JP2622333B2 - 噴流床石炭ガス化炉 - Google Patents
噴流床石炭ガス化炉Info
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- JP2622333B2 JP2622333B2 JP28432592A JP28432592A JP2622333B2 JP 2622333 B2 JP2622333 B2 JP 2622333B2 JP 28432592 A JP28432592 A JP 28432592A JP 28432592 A JP28432592 A JP 28432592A JP 2622333 B2 JP2622333 B2 JP 2622333B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス化反応部周壁に付
着成長するスラグを抑止するようにした噴流床石炭ガス
化炉に関する。
着成長するスラグを抑止するようにした噴流床石炭ガス
化炉に関する。
【0002】
【従来の技術】噴流床石炭ガス化炉では、石炭中の灰分
を溶融スラグとして排出する観点から、1300〜20
00℃の高温ガス温度ゾーンがあり、この部分でのスラ
グは液状で、壁への付着厚さは数mm〜数10mmと薄い。
一方ガス化炉出口の後流には、対流型熱交換器が設置さ
れるため、ガス化炉出口の灰粒子は完全に固化されてい
る必要があり、ガス化炉出口は800〜1100℃の低
温ガスゾーンにする必要がある。
を溶融スラグとして排出する観点から、1300〜20
00℃の高温ガス温度ゾーンがあり、この部分でのスラ
グは液状で、壁への付着厚さは数mm〜数10mmと薄い。
一方ガス化炉出口の後流には、対流型熱交換器が設置さ
れるため、ガス化炉出口の灰粒子は完全に固化されてい
る必要があり、ガス化炉出口は800〜1100℃の低
温ガスゾーンにする必要がある。
【0003】従って、噴流床石炭ガス化炉においては、
高温ガスゾーンと低温ガスゾーンの間に中間温度ガスゾ
ーンが必ず存在し、この中間温度ガスゾーンの灰粒子
は、液状から固体状に遷移過程にあり、強い付着力を有
する半溶融状態にある。この中間温度ガスゾーンで壁面
に付着したスラグは、壁面との付着力とスラグのクリー
プ強度が耐えうる限りにおいて厚さに制限がなく成長
し、小型炉ではガス化炉を閉塞する迄成長することがあ
る。しかも、この中間温度ガスゾーンで発生するスラグ
は、一般にウォールブロアや他の機械的方法によっても
除去できない程強固である。
高温ガスゾーンと低温ガスゾーンの間に中間温度ガスゾ
ーンが必ず存在し、この中間温度ガスゾーンの灰粒子
は、液状から固体状に遷移過程にあり、強い付着力を有
する半溶融状態にある。この中間温度ガスゾーンで壁面
に付着したスラグは、壁面との付着力とスラグのクリー
プ強度が耐えうる限りにおいて厚さに制限がなく成長
し、小型炉ではガス化炉を閉塞する迄成長することがあ
る。しかも、この中間温度ガスゾーンで発生するスラグ
は、一般にウォールブロアや他の機械的方法によっても
除去できない程強固である。
【0004】以上の問題を解決するため、従来次の方法
がとられてきた。
がとられてきた。
【0005】図3にその1例を示す。この噴流床石炭ガ
ス化炉は、ガス化反応部は灰が融ける温度以上に維持し
つつ、ガス化反応部の出口管に、リサイクルガス等の低
温ガスをクエンチガスとして大量に混入し、ガス化ガス
及び灰粒子の温度を急激に冷却し、スラグの付着を抑止
するようにしたもの(ガスクエンチ)である。
ス化炉は、ガス化反応部は灰が融ける温度以上に維持し
つつ、ガス化反応部の出口管に、リサイクルガス等の低
温ガスをクエンチガスとして大量に混入し、ガス化ガス
及び灰粒子の温度を急激に冷却し、スラグの付着を抑止
するようにしたもの(ガスクエンチ)である。
【0006】即ち、圧力容器04内に収容され石炭及び
ガス化剤としての酸素含有ガスと水蒸気を投入するバー
ナ02をもつガス化反応部01に連設されたガス化炉の
出口管05を設け、同出口管05内に前記の低温のクエ
ンチガス03を大量に混入してガス化ガスと灰粒子の温
度を急激に冷却し、スラグの付着を抑止するようにして
いる。なお06はガス化反応部01を形成するガス火炉
水冷壁であり、300〜360℃の循環水が循環されて
いる。
ガス化剤としての酸素含有ガスと水蒸気を投入するバー
ナ02をもつガス化反応部01に連設されたガス化炉の
出口管05を設け、同出口管05内に前記の低温のクエ
ンチガス03を大量に混入してガス化ガスと灰粒子の温
度を急激に冷却し、スラグの付着を抑止するようにして
いる。なお06はガス化反応部01を形成するガス火炉
水冷壁であり、300〜360℃の循環水が循環されて
いる。
【0007】図4に、従来の技術の他の例としての水ク
エンチによるものを示す。この噴流床石炭ガス化炉4で
は、圧力容器016内に1段目のガス化反応部011と
これに連設された2段目のガス化反応部012とを収容
し、1段目のガス化反応部011にバーナ013を経て
石炭及びガス化剤としての酸素含有ガスと水蒸気を投入
し、2段目のガス化反応部012の入口付近に水又は水
・石炭スラリー014を投入するようにしている。この
水又は水・石炭スラリー014によって、1段目のガス
化反応部011出口のガス化ガスと灰粒子を急激に冷却
し、スラグの付着が抑止される。なお、015はガス化
炉の出口管である。
エンチによるものを示す。この噴流床石炭ガス化炉4で
は、圧力容器016内に1段目のガス化反応部011と
これに連設された2段目のガス化反応部012とを収容
し、1段目のガス化反応部011にバーナ013を経て
石炭及びガス化剤としての酸素含有ガスと水蒸気を投入
し、2段目のガス化反応部012の入口付近に水又は水
・石炭スラリー014を投入するようにしている。この
水又は水・石炭スラリー014によって、1段目のガス
化反応部011出口のガス化ガスと灰粒子を急激に冷却
し、スラグの付着が抑止される。なお、015はガス化
炉の出口管である。
【0008】図5に、従来の技術の更に他の例としての
放射型冷却器によるものを示す。圧力容器024内にガ
ス化反応部021とその下方に連設された放射型冷却器
としての放射型水冷壁023を収容し、ガス化反応部0
21にはバーナ022から石炭及びガス化剤としての酸
素含有ガスと水蒸気を投入し、また、放射型水冷壁02
3には300〜360℃の温度の水を循環させると共に
シールガスノズル026を付設している。なお、025
は放射型水冷壁023の下部の出口に連設されたガス化
炉の出口管である。この噴流床石炭ガス化炉では、ガス
化反応部021出口のガス化ガスと灰粒子は、シールガ
ス等で清浄に保たれた放射型水冷壁023で冷却され、
スラグの付着が抑止される。
放射型冷却器によるものを示す。圧力容器024内にガ
ス化反応部021とその下方に連設された放射型冷却器
としての放射型水冷壁023を収容し、ガス化反応部0
21にはバーナ022から石炭及びガス化剤としての酸
素含有ガスと水蒸気を投入し、また、放射型水冷壁02
3には300〜360℃の温度の水を循環させると共に
シールガスノズル026を付設している。なお、025
は放射型水冷壁023の下部の出口に連設されたガス化
炉の出口管である。この噴流床石炭ガス化炉では、ガス
化反応部021出口のガス化ガスと灰粒子は、シールガ
ス等で清浄に保たれた放射型水冷壁023で冷却され、
スラグの付着が抑止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記の図3に示される
従来の技術では、灰の融点が高い場合にもガス化反応部
出口温度は必ず灰の融点以上に保持する必要があり、灰
の融点を下げるため石灰石等のフラックスを使用する必
要がある。また低温のクエンチガスがガス化ガスとの重
量比で0.5〜4倍と大量に必要で、動力費増、後流の
設備容量の増加をまねく。
従来の技術では、灰の融点が高い場合にもガス化反応部
出口温度は必ず灰の融点以上に保持する必要があり、灰
の融点を下げるため石灰石等のフラックスを使用する必
要がある。また低温のクエンチガスがガス化ガスとの重
量比で0.5〜4倍と大量に必要で、動力費増、後流の
設備容量の増加をまねく。
【0010】前記の図4に示される従来の技術では、本
来ガス化吸熱反応により有効に回収されるべき1段目の
ガス化反応部出口ガスの顕熱が水又は水、石炭スラリー
中の水分により消費されるため、未燃チャーが増大し、
炭種適合性が制約される。
来ガス化吸熱反応により有効に回収されるべき1段目の
ガス化反応部出口ガスの顕熱が水又は水、石炭スラリー
中の水分により消費されるため、未燃チャーが増大し、
炭種適合性が制約される。
【0011】前記の図5に示される従来の技術では、放
射型水冷壁を通常の循環水壁(300〜360℃)とし
ているため、表面温度が高く放射型水冷壁の清浄度が保
持できず出口温度を下げることができなかったり、ま
た、清浄度を保持するためにシールガスを投入する多数
のノズルを付ける必要がある。
射型水冷壁を通常の循環水壁(300〜360℃)とし
ているため、表面温度が高く放射型水冷壁の清浄度が保
持できず出口温度を下げることができなかったり、ま
た、清浄度を保持するためにシールガスを投入する多数
のノズルを付ける必要がある。
【0012】本発明は、以上の問題点を解決することが
できる噴流床石炭ガス化炉を提供しようとするものであ
る。
できる噴流床石炭ガス化炉を提供しようとするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、石炭及び酸素
含有ガスと水蒸気からなるガス化剤を投入して、石炭を
部分燃焼し、石炭中の灰分を溶融スラグとして排出し、
かつ、CO、H2 及びCH4 を主成分とするガスを発生
させる噴流床石炭ガス化炉において、ガス化反応部の少
くとも灰分が付着力の強い半溶融状態となる領域に、同
ガス化反応部の周壁を構成する低温の冷却水による水冷
壁を設けたことを特徴とする。
含有ガスと水蒸気からなるガス化剤を投入して、石炭を
部分燃焼し、石炭中の灰分を溶融スラグとして排出し、
かつ、CO、H2 及びCH4 を主成分とするガスを発生
させる噴流床石炭ガス化炉において、ガス化反応部の少
くとも灰分が付着力の強い半溶融状態となる領域に、同
ガス化反応部の周壁を構成する低温の冷却水による水冷
壁を設けたことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明では、ガス化反応部において、少くとも
灰分が付着力の強い半溶融状態となる中間温度の領域
に、ガス化反応部の周壁を構成する低温の冷却水による
水冷壁を設けているために、水冷壁は充分に冷却されて
おり、半溶融状態の灰の粒子は、はじかれて付着力が弱
まるため、灰スラグの付着を抑止することができる。
灰分が付着力の強い半溶融状態となる中間温度の領域
に、ガス化反応部の周壁を構成する低温の冷却水による
水冷壁を設けているために、水冷壁は充分に冷却されて
おり、半溶融状態の灰の粒子は、はじかれて付着力が弱
まるため、灰スラグの付着を抑止することができる。
【0015】一方、前記のように、水冷壁には半溶融状
態の灰の粒子の付着が抑制されて壁面が清浄なため、ガ
ス化反応部内のガスから水冷壁の壁面への放熱ロスが大
きく、ガス化性能の低下が懸念されるが、本発明者の行
ったテスト等によれば、噴流床石炭ガス化炉、特に加圧
下の噴流床ガス化炉では、粒子の濃度が高く、このよう
な状態では水冷壁の壁面温度が低く清浄であっても放射
伝熱により、顕熱を失うのは壁面近傍のガスのみで、ガ
ス化反応部の中心部の高温ガス温度は、そのままとじ込
められる性質があることがわかった。従って、本発明で
は、ガス化性能をそこなうことなくスラグの付着成長を
抑止することができる。
態の灰の粒子の付着が抑制されて壁面が清浄なため、ガ
ス化反応部内のガスから水冷壁の壁面への放熱ロスが大
きく、ガス化性能の低下が懸念されるが、本発明者の行
ったテスト等によれば、噴流床石炭ガス化炉、特に加圧
下の噴流床ガス化炉では、粒子の濃度が高く、このよう
な状態では水冷壁の壁面温度が低く清浄であっても放射
伝熱により、顕熱を失うのは壁面近傍のガスのみで、ガ
ス化反応部の中心部の高温ガス温度は、そのままとじ込
められる性質があることがわかった。従って、本発明で
は、ガス化性能をそこなうことなくスラグの付着成長を
抑止することができる。
【0016】
【実施例】本発明の第1の実施例を、図1によって説明
する。本実施例は石炭ガス化複合発電設備に用いられる
加圧噴流床石炭ガス化炉に係るものであり、圧力容器1
2内にガス化反応部1が収容され、ガス化反応部1の上
部には圧力容器12の上方へ生成ガス14を排出する出
口管11が接続されている。2は、ガス化反応部1の下
部に設けられ石炭及びガス化剤としての酸素含有ガスと
水蒸気をガス化反応部1内へ投入するバーナである。
する。本実施例は石炭ガス化複合発電設備に用いられる
加圧噴流床石炭ガス化炉に係るものであり、圧力容器1
2内にガス化反応部1が収容され、ガス化反応部1の上
部には圧力容器12の上方へ生成ガス14を排出する出
口管11が接続されている。2は、ガス化反応部1の下
部に設けられ石炭及びガス化剤としての酸素含有ガスと
水蒸気をガス化反応部1内へ投入するバーナである。
【0017】前記ガス化反応部1の周壁は鉄製の上下2
個の水冷壁3とその中間にある鉄製の低温水冷壁6で構
成され、低温水冷壁6は、ガス化反応部1内のガス温度
が燃焼の結果生ずる灰分が半溶融状態となる中間温度の
領域に位置している。水冷壁3には、効率向上の点から
石炭ガス複合発電システムの高圧蒸気系(ボイラ缶水)
の比較的温度の高い(300〜360℃)高圧の循環水
が入口ライン4より供給され、出口ライン5から循環水
が排出される。
個の水冷壁3とその中間にある鉄製の低温水冷壁6で構
成され、低温水冷壁6は、ガス化反応部1内のガス温度
が燃焼の結果生ずる灰分が半溶融状態となる中間温度の
領域に位置している。水冷壁3には、効率向上の点から
石炭ガス複合発電システムの高圧蒸気系(ボイラ缶水)
の比較的温度の高い(300〜360℃)高圧の循環水
が入口ライン4より供給され、出口ライン5から循環水
が排出される。
【0018】温度制御弁8aをもち30〜150℃の常
温水が流れる常温水ライン8と温度制御弁9aをもち2
50〜360℃の温水が流れる温水ライン9は合流して
入口ライン7となり、同入口ライン7より低温の水が低
温水冷壁6へ供給され、同低温水冷壁6を通った水は出
口ライン10より排出されるようになっている。
温水が流れる常温水ライン8と温度制御弁9aをもち2
50〜360℃の温水が流れる温水ライン9は合流して
入口ライン7となり、同入口ライン7より低温の水が低
温水冷壁6へ供給され、同低温水冷壁6を通った水は出
口ライン10より排出されるようになっている。
【0019】前記入口ライン7には温度計15と流量計
17が設けられ、また、前記出口ラインには温度計16
が設けられている。これらの温度計15、16と流量計
17の信号によって、温水ライン9の温度制御弁8a、
9aが制御されるようになっている。なお、図1中13
はスラグである。
17が設けられ、また、前記出口ラインには温度計16
が設けられている。これらの温度計15、16と流量計
17の信号によって、温水ライン9の温度制御弁8a、
9aが制御されるようになっている。なお、図1中13
はスラグである。
【0020】本実施例では、ノズル2から投入された石
炭がガス化反応部1内でガス化剤としての酸素含有ガス
と水蒸気の存在下で部分燃焼し、CO、H2 及びCH4
を主成分とする生成ガス14が発生して出口管11より
排出され、また、石炭中の灰分はスラグ13として炉外
へ排出される。ガスは、ガス化反応部1の下部で130
0〜2000℃の温度をもち、水冷壁3及び低温水冷壁
6で冷却され、出口管11の入口部で灰粒子が固化する
800°〜1100℃の低い温度となり、灰が固化され
た状態で図示しない対流型熱交換器等へ送られる。
炭がガス化反応部1内でガス化剤としての酸素含有ガス
と水蒸気の存在下で部分燃焼し、CO、H2 及びCH4
を主成分とする生成ガス14が発生して出口管11より
排出され、また、石炭中の灰分はスラグ13として炉外
へ排出される。ガスは、ガス化反応部1の下部で130
0〜2000℃の温度をもち、水冷壁3及び低温水冷壁
6で冷却され、出口管11の入口部で灰粒子が固化する
800°〜1100℃の低い温度となり、灰が固化され
た状態で図示しない対流型熱交換器等へ送られる。
【0021】灰粒子が液状から固体状に遷移し強い付着
力をもつガスの中間温度の領域には、前記低温水冷壁6
が配置されている。
力をもつガスの中間温度の領域には、前記低温水冷壁6
が配置されている。
【0022】この低温水冷壁6には、前記常温水ライン
8より供給される30〜150℃の温度の常温水と温水
ライン9より供給される250〜360℃の温水が温度
制御弁8a、9aによってそれぞれ適当な量混合され石
炭の炭種、運転条件等に応じて調整された温度の水が冷
却水として供給され、かつ、出口ライン10を出る水の
温度は飽和水温度以下になるように温度制御弁8a、9
aによって入口ライン7の流量が制御される。
8より供給される30〜150℃の温度の常温水と温水
ライン9より供給される250〜360℃の温水が温度
制御弁8a、9aによってそれぞれ適当な量混合され石
炭の炭種、運転条件等に応じて調整された温度の水が冷
却水として供給され、かつ、出口ライン10を出る水の
温度は飽和水温度以下になるように温度制御弁8a、9
aによって入口ライン7の流量が制御される。
【0023】このように、前記ガスの中間温度の領域に
調整された温度をもつ低温の冷却水で冷却された低温水
冷壁6が設けられているために、半溶融状態の灰の粒子
は低温水冷壁6よりはじかれて付着力が弱まることとな
り、スラグの付着を抑止することができる。
調整された温度をもつ低温の冷却水で冷却された低温水
冷壁6が設けられているために、半溶融状態の灰の粒子
は低温水冷壁6よりはじかれて付着力が弱まることとな
り、スラグの付着を抑止することができる。
【0024】また、このように、低温水冷壁6はスラグ
の付着が抑止されて比較的清浄に保たれるが、加圧下の
ガス化反応部1では灰粒子の濃度が圧力に比例して高く
なっており、生成ガス14等の顕熱は低温水冷壁6の近
傍のもののみが放射伝熱によって失われるにすぎず、同
ガス化反応部1の中心部の高温ガス温度はそのまま閉じ
込められ、放熱ロスを小さくしてガス化性能の低下を防
ぐことができる。
の付着が抑止されて比較的清浄に保たれるが、加圧下の
ガス化反応部1では灰粒子の濃度が圧力に比例して高く
なっており、生成ガス14等の顕熱は低温水冷壁6の近
傍のもののみが放射伝熱によって失われるにすぎず、同
ガス化反応部1の中心部の高温ガス温度はそのまま閉じ
込められ、放熱ロスを小さくしてガス化性能の低下を防
ぐことができる。
【0025】更に、以上に説明したように、炭種と運転
条件等によって低温水冷壁6へ入口ライン8より供給さ
れる水の温度と流量が制御されるが、温度計15、16
はそれぞれ入口ライン8と出口ライン9の水の温度を検
出し、その温度差によって、スラグが或る程度付着する
ことによる低温水冷壁6の吸熱量の低下を検知すること
ができる。このような低温水冷壁6の吸熱量の低下が起
った場合には、温度計15、16の信号によって温度制
御弁8a、9aを制御することによって入口ライン8内
の水の温度、即ち低温水冷壁6の冷却水の温度を変化さ
せ、低温水冷壁6の壁面に伸縮及び温度変化ショックを
与えることによって、付着スラグを除去することができ
る。
条件等によって低温水冷壁6へ入口ライン8より供給さ
れる水の温度と流量が制御されるが、温度計15、16
はそれぞれ入口ライン8と出口ライン9の水の温度を検
出し、その温度差によって、スラグが或る程度付着する
ことによる低温水冷壁6の吸熱量の低下を検知すること
ができる。このような低温水冷壁6の吸熱量の低下が起
った場合には、温度計15、16の信号によって温度制
御弁8a、9aを制御することによって入口ライン8内
の水の温度、即ち低温水冷壁6の冷却水の温度を変化さ
せ、低温水冷壁6の壁面に伸縮及び温度変化ショックを
与えることによって、付着スラグを除去することができ
る。
【0026】本発明の第2の実施例を、図2によって説
明する。本実施例は、前記第1の実施例において、鉄製
の水冷壁3を1個としてガス化反応部1の周壁を構成
し、同水冷壁3の上下方向の中間の灰が付着力の強い半
溶融状態になる領域に同水冷壁に内接するように鉄製の
低温水冷壁6を設けており、その他は前記第1の実施例
と同じ構成を有している。
明する。本実施例は、前記第1の実施例において、鉄製
の水冷壁3を1個としてガス化反応部1の周壁を構成
し、同水冷壁3の上下方向の中間の灰が付着力の強い半
溶融状態になる領域に同水冷壁に内接するように鉄製の
低温水冷壁6を設けており、その他は前記第1の実施例
と同じ構成を有している。
【0027】本実施例においても、前記第1の実施例と
同様な作用及び効果を奏することができるが、更に、1
個の水冷壁3に内接して低温水冷壁6を設けているため
に、同低温水冷壁6を設置する範囲を容易に変更するこ
とができ、改造を実施しやすい効果がある。
同様な作用及び効果を奏することができるが、更に、1
個の水冷壁3に内接して低温水冷壁6を設けているため
に、同低温水冷壁6を設置する範囲を容易に変更するこ
とができ、改造を実施しやすい効果がある。
【0028】なお、前記第1及び第2の実施例では、低
温水冷壁6をガス化反応部1の上下方向の中間の灰分が
付着力の強い半溶融状態になる領域に設けているが、ガ
ス化反応部の全面にこれを設置するようにすることもで
きる。
温水冷壁6をガス化反応部1の上下方向の中間の灰分が
付着力の強い半溶融状態になる領域に設けているが、ガ
ス化反応部の全面にこれを設置するようにすることもで
きる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、噴流床石炭ガス化炉のガス化
反応部の少くとも灰分が付着力の強い半溶融状態となる
領域に、ガス化反応部の周壁を構成する低温の冷却水に
よる水冷壁を設けているために、半溶融状態の灰の粒子
がはじかれて同水冷壁の壁面への付着力が弱まり、スラ
グの付着を抑止することができると共に、低温の水冷壁
への放射伝熱は同水冷壁近傍のガスのみで行われるガス
化反応部の中心部のガスの温度が低下することがなく、
ガス化性能をそこなうこともない。
反応部の少くとも灰分が付着力の強い半溶融状態となる
領域に、ガス化反応部の周壁を構成する低温の冷却水に
よる水冷壁を設けているために、半溶融状態の灰の粒子
がはじかれて同水冷壁の壁面への付着力が弱まり、スラ
グの付着を抑止することができると共に、低温の水冷壁
への放射伝熱は同水冷壁近傍のガスのみで行われるガス
化反応部の中心部のガスの温度が低下することがなく、
ガス化性能をそこなうこともない。
【図1】本発明の第1の実施例の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施例の説明図である。
【図3】従来の噴流床石炭ガス化炉の1例の説明図であ
る。
る。
【図4】従来の噴流床石炭ガス化炉の他の例の説明図で
ある。
ある。
【図5】従来の噴流床石炭ガス化炉の更に他の例の説明
図である。
図である。
1 ガス化反応部 2 バーナ 3 水冷壁 4 水冷壁の入口ライン 5 水冷壁の出口ライン 6 低温水冷壁 7 低温水冷壁の入口ライン 8 常温水ライン 8a 温度制御弁 9 温水ライン 9a 温度制御弁 10 低温水冷壁の出口ライン 11 出口管 12 圧力容器 13 スラグ 14 生成ガス 15、16 温度計 17 流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 一広 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株 式会社長崎造船所内 (72)発明者 小山 智規 長崎市深堀町5丁目717番1号 三菱重 工業株式会社長崎研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 石炭及び酸素含有ガスと水蒸気からなる
ガス化剤を投入して、石炭を部分燃焼し、石炭中の灰分
を溶融スラグとして排出し、かつ、CO、H 2 及びCH
4 を主成分とするガスを発生させる噴流床石炭ガス化炉
において、ガス化反応部の少くとも灰分が付着力の強い
半溶融状態となる領域に、同ガス化反応部の周壁を構成
する低温の冷却水による水冷壁を設けたことを特徴とす
る噴流床石炭ガス化炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28432592A JP2622333B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 噴流床石炭ガス化炉 |
Applications Claiming Priority (1)
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