JP2618969B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JP2618969B2
JP2618969B2 JP10428888A JP10428888A JP2618969B2 JP 2618969 B2 JP2618969 B2 JP 2618969B2 JP 10428888 A JP10428888 A JP 10428888A JP 10428888 A JP10428888 A JP 10428888A JP 2618969 B2 JP2618969 B2 JP 2618969B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、少なくとも2つ以上の空燃比制御系を有す
るエンジンにおける、いずれかの空燃比センサが劣化し
た場合に、エンジンの運転条件を変更若しくは補正する
ようにしたエンジンの空燃比制御装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来、特に例えばV型エンジンのように、排気系を2
つ(左右)のバンクに分けて、これらのバンク毎の排気
系に酸素センサを各々配設し、この2つのセンサの夫々
の出力に基づいて両バンク独立して空燃比のフイードバ
ツク制御する技術(特開昭60−190630)がある。このよ
うに、2つのセンサを設けざるを得ないというのも、特
にV型エンジンでそうであるが、左右のバンクの夫々排
気管をまとめるときに、背圧増加を抑える観点から左右
バンクからの排気管はどうしても排気マニホルドから離
れた位置でまとめざるを得ない。一方、酸素センサによ
るフイードバツク制御を精度良く行なうためには、酸素
センサは、排気マニホルドに近い位置に配設するのが好
ましいので、どうしても、酸素センサを左右バンク別個
に設けるという背景があるからである。
(発明が解決しようとする課題) ところで、酸素センサには劣化がつきものであるが、
上述の特開昭のように、2つも酸素センサを設けると、
それだけで、フェイルの確率は2倍になる。そして、セ
ンサの劣化は一般的にエミツシヨンの悪化を通じるだけ
ではなく、特に、上記特開昭のように、左右バンクで独
立して空燃比制御を行なう場合には、劣化した方のバン
クでは空燃比制御が狂つてくるために、そのバンクの気
筒の出力が上昇若しくは低下し、正常な方の気筒の出力
差のために、結果としてエンジン振動が発生する。
そこで、本発明は上述従来例の欠点を除去するために
提案されたものでその目的は、2つ以上の気筒グループ
毎に配設された空燃比検出手段の出力に基づいてフイー
ドバツク制御を独立して行なうエンジンにおいて、いず
れかの空燃比検出手段の劣化に起因したエンジン運転状
態の悪化を防止することのできるエンジンの空燃比制御
装置を提案するところにある。
(問題点を解決するための手段及び作用) 上記課題を達成するための本発明の構成は、第1図に
示すように、多気筒エンジンの少なくとも2つ以上のグ
ループに分けられた気筒グループの排気系に各々配設さ
れ、実空燃比を検出する空燃比検出手段と、前記気筒グ
ループ毎に、そのグループの前記空燃比検出手段が検出
した実空燃比と目標空燃比との偏差に基づいてフィード
バック制御量を算出して、この算出値に基づいて各気筒
グループに供給される混合気の空燃比を目標空燃比にフ
ィードバック制御するフィードバック制御手段と、前記
各空燃比検出手段の劣化状態を検出する劣化検出手段
と、この劣化検出手段の出力を受け、いずれかの空燃比
検出手段の劣化が検出されたとき、劣化が検出された空
燃比検出手段が配設された当該気筒グループのフィード
バック制御量を、劣化の少ない方の空燃比検出手段が配
設される気筒グループについてのフィードバック制御量
に基づいて補正する補正手段とを備えたことを特徴とす
る。
即ち、空燃比検出手段が劣化した気筒グループのフィ
ードバック制御は、劣化していない気筒グループの制御
量により補正されるので、劣化した方のエミッション悪
化等の運転状態の悪化が防止される。
本発明の補正手段による補正は種々の態様が可能であ
る。
例えば、請求項2の空燃比制御装置の補正手段は、劣
化が検出された方の空燃比検出手段が配設された気筒グ
ループのフィードバック制御量の値を、劣化の少ない方
の空燃比検出手段が配設された気筒グループのフィード
バック制御量の値に基づいて制限することにより補正を
実現する。
さらに、請求項3の空燃比制御装置では、より具体的
に、補正手段は、劣化が検出された方の空燃比検出手段
が配設された気筒グループのフィードバック制御量の値
を、劣化の少ない方の空燃比検出手段が配設された気筒
グループのフィードバック制御量の最大値と最小値との
間に制限する。
(実施例) 以下添付図面を参照して、本発明を6気筒V型エンジ
ンに適用した場合の実施例を3つ(第一実施例〜第三実
施例)説明する。
<実施例システムの概観> これらの3つの実施例に共通するエンジンの概観を第
2図を用いて説明する。同図に示すように、エンジン10
は、吸入空気を濾過するエアーフイルタ12を備え、この
エアーフイルタ12により濾過された空気は、吸気管14を
通り、吸気弁16a,16bを介してV字状に配設されたシリ
ンダ18a,18b内に導入される。同、この第2図では、他
の4つの気筒が図面の向う側に配置されているが、不図
示となつている。また、6つの気筒を夫々、第1気筒〜
第6気筒とすると、第1気筒は18aに、第2気筒は18bに
相当するとすると、シリンダ18aとその向う側の2つの
気筒とは左バンクシリンダを形成し、シリンダ18bとそ
の向う側の2つのシリンダとが右バンクシリンダを形成
する。
吸気管14の上流側には、ここを通る吸入空気の流量
(Qa)を測定するエアフローメータ20及び吸入空気の温
度(Ta)を測定する吸気温センサ22が取り付けられてい
る。
この吸気管14の中程は、左右の各バンクに連通する2
つの通路に分割されており、夫々の分割通路には、スロ
ツトル弁24a,24bが配設されている。一方のスロツトル
弁24aには、これの開度(TVO)を検出する開度センサ27
が取り付けられている。また、このスロツトル弁24a,24
bの上流側及び下流側の吸気管14の部分をバイパスする
状態で、吸気管14にはバイパス管26が接続されている。
このバイパス管26の途中部には、アイドルスピード制御
弁28が取り付けられている。A/C作動,パワステ作動、
ヒータ作動等があると、その負荷に応じてこのISC弁28
のオン・オフ動作が信号ISCに従つて制御され、ISC弁28
を通過するバイパス管26の空気流量(バイパス空気量)
が制御されることになる。
また、吸気管14の下流側は、左右のバンクに属するシ
リンダ18a,18b等に分岐接続されており、各分岐接続管
には、対応するシリンダ内に燃料を供給する燃料噴射弁
34a,34bが配設されている。各燃料噴射弁34a,34bは、後
述するエンジン制御ユニツト(以下、単にECUと呼ぶ)3
6により、夫々燃料の噴射パルス(τA)幅が規定
されている。尚、添字の“A"は左バンク系に係る信号を
指し、“B"は右バンク系に係る信号を指すものとする。
左右のシリンダ18a,18b内には、ピストン32a,32bが摺
動自在に配設されている。各ピストンはシリンダ18a,18
b内を摺動して往復することにより、夫々が接続された
クランクシヤフト(不図示)を回転駆動することにな
る。また、図示していないが、シリンダ18a,18bの上部
には、ここに噴射された燃料を燃焼させるための点火プ
ラグが設けられている。更に、各シリンダ18a,18bに
は、夫々を冷却するための冷却水通路40a,40bが設けら
れており、この冷却水通路には、ここを通過する冷却水
の温度を、エンジン温度(TW)として検出する水温セン
サ42が取り付けられている。
一方、各シリンダ18a,18b内で燃焼された燃料は、排
出ガスとして対応する排気弁44a,44bを介して、排気マ
ニホルド46a,46b、さらに排気管48a,48bを通つて排出さ
れる。この排気管48a,48bの中途部には、排気ガスを浄
化するための触媒コンバータ50a,50bが設けられてい
る。
尚、吸気管の場合と同じく、排気ガスの相互干渉を抑
えるために、左バンクのシリンダ18aからの排気マニホ
ルド46aと残りの左バンクの2つのシリンダからの排気
マニホルド46c(他の1つのシリンダの排気マニホルド
は不図示)とが1つの排気管48aにまとめられ、右バン
クのシリンダ18bの排気マニホルド46bと残りの右バンク
のシリンダからの排気管46d(他の1つのシリンダの排
気マニホルドは不図示)とが1つにまとめられ、排気管
48bとなる。排気管48a,48bには、上記合流点になるべく
近い位置で通過する排気ガス中に残留する酸素濃度
(O2)を測定するためのO2センサ52a,52bが取り付けら
れている。これらのセンサ52a,52bからの酸素濃度出力
信号を、夫々、EA,EBとする。
53a,53bは夫々、触媒コンバータ50a,50bの温度センサ
(出力はTAC,TBC)である。酸素センサ52aからの出力EA
に基づいて、左バンク(シリンダ18a等)の空燃比制御
が行なわれ、酸素センサ52bからの出力EBに基づいて、
右バンク(シリンダ18b等)の空燃比制御が夫々のバン
ク間で独立して行なわれる。
25は燃料タンクである。このタンク内で蒸発した燃料
ガス成分はキヤニスタ19でトラツプされる。このトラツ
プされたガスは、ECU36からの信号PCにより、ソレノイ
ドバルブ17が開かれることにより、管15a,15bを経て、
左右バンクに供給される。後述するように、ECU36は、
この信号PCを監視することにより、蒸発燃料供給の開
始,終了を検出することができる。
第3図は、ECU36に入力される信号と、ECU36から出力
される信号をまとめたものである。第1図には不図示で
あるが、第3図に示すように、変速機(不図示)からの
信号であつて現在のギア位置を示す信号GP、スロツトル
開度センサ27内に設けられたスイツチからの信号であつ
てアイドル状態にあることを示す信号IDLE、そして、デ
イストリビユータ等からのエンジン回転数を示す信号N
等もECU36に入力される。
さて、第一実施例は、左右バンクの空燃比センサ52a,
52bのいずれかの劣化が検出されたならば、両バンクの
フイードバツク制御を停止するというものである。第二
実施例は、左右バンク各々について、空燃比のためのフ
イードバツク制御量(CAFB,CBFB)の最大値,最小値を
記憶しておき、空燃比センサ52a,52bのいずれかの劣化
が検出されたならば、劣化した方のバンクについて算出
されたフイードバツク制御量を、劣化していない方のフ
イードバツク制御量の最大値,最小値によつてリミツト
制限しようというものである。第三実施例は、劣化して
いる方の空燃比センサのバンクのフイードバツク制御
を、他方のセンサ出力に基づいて行なおうというもので
ある。そして、これらの実施例の相違は、ECU36内のプ
ログラムの制御の相違によつて実現される。
尚、この実施例では、混合気空燃比のフイードバツク
制御は、補正係数CAFB,CBFBを空燃比センサ(52a,52b)
の出力(EA,EB)に従つた積分制御に基づいて得る。即
ち、両バンクの最終的な燃料噴射量(τA)は次式
によつて決定される。フイードバツク制御中では、 τ=τ(1+CAFB+C0) τ=τ(1+CBFB+C0) であり、フイードバツク制御停止中は、オープンループ
制御を行なうために、 τ=τ(1+C0) τ=τ(1+C0) である。尚、上記の式のC0は、吸入空気の温度Ta、エン
ジン温度TW等に基づいた補正のための係数である。
<第一実施例の空燃比制御の詳細> 第4図は、第一実施例〜第三実施例の制御プログラム
のうち、共通な部分のフローチヤートである。第4図の
ステツプS2では、吸入空気量Qa、エンジン回転数Nを入
力する。ステツプS4では、エンジン回転数N及び吸入空
気量Qaに基づいて基本燃料噴射量τを演算する。
ステツプS6では、空燃比センサ52a,52bの出力EA,EBを入
力する。これらの出力信号はアナログ値で入力される。
ステツプS8では、吸入空気の温度Ta、エンジン温度TW,
触媒コンバータ温度(TAC,TBC)を入力する。通常のフ
イードバツク制御実行条件の成立を判断するためであ
る。ステツプS10では、吸入空気の温度Ta、エンジン温
度TW等に基づいた補正係数C0を演算する。
ステツプS12では、フイードバツク制御実行ゾーンに
あるかを判断する。これは、エンジン回転数N,エンジン
冷却水温度TW,触媒コンバータ温度TAC,TBC等に基づいて
行なわれる。TWをみるのは、エンジン温度が低いとき
は、燃焼性をよくするために、空燃比をリツチにする必
要があるからである。また、TCをみるのは、触媒コンバ
ータが活性化されているかを判断する必要があるからで
ある。フイードバツク制御実行ゾーンにないときは、前
述のオープンループ制御を行なう。フイードバツク制御
実行ゾーンにあるときは、ステップS14に進み、ステツ
プS6で得たセンサからのアナログ出力EA,EBに基づい
て、センサ52a,52b夫々の劣化状態を判断する。センサ
の劣化は、一般に、エンジン水温TWから通常のセンサ出
力を予想し、この予想値と実際の出力値とを比較して判
断する。劣化判断の結果は、例えばフラグ等に記憶され
る。尚、2つのバンクに2つの空燃比センサが設けら
れ、2つのセンサが同時に劣化する可能性が少ないこと
に鑑みて、フイードバツク制御の反転時間を両バンク間
で比較して、この差が所定値以上になつたときに、反転
時間の長い方のセンサを劣化と判断してもよい。また、
各々のセンサ出力の最大値と最小値とのピーク−ピーク
(P−P)値を求め、両バンク間のP−P値の差が所定
値以上になつたときに、P−P値の小さい方のセンサを
劣化と判断してもよい。
ステツプS16では、センサ出力EA,EBを二値化する。セ
ンサ出力の反転を判断するためである。
以上は、第一〜第三実施例に共通な部分の制御であ
る。第一実施例に特有な制御に係るプログラムを第5図
を用いて説明する。
先ず、フイードバツク制御実行ゾーンにある場合につ
いて説明する。ステツプS20〜ステツプS24は、左バンク
系において、空燃比センサ52aの現在の出力EAに基づい
て、I制御(積分制御)を行なうための補正係数CAFB
決定する。即ち、EA=1ならば、 CAFB=CAFB−△IA であり、EA≠1ならば、 CAFB=CAFB+△IA である。△IAは積分制御のための定数である。ステツプ
S26〜ステツプS30によつて、右バンク系についてもCBFB
を決定する。
ステップS32では、センサが両方とも劣化していない
とステップS14で検出されていたかを調べる。1つでも
センサの劣化があれば、ステツプS34,ステツプS36に進
み、オープンループの制御を行なう。即ち、劣化してい
ないセンサ側のバンクのフイードバツク制御も停止され
る。尚、ステツプS12で、フイードバツク制御実行ゾー
ンにないことが検出されれば、ステツプS34以下に進ん
で、オープンループ制御を行なう。
<第一実施例の効果> このように、この第一実施例によれば、2つの空燃比
センサと2系統のフイードバツク制御を有する従来の空
燃比制御装置では、2系統の空燃比制御が独立している
ために、この実施例のステツプS12のような判断に従つ
てフイードバツク制御実行ゾーンにあると判断される
と、一方のセンサが劣化しているときであつても、その
まま空燃比のフイードバツク制御が続行される。そのた
めに、劣化した方の排気ガスは悪化し、または、気筒間
のトルク偏差のために車体振動が発生していた。そし
て、最悪な場合はオーバリーン若しくはオーバリツチの
ために、エンジン失火も発生したが、この実施例では、
1個のセンサに劣化が検出されただけで、両系で、オー
プンループ制御に移行するので、そのような事態は避け
られる。即ち、従来のフイードバツク制御の実行条件に
対して、さらに厳しい判断条件を導入して、従来の問題
を解消したのである。
<第二実施例の制御> この第二実施例の制御を第6図に基づいて説明する。
この実施例は、フイードバツク制御実行ゾーンにあるな
らば、第4図のステツプS16でセンサ出力を二値化した
あとに、第6図のステツプS50に進む。ステツプS50〜ス
テツプS60は、第1実施例と同じであるので、説明は省
略する。
ステツプS62では、センサが両方とも劣化していない
とステツプS14で検出されていたかを調べる。両方とも
劣化していなければ、ステツプS64,ステツプS66で、フ
ィードバツク制御の結果に従つた燃料噴射量を計算し
て、ステツプS68でインジエクタ3a,34bから出力する。
ステツプS62で、1つでもセンサの劣化があると判断
されれば、ステツプS70に進む。ここで、どちらのセン
サが劣化しているかを調べる。左バンク系のセンサ52a
が劣化している場合は、ステツプS72に進み、左バンク
系の燃料噴射量τを、 τ=τ(1+CBFB+C0) とする。劣化のない右バンク系のフイードバツク制御に
ついては、センサ52bの出力EBに基づいて演算した補正
係数CBFBを用いて、 τ=τ(1+CBFB+C0) とする。
また、ステツプS70で、右バンク系のセンサ52bが劣化
していた場合は、ステツプS76に進み、左バンク系につ
いては、 τ=τ(1+CAFB+C0) とするが、右バンク系の燃料噴射量τを、 τ=τ(1+CAFB+C0) とする。また、両方のセンサが劣化していた場合は、第
1実施例の場合と同じく、ステツプS80,ステツプS82
で、両バンク系ともオープンループ制御を行なう。
<第二実施例の効果> かくして、この第二実施例によると、いずれかのバン
クの空燃比センサの劣化が検出されると、劣化していな
い方の補正係数(CAFB,CBFBのどちらか)を用いて、劣
化している方の燃料噴射量を演算する。換言すれば、劣
化している方のセンサ出力の使用を停止し、劣化してい
るバンクのフイードバツク制御には、劣化していない方
のセンサ出力を切り換えて用いることにより、排気ガス
悪化を防止するのである。
<第三実施例の制御> この実施例は、フイードバツク制御実行ゾーンにある
ならば(ステツプS12)、第4図のステツプS16でセンサ
出力を二値化したあとに、第7A図のステツプS90に進
む。ステツプS90〜ステツプS100でなされることは、第
一実施例,第二実施例と同じであり、積分制御である。
ステツプS102〜ステツプS108は、左バンク系における燃
料噴射量補正係数CAFBの最大値CAMAX、最小値CAMINを更
新して記憶しておくための制御である。ステツプS110〜
ステツプS116は、右バンク系における燃料噴射量補正係
数CBFBの最大値CBMAX、最小値CBMINを更新して記憶して
おくための制御である。
ステツプS118では、ステツプS14でなされた劣化判断
の結果に基づいて、制御の進み先を変える。両方のセン
サに劣化がない場合は、ステツプS136(第7B図)に進
み、ステツプS90〜ステツプS100で演算した補正係数C
AFB,CBFBに基づいて、燃料噴射量を計算する。
τ=τ(1+CAFB+C0) τ=τ(1+CBFB+C0) また、両方のセンサが劣化している場合は、ステツプ
S140以下に進み、オープンループ制御を行なうために、 τ=τ(1+C0) τ=τ(1+C0) とする。尚ステツプS118では、表記上、センサの劣化判
断を一度に行なつているが、順に判断するようにしても
よい。例えば、右センサ劣化,左センサ劣化,両センサ
劣化,劣化無しというようにである。
ステツプS118で、左バンク系のセンサ52aが劣化して
いると検出されたときは、ステツプS120に進む。ステツ
プS120〜ステツプS122では、値が信頼できない左バンク
系の補正係数CAFBについて、上限のリミツト制御を行な
う。このときの上限値は、劣化のない方である右バンク
系について演算されたCBFBの最大値であるCBMAXであ
る。ステツプS124,ステツプS1126では、左バンク系の補
正係数CAFBについて、下限のリミツト制御を行なう。こ
のときの下限値は、劣化のない方である右バンク系につ
いて演算された補正係数CBFBの最小値CBMINである。
右バンク系のセンサ52bで劣化が発見されたときは、
ステツプS128〜ステツプS134で、ステツプS120〜ステツ
プS126の逆を行なう。右バンク系のセンサで劣化が発見
されたときの、上下限のリミツト制御の動作の概略を第
8図に示す。
<第三実施例の効果> 空燃比センサが劣化すると、劣化したセンサ出力に基
づいた空燃比のフイードバツク制御は発散するから、そ
のフイードバツク制御に基づいた熱料噴射量補正係数も
まつたくあてにならないものになる。しかし、2つのバ
ンクに夫々空燃比センサがある場合は、各々のバンク間
の補正係数CAFB,CBFBに大幅な差異があるものではな
い。そこで、上述したように、センサの劣化が検出され
た方の燃料噴射量の補正係数CFBを、劣化していない方
の補正係数で学習した上下限値により、リミツト制御を
行なうと、第8図に示したように、発散が抑えらえ、妥
協的なものであるが、ある程度の排気ガス浄化が図れる
のである。
尚、この第三実施例では劣化している方の燃料噴射量
の補正係数に、劣化していない方の学習値によりリミツ
ト処理を行なつていたが、劣化している方のフイードバ
ツク制御の補正はこのリミツト処理に限られない。例え
ば、両方の空燃比センサが正常であるときに、両方の系
夫々で、燃料噴射量補正係数CFBの最大値,最小値のP
−P間の比、 を演算記憶しておき、一方のセンサ劣化が検出されたと
きは、劣化した方の燃料噴射量補正係数を、この記憶さ
れている比により補正するようにしてもよい。
<第一〜第三実施例のまとめ> 空燃比センサが劣化すれば、その空燃比センサの出力
を用いていた空燃比のフイードバツク制御の精度も劣化
するのは当然である。これ以上の劣化を防止するには、 :フイードバツク制御を停止するか、 :劣化した方のセンサ出力の使用を中止して、劣化し
ていない方のセンサ出力を使用するか、 :劣化した方のセンサ出力を、劣化していない方のセ
ンサ出力により補正すればよいことになる。
そして、第一実施例は、空燃比センサに劣化がある場
合には、フイードバツク制御そのものを停止することに
より、センサ劣化に起因したフイードバツク制御精度の
劣化以上の精度劣化を防止しようというものである。こ
れは、劣化したセンサによりフイードバツク制御を行な
うと、フイードバツク制御がうまくいかないばかりか、
例えば、センサのシヨートの場合にように、却つて、エ
ミツシヨン悪化という、より悪い方の結果が招来される
からである。即ち、この第一実施例は、フイードバツク
制御の実行が可能かどうかを判断する条件をより厳しく
しているわけである。換言すれば、左右のバンク双方に
関連するフイードバツク制御の実行条件を変更しようと
いうものである。
第二実施例は、前述したように、劣化していない方の
補正係数(CAFB,CBFBのどちらか)を用いて、劣化して
いる方の燃料噴射量を演算する。換言すれば、劣化して
いる方のセンサ出力の使用を停止して、劣化しているバ
ンクのフイードバツク制御には、劣化していない方のセ
ンサ出力を切り換えて用いることにより、排気ガス悪化
を防止するというものである。従つて、この第二実施例
は、劣化した方のバンクのフイードバツク制御の制御条
件を変更しようというものである。
第三実施例は、劣化している方のフイードバツク制御
の制御量(CAFB,CBFB)を、劣化していない方の制御量
(CAMAX,CAMIN,CBMAX,CBMIN)により補正しようという
ものである。従つて、この実施例も、第2実施例と同じ
ように、劣化した方のバンクのフイードバツク制御の制
御条件を変更しようというものである。
<空燃比制御の変形例> 前記3つの実施例では、左右両バンク夫々に、触媒触
媒コンバータ50a,50bが配設されていた。しかし、本発
明は、上述の実施例の動作説明から明らかなように、2
つのバンク間でのフイードバツク制御量の精度に関する
ものであるから、上記2つのバンクの排気系に夫々設け
られた2つの空燃比センサの夫々の出力に基づいて、独
立して空燃比制御が行なわれるものであれば適用可能で
ある。即ち、排気管48a,48bとが1つにまとめられた変
形例であつて、触媒コンバータが1つしか存在しないも
のであつても適用可能である。
また、この発明は、上述した実施例及び変形例の構成
に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
このように、本発明の空燃比制御装置は、いずれかの
空燃比検出手段の劣化が検出されたとき、劣化が検出さ
れた空燃比検出手段が配設された当該気筒グループのフ
ィードバック制御量を、劣化のな少い方の空燃比検出手
段が配設される気筒グループについてのフィードバック
制御量に基づいて補正するという。補正手段によって特
徴づけられる。この補正手段は、具体的には、第3実施
例の第7A図,第7B図の制御手順によって実現されてい
る。即ち、第3実施例の制御装置は、いずれか1つの空
燃比フィードバック制御系のセンサ(空燃比検出手段)
が故障した場合には、ステップS120〜ステップS134(特
に、ステップS122、ステップS126、ステップS130または
ステップS134)において、センサが故障した方のフィー
ドバック制御量(CAFBまたはCBFB)を、故障していない
方のフィードバック制御量(CBMAXまたはCBMIN若しくは
CAMAXまたはCAMIN)によっておき変えることにより、補
正を行っている。即ち、第3実施例のステップS120〜ス
テップS134は、本発明の補正手段を構成すると共に、補
正の1態様である制限手段も構成する。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の空燃比制御装置は、多
気筒エンジンの少なくとも2つ以上のグループに分けら
れた気筒グループの排気系に各々配設され、実空燃比を
検出する空燃比検出手段と、前記気筒グループ毎に、そ
のグループの前記空燃比検出手段が検出した実空燃比と
目標空燃比との偏差に基づいてフィードバック制御量を
算出して、この算出値に基づいて各気筒グループに供給
される混合気の空燃比を目標空燃比にフィードバック制
御するフィードバック制御手段と、前記各空燃比検出手
段の劣化状態を検出する劣化検出手段と、この劣化検出
手段の出力を受け、いずれかの空燃比検出手段の劣化が
検出されたとき、劣化が検出された空燃比検出手段が配
設された当該気筒グループのフィードバック制御量を、
劣化の少ない方の空燃比検出手段が配設される気筒グル
ープについてのフィードバック制御量に基づいて補正す
る補正手段とを備えることを特徴とし、この構成によ
り、空燃比検出手段が劣化した気筒グループのフィード
バック制御は、劣化していない気筒グループの制御量に
より補正されるので、劣化した方のエミッション悪化等
の運転状態の悪化が防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示す図、 第2図は本発明をV型エンジンに適用した場合の実施例
の構成を示す図、 第3図はECUに入出力する信号を示す図、 第4図は第一実施例〜第三実施例に共通な制御部分を示
すフローチヤート、 第5図は第一実施例に係る制御部分のフローチヤート、 第6図は第二実施例に係る制御部分のフローチヤート、 第7A図、第7B図は第三実施例に係る制御部分のフローチ
ヤート、 第8図は第三実施例の動作概略を説明するタイミングチ
ヤートである。 図中、10……エンジン、11a,11b……吸気マニホルド、1
2……エアーフイルタ、13……ダツシユポツト、14……
吸気管、15a,15b……蒸発燃料供給管、16a,16b……吸気
弁、17……蒸発燃料供給制御ソレノイドバルブ、18a,18
b……シリンダ、19……キヤニスタ、20……エアフロメ
ータ、22……吸気温センサ、24a,24b……スロツトル
弁、25……燃料タンク、26……ISC用供給管、27……ス
ロツトル開度センサ、28……アイドルスピードコントロ
ール弁(ISC弁)、32a,32b……ピストン、34a,34b……
燃料噴射弁、36……エンジン制御ユニツト(ECU)、40
a,40b……冷却水通路、42……水温センサ、44a,44b……
排気弁、46a,46b,46c,46d……排気マニホルド、48a,48b
……排気管、50a,50b……触媒コンバータ、53a,53b……
温度センサ、52a,52b……O2センサである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒エンジンの少なくとも2つ以上のグ
    ループに分けられた気筒グループの排気系に各々配設さ
    れ、実空燃比を検出する空燃比検出手段と、 前記気筒グループ毎に、そのグループの前記空燃比検出
    手段が検出した実空燃比と目標空燃比との偏差に基づい
    てフィードバック制御量を算出して、この算出値に基づ
    いて各気筒グループに供給される混合気の空燃比を目標
    空燃比にフィードバック制御するフィードバック制御手
    段と、 前記各空燃比検出手段の劣化状態を検出する劣化検出手
    段と、 この劣化検出手段の出力を受け、いずれかの空燃比検出
    手段の劣化が検出されたとき、劣化が検出された空燃比
    検出手段が配設された当該気筒グループのフィードバッ
    ク制御量を、劣化の少ない方の空燃比検出手段が配設さ
    れる気筒グループについてのフィードバック制御量に基
    づいて補正する補正手段とを備えたことを特徴とするエ
    ンジンの空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】前記補正手段は、劣化が検出された方の空
    燃比検出手段が配設された気筒グループのフィードバッ
    ク制御量の値を、劣化の少ない方の空燃比検出手段が配
    設された気筒グループのフィードバック制御量の値に基
    づいて制限する制限手段を有することを特徴とする請求
    項1に記載のエンジンの空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、劣化が検出された方の空
    燃比検出手段が配設された気筒グループのフィードバッ
    ク制御量の値を、劣化の少ない方の空燃比検出手段が配
    設された気筒グループのフィードバック制御量の最大値
    と最小値との間に制限することを特徴とする請求項2に
    記載のエンジンの空燃比制御装置。
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