JP2623870B2 - エッチング製品の連続製造装置 - Google Patents

エッチング製品の連続製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、リードフレームおよびTAB用テープキャリ
ア等のエッチング製品の連続製造装置に関する。
<従来の技術> 最近ICチップの小型化、高集積化に伴い、リードフレ
ームおよびTAB用テープキャリアの薄膜化、多ピン化が
進んでいる。時にピンをリードフレームの四方に設ける
QFP(Quad Flat Package)では現在ピン数は200ピンを
超えるものも求められており、その場合ピン幅はインタ
ーリード先端部で、100μm以下となるため、極めて微
細な加工技術が必要となる。
このような多ピンフレームは、フォトエッチング法に
よって作製される。フォトエッチング法は、材料にフォ
トレジスト膜を塗布し、その上に所望のパターン形状の
マスクをのせて露光、現像を行った後、エッチング液を
噴霧して不要部分を溶解し、パターンを得る方法であ
る。フォトエッチング法は、プレス法に比べて微細加工
が可能なため、微細パターンや少量多品種品の製造に適
している。
<発明が解決しようとする課題> フォトエッチング法で、最も制御しにくいのが、エッ
チング工程である。すなわち、エッチング液が新しい場
合、高温の場合、スプレー圧が高い場合、エッチング時
間が長い場合などにオーバーエッチングとなり、ピンは
細くなってしまう。また、逆の場合は、ピンが完全に分
離せずつながったままになり、アンダーエッチングとな
る。
エッチング液の劣化速度は速いため、連続運転をする
と運転中のエッチング条件の変化によるピン幅の変動が
激しく、一定のピン幅の製品を安定して得ることができ
にくい。
そのため現在は、エッチング後の製品を目視または測
定器で定期的に直接寸法を測定し、オーバーエッチング
時は、エッチング速度を速くしてエッチング量を少なく
し、アンダーエッチングの時は逆にエッチング速度を遅
くする操作を手動で行っている。
したがって常に作業者が監視しなければならず、また
ピン幅測定を行いその結果に基づいてエッチング速度を
調整するまでのフィードバックに時間がかかり、その分
不良を多く出す結果となった。また、速度調整を手動で
行なうため、適正な速度設定が難しく、安定な作業がで
きなかった。
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、自動的にエ
ッチング量を監視し、その結果に基づきエッチング速度
を自動制御できる新規のエッチング製品の連続製造装置
を提供することを目的としている。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するために本発明によれば、エッチン
グ手段と、エッチング手段内の第1搬送手段およびエッ
チング後の第2搬送手段とを具え、フォトレジスト膜を
塗布し、所望のパターン形状の露光、現像を行った長尺
の金属薄板を前記第1搬送手段により前記エッチング手
段を通して連続して所定のパターンにエッチング加工し
た後巻き取るようにしたエッチング製品の製造装置であ
って、 前記エッチング手段の直後に、前記金属薄板のエッチ
ング量の自動測定手段を設けるとともに、 前記第1搬送手段と前記第2搬送手段との間に長尺の
金属薄板の弛み部を設けると共に、前記第2搬送手段以
後に前記金属薄板のエッチング量を形状の変化をもって
光学的に測定する自動測定手段を設け、前記自動測定手
段による測定値に基づく前記両搬送手段における搬送速
度の自動制御手段を有し、前記自動測定手段によるエッ
チング終了後の金属薄板のエッチング量の測定に際して
は、前記自動制御手段内の第1搬送手段は停止すること
なく第2搬送手段のみを一旦停止し、前記弛み部におい
て金属薄板が弛んでいる間に測定を行うように構成され
たことを特徴とするエッチング製品の連続製造装置が提
供される。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明が適用される、フォトレジスト膜を塗布し、所
望のパターン形状の露光、現像を行った金属薄板(以
下、単に金属薄板という)の構成材料は特に限定せず、
鉄、鉄系合金、銅、銅系合金等を挙げることができる。
以下、本発明を第1図に示すリードフレームの連続製
造装置の1例に基づいて説明する。
本発明のエッチング製品の連続製造装置は、金属薄板
14の送り出し部1、エッチング槽2、剥膜槽3、水洗槽
4および製品巻取り部5に大別される。
前記金属薄板の送り出し部1には、金属薄板14を送り
出すためのリール6と複数のローラー7が設けられてい
る。
前記エッチング槽2は前記送り出し部1に接続して設
けられ、その下流側に剥膜槽3、さらに水洗槽4が連接
されるとともに、前記送り出し部1から送られる金属薄
板14がこれら各槽2、3、4内を搬送するための複数の
ローラー7ならびに単数または複数の搬送ローラー8お
よびゴムローラー9が薄板14を上下から挟むように設け
られている。
前記各槽2、3、4内には、前記搬送ローラー8を回
転させるための単数または複数の歯車10とこの歯車10を
回転可能に固着する回転シャフト11を有し、この回転シ
ャフト11の下流側には搬送駆動用の可変速モータ15によ
って回転するチェーン16が接続し前記回転シャフト11を
回転可能としている。
すなわち、上記エッチング槽2、剥膜槽3および水洗
槽4はエッチング手段を構成し、これより上流側の搬送
手段はモータ15により駆動搬送され、これより下流側の
搬送手段はモータ19により駆動搬送される。
12は各槽2、3、4の上方および下方に設け液体を金
属薄板14の両面に噴射するための複数のスプレーノズル
である。
前記水洗槽4の下流側には水切り装置23が設けられて
いる。
前記水洗槽4と前記製品巻取り部5の間には、エッチ
ング量の自動測定手段が設けられる。測定手段として
は、所定の時間毎に、エッチングされた金属薄板14のエ
ッチング量を測定できる光を照射する手段と反射または
透過光量の測定手段を設ける。第1図では反射光量を測
定するための光沢度計13を設けた。
前記反射または透過光量の測定によるエッチング量測
定手段の原理は、エッチング後レジスト膜を剥離したエ
ッチング製品、例えばリードフレームに光を照射し、反
射光量または透過光量を測定するものである。反射光量
を測定する時は、エッチング後のリードフレームの形状
が太い場合は反射する金属面の面積が大きいため、反射
光量は多くなるが、オーバーエッチでリードフレームが
細い場合は、反射光量が少なくなる。したがって、反射
光量を測定することにより、リードフレームのエッチン
グ量を求めることができる。
一方透過光量を測定する場合は、リードフレームに対
し、光源と反対の側に受光部を設けて、透過光量の大小
からエッチング量を判断する。すなわちリードフレーム
形状が太い場合は、光がさえぎられ投光量に対して透過
光量の減少量が大きくなるが、リードフレームが細い場
合は、透過光量は多くなる。
前記リードフレームのエッチング量測定は常にリード
フレームの同じ部位にすることが必要である。予め材
質、リードフレーム形状に応じたピン幅(エッチング
量)と反射光量または透過光量の関係を剥秋しておくこ
とが望ましい。反射光量を測定する場合は、リードフレ
ーム裏面に無反射黒色板を置き、リードフレーム以外か
らの反射を極力制御することが望ましい。
第2図は、エッチング製品のインナーリードピン幅と
鏡面光沢度の関係の1例を示したものである。
前記光沢度計13の上流側には、搬送ローラー17とゴム
ローラー18が薄板14を上下から挟むように設けられ、こ
の搬送ローラー17を回転するための歯車10、チェーン16
および搬送駆動用の可変速モータ19が設けられている。
前記光沢度計13の下流側には製品巻取り部5が接続し
ている。22は金属薄板14の通過をチェックするための光
電管である。
前記製品巻取り部5には、エッチング加工された金属
薄板14を搬送するための複数のローラー7と製品を巻取
るためのリール6が設けられている。
なお、前記金属薄板14の搬送手段は、上記に限定する
ものでなく公知の手段を用いることができる。
つぎに本発明のエッチング製品の連続製造装置の動作
例を説明する。
送り出し部1のリール6にセットされた金属薄板14
は、搬送ローラー8の回転により所定の速度で搬送され
てエッチング槽2にて所定のエッチング液をノズル12か
ら噴霧され、続いて剥膜槽3、さらに水洗槽4を通過し
てレジスト膜を剥離され、水洗、水切りしたのち、所定
時間毎にモータ19を停止させて搬送ローラー17を止め、
その間に薄板14のエッチング量を測定し、この測定が終
了すると搬送ローラー17が搬送ローラー8より速く回転
するようモータ19を高速駆動させる。
前記モータ19停止中に薄板14は、第1図に示すように
水洗槽4と巻取り部5の間で徐々にたるみ、モータ19が
再び駆動すると搬送ローラー17が搬送ローラー8よりも
高速回転することによって前記たるみが徐々に解消して
いく。
そして、薄板14が光電管22を通過することにより、た
るみの解消を検知して搬送ローラー17の回転を搬送ロー
ラー8と同じになるようモータ19を制御する。
所定時間毎にエッチング量を測定されて巻取り部5に
導入された薄板14は、図示しない駆動手段により前記搬
送ローラー17の回転速度に連動制御された巻取り部5リ
ール6に巻取られる。
上記薄板搬送の駆動制御手段の1例を光沢度計13を用
いた例について説明する。
第3図に示すように、薄板14のエッチング量測定部分
に光沢度計13を設けて光を照射し、反射光量測定装置20
を介してマイコンを内蔵した駆動モータ制御部21にこの
測定値を入力し、予め設定したエッチング量になるよう
にモータ15の駆動速度の調整量をマイコンに演算させ、
かつモータ19の停止−作動パターンを予め上記のように
設定してマイコンに演算させてそれぞれ制御するように
すれば、金属薄板14のエッチング量が常に所定の値にな
るよう自動制御できる。
すなわち、例えばエッチング寸法の上限値および下限
値を設定しておき、エッチング不足のときは、エッチン
グ槽2におけるエッチング時間がおよそ5%長くなるよ
うモータ15の回転数を増加し、オーバーエッチングのと
きは、逆にエッチング時間が約5%短くなるようモータ
15を制御すればよい。
エッチング量測定のための光照射は、少なくとも2本
以上のリードピンが光照射範囲27内に入る(第4図参
照)ようにするのがよい。
前記反射光量測定によるエッチング量の測定は、例え
ば第5図に示すように金属薄板14のエッチング面に対向
して投光体13aと受光体13bを有する光沢度計13を設けて
行われる。
また、前記透過光量測定によるエッチング量の測定
は、例えば第6図に示すように前記光沢度計13の位置
に、エッチング面に垂直に投光する光源24を設け、金属
薄板14を挟んで光源24の反対側に受光部25を設けて行わ
れる。
以上リードフレームのエッチングを例にして説明した
が、例えばTAB用テープキャリアなどのエッチングにお
いても本発明装置を用いて極めて高精度にエッチング量
を制御でき、一定のピン幅の製品を得ることができる。
<実施例> 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1) 第1図に示す本発明の連続製造装置を用い、42合金条
(板厚0.1mm、幅42mm)の両面にレジスト膜を塗布した
後、100ピンQFPパターンのレジスト膜を露光、現像によ
り設けた該金属条14の25mの1巻を送り出し部1のリー
ル6に設置し、エッチング槽2内を通過させ、巻取り部
5のリール6で再び巻き取るようにした。
金属条4は搬送ローラーとゴムローラー8、9および
17、18に挟まれ、搬送ローラー8、17が回転することに
よって一定速度で送られた。
金属条14の搬送速度は搬送ローラーの回転数によって
決められるが、搬送ローラー8、17は、回転シャフト11
を介してモータ15、19で回転させるから、したがって搬
送速度はモータ15、19の回転数の制御によって変化させ
る構造となっている。
金属条14はエッチング槽2でノズル12からのスプレー
によりエッチングされた後、レジスト膜の剥膜槽3、水
洗槽4を通過し、巻取り部5のリール6に巻取られた。
本発明例では、リードフレームが水洗槽4から出て水
切り23直後の部分に鏡面光沢度計3を設置した。すなわ
ち、一定時間毎に、まずモータ19が止ることによって搬
送ローラー17が止まり、該ローラーより右側への金属条
14送りがストップする。この時モータ15は動作状態のま
まであるので、該条は搬送されたまま搬送ローラー17の
手前で徐々にたるむ。この間に光沢度計13でリードフレ
ームに光を照射し、反射光量を算出した。この結果を第
3図に示すようにマイコンを内蔵した駆動モータ制御部
21に入力し、エッチング量に基づいてただちにモータ15
の駆動速度が自動調整された。すなわちエッチング寸法
の上限値と下限値を予め設けておきエッチング時間が短
くまだ寸法が太すぎる時は、エッチング時間がおおよそ
5%長くなるよう、駆動モータ15の回転数が増加し、オ
ーバーエッチングの場合は、逆にエッチング時間が約5
%短くなるよう制御した。
反射光量測定時に停止していた搬送ローラー17は、測
定終了後ただちに回転し、リードフレームを巻取り部へ
送り出した。その際、搬送ローラー8より速く回転して
たるみを除去し、リードフレームが光電管22を通過し、
たるみがなくなった後に、ローラー17の回転数はローラ
ー8と同一になるよう制御された。
本発明装置により、エッチングが完了した時点でエッ
チング量を自動測定し、ただちにエッチング時間を変動
させることができたので、一定の寸法の製品を連続して
安定に製造できた。
すなわち、従来のエッチング装置ではエッチング後の
製品を手動で測定し、その結果により作業者の勘と経験
でエッチング速度をコントロールしていた。そのため作
業毎にエッチング量が異なるほか、作業者が常時監視し
なければならなかった。また、作業の途中でリードピン
幅を測定することができないため、リール1巻分の作業
が終るまで待たなければならなかった。そのため初期に
エッチング速度の設定に失敗すると、リードフレーム1
巻分が全部不良となる場合もあった。
本発明装置では上記のように作業中に定期的にエッチ
ング量を測定し、ただちにエッチング速度を制御するた
め、上記問題点が一気に解決した。
従来の直接寸法測定装置は大きく、重く、値段も高
く、したがって設置場所を自由に選ぶことができないの
に対し、本発明の測定装置は小さく軽いため、ライン内
に自由に組み込んで測定することができ、かつ安価に測
定できた。
(実施例2) 第1図の鏡面光沢度計13を取付けた部位に、光沢度計
をはずし、第6図に示すようにリードフレーム14に向っ
て光源24を設置し、リードフレーム14を挟んで光源の反
対側に受光部25を設置した。すなわち、エッチング量の
変化によって変動するリードピンの太さ(面積)に応じ
て変化する透過光量を検知し、瞬時にエッチング量を定
量化し、実施例1と同様の方法でエッチング速度を調整
した。このように簡便な測定装置を組み込み、さらにそ
の結果に応じてエッチング速度をただちに自動的に変動
させることができるので、微細加工品を安定に連続して
作ることができ、生産性が大幅に向上した。
<発明の効果> 本発明は以上説明したように構成されているで、本発
明装置によれば、組み込まれた簡便な測定装置により自
動的にエッチング量を監視し、その結果に基づきエッチ
ング速度を自動制御でき、高精度のエッチング製品を安
価に連続製造することができる。
また、本発明装置によればエッチング製品のエッチン
グ量を、エッチング手段の第1搬送手段は停止すること
なく第2搬送手段のみを一旦停止して測定することによ
り、長尺の金属薄板のエッチング加工工程を阻害するこ
となくエッチング量を極めて高精度に測定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明エッチング装置の一実施例を示す模式
図である。 第2図は、エッチング製品のインナーリードピン幅と鏡
面光沢度の関係を示すグラフである。 第3図は、駆動制御系統を示す概略図である。 第4図は、光照射範囲内のリードピンの一例を示す概略
図である。 第5図は、光沢度計を用いたエッチング量測定の説明図
である。 第6図は、透過光量測定方法を利用したエッチング量測
定の説明図である。 符号の説明 1……リードフレーム送り出し部、 2……エッチング槽、 3……剥膜槽、 4……水洗槽、 5……リードフレーム巻取り部、 6……リール、 7……ローラー、 8……搬送ローラー、 9……ゴムローラー、 10……歯車、 11……回転シャフト、 12……スプレーノズル、 13……鏡面光沢度計、 13a……投光体、 13b……受光体、 14……金属薄板(リードフレーム)、 15……搬送駆動用可変速モータ、 16……チェーン、 17……搬送ローラー、 18……ゴムローラー、 19……搬送駆動用可変速モータ、 20……反射光量測定装置、 21……駆動モータ制御部(マイコン内蔵)、 22……光電管、 23……水切り装置、 24……光源、 25……受光部、 26……リードピン、 27……光照射範囲

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エッチング手段と、エッチング手段内の第
    1搬送手段およびエッチング後の第2搬送手段とを具
    え、フォトレジスト膜を塗布し、所望のパターン形状の
    露光、現像を行った長尺の金属薄板を前記第1搬送手段
    により前記エッチング手段を通して連続して所定のパタ
    ーンにエッチング加工した後巻き取るようにしたエッチ
    ング製品の製造装置であって、 前記第1搬送手段と前記第2搬送手段との間に長尺の金
    属薄板の弛み部を設けると共に、前記第2搬送手段以後
    に前記金属薄板のエッチング量を形状の変化をもって光
    学的に測定する自動測定手段を設け、 前記自動測定手段による測定値に基づく前記両搬送手段
    における搬送速度の自動制御手段を有し、 前記自動測定手段によるエッチング終了後の金属薄板の
    エッチング量の測定に際しては、前記自動制御手段内の
    第1搬送手段は停止することなく第2搬送手段のみを一
    旦停止し、前記弛み部において金属薄板が弛んでいる間
    に測定を行うように構成されたことを特徴とするエッチ
    ング製品の連続製造装置。
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