JP2617130B2 - ダイカストマシンの射出装置 - Google Patents

ダイカストマシンの射出装置

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JP2617130B2
JP2617130B2 JP1063479A JP6347989A JP2617130B2 JP 2617130 B2 JP2617130 B2 JP 2617130B2 JP 1063479 A JP1063479 A JP 1063479A JP 6347989 A JP6347989 A JP 6347989A JP 2617130 B2 JP2617130 B2 JP 2617130B2
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国男 武谷
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ダイカストマシンの射出装置に係り、特
に、射出スリーブ内に注湯する溶湯量を任意に変更可能
なように、射出スリーブに対するプランジャチップの相
対位置を変化させたうえ、この相対位置に保持したまま
射出スリーブを金型の所定位置にドッキング(嵌装)す
る射出装置に関するものである。
[従来の技術] ダイカスト機においては、高温状態にある溶湯の温度
低下を最小限におさえて金型キャビティ内へ鋳込むこと
ができるか否かが、成形品の良否に著しく影響を持って
いる。それは、溶湯の温度低下と共に溶湯の粘度が増大
し、金型キャビティ内での湯回り不良を誘発するためで
ある。したがって、金型キャビティ内へ可能な限り短い
時間で溶湯を鋳込む必要があるため、ダイカストマシン
には高い射出速度が要求される。ところが、射出速度を
上げる程、射出スリーブ、もしくは、金型キャビティ内
の溶湯面は乱れ、飛散する状態となるため、その雰囲気
を巻き込み、成形過程で気泡を含んでしまう。それ故、
その成形品には、前記溶湯の物質以外の空隙部、すなわ
ち、巣を生じ、成形品の強度,耐圧性,防液姓(非漏洩
性)の面で問題となることが多かった。
以上の説明でも明らかなように、良好なダイカスト成
形品を得るには溶湯面を乱すこと無く低速度で、かつ、
射出スリーブ内の溶湯が金型キャビティ内へ移動する時
間を短くして鋳込めれば良いことになる。
[発明が解決しようとする課題] 溶湯の移動時間を短くするためには、射出スリーブか
ら金型キャビティまでの溶湯の移動距離を最短にすれば
良いが、成形品の形状によってはその体積に見合う溶湯
量が異なるため、射出スリーブとプランジャチップとの
相対位置を単一に設定されて連動するタイプの射出装置
では、可変する溶湯量に対応することができず、溶湯量
が少ないときには射出スリーブ内に収納された溶湯上面
と射出スリーブ上端との間に大きな落差を生じるので、
無駄な移動距離が生じる。また、落差が大きいため落下
の際に周囲の空気を巻き込みやすい。
[課題を解決するための手段] そのため、本発明の射出装置においては、 傾転した射出スリーブに給湯した後、傾転復帰して、
射出スリーブを支承するブロックと射出スリーブの底面
を形成するプランジャチップおよび射出プランジャとを
連動して、射出スリーブを金型下部へドッキングする射
出装置を有するダイカストマシンにおいて、該プランジ
ャチップと射出シリンダのピストンロッドとの連結部に
カラーを設け、該カラーの下側に配設され中央部に設け
た透孔へ前記射出シリンダのピストンロッドをルーズに
貫通して該カラーを上方へ押し上げる押し上げ部材と、
前記ブロックの外周に略垂直に固設されピストンロッド
が下方に伸縮する少なくとも2つの油圧シリンダとを配
設するととともに、該押し上げ部材の縁端部に該油圧シ
リンダのピストンロッドの先端部をピン接合した構成と
した。
[作用] 以上のように構成したので、それまで操業してきた成
形品の鋳造を中止して、別種の成形品を鋳造する必要が
生じ、それに伴なって1ショットの溶湯量が以前の溶湯
量と変化した場合には、射出スリーブに対するプランジ
ャチップの相対位置を変えてやる必要がある。すなわ
ち、射出スリーブに溶湯を給湯したときに、1回分の溶
湯量が射出スリーブより溢れない程度に溶湯上面が射出
スリーブ上端近くにくるように、プランジャチップの位
置を調整し、プランジャチップと射出シリンダのピスト
ンロッドの連結部に設けたカラーの下面に、その上面が
接するように押し上げ部材の上下位置を、押し上げ部材
の上下昇降手段である油圧シリンダにより調整する。
そのあと、射出シリンダの入口,出口の油圧をオフ・
ロード(解放)とした後、ブロックを上昇させるとプラ
ンジャチップはブロックと連動して上昇し、ブロックの
上部に支承された射出スリーブは金型の所定位置にドッ
キングされる。この後、射出シリンダを前進して射出ス
リーブに給湯されている溶湯を金型キャビティへ射出充
填する。
[実施例] 以下、図面に基づいて本発明の実施例を従来例と関連
させつつ詳細に説明する。
第1図は本発明に係る実施例を示す射出装置の縦断面
図、第2図は第1図のII-II視を示す平面断面図、第3
図と第4図は従来の実施例を示す縦断面図で、第3図は
スリーブの傾転時、第4図はスリーブの傾転復起時の状
態を示す。
図において、1は可動金型、2は固定金型、3は金型
のキャビティ、4は射出スリーブ、5は射出スリーブ4
内に摺動自在に設けたプランジャチップ、6は射出スリ
ーブ4と一体に設けたブロック、7は先端部にプランジ
ャチップ5が取付けられているプランジャ、8は射出シ
リンダ、9は射出シリンダ8を傾転させるための軸、10
は溶湯、11はとりべ、12は射出シリンダ8のピストンロ
ッド13とプランジャ7の連結部に設けたカラーである。
プランジャチップ5とプランジャ7は射出プランジャを
形成している。
ブロック6は中空の円錐形状をなし、かつ、第2図に
示すように両端に2個のシリンダ15を形成する縦方向の
円筒空洞部を有し、2個のシリンダ15と直交方向に組立
作業用の空洞部6aを有するよう形成されている。
そして、カラー12の下側には、カラーの下面にその上
面が接する押し上げ部剤21がその中心部に設けた透孔に
ピストンロッド13をルーズに(緩やかに)貫通し、前記
空洞部6a方向に張り出して配設され、その両端上部には
フォークエンド21a,21aが設けられ、前記ブロック6の
外周に縦方向(ブロックの軸方向)に進退動する油圧シ
リンダ20がブロック6よりサポート20bにより固設され
ており、下方へ伸張するピストンロッド20aの先端で前
記フオークエンド21aとピン接合されている。したがっ
て、ブロック6が上方へ移動するとき押し上げ部材21と
カラー12は同時に上方へ移動できるようになっている。
ブロック6内には垂直方向にシリンダ15を形成し、射
出シリンダ8のロッドエンド側に固定されたラム16の先
端部がこのシリンダ15中に摺動自在に嵌合されており、
図示していない油圧源からポートcを経由してラム16内
を通してシリンダ15内に作動油を供給し、ブロック6を
上昇させ得るように構成されている。
次に、前記装置の作動を説明する。
第3図は、図示しない傾転装置によって、射出装置全
体を傾転し、射出スリーブ4にとりべ11から溶湯10が注
湯されている状態を示している。注湯が完了した後、つ
ぎに、射出装置全体を傾転復起、つまり、射出装置全体
を軸9および軸受9aを中心に回転させ、もとの直立状態
にする。これが第4図の状態である。
その後、ポートcを介してシリンダ15内に液圧を導く
ことにより、ブロック6は上昇し、射出スリーブ4は固
定金型2と嵌合する。この時、プランジャ7はブロック
6の上昇により、カラー12により引き上げられるため、
射出スリーブ4とプランジャチップ5の相対位置に変化
はなく、一緒に上昇し、溶湯のゆれ(揺れ)は無い。
次いで、ポートaに液圧を導き射出シリンダ8のヘッ
ド側に圧をたてて、射出プランジャ7およびプランジャ
チップ5の上昇を開始し、これに伴なって、溶湯10を金
型1,2より形成させるキャビティ3に充填する。
以上が従来装置および本発明装置の基本的な作動状態
であるが、第3図の注湯後の射出スリーブ4内の液面は
射出スリーブ4上端よりはるかに低い。したがって、既
に述べたように、キャビティ3内へ溶湯を充填する際の
移動距離は大きくそれだけ毎回の射出操作で無駄な行程
を前進後退することになり、冷却も早い。また、注湯の
際の落下距離が大きいので周囲のガスを溶湯に巻き込み
やすい欠点がある。
本発明においては、何らかの事情で、金型を変え、小
物の他の成形品を製造する必要が有り、1回の給湯量が
減少したとき、第1図に示すように、射出スリーブ4へ
注湯したあとの溶湯の表面が射出スリーブ4から溢れな
い程度に射出スリーブ4上端近くになるようなプランジ
ャチップ5の位置に設定すべく、射出シリンダ8を作動
して射出プランジャ7を移動して停止した後、油圧シリ
ンダ20を作動してカラー12の下面と押し上げ部材21の上
面が接するように位置設定し、その後、傾転,注湯,傾
転復帰し、射出シリンダ8の油圧をオフ・ロードとした
後、前述のようにブロック6を上昇させる。このとき、
ブロック6の上昇に伴ないブロック6に固設された油圧
シリンダ20のピストンロッド20aに連接された押し上げ
部材21はカラー12の下面を上方へ持ち上げるので、射出
スリーブ4とプランジャチップ5は連動して上昇する。
金型のドッキングが終った後、射出シリンダ8の作動
によりプランジャチップ7を前進(上昇)させて金型へ
溶湯を充填する。
押し上げ部材21とブロック6との相対位置を油圧シリ
ンダ20を使用して変更する必要があるのは、次回の給湯
量が前回の給湯量と変化する場合であり、毎回の給湯量
が同じであれば位置変更の必要はない。
以上説明したように本発明においては、ダイカストマ
シンの成形品が変更となり、給湯量が変化しても、それ
に応じて射出スリーブに対するプランジャチップの相対
位置を射出シリンダの作動で変更し、その後、カラーの
下面と押し上げ部材の上面を接触するよう油圧シリンダ
で位置調節することにより、射出スリーブとプランジャ
チップを連動して金型へのドッキング作業ができる。ま
た、給湯量を変更しない限りブロックと押し上げ部材と
の相対位置を変える必要がないので操業上簡便である。
[発明の効果] 本発明においては、極めて簡単な操作により、給湯量
に合わせて適宜プランジャチップの位置を変えて、常に
射出プランジャ内溶湯の表面を射出スリーブ上端近くに
保持できるので、無駄な移動距離がなく、そのため溶湯
の冷却固化も少なく最適な射出状態を確保できる。
したがって、給湯の温度低下、溶湯の粘度の増大、金
型内での湯回り不良を極力防止できるとともに、注湯時
の空気の巻き込みも少ないので、強度,耐圧性,防液性
の優れた高品質の射出成品を確実容易に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る実施例を示す射出装置の縦断面
図、第2図は第1図のII-II視を示す平面断面図、第3
図と第4図は従来の実施例を示す縦断面図で、第3図は
スリーブの傾転時、第4図はスリーブの傾転復帰時の状
態を示す。 1……固定金型、2……可動金型、3……キャビティ、
4……射出スリーブ、5……プランジャチップ、6……
ブロック、7……射出プランジャ、8……射出シリン
ダ、12……カラー、13……ピストンロッド、15……シリ
ンダ、16……ラム、20……油圧シリンダ、20a……ピス
トンロッド、20b……サポート、21……押し上げ部材、2
1a……フォークエンド。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】傾転した射出スリーブに給湯した後、傾転
    復帰して、射出スリーブを支承するブロックと射出スリ
    ーブの底面を形成するプランジャチップおよび射出プラ
    ンジャをとを連動して、射出スリーブを金型下部へドッ
    キングする射出装置を有するダイカストマシンにおい
    て、 該プランジャチップと射出シリンダのピストンロッドと
    の連結部にカラーを設け、 該カラーの下側に配設され中央部に設けた透孔へ前記射
    出シリンダのピストンロッドをルーズに貫通して該カラ
    ーを上方へ押し上げる押し上げ部材と、前記ブロックの
    外周に略垂直に固設されピストンロッドが下方に伸縮す
    る少なくとも2つの油圧シリンダとを配設するとととも
    に、該押し上げ部材の縁端部に該油圧シリンダのピスト
    ンロッドの先端部をピン接合したダイカストマシンの射
    出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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