JP2623424B2 - 丸断面材料のチャック方法及びその装置 - Google Patents

丸断面材料のチャック方法及びその装置

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JP2623424B2
JP2623424B2 JP2749493A JP2749493A JP2623424B2 JP 2623424 B2 JP2623424 B2 JP 2623424B2 JP 2749493 A JP2749493 A JP 2749493A JP 2749493 A JP2749493 A JP 2749493A JP 2623424 B2 JP2623424 B2 JP 2623424B2
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勝典 西村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼管あるいは丸鋼材等
の丸断面材料を機械加工する際に、丸断面材料を定点に
調芯し、固定する丸断面材料のチャック方法及びその装
置、特に丸断面材料の外径寸法の変更があっても、丸断
面材料を定点に調芯し、固定する丸断面材料のチャック
方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼管あるいは丸鋼材等の丸断面材料の端
部を機械加工する装置において材料を固定し、加工工具
を回転させながら移動させて加工する方法がある。図9
は材料の両端を1ライン中で加工するためにチャック装
置及び加工機をラインの両側に設け、ウオーキングビー
ム方式の搬送装置と組み合わせ一般的な加工ラインのレ
イアウト例である。図9において、20及び21は加工
機、22及び23はチャッキング装置、24は固定スキ
ット、25は可動搬送ビーム、9は丸断面材料である。
図9において矢印で示すように、丸断面材料9はライン
能率を上げるために材料は横送りで搬入され、その位置
で丸断面材料9をチャッキング及び端面加工を行い横送
りで搬出する方法をとるのが一般的である。そのために
チャッキング装置も横送り搬入、横送り搬出が可能な上
部開放型チャッキング装置が必要である。また、このよ
うな加工方法において特に端面の糸取りあるいは開先加
工を行う場合はチャッキング時の材料センターと加工機
回転センターのズレは加工精度と密接な関係があり、加
工精度を上げるためには高精度で加工工具の回転芯と材
料芯を合わせることが必要であり、通常加工機の回転セ
ンターを固定し、チャッキング時に材料のセンターを加
工機センターに合致させるチャッキング装置が採用され
ている。
【0003】前述のようなチャッキング装置としては、
図10に示すように材料を左右または上下から一対の口
金付バイス26を直線移動させてチャッキングするセン
ターバイス方式、図11に示すように軸27を中心に一
対の回転するアーム28の端部に材料9の外径寸法に合
わせたパットを装着する回転方式、さらに高精度のチャ
ッキングを行うためにコレット方式、3つ爪方式のチャ
ッキング等が広く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような方法のう
ち、上部開放型チャッキング装置のセンターバイス方式
はバイス摺動部の磨耗管理が難しいためにセンター狂い
が起こり易く高精度の加工には不向きである。また、図
11に示すような上部開放型回転アーム方式はチャッキ
ング精度確保はできるものの材質、外径寸法が変わる毎
に、材質、外径寸法毎のパットに取り替えが必要であ
り、作業性が悪く、材質、外径寸法の種類数のパットが
必要である。
【0005】また、コレット方式、3つ爪方式等上部非
開放型固定装置はチャッキング精度は優れているが、チ
ャッキングするために材料を縦方向から挿入し、加工後
は材料を縦方向に移送することが必要で、そのためには
加工工程が増加し、特に材料が長尺になれば搬送時間も
長く、能率低下となるので横送り搬送ラインでのチャッ
キング装置として不向きである。前述のように従来の例
ではチャッキング精度を上げるために、回転アーム方式
が広く採用されていたが、パット替え等による作業能率
悪化あるいは多数のパット予備品を準備しておく必要が
ある等の問題点があった。
【0006】本発明は、前述のような問題点を解消し、
材料の外径寸法の変更に対応して精度良く、定点を過る
よう調芯して丸断面材料を把持、固定する丸断面材料の
チャック方法及びその装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、二つの平行す
る回転軸p、qに、相互に逆方向に同角度で回動する二
つのチャックアームを、それぞれ一対ずつ設け、該チャ
ックアームを回動することにより丸断面材料を把持し、
丸断面材料を固定すべき位置に調芯することを特徴とす
る丸断面材料のチャック方法により構成される。
【0008】また、本発明は、同一の回転軸p上に位置
する回転中心P1 、P2 のまわりに回動し、丸断面材料
を把持する上チャックアームA1 、下チャックアームA
2 からなる一対のチャックアームA1 、A2 と、他の同
一の回転軸q上に位置する回転中心Q1 、Q2 のまわり
に回動し、前記丸断面材料を把持する上チャックアーム
1 、下チャックアームB2 からなる他の一対のチャッ
クアームB1 、B2 とを備え、前記一対のチャックアー
ムA1 とA2 とは丸断面材料の固定すべき位置での軸線
rと前記回転軸pとを結ぶ面に対して、また他の一対の
チャックアームB1 とB2 とは丸断面材料の固定すべき
位置での軸線rと前記回転軸qとを結ぶ面に対して、そ
れぞれ同じ角度をなして配設され、また前記一対のチャ
ックアームA1 とA2 とを、及び前記他の一対のチャッ
クアームB1 とB2 とを、相互に逆方向に前記固定すべ
き位置における丸断面材料に向かって同角度で回動する
回転機構を備え、丸断面材料を固定すべき位置に調芯す
ることを特徴とする丸断面材料のチャック装置により構
成される。
【0009】さらに、本発明は、上チャックアームA1
とB1 とを回動させるラック・歯車機構M1 、下チャッ
クアームA2 とB2 とを回動させる別のラック・歯車機
構M2 を備え、ラック・歯車機構M1 とラック・歯車機
構M2 は同一の歯車比を有し、ラック・歯車機構M1
上チャックアームA1 に同軸に結合する歯車1と係合す
る中間歯車2と、上チャックアームB1 に同軸に結合す
る歯車3と係合する中間歯車4とを噛み合わせ、中間歯
車2または中間歯車4の一方をラックR1 に噛み合わせ
てなり、ラック・歯車機構M2 は下チャックアームA2
に同軸に結合する歯車5と係合する中間歯車6と、下チ
ャックアームB2 に同軸に結合する歯車7と係合する中
間歯車8とを噛み合わせ、中間歯車4とラックR1 とを
噛み合わせる場合には、中間歯車8をラックR2 とを噛
み合わせ、中間歯車4とラックR1 と噛み合わせる場合
には、中間歯車8とラックR2 とを噛み合わせるようラ
ックR1 とラックR2 とは、横方向、及び前後方向の歯
形位置をずらして設置し、丸断面材料を固定すべき位置
に調芯するすることを特徴とする前記記載の丸断面材料
のチャック装置により構成される。
【0010】
【作用】本発明は、二つの平行する回転軸p、qに、相
互に逆方向に同角度で回動する二つのチャックアーム
を、それぞれ一対ずつ設け、該チャックアームを回動す
ることにより丸断面材料を把持し、外径寸法の変更があ
っても、丸断面材料を一定の固定すべき軸線位置に調芯
する。
【0011】
【実施例】本発明を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。図1は、丸断面材料のチャッキング状態を示す正面
図である。一対のチャックアームA1 、A2 は、同一の
回転軸p上の回転中心P1 、P2 まわりに相互に逆方向
に丸断面材料を把持するよう回動し、また他の一対のチ
ャックアームB1 、B2 は、同一の回転軸q上の回転中
心Q1 、Q2 まわりに相互に逆方向に丸断面材料を把持
するよう回動する。チャックアームA1 、A2 及び
1 、B2 は、それぞれの先端の爪部が回動軌跡a、b
を描く動きをする。かかるチャックアームA1 、A2
びB1 、B2 の回動により、丸断面材料9を、その外径
寸法の変更にかかわらず、回動軌跡aとbとの交わる交
点位置においてチャックする。定点である前記回動軌跡
aとbとの交わる交点位置をもって、機械加工のために
丸断面材料9を固定すべき位置として設定しておけば、
丸断面材料9を固定すべき位置での軸線rは、回動軌跡
aとbの交点にいつも一致し、丸断面材料9を固定すべ
き位置に調芯することができる。図2は、丸断面材料の
チャッキング状態をチャックアームB1 、B2 側から見
た側面図である。
【0012】図3〜図8により、図2で示した丸断面材
料のチャックアームの回動機構を説明する。図3は、チ
ャックアームA1 、A2 を回動させるラック・歯車機構
1 、図4は、図3のX−X視の断面図、図5は、図3
のY−Y視の断面図である。図3〜図5において、ラッ
クR1 に噛み合う中間歯車4は歯車3及び中間歯車2に
噛み合っており、歯車3に連接された軸12によってチ
ャックアームB1 を回動し、さらにアイドラーの中間歯
車2は軸11に対して軸受メタル14により回転自由で
あり、チャックアームA1 と軸10で連接された歯車1
に噛み合ってチャックアームA1 を回動する。同様にラ
ックR2 と噛み合う中間歯車6は歯車5及びアイドラー
の中間歯車8と噛み合い、中間歯車8は歯車7と噛み合
っている。歯車5及び歯車7は軸10及び軸12を回転
軸芯として自由に回転できるように軸受メタル15及び
軸受メタル16が装着されており、歯車6の回転はチャ
ックアームA2 及びB2 に伝達される。シリンダー18
の作動が連接されているラックR1 、R2 の直線運動で
チャックアームA1 及びA2 、チャックアームB1 及び
2 を同一回転角で開閉せしめ、チャックアーム先端の
爪部が材料外径が変わっても高再現性で材料を同一芯に
チャッキングを可能とする。ラックR1 と中間歯車2と
の噛み合わせ、ラックR2 と中間歯車8との噛み合わせ
によることができる。
【0013】図6において、上チャックアームA1 とB
1 とを回動させるラック・歯車機構M1 の例が示され、
上チャックアームA1 は、ラックR1 −中間歯車4−中
間歯車2−歯車1により回動され、上チャックアームB
1 は、ラックR1 −中間歯車4−歯車3により回動され
る。図7において、下チャックアームA2 とB2 とを回
動させるラック・歯車機構M2 の例が示され、下チャッ
クアームA2 は、ラックR2 −中間歯車6−歯車5によ
り回動され、下チャックアームB2 は、ラックR2 −中
間歯車6−中間歯車8−歯車7により回動される。図6
〜図7において、上チャックアームA1 と下チャックア
ームA2 、及び上チャックアームB1 と下チャックアー
ムB2 とが、丸断面材料9の固定すべき位置での軸線r
に対して相互に逆方向に同角度で回動できるよう、上チ
ャックアームA1 と下チャックアームA2 とは軸線rと
回転軸pとを結ぶ面に対して、また上チャックアームB
1 と下チャックアームB2 とは軸線rと回転軸qとを結
ぶ面に対して、それぞれ対称的に配設され、ラック・歯
車機構M1 とラック・歯車機構M2 とは同一の歯車比を
有する。ここで、歯車1、歯車3、歯車5、歯車7の歯
数は等しく、また中間歯車2、中間歯車4、中間歯車
6、中間歯車8の歯数は等しい。ラック・歯車機構M1
とラック・歯車機構M2 は、チャックアームA1
2 、チャックアームB1 とB2 をそれぞれ相互に逆方
向に同角度で回動させるため、本発明におけるるラック
・歯車機構として適宜別異の歯車構成をとることができ
る。図8において、ラックRは、ラックR1 とラックR
2 のように、横方向、前後方向に歯形位置をずらして設
置する。
【0014】
【発明の効果】本発明は、丸断面材料の外径寸法の変更
時においても、加工工具と材料の芯調整あるいはパット
替え等の作業は不要となり、作業能率を著しく向上させ
ることができた。併せて、本発明装置の駆動部は密閉さ
れたボックス内に収納することができ、各歯車、軸受等
の摺動部き防塵及び潤滑管理は従来一般的に使用されて
いる装置に比較し極めて容易でチャッキング精度維持も
著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明で丸断面材料のチャッキング状態
を示す正面図である。
【図2】図2は本発明で丸断面材料のチャッキング状態
を示す側面図である。
【図3】図3は本発明で丸断面材料を把持するチャック
アームの回動機構を説明する図である。
【図4】図4は本発明で丸断面材料を把持するチャック
アームの回動機構を説明する図3のX−X視の断面図で
ある。
【図5】図5は本発明で丸断面材料を把持するチャック
アームの回動機構を説明する図3のY−Y視の断面図で
ある。
【図6】図6は本発明で丸断面材料を把持する上チャッ
クアームA1 とB1 とを回動させるラック・歯車機構M
1 の例を説明する図である。
【図7】図7は本発明で丸断面材料を把持する下チャッ
クアームA2 とB2 とを回動させるラック・歯車機構M
2 の例を説明する図である。
【図8】図8は本発明で丸断面材料を把持するチャック
アームの回動機構を説明する図である。
【図9】丸断面材料のチャック装置の配置例を説明する
図である。
【図10】従来の技術を説明する図である。
【図11】他の従来の技術を説明する図である。
【符号の説明】
1 歯車 2 中間歯車 3 歯車 4 中間歯車 5 歯車 6 中間歯車 7 歯車 8 中間歯車 9 丸断面材料 10 回転軸 11 回転軸 12 回転軸 13 回転軸 14 軸受メタル 15 軸受メタル 16 軸受メタル 17 軸受メタル 18 シリンダー 19 ギヤーボックス 20 加工機 21 加工機 22 チャッキング装置 23 チャッキング装置 24 固定スキット 25 可動搬送ビーム 26 口金付きバイス 27 軸 28 アーム

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの平行する回転軸p、qに、相互に
    逆方向に同角度で回動する二つのチャックアームを、そ
    れぞれ一対ずつ設け、該チャックアームを回動すること
    により丸断面材料を把持し、丸断面材料を固定すべき位
    置に調芯することを特徴とする丸断面材料のチャック方
    法。
  2. 【請求項2】 同一の回転軸p上に位置する回転中心P
    1 、P2 のまわりに回動し、丸断面材料を把持する上チ
    ャックアームA1 、下チャックアームA2 からなる一対
    のチャックアームA1 、A2 と、他の同一の回転軸q上
    に位置する回転中心Q1 、Q2 のまわりに回動し、前記
    丸断面材料を把持する上チャックアームB1 、下チャッ
    クアームB2 からなる他の一対のチャックアームB1
    2 とを備え、前記一対のチャックアームA1 とA2
    は丸断面材料の固定すべき位置での軸線rと前記回転軸
    pとを結ぶ面に対して、また他の一対のチャックアーム
    1 とB2 とは丸断面材料の固定すべき位置での軸線r
    と前記回転軸qとを結ぶ面に対して、それぞれ同じ角度
    をなして配設され、また前記一対のチャックアームA1
    とA2 とを、及び前記他の一対のチャックアームB1
    2 とを、相互に逆方向に前記固定すべき位置における
    丸断面材料に向かって同角度で回動する回転機構を備
    え、丸断面材料を固定すべき位置に調芯することを特徴
    とする丸断面材料のチャック装置。
  3. 【請求項3】 上チャックアームA1 とB1 とを回動さ
    せるラック・歯車機構M1 、下チャックアームA2 とB
    2 とを回動させる別のラック・歯車機構M2を備え、ラ
    ック・歯車機構M1 とラック・歯車機構M2 は同一の歯
    車比を有し、ラック・歯車機構M1 は上チャックアーム
    1 に同軸に結合する歯車1と係合する中間歯車2と、
    上チャックアームB1 に同軸に結合する歯車3と係合す
    る中間歯車4とを噛み合わせ、中間歯車2または中間歯
    車4の一方をラックR1 に噛み合わせてなり、ラック・
    歯車機構M2 は下チャックアームA2 に同軸に結合する
    歯車5と係合する中間歯車6と、下チャックアームB2
    に同軸に結合する歯車7と係合する中間歯車8とを噛み
    合わせ、中間歯車4とラックR1 とを噛み合わせる場合
    には、中間歯車6をラックR2 とを噛み合わせ、中間歯
    車2とラックR1と噛み合わせる場合には、中間歯車8
    とラックR2 とを噛み合わせるようラックR1 とラック
    2 とは、横方向、及び前後方向の歯形位置をずらして
    設置し、丸断面材料を固定すべき位置に調芯することを
    特徴とする請求項2記載の丸断面材料のチャック装置。
JP2749493A 1993-01-22 1993-01-22 丸断面材料のチャック方法及びその装置 Expired - Lifetime JP2623424B2 (ja)

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