JP2619261B2 - メーキャップ化粧料 - Google Patents

メーキャップ化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は固体のシリコーンワックスを配合することを
特徴とし、化粧持ちに優れ、のびが軽く、さっぱりした
独特の使用感を持ったメーキャップ化粧料を提供するも
のである。
[従来の技術] 従来のメーキャップ化粧料は、タルク、マイカ等の体
質顔料、酸化鉄等の着色顔料、油分、活性剤、香料、酸
化防止剤、防腐防黴剤等よりなるが、そのメーキャップ
化粧料としての機能については種々の特性が必要とされ
てきた。特に化粧持ちについては最も重要な機能として
従来より数多くの研究がなされてきている。たとえば、
揮発性油分を配合し化粧後にその油分が揮散することに
より化粧もちをよくする方法、水中油型の乳化基剤によ
り化粧もちをよくする方法等があるが、化粧もちに関し
ては、皮脂、汗、物理的な摩擦等の問題が複雑に影響を
与えるため、完全なものは得られていない。また、化粧
料に配合するワックスは油っぽさやのびの重さといった
欠点を有するため使用感触の点での改善が望まれてい
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは上記事情にかんがみ、化粧持ちに優れ、
のびがよく、かつさっぱりした独特の使用感を持つメー
キャップ化粧料を得るべく鋭意研究をかさねた結果、特
定のシリコーン化合物を配合することによりこの課題を
解決しうることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、下記一般式(A)の構造を持つ
シリコーン化合物の一種又は二種以上を配合することを
特徴とするメーキャップ化粧料である。
[式(A)中Rは炭素数16〜30のアルキル基またはフェ
ニル基を示し、繰返し単位で異なってもかまわない。n
は3〜7の整数である。] 以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いられるシリコーン化合物は、上記一般式
(A)で示されるもので、Rは炭素数16〜30のアルキル
基又はフェニル基、nは3〜7の整数を任意にとること
ができるが、化粧料として塗布した後に皮膚上で流動性
が少なくなることが望ましく、融点が40℃以上であるこ
とが好ましい。
本発明に用いられるシリコーン化合物は下記一般式
(B)で表わせるSi−H結合を持つ化合物にオレフィン
を反応させて得ることが知られている。
[式(B)中、nは3〜7の整数である。] この際にオレフィンとして単一鎖長のものを用いれば
アルキル基の炭素鎖長に分布のない(A)が、オレフィ
ンの混合物を用いれば繰返し単位でのアルキル基の炭素
鎖長が異なった(A)が得られる。
本発明で用いられるシリコーン化合物の製造方法とし
ては、ヒドロシリル化反応等一般的な方法により得られ
る。具体的なヒドロシリル化反応を例示すると、オレフ
ィンと、上記(B)で示される化合物とを当量混合し、
これに触媒量の塩化白金酸を加え、トルエン中還流す
る。数時間後、活性炭を適量加え、濾過し、溶媒を除去
すると得られる。
本発明に用いられるシリコーン化合物の配合量は、化
粧料の形態により異なり通常0.5〜95重量%の範囲で配
合可能であるが、化粧持ちの向上をはかるためには5%
以上配合することが好ましい。
本発明には、上記の必須成分に加えて、通常化粧料に
配合できる粉末を配合することができる。例えばタル
ク、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチ
ア雲母、セリサイト、バーミキュライト、カオリン、二
酸化チタン、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆タル
ク、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビ
スマス、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母等のパール顔
料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属
粉末顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄の無機赤色
顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土
等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の
無機黒色顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレ
ット等の無機紫色顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チ
タン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無
機青色系顔料、亜鉛華、ベントナイト、硫酸バリウム、
金属石鹸、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸
ストロンチウム、タングステン酸金属塩、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カ
ーボンブラック、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、窒
化ホウ素、シリカ、ナイロンパウダー、ゼオライト、ベ
ンゾグアナミンパウダー、四弗化エチレンパウダー、ポ
リアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレ
ンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパ
ウダー、セルロースパウダー、赤色201号、赤色202号、
赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色22
8号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、
黄色401号及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色
104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401
号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色
202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号のジルコニウ
ム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、ク
ロロフィル、β−カロチン等の天然色素等が用いられ
る。また油分としては、スクワラン、流動パラフィン、
ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライ
ト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコー
ル、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、セ
チル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシル
パルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、2
−オクチルドデシルガムエステル、ネオペンチルグリコ
ール−2−エチルヘキサネート、イソオクチル酸トリグ
リセライド、2−オクチルドデシルオレエート、イソプ
ロピルミリステート、イソステアリン酸トリグリセライ
ド、ヤシ油脂肪酸トリグリセライド、オリーブ油、アボ
ガド油、ミツロウ、ミリスチルミリステート、ミンク
油、ラノリン、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シリ
コーンレジン、ポリエーテル変成シリコーン、アミノ変
成シリコーン等の各種炭化水素、高級脂肪酸、油脂類、
エステル類、高級アルコール、ロウ類、シリコーンオイ
ル等である。
本発明の化粧料には上記した成分に加えて、必要によ
り適宜、水、界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、増
粘剤、香料、酸化防止剤、防腐防黴剤、体質顔料、着色
顔料等、通常化粧料に用いられる成分を発明の効果をそ
こなわない範囲で配合することができる。
[発明の効果] 本発明は、化粧持ちに優れ、のびが軽く、さっぱりし
た独特の使用感を有するメーキャップ化粧料を提供する
ものである。
[実施例] つぎに実施例および比較例をあげて、本発明を具体的
に明らかにする。本発明はこれにより限定されるもので
はない。配合量は重量%である。実施例に先立ち、本発
明のシリコーン化合物の製造例を示す。
製造例1 1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(信
越化学製)9.6g(0.04モル)、1−エイコセン(三菱化
成工業製ダイアレン20)44.8g(0.16モル)、塩化白金
酸触媒量をトルエン中で3時間還流を行なう。還流後、
活性炭を適量加え、攪拌を続けた後、セライトを用い、
反応溶液を濾過する。その後、濾液から減圧にて溶媒を
除去し、生成物である1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7
−テトラエイコシルシクロテトラシロキサンを得た(収
率96%)。
尚、実施例2以下で用いたシリコーン化合物の製法
は、製造例1と同様にして得た。
実施例1 口紅 (1)ポリエチレンワックス 1.0 (2)セレシン 6.0 (3)製造例1で得られた1,3,5,7−テトラメチル−1,
3,5,7−テトラエイコシルシクロテトラシロキサン 10.0 (4)流動パラフィン 25.0 (5)ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン 35.0 (6)オリーブ油 11.0 (7)ベンガラ 0.2 (8)赤色202号 1.8 (9)チタンコーテッドマイカ 10.0 (10)香料 適量 (1)〜(6)及び(10)を加熱、溶解し、粉末を分
散後、脱気する。その混合物を所定の金型に充填、冷却
し口紅を得た。
比較例1 (1)ポリエチレンワックス 1.0 (2)セレシン 6.0 (3)キャンデリラロウ 10.0 (4)流動パラフィン 25.0 (5)ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン 35.0 (6)オリーブ油 11.0 (7)ベンガラ 0.2 (8)赤色202号 1.8 (9)チタンコーテッドマイカ 10.0 (10)香料 適量 実施例1と同様にして比較例1を得た。
実施例1と比較例1とを専門パネル20名により官能評
価したところ表−1の様な結果となった。
表−1より明らかな様に本発明の口紅は肌へのさっぱ
りさ、のびの感触、化粧もちの全ての点において比較例
よりも優れている。
実施例2 固型ファンデーション (1)二酸化チタン 10.0 (2)タルク 30.0 (3)ナイロンパウダー 5.0 (4)マイカ 34.0 (5)酸化鉄 5.0 (6)流動パラフィン 10.0 (7)1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラトリア
コンチルシクロテトラシロキサン 5.0 (8)ソルビタンセスキオレート 1.0 (9)パラベン 適量 (10)酸化防止剤 適量 (11)香料 適量 (1)〜(5)を混合し、他方(6)〜(11)を80℃
で加熱溶解して上記(1)〜(5)に吹き付けてさらに
混合する。ついで粉砕、篩処理して圧縮成型により中皿
中に成型して固型ファンデーションを得た。
比較例2 固型ファンデーション (1)二酸化チタン 10.0 (2)タルク 30.0 (3)ナイロンパウダー 5.0 (4)マイカ 34.0 (5)酸化鉄 5.0 (6)流動パラフィン 10.0 (7)固型パラフィン 5.0 (8)ソルビタンセスキオレート 1.0 (9)パラベン 適量 (10)酸化防止剤 適量 (11)香料 適量 実施例2と同様の方法により比較例2を得た。
実施例2と比較例2とを専門パネル20名により官能評
価したところ表2の様な結果となった。
表2より明らかな様に本発明のファンデーションは肌
へのさっぱりさ、のびの感触、化粧もちの全ての点にお
いて比較例よりも優れている。
実施例3 アイシャドー (1)チタンコーテッドマイカ 30.0 (2)マイカ 30.0 (3)タルク 5.0 (4)群青 15.0 (5)1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタオ
クタデシルシクロペンタシクロキサン 15.0 (6)1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロ
キサン 5.0 (7)パラベン 適量 (8)酸化防止剤 適量 (9)香料 適量 実施例2と同様にして、アイシャドーを得た。本アイ
シャドーは、さっぱりさ、のびの感触、化粧もちの優れ
たアイシャドーであった。
実施例4 油性ファンデーション (1)マイカ 10.0 (2)タルク 15.0 (3)カオリン 10.0 (4)酸化鉄 5.0 (5)イソプロピルミリステート 2.5 (6)流動パラフィン 10.0 (7)1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラトリア
コンチルシクロテトラシロキサン 45.0 (8)ソルビタンセスキオレート 2.0 (9)ビタミンE 0.5 (10)香料 適量 (5)〜(10)を90℃で加熱融解したものに(1)〜
(4)をあらかじめ混合した粉末部を添加し、ホモミキ
サーで撹拌混合した後、脱気、充填、冷却して油性ファ
ンデーションを得た。本油性ファンデーションは実施例
2と同様に肌へのさっぱりさ、のびの感触、化粧もちに
すぐれたものであった。
実施例5 両用ファンデーション (1)シリコーン処理マイカ 20.0 (2)シリコーン処理タルク 38.0 (3)シリコーン処理二酸化チタン 20.0 (4)シリコーン処理酸化鉄 5.0 (5)シリコーン処理炭酸カルシウム 1.0 (6)トリメチロールプロパン−2−エチルヘキサノエ
ート 5.0 (7)流動パラフィン 3.0 (8)1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタエ
イコシルシクロペンタシロキサン 8.0 (9)パラベン 適量 (10)酸化防止剤 適量 実施例2と同様にして両用ファンデーションを得た。
本両用ファンデーションは実施例2と同様に肌へのさっ
ぱりさ、のびの感触、化粧もちにすぐれたものであっ
た。
実施例6 油性サンケアスティック (1)超微粒子酸化チタン 10.0 (2)酸化鉄 3.0 (3)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン2.
0 (4)流動パラフィン 10.0 (5)1,3,5,7−テトラメチル1,3,5,7−テトラトリアコ
ンチルシクロテトラシロキサン 75.0 実施例1と同様にして油性サンケアスティックを得
た。本油性サンケアスティックは肌へのさっぱりさ、の
びの感触、化粧もちにすぐれたものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−96113(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(A)の構造を持つシリコーン
    化合物の一種又は二種以上を配合することを特徴とする
    メーキャップ化粧料。 [式(A)中Rは炭素数16〜30のアルキル基またはフェ
    ニル基を示し、繰返し単位で異なってもかまわない。n
    は3〜7の整数である。]
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