JP2620214B2 - 溶融紡糸または溶融吹込の可能な組成物からつくられたせん維 - Google Patents

溶融紡糸または溶融吹込の可能な組成物からつくられたせん維

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JP2620214B2 JP7186563A JP18656395A JP2620214B2 JP 2620214 B2 JP2620214 B2 JP 2620214B2 JP 7186563 A JP7186563 A JP 7186563A JP 18656395 A JP18656395 A JP 18656395A JP 2620214 B2 JP2620214 B2 JP 2620214B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融紡糸または溶融吹込
可能な組成物、さらに具体的には二つの異なったブロッ
ク共重合体を基質とする溶融紡糸または溶融吹込可能な
組成物からつくられたせん維に関する。
【0002】
【従来の技術および解決すべき問題点】溶融紡糸法およ
び溶融吹込法は密接に関連しており、いずれも重合体せ
ん維およびせん維を基質とする構造物の製造に用いられ
る。これらの方法には溶融重合体の流れを一つまたはそ
れ以上のダイの開口部を通して押出しそしてこのように
して得られるせん維をその押出速度よりも大きな速度で
引落す点では共通しているが、せん維を引落す態様にお
いては異なっている。溶融吹込法では引落工程は米国特
許明細書第3,825,380号および3,379,8
11号に記載されているようにして(高温の)空気また
は気体を押出されたせん維に沿って吹付けることによっ
て行なわれ、そして最終的なせん維たとえばスクリーン
上にウェブ(不織布)として集められる。しかし溶融紡
糸法では熱可塑性せん維が押出速度よりも大きな直線速
度を有する引取りスプールによって引落される。この方
法もまた米国特許第3,379,811号に簡略に記載
されている。前記の方法におけるせん維の製造の際に好
ましく用いられる化合物については、それらは以下の基
本的な要件を満たさなければならない。 (a)それらは配合、混合および押出しが可能なように
充分熱可塑性でなければならずそして(b)押出しの後
において溶融重合体の流れまたはせん維がたとえば延伸
および混合等のような処理に対して破断することなく耐
えるような充分な強度を有していなければならない。
【0003】これらの必要条件に合致する化合物は一般
に単一の熱可塑性重合体、熱可塑性重合体の混合物また
は染料、添加物、改質剤あるいは加工助剤などをそれら
の中に有する一種またはそれ以上の熱可塑性重合体を含
む。これらの化合物を基質とするせん維には広い用途が
見出されているが、同様にしてつくられる弾性のあるせ
ん維についての需要が増大している。しかし種々の理由
のために通常のエラストマを前記の方法によってこのよ
うなせん維の製造に用いることの可能性はまだ見出され
ていない。その一つとして、通常のエラストマは熱可塑
性に欠けそしてさらに一般に粘度が高過ぎるために前記
の技術による加工が不可能である。さらにこれらの重合
体は化学反応すなわち加硫を経た後でなければ引張強度
および弾性率などのようなそれらの機械的な特性を得る
ことができず、かかる反応はこれらの重合体の流動性の
好ましくない変化を同時に生じさせてそれらをかかる方
法に不適なものとする。したがって特定のエラストマを
基質とする化合物が好ましく押出されることは考えられ
るが、それによって得られる未加硫のせん維の不充分な
強度によって引き続く処理の間にそれらの早期の破断が
生じることは明らかであろう。このような方法に用いる
のに好適であると思われる種類のエラストマはポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレンの三ブロック共重
合体などのような熱可塑性ゴムである。しかし、最終的
なせん維はそれらの大きな不飽和度のために多くの用途
には不適である。
【0004】欧州特許出願第0033569号には溶融
吹込み法による弾性せん維の製造方法が記載されてい
る。この方法によってつくられるせん維はポリスチレン
末端ブロックとゴム質のポリエチレン−ブチレン中間ブ
ロックとを有する三ブロック共重合体であってスチレン
の全含有分が約29重量%である市販の熱可塑性ゴム:
クレイトン(Kraton)G1652 (登録商標名)
を基質とするものであった。さらにこの文献にはこのよ
うな熱可塑性ゴムはそのままでは押出しによってせん維
にすることができないが、これはこの熱可塑性ゴムにス
テアリン酸などのような脂肪族の薬品を配合することに
よって解消されこの化合物が溶融相にある熱可塑性ゴム
を可溶化しそして溶融破断を生じさせずにせん維に押出
すことが可能になることが記載されている。記載された
特定の実施例においては、熱可塑性ゴムに20重量%の
ステアリン酸が配合されていた。固化したステアリン酸
粒子がゴム分子の弾性的な動きを阻害するのでこれを除
去してこのようにして得られる弾性せん維の性能を改善
することが推奨されていた。これを行なうために提案さ
れた方法はせん維をイソプロピルアルコール中に浸漬す
ることである。この後処理は面倒であるだけではなくこ
の方法を経済的に好ましくないものとする。
【0005】驚くべきことには、溶融紡糸あるいは溶融
吹込みなどのような方法によって弾性せん維を製造する
際に好ましく用いられ、しかもすでに述べた同様な組成
物におけるような不利益を伴なわない熱可塑性ゴムの組
成物が発見された。この新しい溶融紡糸あるいは溶融吹
込みの可能な熱可塑性ゴム組成物は、たとえば押出しな
どによる最終的なせん維から除かなければならない相当
な量の低分子量の脂肪族の薬品の処理助剤を含まない本
質的に全てがゴムからなる組成物である点で従来技術の
溶融紡糸あるいは溶融吹込み可能な組成物と区別され
る。この新しい組成物は従来知られている組成物よりも
はるかに処理の容易で紫外線および酸化に対して安定な
溶融紡糸および溶融吹込みの可能な弾性組成物を調合す
る際に大きな自由度を与える。
【0006】
【問題点を解決するための手段】したがって、本発明
は: (a)二つの末端ブロックAおよび一つの中間ブロック
Bを有する少なくとも一種の三ブロック共重合体であっ
て前記ブロックAがモノアルケニルアレーン重合体ブロ
ックであり、前記ブロックBが実質的に完全に水素添加
された共役ジエン重合体ブロックであり、前記ないしは
夫々の三ブロック共重合体の数平均分子量が約1600
0ないし約175000の範囲にあり、Aブロックの数
平均分子量が約4000ないし約30000の範囲にあ
り、そして前記ないしは夫々の三ブロック共重合体のモ
ノアルケニルアレーン含有分が前記三ブロック共重合体
の約10ないし約50重量%の範囲にある少なくとも一
種の前記三ブロック共重合体約55ないし約85重量部
と、(b)少なくとも一種の二ブロック共重合体C−D
であってCブロックが約4000ないし約30000の
範囲にある数平均分子量を有するモノアルケニルアレー
ン重合体ブロックであり、そしてDブロックが前記ない
しは夫々の三ブロック共重合体の中間ブロックBの数平
均分子量の約25ないし約75%の範囲にある数平均分
子量を有する実質的に完全に水素添加された共役ジエン
重合体ブロックである前記少なくとも一種の二ブロック
共重合体C−D約15ないし約45重量部とを含む溶融
紡糸または溶融吹込の可能な組成物であって、かつ前記
溶融紡糸または溶融吹込の可能な組成物中に用いられる
前記三ブロック共重合体および前記二ブロック共重合体
の全重量部が100重量部に等しい前記溶融紡糸または
溶融吹込の可能な組成物からつくられたことを特徴とす
るせん維を提供する。
【0007】本発明において好都合に用いられる三ブロ
ック共重合体は、たとえばクレイトンGの商標名として
シェル化学社(Shell Chemical Com
pany)から市販されている。このような重合体を調
製する方法は従来技術において公知である。米国特許明
細書第3,595,942号には本発明の組成物に用い
られる幾つかの重合体が開示されていると共にそれらの
水素化についての適当な方法が記載されている。これら
の直鎖状重合体はリチウムアルキルあるいはジリチオス
ティルベン等のような重合開始剤を用いる際に所望のモ
ノマを反応容器中に逐次的に導入することによって、ま
たは二−ゼクメントブロック共重合体を二官能性の結合
剤によって結合することによって得られる。重合体中に
おける結合残基の存在は本発明の組成物の一部をなす重
合体の適当な説明については無視される。
【0008】双方のブロックAおよびBはこれらのブロ
ックを特徴付ける少なくとも一つのモノマにおいて各ブ
ロックが主体的であり、かつAブロックがモノアルケニ
ルアレーンにおいて個々に主体的でありそしてBブロッ
クが共役ジエン単位において個々に主体的であるかぎり
ホモポリマあるいは、ランダムポリマのいずれかのブロ
ックであってもよい。ここでモノアルケニルアレーンと
いう用語は特にスチレンおよびα−メチルスチレンおよ
び環−置換スチレン、特に環−メチル化スチレンを含む
その類似体および同族体を意味するものとする。好まし
いモノアルケニルアレーンはスチレンおよびα−メチル
スチレンでありそしてスチレンが特に好ましい。共役ジ
エンとしてはブタジエン、イソプレンおよびピペリレン
そして特にブタジエンおよびイソプレンが挙げられ、ブ
タジエンがもっとも好ましい。使用されるモノマがブタ
ジエンである場合には、ブタジエン重合体ブロック中に
おける縮合ブタジエン単位の約35ないし約65モル%
が標準的NMR法で測定したときに1,2型を有してい
ることが好ましい。すなわちこのようなブロックを水素
添加する際に得られる生成物は規則的なエチレンおよび
1−ブテンのコポリマブロックであるかあるいはこれに
類似したものとなる。もっとも好ましい1,2−含有分
は約45%である。使用される共役ジエンがイソプレン
である場合には得られる水素添加生成物はエチレンおよ
びプロピレンの規則的な共重合体ブロックであるかある
いはこれらに類似したものとなる。本発明の実施に際し
て使用するのに適したこれらの熱可塑性三ブロック共重
合体についてはそれぞれのブロックの平均分子量が極め
て重要な特色をなしそしてこれらはある範囲内でのみ変
えられる。モノアルケニルアレーンAブロックは400
0ないし30000、好ましくは約4500ないし12
000程度の数平均分子量を有し、一方モノアルケニル
アレーンブロックの割合はこれらブロック共重合体の約
10ないし50重量%の間とすべきである。
【0009】これら三ブロック共重合体の全数平均分子
量そして特にその上限は主として現在利用可能な装置に
よって表されそして約16000ないし約175000
の範囲とすべきである。このようにジエンブロックの分
子量はモノアルケニルアレーンブロックの分子量、モノ
アルケニルアレーンの重量%および共重合体の全分子量
についての制限によって効果的に設定される。しかし、
より精巧な装置が利用できるようになれば現在提案され
ている重合体よりも分子量の大きな三ブロック共重合体
もまた本発明の実施に都合よく用いられるものと考えら
れる。これらの分子量はトリチウム計数法あるいは浸透
圧測定法によって極めて正確に求められる。
【0010】本発明は特に水素添加前の形態として以下
の特定の形式を有する選択的に水素添加された重合体を
用いることに適用される:ポリスチレン−ポリブタジエ
ン−ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリ
ブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン) C−D二ブロック共重合体もまた有機リチウム触媒によ
って調製される。水素添加の前ではCブロックはモノア
ルケニルアレーン重合体ブロックでありDブロックは共
役ジエン重合体ブロックである。共役ジエンとしては具
体的にはブタジエン、イソプレンおよびピペリレンが挙
げられ、ブタジエンが好ましい。使用されるジエンがブ
タジエンである場合には、ブタジエン重合体ブロック中
の縮合ブタジエン単位の約35ないし約65モル%が標
準NMR法によって測定した際に1,2−形態であるこ
とが好ましい。Cブロックはポリスチレンブロックであ
ることが好ましい。Cブロックの平均分子量は約400
0ないし30000、好ましくは約4500ないし12
000の間である。Dブロックの平均分子量は三ブロッ
ク共重合体の中間ブロックBの分子量の約25ないし約
75%の間である。先駆体ブロック共重合体の水素添加
は脂肪族二重結合の少なくとも80%を実質的に完全に
水素添加し、一方アルケニルアレーン芳香族二重結合の
約25%以下を水素添加するような条件の下でアルミニ
ウムアルキル化合物とニッケルあるいはコバルトカルボ
ン酸塩またはアルコキシドとの反応生成物からなる触媒
を用いることによって好ましく行われる。好ましいブロ
ック共重合体は脂肪族二重結合の少なくとも99%が水
素添加され一方芳香族二重結合の5%以下が水素添加さ
れているようなものである。
【0011】相溶性および改善された性能のために、二
ブロック共重合体および三ブロック共重合体のモノアル
ケニルアレーンブロックの平均分子量がほぼ同じ値であ
ることが好ましく、そしてまた二ブロック共重合体のゴ
ム質の脂肪族ブロックの分子量を三ブロック共重合体の
中間ブロックBの約40ないし約60%の範囲とするこ
とが好ましい。本発明において三ブロック共重合体およ
び二ブロック共重合体を用いる割合は流動性の条件、す
なわちこの組成物がせん維を溶融紡糸あるいは溶融吹込
み法によってつくるのに充分な熱可塑性の流れおよび溶
融強度を示すこと、そして生成されるせん維が破断を生
じることなく処理および混合することが可能な程度に充
分大きな引張特性を有していることの双方によって決定
される。良好な加工性のためにはゴム配合物は約15重
量%以上の二ブロック共重合体を含有すべきであり、一
方充分大きな引張強度を有するせん維を製造するために
は配合物が約45重量%以上の二ブロック共重合体を含
んでいてはならないことが判明した。
【0012】押出可能な組成物の基質をなす三ブロック
共重合体および二ブロック共重合体の配合物は水素添加
された三および二ブロック共重合体をたとえば連続押出
混合機中で所要の割合で溶融配合することによって得る
ことができる。また先駆体三ブロック共重合体および先
駆体二ブロック共重合体の溶液を配合し、次いで得られ
た先駆体配合物を水素添加することも可能である。しか
し配合物をつくるための好ましい方法は先駆体三ブロッ
ク共重合体および先駆体二ブロック共重合体を一つの反
応器中で同時に調製することである。このことは重合プ
ロセスの所定の段階、すなわち重合体種の平均分子量が
最終的な配合物中に用いられる先駆体二ブロック共重合
体の分子量に対応する時点で存在するリビング重合体の
予め定めた部分について重合の成長を早期に停止させ、
次いで公知の態様で残部の重合体種について重合を継続
させて所望の先駆体三ブロック共重合体を調製すること
によって行なわれることは当業者には明らかであろう。
このようにして調製された先駆体三ブロック共重合体お
よび先駆体二ブロック共重合体の最終的な配合物は次い
で前記の先駆体配合物あるいは個々の先駆体共重合体に
ついて用いられたのと同様にして水素添加される。
【0013】これらの三および二ブロック共重合体は劣
化に対して優れた抵抗性を示すが、この性質は適当な劣
化防止剤を調合することによってさらに改質される。一
般に等量のジラウリルチオジプロピオネートと組合せて
用いられる立体回転禁止フェノール型の酸化防止剤、ま
たは亜鉛ジブチルジチオカーバメートと立体回転禁止フ
ェノールとの組合せによって酸化および/または熱劣化
に対する効果的な保護が得られる。必要によっては紫外
線照射に対する抵抗性は適当な市販のUV保護剤そして
それが実用的であれば二酸化チタンあるいは酸化亜鉛な
どのような反射性の無機充填物を含有させることによっ
てさらに改善される。特定の最終用途のためにはこの組
成物中に少量の有機充填物あるいは増量剤を含ませるこ
とも好ましい。このような適当な充填物としてはポリエ
チレンおよびポリプロピレン等のようなポリオレフィン
が挙げられ、陰イオン性ポリスチレン等のような特定の
種類のポリスチレンそして水素添加されていないあるい
は部分的に水素添加されているジエンの多重ブロック共
重合体も含まれる。加工助剤、静電防止剤、染料等のよ
うな補助的な材料も必要に応じてさらに混入させること
ができる。種々の補助的な材料を用いる場合の相対的な
量はかなりな程度まで加工条件および最終用途の必要に
応じて決定される。
【0014】
【実施例】本発明は組成物の個々の特性を以下のように
して測定した次の実施例によってさらに理解されよう:融解粘度 :インストロン細管粘度計を用いた剪断率γ=
10秒-1、1000秒-1でASTM D 3833−7
9に準拠。引張強度および破断伸び :インストロン引張試験機を用
い、ASTM D 412に準拠、試験試料(ダンベ
ル)は射出成形によってつくった2mm厚のスラブから
切り取った。融解強度および減面(引落し)率 :溶融紡糸組成物のこ
れらの二つの重要な特性を測定するための標準的な試験
方法はない。しかしこれらの特性はせん維状の押出し生
成物を生成する細管ダイ(03mm,L/D=10)を
備えたゲットフェルト(外1)単軸スクリュー実験室押
出機(バレル20mm,L/D=20,出力10g/
分)およびせん維を引き落す巻取り装置としてのレオテ
ンス(Rheotens)装置を含む「模擬溶融紡糸
法」によって便宜に測定される。ポリプロピレン等のよ
うな熱可塑性重合体の引き落し共振を研究するために従
来用いられていたこの単軸押出機とレオテンスとの組合
せについてはジェイ・マイスナ(J.Meissne
r)によってレオールアクタ(Rheol.Acta)
10、230〜242 (1971年)に記載されてい
る。この押出機は190〜250℃の範囲の温度で動作
される。レオテンスのダイ開口部と巻き取りロールとの
間の距離は0.18mであり、巻き取りロールの加速度
は1.2×10m-3/秒2 であった。弾性せん維が巻き
取りロールに付着するのを防止するために、これらのロ
ールをエタノールによって連続的に濡らした。減面率
(引き落し率)は巻き取りロールの直線速度(V)と押
出し速度(V0 )の比率として定義される。
【外1】 Gttfert
【0015】実施例1〜3 ポリスチレンブロックの数平均分子量が7500であり
ポリエチレン−ブチレンブロックの数平均分子量が37
500であるポリスチレン/ポリエチレン−ブチレン/
ポリスチレンの三ブロック共重合体を、ポリスチレンブ
ロックの数平均分子量が7500でありそしてポリエチ
レン−ブチレンブロックの数平均分子量が18750で
あるポリスチレン/ポリエチレン−ブチレンの二ブロッ
ク共重合体と密閉式ミキサ中において前記三ブロック共
重合体の二ブロック共重合体に対する重量比を80対2
0、70対30および60対40としてそれぞれ混合し
た。次いで得られた配合物を用いて溶融粘度、引張強度
および破断伸びを測定し、一方実施例2の組成物につい
ては融解強度および減面率についても測定した。これら
組成物の流動性を、γ=1000秒-1で測定したηの相
当する値に対する剪断率γ=10秒-1で測定した溶融粘
度η(240℃)であるR値によって判定した。この値
は出来るだけ1に近くそして好ましくは4.5より大き
くてはならない。さらに引張強度が少なくても8MPa
であるせん維だけが重要であることが判った。これらの
結果を表1に併せて示す。
【0016】実施例4 ポリスチレンブロックの数平均分子量が4900であ
り、ポリエチレン−ブチレンブロックの数平均分子量が
60200であるポリスチレン/ポリエチレン−ブチレ
ン/ポリスチレンの三ブロック共重合体およびポリスチ
レンブロックの数平均分子量が4900でありそしてポ
リエチレン−ブチレンブロックの数平均分子量が301
00であるポリスチレン/ポリエチレン−ブチレンの配
合物であって、前記の完全に逐次的な重合法およびそれ
に引き続く水添工程によってその場で調製されそして三
ブロック共重合体の二ブロック共重合体に対する重量比
が75対25である配合物を実施例2の重合体配合物と
同様にして評価した。これらの結果を表1に示す。
【0017】例AおよびB(比較例) 実施例1〜3の配合物の調製に用いた三ブロック共重合
体および二ブロック共重合体を三ブロック共重合体の二
ブロック共重合体に対する重量比をそれぞれ90対10
および50対50として密閉式ミキサ中で配合した。こ
れらの配合物の性能特性を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例5 前記実施例4の三ブロックおよび二ブロック共重合体の
75/25 w/w配合物を実験室規模の溶融紡糸試験
にも用いた。この目的のために重合体配合物をペンタエ
リトリットテトラキス〔3−(3′,5′−ジtert
−ブチル−4′−オキシフェニル)−プロピオネート〕
酸化防止剤の商標名であるイルガノックス(Irgan
ox)1010の0.15 pbw(重合体100部当
り)およびオイルシル(eurucyl)アミドの商標
名であるケマミド(Kemamide)E 0.10の
pbwと共にドライブレンドし、次いで0.65mm径
の444の円筒状の開口部を有する口金(ダイ)を備え
た竪形のFARE実験室押出機(バレル、45mm径、
L/D=42)中に供給した。押出機の温度は12の領
域について個々に調製が可能でありそして口金の約2m
下方に巻き取り装置をおいた。二度の試験が良好に行な
われそれらの条件および結果を表2に示す。双方の試験
においてつくられたせん維の品質はこの巻き取り装置
(熱可塑性せん維のために開発された)が弾性の大きな
モジュールの低いせん維に対して問題があったにもかか
わらず極めて良好であった。
【0020】
【表2】 表 2 ───────────────────────────────── 試 験 1 2 ───────────────────────────────── 押出速度:rpm 16 16 ポンプ速度:rpm 6.0 6.0 圧力:バール 36 60 融解押出速度:cm/分 30 30 出力:kg/時 2.4 2.4 巻取速度:cm/分* 60−100 60−100 せん維径:mm 0.33 0.31 減面率 〜5 〜5 ───────────────────────────────── * 巻取り速度の正確な制御は不可能であり、したがって最小の設定に 制限された。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)二つの末端ブロックAおよび一つの
    中間ブロックBを有する少なくとも一種の三ブロック共
    重合体であって前記ブロックAがモノアルケニルアレー
    ン重合体ブロックであり、前記ブロックBが実質的に完
    全に水素添加された共役ジエン重合体ブロックであり、
    前記ないしは夫々の三ブロック共重合体の数平均分子量
    が約16000ないし約175000の範囲にあり、A
    ブロックの数平均分子量が約4000ないし約3000
    0の範囲にあり、そして前記ないしは夫々の三ブロック
    共重合体のモノアルケニルアレーン含有分が前記三ブロ
    ック共重合体の約10ないし約50重量%の範囲にある
    少なくとも一種の前記三ブロック共重合体約55ないし
    約85重量部と、(b)少なくとも一種の二ブロック共
    重合体C−DであってCブロックが約4000ないし約
    30000の範囲にある数平均分子量を有するモノアル
    ケニルアレーン重合体ブロックであり、そしてDブロッ
    クが前記ないしは夫々の三ブロック共重合体の中間ブロ
    ックBの数平均分子量の約25ないし約75%の範囲に
    ある数平均分子量を有する実質的に完全に水素添加され
    た共役ジエン重合体ブロックである前記少なくとも一種
    の二ブロック共重合体C−D約15ないし約45重量部
    とを含む溶融紡糸または溶融吹込の可能な組成物であっ
    て、かつ前記溶融紡糸または溶融吹込の可能な組成物中
    に用いられる前記三ブロック共重合体および前記二ブロ
    ック共重合体の全重量部が100重量部に等しい前記溶
    融紡糸または溶融吹込の可能な組成物からつくられたこ
    とを特徴とするせん維。
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