JP2618967B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、少なくとも2つ以上の空燃比制御系を有す
るエンジンにおいて、蒸発燃料の供給に伴なう燃料供給
量の変動を吸収すると共に、気筒グループ間の蒸発燃料
供給量のバラツキを低減することにより、空燃比を最適
に制御するエンジンの空燃比制御装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 大気汚染防止のために、例えば燃料タンク中で蒸発し
た燃料をキヤニスタにトラツプし、このトラツプした燃
料を混合気に戻すエンジンシステムは周知である。
例えば、特開昭63−41632号は、気筒グループが1つ
のエンジンにおいて、蒸発燃料の供給制御をオンまたは
オフするときに夫々フィードバック補正量を記憶し、こ
れらの補正量の偏差を演算するというものである。この
偏差を次に蒸発燃料の供給制御をオンまたはオフすると
きに空燃比制御の補正に用いることにより、蒸発燃料の
供給の有無に拘わらず全運転領域に亘って応答性良く目
標空燃比へのフィードバック制御を可能にするというも
のである。
一方、複数の気筒グループが存在するようなエンジン
においては、むしろ、グループ間におけるバラツキが問
題となる。
例えばV型エンジンのように、排気系を2つ(左右)
のバンクに分けて、これらのバンク毎の排気系に酸素セ
ンサを各々配列し、この2つのセンサの夫々の出力に基
づいて両バンク独立して空燃比のフイードバツク制御す
る技術(特開昭60−190630)がある。このように、2つ
のセンサを設けざるを得ないというのも、特にV型エン
ジンでそうであるが、左右のバンクの夫々排気管を1つ
にまとめるときに、背圧増加を抑えるために、左右バン
クからの排気管はどうしても排気マニホルドから離れた
位置でまとめざるを得ない。一方、酸素センサによるフ
イードバツク制御を精度良く行なうためには、酸素セン
サは、排気マニホルドに近い位置に配設するのが好まし
い。そこで、排気管は遠くでまとめて背圧を低下せし
め、一方、2つの酸素センサを排気マニホールドに近い
位置に左右バンク別個に設けるという背景があるからで
ある。
(発明が解決しようとする課題) ところで、トラツプされた蒸発燃料は左右の吸気系バ
ンクに供給されるが、この各吸気系に供給されるトラツ
プされた蒸発燃料量はその予測が困難である。何故な
ら、トラツプされた蒸発燃料を各吸気系に配るための配
管も、エンジルーム内の気筒等の配置の制約のために幾
何学的に左右対称にすることは困難であり、また、対称
にできたとしても、配管そのものに偏差等があるため
に、各バンクに供給される蒸発燃料量にバラツキがある
のはむしろ当前である。
このように、蒸発燃料量にバラツキがある場合に、上
記特開昭60−190630号の如くグループ毎に空燃比制御を
行なう場合、長時間のレンジで見た場合は、その蒸発燃
料のバラツキは空燃比制御により吸収される。しかし、
従来の蒸発燃料による空燃比補正では、バラツキがない
ことを前提にしているから、特に例えば蒸発燃料の供給
開始時若しくは停止時という過渡時は、全体の燃料供給
量が大きく変動し、且つその変動量が気筒グループ毎に
異なるために、両バンクの排気ガスの空燃比制御が速や
かに収束しないという問題がある。
そこで、本発明は上述従来例の欠点を除去するために
提案されたものでその目的は、複数の気筒が少なくとも
2グループ以上の吸気系と排気系とに分割されている場
合に、前記吸気系に供給される蒸発燃料の供給量のバラ
ツキを、排気系のグループ毎に設定された空燃比制御系
により補償するようなエンジンの空燃比制御装置を提案
するものである。
(問題点を解決するための手段及び作用) 上記課題を達成するための本発明の構成は、例えば第
1図に示すように、 多気筒エンジンの少なくとも2つ以上のグループに分
けられた気筒グループの排気系に各々配設された空燃比
センサと、 前記気筒グループ毎に、そのグループの前記センサの
出力に基づいて、そのグループの気筒に供給される混合
気の空燃比を目標値にフイードバツク制御する制御手段
と、 前記気筒グループ各々の吸気系に蒸発燃料を供給する
供給手段と、 前記制御手段により空燃比フィードバック制御が実行
されている間に前記供給手段により各吸気系に蒸発燃料
が供給されるときに、前記気筒グループの各々の前記混
合気の空燃比制御の制御量を学習する学習手段と、 この学習された制御量に基づいて、前記気筒グループ
の各々の基制御手段による空燃比制御を補正する補正手
段とを備えたことを特徴とする。
(実施例) 以下添付図面を参照して、本発明を6気筒V型エンジ
ンに適用した場合の実施例を説明する。
<実施例システムの概観> 第2図に示すように、エンジン10は、吸入空気を濾過
するエアーフイルタ12を備え、このエアーフイルタ12に
より濾過された空気は、吸気管14を通り、吸気弁16a,16
bを介してV字状に配設されたシリンダ18a,18b内に導入
される。尚、この第2図では、他の4つの気筒が図面の
向う側に配置されているが、不図示となつている。ま
た、6つの気筒を夫々、第1気筒〜第6気筒とすると、
第1気筒は18aに、第2気筒は18bに相当するとすると、
シリンダ18aとその向う側の2つの気筒とは左バンクシ
リンダを形成し、シリンダ18bとその向う側の2つのシ
リンダとが右バンクシリンダを形成する。
吸気管14の上流側には、ここを通る吸入空気の流量
(Qa)を測定するエアフローメータ20及び吸入空気の温
度(Ta)を測定する吸気温センサ22が取り付けられてい
る。
この吸気管14の中程は、左右の各バンクに連通する2
つの通路に分割されており、夫々の分割通路には、スロ
ツトル弁24a,24bが配設されている。一方のスロツトル
弁24aには、これの開度(TVO)を検出する開度センサ27
が取り付けられている。また、このスロツトル弁24a,24
bの上流側及び下流側の吸気管14の部分をバイパスする
状態で、吸気管14にはバイパス管26が接続されている。
このバイパス管26の中途部には、アイドルスピード制御
弁28が取り付けられている。A/C作動,パワステ作動、
ヒータ作動等があると、その負荷に応じてこのISC弁28
のオン・オフ動作が信号ISCに従つて制御され、ISC弁28
を通過するバイパス管26の空気流量(バイパス空気量)
が制御されることになる。
また、吸気管14の下流側は、左右のバンクに属するシ
リンダ18a,18b等に分岐接続されており、各分岐接続管
には、対応するシリンダ内に燃料を供給する燃料噴射弁
34a,34bが配設されている。各燃料噴射弁34a,34bは、後
述するエンジン制御ユニツト(以下、単にECUと呼ぶ)3
6により、夫々燃料の噴射パルス(TA,TB)幅が規定され
ている。尚、添字の“A"は左バンク系に係る信号を指
し、“B"は右バンク系に係る信号を指すものとする。
左右のシリンダ18a,18b内には、ピストン32a,32bが摺
動自在に配設されている。各ピストンはシリンダ18a,18
b内を摺動して往復することにより、夫々が接続された
クランクシヤフト(不図示)を回転駆動することにな
る。また、図示していないが、シリンダ18a,18bの上部
には、ここに噴射された燃料を燃焼させるための点火プ
ラグが設けられている。更に、各シリンダ18a,18bに
は、夫々を冷却するための冷却水通路40a,40bが設けら
れており、この冷却水通路には、ここを通過する冷却水
の温度を、エンジン温度(TW)として検出する水温セン
サ42が取り付けられている。
一方、各シリンダ18a,18b内で燃焼された燃料は、排
出ガスとして対応する排気弁44a,44bを介して、排気マ
ニホルド46a,46b、さらに排気管48a,48bを通つて排出さ
れる。この排気管48a,48bの中途部には、排気ガスを浄
化するための触媒コンバータ50a,50bが設けられてい
る。
尚、吸気管の場合と同じく、排気ガスの相互干渉を抑
えるために、左バンクのシリンダ18aからの排気マニホ
ルド46aと残りの左バンクの2つのシリンダからの排気
マニホルド46c(他の1つのシリンダの排気マニホルド
は不図示)とが1つの排気管48aにまとめられ、右バン
クのシリンダ18bの排気マニホルド46bと残りの右バンク
のシリンダからの排気管46d(他の1つのシリンダの排
気マニホルドは不図示)とが1つにまとめられ、排気管
48bとなる。排気管48a,48bには、上記合流点になるべく
近い位置で通過する排気ガス中に残留する酸素濃度
(O2)を測定するためのO2センサ52a,52bが取り付けら
れている。これらのセンサ52a,52bからの酸素濃度出力
信号を、夫々、E1,E2とする。
53a,53bは夫々、触媒コンバータ50a,50bの温度センサ
(出力はTC1,TC2)である。酸素センサ52aからの出力E1
に基づいて、左バンク(シリンダ18a等)の空燃比制御
が行なわれ、酸素センサ52bからの出力E2に基づいて、
右バンク(シリンダ18b等)の空燃比制御が夫々のバン
ク間で独立して行なわれる。
25は燃料タンクである。このタンク内で蒸発した燃料
ガス成分はキヤニスタ19でトラツプされる。このトラツ
プされたガスは、ECU36からの信号PCにより、ソレノイ
ドバルブ17が開かれることにより、管15a,15bを経て、
左右バンクに供給される。後述するように、ECU36は、
この信号PCを監視することにより、蒸発燃料供給の開
始,終了を検出することができる。
第3図は、ECU36に入力される信号と、ECU36から出力
される信号をまとめたものである。
<動作原理> 第4図により、本実施例の空燃比制御の原理を説明す
る。同図は、蒸発燃料を供給するバルブ17を制御するバ
ルブ制御信号PCが2度オンした場合の例の動作を示して
いる。信号PCがオフ(“0")からオン(“1")したとき
は蒸発燃料が新たに供給開始されるときであるから、こ
のオンから所定の時間は、空燃比制御が、そのリツチ方
向の変動を吸収しようと制御する過渡期間である。ま
た、信号PCが“1"“0"と変化した後の所定時間も、燃
料が今までの蒸発燃料供給を前提とした空燃比制御から
リーン方向への変動を吸収しようと制御する過渡期間で
ある。リツチ方向の変動,リーン方向への変動が、いず
れも大きければ大きいほど、この過渡期間で行なわれる
フイードバツク制御の振幅は大となる。蒸発燃料による
変動が吸収されて、この過渡期間が過ぎると、空燃比制
御は酸素センサ52a,52bの出力のみに基づいた周知の空
燃比制御を行なう。即ち、この過渡期間でなされる制御
は、どの程度の蒸発燃料が供給されたかを反映する。そ
こで、ある時点での信号PCの“0"“1"(または、“1"
→“0")への変化によつて引き起こされた過渡期間にな
される空燃比制御のフイードバツク補正係数の振幅を適
当に学習することにより、この学習値を、次に発生した
信号PCの“0"“1"(または、“1"→“0")への変化時
に適当に利用すれば、蒸発燃料供給開始又は停止に伴な
う制御の変動は、前回の変動時よりも速やかに吸収さ
れ、過渡期間が短くなる。この過渡期間における学習を
毎回繰り替えし、さらに、各過渡期間の終りで、学習値
を更新すれば、その学習値は、まさに、そのバンク(若
しくはシリンダ)に固有の蒸発燃料供給量を反映したも
のであり、変動に伴なう空燃比制御の収束を速やかに行
なうという観点から最適なものとなる筈である。換言す
れば、V型エンジンにおけるバンク間の蒸発燃料の供給
量の正確な絶対値を何等知る必要もなくて、そのバラツ
キを補償できることになるわけである。
さて、学習値であるが、本明細書ではこれを、学習期
間における空燃比補正係数CAFB(又は、CBFB)の積分値
ΣCAFB(又は、ΣCBFB)とする。ここで、左バンクを表
わす添字をA、右バンクを表わす添字をBとする。これ
らのCAFB(又は、CBFB)は、酸素センサ52a(または、5
2b)の出力E1(E2)に基づいた周知のPI制御のための制
御変数である。
第5図は、実施例の空燃比制御装置により学習がどの
ように行われるかを説明する。第5図(a)に示すよう
に、ソレノイド制御信号PCが“0"から“1"に変化すると
きは、蒸発燃料の供給により空燃比はよりリツチ側に変
化するから、空燃比制御は空燃比をよりリーン側に制御
しようとする。そのために、制御量CAFB(又は、CBFB
は下降し、ΣCAFB(又は、ΣCBFB)は相対的によりマイ
ナス側の値となる。逆に、信号PCが“1"から“0"に変化
するときは、蒸発燃料の供給が停止するために、空燃比
制御は空燃比をよりリツチ側に制御しようとして、制御
量CAFB(又は、CBFB)は上昇する。従つて、このとき
は、PCが“0"から“1"に変化するときに比べて、ΣCAFB
(又は、ΣCBFB)は相対的にプラス側の値をもつことと
なる。
左右のバンク間の蒸発燃料の供給量に、第5図
(b),(c)のように、例えば左バンク側により少な
く供給されるようなバラツキがある場合を想定する。こ
のときは、左バンク側で演算されたΣCAFBの絶対値と、
右バンク側で演算されたΣCBFBの絶対値とでは、前者の
方の絶対値が第5図(e),(f)に示すように小さく
なる。
本実施例において、左右のバンクの最終燃料噴射量を
TA,TBとし、基本燃料噴射量をT1、蒸発燃料の供給開始
時の過渡期間における学習による補正係数をCALS及びC
BLS、蒸発燃料の供給停止時の過渡期間における学習に
よる補正係数をCALE及びCBLEとすると、蒸発燃料の開始
時及び開始されてから停止されるまでは、 TA=T1(1+CAFB+CALS+C) TB=T1(1+CBFB+CBLS+C) そして、蒸発燃料の供給の停止時及び停止されてからま
た開始されるまでは、 TA=T1(1+CAFB+CALE+C) TB=T1(1+CBFB+CBLE+C) である。尚、上記の式のCは、吸入空気の温度Ta、エン
ジン温度TW等に基づいた補正のための係数である。補正
係数CALS及びCALEの意味するところは、前者は左バンク
の蒸発燃料が供給されている期間における燃料供給量の
カサ上げ量を示し、後者は左バンクの蒸発燃料が停止さ
れている期間における燃料供給量のカサ上げ量を示す。
また、CBLS,CBLEも、右バンクについての同じ意味のカ
サ上げ量である。そして、第5図の(b)と(c)に示
した実際の蒸発燃料の供給量のバラツキと、補正係数C
ALS及びCBLS、CALE及びCBLEによる燃料供給量のカサ上
げにより、トータルの混合気の空燃比は、排気系におい
ての空燃比が理論空燃比に速やかに収束し易いようなも
のになる。即ち、このようなCALS及びCBLS、CALE及びC
BLEとにより、制御変数CAFB,CBFBの変動は蒸発燃料の供
給の有無にかかわらず、変動の少ない安定なものとな
る。そして、両バンク間における蒸発燃料供給量のバラ
ツキも前述のカサ上げにより均一化されるので、例えば
従来にあつた両バンク間での燃料噴射量のバラツキによ
る車体振動も解消する。
<空燃比制御の詳細> 第2図システムのECU36による空燃比制御を行なう場
合の制御変数を、第6図を用いて説明する。
フラグFS,FPは夫々、今回の制御サイクル,前回の制
御サイクルにおいて検出した蒸発燃料の供給状態を示す
フラグである。即ち、“1"であるときは、ソレノイド17
がオンして、蒸発燃料が供給されている(されていた)
状態であり、“0"のときは供給されていない(されてい
なかつた)状態である。前述したように、左バンク系を
添字Aで示し、右バンク系を添字Bで表わせば、CAFB
CBFBは夫々、酸素センサの出力(E1,E2)に基づいて行
なわれる空燃比制御のための制御変数である。また、Σ
CAFB,ΣCBFBは、前述の学習のために、制御補正変数C
AFBとCBFBを累積するための領域である。
また、CALS,CBLSは夫々、左バンク系,右バンク系に
おいての蒸発燃料供給開始時に学習された空燃比制御の
ための補正係数である。また、CALE,CBLEは夫々、左バ
ンク系,右バンク系においての蒸発燃料供給停止時に学
習された空燃比制御のための補正係数である。さらに、
CALS(N−1),CBLS(N−1),CALE(N−1),CBLE
(N−1)は夫々、前回の制御サイクルまでで学習され
た補正係数である。TA,TBは各バンクでの最終燃料噴射
量である。その他のフラグ等は、プログラムの説明時に
おいて順に説明する。
次に、第7A図〜第7D図に基づいて、この実施例におけ
る空燃比制御に係る部分の制御プログラムの詳細を説明
する。尚、左バンク系と右バンク系とで行なわれる空燃
比制御は用いられる入力信号,制御変数が異なる点を除
いて等価であるので、第7A図〜第7D図では左バンク系で
の空燃比制御のみを示しており、実際には、右バンク系
でも、略等価な制御が行なわれている。
さて、第7A図のステツプS2では、吸入空気量QA、エン
ジン回転数N及び左バンク系の酸素センサ出力信号E1
入力する。ステツプS4では、エンジン回転数N及び吸入
空気量QAに基づいて基本燃料噴射量T1を演算する。ステ
ツプS6では、吸入空気の温度Ta、エンジン温度TW等に基
づいた補正係数Cを演算する。
ステツプS8〜ステツプS12で、ソレノイド信号PCに基
づいて、現在、蒸発燃料が供給されているか否かを判断
して、その状態をフラグFSに記憶する。
ステツプS14では、触媒コンバータ温度TC等に基づい
て空燃比のフイードバツク制御を実行できる状態にある
か否かを判断する。今、フイードバツク制御を行なう領
域にある場合について説明する。
ステツプS16〜ステツプS20では、現在の蒸発燃料の供
給状態を示すフラグFSと前回の供給状態を示すフラグFP
とに基づいて、蒸発燃料供給がまさに開始されたか、蒸
発燃量供給がまさに停止されたかを判断して、夫々フラ
グF0-1,F1-0に記憶する。
ステツプS22〜ステツプS34は、酸素センサの現在の出
力E1及び前回の出力E1(N−1)とに基づいて、PI制御
を行なうための制御変数CAFBを決定する。ステツプS22
〜ステツプS34での、△P,△Iは、センサがリーンから
リツチ変化したとき、またはその逆の変化をしたとき
に、速やかにフイードバツク制御が収束する(プロポー
シヨナル制御)ような値に選択されている。一方、△I
はフイードバツク制御がオーバシユートが起きないよう
(インテグラル制御)な値に設定されている。
ステツプS40(第7B図)は、今、過渡期にあるか否か
を、フラグF0-1,F1-0に基づいて判断するものである。
この過渡期は、この実施例ではフラグF0-1,F1-0のいず
れかがセツトされてから、制御サイクル32回分の時間幅
までの期間として設定されている。そして、この過渡期
に、後述するように学習が行なわれる。ステツプS40
で、フラグF0-1,F1-0の両方がセツトしていないとき
は、第7C図の通常の空燃比制御を行なう。
上記フラグの少なくとも一方がセツトしているとき
は、ステツプS42で、制御サイクル数を計数するカウン
タnをインクリメントする。ステツプS44で、制御変数C
AFBの累積加算を行なう。この加算は、ステツプS48若し
くはステツプS66で前記カウンタnが32に達するまで続
けられる。ステツプS46は、フラグF0-1,F1-0に基づい
て、蒸発燃料供給開始による過渡期なのか、停止による
過渡期なのかに応じて補正量をCALSかCALEかに選択する
ものである。
先ず、蒸発燃料供給開始による過渡期について説明す
る。ステツプS48で前記カウンタnが32に達したかを調
べる。
nが32に至らない間は、ステツプS50で、前回の蒸発
燃料供給開始による過渡期に学習した補正値CALS(N−
1)を今回の補正値CALSとする、更に、ステツプS64
で、このCALSを左バンク系の学習値CALとする。ステツ
プS82で、左バンク系の最終燃料噴射量TAを、 TA=T1(1+CAFB+CAL+C) 演算して、インジエクタ34aに出力する。ステツプS84,
ステツプS86では、次回の制御サイクルのために、酸素
センサの出力E1,フラグFSの更新を行なう。かくして、
カウンタnが32に至らない間は、前回の蒸発燃料供給開
始による過渡期に学習した補正値CALS(N−1)を今回
の補正値CALSとしつつ、次回の過渡期のためにステツプ
S44で学習する。この更新された学習値CALS(N−1)
は、過渡期の学習により、蒸発燃料供給による空燃比変
動を反映した量であるのは、第5図で説明した通りであ
る。
カウンタnが32に達すると、ステツプS54では、前回
の学習値を一時的にCALSに保持しておき、ステツプS56
では、記憶していた前回の学習値CALS(N−1)を更新
する。
そして、ステツプS58,ステツプS60で、カウンタ値n,ΣC
AFBを初期値に戻す。そして、ステツプS62で、学習期間
が終了したことを示すためにフラグF0-1をリセツトし
て、ステツプS64〜ステツプS86で燃料噴射を行なう。
学習期間経過後は、ステツプS22〜ステツプS34で通常
のPI制御を行なうと共に、ステツプS8〜ステツプS20
で、蒸発燃料停止が検出されるまでは、ステツプS100〜
ステツプS104(第7C図)を実行する。この場合、現在は
蒸発燃料供給中(フラグFS=1)であるので、ステツプ
S104に進んで、学習補正値CALとしてステツプS56で更新
された新たな学習値CALS(N−1)を採用する。
蒸発燃料の停止が検知されると、ステツプS14でフラ
グFSはリセツトされる。そして、ステツプS18でフラグF
1-0がセツトされる。このフラグがセツトされているた
めに、蒸発燃料停止に伴なう過渡期の制御は、ステツプ
S68で、前回の蒸発燃料停止時に学習しておいたC
ALE(N−1)を過渡期の蒸発燃料停止に伴なう補正係
数とするようなものである。補正係数CALEの更新はステ
ツプS70〜ステツプS78で行なわれる。
ステツプS14で空燃比制御のフイードバツク領域にな
いと判断されたときは、第7D図のステツプS110に進む。
このステツプS110で、フイードバツク制御を停止するた
めに補正係数CAFBを“0"にする。ステツプS112〜ステツ
プS116では、現在の蒸発燃料が供給されているか(FS
1)、停止されている(FS=0)に応じて、供給時の学
習補正係数CALSか、または停止時の補正係数CALEを、蒸
発燃料による補正係数CALに反映する。このように、フ
イードバツク制御停止中も、燃料噴射量にCALを反映さ
せるのは、第5図の説明でわかるように、このCALが蒸
発燃料の供給による影響を緩和する作用を有するからで
ある。
前述したように、右バンクについても、同じ制御が行
なわれる。
かくして、上記実施例に係る空燃比制御は、上述した
ように、補正係数CALS,CALEを導入することによつて蒸
発燃料の供給による影響を緩和し、その結果、蒸発燃料
の供給,停止によるフイードバツク制御(CAFB,CBFB
への影響を少なくして、蒸発燃料の供給,停止の過渡期
のフイードバツク制御の収束を早めるというものであ
る。また、前記実施例は併せて、バンク間での蒸発燃料
供給量の差異を補正係数CALS,CALEを導入することによ
り補償し、この補償により、両バンク間での蒸発燃料の
供給,停止の過渡期に行なわれるフイードバツク制御の
収束時期を同期化することにより、バンク間の空燃比制
御の収束時期の不一致による車体振動を抑圧することが
できる。
<空燃比制御の他の実施例> 他の空燃比制御を簡単に説明する。この他の空燃比制
御の根本は、前記実施例の第5図に関連して説明したよ
うに、ΣCAFB,ΣCBFBが蒸発燃料供給若しくは停止に伴
なう過渡期の制御を反映するものであるということに、
同じように依拠する。
前記実施例では、補正係数CALS,CALEを全期間一律に
効かしていた。この他の実施例では、補正係数CALS,C
ALEを導入せずに、蒸発燃料供給,停止に伴なう過渡期
(前記実施例の学習期間に相当)に、PI制御の制御変数
△P,△Iを過渡期以外のそれらと異なるようにしようと
いうものである。即ち、過渡期の学習により、ΣCAFB,
ΣCBFBを演算し、過渡期の制御変数を、 ΔPA′=K1・ΣCAFB △IA′=K2・ΣCAFB △PB′=K1・ΣCBFB △IB′=K2・ΣCBFB と定めるのである。ここで、K1,K2は所定の係数であ
る。過渡期以外の制御変数は固定の△P,△Iとする。即
ち、過渡期以外の期間およびフイードバツク制御領域以
外の期間では、ステツプS102,S104及びステツプS114,ス
テツプS116に相当する制御は必要なくなる。
このようにすると、△P′,△I′は過渡期の学習を
加味したものであるから、この過渡期の変動を速やかに
補正することができる。そして、このΔP′,△I′は
バンク間の蒸発燃料のバラツキも加味されているから、
このバラツキも補償されるのも言うまでもない。
第8図の(a)〜(e)に、この他の実施例による空
燃比制御に従つた動作の様子を示す。
<変形例> この実施例の原理は、第5図に関連してなされた説明
及びフローチヤートからも明らかなように、本質的に
は、1つの排気系しか存在しないような、例えば直列型
エンジンのような単一バンクのエンジンにも適用可能で
ある。即ち、単一バンクにおける蒸発燃料供給,停止に
伴なう空燃比変動を速やかに吸収することができる。
また、第2図実施例では、左右両バンク夫々に、触媒
コンバータ50a,50bが配設されていた。しかし、本発明
は、上述の実施例の動作説明から明らかなように、2つ
のバンク間に供給される蒸発燃料のバラツキを吸収して
空燃比制御で補償するという観点からでは、上記2つの
バンクの排気系に夫々設けられた2つの酸素センサの夫
々の出力に基づいて、独立して空燃比制御が行なわれる
ものであれば適用可能である。即ち、排気管48a,48bと
が1つにまとめられた変形例であつて、触媒コンバータ
が1つしか存在しないものであつても適用可能である。
また、上記実施例及び他の実施例では、蒸発燃料の供
給開始時,停止時において夫々学習し、異なる学習補正
係数としていたが、開始時の燃料増加量と停止時の燃料
減少量の絶対値は同じであるから、供給開始時,停止時
のいずれか一方でのみ学習するようにすることも可能で
ある。
この発明は、上述した実施例及び変形例の構成に限定
されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形可能であることは言うまでもない。
(発明の効果) 以上説明したように本発明の空燃比制御装置によれ
ば、気筒グループの各々における混合気の空燃比制御の
制御量を学習し、この学習された制御量に基づいて、前
記気筒グループの各々の空燃比制御を補正することによ
り、気筒間における蒸発燃料の供給量のバラツキの空燃
比フィードバック制御への影響を吸収することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示す図、 第2図は本発明をV型エンジンに適用した場合の実施例
の構成を示す図、 第3図はECUに入出力する信号を示す図、 第4図は,第5図はこの実施例の原理を示す図、 第6図は実施例の制御に使われる変数を示す図、 第7A図〜第7D図は実施例の空燃比制御のプログラムを示
すフローチヤート、 第8図は他の実施例の空燃比制御の原理を説明する図で
ある。 図中、10……エンジン、11a,11b……吸気マニホルド、1
2……エアーフイルタ、13……ダツシユポツト、14……
吸気管、15a,15b……蒸発燃料供給管、16a,16b……吸気
弁、17……蒸発燃料供給制御ソレノイドバルブ、18a,18
b……シリンダ、19……キヤニスタ、20……エアフロメ
ータ、22……吸気温センサ、24a,24b……スロツトル
弁、25……燃料タンク、26……ISC用供給管、27……ス
ロツトル開度センサ、28……アイドルスピードコントロ
ール弁(ISC弁)、32a,32b……ピストン、34a,34b……
燃料噴射弁、36……エンジン制御ユニツト(ECU)、40
a,40b……冷却水通路、42……水温センサ、44a,44b……
排気弁、46a,46b,46c,46d……排気マニホルド、48a,b…
…排気管、50a,50b……触媒コンバータ、53a,53b……温
度センサ、52a,52b……O2センサである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒エンジンの少なくとも2つ以上のグ
    ループに分けられた気筒グループの排気系に各々配設さ
    れた空燃比センサと、 前記気筒グループ毎に、そのグループの前記センサの出
    力に基づいて、そのグループの気筒に供給される混合気
    の空燃比を目標値にフイードバツク制御する制御手段
    と、 前記気筒グループ各々の吸気系に蒸発燃料を供給する供
    給手段と、 前記制御手段により空燃比フィードバック制御が実行さ
    れている間に前記供給手段により各吸気系に蒸発燃料が
    供給されるときに、前記気筒グループの各々の前記混合
    気の空燃比制御の制御量を学習する学習手段と、 この学習された制御量に基づいて、前記気筒グループの
    各々の前記制御手段による空燃比制御を補正する補正手
    段とを備えたことを特徴とするエンジンの空燃比制御装
    置。
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