JP2616719B2 - 情報信号の記録装置および記録再生装置 - Google Patents
情報信号の記録装置および記録再生装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映像情報信号とそれに
関連して付随する付随情報信号とを複数のチャンネルに
分割して記録するのに好適な記録再生方法とその装置に
関する。 【0002】 【従来の技術】現行のテレビ方式に比して格段の高精細
度、高画質の得られるいわゆる高品位テレビのように、
従来より数倍の画像情報を有し、したがって数倍の広帯
域を必要とする新しい高精細テレビ方式の検討が進めら
れている。 【0003】この高精細テレビの実用化には、広帯域の
高精細映像信号を的確に記録再生できるVTRなどの記
録再生装置の実現が重要な課題になっている。この高精
細テレビ対応のVTRとして、その試作例がテレビジョ
ン学会技術報告VOL.8,No.33(1984年11
月)における尾毛谷、舘野、辻川による“高品位テレビ
用VTR”と題する文献で報告されている。このVTR
は、主としてスタジオ用のために試作されたもので、広
帯域化を図るために比較的大口径のヘッドドラムが用い
られ、映像情報に関連して付随する輝度情報と色情報と
を含む三原色信号を4チャンネルでテープ上の平行な斜
めの複数のトラックに分割して記録し、さらに、この映
像情報に関連して付随するステレオ音声信号を2チャン
ネルで該三原色信号の記録するトラックとは異なるテー
プ長手方向のリニアトラックに記録(したがって、全部
で6チャンネルで記録)する方式が採用されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記の高精細テレビを
一般家庭などに広く普及させるためには、高精細テレビ
用のVTRを小形にすること、装置のコストを低減する
こと、小形カセットで長時間録画再生を可能にすること
などが重要な課題となっており、そのためにはヘッドド
ラムを小形にして装置の小形軽量化を図り、使用するヘ
ッド数、チャンネル数を減らして回路規模を縮小して低
コスト化を図るなどの工夫が必要となっている。しかし
反面、テープの記録密度がその分増大するため、技術的
に困難をともない、録画時間も制約されるなど、互いに
相容れない問題を生じていた。 【0005】本発明の目的は、上記に鑑み、映像情報信
号とそれに付随する付随情報信号とを3つのチャンネル
で記録できるようにし、かつチャンネル当りの占有帯域
を狭め各チャンネルで占有帯域がほぼ均等になるように
記録することにより、チャンネル当りのテープ記録密度
を低下させて、装置の小形軽量低コスト化を実現できる
記録再生装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、映像情報に係る第1の情報信号
と該映像情報に関連して付随される第2の情報信号とを
第1、第2および第3の3つのチャンネルでテープ上の
平行かつ斜めの複数のトラックに互いに隣接させて記録
するように配置された複数の回転ヘッドを備える回転ヘ
ッド形記録装置において;上記第1情報信号に含まれる
少なくとも1つのチャンネルの輝度情報に係る輝度信号
を上記第1および第2のチャンネルで互いに占有帯域が
ほぼ等しくなるように2つのチャンネルの記録信号に変
換する第1の信号変換手段と;上記第1信号変換手段か
らの記録信号を上記第1および第2のチャンネルにそれ
ぞれ対応する2組の回転ヘッドで上記の平行な斜めの複
数のトラックに順次記録する第1の信号記録手段と;上
記第2情報信号に含まれる少なくとも2つのチャンネル
の情報信号を単一のチャンネルの記録信号に変換する第
2の信号変換手段と;上記第2信号変換手段からの記録
信号を上記第3のチャンネルに対応する1組の回転ヘッ
ドで上記第1情報信号の記録されるトラックに隣接ない
し該トラックの長手方向に延長する平行な斜めの複数の
トラックに順次記録する第2の信号記録手段と;を備え
て構成するようにしたことを特徴とする。 【0007】 【作用】上記の映像情報に係る第1情報信号とそれに関
連して付随される第2情報信号は、輝度情報に関連する
輝度信号(Y)、色情報に関連する2つの色信号(C
1,C2 )、音声情報に関連するステレオなどの複数チ
ャンネルの音声信号などからなる。 【0008】ここで、例えば、上記第1情報信号として
1つのチャンネルの広帯域の輝度信号(Y)と、上記第
2情報信号として2つのチャンネルの狭帯域の色信号
(C1,C2 )とを3つのチャンネルで記録する場合に
ついて、本発明の作用を説明する。 【0009】まず、1つのチャンネルの広帯域の輝度信
号(Y)を含む第1情報信号は、第1および第2の2つ
のチャンネルの記録信号に変換されて記録されるため、
チャンネル当りの占有帯域は1/2に狭められる。さら
にこの輝度信号に含まれる垂直ブランキング期間ないし
水平ブランキング期間ないしはその両方が各チャンネル
に割り当てられて形成される冗長期間を削減するように
チャンネル毎に時間軸変換して記録することにより、チ
ャンネル当りの占有帯域を1/2より更に狭めることが
できる。 【0010】また、2つのチャンネルの狭帯域の色信号
(C1 ,C2 )を含む第2情報信号は、単一のチャンネ
ルの信号(C0 )に変換されて記録されるため、記録チ
ャンネル数は1/2に減らされ、同時に占有帯域も狭め
られる。 【0011】ここで、上記輝度信号に含まれる垂直ブラ
ンキング期間ないしは水平ブランキング期間ないしはそ
の両方で形成される冗長期間を1画面(1フィールド)
当りτとし、また、フィールド周期(1垂直走査期間)
をTv とすると、この輝度信号を時間軸を2倍に伸長し
て2つのチャンネルに分割して記録すれば、各チャンネ
ルの占有帯域は原信号の1/2に低減されるが、1フィ
ールド当りの冗長期間は全体で2×τに増大してしま
う。 【0012】本発明は、この冗長期間を零とするように
原信号の時間軸を変換することにより、各チャンネルの
占有帯域を更に狭めるものである。 【0013】すなわち、上記各値τ,Tv ,N(=2)
を用いて、 M×(Tv −τ)=N×Tv ……〔数1〕 従って、M=N/(1−τ/Tv )となるようにMを定
めて、上記の広帯域輝度信号を、水平走査線単位で時間
軸をM倍に伸長し上記冗長期間を削除してN個のチャン
ネルに分割して記録すれば、各チャンネルの占有帯域は
原信号の1/M(<1/N)に狭められ、チャンネル当
りの記録密度を最大限低下させることができる。 【0014】また、必要に応じて、上記の音声情報に関
連する複数チャンネルの狭帯域音声信号は、単一のチャ
ンネルの記録信号(A)に変換されてから第2情報信号
として第1情報信号の記録されるトラックとは異なる斜
めのトラックに記録されるため、従来のリニアトラック
が不要となりテープの利用効率が一層高められる。 【0015】さらに、上記2つの色信号(C1 ,C2 )
を上記輝度信号(Y)に時分割多重して生成した信号を
第1情報信号として上記第1および第2のチャンネルで
記録し、上記音声信号は第2情報信号として単一チャン
ネルで上記第3のチャンネルで記録することもできるた
め、全体で記録チャンネル数をさらに減らすことができ
る。 【0016】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明す
る。 【0017】図1は広帯域の映像信号のうち、輝度信号
(Y)を第1情報信号として2つのチャンネル(前式
〔数1〕で、N=2)に分割して記録し、同時式の2つ
の色信号(C1 とC2 )を第2情報信号として線順次式
に変換して1つのチャンネルで記録する3チャンネル分
割式回転ヘッド型磁気記録再生装置の一実施例を示す。 【0018】記録すべき映像信号として赤(R)、緑
(G)、青(B)の三原色映像信号がそれぞれ端子1
a,1b,1cに入力される。これら三原色映像信号
は、エンコーダ10によって適宜マトリクス演算され
て、輝度信号Y0 と二つの色信号C01,C02に変換され
る。このエンコーダ10からの輝度信号Y0 は、低域通
過フィルタ11によって必要とする帯域に応じて適宜帯
域制限され、ここでは帯域Bwに制限された輝度信号Y
がこのフィルタ11より出力される。上記エンコーダ1
0からの二つの色信号C01とC02も低域通過フィルタ1
2と13によってそれぞれ必要に応じて水平方向と垂直
方向の両方で帯域制限される。この垂直方向の帯域制限
は、後述する切換回路105で線順次式に変換されるこ
とによって生ずる垂直方向の折り返し歪みを除去するの
に有効である。ここでは、共に帯域Bw'に制限された二
つの色信号C1 とC2 がそれぞれフィルタ12と13か
ら出力される。 【0019】破線で示すブロック100は時間軸変換回
路であり、上記の輝度信号Yをそれに含まれる冗長部分
が最小となるようにして時間軸伸長して2チャンネルに
分割して出力し、また上記二つの色信号C1 とC2 を線
順次式に変換し、かつそれに含まれる冗長部分が最小と
なるようにして時間軸伸長して1チャンネルの信号とし
て出力する。この時間軸変換回路100の動作を図2に
示す波形図を用いて説明する。 【0020】図2において、a1は入力原映像信号(フ
ィルタ11,12,13からそれぞれ出力される輝度信
号Y、色信号C1 ,C2 それぞれ)の1フィールド期間
Tvの波形を示し、斜線部に示すτv の期間は入力原映
像信号に含まれる垂直ブランキング期間を示し、その垂
直ブランキング期間τv のうち、後述の垂直同期情報の
多重などに最小限必要とする期間を除く冗長の期間(以
下これを垂直冗長期間と称する)をτ1 とする。a2は
入力原映像信号の1水平走査期間TH の波形を示し、斜
線部に示すτH の期間は入力原映像信号に含まれる水平
ブランキング期間を示し、その水平ブランキング期間τ
H のうち後述の水平同期情報の多重などに最小限必要と
する期間を除く冗長の期間(以下これを水平冗長期間と
称する)をτ2 とする。 【0021】本発明は、上記の垂直冗長期間τ1 と水平
冗長期間τ2 のいずれか一方あるいはその両方を削除し
てチャンネル分割して記録することにより、チャンネル
当りの占有帯域を低減させるものである。以下、輝度信
号Yを2チャンネルに分割し、上記冗長期間τ1 とτ2
の両方を削除する場合を例にして、その動作を説明す
る。 【0022】図1の時間軸変換回路100において、フ
ィルタ11からの輝度信号Y(図2のa1とa2)は、
A/D変換回路101にて周波数f1 のサンプリングク
ロックCSYで標本化されてディジタル信号に変換され
る。上記サンプリングクロックCSYは、図示しないが
入力原映像信号に含まれる、ないしはそれと共に別途入
力される同期情報に同期して生成される。103はRA
Mなどで構成されるメモリであり、上記A/D変換回路
101からの出力は、水平走査周期TH 毎にメモリ10
3のIとIIに交互に書き込まれる。メモリ103への書
き込みは図示しないが上記サンプリングクロックCSY
を基に生成した周波数f1 の書き込みクロックCWYに
より行われ、上記の垂直冗長期間τ1 と水平冗長期間τ
2 の両方において上記メモリ103へ書き込みを停止す
るよう動作する。更に具体的には、図2のa2に示す輝
度信号Yのうち奇数番目(2n−1)のラインの輝度信
号Y2n-1は上記メモリ103のIに書き込まれ、それに
続く次の偶数番目(2n)のラインの輝度信号Y2nは上
記メモリ103のIIに書き込まれ、かつ、これら各ライ
ンの上記水平冗長期間τ2 でメモリ103への書き込み
が停止されるため、上記メモリ103のIには、図2の
b2に示すように信号Y2n-1の水平冗長期間τ2 を除去
した信号Y'2n-1 が記憶され、同様にメモリ103のII
には、図2のc2に示すように信号Y2nの水平冗長期間
τ2 を除去した信号Y'2n が記憶される。上記の垂直冗
長期間τ1 においてもメモリ103への書き込みが停止
されるため、メモリ103のIには図2のb1に示すよ
うに、またメモリ103のIIには図2のc1に示すよう
に、いずれも上記垂直冗長期間τ1 が除去された信号Y
1 とY2 がそれぞれ記憶される。上記したように、メモ
リ103のIとIIへの信号の書き込みはライン毎に交互
に行われるため、図2のb1とc1の斜線部に示すよう
に、上記垂直冗長期間τ1 が除去された垂直ブランキン
グの残りの期間((τv −τ1 )に相当する期間)の信
号は、ほぼ均等に按分されてメモリ103のIとIIへ記
憶される。 【0023】かくしてメモリ103に書き込まれた信号
Y1 とY2 は、上記サンプリングクロックCSYを基に
生成した読み取りクロックCRYにより上記メモリ10
3より逐次読み取られる。この読み取りクロックの周波
数は必要に応じて適宜定めればよく、本発明の限定要素
ではないが、ここでは上記メモリ103より読み取られ
る信号Y1 とY2 の1フィールド周期Tv'(図2に示す
Tv')が原信号Yの1フィールド周期Tv に等しくなる
ように、上記読み取りクロックCRYの周波数が定めら
れる。 【0024】 Tv'=Tv ……〔数2〕 ここで、原信号Yの1フィールド周期Tv より上記垂直
冗長期間τ1 の信号が除去され、かつ信号Y1 と信号Y
2 の2チャンネルに分割されることから、これらY1 と
Y2 各信号の1フィールド期間Tv'に含まれるライン数
Lは次式で与えられる。 【0025】 L=(Tv −τ1 )/(2×TH ) ……〔数3〕 上記信号Y1 とY2 の1水平走査期間をTH'(以下これ
を基本周期と称する)とすれば、 Tv'=L×TH' …… 〔数4〕 従って、上記〔数2〕〜〔数4〕より次式を得る。 【0026】 TH'=2×TH /(1−τ1 /Tv ) …… 〔数5〕 上記したように、原信号Yの1水平走査期間TH より上
記水平冗長期間τ2 が除去された残りの期間(TH−τ
2)の信号がライン毎に時間TH'に時間軸伸長されるこ
とになるから、その時間軸伸長比Mは、次式で与えられ
る。 【0027】 M=TH'/(TH −τ2 ) …… 〔数6〕 従って、上記〔数5〕,〔数6〕より次式を得る。 【0028】 M=2/(1−τ1 /Tv )・(1−τ2 /TH ) ……〔数7〕 即ち、上記サンプリングクロックCSYの周波数f1 に
対し上記読み取りクロックCRYの周波数f0 を f0 =f1 /M …… 〔数8〕 と定めれば、上記メモリ103からは、上記原信号Yよ
り垂直冗長期間τ1 と水平冗長期間τ2 が除去され2チ
ャンネルに分割され、かつそれぞれ時間軸がM倍に伸長
された二つの信号Y1 とY2 (その波形を図2のb1,
c1とb2,c2に示す)が出力される。 【0029】上記メモリ103から読み取られる信号Y
1 とY2 は、それぞれ後述の同期情報挿入回路111と
112にて適宜所定の同期情報が挿入されて後、その出
力はそれぞれD/A変換回路121と122にてアナロ
グ信号に変換されて出力される。このD/A変換回路1
21と122よりそれぞれ出力される二つの輝度信号Y
1 とY2 は、以上から明らかなように、上記フィルタ1
1からの占有帯域Bwの原輝度信号Yの時間軸がM倍に
伸長されて生成されるからその占有帯域はいずれもBw
/Mに低減される。かくして、上記時間軸変換回路10
0のD/A変換回路121と122からそれぞれ出力さ
れる占有帯域Bw /Mの二つの輝度信号Y1 とY2 は、
それぞれ記録映像処理回路31と32にてプリエンファ
シスが施されてから周波数変調(FM)され、記録増幅
回路40を介して複数の回転磁気ヘッド50により、上
記輝度信号Y1 は第1チャンネルの信号として磁気テー
プ3の第1のエリアに記録され、上記輝度信号Y2 は第
2チャンネルの信号として磁気テープ3の第2のエリア
に記録される。 【0030】以上は、原信号Yを2チャンネルに分割し
た場合を示すが、一般にNチャンネル(Nは2以上の整
数)に分割する場合の本発明の主旨にそう上記の時間軸
伸長比Mは、上記〔数7〕より次式で与えられる。 【0031】 M=N/(1−τ1 /Tv )・(1−τ2 /TH ) ……〔数9〕 これより、削除される冗長期間τ1 ,τ2 の値が大きい
程、Mの値は大きくなって各チャンネルの占有帯域(B
w /M)は低減され、更に、チャンネル分割数Nが大き
い程、上記冗長期間τ1 ,τ2 に基づく帯域低減効果
(M−Nの値)は大きくなる。ちなみに、従来から公知
の上記冗長期間τ1 ,τ2 を除去せずに単にNチャンネ
ルに分割する方法(上記〔数9〕でτ1 =0,τ2 =0
の場合に相当)で得られるチャンネル当りの占有帯域は
Bw /Nであり、一般に次式が成立する。 【0032】M>N ……〔数10〕 従って、上記本発明の方法で得られる占有帯域Bw /M
と比べて、上記従来方法の方がより広い帯域が必要とな
ることが明らかである。 【0033】ここで、上述のごとく信号を周波数変調
(FM)して磁気記録する場合に得られる再生信号のS
/N比に関し、テープ・ヘッドの相対速度が一定のと
き、信号の占有帯域をB、FM信号の変調指数をα、記
録波長をλ、記録トラック幅をTとすると、一般に次式
が成立する。 【0034】 【数11】 【0035】上記変調指数αは信号占有帯域Bにほぼ反
比例し(α∝1/B)、上記記録波長λも信号占有帯域
Bにほぼ反比例(λ∝1/B)するものとみなせるか
ら、上記〔数11〕は更に次式で近似できる。 【0036】 【数12】 【0037】一例として、上記垂直冗長期間τ1 の冗長
度(τ1 /Tv )を7%とし、上記水平冗長期間τ2 の
冗長度(τ2 /TH )を9%とすると、上記〔数9〕よ
り、N=2のとき M≒2.36 ……〔数13〕 となり、上記従来方法の占有帯域(Bw /N)と比べ
て、上記本発明の方法による占有帯域(Bw /M)の方
が N/M≒1/1.18 ……〔数14〕 に狭帯域化(即ち、帯域圧縮)される。 【0038】従って、この帯域圧縮効果を上記〔数1
2〕に基づいてS/Nに換算すると、トラック幅Tが一
定のとき、本発明方法の方が従来方法より約3dB S
/Nが改善されることになる。これを換言すれば、上記
〔数12〕よりS/N比はトラック幅Tの平方根に比例
することから、従来方法での記録トラック幅Tに対し、
本発明方法での記録トラック幅を1/2(T/2)にし
ても、従来方法とほぼ同じS/Nが得られることにな
る。即ち、ほぼ同じS/Nを得る条件のもとで、上記従
来方法と本発明方法とを比較すると、本発明方法の方が
トラック幅を1/2にできてテープ記録密度を2倍に高
めることができ、従って従来より録画時間を2倍に増大
できる効果が得られる。以上の各数値は、いずれも近似
計算に基づくもので厳密さにはやや欠くが、本発明の主
旨をそれるものではない。 【0039】前記の同期情報挿入回路111と112に
おいて、上記メモリ103のIとIIからそれぞれ読み取
られる信号Y1 とY2 の上記垂直冗長期間τ1 を除く残
りのブランキング期間τv'(図2のb1,c1の斜線部
で示す期間τv')に、所定の垂直同期情報(例えば図2
のd1に示す負極性の垂直同期信号VS)が生成されて
挿入される。なお、入力原信号Yの上記垂直冗長期間τ
1 を除く残りのブランキング期間(図2のa1の斜線部
で示すτv −τ1 の期間)に所望の垂直同期情報(負極
性の垂直同期信号など)を含む場合には、その垂直同期
情報が上記メモリ103のIとIIに按分されて書き込ま
れるため、その出力信号Y1 とY2 の両方に所望の垂直
同期情報を得ることができる。従って、この場合には上
記同期情報挿入回路111と112における上記垂直同
期情報の生成と挿入の手段は不要となる。 【0040】更に、上記同期情報挿入回路111と11
2において、上記メモリ103からそれぞれ読み取られ
る信号Y1 とY2 の上記水平冗長期間τ2 を除く残りの
ブランキング期間τH'(図2のb2,c2の斜線部で示
す期間τH')に、所定の水平同期情報(例えば図2のd
2に示す負極性の水平同期信号HSと所定周波数で複数
サイクル繰り返すバースト信号BSなど)が生成されて
挿入される。なお入力原信号Yの上記水平冗長期間τ2
を除く残りのブランキング期間(図2のa2の斜線部で
示すτH −τ2 の期間)に所望の水平同期情報(負極性
の水平同期信号やバースト信号など)を含む場合には、
上記メモリ103からの出力信号Y1 とY2 の両方にそ
れを得ることができるから、上記回路111と112に
おける上記水平同期情報の生成と挿入の手段は不要とな
る。また、同期情報を複数種必要とする場合には、同期
情報の一部として、入力原信号Yに含まれる信号(例え
ば垂直同期信号VS)を出力させ、他方の同期情報(例
えば水平同期信号HSとバースト信号BS)は上記回路
111と112にて生成出力するようにしても良く、こ
れらいずれの場合においても本発明の主旨をそれるもの
ではないが、特に上記回路111と112にて別途同期
情報を生成出力する上記の方法によれば、VTRなどの
記録媒体の素性に合わせた、従って信号再生を安定、忠
実に行わせることのできる最良の同期情報を付加出来る
効果がえられ、また上記の垂直ブランキング期間τv'や
水平ブランキング期間τH'を必要最小限に抑えることが
出来、従ってチャンネル当りの信号占有帯域を最小限に
でき信号記録密度を最大限高めることが出来る効果が得
られる。 【0041】以上は輝度信号Yに対する時間軸変換動作
を示したが、次に二つの色信号C1とC2 に対する時間
軸変換動作について、図3の波形図を用いて、以下に説
明する。 【0042】図3において、aとbは上記フィルタ12
と13からそれぞれ出力される入力原色信号C1 とC2
の1水平走査期間TH の波形を示し、斜線部に示すτH
の期間は上記輝度信号Yのそれと同じで、水平ブランキ
ング期間を示し、τ2 は上記同様の水平冗長期間を示
す。なお、この入力原色信号C1 とC2 には、図示しな
いが前記輝度信号Yと同様に、τv の垂直ブランキング
期間とτ1 の垂直冗長期間を有している。本発明におい
ては、この色信号C1 ,C2 に対しても、上記垂直冗長
期間τ1 と水平冗長期間τ2 のいずれか一方ないしその
両方を削除して信号の占有帯域を低減させるものであ
り、更にその占有帯域が上記2チャンネルに分割された
輝度信号Y1 とY2 それぞれの占有帯域(Bw /M)と
ほぼ等しくなるように、上記同時式の2チャンネルの色
信号C1 とC2 を線順次式の1チャンネルの色信号C0
に変換させるものである。 【0043】図1において、105は同時式の色信号を
線順次式に切り換えるための切換回路である。上記フィ
ルタ12と13からそれぞれ出力される占有帯域Bw'の
二つの色信号C1 とC2 は、それぞれ切換回路105の
端子aとbに供給され、この切換回路105にて水平走
査周期TH 毎に交互に切り換えられ、その結果この回路
105からは、図3のcに示すように、奇数番目(2n
−1)のラインでは色信号C1 側が選択されて信号C1,
2n-1が出力され、それに続く次の偶数番目(2n)のラ
インでは色信号C2 側が選択されて信号C2,2nが出力さ
れる。 【0044】かくして、切換回路105にて線順次式に
変換された色信号C3 は、A/D変換回路102にて周
波数f'1のサンプリングクロックCSCで標本化されて
ディジタル信号に変換される。上記サンプリングクロッ
クCSCは、図示しないが上記サンプリングクロックC
SYと同様に、入力原映像信号に含まれ、ないしはそれ
と共に別途入力される同期情報に同期して生成される。
あるいは、上記サンプリングクロックCSCを上記サン
プリングクロックCSYに同期して生成するようにして
も良い。上記A/D変換回路102からの出力は、水平
走査周期TH 毎にメモリ104に順次書き込まれる。メ
モリ104への書き込みは、図示しないが、上記サンプ
リングクロックCSCをもとに生成した周波数f'1の書
き込みクロックCWCにより行われ、上記の線順次式色
信号C3 のうち、奇数番目(2n−1)のラインの信号
C1,2n-1の水平ブランキング期間τH のうちの上記水平
冗長期間τ2 において上記メモリ104への書き込みは
一時停止され、またそれに続く次の偶数番目(2n)の
ラインの信号C2,2nの水平ブランキング期間τH におい
て上記メモリ104への書き込みは一時停止される。 【0045】以上の書き込み制御により、メモリ104
には、図3のdに示すように、信号C1,2n-1の水平冗長
期間τ2 を除去した信号C'1,2n-1 が記憶され、それに
引き続いて、信号C2,2nの水平ブランキング期間τH を
除去した信号C'2,2n が記憶される。また、上記の垂直
冗長期間τ1 も除去された姿で記憶されることは言うま
でもない。かくしてメモリ104に書き込まれた信号C
0 (図3のd)は、上記サンプリングクロックCSCを
基に生成した周波数f'0の読み取りクロックCRCによ
り上記メモリ104より逐次読み取られる。この読み取
りクロックCRCの周波数は、必要に応じて適宜定めれ
ばよく、本発明の限定要素ではないが、ここでは上記メ
モリ104から読み取られる信号C0 の2ライン毎の基
本周期TH'(図3のdに示すTH')が前式〔数5〕と等
しくなるように、上記読み取りクロックCRCの周波数
が定められる。 【0046】上記より明らかなように、入力原信号C3
の2ライン間の期間2TH より、上記冗長期間τ2 と水
平ブランキング期間τH が除去された残りの期間(2T
H −τ2 −τH )の信号が時間TH'に時間軸伸長される
ことになるから、その時間軸伸長比M' は、次式で与え
られる。 【0047】 M' =TH'/(2TH −τ2 −τH ) ……〔数15〕 従って、上記〔数5〕,〔数15〕より次式を得る。 【0048】 【数16】 【0049】即ち、以上の時間軸伸長(M' >1)を得
るためには、上記サンプリングクロックCSCの周波数
f'1に対し、上記読取りクロックCRCの周波数f'0を f'0=f'1/M' ……〔数17〕 と定めれば良い。 【0050】上記メモリ104から読取られる信号C0
は、同期情報挿入回路113にて、前記輝度信号Y1 ,
Y2 の場合と同様に、適宜所定の同期情報(例えば図3
のeに示すような負極性の水平同期信号HSやバースト
信号BSなどの水平同期情報と、図示しないが、負極性
の垂直同期信号などの垂直同期情報のいずれか一方ない
しはその両方)が挿入されてのち、その出力はD/A変
換回路123にてアナログ信号に変換されて出力され
る。このD/A変換回路123より出力される色信号C
0 (図3のd)は、以上から明らかなように、上記フィ
ルタ12と13にて帯域Bw'に制限された原色信号C3
の時間軸がM' 倍に伸長されて生成されるから、その占
有帯域はBw'/M' に低減される。 【0051】ちなみに、従来から公知の上記冗長期間τ
1 ,τ2 を除去せずに、単に2チャンネルの同時式色信
号を1チャンネルの線順次式色信号に変換する方法(上
記〔数16〕でM' =1に相当)で得られる信号の占有
帯域はBw'であり、上記本発明の方法で得られる占有帯
域Bw'/M' と比べて、M' >1であるから、上記従来
方法の方がより広い帯域が必要となる。 【0052】かくして、上記時間軸変換回路100の上
記D/A変換回路123から出力される占有帯域Bw'/
M' の色信号C0 は、記録映像処理回路33にてプリエ
ンファシスが施されてから周波数変調(FM)され、記
録増幅回路40を介して上記回転磁気ヘッド50により
磁気テープ3の、上記輝度信号Y1 とY2 の記録される
エリアと異なる第3のエリアにチャンネル3の信号とし
て記録される。 【0053】ここで、次式を満すように Bw /M≒Bw'/M' ……〔数18〕 上記フィルタ11,12,13での信号通過帯域Bw と
Bw'を定めてやれば、上記第1、第2、第3のエリアに
それぞれ記録される信号Y1 ,Y2 ,C0 の占有帯域を
すべてほぼ同じにすることができるからチャンネル間で
信号帯域の過不足なく効率良く信号の記録再生を行うこ
とのできる効果が得られる。 【0054】図4は、上記図1の回転ヘッド形磁気記録
再生装置によって、磁気テープ3に記録形成されるトラ
ックパターンの一例を示す図であり、同図でY1 は上記
輝度信号Y1 の記録される第1のエリアを、Y2 は上記
輝度信号Y2 の記録される第2のエリアを、C0 は上記
色信号C0 の記録される第3のエリアを示す。 【0055】同図の(a)はトラック長手方向と垂直方
向に3チャンネル(Y1 とY2 とC0 )に分割して記録
する例を示し、(b)はトラック長手方向に2チャンネ
ル(Y1 とC0 ,あるいはY2 とC0 )に分割し、トラ
ック長手方向と垂直方向にも2チャンネル(Y1 とY2
)に分割して記録する例を示す。 【0056】次に、再生時の動作について説明する。上
記により磁気テープ3の複数チャンネル(上記実施例で
はY1 とY2 とC0 の3チャンネル)に分割されて記録
された信号は、上記磁気ヘッド50に対応する複数の磁
気ヘッド60により、上記チャンネル毎に順次再生さ
れ、再生増幅回路70にてそれぞれ増幅されてから、上
記第1のエリアより再生される輝度信号Y1 と上記第2
のエリアより再生される輝度信号Y2 と上記第3のエリ
アより再生される色信号C0 は、それぞれ再生映像処理
回路81と82と83にてFM復調されてからディエン
ファシスを施され、その各出力信号Y1 とY2 とC0 は
それぞれ時間軸逆変換回路200のA/D変換回路20
1,202,203に供給される。 【0057】上記回路81より出力される輝度信号Y1
は、A/D変換回路201にて、前記〔数8〕で示した
と同じ周波数f0 を有するサンプリングクロックCSY
1 でディジタル信号に変換され、その出力はメモリ20
4のIに上記サンプリングクロックCSY1 を基に生成
した周波数f0 の書込みクロックにより順次書込まれ
る。このサンプリングクロックCSY1 は記録時に上記
輝度信号Y1 のブランキング期間に多重された上記同期
情報を基に、例えば上記バースト信号BSに同期して生
成される。 【0058】同様に、上記回路82より出力される輝度
信号Y2 は、A/D変換回路202にて周波数f0 のサ
ンプリングクロックCSY2 でディジタル信号に変換さ
れ、その出力はメモリ204のIIに上記サンプリングク
ロックCSY2 を基に生成した周波数f0 の書き込みク
ロックにより順次書込まれる。このサンプリングクロッ
クCSY2 は、上記輝度信号Y2 に含まれる同期情報を
基に、具体的には上記バースト信号BSに同期して生成
される。 【0059】また、上記回路83より出力される色信号
C0 は、A/D変換回路203にて前記〔数17〕で示
したと同じ周波数f'0を有するサンプリングクロックC
SC0 でディジタル信号に変換され、その出力はメモリ
205に上記サンプリングクロックCSC0 を基に生成
した周波数f'0の書込みクロックにより順次書込まれ
る。このサンプリングクロックCSC0 は、上記色信号
C0 に含まれる同期情報を基に具体的には上記バースト
信号BSに同期して生成される。 【0060】以上により、上記メモリ204のIには前
記図2のb1 ,b2 に示すように、奇数番目(2n−
1)のラインの輝度信号Y'2n-1 が記憶され、上記メモ
リ204のIIには図2のC1 ,C2 に示すように、偶数
番目(2n)のラインの輝度信号Y'2n が記憶される。 【0061】かくして、メモリ204のIとIIにそれぞ
れ書込まれた上記輝度信号Y'2n-1とY'2n はそれぞれ
周波数M×f0 の読取りクロックCRY' により、その
ライン毎に周期TH で交互に読取られ、かつその水平走
査周期TH 毎に上記水平冗長期間に等しいτ2 の期間
と、その垂直走査周期Tv 毎に上記垂直冗長期間に等し
いτ1 の期間においては、上記メモリ204のIとIIの
読取りは一時的に停止される。かくしてメモリ204の
IとIIから交互に読取られる輝度信号(Y'2n-1とY'2n
)は、切換回路211にて周期TH 毎に切換えられ、
更にその出力はD/A変換回路221にてアナログ信号
に変換されて出力される。 【0062】以上より明らかなように、メモリ204に
て上記書込みクロックと読取りクロックの周波数の比M
に応じて、上記再生輝度信号Y1 とY2 の時間軸は共に
M倍に圧縮される。このMの値は前記〔数6〕で与えら
れるから、上記の水平走査周期TH の輝度信号(Y1 と
Y2 )は、そのライン毎に(TH −τ2 )に時間軸圧縮
され、かつτ2 の期間でメモリ204の読取りが一時停
止される動作が周期TH で繰り返されるため、上記D/
A変換回路221から出力される輝度信号Y'は、前記
図2のa2 と同様の波形を有し記録時に削除された上記
水平冗長期間τ2 が復元される。同様に、垂直走査周期
Tv 毎にτ1 の期間で上記メモリ204の読取りが一時
停止されるため、上記D/A変換回路221からの出力
輝度信号Y' は、図2のa1 と同様の波形を有し、記録
時に削除された上記垂直冗長期間τ1 が復元される。 【0063】上記メモリ205に書込まれた色信号C0
に対しても、記録時に削除された上記水平冗長期間τ2
と垂直冗長期間τ1 が復元され、かつ線順次式の色信号
が同時式の信号に変換されて、2つの色信号C'1,C'2
としてそれぞれD/A変換回路222と223より出力
される。即ち、周波数f'0の書込みクロックにより上記
メモリ205に書込まれた色信号C0 は周波数M' ×
f'0の読取りクロックCRC' により周期TH 毎に順次
読取られ奇数番目(2n−1)のラインの色信号C'1,2
n-1 (図3のdに示すC'1,2n-1 に相当)に対しては、
τ2 の期間読取りを一時停止してのち、(TH −τ2 )
の期間読取られ、偶数番目(2n)のラインの色信号
C'2,2n (図3のdに示すC'2,2n に相当)に対して
は、τH の期間読取りを一時停止してのち、(TH −τ
H )の期間読取られる。同様に、垂直走査周期Tv 毎に
τ1 の期間で上記メモリ205の読取りが一時停止され
る。 【0064】以上の一連の一時的な読取り停止動作によ
り、上記メモリ205から出力される線順次式色信号
は、前記図3のcと同様の構造を有しており、上記再生
色信号C0 の時間軸がM' 倍に圧縮され、かつ奇数番目
(2n−1)のラインの色信号(C'1,2n-1 )に対して
は記録時に削除された上記水平冗長期間τ2 が復元され
(図3のCに示すC1,2n-1に相当)、また偶数番目(2
n)のラインの色信号(C'2,2n )に対しては記録時に
削除された上記水平ブランキング期間τH が復元され
(図3のCに示すC2,2nに相当)、更には上記垂直冗長
期間τ1 も復元される。 【0065】従って、正規の垂直ブランキング期間τv
を有し、また全てのラインで正規の水平ブランキング期
間τH を有する線順次式色信号C'0が上記メモリ205
より出力される。 【0066】212は上記の線順次式の色信号C'0を同
時式の2つの色信号に変換する変換回路である。この回
路212の動作を図5の波形図を用いて説明する。 【0067】図5のaは、上記メモリ205より出力さ
れる線順次式色信号C'0の波形を示す。なお、この図5
では上記した水平ブランキング期間τH と垂直ブランキ
ング期間τv は省略されて図示されていない。 【0068】上記メモリ205からの色信号C'0は、変
換回路212にて図5のbとcに示すように、2つの信
号C'1とC'2に分割される。一方の信号C'1(図5の
b)は、上記線順次式色信号C'0(図5のa)より奇数
番目のラインの色信号C11,C13,C15,C17,…を抽
出して、そのライン毎に2ライン連続して(C11,C1
1),(C13,C13),(C15,C15),…というよう
に出力することにより得られる。同様にして、他方の信
号C'2(図5のc)は、上記線順次式色信号C'0(図5
のa)より、偶数番目のラインの色信号C22,C24,C
26,C28,…を抽出して、そのライン毎に2ライン連続
して(C22,C22),(C24,C24),(C26,C2
6),…というように出力することにより得られる。 【0069】かくして、上記線順次式の色信号C'0は、
同時式の2つの色信号C'1とC'2に変換され、それぞれ
D/A変換回路222と223に供給されてアナログ信
号に変換される。 【0070】以上の時間軸逆変換回路200により、正
規の時間軸を有する信号に変換されて、上記D/A変換
回路221,222,223からそれぞれ出力される上
記輝度信号Y' と色信号C'1,C'2は、それぞれ低域通
過フィルタ21,22,23で適宜不要信号成分が除去
されてのち、デコーダ回路20でこれら3つの信号が適
宜マトリクス復号され、元の三原色信号に対応する赤
(R),緑(G),青(B)の各原色信号がそれぞれ出
力端子2a,2b,2cに出力される。 【0071】次に、上記図1に示した複数の磁気ヘッド
50(あるいは60)を搭載したヘッドドラムの一実施
例を、図6に示す。図6において、磁気ヘッド1aと1
bはヘッドドラム4の同心円周上に互いに180°の角
度で取付けられており、同様に、磁気ヘッド2aと2
b,及び磁気ヘッド3aと3bはいずれもヘッドドラム
4の同心円周上に互いに180°の角度で取付けられて
おり、かつこれら磁気ヘッド1a,2a,3aは互いに
近接して段差をもって、同様に磁気ヘッド1b,2b,
3bも互いに近接して段差をもって取付けられている。
上記磁気テープ3は、このヘッドドラム4に180°よ
り少し多めに巻付けられて、上記磁気ヘッド1a,2
a,3a,1b,2b,3bに対接される。 【0072】以上のように構成されたヘッドドラム4の
回転によって磁気テープ3上に記録形成されるトラック
パターンの一実施例を、前記図4のaに示す。上記磁気
ヘッド1aと1bによって、交互にチャンネル1の信号
(即ち、上記輝度信号Y1 )が、図4aのY1 に示すト
ラックに記録され、上記磁気ヘッド2aと2bによっ
て、交互にチャンネル2の信号(即ち、上記輝度信号Y
2 )が、図4aのY2 に示すトラックに記録され、上記
磁気ヘッド3aと3bによって交互にチャンネル3の信
号(即ち、上記色信号C0 )が、図4aのC0 に示すト
ラックに記録される。 【0073】図7は、上記図6に示したヘッドドラム4
を高速回転して記録する場合に、上記図1の時間軸変換
回路100における、本発明に係わる時間軸処理のタイ
ミングを示す図である。 【0074】この図7は、上記ヘッドドラム4の回転周
期を記録すべき原映像信号(図7のa)のフィールド周
期Tv に等しくした場合を示す。 【0075】図7のeは、このヘッドドラム4の回転に
同期して生成されるヘッド切換信号SWであり、その周
期はTv に等しい。このヘッド切換信号SWが高レベル
(“H”)の期間は、上記磁気ヘッド1a,2a,3a
が磁気テープ3に対接し、低レベル(“L”)の期間
は、上記磁気ヘッド1b,2b,3bが磁気テープ3に
対接して信号の記録と再生が行われ、このヘッド切換信
号SWの立上り、及び立下りのタイミングで、上記磁気
ヘッド(1a,2a,3a)と(1b,2b,3b)の
切換えが各チャンネル毎に行われる。本発明によれば、
磁気テープの伸縮などに起因してこのヘッド切換え時に
生ずる、信号のつなぎ部分でのいわゆるスキューなどの
時間軸誤差を、全てのチャンネルにわたって完全に除去
できる効果が得られる。以下それを、図7を用いて説明
する。 【0076】上記したように、本発明の第1の特徴は、
記録すべき原映像信号の有する垂直ブランキング期間
(τv )と水平ブランキング期間(τH )の一方ないし
はその両方に含まれる上記冗長期間(τ1 ,τ2 )を削
除して、必要最小限のブランキング期間(τv −τ1 ,
τH −τ2 )を残して信号記録することである。 【0077】更に、本発明の第2の特徴は、上記冗長期
間の一部ないしはそのすべてを、信号の時間軸処理ある
いは映像信号以外の他の信号の記録など他の目的に使用
することである。 【0078】上記図7は上記冗長期間の一部を他の目的
に使用する場合の一実施例を示し、更に具体的には、上
記のヘッド切換に伴なう信号の時間軸補正のために、上
記冗長期間の一部をそのヘッド切換部分に割当てるよう
にして信号の記録を行う場合の一実施例を示す。 【0079】図7のaは、記録すべき原映像信号の1フ
ィールド期間Tv の波形を示し、この1フィールド当り
に含まれる上記冗長期間の等価的な値をτとし、それを
斜線部分τに集約して示す。この冗長期間τを、上記垂
直ブランキング期間τv に含まれる上記垂直冗長期間τ
1 だけで形成した場合には、図2のa1 に示したよう
に、τ=τ1 で与えられる。また、上記冗長期間τを、
上記水平ブランキング期間τH に含まれる上記水平冗長
期間τ2 だけで形成した場合には、原映像信号の1フィ
ールド当りのライン数をlとするとτ=l×τ2 で与え
られる。一般に、上記冗長期間τを、上記垂直冗長期間
τ1 と水平冗長期間τ2 の両方で形成した場合には、次
式で与えられる。 【0080】 【数19】 【0081】なお、このτを用いれば、前式〔数9〕は
次式で表わせる。 【0082】 【数20】 【0083】図7のb,c,dは、それぞれ上記時間軸
変換回路100によって時間軸処理されて、上記D/A
変換回路121,122,123より出力される輝度信
号Y1 ,Y2 と色信号C0 を示す。上記回路100にお
いて、図示しないが、上記メモリ103と104の読取
りを制御する回路に上記ヘッド切換信号SWが供給さ
れ、この信号SWの立上り及び立下りに同期したタイミ
ングで、上記メモリ103と104の読取りを開始する
ように制御される。また、読取り開始後は、所定の期間
(例えば、一定のライン数を計数して)上記メモリ10
3と104からの読取りが行われる。 【0084】以上の読取り制御によって、図7のb,
c,dの斜線部に示すように、上記ヘッド切換部分(即
ち、上記ヘッド切換信号SWの立上り及び立下りの位
相)に前後して、上記冗長期間の一部(同図に示すτa
とτb の期間)が形成されて信号記録される。なお、こ
の冗長期間τa とτb を除く残りの冗長期間を除去する
ために、上記回路100における(輝度信号に対する)
上記時間軸伸長比Mは、次式を満足するように定められ
る。 【0085】 【数21】 【0086】但し、この実施例では、前記したようにN
=2である。 【0087】かくして、冗長期間τa とτb を除く残り
の冗長期間は除去され、従って、テープパターン上で
は、図4のaの斜線部に示す位置に上記冗長期間τa と
τb が形成される。 【0088】以上によって記録された上記輝度信号Y1
,Y2 と上記色信号C0 の再生にあたっては、上記に
よって形成されたτa とτb の冗長期間内で確実にヘッ
ドの切換が行われるため、再生信号の欠落を生ずること
はなく、また上記冗長期間τaとτb の値を、磁気テー
プの伸縮などによって生ずる時間軸誤差量(スキュー)
より大きくしておけば、それによって信号欠落すること
もない。また、前記図1の説明からも明らかなように、
上記時間軸逆変換回路200は、メモリ204と205
における時間緩衝作用によって、上記再生信号Y1 ,Y
2 ,C0 に含まれる時間軸誤差を除去するように作用す
る。従って、上記のスキューも完全に除去することがで
きる。更には、上記冗長期間τa とτb はヘッドドラム
の回転に同期して磁気テープ3の定位置に変動なく形成
されるため、この冗長期間τa ,τb 内でのヘッド切換
を確実に行わせることができ、互換性を著しく向上でき
る効果が得られる。また、これによって映像信号を1フ
ィールド当り複数のセグメントに分割して記録すること
が容易となり、いいかえれば小形のヘッドドラムを高速
回転して記録することが容易となり、従って、装置の小
型軽量化を図れる効果が得られる。 【0089】以上は、上記冗長期間τの一部(τa ,τ
b )を他の目的に使用した場合の一実施例を示したが、
上記冗長期間τのすべてを他の目的、例えば、映像信号
以外の信号の記録のために使用してもよい。 【0090】図8はその一実施例を示す図である。図8
のaは上記図7のaと同じであり、記録すべき原映像信
号を示す。この原映像信号に含まれる冗長期間は、上記
図7でも述べたように、フィールド当りに換算してτ
(図8aの斜線部の期間τ)であり、映像情報の伝送
(記録再生)に必要最小限の有効期間は、同図aの白ぬ
き部分Vで示すように、(Tv −τ)である。従って、
この有効期間の映像信号Vを(Tv −τ)を越えない範
囲で複数のチャンネルに分割し、例えば、図8のbとc
に示すように2つのチャンネル、即ち第1のチャンネル
の映像信号V1 と第2のチャンネルの映像信号V2 に分
割すれば、斜線部A1 とA2 に示すように、各チャンネ
ル毎に上記冗長期間τに等しい空隙の期間を形成でき、
これを他の目的に使用できる。即ち、上記空隙期間(A
1 ,A2 )に、第3のチャンネルの信号として上記映像
信号(V1 ,V2 )以外の任意の信号、例えば、時間軸
圧縮した音声信号やPCM変調したディジタル信号やト
ラッキング制御のために用いるパイロット信号などを複
数種多重して伝送(記録再生)することができる。 【0091】上記図8の実施例に基づき、上記図1の装
置により上記磁気テープ3に記録形成されるトラックパ
ターンの一例を図4のbに示す。上記図8の空隙期間
(A1,A2 )に多重される信号は、この図4のbの斜
線部に示すエリアAに記録される。なお、この図4のb
の実施例では、各トラックの輝度信号(Y1 ,Y2 )と
色信号(C0 )の各記録エリアの境界Bに上記空隙期間
(A1 ,A2 )の一部を割当てるようにして上記各信号
が記録される。 【0092】以上図8の実施例は、映像信号を2チャン
ネルの記録信号(V1 ,V2 )に変換して記録する場合
を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0093】一般に、Nチャンネルに分割して記録する
場合は、各チャンネル毎にτの空隙期間が形成されるか
ら、この空隙期間の累計値はフィールド当りN×τに等
しくなり、チャンネル数Nが多い程、より多くの任意信
号を記録できるようになり、その分テープの利用効率が
高まる効果が得られる。 【0094】なお、以上の実施例では、上記図2と図3
にも示したように、輝度信号と色信号をそれぞれ個別に
時間軸処理し、それぞれ別個のエリア(上記図4のY1
,Y2 ,C0 に示す各エリア)に記録した場合を示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来か
ら公知の輝度信号と色信号を時分割多重して記録する場
合にも本発明を適用できるものである。 【0095】図9は、その一実施例を示す図である。図
9のa,b,cは、それぞれ原映像信号の輝度信号Y
(図2のYに相当)と2つの色信号C1 とC2 (図3の
C1 とC2 に相当)を示す。図9のdとeは、上記本発
明に基づき上記a,b,cに示す各信号を時間軸処理し
て、基本周期TH'内で時分割多重して得られる2チャン
ネルの信号(S1 とS2 )を示す。一方のチャンネルの
信号S1 は、上記輝度信号Yの奇数番目の信号Y2n-1と
上記色信号C1 の奇数番目の信号C1,2n-1をそれぞれラ
イン単位で時分割多重して形成される。同様に、他方の
チャンネルの信号S2 は、上記輝度信号Yの偶数番目の
信号Y2nと、上記色信号C2 の偶数番目の信号C2,2nを
それぞれライン単位で時分割多重して形成される。これ
ら2つの信号S1 とS2 の基本周期TH'は前記〔数5〕
で与えられ、一般に、N個のチャンネルに分割した場合
の基本周期TH'は、次式で与えられる。 【0096】 【数22】 【0097】これより、上記基本周期TH'は、原映像信
号の一水平走査周期TH のN倍より大きな値(TH'>N
×TH )となり、従って単にN個のチャンネルに分割す
る従来から公知の方法(上記〔数22〕で、τ1 =0と
することに相当する方法)と比べて信号の基本周期が長
くなり、信号の占有帯域を低減できる。なお、上記図9
では基本周期TH'内に輝度信号と色信号を各1ラインず
つ時分割多重した例を示したが、その時分割多重する各
信号のライン数は任意で良く、上記基本周期TH'に含ま
れる信号のライン数を増せば、そのライン毎の水平ブラ
ンキング期間(τH )を削減でき、例えば、上記図3の
dの例では、信号C'2,2n に対応する水平ブランキング
期間τH の全てを削減でき、あるいは、上記図9のd,
eに示す例では、信号Y'2n-1 とY'2n にそれぞれ対応
する水平ブランキング期間τH の全てを削減でき、従っ
てより一層信号の占有帯域を狭めることができる。 【0098】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、広
帯域の映像信号を冗長度最小にして最小の占有帯域で複
数のチャンネルに分割して記録できるため、チャンネル
当りのテープ記録密度を低下でき、小形のヘッドドラム
の使用が可能となり、装置の小形軽量低コスト化が容易
となり、また映像信号以外の任意信号を占有帯域を増加
させずに効率良く多重記録することができ、テープの使
用効率を高めて録画時間を増大できるなどの効果が得ら
れる。
関連して付随する付随情報信号とを複数のチャンネルに
分割して記録するのに好適な記録再生方法とその装置に
関する。 【0002】 【従来の技術】現行のテレビ方式に比して格段の高精細
度、高画質の得られるいわゆる高品位テレビのように、
従来より数倍の画像情報を有し、したがって数倍の広帯
域を必要とする新しい高精細テレビ方式の検討が進めら
れている。 【0003】この高精細テレビの実用化には、広帯域の
高精細映像信号を的確に記録再生できるVTRなどの記
録再生装置の実現が重要な課題になっている。この高精
細テレビ対応のVTRとして、その試作例がテレビジョ
ン学会技術報告VOL.8,No.33(1984年11
月)における尾毛谷、舘野、辻川による“高品位テレビ
用VTR”と題する文献で報告されている。このVTR
は、主としてスタジオ用のために試作されたもので、広
帯域化を図るために比較的大口径のヘッドドラムが用い
られ、映像情報に関連して付随する輝度情報と色情報と
を含む三原色信号を4チャンネルでテープ上の平行な斜
めの複数のトラックに分割して記録し、さらに、この映
像情報に関連して付随するステレオ音声信号を2チャン
ネルで該三原色信号の記録するトラックとは異なるテー
プ長手方向のリニアトラックに記録(したがって、全部
で6チャンネルで記録)する方式が採用されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記の高精細テレビを
一般家庭などに広く普及させるためには、高精細テレビ
用のVTRを小形にすること、装置のコストを低減する
こと、小形カセットで長時間録画再生を可能にすること
などが重要な課題となっており、そのためにはヘッドド
ラムを小形にして装置の小形軽量化を図り、使用するヘ
ッド数、チャンネル数を減らして回路規模を縮小して低
コスト化を図るなどの工夫が必要となっている。しかし
反面、テープの記録密度がその分増大するため、技術的
に困難をともない、録画時間も制約されるなど、互いに
相容れない問題を生じていた。 【0005】本発明の目的は、上記に鑑み、映像情報信
号とそれに付随する付随情報信号とを3つのチャンネル
で記録できるようにし、かつチャンネル当りの占有帯域
を狭め各チャンネルで占有帯域がほぼ均等になるように
記録することにより、チャンネル当りのテープ記録密度
を低下させて、装置の小形軽量低コスト化を実現できる
記録再生装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、映像情報に係る第1の情報信号
と該映像情報に関連して付随される第2の情報信号とを
第1、第2および第3の3つのチャンネルでテープ上の
平行かつ斜めの複数のトラックに互いに隣接させて記録
するように配置された複数の回転ヘッドを備える回転ヘ
ッド形記録装置において;上記第1情報信号に含まれる
少なくとも1つのチャンネルの輝度情報に係る輝度信号
を上記第1および第2のチャンネルで互いに占有帯域が
ほぼ等しくなるように2つのチャンネルの記録信号に変
換する第1の信号変換手段と;上記第1信号変換手段か
らの記録信号を上記第1および第2のチャンネルにそれ
ぞれ対応する2組の回転ヘッドで上記の平行な斜めの複
数のトラックに順次記録する第1の信号記録手段と;上
記第2情報信号に含まれる少なくとも2つのチャンネル
の情報信号を単一のチャンネルの記録信号に変換する第
2の信号変換手段と;上記第2信号変換手段からの記録
信号を上記第3のチャンネルに対応する1組の回転ヘッ
ドで上記第1情報信号の記録されるトラックに隣接ない
し該トラックの長手方向に延長する平行な斜めの複数の
トラックに順次記録する第2の信号記録手段と;を備え
て構成するようにしたことを特徴とする。 【0007】 【作用】上記の映像情報に係る第1情報信号とそれに関
連して付随される第2情報信号は、輝度情報に関連する
輝度信号(Y)、色情報に関連する2つの色信号(C
1,C2 )、音声情報に関連するステレオなどの複数チ
ャンネルの音声信号などからなる。 【0008】ここで、例えば、上記第1情報信号として
1つのチャンネルの広帯域の輝度信号(Y)と、上記第
2情報信号として2つのチャンネルの狭帯域の色信号
(C1,C2 )とを3つのチャンネルで記録する場合に
ついて、本発明の作用を説明する。 【0009】まず、1つのチャンネルの広帯域の輝度信
号(Y)を含む第1情報信号は、第1および第2の2つ
のチャンネルの記録信号に変換されて記録されるため、
チャンネル当りの占有帯域は1/2に狭められる。さら
にこの輝度信号に含まれる垂直ブランキング期間ないし
水平ブランキング期間ないしはその両方が各チャンネル
に割り当てられて形成される冗長期間を削減するように
チャンネル毎に時間軸変換して記録することにより、チ
ャンネル当りの占有帯域を1/2より更に狭めることが
できる。 【0010】また、2つのチャンネルの狭帯域の色信号
(C1 ,C2 )を含む第2情報信号は、単一のチャンネ
ルの信号(C0 )に変換されて記録されるため、記録チ
ャンネル数は1/2に減らされ、同時に占有帯域も狭め
られる。 【0011】ここで、上記輝度信号に含まれる垂直ブラ
ンキング期間ないしは水平ブランキング期間ないしはそ
の両方で形成される冗長期間を1画面(1フィールド)
当りτとし、また、フィールド周期(1垂直走査期間)
をTv とすると、この輝度信号を時間軸を2倍に伸長し
て2つのチャンネルに分割して記録すれば、各チャンネ
ルの占有帯域は原信号の1/2に低減されるが、1フィ
ールド当りの冗長期間は全体で2×τに増大してしま
う。 【0012】本発明は、この冗長期間を零とするように
原信号の時間軸を変換することにより、各チャンネルの
占有帯域を更に狭めるものである。 【0013】すなわち、上記各値τ,Tv ,N(=2)
を用いて、 M×(Tv −τ)=N×Tv ……〔数1〕 従って、M=N/(1−τ/Tv )となるようにMを定
めて、上記の広帯域輝度信号を、水平走査線単位で時間
軸をM倍に伸長し上記冗長期間を削除してN個のチャン
ネルに分割して記録すれば、各チャンネルの占有帯域は
原信号の1/M(<1/N)に狭められ、チャンネル当
りの記録密度を最大限低下させることができる。 【0014】また、必要に応じて、上記の音声情報に関
連する複数チャンネルの狭帯域音声信号は、単一のチャ
ンネルの記録信号(A)に変換されてから第2情報信号
として第1情報信号の記録されるトラックとは異なる斜
めのトラックに記録されるため、従来のリニアトラック
が不要となりテープの利用効率が一層高められる。 【0015】さらに、上記2つの色信号(C1 ,C2 )
を上記輝度信号(Y)に時分割多重して生成した信号を
第1情報信号として上記第1および第2のチャンネルで
記録し、上記音声信号は第2情報信号として単一チャン
ネルで上記第3のチャンネルで記録することもできるた
め、全体で記録チャンネル数をさらに減らすことができ
る。 【0016】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図1により説明す
る。 【0017】図1は広帯域の映像信号のうち、輝度信号
(Y)を第1情報信号として2つのチャンネル(前式
〔数1〕で、N=2)に分割して記録し、同時式の2つ
の色信号(C1 とC2 )を第2情報信号として線順次式
に変換して1つのチャンネルで記録する3チャンネル分
割式回転ヘッド型磁気記録再生装置の一実施例を示す。 【0018】記録すべき映像信号として赤(R)、緑
(G)、青(B)の三原色映像信号がそれぞれ端子1
a,1b,1cに入力される。これら三原色映像信号
は、エンコーダ10によって適宜マトリクス演算され
て、輝度信号Y0 と二つの色信号C01,C02に変換され
る。このエンコーダ10からの輝度信号Y0 は、低域通
過フィルタ11によって必要とする帯域に応じて適宜帯
域制限され、ここでは帯域Bwに制限された輝度信号Y
がこのフィルタ11より出力される。上記エンコーダ1
0からの二つの色信号C01とC02も低域通過フィルタ1
2と13によってそれぞれ必要に応じて水平方向と垂直
方向の両方で帯域制限される。この垂直方向の帯域制限
は、後述する切換回路105で線順次式に変換されるこ
とによって生ずる垂直方向の折り返し歪みを除去するの
に有効である。ここでは、共に帯域Bw'に制限された二
つの色信号C1 とC2 がそれぞれフィルタ12と13か
ら出力される。 【0019】破線で示すブロック100は時間軸変換回
路であり、上記の輝度信号Yをそれに含まれる冗長部分
が最小となるようにして時間軸伸長して2チャンネルに
分割して出力し、また上記二つの色信号C1 とC2 を線
順次式に変換し、かつそれに含まれる冗長部分が最小と
なるようにして時間軸伸長して1チャンネルの信号とし
て出力する。この時間軸変換回路100の動作を図2に
示す波形図を用いて説明する。 【0020】図2において、a1は入力原映像信号(フ
ィルタ11,12,13からそれぞれ出力される輝度信
号Y、色信号C1 ,C2 それぞれ)の1フィールド期間
Tvの波形を示し、斜線部に示すτv の期間は入力原映
像信号に含まれる垂直ブランキング期間を示し、その垂
直ブランキング期間τv のうち、後述の垂直同期情報の
多重などに最小限必要とする期間を除く冗長の期間(以
下これを垂直冗長期間と称する)をτ1 とする。a2は
入力原映像信号の1水平走査期間TH の波形を示し、斜
線部に示すτH の期間は入力原映像信号に含まれる水平
ブランキング期間を示し、その水平ブランキング期間τ
H のうち後述の水平同期情報の多重などに最小限必要と
する期間を除く冗長の期間(以下これを水平冗長期間と
称する)をτ2 とする。 【0021】本発明は、上記の垂直冗長期間τ1 と水平
冗長期間τ2 のいずれか一方あるいはその両方を削除し
てチャンネル分割して記録することにより、チャンネル
当りの占有帯域を低減させるものである。以下、輝度信
号Yを2チャンネルに分割し、上記冗長期間τ1 とτ2
の両方を削除する場合を例にして、その動作を説明す
る。 【0022】図1の時間軸変換回路100において、フ
ィルタ11からの輝度信号Y(図2のa1とa2)は、
A/D変換回路101にて周波数f1 のサンプリングク
ロックCSYで標本化されてディジタル信号に変換され
る。上記サンプリングクロックCSYは、図示しないが
入力原映像信号に含まれる、ないしはそれと共に別途入
力される同期情報に同期して生成される。103はRA
Mなどで構成されるメモリであり、上記A/D変換回路
101からの出力は、水平走査周期TH 毎にメモリ10
3のIとIIに交互に書き込まれる。メモリ103への書
き込みは図示しないが上記サンプリングクロックCSY
を基に生成した周波数f1 の書き込みクロックCWYに
より行われ、上記の垂直冗長期間τ1 と水平冗長期間τ
2 の両方において上記メモリ103へ書き込みを停止す
るよう動作する。更に具体的には、図2のa2に示す輝
度信号Yのうち奇数番目(2n−1)のラインの輝度信
号Y2n-1は上記メモリ103のIに書き込まれ、それに
続く次の偶数番目(2n)のラインの輝度信号Y2nは上
記メモリ103のIIに書き込まれ、かつ、これら各ライ
ンの上記水平冗長期間τ2 でメモリ103への書き込み
が停止されるため、上記メモリ103のIには、図2の
b2に示すように信号Y2n-1の水平冗長期間τ2 を除去
した信号Y'2n-1 が記憶され、同様にメモリ103のII
には、図2のc2に示すように信号Y2nの水平冗長期間
τ2 を除去した信号Y'2n が記憶される。上記の垂直冗
長期間τ1 においてもメモリ103への書き込みが停止
されるため、メモリ103のIには図2のb1に示すよ
うに、またメモリ103のIIには図2のc1に示すよう
に、いずれも上記垂直冗長期間τ1 が除去された信号Y
1 とY2 がそれぞれ記憶される。上記したように、メモ
リ103のIとIIへの信号の書き込みはライン毎に交互
に行われるため、図2のb1とc1の斜線部に示すよう
に、上記垂直冗長期間τ1 が除去された垂直ブランキン
グの残りの期間((τv −τ1 )に相当する期間)の信
号は、ほぼ均等に按分されてメモリ103のIとIIへ記
憶される。 【0023】かくしてメモリ103に書き込まれた信号
Y1 とY2 は、上記サンプリングクロックCSYを基に
生成した読み取りクロックCRYにより上記メモリ10
3より逐次読み取られる。この読み取りクロックの周波
数は必要に応じて適宜定めればよく、本発明の限定要素
ではないが、ここでは上記メモリ103より読み取られ
る信号Y1 とY2 の1フィールド周期Tv'(図2に示す
Tv')が原信号Yの1フィールド周期Tv に等しくなる
ように、上記読み取りクロックCRYの周波数が定めら
れる。 【0024】 Tv'=Tv ……〔数2〕 ここで、原信号Yの1フィールド周期Tv より上記垂直
冗長期間τ1 の信号が除去され、かつ信号Y1 と信号Y
2 の2チャンネルに分割されることから、これらY1 と
Y2 各信号の1フィールド期間Tv'に含まれるライン数
Lは次式で与えられる。 【0025】 L=(Tv −τ1 )/(2×TH ) ……〔数3〕 上記信号Y1 とY2 の1水平走査期間をTH'(以下これ
を基本周期と称する)とすれば、 Tv'=L×TH' …… 〔数4〕 従って、上記〔数2〕〜〔数4〕より次式を得る。 【0026】 TH'=2×TH /(1−τ1 /Tv ) …… 〔数5〕 上記したように、原信号Yの1水平走査期間TH より上
記水平冗長期間τ2 が除去された残りの期間(TH−τ
2)の信号がライン毎に時間TH'に時間軸伸長されるこ
とになるから、その時間軸伸長比Mは、次式で与えられ
る。 【0027】 M=TH'/(TH −τ2 ) …… 〔数6〕 従って、上記〔数5〕,〔数6〕より次式を得る。 【0028】 M=2/(1−τ1 /Tv )・(1−τ2 /TH ) ……〔数7〕 即ち、上記サンプリングクロックCSYの周波数f1 に
対し上記読み取りクロックCRYの周波数f0 を f0 =f1 /M …… 〔数8〕 と定めれば、上記メモリ103からは、上記原信号Yよ
り垂直冗長期間τ1 と水平冗長期間τ2 が除去され2チ
ャンネルに分割され、かつそれぞれ時間軸がM倍に伸長
された二つの信号Y1 とY2 (その波形を図2のb1,
c1とb2,c2に示す)が出力される。 【0029】上記メモリ103から読み取られる信号Y
1 とY2 は、それぞれ後述の同期情報挿入回路111と
112にて適宜所定の同期情報が挿入されて後、その出
力はそれぞれD/A変換回路121と122にてアナロ
グ信号に変換されて出力される。このD/A変換回路1
21と122よりそれぞれ出力される二つの輝度信号Y
1 とY2 は、以上から明らかなように、上記フィルタ1
1からの占有帯域Bwの原輝度信号Yの時間軸がM倍に
伸長されて生成されるからその占有帯域はいずれもBw
/Mに低減される。かくして、上記時間軸変換回路10
0のD/A変換回路121と122からそれぞれ出力さ
れる占有帯域Bw /Mの二つの輝度信号Y1 とY2 は、
それぞれ記録映像処理回路31と32にてプリエンファ
シスが施されてから周波数変調(FM)され、記録増幅
回路40を介して複数の回転磁気ヘッド50により、上
記輝度信号Y1 は第1チャンネルの信号として磁気テー
プ3の第1のエリアに記録され、上記輝度信号Y2 は第
2チャンネルの信号として磁気テープ3の第2のエリア
に記録される。 【0030】以上は、原信号Yを2チャンネルに分割し
た場合を示すが、一般にNチャンネル(Nは2以上の整
数)に分割する場合の本発明の主旨にそう上記の時間軸
伸長比Mは、上記〔数7〕より次式で与えられる。 【0031】 M=N/(1−τ1 /Tv )・(1−τ2 /TH ) ……〔数9〕 これより、削除される冗長期間τ1 ,τ2 の値が大きい
程、Mの値は大きくなって各チャンネルの占有帯域(B
w /M)は低減され、更に、チャンネル分割数Nが大き
い程、上記冗長期間τ1 ,τ2 に基づく帯域低減効果
(M−Nの値)は大きくなる。ちなみに、従来から公知
の上記冗長期間τ1 ,τ2 を除去せずに単にNチャンネ
ルに分割する方法(上記〔数9〕でτ1 =0,τ2 =0
の場合に相当)で得られるチャンネル当りの占有帯域は
Bw /Nであり、一般に次式が成立する。 【0032】M>N ……〔数10〕 従って、上記本発明の方法で得られる占有帯域Bw /M
と比べて、上記従来方法の方がより広い帯域が必要とな
ることが明らかである。 【0033】ここで、上述のごとく信号を周波数変調
(FM)して磁気記録する場合に得られる再生信号のS
/N比に関し、テープ・ヘッドの相対速度が一定のと
き、信号の占有帯域をB、FM信号の変調指数をα、記
録波長をλ、記録トラック幅をTとすると、一般に次式
が成立する。 【0034】 【数11】 【0035】上記変調指数αは信号占有帯域Bにほぼ反
比例し(α∝1/B)、上記記録波長λも信号占有帯域
Bにほぼ反比例(λ∝1/B)するものとみなせるか
ら、上記〔数11〕は更に次式で近似できる。 【0036】 【数12】 【0037】一例として、上記垂直冗長期間τ1 の冗長
度(τ1 /Tv )を7%とし、上記水平冗長期間τ2 の
冗長度(τ2 /TH )を9%とすると、上記〔数9〕よ
り、N=2のとき M≒2.36 ……〔数13〕 となり、上記従来方法の占有帯域(Bw /N)と比べ
て、上記本発明の方法による占有帯域(Bw /M)の方
が N/M≒1/1.18 ……〔数14〕 に狭帯域化(即ち、帯域圧縮)される。 【0038】従って、この帯域圧縮効果を上記〔数1
2〕に基づいてS/Nに換算すると、トラック幅Tが一
定のとき、本発明方法の方が従来方法より約3dB S
/Nが改善されることになる。これを換言すれば、上記
〔数12〕よりS/N比はトラック幅Tの平方根に比例
することから、従来方法での記録トラック幅Tに対し、
本発明方法での記録トラック幅を1/2(T/2)にし
ても、従来方法とほぼ同じS/Nが得られることにな
る。即ち、ほぼ同じS/Nを得る条件のもとで、上記従
来方法と本発明方法とを比較すると、本発明方法の方が
トラック幅を1/2にできてテープ記録密度を2倍に高
めることができ、従って従来より録画時間を2倍に増大
できる効果が得られる。以上の各数値は、いずれも近似
計算に基づくもので厳密さにはやや欠くが、本発明の主
旨をそれるものではない。 【0039】前記の同期情報挿入回路111と112に
おいて、上記メモリ103のIとIIからそれぞれ読み取
られる信号Y1 とY2 の上記垂直冗長期間τ1 を除く残
りのブランキング期間τv'(図2のb1,c1の斜線部
で示す期間τv')に、所定の垂直同期情報(例えば図2
のd1に示す負極性の垂直同期信号VS)が生成されて
挿入される。なお、入力原信号Yの上記垂直冗長期間τ
1 を除く残りのブランキング期間(図2のa1の斜線部
で示すτv −τ1 の期間)に所望の垂直同期情報(負極
性の垂直同期信号など)を含む場合には、その垂直同期
情報が上記メモリ103のIとIIに按分されて書き込ま
れるため、その出力信号Y1 とY2 の両方に所望の垂直
同期情報を得ることができる。従って、この場合には上
記同期情報挿入回路111と112における上記垂直同
期情報の生成と挿入の手段は不要となる。 【0040】更に、上記同期情報挿入回路111と11
2において、上記メモリ103からそれぞれ読み取られ
る信号Y1 とY2 の上記水平冗長期間τ2 を除く残りの
ブランキング期間τH'(図2のb2,c2の斜線部で示
す期間τH')に、所定の水平同期情報(例えば図2のd
2に示す負極性の水平同期信号HSと所定周波数で複数
サイクル繰り返すバースト信号BSなど)が生成されて
挿入される。なお入力原信号Yの上記水平冗長期間τ2
を除く残りのブランキング期間(図2のa2の斜線部で
示すτH −τ2 の期間)に所望の水平同期情報(負極性
の水平同期信号やバースト信号など)を含む場合には、
上記メモリ103からの出力信号Y1 とY2 の両方にそ
れを得ることができるから、上記回路111と112に
おける上記水平同期情報の生成と挿入の手段は不要とな
る。また、同期情報を複数種必要とする場合には、同期
情報の一部として、入力原信号Yに含まれる信号(例え
ば垂直同期信号VS)を出力させ、他方の同期情報(例
えば水平同期信号HSとバースト信号BS)は上記回路
111と112にて生成出力するようにしても良く、こ
れらいずれの場合においても本発明の主旨をそれるもの
ではないが、特に上記回路111と112にて別途同期
情報を生成出力する上記の方法によれば、VTRなどの
記録媒体の素性に合わせた、従って信号再生を安定、忠
実に行わせることのできる最良の同期情報を付加出来る
効果がえられ、また上記の垂直ブランキング期間τv'や
水平ブランキング期間τH'を必要最小限に抑えることが
出来、従ってチャンネル当りの信号占有帯域を最小限に
でき信号記録密度を最大限高めることが出来る効果が得
られる。 【0041】以上は輝度信号Yに対する時間軸変換動作
を示したが、次に二つの色信号C1とC2 に対する時間
軸変換動作について、図3の波形図を用いて、以下に説
明する。 【0042】図3において、aとbは上記フィルタ12
と13からそれぞれ出力される入力原色信号C1 とC2
の1水平走査期間TH の波形を示し、斜線部に示すτH
の期間は上記輝度信号Yのそれと同じで、水平ブランキ
ング期間を示し、τ2 は上記同様の水平冗長期間を示
す。なお、この入力原色信号C1 とC2 には、図示しな
いが前記輝度信号Yと同様に、τv の垂直ブランキング
期間とτ1 の垂直冗長期間を有している。本発明におい
ては、この色信号C1 ,C2 に対しても、上記垂直冗長
期間τ1 と水平冗長期間τ2 のいずれか一方ないしその
両方を削除して信号の占有帯域を低減させるものであ
り、更にその占有帯域が上記2チャンネルに分割された
輝度信号Y1 とY2 それぞれの占有帯域(Bw /M)と
ほぼ等しくなるように、上記同時式の2チャンネルの色
信号C1 とC2 を線順次式の1チャンネルの色信号C0
に変換させるものである。 【0043】図1において、105は同時式の色信号を
線順次式に切り換えるための切換回路である。上記フィ
ルタ12と13からそれぞれ出力される占有帯域Bw'の
二つの色信号C1 とC2 は、それぞれ切換回路105の
端子aとbに供給され、この切換回路105にて水平走
査周期TH 毎に交互に切り換えられ、その結果この回路
105からは、図3のcに示すように、奇数番目(2n
−1)のラインでは色信号C1 側が選択されて信号C1,
2n-1が出力され、それに続く次の偶数番目(2n)のラ
インでは色信号C2 側が選択されて信号C2,2nが出力さ
れる。 【0044】かくして、切換回路105にて線順次式に
変換された色信号C3 は、A/D変換回路102にて周
波数f'1のサンプリングクロックCSCで標本化されて
ディジタル信号に変換される。上記サンプリングクロッ
クCSCは、図示しないが上記サンプリングクロックC
SYと同様に、入力原映像信号に含まれ、ないしはそれ
と共に別途入力される同期情報に同期して生成される。
あるいは、上記サンプリングクロックCSCを上記サン
プリングクロックCSYに同期して生成するようにして
も良い。上記A/D変換回路102からの出力は、水平
走査周期TH 毎にメモリ104に順次書き込まれる。メ
モリ104への書き込みは、図示しないが、上記サンプ
リングクロックCSCをもとに生成した周波数f'1の書
き込みクロックCWCにより行われ、上記の線順次式色
信号C3 のうち、奇数番目(2n−1)のラインの信号
C1,2n-1の水平ブランキング期間τH のうちの上記水平
冗長期間τ2 において上記メモリ104への書き込みは
一時停止され、またそれに続く次の偶数番目(2n)の
ラインの信号C2,2nの水平ブランキング期間τH におい
て上記メモリ104への書き込みは一時停止される。 【0045】以上の書き込み制御により、メモリ104
には、図3のdに示すように、信号C1,2n-1の水平冗長
期間τ2 を除去した信号C'1,2n-1 が記憶され、それに
引き続いて、信号C2,2nの水平ブランキング期間τH を
除去した信号C'2,2n が記憶される。また、上記の垂直
冗長期間τ1 も除去された姿で記憶されることは言うま
でもない。かくしてメモリ104に書き込まれた信号C
0 (図3のd)は、上記サンプリングクロックCSCを
基に生成した周波数f'0の読み取りクロックCRCによ
り上記メモリ104より逐次読み取られる。この読み取
りクロックCRCの周波数は、必要に応じて適宜定めれ
ばよく、本発明の限定要素ではないが、ここでは上記メ
モリ104から読み取られる信号C0 の2ライン毎の基
本周期TH'(図3のdに示すTH')が前式〔数5〕と等
しくなるように、上記読み取りクロックCRCの周波数
が定められる。 【0046】上記より明らかなように、入力原信号C3
の2ライン間の期間2TH より、上記冗長期間τ2 と水
平ブランキング期間τH が除去された残りの期間(2T
H −τ2 −τH )の信号が時間TH'に時間軸伸長される
ことになるから、その時間軸伸長比M' は、次式で与え
られる。 【0047】 M' =TH'/(2TH −τ2 −τH ) ……〔数15〕 従って、上記〔数5〕,〔数15〕より次式を得る。 【0048】 【数16】 【0049】即ち、以上の時間軸伸長(M' >1)を得
るためには、上記サンプリングクロックCSCの周波数
f'1に対し、上記読取りクロックCRCの周波数f'0を f'0=f'1/M' ……〔数17〕 と定めれば良い。 【0050】上記メモリ104から読取られる信号C0
は、同期情報挿入回路113にて、前記輝度信号Y1 ,
Y2 の場合と同様に、適宜所定の同期情報(例えば図3
のeに示すような負極性の水平同期信号HSやバースト
信号BSなどの水平同期情報と、図示しないが、負極性
の垂直同期信号などの垂直同期情報のいずれか一方ない
しはその両方)が挿入されてのち、その出力はD/A変
換回路123にてアナログ信号に変換されて出力され
る。このD/A変換回路123より出力される色信号C
0 (図3のd)は、以上から明らかなように、上記フィ
ルタ12と13にて帯域Bw'に制限された原色信号C3
の時間軸がM' 倍に伸長されて生成されるから、その占
有帯域はBw'/M' に低減される。 【0051】ちなみに、従来から公知の上記冗長期間τ
1 ,τ2 を除去せずに、単に2チャンネルの同時式色信
号を1チャンネルの線順次式色信号に変換する方法(上
記〔数16〕でM' =1に相当)で得られる信号の占有
帯域はBw'であり、上記本発明の方法で得られる占有帯
域Bw'/M' と比べて、M' >1であるから、上記従来
方法の方がより広い帯域が必要となる。 【0052】かくして、上記時間軸変換回路100の上
記D/A変換回路123から出力される占有帯域Bw'/
M' の色信号C0 は、記録映像処理回路33にてプリエ
ンファシスが施されてから周波数変調(FM)され、記
録増幅回路40を介して上記回転磁気ヘッド50により
磁気テープ3の、上記輝度信号Y1 とY2 の記録される
エリアと異なる第3のエリアにチャンネル3の信号とし
て記録される。 【0053】ここで、次式を満すように Bw /M≒Bw'/M' ……〔数18〕 上記フィルタ11,12,13での信号通過帯域Bw と
Bw'を定めてやれば、上記第1、第2、第3のエリアに
それぞれ記録される信号Y1 ,Y2 ,C0 の占有帯域を
すべてほぼ同じにすることができるからチャンネル間で
信号帯域の過不足なく効率良く信号の記録再生を行うこ
とのできる効果が得られる。 【0054】図4は、上記図1の回転ヘッド形磁気記録
再生装置によって、磁気テープ3に記録形成されるトラ
ックパターンの一例を示す図であり、同図でY1 は上記
輝度信号Y1 の記録される第1のエリアを、Y2 は上記
輝度信号Y2 の記録される第2のエリアを、C0 は上記
色信号C0 の記録される第3のエリアを示す。 【0055】同図の(a)はトラック長手方向と垂直方
向に3チャンネル(Y1 とY2 とC0 )に分割して記録
する例を示し、(b)はトラック長手方向に2チャンネ
ル(Y1 とC0 ,あるいはY2 とC0 )に分割し、トラ
ック長手方向と垂直方向にも2チャンネル(Y1 とY2
)に分割して記録する例を示す。 【0056】次に、再生時の動作について説明する。上
記により磁気テープ3の複数チャンネル(上記実施例で
はY1 とY2 とC0 の3チャンネル)に分割されて記録
された信号は、上記磁気ヘッド50に対応する複数の磁
気ヘッド60により、上記チャンネル毎に順次再生さ
れ、再生増幅回路70にてそれぞれ増幅されてから、上
記第1のエリアより再生される輝度信号Y1 と上記第2
のエリアより再生される輝度信号Y2 と上記第3のエリ
アより再生される色信号C0 は、それぞれ再生映像処理
回路81と82と83にてFM復調されてからディエン
ファシスを施され、その各出力信号Y1 とY2 とC0 は
それぞれ時間軸逆変換回路200のA/D変換回路20
1,202,203に供給される。 【0057】上記回路81より出力される輝度信号Y1
は、A/D変換回路201にて、前記〔数8〕で示した
と同じ周波数f0 を有するサンプリングクロックCSY
1 でディジタル信号に変換され、その出力はメモリ20
4のIに上記サンプリングクロックCSY1 を基に生成
した周波数f0 の書込みクロックにより順次書込まれ
る。このサンプリングクロックCSY1 は記録時に上記
輝度信号Y1 のブランキング期間に多重された上記同期
情報を基に、例えば上記バースト信号BSに同期して生
成される。 【0058】同様に、上記回路82より出力される輝度
信号Y2 は、A/D変換回路202にて周波数f0 のサ
ンプリングクロックCSY2 でディジタル信号に変換さ
れ、その出力はメモリ204のIIに上記サンプリングク
ロックCSY2 を基に生成した周波数f0 の書き込みク
ロックにより順次書込まれる。このサンプリングクロッ
クCSY2 は、上記輝度信号Y2 に含まれる同期情報を
基に、具体的には上記バースト信号BSに同期して生成
される。 【0059】また、上記回路83より出力される色信号
C0 は、A/D変換回路203にて前記〔数17〕で示
したと同じ周波数f'0を有するサンプリングクロックC
SC0 でディジタル信号に変換され、その出力はメモリ
205に上記サンプリングクロックCSC0 を基に生成
した周波数f'0の書込みクロックにより順次書込まれ
る。このサンプリングクロックCSC0 は、上記色信号
C0 に含まれる同期情報を基に具体的には上記バースト
信号BSに同期して生成される。 【0060】以上により、上記メモリ204のIには前
記図2のb1 ,b2 に示すように、奇数番目(2n−
1)のラインの輝度信号Y'2n-1 が記憶され、上記メモ
リ204のIIには図2のC1 ,C2 に示すように、偶数
番目(2n)のラインの輝度信号Y'2n が記憶される。 【0061】かくして、メモリ204のIとIIにそれぞ
れ書込まれた上記輝度信号Y'2n-1とY'2n はそれぞれ
周波数M×f0 の読取りクロックCRY' により、その
ライン毎に周期TH で交互に読取られ、かつその水平走
査周期TH 毎に上記水平冗長期間に等しいτ2 の期間
と、その垂直走査周期Tv 毎に上記垂直冗長期間に等し
いτ1 の期間においては、上記メモリ204のIとIIの
読取りは一時的に停止される。かくしてメモリ204の
IとIIから交互に読取られる輝度信号(Y'2n-1とY'2n
)は、切換回路211にて周期TH 毎に切換えられ、
更にその出力はD/A変換回路221にてアナログ信号
に変換されて出力される。 【0062】以上より明らかなように、メモリ204に
て上記書込みクロックと読取りクロックの周波数の比M
に応じて、上記再生輝度信号Y1 とY2 の時間軸は共に
M倍に圧縮される。このMの値は前記〔数6〕で与えら
れるから、上記の水平走査周期TH の輝度信号(Y1 と
Y2 )は、そのライン毎に(TH −τ2 )に時間軸圧縮
され、かつτ2 の期間でメモリ204の読取りが一時停
止される動作が周期TH で繰り返されるため、上記D/
A変換回路221から出力される輝度信号Y'は、前記
図2のa2 と同様の波形を有し記録時に削除された上記
水平冗長期間τ2 が復元される。同様に、垂直走査周期
Tv 毎にτ1 の期間で上記メモリ204の読取りが一時
停止されるため、上記D/A変換回路221からの出力
輝度信号Y' は、図2のa1 と同様の波形を有し、記録
時に削除された上記垂直冗長期間τ1 が復元される。 【0063】上記メモリ205に書込まれた色信号C0
に対しても、記録時に削除された上記水平冗長期間τ2
と垂直冗長期間τ1 が復元され、かつ線順次式の色信号
が同時式の信号に変換されて、2つの色信号C'1,C'2
としてそれぞれD/A変換回路222と223より出力
される。即ち、周波数f'0の書込みクロックにより上記
メモリ205に書込まれた色信号C0 は周波数M' ×
f'0の読取りクロックCRC' により周期TH 毎に順次
読取られ奇数番目(2n−1)のラインの色信号C'1,2
n-1 (図3のdに示すC'1,2n-1 に相当)に対しては、
τ2 の期間読取りを一時停止してのち、(TH −τ2 )
の期間読取られ、偶数番目(2n)のラインの色信号
C'2,2n (図3のdに示すC'2,2n に相当)に対して
は、τH の期間読取りを一時停止してのち、(TH −τ
H )の期間読取られる。同様に、垂直走査周期Tv 毎に
τ1 の期間で上記メモリ205の読取りが一時停止され
る。 【0064】以上の一連の一時的な読取り停止動作によ
り、上記メモリ205から出力される線順次式色信号
は、前記図3のcと同様の構造を有しており、上記再生
色信号C0 の時間軸がM' 倍に圧縮され、かつ奇数番目
(2n−1)のラインの色信号(C'1,2n-1 )に対して
は記録時に削除された上記水平冗長期間τ2 が復元され
(図3のCに示すC1,2n-1に相当)、また偶数番目(2
n)のラインの色信号(C'2,2n )に対しては記録時に
削除された上記水平ブランキング期間τH が復元され
(図3のCに示すC2,2nに相当)、更には上記垂直冗長
期間τ1 も復元される。 【0065】従って、正規の垂直ブランキング期間τv
を有し、また全てのラインで正規の水平ブランキング期
間τH を有する線順次式色信号C'0が上記メモリ205
より出力される。 【0066】212は上記の線順次式の色信号C'0を同
時式の2つの色信号に変換する変換回路である。この回
路212の動作を図5の波形図を用いて説明する。 【0067】図5のaは、上記メモリ205より出力さ
れる線順次式色信号C'0の波形を示す。なお、この図5
では上記した水平ブランキング期間τH と垂直ブランキ
ング期間τv は省略されて図示されていない。 【0068】上記メモリ205からの色信号C'0は、変
換回路212にて図5のbとcに示すように、2つの信
号C'1とC'2に分割される。一方の信号C'1(図5の
b)は、上記線順次式色信号C'0(図5のa)より奇数
番目のラインの色信号C11,C13,C15,C17,…を抽
出して、そのライン毎に2ライン連続して(C11,C1
1),(C13,C13),(C15,C15),…というよう
に出力することにより得られる。同様にして、他方の信
号C'2(図5のc)は、上記線順次式色信号C'0(図5
のa)より、偶数番目のラインの色信号C22,C24,C
26,C28,…を抽出して、そのライン毎に2ライン連続
して(C22,C22),(C24,C24),(C26,C2
6),…というように出力することにより得られる。 【0069】かくして、上記線順次式の色信号C'0は、
同時式の2つの色信号C'1とC'2に変換され、それぞれ
D/A変換回路222と223に供給されてアナログ信
号に変換される。 【0070】以上の時間軸逆変換回路200により、正
規の時間軸を有する信号に変換されて、上記D/A変換
回路221,222,223からそれぞれ出力される上
記輝度信号Y' と色信号C'1,C'2は、それぞれ低域通
過フィルタ21,22,23で適宜不要信号成分が除去
されてのち、デコーダ回路20でこれら3つの信号が適
宜マトリクス復号され、元の三原色信号に対応する赤
(R),緑(G),青(B)の各原色信号がそれぞれ出
力端子2a,2b,2cに出力される。 【0071】次に、上記図1に示した複数の磁気ヘッド
50(あるいは60)を搭載したヘッドドラムの一実施
例を、図6に示す。図6において、磁気ヘッド1aと1
bはヘッドドラム4の同心円周上に互いに180°の角
度で取付けられており、同様に、磁気ヘッド2aと2
b,及び磁気ヘッド3aと3bはいずれもヘッドドラム
4の同心円周上に互いに180°の角度で取付けられて
おり、かつこれら磁気ヘッド1a,2a,3aは互いに
近接して段差をもって、同様に磁気ヘッド1b,2b,
3bも互いに近接して段差をもって取付けられている。
上記磁気テープ3は、このヘッドドラム4に180°よ
り少し多めに巻付けられて、上記磁気ヘッド1a,2
a,3a,1b,2b,3bに対接される。 【0072】以上のように構成されたヘッドドラム4の
回転によって磁気テープ3上に記録形成されるトラック
パターンの一実施例を、前記図4のaに示す。上記磁気
ヘッド1aと1bによって、交互にチャンネル1の信号
(即ち、上記輝度信号Y1 )が、図4aのY1 に示すト
ラックに記録され、上記磁気ヘッド2aと2bによっ
て、交互にチャンネル2の信号(即ち、上記輝度信号Y
2 )が、図4aのY2 に示すトラックに記録され、上記
磁気ヘッド3aと3bによって交互にチャンネル3の信
号(即ち、上記色信号C0 )が、図4aのC0 に示すト
ラックに記録される。 【0073】図7は、上記図6に示したヘッドドラム4
を高速回転して記録する場合に、上記図1の時間軸変換
回路100における、本発明に係わる時間軸処理のタイ
ミングを示す図である。 【0074】この図7は、上記ヘッドドラム4の回転周
期を記録すべき原映像信号(図7のa)のフィールド周
期Tv に等しくした場合を示す。 【0075】図7のeは、このヘッドドラム4の回転に
同期して生成されるヘッド切換信号SWであり、その周
期はTv に等しい。このヘッド切換信号SWが高レベル
(“H”)の期間は、上記磁気ヘッド1a,2a,3a
が磁気テープ3に対接し、低レベル(“L”)の期間
は、上記磁気ヘッド1b,2b,3bが磁気テープ3に
対接して信号の記録と再生が行われ、このヘッド切換信
号SWの立上り、及び立下りのタイミングで、上記磁気
ヘッド(1a,2a,3a)と(1b,2b,3b)の
切換えが各チャンネル毎に行われる。本発明によれば、
磁気テープの伸縮などに起因してこのヘッド切換え時に
生ずる、信号のつなぎ部分でのいわゆるスキューなどの
時間軸誤差を、全てのチャンネルにわたって完全に除去
できる効果が得られる。以下それを、図7を用いて説明
する。 【0076】上記したように、本発明の第1の特徴は、
記録すべき原映像信号の有する垂直ブランキング期間
(τv )と水平ブランキング期間(τH )の一方ないし
はその両方に含まれる上記冗長期間(τ1 ,τ2 )を削
除して、必要最小限のブランキング期間(τv −τ1 ,
τH −τ2 )を残して信号記録することである。 【0077】更に、本発明の第2の特徴は、上記冗長期
間の一部ないしはそのすべてを、信号の時間軸処理ある
いは映像信号以外の他の信号の記録など他の目的に使用
することである。 【0078】上記図7は上記冗長期間の一部を他の目的
に使用する場合の一実施例を示し、更に具体的には、上
記のヘッド切換に伴なう信号の時間軸補正のために、上
記冗長期間の一部をそのヘッド切換部分に割当てるよう
にして信号の記録を行う場合の一実施例を示す。 【0079】図7のaは、記録すべき原映像信号の1フ
ィールド期間Tv の波形を示し、この1フィールド当り
に含まれる上記冗長期間の等価的な値をτとし、それを
斜線部分τに集約して示す。この冗長期間τを、上記垂
直ブランキング期間τv に含まれる上記垂直冗長期間τ
1 だけで形成した場合には、図2のa1 に示したよう
に、τ=τ1 で与えられる。また、上記冗長期間τを、
上記水平ブランキング期間τH に含まれる上記水平冗長
期間τ2 だけで形成した場合には、原映像信号の1フィ
ールド当りのライン数をlとするとτ=l×τ2 で与え
られる。一般に、上記冗長期間τを、上記垂直冗長期間
τ1 と水平冗長期間τ2 の両方で形成した場合には、次
式で与えられる。 【0080】 【数19】 【0081】なお、このτを用いれば、前式〔数9〕は
次式で表わせる。 【0082】 【数20】 【0083】図7のb,c,dは、それぞれ上記時間軸
変換回路100によって時間軸処理されて、上記D/A
変換回路121,122,123より出力される輝度信
号Y1 ,Y2 と色信号C0 を示す。上記回路100にお
いて、図示しないが、上記メモリ103と104の読取
りを制御する回路に上記ヘッド切換信号SWが供給さ
れ、この信号SWの立上り及び立下りに同期したタイミ
ングで、上記メモリ103と104の読取りを開始する
ように制御される。また、読取り開始後は、所定の期間
(例えば、一定のライン数を計数して)上記メモリ10
3と104からの読取りが行われる。 【0084】以上の読取り制御によって、図7のb,
c,dの斜線部に示すように、上記ヘッド切換部分(即
ち、上記ヘッド切換信号SWの立上り及び立下りの位
相)に前後して、上記冗長期間の一部(同図に示すτa
とτb の期間)が形成されて信号記録される。なお、こ
の冗長期間τa とτb を除く残りの冗長期間を除去する
ために、上記回路100における(輝度信号に対する)
上記時間軸伸長比Mは、次式を満足するように定められ
る。 【0085】 【数21】 【0086】但し、この実施例では、前記したようにN
=2である。 【0087】かくして、冗長期間τa とτb を除く残り
の冗長期間は除去され、従って、テープパターン上で
は、図4のaの斜線部に示す位置に上記冗長期間τa と
τb が形成される。 【0088】以上によって記録された上記輝度信号Y1
,Y2 と上記色信号C0 の再生にあたっては、上記に
よって形成されたτa とτb の冗長期間内で確実にヘッ
ドの切換が行われるため、再生信号の欠落を生ずること
はなく、また上記冗長期間τaとτb の値を、磁気テー
プの伸縮などによって生ずる時間軸誤差量(スキュー)
より大きくしておけば、それによって信号欠落すること
もない。また、前記図1の説明からも明らかなように、
上記時間軸逆変換回路200は、メモリ204と205
における時間緩衝作用によって、上記再生信号Y1 ,Y
2 ,C0 に含まれる時間軸誤差を除去するように作用す
る。従って、上記のスキューも完全に除去することがで
きる。更には、上記冗長期間τa とτb はヘッドドラム
の回転に同期して磁気テープ3の定位置に変動なく形成
されるため、この冗長期間τa ,τb 内でのヘッド切換
を確実に行わせることができ、互換性を著しく向上でき
る効果が得られる。また、これによって映像信号を1フ
ィールド当り複数のセグメントに分割して記録すること
が容易となり、いいかえれば小形のヘッドドラムを高速
回転して記録することが容易となり、従って、装置の小
型軽量化を図れる効果が得られる。 【0089】以上は、上記冗長期間τの一部(τa ,τ
b )を他の目的に使用した場合の一実施例を示したが、
上記冗長期間τのすべてを他の目的、例えば、映像信号
以外の信号の記録のために使用してもよい。 【0090】図8はその一実施例を示す図である。図8
のaは上記図7のaと同じであり、記録すべき原映像信
号を示す。この原映像信号に含まれる冗長期間は、上記
図7でも述べたように、フィールド当りに換算してτ
(図8aの斜線部の期間τ)であり、映像情報の伝送
(記録再生)に必要最小限の有効期間は、同図aの白ぬ
き部分Vで示すように、(Tv −τ)である。従って、
この有効期間の映像信号Vを(Tv −τ)を越えない範
囲で複数のチャンネルに分割し、例えば、図8のbとc
に示すように2つのチャンネル、即ち第1のチャンネル
の映像信号V1 と第2のチャンネルの映像信号V2 に分
割すれば、斜線部A1 とA2 に示すように、各チャンネ
ル毎に上記冗長期間τに等しい空隙の期間を形成でき、
これを他の目的に使用できる。即ち、上記空隙期間(A
1 ,A2 )に、第3のチャンネルの信号として上記映像
信号(V1 ,V2 )以外の任意の信号、例えば、時間軸
圧縮した音声信号やPCM変調したディジタル信号やト
ラッキング制御のために用いるパイロット信号などを複
数種多重して伝送(記録再生)することができる。 【0091】上記図8の実施例に基づき、上記図1の装
置により上記磁気テープ3に記録形成されるトラックパ
ターンの一例を図4のbに示す。上記図8の空隙期間
(A1,A2 )に多重される信号は、この図4のbの斜
線部に示すエリアAに記録される。なお、この図4のb
の実施例では、各トラックの輝度信号(Y1 ,Y2 )と
色信号(C0 )の各記録エリアの境界Bに上記空隙期間
(A1 ,A2 )の一部を割当てるようにして上記各信号
が記録される。 【0092】以上図8の実施例は、映像信号を2チャン
ネルの記録信号(V1 ,V2 )に変換して記録する場合
を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0093】一般に、Nチャンネルに分割して記録する
場合は、各チャンネル毎にτの空隙期間が形成されるか
ら、この空隙期間の累計値はフィールド当りN×τに等
しくなり、チャンネル数Nが多い程、より多くの任意信
号を記録できるようになり、その分テープの利用効率が
高まる効果が得られる。 【0094】なお、以上の実施例では、上記図2と図3
にも示したように、輝度信号と色信号をそれぞれ個別に
時間軸処理し、それぞれ別個のエリア(上記図4のY1
,Y2 ,C0 に示す各エリア)に記録した場合を示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来か
ら公知の輝度信号と色信号を時分割多重して記録する場
合にも本発明を適用できるものである。 【0095】図9は、その一実施例を示す図である。図
9のa,b,cは、それぞれ原映像信号の輝度信号Y
(図2のYに相当)と2つの色信号C1 とC2 (図3の
C1 とC2 に相当)を示す。図9のdとeは、上記本発
明に基づき上記a,b,cに示す各信号を時間軸処理し
て、基本周期TH'内で時分割多重して得られる2チャン
ネルの信号(S1 とS2 )を示す。一方のチャンネルの
信号S1 は、上記輝度信号Yの奇数番目の信号Y2n-1と
上記色信号C1 の奇数番目の信号C1,2n-1をそれぞれラ
イン単位で時分割多重して形成される。同様に、他方の
チャンネルの信号S2 は、上記輝度信号Yの偶数番目の
信号Y2nと、上記色信号C2 の偶数番目の信号C2,2nを
それぞれライン単位で時分割多重して形成される。これ
ら2つの信号S1 とS2 の基本周期TH'は前記〔数5〕
で与えられ、一般に、N個のチャンネルに分割した場合
の基本周期TH'は、次式で与えられる。 【0096】 【数22】 【0097】これより、上記基本周期TH'は、原映像信
号の一水平走査周期TH のN倍より大きな値(TH'>N
×TH )となり、従って単にN個のチャンネルに分割す
る従来から公知の方法(上記〔数22〕で、τ1 =0と
することに相当する方法)と比べて信号の基本周期が長
くなり、信号の占有帯域を低減できる。なお、上記図9
では基本周期TH'内に輝度信号と色信号を各1ラインず
つ時分割多重した例を示したが、その時分割多重する各
信号のライン数は任意で良く、上記基本周期TH'に含ま
れる信号のライン数を増せば、そのライン毎の水平ブラ
ンキング期間(τH )を削減でき、例えば、上記図3の
dの例では、信号C'2,2n に対応する水平ブランキング
期間τH の全てを削減でき、あるいは、上記図9のd,
eに示す例では、信号Y'2n-1 とY'2n にそれぞれ対応
する水平ブランキング期間τH の全てを削減でき、従っ
てより一層信号の占有帯域を狭めることができる。 【0098】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、広
帯域の映像信号を冗長度最小にして最小の占有帯域で複
数のチャンネルに分割して記録できるため、チャンネル
当りのテープ記録密度を低下でき、小形のヘッドドラム
の使用が可能となり、装置の小形軽量低コスト化が容易
となり、また映像信号以外の任意信号を占有帯域を増加
させずに効率良く多重記録することができ、テープの使
用効率を高めて録画時間を増大できるなどの効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す磁気記録再生装置のブ
ロック図である。 【図2】記録信号波形の一例を示す図である。 【図3】記録信号波形の一例を示す図である。 【図4】テープのトラックパターン図である。 【図5】再生信号波形の一例を示す図である。 【図6】ヘッドドラムの一実施例を示す図である。 【図7】記録信号波形の他の例を示す図である。 【図8】記録信号波形の他の例を示す図である。 【図9】記録信号波形の他の例を示す図である。 【符号の説明】 100…時間軸変換回路、 200…時間軸逆変換回路、 101,102,201,202,203…A/D変換
回路、 121,122,123,221,222,223…D
/A変換回路、 103,104,204,205…メモリ、 111,112,113…同期情報挿入回路、 211…切換回路、 212…変換回路。
ロック図である。 【図2】記録信号波形の一例を示す図である。 【図3】記録信号波形の一例を示す図である。 【図4】テープのトラックパターン図である。 【図5】再生信号波形の一例を示す図である。 【図6】ヘッドドラムの一実施例を示す図である。 【図7】記録信号波形の他の例を示す図である。 【図8】記録信号波形の他の例を示す図である。 【図9】記録信号波形の他の例を示す図である。 【符号の説明】 100…時間軸変換回路、 200…時間軸逆変換回路、 101,102,201,202,203…A/D変換
回路、 121,122,123,221,222,223…D
/A変換回路、 103,104,204,205…メモリ、 111,112,113…同期情報挿入回路、 211…切換回路、 212…変換回路。
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フロントページの続き
(72)発明者 濱口 昌和
神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株
式会社日立製作所家電研究所内
(56)参考文献 特開 昭62−207091(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.周期TH の水平走査線単位の複数のラインの信号で
構成され、垂直走査周 期TV 毎に所定の垂直ブランキン
グ期間τV を有する映像情報であって、該映像情報に係
る第1の情報信号と該映像情報に関連して付随される第
2の情報信号とを第1、第2および第3の3つのチャン
ネルでテープ上の平行かつ斜めの複数のトラックに互い
に隣接させて記録するように配置された複数の回転ヘッ
ドを備える回転ヘッド形記録装置において;上記第1情報信号と第2情報信号とを入力する信号入力
手段と; 上記信号入力手段からの上記第1情報信号より、その垂
直走査周期TV 毎に 上記垂直ブランキング期間τV の一
部の期間τ1 (>TH )の複数のライン (τ1/TH個)
を含む信号(垂直冗長信号)を削除する垂直冗長信号削
除手段 と; 上記垂直冗長信号の削除により残される1垂直走査周期
TV 当たり(TV − τ1)の期間の(TV−τ1)/TH個
のラインを含む情報信号を、各チャンネル でほぼ同数の
ラインを含むように2つのチャンネルに分割する信号分
割手段と ; 上記信号分割手段からの分割された各チャンネル毎の情
報信号をそのライン 毎に時間軸変換して、その水平走査
線単位の基本周期TH'を有する信号に変換 し、かつ、そ
の水平走査線単位の基本周期TH'が上記第1情報信号の
水平走査 周期TH より大きくなるように、最大でも2×
TH/(1−τ1/TV) に等し い値の基本周期TH'を有
する2つのチャンネルの記録信号を生成する信号生成 手
段と; 上記信号生成手段からの2つのチャンネルの 記録信号を
上記第1および第2のチャンネルにそれぞれ対応する2
組の回転ヘッドで上記の平行な斜めの複数のトラックに
順次記録する第1の信号記録手段と;上記信号入力手段からの 上記第2情報信号に含まれる少
なくとも2つのチャンネルの情報信号を単一のチャンネ
ルの記録信号に変換する信号変換手段と; 上記信号変換手段からの単一のチャンネルの記録信号を
上記第3のチャンネルに対応する1組の回転ヘッドで上
記第1情報信号の記録されるトラックに隣接ないし該ト
ラックの長手方向に延長する平行な斜めの複数のトラッ
クに順次記録する第2の信号記録手段と; を備えて構成されることを特徴とする情報信号の記録装
置。 2.周期TH の水平走査線単位の複数のラインの信号で
構成され、垂直走査周 期TV 毎に所定の垂直ブランキン
グ期間τV を有する映像情報であって、該映像情報に係
る第1の情報信号と該映像情報に関連して付随される第
2の情報信号とを第1、第2および第3の3つのチャン
ネルでテープ上の平行かつ斜めの複数のトラックに互い
に隣接させて記録し、それを再生するように配置された
複数の回転ヘッドを備える回転ヘッド形記録再生装置に
おいて;上記第1情報信号と第2情報信号とを入力する信号入力
手段と; 上記信号入力手段からの上記第1情報信号より、その垂
直走査周期TV 毎に 上記垂直ブランキング期間τV の一
部の期間τ1 (>TH )の複数のライン (τ1/TH個)
を含む信号(垂直冗長信号)を削除する垂直冗長信号削
除手段 と; 上記垂直冗長信号の削除により残される1垂直走査周期
TV 当たり(TV − τ1)の期間の(TV−τ1)/TH個
のラインを含む情報信号を、各チャンネル でほぼ同数の
ラインを含むように2つのチャンネルに分割する信号分
割手段と ; 上記信号分割手段からの分割された各チャンネル毎の情
報信号をそのライン 毎に時間軸変換して、その水平走査
線単位の基本周期TH'を有する信号に変換 し、かつ、そ
の水平走査線単位の基本周期TH'が上記第1情報信号の
水平走査 周期TH より大きくなるように、最大でも2×
TH/(1−τ1/TV) に等し い値の基本周期TH'を有
する2つのチャンネルの記録信号を生成する信号生成 手
段と; 上記信号生成手段からの2つのチャンネルの 記録信号を
上記第1および第2のチャンネルにそれぞれ対応する2
組の回転ヘッドで上記の平行な斜めの複数のトラックに
順次記録する第1の信号記録手段と;上記信号入力手段からの 上記第2情報信号に含まれる少
なくとも2つのチャンネルの情報信号を単一のチャンネ
ルの記録信号に変換する信号変換手段と; 上記信号変換手段からの単一のチャンネルの記録信号を
上記第3のチャンネルに対応する1組の回転ヘッドで上
記第1情報信号の記録されるトラックに隣接ないし該ト
ラックの長手方向に延長する平行な斜めの複数のトラッ
クに順次記録する第2の信号記録手段と; 上記第1信号記録手段により上記第1および第2のチャ
ンネルに記録された第1情報信号をチャンネル毎に個別
に再生する第1の信号再生手段と; 上記第2信号記録手段により上記第3のチャンネルに記
録された第2情報信号を再生する第2の信号再生手段
と; 上記第1信号再生手段からの再生情報信号を適宜処理し
て出力する第1の信号出力手段と; 上記第2信号再生手段からの再生情報信号を適宜処理し
て出力する第2の信号出力手段と; を備えて構成されることを特徴とする情報信号の記録再
生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6286281A JP2616719B2 (ja) | 1994-11-21 | 1994-11-21 | 情報信号の記録装置および記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6286281A JP2616719B2 (ja) | 1994-11-21 | 1994-11-21 | 情報信号の記録装置および記録再生装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61074217A Division JP2569006B2 (ja) | 1986-04-02 | 1986-04-02 | 映像信号の記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07170530A JPH07170530A (ja) | 1995-07-04 |
JP2616719B2 true JP2616719B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=17702341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6286281A Expired - Fee Related JP2616719B2 (ja) | 1994-11-21 | 1994-11-21 | 情報信号の記録装置および記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2616719B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015133712A1 (ko) * | 2014-03-06 | 2015-09-11 | 삼성전자 주식회사 | 영상 복호화 방법 및 그 장치, 영상 부호화 방법 및 그 장치 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0683478B2 (ja) * | 1986-03-07 | 1994-10-19 | 松下電器産業株式会社 | テレビジヨン信号の記録方法 |
-
1994
- 1994-11-21 JP JP6286281A patent/JP2616719B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07170530A (ja) | 1995-07-04 |
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