JP2619579B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
基板の間に液晶を挿入した液晶パネルからなる。一方の
ガラス基板の内面には共通電極及び配向膜が設けられ、
他方の基板の内面には画素電極及び配向膜が設けられ
る。最近では、後者の基板に画素電極とともにアクティ
ブマトリクス回路を形成することが多くなっている。さ
らに、これらの基板の外側にはそれぞれ偏光板が設けら
れる。通常、これらの偏光板は偏光の透過軸が互いに直
交するように配置される。以下、このノーマリホワイト
モードを例にとって説明するが、ノーマリブラックモー
ド(偏光板平行)においても、技術的に同様のものにつ
いては適用されることは言うまでもない。
の液晶がよく使用される。液晶分子は両基板の配向膜に
従ってプレチルト及びツイストする。すなわち、液晶の
分子の長軸方向が基板の配向膜の配向方向と平行に延
び、両基板の配向膜の配向方向は相互にほぼ垂直になっ
ているので、一方の基板から他方の基板に向かうにつれ
て螺旋状にツイストしていく。また、液晶の分子は配向
方向に従ってプレチルトすることが知られている。
向にラビングを行うことにより達成され、ラビングの方
向が液晶の配向方向と一致する。また、液晶の配向は、
例えば配向膜を斜め蒸着により形成することでも支配で
きる。液晶に電圧を印加しないときに、液晶の分子は初
期のツイスト及びプレチルトを維持した状態にあり、入
射光は液晶のツイストに沿って旋回しながら進み、液晶
セルから出射する。このときに、ノーマリホワイトモー
ドでは白表示が得られる。電圧を印加すると、液晶が立
ち上がり、液晶の複屈折作用が弱くなり、上記した光の
旋回作用が弱くなって、入射光が液晶セルを透過しにく
くなり、黒表示が得られるようになる。このようにし
て、液晶への印加電圧を制御しながら、全体で明暗のコ
ントラストのある画像を形成する。
子はプレチルトを有する方向へ立ち上がる。実際には、
電圧を印加したときに全ての液晶の分子が同様に立ち上
がるのではなく、基板の配向膜の近くに位置する液晶の
分子は配向膜に規制されてわずかしか立ち上がらず、両
基板の中間部に位置する液晶の分子が最も大きく立ち上
がる。従って、電圧印加時に黒表示を形成するのは、主
として両基板の中間部に位置する液晶の分子の挙動によ
る。
屈折率の異方性を有するため、光の入射する方向により
複屈折の効果が異なる。電圧を印加したときに液晶の分
子は基板の表面に垂直になるまで立ち上がるわけではな
く、基板の表面に対してある程度の角度まで立ち上が
る。従って、電圧印加により液晶の分子が基板の表面に
対してある角度まで立ち上がったとき、観視者は、画面
を見る方向により、液晶の分子の長軸方向との位置関係
が異なり、光の透過率の差が発生して得られる黒表示の
程度が異なる。このため、観視者の位置によっては、画
像の明暗のコントラストが低下する。これは、液晶表示
装置の視角特性として一般に認識されている。
昭54─5754号公報は、液晶の微小な単位領域の各
々に液晶の分子のツイスト方向が異なる2つの液晶配向
区分を形成することを提案している。また、特開昭63
─106624号公報は、1画素内で液晶の分子の配向
方向の異なる2つの液晶配向区分を形成することを提案
している。これらの提案によれば、ある視角特性の液晶
配向区分と別の異なる視角特性の液晶配向区分とを混合
することにより、全体としての視覚特性の向上を図るこ
とができる。
微小な単位領域の各々に2つの液晶配向区分を形成した
場合、これらの2つの液晶配向区分の境界部では液晶の
分子が一様に並んでいないので液晶の分子の配向が安定
しないという問題点があった。また、上記したように液
晶の微小な単位領域の各々に2つの液晶配向区分を形成
した場合、これらの2つの液晶配向区分の境界部では一
般に、ディスクリネーションが生じるという問題点があ
った。図11は液晶パネルPに2つの液晶配向区分A、
Bを繰り返しのパターンで形成した場合に液晶配向区分
A、Bの境界部にディスクリネーションDが生じたとこ
ろを示している。このディスクリネーションDは、TN
液晶におけるノーマリホワイトモードでは明るい縞状に
見える。このようなディスクリネーションDは明暗のコ
ントラストを低下させるので望ましくない。
各々に形成された2つの液晶配向区分を有した液晶表示
装置において、液晶の分子の配向性を向上し、また2つ
の液晶配向区分の境界部に生じるディスクリネーション
の問題を解消できるようにした液晶表示装置を提供する
ことである。
置は、第1及び第2の対向する基板16、18と、該第
1の基板の内面に設けたられた第1の電極21及び第1
の配向膜22と、該第2の基板の内面に設けられた第2
の電極24及び第2の配向膜26と、該第1及び第2の
基板の間に挿入された液晶20と、からなる液晶表示装
置であって、該液晶が、液晶分子が該第1の配向膜22
及び該第2の配向膜26の配向処理に従ってプレチルト
及びツイストする液晶からなり、該第1の配向膜22及
び該第2の配向膜26が、相互にほぼ垂直な配向方向を
有し、且つ複数の微小な単位領域の各々に形成された第
1及び第2の液晶配向区分A、Bを有し、よって該第1
の液晶配向区分における液晶の分子と該第2の液晶配向
区分における液晶の分子が平行な方向に長軸方向を有し
且つ逆方向にプレチルトするように配向処理され、か
つ、図1に示されるように、該微小な単位領域の第1及
び第2の液晶配向区分A、Bが、該第1の配向膜と該第
2の配向膜22、26の中間部に位置する液晶の分子の
長軸方向と平行な方向に長くストライプ状に設けられる
ことを特徴とするものである。
液晶の微小な単位領域の各々に形成された2つの液晶配
向区分A、Bを有した液晶表示装置において、第1及び
第2の対向する基板16、18の少なくとも一方に、該
微小な単位領域の第1及び第2の液晶配向区分の境界に
沿って延びる遮光膜40が設けられることを特徴とする
ものである。本発明の別の特徴による液晶表示装置は、
液晶の微小な単位領域の各々に形成された2つの液晶配
向区分A、Bを有した液晶表示装置において、第1の基
板及び第2の基板にそれぞれ設けられた第1の配向膜及
び第2の配向膜22、26が、該微小な単位領域の第1
及び第2の液晶配向区分A、Bの境界部に該第1及び第
2の液晶配向区分の配向状態とは異なる配向状態を表す
第3の液晶配向区分Cを有するように配向処理されてい
ることを特徴とするものである。
域毎に第1及び第2の液晶配向区分を設けることによっ
て、明暗のコントラストが向上し、さらに、該第1の配
向膜と該第2の配向膜の中間部に位置する液晶の分子の
長軸が相互に平行な方向に長く延びており、両区分の境
界部の変形がツイスト変形により維持されているため、
液晶の分子がより良く配向するようになる。(通常のネ
マチック液晶においてはツイスト変形に係わる弾性係数
が小さいため)。
晶配向区分の境界に沿って延びる遮光膜は、図11に示
したようなディスクリネーションの部分を覆い、ディス
クリネーションによる明暗のコントラストの低下を解消
する。なお、遮光膜は約5μm〜10μm程度の幅があ
れば十分であり、遮光膜が画素を横切って設けられてい
る場合でも観視者にはその存在は認識されず、明瞭な画
像が得られる。さらに、配向区分の境界においては、デ
ィスクリネーションとは別の配向乱れを生じ易く、それ
が原因となるコントラスト、表示品質の低下を防止する
ことも可能となる。
晶配向区分の境界部に該第1及び第2の液晶配向区分の
配向状態とは異なる配向状態を表す第3の液晶配向区分
を設けると、遮光膜を設けることなくディスクリネーシ
ョンによる特性低下を解消することができる。
び第2の液晶配向区分について説明するものである。図
3は、本発明の実施例の液晶表示装置の液晶パネル10
と、偏光板12、14とを示す図である。液晶パネル1
0は、一対の透明なガラス基板16、18の間に液晶2
0を封入したものである。図示しない光源からの光は矢
印Lの方から液晶パネル10に入射し、観視者Eは入射
方向とは逆の方向から液晶パネル10を見るものとし、
以後の説明においては、光の入射側の基板16を下基板
と呼び、観視者側の基板18を上基板と呼ぶことにす
る。
1及び配向膜22が設けられ、上基板18の内面には画
素電極24及び配向膜26が設けられる。さらに、図3
には、上基板18と画素電極24との間に絶縁層を介し
て設けられた蓄積容量電極28が示されている。図10
は、上基板18に設けられた画素電極24及びアクティ
ブマトリクス回路の配置を示している。アクティブマト
リクス回路は縦、横にマトリクス状に延びるデータバス
ライン30及びゲートバスライン32を含み、画素電極
24は薄膜トランジスタ(TFT)34を介してデータ
バスライン30及びゲートバスライン32に接続され
る。図10の右下には、蓄積容量電極28が液晶20に
対して並列に設けられる等価回路が示される。
イストネマチック型の液晶からなる。ツイストネマチッ
ク型の液晶20は、下基板16の配向膜(下配向膜)2
2の配向方向22a及び上基板の配向膜(上配向膜)2
6の配向方向26aに従ってツイスト及びプレチルトす
る。図4に示されるように、下配向膜22の配向方向2
2a及び上配向膜26の配向方向26aはガラス平面に
平行な成分が相互に垂直な方向に設けられる。下配向膜
22の配向方向22a及び上配向膜26の配向方向26
aは、配向処理がラビングによるときには繊維等のラビ
ング材を図4の矢印で示した配向方向22a、26aに
移動させることによって実現される。同様に、そのよう
な配向方向をもった配向膜を斜め蒸着により形成するこ
とができる。
Tで示されるように左回りにツイストしている例を示し
ている。ここで、20Lは下配向膜22の近くに位置す
る液晶の分子を示し、20Cは下配向膜22と上配向膜
26の間の中間部(液晶層の中央)に位置する液晶の分
子を示し、20Uは上配向膜26の近くに位置する液晶
の分子を示している。
20L、20C、20Uを取り出して示した図である。
図5の(A)の左側半分はこれらの液晶20の分子20
L、20C、20Uをパネル上面から見た平面図であ
り、右側半分はこれらの液晶20の分子20L、20
C、20Uを上下の配向膜22、26とともに見た断面
図である。なお、この断面図は、左側の図の矢印の方向
から見たものである。
分子20Lの長軸は、平面図で右下から左上へ45度の
方向へ向き、断面図で左端部が下配向膜22に対して上
がるプレチルトを示している。液晶20の中間分子20
Cの長軸は、平面図で下から上へ垂直に向き、断面図で
左端部が上がるプレチルトを示している。液晶20の上
分子20Uの長軸は、平面図で左下から右上へ45度の
方向へ向き、断面図で右端部が上配向膜26に対して上
がるプレチルトを示している。
を得る配向膜22、26の配向方向(ラビング方向)2
2a、26aの組合せを示し、実線の矢印が下基板16
の配向膜22の配向方向22aを示し、破線の矢印が上
基板18の配向膜26の配向方向26aを示している。
両配向方向22a、26aが決まれば、それらの間の液
晶の分子の配向は決まってしまうので、図5の(B)の
表示は図5の(A)の配向状態を示したものである。以
後、図5の(B)に示された特徴をもつ液晶パネル10
の微小部分を液晶配向区分Aと呼ぶ。
の中間部に位置する液晶の中間分子20Cに注目する
と、液晶の中間分子20Cは電圧を印加しないときには
上下の液晶の分子が20U、20Lと同じようにほぼ水
平に配向しているが、電圧を印加すると破線で示される
ようにある程度の傾斜角度まで立ち上がる。
は液晶パネルを法線方向から見る場合を示し、矢印
EL 、EU はそれぞれ下方及び上方から見る場合を示し
ている。液晶パネルを矢印EU の方から見ると、液晶の
中間分子20Cの複屈折の大きさは比較的小さくなり、
濃い黒表示を見ることになる。逆に、これを矢印EL の
方から見ると、液晶の中間分子20Cの複屈折の大きさ
は比較的大きな値を示し、この場合の光の透過量は多い
ので、より明るい黒表示を見ることになる。このよう
に、液晶配向区分Aの場合には、上方から見る画像は暗
く、下方から見る画像は明るくなる。
鎖線C及び破線L、Uで示されている。図7の一点鎖線
Cは真正面から見た場合の電圧─透過率曲線である。破
線U、Lは角度40度の上方及び下方から見た場合の電
圧─透過率曲線である。破線Lの場合には、電圧を高く
しても透過率の低下が少ないので、黒い表示を得ようと
しても、比較的に明るい表示になってしまう。破線Uの
場合には、電圧をわずかにかけると透過率が大幅に低下
し、すぐに黒になってしまい、白と黒の間の中間色を得
るのに不都合である。
で割る特性を示したのが実線Iである。実線Iの特性
は、一点鎖線Cの特性に近くなり、視角特性が改善され
る。このため、図6に示されるように、液晶配向区分A
と相補的な特徴をもつ液晶配向区分Bを設け、液晶配向
区分Aと液晶配向区分Bを合わせて1単位とする。液晶
配向区分Bの配向膜22、26の配向方向22a、26
aは相互に垂直であるとともに、液晶配向区分Aの配向
膜22、26の配向方向22a、26aに対してそれぞ
れ逆になっている。従って、液晶配向区分Bの中間分子
20Cは、電圧印加時の立ち上がり方が配向区分Aの場
合と逆になる。従って、液晶配向区分Bの視角特性は、
液晶配向区分Aとは逆に、上方から見たときに明るいも
のとなり、下方から見たときに暗いものとなる。
を合わせて配置することにより、図7の実線Iの特性が
得られる。そして、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bを
合わせたものを1単位領域とし、そのような微小な単位
領域を繰り返して液晶パネル10を形成する。このよう
な特徴を有する配向膜22、26の配向処理をラビング
で行う場合には、それぞれの配向膜22、26にまず液
晶配向区分Aに相当する開口部を有するマスクをあてて
所定の方向にラビングを行い、それから液晶配向区分B
に相当する開口部を有するマスクをあてて再度別の所定
の方向にラビングを行う。斜め蒸着の場合にも同様にマ
スクを使用して微小な区分毎に配向処理を行うことがで
きる。
縦に並べて配置された例を示しているが、これは下配向
膜22と上配向膜26の間の中間部に位置する液晶の中
間分子20Cの配向方向を同時に説明するために縦に並
べて示しただけであって、図8に示すように液晶配向区
分Aと液晶配向区分Bを横に並べて配置したものと実質
的に同じである。また、上記説明では、液晶20は左回
りのツイストをするものであったが、図9に示すよう
に、図示のような配向方向22a、26aをもった液晶
配向区分A1と液晶配向区分B1によれば右回りのツイ
ストで同様の特徴を達成することができる。
る視角特性をもっており、その差が観視者に認識されな
いで一様な画像を形成するためには、液晶配向区分A及
び液晶配向区分Bの面積はある程度小さいものであるこ
とが望ましい。好ましくは、1単位領域は、データバス
ライン30とゲートバスライン32とで囲まれた1画素
領域と一致するように形成するとよい。カラー表示のた
めに下基板16にカラーフィルタが設けられる場合に
は、その1画素領域はカラーフィルタのR、G、B毎の
領域とする。しかし、1単位領域は、1画素領域の整数
倍(3倍程度まで)、あるいは1画素領域の整数の逆数
倍にしてもよい。
設ける場合、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bを単に碁
盤の目状に配置すると、上記問題点として記載したよう
に、これらの2つの液晶配向区分の境界部で液晶の配向
性が悪化したり、図11に示したようなディスクリネー
ショが生じるという問題点が生じる。そこで本発明はそ
のような問題点を解決するためにさらに発展する。
装置は、上記した特徴を備えた液晶配向区分Aと液晶配
向区分Bからなる微小な単位領域の繰り返しからなると
ともに、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bが、下配向膜
22と上配向膜26の中間部に位置する液晶の分子20
Cの延びる方向(長軸方向)と平行な方向に長くストラ
イプ状に設けられる。
液晶配向区分Aでは液晶の中間分子20Cは表示画面に
垂直な平面内に延び、同様に液晶配向区分Bでも液晶の
中間分子20Cは表示画面に垂直な平面内に延びる。す
なわち、図1では、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの
液晶の中間分子20Cはともに紙面に垂直な平面内に延
び、この紙面に垂直な平面(図の直線)が液晶配向区分
Aと液晶配向区分Bを区画する。このように、下配向膜
22と上配向膜26の中間部に位置する液晶の分子20
Cが相互に平行な方向に長く延びており、両区分の境界
部での変形がツイスト変形により維持されるので、境界
部における液晶の分子20Cがより良く配向するように
なる。
に、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの液晶の中間分子
20CはわずかではあるがX字状に互いに反対方向に傾
斜している(図2の(A)は図1の左端側の矢印から見
た場合を示す)。これらの液晶の中間分子20Cは電界
を印加することによってそれぞれ矢印A、Bの方向に立
ち上がる。一方、図2の(B)は、本発明の特徴とは違
って、液晶の中間分子20Cが図1の液晶配向区分Aと
液晶配向区分Bを区画する直線に垂直な平面内に延びる
配向の場合(横ストライプで区分した場合)を示し、こ
の場合には液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの境界部に
位置する液晶の中間分子20Cは端部同士が突き合うよ
うに緩いV字形に配列する。
おり、液晶20の分子が姿勢を変化させるのを相互に阻
止している。従って、液晶20を立ち上がらせるために
は、その相互作用力に打ち勝つ力を与えることが必要で
ある。図2の(A)に示される本発明の場合には、液晶
配向区分Aと液晶配向区分Bの境界部に位置する液晶の
中間分子20Cの変形はツイストの弾性係数をもつ構造
になっており、図2の(B)に示す構成の場合には、液
晶配向区分Aと液晶配向区分Bの境界部に位置する液晶
の中間分子20Cの変形はベンドの弾性係数をもつ構造
になっている。一般に、液晶に曲げ力を与える場合に、
ツイストの弾性係数はベンドの弾性係数よりも小さい。
よって本発明の中間分子20Cはその他の構成のものよ
りも配向区分での液晶変形にともなうエネルギーが小さ
くなり、より配向性が高いという特徴がある。
る。この実施例においては、本発明による液晶表示装置
は、上記した特徴を備えた液晶配向区分Aと液晶配向区
分Bからなる微小な単位領域の繰り返しからなるととも
に、下基板16及び上基板18(図2参照)の少なくと
も一方に、該微小な単位領域の液晶配向区分Aと液晶配
向区分Bの境界に沿って延びる遮光膜40が設けられる
ことを特徴とするものである。
ディスクリネーションDの部分を覆い、ディスクリネー
ションDによる明暗のコントラストの低下を低減する。
なお、遮光膜40は約5μm〜10μm程度の幅があれ
ば十分であり、遮光膜40が画素を横切って設けられて
いる場合でも観視者にはその存在は認識されず、明瞭な
画像が得られる。
この実施例では遮光膜40が上基板18(図3参照)に
形成された蓄積容量電極28と兼用するように構成され
る。この実施例では、液晶配向区分Aと液晶配向区分B
を構成する単位領域はデータバスライン30とゲートバ
スライン32とで囲まれた1画素領域と一致するように
形成され、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの境界は画
素電極24を横切るようにゲートバスライン32と平行
に延びる。トランジスタ34は冗長構成で画素電極24
に対して上下端部に2個設けられており、液晶配向区分
Aと液晶配向区分Bの境界は両トランジスタ34の中間
を通る。
8の表面に設けられ、その上に絶縁層を設けた後、IT
Oの画素電極24が形成される。遮光膜40兼蓄積容量
電極28は導電性があり、且つ不透明な材料、例えばア
ルミニウムや、チタン等で作られる。遮光膜40兼蓄積
容量電極28をゲートバスライン32と同じ材料で作る
と、これらを上基板18の表面に同時に形成することが
できる。従って、この構成によれば、遮光膜40の形成
は容易である。
である。この実施例では、液晶配向区分A及び液晶配向
区分Bは、それぞれデータバスライン30とゲートバス
ライン32とで囲まれた1画素領域と一致するように形
成され、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの境界はデー
タバスライン30及びゲートバスライン32と重畳する
位置に来るようになっている。従って、この場合には、
データバスライン30及びゲートバスライン32がその
まま遮光膜40となる。また、この実施例に類似して、
液晶配向区分A及び液晶配向区分Bとデータバスライン
30及びゲートバスライン32との配置関係を適切する
ことにより、データバスライン30及びゲートバスライ
ン32の少なくとも一部を遮光膜40として利用でき
る。
に延びる液晶配向区分A及び液晶配向区分Bを有する構
成において、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの境界が
データバスライン30に重畳して延び、従って、この場
合には、データバスライン30を遮光膜40として利用
することができる。
である。この実施例では、遮光膜40は下基板16に設
けられる。下基板16には、カラー表示のために下基板
16にカラーフィルタが設けられ、且つカラーフィルタ
のR、G、B毎の領域を開口させるブラックマトリクス
42が設けられる。遮光膜40は、液晶配向区分Aと液
晶配向区分Bの境界を覆うようにブラックマトリクス4
2の開口部に相当する位置を横切って延びる。
である。この実施例では、遮光膜40が下基板16に設
けられ、さらに、別の遮光膜41が遮光膜40に対して
ずらした位置で上基板18に設けられる。例えば、液晶
20の厚さが5μmのとき、遮光膜41と遮光膜40と
の間のギャップは30μmとなっている。図18は、液
晶配向区分A及び液晶配向区分Bを斜めから見たときの
明暗を示す図である。図17の実施例は、液晶配向区分
Aと液晶配向区分Bの間の境界部に発生するディスクリ
ネーションを覆うことができるとともに、図18の特徴
をもつ液晶表示装置のコントラストをさらに向上させる
ものである。
うに、図18では、液晶配向区分Aを下方から見ると明
るく見え、同じ液晶配向区分Aを上方から見ると暗く見
える。また、液晶配向区分Bを下方から見ると暗く見
え、同じ液晶配向区分Bを斜め上方から見ると明るく見
える。両者を同じ割合で混合して見た場合の特性が図7
の曲線Iで示され、真正面から見た場合の特性が曲線C
で示されている。この曲線I及び曲線Cは図19に再掲
載されている。また、図7の曲線C及び曲線Uは図20
に再掲載されている。
上下視角方向で対称であり、曲線Cと曲線Uよりなる特
性を有する従来の液晶パネルに比較して視角特性を向上
させるが、それでも曲線Iの中間部よりも右側の部分
(高電圧側)は曲線Cよりも高い透過率を示している。
このため、液晶表示装置を上方又は下方から見る場合
に、画面が白っぽく見えることになる。図17の実施例
では、矢印Lの方向に入射する光に対して、その入射角
度の場合に暗く見える傾向のある液晶配向区分Aの遮光
膜40と遮光膜41との間の開口が広くなり(例えば4
0μm)、例えば図20の曲線UOに示される特性の透
過率が得られるようになる。一方、その入射角度の場合
に明るく見える傾向のある液晶配向区分Bの遮光膜40
と遮光膜41との間の開口が狭くなり(例えば20μ
m)、図20の曲線LOに示される特性の透過率が得ら
れるようになる。従って、曲線UOと曲線LOの特性を
混合すると、図19の曲線IOの特性を得ることができ
るようになる。この曲線IOは元の曲線Iの画面が白っ
ぽく見える点を改善している。なお、遮光膜40を上記
実施例の場合のように蓄積容量電極28やバスラインに
より形成することができ、遮光膜41をブラックマトリ
クスとともに形成することができる。
ぞれ基板16、18の表面から離れた位置に設け、遮光
膜40と遮光膜41との間の斜め開口43を任意の値に
設定できることを示している。
示す図である。この実施例においては、本発明による液
晶表示装置は、上記した特徴を備えた液晶配向区分Aと
液晶配向区分Bからなる微小な単位領域の繰り返しから
なるとともに、液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの境界
部に該液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの配向状態とは
異なる配向状態を表す第3の液晶配向区分Cを有するも
のである。
を形成するに当たっては、配向膜22と配向膜26に液
晶配向区分A及び液晶配向区分Bとは別の配向処理を行
う。図23では、液晶配向区分Cに相当する配向膜22
の部分22pと配向膜26の部分26pに、液晶20が
立ち上がりやすいような配向処理を行う。すなわち、デ
ィスクリネーションは、液晶20に電圧を印加したとき
に液晶配向区分Aと液晶配向区分Bの境界部の液晶の分
子が立ち上がりにくいことにより生じるものであるか
ら、この部分の液晶を液晶配向区分Aと液晶配向区分B
の液晶よりも立ち上がりやすくすることによってディス
クリネーションを解消する。
りやすいような配向処理の一手段として、液晶配向区分
Cに相当する配向膜22の部分22pと配向膜26の部
分26pを、配向膜のその他の部分よりも水平配向規制
力が弱いようにした例を示す図である。図26及び図2
7は、液晶20が立ち上がりやすいような配向処理の一
手段として、液晶配向区分Cに相当する配向膜22の部
分22pと配向膜26の部分26pに垂直配向処理を施
した例を示す図である。この場合、まず市販のシランカ
ップリング剤等の垂直配向剤を配向膜22及び配向膜2
6の全面に塗布し、次にイミド化率100パーセントの
ホリイミド等の水平配向剤を配向膜22及び配向膜26
の液晶配向区分A及び液晶配向区分Bのところに塗布
し、それからレジストによりマスクを使用してラビング
を行った。
うな配向処理の一手段として、液晶配向区分Cに相当す
る配向膜22,26の部分のみにラビングを行わない例
を示す図である。また、図29は、液晶20が立ち上が
りやすいような配向処理の一手段として、液晶配向区分
Cに相当する配向膜22,26の部分に液晶配向区分A
と液晶配向区分Bとは異なるラビングを行った例を示す
図である。このように、配向区分Cは種々の手段で形成
することができる。
液晶の分子の配向性を向上し、また2つの液晶配向区分
の境界部に生じるディスクリネーションを解消すること
ができ、コントラスト及び視角特性の優れた液晶表示装
置を得ることができる。
図であり、(A)は図1の配向を示し、(B)は別の配
向の例を示す図である。
視図である。
各部の液晶分子の配向状態を示す図であり、(B)は
(A)の簡略図であり、(C)は(B)のY−Y´線断
面図である。
である。
である。
る。
す図である。
す図である。
である。
である。
Claims (15)
- 【請求項1】 第1及び第2の対向する基板(16、1
8)と、該第1の基板の内面に設けられた第1の電極
(21)及び第1の配向膜(22)と、該第2の基板の
内面に設けられた第2の電極(24)及び第2の配向膜
(26)と、該第1及び第2の基板の間に挿入された液
晶(20)と、からなる液晶表示装置であって、 該液晶が、液晶分子が該第1の配向膜(22)及び該第
2の配向膜(26)の配向処理に従ってプレチルト及び
ツイストする液晶からなり、 該第1の配向膜(22)及び該第2の配向膜(26)
が、相互にほぼ垂直な配向方向を有し、且つ複数の微小
な単位領域の各々に形成された第1及び第2の液晶配向
区分(A、B)を有し、よって該第1の液晶配向区分に
おける液晶の分子と該第2の液晶配向区分における液晶
の分子が平行な方向に長軸方向を有し且つ逆方向にプレ
チルトするように配向処理され、 かつ、該微小な単位領域の第1及び第2の液晶配向区分
(A、B)が、該第1の配向膜と該第2の配向膜の中間
部に位置する液晶の分子の長軸方向と平行な方向に長く
ストライプ状に設けられることを特徴とする液晶表示装
置。 - 【請求項2】 該液晶がツイストネマチック型の液晶か
らなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装
置。 - 【請求項3】 該第1の配向膜及び該第2の配向膜の配
向処理がマスクを使用したラビングによるものであり、
該配向方向がラビング方向と一致することを特徴とする
請求項1に記載の液晶表示装置。 - 【請求項4】 縦及び横方向を有する表示画面を有し、
該第1の配向膜と該第2の配向膜の中間部に位置する液
晶の分子の長軸方向が該表示画面の縦方向と一致するよ
うに設定されることを特徴とする請求項1に記載の液晶
表示装置。 - 【請求項5】 該第1及び第2の対向する基板のうちの
少なくとも一方の基板がバスラインを有し、該微小な単
位領域の第1及び第2の液晶配向区分の境界が一方向に
延びる該バスラインと重畳するように形成されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 【請求項6】 該第1及び第2の対向する基板のうちの
一方の基板がその電極とともに該電極に接続されるマト
リクス状の縦横のバスラインを有し、該微小な単位領域
が一方向に延びる該隣接バスラインの間に設けられるこ
とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 【請求項7】 第1及び第2の対向する基板(16、1
8)と、該第1の基板の内面に設けられた第1の電極
(21)及び第1の配向膜(22)と、該第2の基板の
内面に設けられた第2の電極(24)及び第2の配向膜
(26)と、該第1及び第2の基板の間に挿入された液
晶(20)と、からなる液晶表示装置であって、 該液晶が、液晶分子が該第1の配向膜(22)及び該第
2の配向膜(26)の配向処理に従ってプレチルト及び
ツイストする液晶からなり、 該第1の配向膜(22)及び該第2の配向膜(26)
が、相互にほぼ垂直な配向方向を有し、且つ複数の微小
な単位領域の各々に形成された第1及び第2の液晶配向
区分(A、B)を有し、よって該第1の液晶配向区分に
おける液晶の分子と該第2の液晶配向区分における液晶
の分子が平行な方向に長軸方向を有し且つ逆方向にプレ
チルトするように配向処理され、 かつ、該第1及び第2の対向する基板(16、18)の
少なくとも一方に、該微小な単位領域の第1及び第2の
液晶配向区分(A、B)の境界に沿って重畳して延びる
遮光膜(40)が設けられることを特徴とする液晶表示
装置。 - 【請求項8】 該第1及び第2の対向する基板のうちの
一方の基板に該液晶のための蓄積容量電極が設けられ、
該蓄積容量電極が非透明で該遮光膜となることを特徴と
する請求項7に記載の液晶表示装置。 - 【請求項9】 該第1及び第2の対向する基板のうちの
少なくとも一方の基板がバスラインを有し、該バスライ
ンのうちの少なくとも一部のものが該遮光膜となること
を特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。 - 【請求項10】 所定の画素面積を有し、該微小な単位
領域が該画素面積の整数倍に設定されることを特徴とす
る請求項7に記載の液晶表示装置。 - 【請求項11】 所定の画素面積を有し、該微小な単位
領域が該画素面積の整数の逆数倍に設定されることを特
徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。 - 【請求項12】 該第1の基板がその電極とともに該電
極に接続されるマトリクス状の縦横のバスラインを有
し、該第2の基板に該遮光膜が設けられることを特徴と
する請求項7に記載の液晶表示装置。 - 【請求項13】 該第1の基板に第1の遮光膜が設けら
れ、該第2の基板に第2の遮光膜が該第1の遮光膜に対
してずらした位置に設けられ、かつ、斜めから見る開口
がコントラストの低い配向区分でより小さくなるよう
に、またコントラストの高い配向区分でより大きくなる
ようにしたことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示
装置。 - 【請求項14】 第1及び第2の対向する基板(16、
18)と、該第1の基板の内面に設けられた第1の電極
(21)及び第1の配向膜(22)と、該第2の基板の
内面に設けられた第2の電極(24)及び第2の配向膜
(26)と、該第1及び第2の基板の間に挿入された液
晶(20)と、からなる液晶表示装置であって、 該液晶が、液晶分子が該第1の配向膜(22)及び該第
2の配向膜(26)の配向処理に従ってプレチルト及び
ツイストする液晶からなり、 該第1の配向膜(22)及び該第2の配向膜(26)
が、相互にほぼ垂直な配向方向を有し、且つ複数の微小
な単位領域の各々に形成された第1及び第2の液晶配向
区分(A、B)を有し、よって該第1の液晶配向区分に
おける液晶の分子と該第2の液晶配向区分における液晶
の分子が平行な方向に長軸方向を有し且つ逆方向にプレ
チルトするように配向処理され、 さらに、該第1の配向膜及び該第2の配向膜(22、2
6)が、該微小な単位領域の第1及び第2の液晶配向区
分(A、B)の境界部に該第1及び第2の液晶配向区分
の配向状態とは異なる配向状態を表す第3の液晶配向区
分(C)を有するように配向処理されていることを特徴
とする液晶表示装置。 - 【請求項15】 該第3の液晶配向区分の液晶の分子が
該第1及び第2の液晶配向区分の液晶の分子よりも電圧
印加による立ち上がりが大きくなるようになっているこ
とを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置。
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