JP2616906B2 - ブロッホラインメモリ - Google Patents

ブロッホラインメモリ

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はブロッホラインメモリに関する。ブロッホラ
インメモリは極めて高い密度にて情報を記録することが
できるメモリとして各種電子装置への応用が考えられ
る。
[従来の技術] 現在、コンピュータ用外部メモリ、電子ファイル用メ
モリ、静止画ファイル用メモリ等のメモリとしては、磁
気テープ、ウインチェスターディスク、フロッピーディ
スク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気バブルメモリ
等の各種のメモリデバイスが使用されている。これらの
メモリデバイスのうちで、磁気バルブメモリを除く他の
メモリは情報の記録や再生の際に記録再生用ヘッドをメ
モリに対し相対的に移動させることが必要である。即
ち、この様なヘッドの相対的移動にともない、該ヘッド
により情報トラックに固定的に情報列を記録したり該情
報トラックに固定的に記録されている情報列を再生した
りする。
しかるに、近年、次第に記録密度の高度化が要求され
るにつれて、ヘッドを情報トラックに正確に追従させる
ためのトラッキング制御が複雑になり該制御が不十分な
ために記録再生信号の品位が低下したり、ヘッド移動機
構の振動やメモリ表面に付着したゴミ等のために記録再
生信号の品位が低下したり、更に磁気テープ等ヘッドと
接触しながら記録再生を行なうメモリの場合には摺動に
より摩耗が発生し、光ディスク等ヘッドと非接触にて記
録再生を行なうメモリの場合には合焦のためのフォーカ
シング制御が必要となり該制御が不十分なために記録再
生信号の品位が低下したりするという問題が生じてい
る。
一方、磁気バブルメモリは、所定の位置にて情報の記
録を行ない該記録情報を転送することができ且つ情報を
転送しながら所定の位置にて情報を再生することができ
記録再生に際しヘッドとの相対的移動を必要とせず、こ
のため記録密度の高度化に際しても上記の様な問題を生
ずることがなく、高信頼性を実現することができると考
えられている。
しかしながら、磁気バブルメモリは磁気ガーネット膜
等の膜面に垂直な方向に磁化容易軸をもつ磁性薄膜に磁
界を印加することにより生ぜしめられる円形の磁区(バ
ブル)を情報ビットとして用いるため、現在のガーネッ
ト膜の材料特性から制限される最小バブル(直径0.3μ
m)を使用しても数十Mビット/cm2が記録密度の限界で
あり、更なる高密度化は困難である。
そこで、最近、上記磁気バブルメモリの記録密度の限
度を越える記録密度をもつメモリとしてブロッホライン
メモリが注目されている。このブロッホラインメモリ
は、磁性薄膜に生ぜしめられる磁区の周囲に存在するブ
ロッホ磁壁構造に挟まれたネール磁壁構造(ブロッホラ
イン)の対を情報ビットとして用いるものであるため、
上記磁気バブルメモリに比べて2桁近い記録密度の高度
化が可能である。たとえば、バブル径0.5μmのガーネ
ット膜を使用した場合、1.6Gビット/cm2の記録密度を達
成することが可能である[「日経エレクトロニクス」19
83年8年15日,p141〜167参照]。
第7図にブロッホラインメモリを構成する磁性体構造
の一例の模式的斜視図を示す。
図において、2はGGG,NdGG等の非磁性ガーネットから
なる基板であり、該基板上には磁性ガーネット薄膜4が
付与されている。該膜は、たとえば液相エピタキシャル
成長法(LPE法)により成膜することができ、その厚さ
はたとえば5μm程度である。6は磁性ガーネット薄膜
4中に形成されたストライプ状磁区であり、該磁区の内
外の境界領域として磁壁8が形成されている。該ストラ
イプ状磁区6の幅はたとえば5μm程度であり長さはた
とえば100μm程度である。また、磁壁8の厚さはたと
えば0.5μm程度である。矢印で示される様に、磁区6
内においては磁化の向きは上向きであり、一方磁区6外
においては磁化の向きは下向きである。
磁壁8内における磁化の向きは内面(即ち磁区6側の
面)側から外面側へと次第にねじれた様に回転してい
る。この回転の向きは磁壁6中に垂直方向に存在するブ
ロッホライン10を境界としてその両側では逆になる。第
7図においては磁壁8の厚さ方向の中央部における磁化
の向きが矢印で示されており、ブロッホライン10におけ
る磁化の向きも同様に示されている。
尚、以上の様な磁性体構造には外部から下向きのバイ
アス磁界HBが印加されている。
図示される様に、ブロッホライン10には磁化の向きの
異なる2つの種類が存在し、これらのブロッホラインの
対の有無を情報“1",“0"に対応させる。該ブロッホラ
イン対は磁壁8中において規則正しい位置即ちポテンシ
ャルウェルのうちのいづれかに存在する。また、ブロッ
ホライン対は基板面に垂直なパルス磁界を印加すること
により各々が隣りのポテンシャルウェルへと順次転送さ
れる。かくして、ブロッホラインメモリへの情報の記録
(磁壁8へのブロッホライン対の書込み)及び該ブロッ
ホラインメモリに記録されている情報の再生(磁壁8中
のブロッホライン対の読出し)は、ブロッホライン対を
磁壁8内で転送しながらそれぞれ所定の位置で行なうこ
とができる。上記情報の記録及び再生はいづれもそれぞ
れ基板面に垂直な所定の強さのパルス磁界を所定の部分
に印加することで行なうことができ、第7図には示され
ていないが、これら記録及び再生のためのパルス磁界印
加手段として磁性薄膜4の表面にストライプ状磁区6に
対しそれぞれ所定の位置関係にてパルス通電用の導体パ
ターンが形成される。
[発明が解決しようとする問題点] しかして、以上の様なブロッホラインメモリにおい
て、ブロッホライン対のためのポテンシャルウェルの形
成は、たとえば磁性薄膜の表面に該磁壁を横切る様に規
則正しいパターンを付与することにより行なわれる。
第8図はこの様なパターンの一例を示すブロッホライ
ンメモリの部分平面図である。
図において、磁性薄膜4の表面にはストライプ磁区6
を横切る方向に延びているライン状のパターン9が多数
平行に設けられている。該パターンはたとえばCr,Al,A
u,Ti等の導体層からなり、その幅はたとえば0.5μm程
度であり、配列ピッチはたとえば1μm程度である。該
パターン状導体層の形成に基づく歪により磁壁8内のポ
テンシャルウェルの配列を規則正しく且つ周期的なもの
とすることができる。また、上記パターン9としては、
上記導体層の他、たとえば磁性体層や、更にHイオン、
Heイオン、Neイオン等のイオンを磁性薄膜4の表面近傍
に上記パターン状に打込んだものを用いることもでき
る。これらパターンにより形成される各ポテンシャルウ
ェルはブロッホライン転送方向に関して対称的である。
ところで、上記の様にブロッホラインの転送は、磁性
薄膜4の膜面に対して垂直のパルス磁界を印加して、こ
れにより生ぜしめられる磁化の歳差運動を利用して隣接
ポテンシャルウェルと移動させることにより行なわれ
る。ところが、上記の様な対称的ポテンシャルウェルの
場合にはパルス磁界として単純な方形パルス磁界を用い
たのでは特定の向きに安定に移動させることができな
い。このため、第9図に示される様に、ブロッホライン
転送用のパルス磁界Hpとして立上り時間に対し立下り時
間が十分に大きい形状のパルス磁界を用い、これにより
特定の向きへの非可逆的転送を確実に行なっていた。
このため、方形パルス磁界発生の場合に比べてパルス
磁界発生のための電気回路が複雑になり、更に立下り時
間が長いので転送速度を向上させることが困難であると
いう問題点があった。
更に、垂直パルス磁界の印加によりブロッホラインの
みでなく磁壁全体の磁化即ち磁壁自体も移動せしめられ
るため、これら移動の相互作用でハンチングが生じてブ
ロッホラインの異常転送が生じ易いという問題点もあっ
た。
また、ストライプ状磁区の先端部の磁壁即ち磁壁の曲
線状部分とストライプ状磁区の中央部の磁壁即ち磁壁の
直線状部分とでは垂直パルス磁界の印加に対するブロッ
ホラインの移動度が異なり、従って転送のマージンが狭
くなってしまうという問題点もあった。
そして、以上の様な垂直パルス磁界をメモリ全体に対
し一様に印加するためには外装するコイルが大きくな
り、メモリデバイスの小型化が困難であるという問題点
もあった。
次に、以上の様な従来のブロッホラインメモリの再生
方法を第10図を参照しながら説明する。
第10図(a)〜(c)はブロッホラインメモリの部分
平面図である。
図において、4は磁性ガーネット薄膜であり、6は該
薄膜中に形成されたストライプ磁区であり、8は磁壁で
ある。12は磁壁8中のブロッホラインを示す。また、14
は磁性薄膜4の表面に磁区6を横切る様に付された1対
の導体ラインである。図において、磁壁8中の矢印は磁
壁中央部における磁化の向きを示し、導体ライン14中の
矢印は電流の向きを示す。
ストライプ磁区6の先端部にはブロッホラインが存在
する時には、第10図(a)の様に導体ライン14に互いに
逆向きのパルス電流を流すと該導体ラインを流れる電流
が該導体ライン間に作る磁界はストライプ磁区6の磁化
の向きと逆向きであるため、1対の導体ライン14で挟ま
れた磁区部分が縮小する方向に磁壁8が点線で示される
位置に移動する。そして、更に電流量を増加させていく
と、双方の磁壁が接近し、ついには合体して、第10図
(b)に示される様に、磁区の先端部が切断せしめられ
て磁気バブル16が生ぜしめられ、導体ライン14への通電
を止めるとストライプ磁区6の大きさは復元する。尚、
磁気バブル発生と同時に、磁区6の先端部には最初と同
様なブロッホライン12が形成される。
ストライプ磁区6の先端部にブロッホラインが存在し
ない時にも、第10図(c)の様に導体ライン14に互いに
逆向きのパルス電流を流すことにより1対の導体ライン
14で挟まれた磁区部分が縮小する方向に磁壁8が点線で
示される位置に移動する。そして、更に電流量を増加さ
せていくと、双方の磁壁が接近し、ついには合体して磁
気バブルを生ずる。しかし、第10図(c)の場合には、
第10図(a)の場合と異なり、1対の導体ライン14に挟
まれた対向する磁壁部分の磁化の向きが逆向きであるた
め、該磁壁部分を合体させるためには大きなパルス電流
を必要とする。
即ち、磁区6の先端部にブロッホラインが存在する場
合と存在しない場合とでは、合体させるべき磁壁部分の
磁化の向きが異なり、従って磁壁間に働く相互作用(交
換相互作用)の大きさが異なるため、磁壁を合体させる
ための最小電流値が異なるのである。そこで、ブロッホ
ライン読出しの際に導体ライン14に流す電流値を、ブロ
ッホラインが存在する場合に磁壁合体を行なうのに必要
な最小電流値とブロッホラインが存在しない場合に磁壁
合体を行なうのに必要な最小電流値との間の値とするこ
とにより、磁気バブル発生の有無をもってブロッホライ
ンの有無を判別し、情報の読出しを行なうことができ
る。
そして、以上の様にして生ぜしめられた磁気バブルは
所定の転送経路より移動せしめられ、磁気バブル検出器
により検出される。ブロッホラインメモリにおいては、
上記の様なストライプ磁区6が複数並列に配列されてお
り、導体ライン14に電流を流すことによる磁気バブル16
の発生はこれら複数の磁区に関し一括して同時に行なわ
れ、情報に従って各磁区から磁気バブル16が発生したり
発生しなかったりする。これら磁気バブルは全ての磁区
の情報読出し位置即ち磁区先端部を連ねる様な経路にて
順次磁気バルブ検出器へと転送され時系列的に検出が行
なわれる。
従来は、この様な磁気バルブの転送のために専用の電
流駆動手段が用いられていた。この電流駆動手段は電流
駆動パターンに正負の電流を流すものであるため消費電
力が大きくなり、また上記ブロッホライン転送手段とは
別に磁気バルブ転送手段を設けるため効率的ではなくデ
バイスの構成が複雑化するという問題点があった。
そこで、本発明は、以上の様な従来のブロッホライン
メモリのブロッホライン転送及び磁気バブル転送におけ
る問題点を解決し、簡単な構成で安定、高速且つ良好な
ブロッホライン転送及び磁気バブル転送を実現すること
を目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとし
て、 磁性薄膜中の磁区の磁壁内におけるブロッホラインを
用いて情報の記録を行なうブロッホラインメモリにおい
て、面内磁界の印加により前記ブロッホラインに作用す
るチャージドウォールを形成する領域が前記磁壁に沿っ
て形成されており、前記面内磁界を印加し回転させて前
記チャージドウォールを変位させることにより、前記磁
壁に沿って前記ブロッホラインを転送することを特徴と
するブロッホラインメモリ、 が提供される。
[実施例] 以下、図面を参照しながら本発明の具体的実施例を説
明する。
第1図(a)は本発明によるブロッホラインメモリの
部分平面図であり、第1図(b)はそのB−B断面図で
ある。
第1図において、2は非磁性ガーネット基板であり、
4は磁性ガーネット薄膜である。該磁性ガーネット薄膜
中にはストライプ状の平面形状を有する磁区6が形成さ
れている。8は該ストライプ磁区6の周囲の磁壁であ
る。ストライプ磁区6の表面には該磁区の形状とほぼ対
応する様にその中心部に配置された溝6aが形成されてい
る。該溝はストライプ磁区6の位置安定化のために形成
されている。
ストライプ磁区6内における磁化の向きは上向きであ
り、該磁区外の磁性薄膜4の部分における磁化の向きは
下向きである。また、HBは外部から印加されるバイアス
磁界であり下向きである。
磁性薄膜4の表面近傍には上記溝6a及びその周囲の領
域を除く所定の部分にイオン打込み領域4aが形成されて
いる。第1図(a)に示される様に、イオン打込み領域
4aと磁区6内の非イオン打込み領域との境界線17は周期
性を有する波形状となっている。尚、磁壁8の上部は全
てイオン打込み領域4aに含まれている。打込まれるイオ
ンとしてはたとえばHイオン、Heイオン、Neイオン等の
比較的イオン半径の小さいものが好ましく、これらイオ
ンを数KeV〜数十KeV程度で打込み、磁性薄膜4の表面近
傍の深さ1000Å程度の領域をイオン打込み領域とする。
イオン打込み領域4aのパターンは打込みの際に適宜のマ
スクを用いることにより所望の形状とすることができ
る。
図示はしないが、本実施例においては磁性薄膜4の膜
面に平行な面内で回転する磁界を印加するための手段た
とえば1組の直交するコイルが備えられている。Hexは
該手段により発生せしめられる面内磁界を示す。
磁性薄膜4上には、磁気バブル引出し用導体ライン18
が形成されている。該導体ラインのパターンはストライ
プ磁区6の先端部に対向する部分が凹状となる様に形成
されており、該ストライプ磁区6の配列と同一のピッチ
で蛇行している。
上記磁性薄膜4上にはまた、上記第10図と同様なスト
ライプ磁区切断のための1対の導体ライン14がストライ
プ磁区6の先端部を横切る様に形成されている。尚、こ
の導体ライン14は上記磁気バブル引出し用導体ライン18
とは絶縁層を介して配置されている。
上記磁気バブル引出し用導体ライン18の上部にはその
蛇行するパターンの複数の凹状部に沿って磁気バブル転
送のためのパターン20が形成されている。該パターンは
ほぼ半円形のパターンの組からなり、各半円形パターン
は上記導体パターン18の2つの凹状部の間をさしわたし
て連結する様に位置している。該パターン20はたとえば
パーマロイ等の磁性体からなる。
以上の実施例において、磁壁8内でのブロッホライン
の転送及び情報読出しのために磁区6から切断されて形
成された磁気バブルの検出器への転送は以下の様にして
行なわれる。
面内磁界Hex(たとえば100エルステッド程度)を印加
することにより、たとえば、第1図(a)のHexの向き
では、上記イオン打込み領域4aに非イオン打込み領域と
の境界線17からほぼ該面内磁界の方向に沿ってチャージ
ドウォール11が発生する。該チャージドウォールはイオ
ン打込み領域4aと磁区6内の非イオン打込み領域との境
界線17が面内磁界Hexの方向とほぼ垂直な方向である位
置から延びている。尚、該チャージドウォール11は実質
上境界線17がイオン打込み領域4a側に凹の部分のみから
延びる。面内磁界Hexの向きが図の様に斜め下向きの場
合には、第1図(a)の上側の部分のチャージドウォー
ル11には−の磁荷が集中し、下側の部分のチャージドウ
ォール11には+の磁荷が集中する。尚、これに対応して
これらチャージドウォールの延びている境界線17の位置
には該チャージドウォールに集中している磁荷と反対の
磁性の磁荷が集中する。上記の様な各チャージドウォー
ル11は磁壁8を横切っている。イオン打込み領域4aと非
イオン打込み領域との境界線17は図示される様に規則的
且つ周期的とされているので、チャージドウォール11が
磁壁8を横切る位置は周期的となる。但し、磁区6の先
端部近傍では上記境界線17の周期は比較的長くなってい
る。
第2図は第1図(a)の部分拡大図である。
第2図に示される様に、磁壁8中のブロッホライン13
にはその両側の磁壁磁化の向きが互いに内向きのものと
互いに外向きのものとの2種類があり、この種類の差に
より当該ブロッホラインの周囲の磁壁部分に集中する磁
荷の極性が異なる。このため、上側のチャージドウォー
ル11が磁壁8を横切る位置には該チャージドウォールに
集中した−の磁荷により+磁荷集中のブロッホライン13
が引付けられる。そして、2つの+磁荷集中のブロッホ
ラインの間にはチャージドウォール11の−の集中磁荷に
より反発された−磁荷集中のブロッホライン13が位置す
る。下側のチャージドウォール11の場合も同様である。
第1図(a)に示される様に、面内磁界Hexを面内で
回転させると、これにともなってチャージドウォール11
の方向が変化する。第3図はその際のチャージドウォー
ルの方向の変化を示す図である。
即ち、先ず第1図及び第2図に示される様な状態
(1)にあったチャージドウォール11が第1図(a)に
示される様な面内磁界Hexの反時計回りの回転ととも
に、状態(2)、(3)、(4)と順次移動していく。
これにともない、該チャージドウォール11への集中磁荷
に引付けられあるいは反発されてブロッホライン13は磁
壁8中を次第に矢印の向きに移動する。
更に、面内磁界Hexの回転を続けると、今度回は+磁
荷集中のチャージドウォール11が同様にして発生し、該
チャージドウォールが同様にして状態(1′)、
(2′)、(3′)、(4′)と順次移動していく。こ
の際、上記(4)の状態で−磁荷集中のチャージドウォ
ール11により反発されていた−磁荷集中のブロッホライ
ン13が+磁荷集中のチャージドウォール11により引付け
られて磁壁8中を次第に矢印の向きに移動する。この
際、上記(1)〜(4)の場合と同様にして+磁荷集中
のブロッホライン13も同時に移動する。
面内磁界Hexの回転を続けることにより、以上の様な
動作が繰返され、所望の距離ブロッホラインを転送する
ことができる。尚、この転送をスムーズに行なうにはイ
オン打込み領域4aと非イオン打込み領域との境界線17の
パターンの形成にあたり、上記(4)の状態から上記
(1′)の状態へ変化した時にチャージドウォール11の
位置にちょうど引付けられるブロッホライン13がくる様
にするのが好ましい。
以上の様にして磁壁8内でブロッホラインを転送し
て、第4図に示される様な面内磁界Hexの向きがとられ
ると、同図に示される様に、1つのブロッホライン13が
ストライプ磁区の先端部に位置することになる。もちろ
ん、情報によってはブロッホラインがストライプ磁区6
の先端部に位置しない場合もある。この状態で、上記第
10図に関し説明した様に、切断用導体ライン14に互いに
逆向きの所定値の電流を流して、磁区6の切断を試み
る。尚、本実施例においては、上記の様に、磁区先端部
では境界線17の周期が長くなっているので、磁区切断に
あたり磁区先端部に1つのブロッホラインのみを位置さ
せ該ブロッホラインと対をなすブロッホラインを比較的
遠くに安定に位置せしめることができる。
第5図はかくして生ぜしめられた磁気バブルの転送状
態を示す概略説明図である。
先ず、磁気バブル引出し用導体ライン18に電流を流し
て磁気バブル16内の磁化の向きと同一の向きの磁界を生
ぜしめることにより磁気バブルを凹状部に引付け、該バ
ブル16をバブル転送用磁性体パターン20の位置に到達さ
せる[第5図(a)]。次に、面内磁界Hexを回転させ
ると磁気バブル16は該磁性体パターン20に生ずる磁化変
化にともない該磁化に引付けられて矢印の向きに移動す
る[第5図(b)]。
かくして、面内磁界Hexを回転させ続けることによ
り、磁気バブル16は半円形パターンを次々と特定の向き
に転送せしめられ、時系列的に磁気バブル検出器に到達
して磁気抵抗効果により検出が行なわれる。
第6図は本発明によるブロッホラインメモリの別の実
施例を示す部分平面図である。
本実施例においては、磁化バブル転送のための転送パ
ターンのみ上記実施例と異なる。即ち、磁気バブル引出
しのための導体ライン18の凹状部に沿ってイオン打込み
領域4aと非イオン打込み領域との境界線17aが形成され
ており、該境界線は上記境界線17と同様に周期性を有す
る波形状となっている。この境界線17aの周期はストラ
イプ磁区6の配列の周期と同一である。かくして、本実
施例においては、面内磁界Hexによりチャージドウォー
ル11aが生ぜしめられ、該チャージドウォールの集中磁
荷により磁気バブルは引付けられたり反発されたりる。
そして、面内磁界Hexを回転させることにより上記ブロ
ッホライン13の転送の場合と同様にして磁気バブル16を
境界線17aに沿って転送することができる。
本実施例によれば、ブロッホライン13と磁気バブル16
とをいづれもチャージドウォールの移動により転送させ
るので、面内回転磁界の許容範囲は極めて広い。また、
イオン打込み領域4aの形成時にこれら2種類の転送のた
めの転送経路パターンを1枚のマスクにより同時に形成
することができるので、製造工程が簡略化される。
尚、上記面内回転磁界Hexの発生のための手段の電源
を切った時にチャージドウォール11を消滅させずにブロ
ッホライン13を所定の位置に維持しておくためには、永
久磁石を組込んでおき該磁石を傾ける等して磁性薄膜4
の膜面に平行な成分を有する磁界を印加する様にすれば
よい。
上記実施例においては、ストライプ磁区6の位置安定
化のために溝6aを形成しているが、ストライプ磁区の位
置安定化のためには上記溝と同様な位置に磁性薄膜面と
垂直な方向に磁化容易軸を有する磁性膜を形成してもよ
い。該磁性体としては、耐環境性が良好で、高保磁力を
有するBa−フェライト系の酸化物磁性体たとえばBaO−
n(Fe2O3),BaO−n(Fe2XCoXO3),BaO−n(Fe2X
ScXO3),BaO−n(Fe2XZnXO3),BaO−n(Fe2XNiXO
3),BaO−n(Fe2XMnXO3)等が好適である。この様な
酸化物磁性体の膜はスパッタリング法等により容易に得
られ、上記の様な溝形成の様に長時間を要することがな
いので、製造時間を短縮することができる。
[発明の効果] 以上の様な本発明によれば、面内磁界を印加して磁性
薄膜の表面近傍の所定の部分にチャージドウォールを生
ぜしめ上記面内磁界を回転させることにより準静的に安
定、高速且つ確実にブロッホラインの転送を行なうこと
ができる。また、本発明によれば、直線形状の磁壁部分
及び曲線形状の磁壁部分のいづれであってもチャージド
ウォールが発生するのに必要な強さ以上の磁界を印加し
さえすれば良好にブロッホライン転送を行なうことがで
き、転送マージンは極めて広くとることができる。更
に、ブロッホライン転送と磁気バブル転送とを面内磁界
の回転という共通の手段により行なうため、効率的であ
るとともに、メモリデバイスの構成を簡素化することが
できる。加えて、垂直パルス磁界を印加する必要がない
ため、大きなコイルは不要であり、メモリデバイスの小
型化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明ブロッホラインメモリの部分平面
図であり、第1図(b)はそのB−B断面図である。 第2図は第1図(a)の部分拡大図である。 第3図はチャージドウォールの移動の様子を示す説明図
である。 第4図及び第6図は本発明ブロッホラインメモリの部分
平面図である。 第5図(a),(b)は磁気バブルの転送の様子を示す
説明図である。 第7図はブロッホラインメモリを構成する磁性体構造の
模式的斜視図である。 第8図はブロッホラインメモリの部分平面図である。 第9図はパルス磁界の波形を示す図である。 第10図(a)〜(c)はブロッホラインメモリの部分平
面図である。 2:基板、4:磁性薄膜、 4a:イオン打込み領域、 6:磁区、6a:溝、 8:磁壁、 10,12,13:ブロッホライン、 11,11a:チャージドウォール、 14,18:導体ライン、 16:磁気バブル、 17,17a:境界線、 20:磁気バブル転送パターン。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性薄膜中の磁区の磁壁内におけるブロッ
    ホラインを用いて情報の記録を行なうブロッホラインメ
    モリにおいて、面内磁界の印加により前記ブロッホライ
    ンに作用するチャージドウォールを形成する領域が前記
    磁壁に沿って形成されており、前記面内磁界を印加し回
    転させて前記チャージドウォールを変位させることによ
    り、前記磁壁に沿って前記ブロッホラインを転送するこ
    とを特徴とするブロッホラインメモリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62124690A (ja) * 1985-11-22 1987-06-05 Nec Corp 磁気記憶素子

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