びトリム
タブは所定の角度となるよう制御されるようになってい
る。上記制御面制御手段23は、制御量配分手段22か
らの指令信号を受けて実際にどれくらい油圧サーボを作
動させるべきかの信号を制御面操作量制限手段24に出
力するものである。この場合、制御面操作量制限手段2
4は、その信号が異常であるかどうかの判定して異常な
信号の場合には無視する機能を有する。例えばフィン角
度の上限、下限が±15°に設定されている場合に、2
0°のフィン角度をとるような信号が送られてきた場合
にはこれを無視するような機能を有する。通常、フィン
やトリムタブには機械的なリミッタも設けてあるから、
フィンとトリムタブの動作範囲が電気的にも機械的にも
制限される。
【0034】なお、船速検出手段12で検出された船速
が所定以下となった時には、フィンとトリムタブを中立
又は格納位置に固定するような指令値が制御量配分手段
22から制御面制御手段23に出力されるようになって
いる。これは、船速が小さいとフィンとトリムタブには
殆ど制御力が発生しないからである。
【0035】ロール/ピッチ角度設定手段25は、図4
の操作パネル14に組み込まれているもので、これによ
ってフィン角度やトリムタブ角度を手動で設定できるよ
うになっている。フィン角度やトリムタブ角度を手動設
定する状況としては、例えば貨物の積載の具合によって
船にトリムが生じている場合、フィンないしトリムタブ
にある初期設定角を与えてトリムのない状態で船を航走
させるようにする場合などである。これによればバラス
ト調整によってイーブンキールにする必要がなくなり便
利である。
【0036】適応制御を司る制御量配分手段22の機能
によって、海象条件や航路などによって船体がローリン
グやピッチング等の複合的な動揺を行う時、常に両者の
影響度を考慮して制御量を決定しフィンとトリムタブを
制御するので、きめ細かい制御が可能となり、効果的に
動揺軽減が達成されうる。例えば、船体動揺成分のうち
ロール成分が大きい時には、左舷のフィン(及びトリム
タブ)と右舷のフィン(及びトリムタブ)とが位相差を
もって動作することにより船体動揺が軽減される。この
場合、ピッチ成分の影響分だけ左右舷のフィンないしト
リムタブが異なった角度をとるよう動作する。また、例
えば船体動揺がピッチ成分のみの時には、船首部の左右
舷フィン(及び船尾端の左右舷トリムタブ)がともに同
位相で動作するが、船体動揺がピッチ成分の他にロール
成分を含むようになると、左右舷のフィン同志ないしト
リムタブ同志が多少異なった角度をとるように制御さ
れ、結果的に左右舷のフィン同志、左右舷のトリムタブ
同志の間に位相差もった動作をするようになる。
【0037】図5に示すようにロール角速度とピッチ角
速度は加速度演算手段28にも送られ、ここで上下加速
度が算出されるようになっている。図7はそのブロック
図で、ロール及びピッチ角速度信号は微分の伝達関数T
2s/(1+T1s)によりロールとピッチの加速度に変換
され、一方、船首船尾部に設けられている吃水計により
検出されたドラフト信号を受けて重心補正演算手段29
(加速度演算手段28に組み込まれている)により、船
体の重心位置での上下加速度に補正したものが得られる
ようになっている。通常、この上下加速度が、0.2G
以下であれば乗客に船酔いなどのない良好な乗り心地を
提供するものとされている。
【0038】なお、図5で述べた異常信号判別手段2
0、加速度演算手段28、制御量配分手段22、故障状
態判別手段21は、図4のRCS制御装置13に組み込
まれているものである。
【0039】
【発明の効果】 請求項1〜7では、適応制御手法を
採用することによって、ロールとピッチによる複合的な
動揺に対して、小面積の制御面(フィン、トリムタブ)
でも、これら制御面に適正な制御力を発生させるべく、
これら制御面を効率的に且つきめ細かに制御できる結
果、船の動揺をより一層効果的に抑制できる。
【0040】 特に請求項4、5では、制御装置やセ
ンサ故障時でもフィン、トリムタブを中立又は格納位置
に自動設定することによって、船舶の安全性の確保と減
揺効果が期待できる。
【0041】 また請求項6、7では、ロール角速度
信号及びピッチ角速度信号をソフト処理して上下加速度
を算出することにより、加速度センサを廃止することが
でき、センサトラブルや保守作業の低減が図れる。特に
請求項8では、重心位置の加速度が得られるので乗り心
地等の適正な評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願発明のRCS機器の配置を模式的に示
した船の平面図である。
【図2】フィンの配置図で、(a) は正面図、(b) は平面
図、(c) はフィンの側面図である。
【図3】船尾端に設けたトリムタブの斜視図である。
【図4】この出願発明のRCSシステム構成図である。
【図5】同制御ブロック図である。
【図6】異常信号の判別要領を示す図である。
【図7】ロール・ピッチ角速度から上下加速度を算出
し、これを船体重心位置におけるものに換算するための
ブロック図である。
【符号の説明】
3,4…フィン 5,10…油圧ユニット 6,11…機側コントローラ 7,8…トリムタブ 12…船速検出手段 13…RCS制御装置 14…RCS操作パネル 15…上下加速度計 16…ロール角速度検出手段 17…ピッチ角速度検出手段 20…異常信号判別手段 21…故障状態判別手段 22…制御量配分手段 23…制御面制御手段 24…制御面操作量制限手段 25…ロール/ピッチ角度設定手段 26…フィン駆動装置 27…トリムタブ駆動装置 28…加速度演算手段 29…重心補正演算手段
フロントページの続き (72)発明者 高杉 貴史 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 特開 平3−224892(JP,A) 実開 昭5−58595(JP,U)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船首部の左右舷にフィンと船尾端の左右
    舷にトリムタブを備え、これらを所定の角度動作させる
    ことにより船の動揺を軽減する装置であって、少なくと
    もロール角速度およびピッチ角速度をそれぞれ検出する
    ロール角速度検出手段およびピッチ角速度検出手段と、
    これらの検出信号を受けてロール成分とピッチ成分の相
    対量によりロール制御量又はピッチ制御量を適応制御手
    法を用いて配分調整する制御量配分手段と、この制御量
    配分手段から出力される実ロール成分指令値および実ピ
    ッチ成分指令値によりフィンとトリムタブを所定角度動
    作させるよう制御する機側コントローラとを備え、上記
    各検出手段からの入力信号が異常の場合、そのセンサ異
    常信号を受けてその故障の状態又は船速に応じてフィン
    とトリムタブの制御面を中立又は格納位置に固定すべき
    制御面位置制御信号を機側コントローラに出力するよう
    構成した故障状態判別手段を設けたことを特徴とする船
    舶の動揺軽減装置。
  2. 【請求項2】 制御量配分手段を、ロール・ピッチ制御
    量配分比αをロール角速度/(ロール角速度+ピッチ角
    速度)で決定し、これよりロール成分指令値×αを実ロ
    ール成分指令値とし、ピッチ成分指令値×(1−α)を
    実ピッチ成分指令値として機側コントローラに出力する
    よう構成してなる請求項1記載の船舶の動揺軽減装置。
  3. 【請求項3】 制御量配分手段を、ロール・ピッチ制御
    量配分比βをピッチ角速度/(ロール角速度+ピッチ角
    速度)で決定し、これよりロール成分指令値×(1−
    β)を実ロール成分指令値とし、ピッチ成分指令値×β
    を実ピッチ成分指令値としてフィンおよびトリムタブ制
    御用の機側コントローラに出力するよう構成してなる請
    求項1記載の船舶の動揺軽減装置。
  4. 【請求項4】 少なくともロール角速度検出手段、ピッ
    チ角速度検出手段、および船速検出手段からの入力信号
    が予め設定された予測信号レベルを連続して設定回数を
    超えた時に異常と判断し、異常と判断した時にその信号
    源を自動的に切り離して正常信号のみ制御量配分手段に
    出力するよう構成した異常信号判別手段を設けてなる請
    求項1〜3いずれか1項記載の船舶の動揺軽減装置。
  5. 【請求項5】 故障状態判別手段を、制御量配分手段か
    らの制御装置異常信号を受けて故障状態を判別しフィン
    とトリムタブの制御面を格納又は中立位置に固定すべき
    制御面位置制御信号を機側コントローラに出力するよう
    構成してなる請求項1記載の船舶の動揺軽減装置。
  6. 【請求項6】 ロール角速度信号およびピッチ角速度信
    号から船体の上下加速度を推定できる装置を備えてなる
    請求項1〜5いずれか1項に記載の船舶の動揺軽減装
    置。
  7. 【請求項7】 船の吃水を検出するドラフト計と、その
    ドラフト信号を受けて船体の重心位置における上下加速
    度に補正する重心補正演算手段を備えてなる請求項6記
    載の船舶の動揺軽減装置。
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