JP2619029B2 - ポリケトンポリマー組成物 - Google Patents

ポリケトンポリマー組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリケトンポリマー組成物及びこの組成物
の製造方法に関する。
数年間、一酸化炭素と1つ以上のエチレン性不飽和炭
化水素との一般型のポリマーは知られてきた。
より最近、製法が改良されたことを一因として、現在
はポリケトンとして知られている。一酸化炭素と不飽和
炭化水素の直鎖交互ポリマーの型が非常に興味を持たれ
てきた。このような方法はヨーロッパ特許出願181,014
号及び第121,965号に示されている。得られたポリマー
は、食品及び飲料用容器、自動車産業部品又は建築産業
に使用する構材のような物品の製造に用途を有してい
る、一般的に高分子量の熱可塑性ポリマーである。
ポリケトンポリマーは多くの用途に非常に適している
が、時々、特に工業的用途においては、物理特性を注意
深く調整した材料を使用することが必要である。しばし
ば、これらの特性はできる限り均一である、すなわち、
形成された混合物のどれもができる限り純粋であるべき
であることが好ましい。従って、1つのポリマーをもう
1つのものと混合させて一方又は両方の物理特性を修飾
しようとするときには、ポリマーの分子混合物が好まし
い。
多くのポリケトン製法が開示されてきたにもかかわら
ず、分子的に混合しうる混合物を形成するためにはポリ
ケトンは一般的には他の物質と混合されていなかった。
長い間、特に良好なクリープ及びモジュラス特性を有
する物質を提供するために、ポリケトンと他のポリマー
との分子的に混合しうる混合物を提供することが望まれ
てきた。
ここで、ポリケトンをポリビニルフェノールに分子的
に混合させて興味深い物理特性を有する物質としうるこ
とが知見された。
従って、本発明は、一酸化炭素と1つ以上のエチレン
性不飽和炭化水素との1つ以上の直鎖交互ポリマーとポ
リビニルフェノールとの分子的に混合しうる混合物を含
むことを特徴とするポリケトンポリマー組成物に関す
る。
分子的に混合しうる混合物に使用できるポリケトンポ
リマーの物理特性は、一部は分子量により、そしてポリ
マーがコポリマーであるかターポリマーであるかにより
決まる。典型的な融点は175〜300℃、より典型的には、
210〜280℃である。ここで使用しうるポリケトンポリマ
ーは196〜225℃の融点を有しているのが好ましいが、18
0〜280℃(例えば260℃)の範囲の融点を持つポリマー
もここで使用できる。
好ましいポリケトンポリマーの構造は、一酸化炭素、
エチレン及び任意の第2のエチレン性不飽和炭化水素か
らなる直鎖交互ポリマーのものである。一酸化炭素、エ
チレン及び第2のエチレン性不飽和炭化水素、(例えば
炭素原子数3〜8個の炭化水素)のターポリマーを製造
する場合、第2の不飽和炭化水素部分を含む単位1つ当
りにエチレン部分を含む単位は少なくとも2つであり、
好ましくは、第2の不飽和炭化水素部分を含む単位1つ
当りにエチレン部分を含む単位10〜100である。好まし
い型のポリマー鎖は式 CO(C2H4 CO−(B [式中、Bはエチレン系不飽和を介した第2のエチレン
性不飽和炭化水素の重合により得た部分である]で示さ
れる。−CO(C2H4単位と−CO(B単位はポリマー分
子中に無作為に存在し、y:xの比は0.5以下である。第2
のエチレン性不飽和炭化水素の存在なしで、一酸化炭素
とエチレンのコポリマーを使用する本発明の変法では、
y=0であり、比y:xも0である。ターポリマーを使用
するとき、すなわち、yが0より大きいときには0.01〜
0.1のy:x比が好ましい。ポリマー鎖の末端基又は「キャ
ップ」は製造中に存在する特別の物質及びポリマーが精
製されていたか又どうやって精製したかによる。末端基
の正確な性質はポリマーの全体の特性に関してほとんど
顕著ではないので、ポリマーは上記のようにポリマー鎖
により明確に表わされている。
分子的に混合しうる混合物に有用なポリケトンは、標
準の毛管粘度測定装置(例えばCannon−Ubbelohde粘度
計)を使用する、ポリマーを60℃でメタクレゾールを溶
解する方法により測定する極限粘度数(LVN)が0.5〜10
LVNの範囲、より好ましくは0.8〜4LVN、最も好ましくは
0.8〜2.5LVNである。
本発明の分子的に混合しうる混合物を作るために使用
しうるポリケトン粉末は、結晶化度を約25〜約80%、よ
り好ましくは30%〜50%、最も好ましくは40%を有して
いる。各結晶化度は、DSC(示差走査熱量計Differentia
l Scanning Calorimeter)テストユニットから得た溶融
熱値「HF」(cal/gで表わす)を使用する次の式で決定
される。
ここで混合物として定義した分子的に混合しうる混合
物は、慣用法で分離しうるにもかかわらず、種々の型の
テスト中、唯一の値しか表わさない。より特定的には、
分子的に混合しうる混合物は、動的機械的分析Dynamic
Mechanical Analysis(DMTA−ここではポリマーを振動
させて温度によるポリマー混合物のモジュラス変化を検
出する)で測定すると1つのガラス遷移温度を示す。分
子的に混合しうる混合物では大規模な層分離は起らな
い。
ポリケトン混合物用には、2つの型の混合を実施しう
る。「完全な非結晶性」混合も実施しえ、そこでは、ど
の成分も結晶化されておらず、物質は1相の分子的に混
合させた系中に存在する。非結晶相成分の混合物を維持
する間にポリケトン(成分)にいくらの結晶化が起った
ときには「半結晶性」混合も実施できる。
本発明に従い、(a)上記の型の1つのようなポリケ
トンポリマーと、(b)ポリケトンと水素結合しうるポ
リマー、すなわちポリビニルフェノールとの相容性混合
物を混合することにより所望の分子的に混合しうる混合
物が得られることが知見された。ここで、成分(a)と
(b)とを合わせて100重量部であることを基として、
(a)と(b)は1:99〜99:1部の範囲の相対重量比で混
合する。
最も好ましい分子的に混合しうるポリケトン混合物
は、(a)と(b)を合わせた混合物100部を基とし
て、約80〜60部の(a)と、対応して約20〜40部の
(b)から製造したものである。これも使用しうる成分
(a)と(b)の混合物は、相対比約40:60〜60:40の範
囲でありえ、ほぼ同じ重量比、すなわち(a):(b)
=50:50でありうる。
ポリケトンとポリビニルフェノールからなる組成物は
本発明の範囲内である。
これらの分子的に混合しうる混合物において、好適な
第2のポリケトンポリマーは主要なポリケトンポリマー
とは異なる分子量又は融点を有するポリケトンポリマー
でありうる。例えば、(より長いターモノマーを有する
ポリケトンから製造した)低融点のポリケトンを第一の
ポリケトンに加えて、ポリケトンとポリビニルフェノー
ルの分子的に混和しうる混合物を提供することが出来
る。
分子的に混合しうるポリケトン混合物に使用できるポ
リビニルフェノールは式: を有するのが好ましい。
このようなポリマーは市販されている。
本発明に使用しうる他のポリビニルフェノールは他の
スチレンモノマーとともにビニルポリマーのコポリマー
を含み、ビニルフェノールのモル分率は0.5より大き
い。
本発明は又、以下のステップ: (i) 1〜99重量部のポリビニルフェノールと、一酸
化炭素とエチレン性不飽和結合炭化水素の直鎖交互ポリ
マー99〜1重量部とを混合し、 (ii)ステップ(i)の混合物を押出機に供給し、 (iii)混合したポリマーを押出して均一なポリケトン
−ポリビニルフェノール組成物を得ること を含むことを特等とするポリケトンポリマー組成物の製
造方法にも関する。
実 施 例 以下の方法で混合物製造した:所望部のポリケトンと
所望部の第2ポリマーとを一緒に混ぜる。ドラム又はタ
ンプラーでも好適であったであろうが、プラスチックの
袋の中でも粉末を混ぜた。
次に、混合した粉末を、15mmの共回転式ツウィンスク
リュー押出機に接続している供給器に注いだ。得られる
生成物に影響を与えることなく、種々の速度に供給速度
を設定することができた。押出機は300rpmで操作した。
得られた押出しストランドを室温の水中で急冷し、次
にチョッパに入れてペレットに形成した。
40℃の真空オーブンで約8時間、形成したペレットを
乾燥させることによりテスト検体を製造した。次に、ペ
レットを水圧を使って、245℃で1と1/2分、圧縮成形し
て、厚さ0.127〜0.762mmのプラックとした。
引張強さテスト用には、ASTM D1708テストダイスを使
用して形成した検体と同様のダンベル型のマイクロ引張
検体用にプラックを切断した。
DSCテスト用には、典型的には直径5mmのサンプルをプ
ラックから型抜きした。
テストした配合の物理特性は第1表に詳しく示す。配
合は以下の通りであった。
配 合A:(対照) ポリケトン 100% 当業者には公知の方法で酢酸パラジウム,トリフロオ
ロ酢酸のアニオン及び1,3−ビス[ビス(2−メトキシ
フェニル)−ホスフィノ]プロパンから形成した触媒組
成物の存在下で、一酸化炭素,エチレン及びプロピレン
の直鎖交互ターポリマーを製造し、混合物としてテスト
用に調製した。
配 合B: 配合Aのポリケトン80%及び配合Eのポリビニルフェ
ノール20%。得られた混合物は均一の外観を有してい
た。混合物の押出成形性は優秀とされた。
配 合C: 配合Aのポリケトン60%及び配合Eのポリビニルフェ
ノール40%。
配 合D: 配合Aのポリケトン40%及び配合Eのポリビニルフェ
ノール60%。
配 合E: ポリビニルフェノール 100% このポリマーは商標Resin Mとして、Maruzen Petroch
emical社から入手した。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一酸化炭素と1つ以上のエチレン性不飽和
    炭化水素の直鎖交互ポリマー少なくとも1つと、ポリビ
    ニルフェノールとの分子的に混合した混合物を含むこと
    を特徴とするポリケトンポリマー組成物。
  2. 【請求項2】1〜99重量部のポリビニルフェノールと99
    〜1重量部の直鎖交互ポリマーとを含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】20〜40重量部のポリビニルフェノールと80
    〜60重量部の直鎖交互ポリマーとを含むことを特徴とす
    る請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】直鎖交互ポリマーが式 CO(C2H4 CO−(B) [式中、Bはエチレン系不飽和を介して重合した、炭素
    原子数3〜8個のエチレン性不飽和炭化水素由来の部分
    であり、y/x≦0.5である]を有することを特徴とする請
    求項1から3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】ポリビニルフェノールがスチレンコモノマ
    ーとビニルフェノールとのコポリマーであり、ビニルフ
    ェノールのモル分率が0.5より大きいことを特徴とする
    請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】以下のステップ: (i)1〜99重量部のポリビニルフェノールと、一酸化
    炭素とエチレン性不飽和炭化水素との直鎖交互ポリマー
    99〜1重量部とを混合し、 (ii)ステップ(i)の混合物を押出機に供給し、 (iii)混合したポリマーを押出して均一なポリケトン
    −ポリビニルフェノール組成物を得ること を含むことを特徴とするポリケトンポリマー組成物の製
    造方法。
JP63305120A 1987-12-04 1988-12-01 ポリケトンポリマー組成物 Expired - Lifetime JP2619029B2 (ja)

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