JP2618674B2 - 電波吸収体の製造方法 - Google Patents
電波吸収体の製造方法Info
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- JP2618674B2 JP2618674B2 JP63047204A JP4720488A JP2618674B2 JP 2618674 B2 JP2618674 B2 JP 2618674B2 JP 63047204 A JP63047204 A JP 63047204A JP 4720488 A JP4720488 A JP 4720488A JP 2618674 B2 JP2618674 B2 JP 2618674B2
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Description
【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、電波暗室の構築等に使用される電波吸収体
及び、その製造方法に関する。
及び、その製造方法に関する。
＜従来技術＞ 電波吸収体は、入射された電波を吸収し、消失させる
ものであり、広い帯域の周波数を吸収するｗ形電波吸収
体にあっては、電波暗室の様に、アンテナ等の特性を調
べるために、外部からの電波を遮断して無響空間を構成
するための構造材として利用される。また、特定の周波
数のみを吸収するＮ形電波吸収体にあっては、建物によ
るTV電波の反射防止等に利用され、いずれも広い用途を
有する。
ものであり、広い帯域の周波数を吸収するｗ形電波吸収
体にあっては、電波暗室の様に、アンテナ等の特性を調
べるために、外部からの電波を遮断して無響空間を構成
するための構造材として利用される。また、特定の周波
数のみを吸収するＮ形電波吸収体にあっては、建物によ
るTV電波の反射防止等に利用され、いずれも広い用途を
有する。
これらの電波吸収体は、入射された電波に、導電損ま
たは磁性損を生じさせて、光エネルギーを熱エネルギー
に変換することにより、前記吸収能を達成するのであっ
て、導電損を生じさせる電波吸収体としてカーボンを成
形基材に混合したものがあり、また誘電損を生じさせる
ものとしてフェライト等の粉末を成形基材に混合したも
の等がある。
たは磁性損を生じさせて、光エネルギーを熱エネルギー
に変換することにより、前記吸収能を達成するのであっ
て、導電損を生じさせる電波吸収体としてカーボンを成
形基材に混合したものがあり、また誘電損を生じさせる
ものとしてフェライト等の粉末を成形基材に混合したも
の等がある。
ところが、これらの電波吸収体は成形基材に混合して
所定形状とするものであるが、いずれも十分な吸収能を
達成しているとは言えない。また、従来の構成では、電
磁波は、その電波吸収体の内部を透過する行程で、熱エ
ネルギーに変換され、消耗するものであり、吸収体の厚
さｄは、電磁波の波長λとの関係を有し、従来はd/λを
性能指数とし、所定の性能を達成するためには、厚さｄ
をかなり厚くする必要があるとされてきた。例えば、無
損失材の表面に、カーボンシート等の抵抗膜を配設した
構成にあっては、理論上λ/4の厚さを要し、周波数ｆ＝
100MHzの電磁波を適用する場合には、75cmもの厚さが必
要となる。
所定形状とするものであるが、いずれも十分な吸収能を
達成しているとは言えない。また、従来の構成では、電
磁波は、その電波吸収体の内部を透過する行程で、熱エ
ネルギーに変換され、消耗するものであり、吸収体の厚
さｄは、電磁波の波長λとの関係を有し、従来はd/λを
性能指数とし、所定の性能を達成するためには、厚さｄ
をかなり厚くする必要があるとされてきた。例えば、無
損失材の表面に、カーボンシート等の抵抗膜を配設した
構成にあっては、理論上λ/4の厚さを要し、周波数ｆ＝
100MHzの電磁波を適用する場合には、75cmもの厚さが必
要となる。
そこで、本発明者は、表面にフェライト等の酸化物磁
性材料からなる電磁吸収層ｙが形成されてなる粒球ｘを
成形基材内に分散させたことを特徴とする電波吸収体を
提案した。
性材料からなる電磁吸収層ｙが形成されてなる粒球ｘを
成形基材内に分散させたことを特徴とする電波吸収体を
提案した。
この電波吸収体にあっては、吸収材内に入射した電磁
波は、第１図に示すように、その入射角が球面に対して
所定以上であるもの（α，β）は、粒球ｘに入射する。
または、粒球ｘ表面で反射したもの（γ）も、その反射
波は、吸収材内で他の粒球ｘに衝突し、結局いづれかの
粒球ｘ内に入射することとなる。そして粒球ｘに入射し
た電磁波（α）は、その入射角の関係で、酸化物磁性材
料から成る電磁吸収層ｙ内で反射を繰り返して、層内に
閉じ込められた状態となりながら、誘電損を生じて減衰
し消失する。または該電磁吸収層ｙを透過した電磁波
（β）も、内層ｚ内に入射し、該内層ｚと電磁吸収層ｙ
との境界面内に反射を繰り返し、電磁吸収層ｙに再入射
する等し、結局同様に減衰することとなる。
波は、第１図に示すように、その入射角が球面に対して
所定以上であるもの（α，β）は、粒球ｘに入射する。
または、粒球ｘ表面で反射したもの（γ）も、その反射
波は、吸収材内で他の粒球ｘに衝突し、結局いづれかの
粒球ｘ内に入射することとなる。そして粒球ｘに入射し
た電磁波（α）は、その入射角の関係で、酸化物磁性材
料から成る電磁吸収層ｙ内で反射を繰り返して、層内に
閉じ込められた状態となりながら、誘電損を生じて減衰
し消失する。または該電磁吸収層ｙを透過した電磁波
（β）も、内層ｚ内に入射し、該内層ｚと電磁吸収層ｙ
との境界面内に反射を繰り返し、電磁吸収層ｙに再入射
する等し、結局同様に減衰することとなる。
また、各粒球ｘとの衝突と、その反射を繰り返すこと
により、電磁波の走行路が長くなる。この走行路は結
局、従来構成の吸収体の厚さｄに相当することとなるか
ら、吸収体を厚くせずとも、十分な吸収能を達成できる
こととなる。
により、電磁波の走行路が長くなる。この走行路は結
局、従来構成の吸収体の厚さｄに相当することとなるか
ら、吸収体を厚くせずとも、十分な吸収能を達成できる
こととなる。
本発明は、かかる作用を達成し得る電波吸収体にあっ
て、その軽量化に最適な製造方法を提供することを目的
とするものである。
て、その軽量化に最適な製造方法を提供することを目的
とするものである。
＜課題を解決するための手段＞ 本発明は、牛骨粉、セルロース等の粒状担持体の表面
に酸化物磁性材料からなる被膜を形成し、これを加熱し
て焼成することにより、粒状担持体の脱水、炭化によっ
て、内部を空疎状とすることにより軽量粒球を形成し、
該軽量粒球を成形基材内に分散させたことを特徴とする
電波吸収体の製造方法である。
に酸化物磁性材料からなる被膜を形成し、これを加熱し
て焼成することにより、粒状担持体の脱水、炭化によっ
て、内部を空疎状とすることにより軽量粒球を形成し、
該軽量粒球を成形基材内に分散させたことを特徴とする
電波吸収体の製造方法である。
かかる製造方法にあって、軽量粒球は、前記粒状担持
体の担持作用により所要の球状に成形され得ると共に、
加熱により粒状担持体の脱水、炭化が生じて、内球状と
なるか、または空隙率の高い疎状となる。このため、該
粒球ｘの重量の軽減化を図ることができ、これに伴っ
て、吸収体自体の軽量化も達成されることとなる。
体の担持作用により所要の球状に成形され得ると共に、
加熱により粒状担持体の脱水、炭化が生じて、内球状と
なるか、または空隙率の高い疎状となる。このため、該
粒球ｘの重量の軽減化を図ることができ、これに伴っ
て、吸収体自体の軽量化も達成されることとなる。
＜実施例＞ 第２図について本発明の一実施例を説明する。本発明
に係る電波吸収体１は、成形基材２内に、第１図で既に
示した酸化物磁性材料からなる電磁吸吸収層ｙが表面に
形成された直径3mm〜25mmの粒球ｘを分散させてなるも
のである。
に係る電波吸収体１は、成形基材２内に、第１図で既に
示した酸化物磁性材料からなる電磁吸吸収層ｙが表面に
形成された直径3mm〜25mmの粒球ｘを分散させてなるも
のである。
前記粒球ｘの製造方法の一例を第３図に従って説明す
る。
る。
まず牛骨粉、セルロース等を糊、水等で練って粒状担
持体３を成形する（イ）。次に、フエライト粉にパイン
ダーを混入して粘度状にした材料４を貯留した槽５
（ロ）内に粒状担持体３を漬け、該粒状担持体３の表面
に均一に材料４を塗着形成する（ハ）。これを炉６内で
加熱して、該担持体３を焼成して脱水炭化させ、かつ材
料４中のバインダーを焼失させて焼結フェライト層（酸
化物磁性材料からなる電磁吸収層ｙ）を形成し、而して
粒球ｘが製造される（ニ）。
持体３を成形する（イ）。次に、フエライト粉にパイン
ダーを混入して粘度状にした材料４を貯留した槽５
（ロ）内に粒状担持体３を漬け、該粒状担持体３の表面
に均一に材料４を塗着形成する（ハ）。これを炉６内で
加熱して、該担持体３を焼成して脱水炭化させ、かつ材
料４中のバインダーを焼失させて焼結フェライト層（酸
化物磁性材料からなる電磁吸収層ｙ）を形成し、而して
粒球ｘが製造される（ニ）。
かかる構成の粒球ｘにあっては、内層ｚは担持体３の
材質により、前記焼成により内空状となるか、または空
隙率の高い疎状となって、その軽量化が実現できる。
材質により、前記焼成により内空状となるか、または空
隙率の高い疎状となって、その軽量化が実現できる。
この粒球ｘを、砂利、砂、及び有機バインダーからな
る成形基材２内に分散混合し、板状等に成形し、その乾
燥凝固によって電波吸収体１が形成される。
る成形基材２内に分散混合し、板状等に成形し、その乾
燥凝固によって電波吸収体１が形成される。
かかる構成にあって、電波吸収体１に入射した電磁波
は、各粒球ｘに入射し、酸化物磁性材料層からなる電磁
吸収層ｙ内で反射を繰り返して、層内に閉じ込められな
がら、誘電損を生じて減衰消失するか、該材料層を透過
して、内層ｚ内で反射を繰り返し、表層の電磁吸収層ｙ
内に再入射する等の経路を経て、結局同様に消失するこ
ととなる。
は、各粒球ｘに入射し、酸化物磁性材料層からなる電磁
吸収層ｙ内で反射を繰り返して、層内に閉じ込められな
がら、誘電損を生じて減衰消失するか、該材料層を透過
して、内層ｚ内で反射を繰り返し、表層の電磁吸収層ｙ
内に再入射する等の経路を経て、結局同様に消失するこ
ととなる。
また電波吸収体１の裏面には第２図のように、鉄板、
銅板または導電性ゴムシート等の導電板10を裏打ちする
ことにより、電磁シールドがなされ得る。
銅板または導電性ゴムシート等の導電板10を裏打ちする
ことにより、電磁シールドがなされ得る。
前記成形基材２としては、合成樹脂材料、天然ゴム、
合成ゴム等も用いられ得る。
合成ゴム等も用いられ得る。
前記粒球ｘの直径により、吸収可能な電磁波の周波数
が変化することが認められる。このため、電波暗室、電
波つい立て等の材料として用いるために広い帯域の周波
数を吸収するもの（ｗ形電波吸収体）を形成する場合に
は、種々の径の粒球ｘを成形基材２内に混合分散させれ
ばよい。また、特定の周波数のみを吸収するために用い
るもの（Ｎ形電波吸収体）を形成する場合には、所定の
径の粒球ｘのみを混合分散させれば良い。すなわち、粒
球ｘの径を選定することにより、適用可能な周波数帯域
幅を設定することができ、ｗ形電波吸収体,N形電波吸収
体のいずれをも形成することができて、用途に応じた特
性を容易に生じさせることができる。
が変化することが認められる。このため、電波暗室、電
波つい立て等の材料として用いるために広い帯域の周波
数を吸収するもの（ｗ形電波吸収体）を形成する場合に
は、種々の径の粒球ｘを成形基材２内に混合分散させれ
ばよい。また、特定の周波数のみを吸収するために用い
るもの（Ｎ形電波吸収体）を形成する場合には、所定の
径の粒球ｘのみを混合分散させれば良い。すなわち、粒
球ｘの径を選定することにより、適用可能な周波数帯域
幅を設定することができ、ｗ形電波吸収体,N形電波吸収
体のいずれをも形成することができて、用途に応じた特
性を容易に生じさせることができる。
また前記構成にあって、成形基材２の一成分としてカ
ーボン，フェライト等の粉末を混入すると、電波は、各
粉末との衝突により、導電損または誘電損を生じて、そ
の減衰がさらに効率的になされることとなる。
ーボン，フェライト等の粉末を混入すると、電波は、各
粉末との衝突により、導電損または誘電損を生じて、そ
の減衰がさらに効率的になされることとなる。
＜発明の効果＞ 本発明は、上述の様に、粒状担持体の表面に酸化物磁
性材料からなる被膜を形成し、これを加熱焼成して、粒
状担持体を脱水、炭化させて、内部を空状または空隙率
の高い疎状とすることにより粒球を軽量としたものであ
り、このため該粒球を備えた吸収体にあって、その軽量
化を図ることができる優れた効果がある。
性材料からなる被膜を形成し、これを加熱焼成して、粒
状担持体を脱水、炭化させて、内部を空状または空隙率
の高い疎状とすることにより粒球を軽量としたものであ
り、このため該粒球を備えた吸収体にあって、その軽量
化を図ることができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】 添付図面は本発明の実施例を示し、第１図は粒球ｘの作
用を示す説明図、第２図は電波吸収体の一例を示す縦断
側面図、第３図は軽量粒球ｘの製造行程を示す説明図で
ある。 １……電波波吸収体 ２……成形基材 ３……粒状担持体 10……導電板 ｘ……粒球、ｙ……電磁吸収層、ｚ……内層
用を示す説明図、第２図は電波吸収体の一例を示す縦断
側面図、第３図は軽量粒球ｘの製造行程を示す説明図で
ある。 １……電波波吸収体 ２……成形基材 ３……粒状担持体 10……導電板 ｘ……粒球、ｙ……電磁吸収層、ｚ……内層
Claims (1)
- 【請求項１】表面に酸化物磁性材料からなる電磁吸収層
が形成されてなる粒球を成形基材内に分散させた電波吸
収体にあって、 牛骨粉、セルロース等の粒状担持体の表面に酸化物磁性
材料からなる被膜を形成し、これを加熱して焼成するこ
とにより、粒状担持体の脱水、炭化によって、内部を空
疎状とすることにより軽量粒球を形成し、該軽量粒球を
成形基材内に分散させたことを特徴とする電波吸収体の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63047204A JP2618674B2 (ja) | 1988-02-29 | 1988-02-29 | 電波吸収体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63047204A JP2618674B2 (ja) | 1988-02-29 | 1988-02-29 | 電波吸収体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01220899A JPH01220899A (ja) | 1989-09-04 |
| JP2618674B2 true JP2618674B2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=12768613
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63047204A Expired - Fee Related JP2618674B2 (ja) | 1988-02-29 | 1988-02-29 | 電波吸収体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2618674B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2814119B2 (ja) * | 1989-11-24 | 1998-10-22 | 健一 野田 | 電波吸収材及び、その製造方法並びに該電波吸収材を用いた電波吸収板 |
| DE69125444T2 (de) * | 1990-10-02 | 1997-10-23 | Minnesota Mining & Mfg | Elektromagnetische Strahlung absorbierendes Material mit doppelt umhüllten Partikeln |
| US5389434A (en) * | 1990-10-02 | 1995-02-14 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Electromagnetic radiation absorbing material employing doubly layered particles |
| JP2007036081A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-08 | Ritsuken Gen | 電磁波吸収フィルム構造とその製造方法 |
| JP4620645B2 (ja) * | 2005-10-17 | 2011-01-26 | 株式会社 エヌ・オー・シー | 電磁波吸収材の製造方法 |
| WO2008047854A1 (en) * | 2006-10-19 | 2008-04-24 | Hitachi Metals, Ltd. | Radio wave absorption material and radio wave absorber |
| CN103785362B (zh) * | 2014-02-13 | 2016-03-02 | 中国科学院化学研究所 | 磁性多孔纤维素球吸附剂及其制备方法与应用 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5416038B2 (ja) * | 1973-04-02 | 1979-06-19 | ||
| JPS60130698U (ja) * | 1984-02-13 | 1985-09-02 | 塚本 健吉 | 電波吸収材用フエラ− |
-
1988
- 1988-02-29 JP JP63047204A patent/JP2618674B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01220899A (ja) | 1989-09-04 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |