JP2622082B2 - 光受信器 - Google Patents

光受信器

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JP2622082B2
JP2622082B2 JP6042636A JP4263694A JP2622082B2 JP 2622082 B2 JP2622082 B2 JP 2622082B2 JP 6042636 A JP6042636 A JP 6042636A JP 4263694 A JP4263694 A JP 4263694A JP 2622082 B2 JP2622082 B2 JP 2622082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光受信器に係り、特に光
検出素子アレイに入射する複数の光信号を論理合成した
信号を得る光受信器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体技術と計算機アーキテクチ
ャの進展により、多数のプロセッサによって並列的に処
理を進め、総合処理能力を飛躍的に向上させる超並列計
算機が実用化されつつある。超並列計算機では、搭載さ
れるプロセッサの数が増大するにつれて、プロセッサ間
でデータをやりとりするためのバスは一層高速・大容量
であることが要求される。
【0003】プロセッサ間のバスを電気配線により実現
する従来の方法では、超並列計算機で必要とされるよう
な高速性と大容量性の要求を満たすことが難しく、また
配線数が膨大なものとなって結線が困難となったり、長
い電気配線での信号ロスを補償するための中継バッファ
の設置が必要となるなどの問題がある。
【0004】電気配線によりプロセッサ間のバスを実現
した場合のこれら種々の困難を解決するものとして、電
気配線に代えて、多数のプロセッサ・エレメントを搭載
したボード間配線の簡素化ができ、高速通信が可能な利
点を持つ光インターコネクションを用いた光バスが有望
視されている。図13は、このような光バス方式の一例
を示す概念図であり、複数のプロセッサボード100〜
10n上に、複数の発光/受光素子をマトリックス状に
配列した面状発光/受光デバイス110〜11nを設
け、ボード100〜10n間の自由空間を伝搬する光信
号を反射鏡121〜124によりリング状に循環させ
て、全てのボード100〜10n間のバス接続を行うも
のである。個々の発光/受光素子は、例えば基板中央に
発光・透過機能を持つ発光・透過素子を配置し、その周
囲に環状の受光素子を配置したものである。なお、ここ
でいう透過素子は、増幅・スイッチ・レンズ等の透過光
学素子である。
【0005】図13において、最上段のボード100の
下面から出射された光信号はボード101上の上面で一
部受信され、残りの透過した信号はボード101で発生
する別のパスを通る光信号と並列的に、ボード101の
下面から下段のボードへ向けて出射される。以下同様に
して最下段のボード10nの下面から出射された光信号
は、反射鏡121〜124により順次反射されてボード
100の上面に入射する。このように光が周回する光バ
ス方式は、超並列計算機のみならず大容量交換機のよう
な大容量の高速データを扱うシステムにも適用できると
いう利点から、大いに注目されている。
【0006】特開平5−152608号「光素子および
光バス、およびこれらを用いた光学式プロセッサ間結合
網」においては、図13に示したリング状光バス構成に
おいて、一つの基板上にプロセッサ・エレメントが4個
搭載された場合の例を表す図14に示すように、各プロ
セッサボード上では面状発光/受光デバイス110〜1
13とプロセッサ・エレメントPEijが接続された構
成をとる例が示されている。
【0007】図14において、各ボード上の発光/受光
デバイス110〜113の斜線で示す発光素子から垂直
に出射した光信号は、次段以降のボード上の発光/受光
デバイスの受光素子に入射する。デバイス上のマトリッ
クス状に配列された各々の光素子は、光学的に互いに独
立したパスで上下方向に結合されている。各ボード上の
発光/受光デバイス110〜113の同一行の受光素子
の出力は、同一プロセッサ・エレメント(PE)に入力
され、他のボード上の列番号が同一のどのプロセッサ・
エレメントから発生された光信号も必ず受け取ることが
できるようになっている。すなわち、例えば発光/受光
デバイス110の00,10,20,30の位置にある
受光素子の出力はプロセッサ・エレメントPE00に論
理合成して入力される。従って、プロセッサ・エレメン
トPEi0から送信される信号は必ずプロセッサ・エレ
メントPE00で受信できる。一方、このプロセッサ・
エレメントPE00の伝送信号出力によって斜線で示す
00の位置にある発光素子が駆動され、PEi0に向け
て送信される。
【0008】かくて、任意のiに対してPEi0同士は
互いに信号を送受できることが分かる。同様にして、任
意のiに対してプロセッサ・エレメントPEi1同士、
PEi2同士、PEi3同士は互いに信号を送受可能で
ある。このようにして、光バス結合によって全てではな
いが、かなりの数のプロセッサ・エレメント同士が結合
されたことになる。
【0009】一方、同一のプロセッサボード上に搭載さ
れているプロセッサ・エレメントは互いに電気的に結合
されていて、任意のjに対してPE0j同士,…,P3
j同士は互いに信号の送受が可能である。
【0010】以上から容易に分かるように、互いに別の
プロセッサボード上にある任意のプロセッサ・エレメン
ト間の通信は、光バスの光通信一回、またはそれに加え
てボード上での電気的通信を一回行えば、実現すること
ができる。
【0011】以上の説明では、プロセッサ・エレメント
が各々4個プロセッサボード上に搭載されている例を示
したが、一般にm個搭載された場合に拡張しても、多く
は電気または光の通信一回で、最大でも各々一回の合計
二回の通信で、任意のプロセッサ・エレメント間で通信
できることは明らかである。
【0012】以上のように、複数の振幅変調した光信号
の論理合成信号を検出できる光受信器があれば、全ての
プロセッサ・エレメント間を任意に結合できるクロスバ
結合網の機能の一部を有する光バスを実現できることに
なり、超並列計算機に利用できることが特開平5−15
2608号に開示されている。
【0013】ところで、上述の例に示したように発光/
受光デバイスにクロスバ結合網の機能の一部を担わせる
ためには、独立した複数の振幅変調光信号を複数の受光
素子つまり光検出素子アレイによって受信し、同一の出
力端子から出力できること、すなわち複数の光入力信号
を論理合成した信号(論理合成信号)を出力できること
が不可欠である。この場合、複数の受光素子の出力を直
接論理合成した信号を取り出す代わりに、発光/受光デ
バイスの受光素子である光検出素子アレイの各出力を個
別に取り出してプロセッサ・エレメントなどに導き、論
理ゲート素子を用いて論理合成を行う方法では、引き出
し線などの配線が膨大なものとなってしまう。
【0014】
【発明が解決するための手段】上述したように、光検出
素子アレイの各出力を個別に取り出して論理ゲート素子
に入力し、光検出素子アレイに入射する複数の振幅変調
光信号を論理合成した論理合成信号を得る従来の方式で
は、引き出し線などの配線が膨大なものとなってしまう
という問題があった。
【0015】本発明は、光検出素子アレイからの引き出
し線などの配線を増加させることなく、光検出素子アレ
イに入射する光信号を論理合成した信号を得ることがで
きる光受信器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る光受信器は、基板と、この基板上に設
けられ、複数の光検出素子を所定間隔で少なくとも一方
向に配列してなる光検出素子アレイと、この光検出素子
アレイの複数の光検出素子の各一端を共通接続する誘導
性の共通接続配線と、光検出素子アレイの両端部の光検
出素子の各一端にそれぞれ接続された第1および第2の
終端抵抗と、共通接続配線の少なくとも一方の端部から
光検出素子アレイに入射する複数の光信号を検出した電
気信号を論理合成した信号に変換する手段とを具備し、
光検出素子アレイと共通接続配線により一定の特性イン
ピーダンスを有するLC回路網を構成し、さらに第1お
よび第2の終端抵抗の抵抗値を該LC回路網の特性イン
ピーダンスと等しくしたことを特徴とする。
【0017】
【作用】フォトダイオードのような光検出素子は、電気
的には入射する光の強度に比例した電流を出力する高イ
ンピーダンスの定電流源とキャパシタンスとの並列回路
で等価的に表される。このため、光検出素子の各出力端
を単純に結線して同一負荷により発生する電圧から論理
合成信号を取り出す、いわゆるワイアド・オア回路構成
とすると、光検出素子アレイからの引き出し線数は各光
検出素子の出力を個別に取り出した場合に比較して大幅
に減少するが、反面、インピーダンス整合のとれない多
数の反射点が存在するという問題が発生する。光信号が
数10Mb/s以下の伝送速度の低速信号の場合には、
このようなワイアド・オア回路構成でも特に問題はない
が、光信号が100Mb/s以上の伝送速度の高速信号
の場合には、上記反射点での反射波が干渉し合い、論理
合成信号の波形歪が増大する。
【0018】これに対し、本発明の光受信器では光検出
素子アレイの各出力を単純に負荷に接続するのでなく、
基板上に光検出素子を形成した時に生成されるキャパシ
タンスと光検出素子の各一端を接続する誘導性の共通接
続配線のインダクタンスとによりLC回路網を構成し、
その特性インピーダンスを回路網上のどの節点(光検出
素子の共通接続点)でも等しくなるようにする。さら
に、光検出素子アレイ両端部の光検出素子の各一端に終
端抵抗をそれぞれ接続し、それらの終端抵抗の抵抗値を
LC回路網の特性インピーダンスと等しくする。ここ
で、光検出素子のキャパシタンスとは、光検出素子自体
の固有容量(接合容量など)のみでなく、これに実効的
に加算される電極や配線などによる浮遊容量なども含む
ものとする。
【0019】このような構成とすることにより、光検出
素子アレイの各光検出素子から出力された光電流は、素
子出力端で等分配されてLC回路網の左右に出力され、
節点等で反射を生じることなく、終端抵抗まで伝搬され
て吸収される。従って、共通接続配線の少なくとも一方
の端部から、光検出素子アレイに入射する複数の光信号
を論理合成した信号を取り出すようにすれば、反射に起
因する波形歪のない良好な論理合成信号が得られること
になる。
【0020】なお、本発明による光受信器は論理回路的
にはワイアド・オア回路であるから、出力する論理合成
信号は扱う光信号が正論理の場合は論理和(OR)信
号、光信号が負論理の場合は論理積(NAND)信号と
なる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の一実施例に係る光受信器の平面
図と断面図である。図1において、半導体基板10は例
えば半絶縁性のInP基板であり、この上に、n型導電
層11、InGaAsからなるi層12およびp型導電
層13を積層してなるpinフォトダイオード14−i
j(i=1,2,…,n、j=1,2,…,m)がマト
リックスアレイ状に形成されている。フォトダイオード
14−ijの相互間は、基板11上に形成された絶縁層
15により絶縁されている。そして、p型導電層13上
にアノード電極16が形成されると共に、絶縁層15上
に行方向(図の左右方向)に並んだアノード電極16間
を共通接続する誘導性の共通接続配線17が形成されて
いる。n型導電層11は、基板10上に行方向に沿って
配列形成されたバイアス印加用の共通カソード電極18
にそれぞれ接続されている。
【0022】フォトダイオードアレイの行方向両端のフ
ォトダイオード14−11,14−1n、14−21,
14−2n、…14−m1,14−mnの各一端(アノ
ード側)は、誘導性の外部接続配線19,20をそれぞ
れ介して第1および第2の終端抵抗21,22の一端に
接続されている。ここで、外部接続配線19,20は例
えば線幅が共通接続配線17と等しく、長さが共通接続
配線17の半分であり、従ってそのインダクタンスの値
は共通接続配線17の半分となっている。終端抵抗2
1,22の他端は、接地端23,24にそれぞれ接続さ
れている。共通カソード電極18と接地端23との間に
は、フォトダイオード14−ijに対する逆バイアス電
圧Vbが印加される。
【0023】一方、外部接続配線20の他端と接地端2
4は、波形整形回路25の入力端に接続されている。波
形整形回路25は例えばアンプと識別器により構成さ
れ、行方向に並んだフォトダイオードアレイに入射する
n個の振幅変調光信号26−ijを論理合成した信号を
所定の論理振幅を持つ矩形波に整形するものであり、論
理合成信号を2値化処理するためのものである。なお、
波形整形回路25は単にリミッタアンプであったり、論
理合成信号を増幅するものであってもよい。
【0024】次に、本実施例の光受信器の動作を説明す
る。図2は図1の行方向に並んだフォトダイオードアレ
イの電気的接続関係を示す図であり、図3はその等価回
路図である。図2および図3に示されるように、フォト
ダイオード14−1〜14−1nのキャパシタンスC
(以下、フォトダイオード容量という)と共通接続配線
17のインダクタンスLおよび外部接続配線19,20
のインダクタンスL/2により構成されており、共通接
続配線17を半分ずつに振り分けて考えると、Cの左右
にL/2が接続された回路を基本とする繰り返しLC回
路網を構成していることが分かる。Rは終端抵抗21,
22の抵抗値を表す。前述のように、フォトダイオード
は等価的に定電流源とキャパシタンスとの並列回路で表
されるが、高周波的には容量素子と等価であり、そのキ
ャパシタンス(以下、これをフォトダイオード容量とい
う)Cは、次式のように接合容量Cjと電極などで形成
される浮遊容量Cpとの和で与えられる。
【0025】 C=Cj+Cp (1) ここで、接合容量Cjは印加電圧(バイアス電圧)をV
b、Vb=0のときのpn接合容量をCs、pn接合の
電位差をφとして、次式で表される。
【0026】 Cj=Cs/(1−Vb/φ)1/2 (2) 図3においてC=Cj+Cpが成り立つ時には、フォト
ダイオードに逆バイアス電圧Vbを印加した図2の回路
と図3のLC回路網は電気的に等価である。図3に示す
繰り返しLC回路網おいて、伝搬信号の遮断周波数fc
は次式で与えられる。
【0027】 fc=1/π(LC)1/2 (3) この遮断周波数fcより低い周波数領域では、LC回路
網の特性インピーダンスZは次式で近似できる。
【0028】 Z=(L/C)1/2 (4) 従って、図3に示すLC回路網の特性インピーダンスZ
がどの接続線の中でも予め定められた一定のインピーダ
ンス(例えば50Ω)となり、かつ両端の終端抵抗2
1,22の値RをLC回路網の特性インピーダンスZと
等しくすれば、フォトダイオードアレイの各フォトダイ
オード14−ijから出力された光電流は、各節点から
LC回路網の両側に半分ずつ分配され、反射を生じるこ
となく終端抵抗21,22まで伝搬されて吸収される。
これにより、フォトダイオードアレイに入射する複数の
振幅変調光信号26を論理合成した信号は反射による波
形歪を伴うことなく、原信号の正しい合成波形として、
波形整形回路25に入力される。従って、波形整形回路
25における論理合成信号出力の識別誤りを低減するこ
とが可能となる。
【0029】ここで、波形整形回路25の入力インピー
ダンスは、Zに比べて十分に大きい場合を述べたが、小
さい場合には入力インピーダンスと終端抵抗22の合成
インピーダンスがZに等しくなるよう終端抵抗22の値
を選ぶ必要があることは言うまでもない。
【0030】次に、具体的な設計例を以下に示す。今、
図3においてL=0.1nH、C=0.4pFとする
と、遮断周波数はfcはほぼ50GHzとなり、特性イ
ンピーダンスZは10Gb/s以下では十分な精度で一
定の50Ωという値を持つ。また、図1における基板1
0の比誘電率を9とすると、5GHzの信号の基板10
内での波長は20mmであるので、フォトダイオードの
ような容量素子が数mm以下の間隔で配列されているL
C回路網の電気的特性の解析には、集中定数化した取扱
いが十分な精度で適用できる。従って、式(1)のCp
には接続配線の浮遊容量を含めることができる。LC回
路網の両端をR=Zなる値の終端抵抗21,22で終端
すればインピーダンス整合がとれ、LC回路網上の任意
の容量素子(フォトダイオード)の節点から見たとき、
実質的に節点の左右に同一のインピーダンスの負荷が接
続されているのと等価に見えることになる。
【0031】図1においては、インダクタンスLが所望
の値となるように、フォトダイオード14−ijの行方
向の間隔(共通接続配線17の単位長)と共通接続配線
17および外部接続配線19,20の線幅が予めシミュ
レーションにより、または実験的に決められた値に設定
されている。これらのうちフォトダイオード14−ij
の行方向の間隔については、50μm〜3mmの間で設
定される。共通接続配17と外部接続配線19,20の
線幅に関しては、通常のフォトリソグラフィプロセスで
形成できる1μm以上の幅に設定される。
【0032】一方、行方向の両端のフォトダイオード1
4−11,14−1n、14−21,14−2n、…1
4−m1,14−mnと終端抵抗21,22の間の距
離、つまり外部接続配線19,20の長さは、信号伝送
速度が10Gp/s程度以下の場合は、正確にフォトダ
イオード14−ijの行方向の間隔の1/2である必要
は必ずしもなく、フォトダイオード14−ijの行方向
の間隔の1〜0倍の間で選んでも問題はない。言い換え
れば、外部接続配線19,20のインダクタンスは望ま
しくはL/2であるが、0〜Lの間にあればよい。
【0033】一般に、フォトダイオードは式(1)
(2)に示したように、逆バイアス電圧Vbを印加する
ことで接合容量を小さくして使用する。これに対し、本
実施例の光受信器では、フォトダイオード容量の調整範
囲の中心付近で特性インピーダンスZを計算して設計
し、LC回路網の加工誤差やフォトダイオードの特性の
素子間ばらつきがあった時、この逆バイアス電圧Vbを
調整してインピーダンス整合が最良にとれるように、す
なわち図3において特性インピーダンスZが所望の値と
なるようにフォトダイオード容量Cの値を調整する。
【0034】なお、上記実施例では波形整形回路25を
LC回路網の一端側にのみ接続したが、両端側に接続し
てもよい。その場合、各々の出力を独立に使ってもよい
が、波形整形回路が増幅器タイプの時には、両側の波形
整形回路から出力される論理合成信号を足し合わせて光
受信器の出力とすることにより、出力の論理合成信号の
振幅をより大きくとることができる。また、図1では終
端抵抗21,22を基板10上に膜抵抗として直接形成
したが、インピーダンスZの導波路を介して基板10の
外部に引き出して外付け抵抗として設けてもよいし、波
形整形回路などの外部回路と同一集積回路上に形成して
もよい。
【0035】本発明の光受信器においては、式(3)に
示した遮断周波数fcを使用周波数より十分高い値にす
ることは容易であるが、式(4)に示した特性インピー
ダンスZをいかに所望の値(例えば50Ω)に設定する
かが重要である。このためには、図3におけるフォトダ
イオード容量CとインダクタンスLの値を適切に設定す
ることが必要である。そこで、次にこれらLとCを適切
な値にするための種々の実施例について説明する。図4
は、図1のフォトダイオード14−ijと共通接続配線
17、外部接続配線19(20)および共通カソード電
極18の部分を拡大して示す平面図である。
【0036】これに対して、図5の実施例はフォトダイ
オード14−ijのアノード電極16の幅を大きくする
ことにより、n型導電層11とアノード電極16間およ
びアノード電極16と共通接続配線17および外部接続
配線19(20)との間のキャパシタンスを大きくした
例である。また、図6の実施例は共通カソード電極18
のフォトダイオード14−ijに対向する部分をフォト
ダイオード14−ij側に突出させてアノード電極16
と共通カソード電極18間のキャパシタンスを大きくし
た例である。
【0037】図5、図6の実施例のように構成すること
によって、フォトダイオード14−ijの接合容量Cj
が十分に大きくない場合でも、浮遊容量Cpの増大によ
り図3におけるフォトダイオード容量Cを所望の値にす
ることができる。
【0038】図7の実施例は、図5と同様の手法により
フォトダイオード14−ijの浮遊容量Cpを大きくす
ることに加えて、フォトダイオード14−ijと並列に
ダイオード30を設けることによって、Cjを見掛け上
大きくすると同時に、隣接した共通カソード電極18を
介してダイオード31に印加するバイアス電圧Vb′を
調整することにより、フォトダイオード容量Cの調整範
囲を広くするようにした例である。ダイオード30は、
光に感応して容量が変化しないように、図示しない遮光
膜によって遮光されているものとする。
【0039】なお、図7の実施例の手法は単に容量調整
範囲を広げることのみならず、製造ばらつきの許容範囲
を大きくする効果もあり、これによって製造歩留まりの
向上などの利点が期待できる。
【0040】図8の実施例は、フォトダイオード14−
ijにおけるn型導電層11の面積を大きくして、n型
導電層11と配線17,19(20)との間にもキャパ
シタンスを持たせた例である。このようにしても、浮遊
容量Cpを大きくしてフォトダイオード容量Cを増大さ
せることができる。なお、図8の実施例をさらに拡張し
て、n型導電層11を個別に共通カソード電極18に引
き出さず、n型導電層11を基板10上に連続的に形成
して浮遊容量Cpを増大させてもよい。この場合、等価
回路は厳密な意味では図3とは異なってくるが、集中定
数化した近似モデルでは図3と同等と見なすことができ
る。
【0041】図9の実施例は、フォトダイオード14−
ijのアノード電極16の上にSiO2 膜やSiN膜な
どの絶縁膜31を形成し、さらにその上に接地層32を
形成して、アノード電極16と絶縁膜31および接地層
32により、MIM容量を形成した例である。このよう
にしても、浮遊容量Cpを大きくしてフォトダイオード
容量Cを増大させることができる。
【0042】なお、図5〜図9の実施例で説明した浮遊
容量Cpを増大させる手法は、任意の組み合わせで2つ
乃至5つを適宜組み合わせて実施することができること
はいうまでもない。
【0043】上述した浮遊容量Cpを増大させる手法を
用いると、式(4)よりLC回路網の特性インピーダン
スZが低下する。これに対し、特性インピーダンスZを
上昇させるには、誘導性の共通接続配線17のインダク
タンスLおよび外部接続配線19,20のインダクタン
スL/2を大きくすればよい。その実施例を図10〜図
12に示す。
【0044】図10の実施例は、共通接続配線17およ
び外部接続配線19,20の線幅を一部細くすることに
より、インダクタンスL、L/2を大きくした例であ
る。線幅を細くすることにより、配線の直流抵抗の増加
が懸念される場合には、浮遊容量Cpを増大させない範
囲で配線の膜厚を増やせばよい。
【0045】図11の実施例は、共通接続配線17およ
び外部接続配線19,20を蛇行させることにより、イ
ンダクタンスL、L/2を大きくした例である。さら
に、図12の実施例は共通接続配線17および外部接続
配線19,20をスパイラル状に形成して、所謂スパイ
ラルインダクタを構成することにより、インダクタンス
L、L/2を大きくした例である。
【0046】本発明は、上述した実施例に限定されるも
のでなく、以下のように種々変形して実施することがで
きる。例えば、上記実施例ではフォトダイオード14−
ijとして、基板10側から光を入射させる背面入力型
フォトダイオードを示したが、基板と反対側から光を入
射させる前面入力型フォトダイオードであってもよい。
また、フォトダイオードのpn接合を図と逆の関係とし
てもよい。
【0047】また、基板10の材料についてもInPに
限定されるものではなく、光信号の波長に応じてGaA
s、GaP、Ga、Siなど適宜使用することができ、
それに応じてフォトダイオードのpn接合を構成する材
料をInGaPと異なる材料を使用することも可能であ
る。
【0048】さらに、図1ではフォトダイオードアレイ
としてマトリックスアレイ、すなわち2次元アレイを示
したが、複数のフォトダイオードを一列に配列した1次
元アレイとした場合でも、本発明を適用できることはい
うまでもない。また、フォトダイオード単体のアレイに
限らず、例えば他の機能を持つ周囲に環状に配置された
複合素子アレイの場合にも本発明を適用できる。
【0049】また、光検出素子としてはフォトトランジ
スタを用いてもよく、一般にはフォトダイオード、フォ
トトランジスタなどの電流出力型光検出素子であれば原
理的に使用することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光受信器
によれば外部引き出し線などの配線数を増やすことな
く、複数の高速光信号入力に対して波形歪のない良好な
論理合成信号を得ることができる。
【0051】従って、本発明による光受信器は、例えば
超並列計算機などのバス接続において、クロスバ網に近
い機能を付加した高機能光バスを実現することが可能と
なり、システムの大幅な性能向上を図ることができる。
さらに、本発明の光受信器は配線数が少なく、比較的単
純でコンパクトな構成であるため、この光バスに光イン
タコネクションの持つ空間多重性などの優れた特性を兼
ね備えさせることができると共に、光バスの低コスト化
にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光受信器の構成を示す
平面図および断面図
【図2】同実施例の電気的回路構成を示す図
【図3】図2の等価回路であるLC回路網を示す図
【図4】図1の要部拡大平面図
【図5】本発明の他の実施例における要部拡大平面図
【図6】本発明の他の実施例における要部拡大平面図
【図7】本発明の他の実施例における要部拡大平面図
【図8】本発明の他の実施例における要部断面図
【図9】本発明の他の実施例における要部断面図
【図10】本発明の他の実施例における要部拡大平面図
【図11】本発明の他の実施例における要部拡大平面図
【図12】本発明の他の実施例における要部拡大平面図
【図13】リング状光バスの構成図
【図14】図13における各プロセッサボード上の発光
/受光デバイスにおける発光素子および受光素子の配列
を示す図
【符号の説明】
10…基板 11…n型導電
層 12…i層 13…p型導電
層 14−ij…フォトダイオード 15…絶縁層 16…アノード電極 17…共通接続
配線 18…共通カソード電極 19,20…外
部接続配線 21,22…終端抵抗 23,24…接
地端 25…波形整形回路 26−ij…振
幅変調光信号 30…ダイオード 31…絶縁膜 32…接地層 100〜10n…プロセッサボード 110〜11n…発光/受光デバイス 121〜124…反射鏡
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/14 10/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、 この基板上に設けられ、複数の光検出素子を所定間隔で
    少なくとも一方向に配列してなる光検出素子アレイと、 この光検出素子アレイの複数の光検出素子の各一端を共
    通接続する誘導性の共通接続配線と、 前記光検出素子アレイの両端部の光検出素子の各一端に
    それぞれ接続された第1および第2の終端抵抗と、 前記共通接続配線の少なくとも一方の端部から前記光検
    出素子アレイに入射する複数の光信号を検出した電気信
    号を論理合成した信号に変換する手段とを具備し、 前記光検出素子アレイと前記共通接続配線により予め定
    められた一定の特性インピーダンスを有するLC回路網
    を構成し、前記第1および第2の終端抵抗の抵抗値を該
    LC回路網の特性インピーダンスと等しくしたことを特
    徴とする光受信器。
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