JP2615193B2 - 金属管熱処理装置 - Google Patents

金属管熱処理装置

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JP2615193B2 JP8314689A JP8314689A JP2615193B2 JP 2615193 B2 JP2615193 B2 JP 2615193B2 JP 8314689 A JP8314689 A JP 8314689A JP 8314689 A JP8314689 A JP 8314689A JP 2615193 B2 JP2615193 B2 JP 2615193B2
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秀幸 高森
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、細径長尺管の熱処理に適した直接通電式の
金属管熱処理装置に関する。
〔従来の技術〕
金属管熱処理装置の一種として、直接通電式熱処理装
置が特公昭59−6893号公報に開示されている。この装置
は、金属管を水平状態で両端クランプし、クランプ治具
を介して金属管を通電加熱するものである。これによる
と、金属管は自己発熱により短時間で所定温度まで加熱
され、加熱された後はクランプのまま浴槽に浸漬され
る。加熱およびその後の冷却に伴う金属管の長さ変動
は、クランプ治具の移動により吸収されるようになって
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような従来の直接通電式熱処理装置では、管が露
出しているために、マッフル炉の如き雰囲気保持は不可
能であり、またベッセル内に管を収容して雰囲気保持を
可能にしたとしても、金属管が両端クランプで水平に支
承される関係から、細径長尺管では管のたわみが問題に
なる。また、長尺管の場合にはベッセル内への管セット
も問題になる。
熱処理中の管のたわみを防ぐには、管を垂直状態で支
持するのが有効であり、特開昭63−100129号公報には、
管を垂直状態で支持する堅形の金属管熱処理装置が開示
されている。
しかし、この装置は直接通電型ではなく高周波加熱型
であり、したがって、管のたわみは防止できても管全体
を短時間で加熱することは不可能である。また、たとえ
この形式を直接通電式に適用しても、雰囲気保持のため
に管全体をベッセル内に収容する場合には、前述したと
おり長尺管のベッセル内へのセットが困難という問題が
ある。
本発明は、これらの問題を全て解決し、細径長尺管の
場合にもセットが容易で管のたわみもなく、なお且つ管
全体を所定雰囲気下で短時間に熱処理することが可能な
金属管熱処理装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の熱処理装置は、金属管に通電を行って該金属
管を加熱し熱処理する直接通電式の金属管熱処理装置で
あって、水平状態と垂直状態に起伏自在な傾動架台と、
該傾動架台に支承され相互間で軸心方向に離脱着可能な
伸縮構造の分割ベッセルとを備えている。そして該分割
ベッセルは、前記傾動架台の先端側および基端側にそれ
ぞれ位置して対向側の端が開放し反対向側の端が閉塞し
た2つのベッセルからなり、2のベッセルが軸心方向に
離脱した状態で一方のベッセルの閉塞側の端から他方の
ベッセルの開放側の端までの距離が前記金属管の全長を
超えると共に前記一方のベッセルが前記他方のベッセル
の軸心外へ退避できるように構成されている。また、前
記傾動架台の先端側に位置するベッセルは閉塞側の端に
通電可能な管クランプおよび管内外面へのシールガス供
給排出孔を有し、基端側に位置するベッセルは閉塞側の
端に通電可能な管クランプおよび管内外面へのシールガ
ス供給排出孔を有すると共に軸心方向へ移動自在に設け
られている。
〔作用〕
傾動架台を水平状態に伏臥させ、ベッセルの一方を他
方から離脱させて他方の軸心外へ退避させることによ
り、細径長尺管の場合も管を水平移動させながら一方の
ベッセル内へ容易に装入できる。2つのベッセルが離脱
した状態で一方のベッセルの閉塞側の端から他方のベッ
セルの開放側の端までの距離が管全長を超えるので、管
が装入された一方のベッセルを他方のベッセルの軸心内
へ戻すときに管が他方のベッセルと干渉しない。両方の
ベッセルを同心状に結合し、両方のベッセルに備わる管
クランプで両端をクランプし、且つ傾動架台を垂直に起
立させた状態で、ベッセル内をガスで置換後に管クラン
プを介して管に通電を行えば、管全体が所定雰囲気中で
通電加熱により短時間で加熱処理される。加熱処理中、
管は垂直状態にあり、且つ架台基端側のベッセルは管ク
ランプと共に軸心方向に自由に移動し得るので、管に自
重および熱膨張によるひずみは生じない。加熱後は管全
体をガス冷却でき、その場合にあっても管の収縮は架台
基端側のベッセルの移動により吸収される。処理後は、
傾動架台を水平状態に戻し、一方のベッセルを他方のベ
ッセルから離脱させそのベッセルの軸心外へ退避させれ
ば、管を水平状態でベッセル外へ容易に退出させること
ができる。
〔実施例〕
以下に本発明をその実施例に基づいて更に詳しく説明
する。
第1図は本発明を実施した熱処理装置の全体構造を示
す側面図である。
本発明の熱処理装置は、第1図に示すように、固定架
台1と該固定架台1に水平軸2にて基端側が回動可能に
支持された傾動架台3とを備えている。傾動架台3は、
長尺のプレート部材4と、その背後に設けられた三角形
状の補強部材5と、該補強部材5の基端側に設けた略1/
4円の大ギア6とを有している。
大ギア6は、第2図(a)(b)に示すように、前記
水平軸2を回転軸としており、該回転軸は固定架台1に
ベアリング7,7にて回転可能に支承されている。固定架
台1内には、モータ8およびこれにジョイント10により
連結されたギアボックス9が配設されている。ギアボッ
クス9は、水平軸2に平行な回転軸に支持された小ギア
11を有し、小ギア11は大ギア6に係合している。
水平軸2にて支承された傾動架台3は、モータ8の作
動により図示の垂直な起立状態から傾動して水平な伏臥
状態に移行し、またモータ8が逆方向に回転することに
より、伏臥状態から起立状態に移行する。伏臥状態で傾
動架台3のプレート部材4はその表面を上方に向ける。
なお、固定架台1の前方、第1図で右側には、被熱処理
材である管の移送ライン(図示せず)が連設されてい
る。
管を収容するベッセル12は、前記傾動架台3のプレー
ト部材4表面側に、その長手方向全長にわたって設けら
れている。ベッセル12は上ベッセル13と下ベッセル14と
からなり、いずれも金属製の円筒部材である。上ベッセ
ル13は、ベッセル12の全長の大部分を占めており、その
上端は閉塞されて、プレート部材4の先端直下に位置し
ている。上ベッセル13の下端は開放し、途中は複数のジ
ョイント15にて連結されるとともに、プレート部材4に
上端部支持機構16および複数のガイド17によりベッセル
軸心方向および軸心に対して離反する方向へ可動に支持
されている。短尺の下ベッセル14は上端開放、下端閉塞
で、下部支持機構18により軸心方向にのみ可動になって
いる。
第3図はベッセル12の要部である上端部支持機構16お
よび下端部支持機構18の部分を拡大して示した斜視図、
第4図は同じく縦断側面図である。また、第5図(a)
(b)は上端部支持機構16を詳示し、第6図(a)
(b)は下端部支持機構18を詳示している。
上ベッセル13の上端部を支持する上端部支持機構16で
は、第3図〜第5図に示すように、傾動架台3のプレー
ト部材4表面にその長手方向に延在するリニアガイド20
が固定されている。リニアガイド20に摺動可能に嵌合す
るスライドブロック21は、ナット部22を有し、ナット部
22には、リニアガイド20の上方にてプレート部材4に保
持材23により保持されたスクリュウ24が螺合している。
プレート部材4の上端に固定部材25にて固定されたモー
タ26は、その回転軸がカップリング27を介して前記スク
リュウ24の上端に連結されており、その回転軸の正逆回
転によりスライドブロック21をプレート部材4に沿って
往復移動させる。
上ベッセル13は、上記ナット部22正面側に、プレート
部材4の長手方向に平行するヒンジ29を支点として側方
へ旋回し得るように保持されている。この上ベッセル13
は、通常は下ベッセル14の軸心上に位置し、この状態
で、その下端部が下ベッセル14の上端部内に挿入され、
両者はシールリング37により気密連結される。上ベッセ
ル13は又、前記モータ26の駆動によるスライドブロック
21の往復動にともなって移動し、スライドブロック21が
先端側へ移動した状態で上ベッセル13の下端部が下ベッ
セル14の上端部から抜け、上ベッセル13内の管36も下ベ
ッセル14から完全に抜けるようになっている。この状態
で上ベッセル13は上記ヒンジ29を支点として下ベッセル
14の軸心外に退避する。
上ベッセル13の上端部をなすクランプ冷却水給排ノズ
ル28aを有するクランプ部28は、その閉塞上端面にガス
供給ノズル30を有し、正面側には、上ベッセル13を旋回
させるための旋回レバー31、ガス排出ノズル32および管
クランプ用のシリンダー33を有している。シリンダー33
は、そのロッド34先端がクランプ部28内に装入された半
円弧状の可動クランプ35に連結しており、そのロッド34
の伸出により被処理材である管36の一端部を、可動クラ
ンプ35によりクランプ部28の内周面に押圧して、クラン
プ部28内に同心状に固定するようになっている。
クランプ部28はその少なくとも内周部分が導電材料か
らなり、該導電部分に接続される通電端子61および給電
ケーブル(図示せず)を介して、クランプ部28内に固定
された管36の一端部に給電が行えるようになっている。
ガス供給ノズル30からは管36の内部にガスが供給され、
ガス排出ノズル32からは上ベッセル13内の管36外面側雰
囲気ガスが排出される。なお、上ベッセル13の上端部近
傍の内周面は、管36が容易にクランプ部28内に挿入され
るようにテーパ面になっている。
下ベッセル14の下端部を支持する下端部支持機構18で
は、第3図、第4図および第6図に示すように、上端部
支持機構16と同様にプレート部材4の表面にリニアガイ
ド40が固着され、これにスライドブロック41が摺動可能
に嵌合している。スライドブロック41の正面側には連結
部42を介して、クランプ冷却水給排ノズル43a(図示で
は一方のみ示す)を有するクランプ部43が設けられてい
る。クランプ部43は下ベッセル14の下端部をなし、スラ
イドブロック41の移動にともなって下ベッセル14全体を
プレート部材4の長手方向に自由に移動させると共に、
内部に半円弧状の可動クランプ44を有し、該可動クラン
プ44がシリンダー45のロッド46に押圧されることによ
り、管36の下端部をクランプ部43内に同心状に固定す
る。
クランプ部43は管36に通電を行うために、少なくとも
その内周面部分は導電材料ででき、通電端子62に接続さ
れている。また、クランプ部43の側面には、管36の内部
ガスを排出するためのガス排出ノズル47と、下ベッセル
14内の管36の外周側にガスを供給するためのガス供給ノ
ズル48とが設けられている。クランプ部43の下端部近傍
の内周面は、クランプ部43内に管36が容易に挿入され得
るようにテーパ面になっている。
クランプ部43の下端部には、管36の支承部である可動
ロッド63が同心状に挿入されている。可動ロッド63は、
下ベッセル14に対してステー64により一体的に設けられ
たガイドチューブ65に軸心方向に可動に支承されてい
る。ガイドチューブ65の上方にはスプリング66が装入さ
れ、これにより可動ロッド63が先端側へ弾発的に押圧さ
れている。クランプ部43内に管36が挿入されると、可動
ロッド63が管端に押されて移動する。また、管36の挿入
にともなう可動ロッド63の移動がセンサー67により検知
され、管36の挿入検知が行われる。
プレート部材4長手方向に可動に支承された下ベッセ
ル14は、リニアガイド40上方のプレート部材4表面に固
着された定トルクバネ50にて保持されている。定トルク
バネ50は、傾動架台3が垂直に起立した状態で下ベッセ
ル14が上下方向の力を受けないように、下ベッセル14、
スライドブロック41、連結部42、クランプ部43等の合計
重量に見合う引張力を与えられている。したがって、下
ベッセル14は、連結部42の上に積載されるカウンターウ
エイト51の重量分だけ、傾動架台3が起立した状態で下
向きの力を受ける。
リニアガイド40下方のプレート部材4の表面に固定部
材53にて取付けられたシリンダー52は、この下向きの力
によって下方へ移動する下ベッセル14を所定位置に保持
しておくためのストッパーであり、そのロッド54が伸出
した状態で連結部42を支承する。ロッド54が縮退した状
態では、下ベッセル14はロッド54による拘束を失ってカ
ウンタウエイト51の重量に見合う力で下方へ下降する。
このような構成になる本発明の熱処理装置では、管36
が次のようにして熱処理される。
モータ8の回転により傾動架台3を水平な伏臥状態に
する。これによりベッセル12も水平になる。この状態で
モータ26の回転により上ベッセル13を先端側へ限界まで
移動させる。これにより上ベッセル13の下端部が下ベッ
セル14の上端部から抜け、且つ上ベッセル13の上端から
下ベッセル14の上端までの間に、管36の全長を超える寸
法が与えられる。こうしておいて旋回レバー31の操作に
より上ベッセル13全体を側方へ旋回させる。これにより
上ベッセル13は下ベッセル14の軸芯外へ退出する。そし
て、固定架台1の前方に設けた移送ラインを搬送されて
きた管36を上方ベッセル13内にその開放下端より挿入す
る。
上ベッセル13内に管36が挿入されると、管36の先端部
を上ベッセルのクランプ部28内に固定する。この固定
は、シリンダー33の動作により可動クランプ35で管36の
先端部を押圧することにより行われる。
管36の先端部がクランプ部28内に固定されると、モー
タ8を逆方向に回転させて傾動架台3を伏臥状態から垂
直な起立状態に移行させる。この時、管36はたわむが、
上ベッセル13は管36と略同じ長さを有し、その内部で管
36が効果的に保持されるので、そのたわみは僅かで問題
となるような変形に至ることはない。又、下ベッセル14
のストッパーであるシリンダー52は、そのロッド54を伸
出させた状態にあり、これにより下ベッセル14は傾動架
台3の起立にともなう下降が阻止され、傾動架台3が完
全に起立した状態では所定の高さに保持される。
傾動架台3が完全に起立すると、管36は上ベッセル13
内で懸吊されることになる。そして、この状態で旋回レ
バー31の操作により上ベッセル13全体を下ベッセル14に
対して同芯になるまで旋回させる。
なお、旋回レバー31の操作による上下ベッセル13,14
の同芯調整は傾動架台3が水平状態である間に行っても
よい。上ベッセル13の上端から下ベッセル14の上端まで
の長さは、前述したように、管36の全長より長く、上ベ
ッセル13内に保持された管36の下端は下ベッセル14の上
端より上方に位置しているので、上ベッセル13の旋回に
あたって管36が障害になることはない。
上ベッセル13が下ベッセル14に対して同芯になるまで
旋回すると、モータ26を再び回転させて上ベッセル13を
降下させる。上ベッセル13の降下により管36の下部が下
ベッセル14内に挿入され、下端部がクランプ部43内に挿
入される。この挿入はセンサ67により検知される。そし
て、シリンダー45の作動により下端部を可動クランプ44
によりクランプ部43内に固定する。この時点で、上ベッ
セル13の下端部は下ベッセル14の上端部内に挿入され、
該上端部との間がシール材37により気密にシールされ
る。
このようにしてベッセル12内の気密保持が行われる
と、下ベッセル14のストッパーであるシリンダー52のロ
ッド54を縮退させ、管36の熱処理を行なう。ロッド54の
縮退により、下ベッセル14、スライドブロック41、連結
部42、クランプ部43、シリンダー45等は管36に懸吊され
る状況になるが、これらはその自重に見合う力で定トル
クバネ50により上方へ引かれているので、管36はバラン
スウエイト51の重量と同等の荷重でのみ下方へ引かれ
る。なお、この荷重は管36の加熱時の引張強さ未満に設
定されている。
管36の熱処理は、ステンレス鋼管の固溶化処理の場合
は、例えば次のような順序で行なわれる。
先ず、ガス供給ノズル30および48よりN2ガスを供給す
る。ガス供給ノズル30からのN2ガス供給により管36の内
部に上方よりN2ガスが供給され、管36の内部空気が下方
のガス排出ノズル47を介して外部へ排出される。これに
より管36の内部がN2ガスで置換される。また、ガス供給
ノズル48からのN2ガス供給により、ベッセル12内の管36
外周側部分に下方よりN2ガスが供給され、その部分の空
気が上方のガス排出ノズル32を介して外部へ排出され
る。これにより、ベッセル12内の管外周側部分がN2ガス
で置換される。
ベッセル12内の管36の内外周部分がN2ガスで置換され
ると、同様にしてベッセル12内をH2ガスで置換する。ベ
ッセル12内をH2ガスで置換するに先だってN2ガスで置換
するのはベッセル12内の空気を直接H2ガスで置換する
と、爆発の危険が生じるからである。
ベッセル12内がH2ガスで置換された後は、ベッセル12
のクランプ部28および43を介して管36に通電を行なう。
これにより管36はH2雰囲気中で加熱される。加熱により
管36が軸方向に延びるが、管36は上端部がクランプ部28
に固定され、下端部がバランスウェイト51の重量に相当
する荷重で下方に引かれているので、管36の軸方向延び
にともなって下ベッセル14が上ベッセル13に対して下降
し、管36にたわみが生じることなくその延びが吸収され
る。
管36が所定温度で均熱された後は、ガス供給ノズル30
および48よりH2ガスをベッセル12内に供給する。ベッセ
ル12内のH2ガスはガス排出ノズル32および47より排出さ
れる。ガス供給ノズル30からのH2ガス供給によりベッセ
ル12内の管36の内面側部分をH2ガスが上方から下方へ流
通する。逆にベッセル12内の管36の外面側部分では、ガ
ス供給ノズル48からのガス供給によりH2ガスが下方から
上方へ流通する。これにより管36はその軸方向で可及的
均等に冷却される。
すなわち、H2ガスを管36の内外で同方向、例えば上方
から流通させた場合には、管36は下流側と比べて上流側
で冷却が進み、軸方向で冷却むらが生じるが、上記のよ
うに管36の内外で異なる方向にH2ガスを流通させた場合
には、この管軸方向での冷却むらが是正される。
また、管36の冷却にともなう管軸方向の縮みは、バラ
ンスウェイト51の重量に抗して下ベッセル14が上ベッセ
ル13に対して上昇することにより吸収される。
管36の冷却が終了すると、ベッセル12内の管36の内外
面側をN2ガスで置換した後、更に空気で置換する。しか
る後、下側のクランプ部43で管36の拘束を解除し、モー
タ26の駆動により上ベッセル13を上昇させて、上ベッセ
ル13および管36の両下端部を下ベッセル14内より上方へ
引き抜く。
引き抜き終了後は、上ベッセル13を下ベッセル14の軸
心から退避させ、モータ8の駆動により傾動架台3を起
立状態から水平な伏臥状態に傾動させ、上側のクランプ
部28で管36の拘束を解除した後、管36を上ベッセル13外
へ引き抜き、次の管の熱処理に備える。
以上の如くして、管36はたわみを生じることなく、短
時間で能率よく熱処理される。外径4.7〜13mm、長さ〜4
000mmのステンレス鋼管を固溶化処理する場合のヒート
パターンを第7図に示すが、加熱、均熱、冷却に要する
時間は最大でも35秒であり、ベッセル12内への材料装入
およびベッセル12外への材料抽出ならびにベッセル12内
のガス置換を含めても、1時間当り40本程度の管が処理
できる。
なお、上記実施例では上ベッセル13と下ベッセル14と
の離脱着を上ベッセル13の駆動(軸方向移動、旋回)で
行っているが、下ベッセル14の駆動あるいは両方のベッ
セル駆動でこれを行うことができる。
〔発明の効果〕
本発明の金属管熱処理装置は、管をベッセル内の所定
雰囲気中で直接通電加熱により能率的に熱処理すること
ができる。また、ベッセルを使用するにもかかわらずベ
ッセルが傾動架台とともに傾動し且つ十分な離脱動作お
よび退避動作を行うので、細径長尺管の場合にもベッセ
ルに対する管の装入抽出を容易に行うことができ、全体
的な処理時間を著しく短縮する。更に、管の加熱冷却に
ともなう管軸方向の伸び縮みが架台基端側のベッセルの
移動により吸収され、管にたわみが生じない。したがっ
て、作業能率の向上および管品質の向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す金属管熱処理の側面図、
第2図(a)および(b)はその要部を示す側面図およ
び正面図、第3図および第4図は別の要部を示す斜視図
および断面図、第5図(a)および(b)ならびに第6
図(a)および(b)は更に詳細な構造を示す側面図お
よび平面図、第7図は熱処理パターンを示すヒートパタ
ーン図である。 図中、1:固定架台、3:下ベッセル、3:回動架台、12:ベ
ッセル、13:上ベッセル、14:下ベッセル、28,43:クラン
プ部、30,48:ガス供給ノズル、32,47:ガス排出ノズル。
フロントページの続き (72)発明者 高田 真 兵庫県尼崎市東向島西之町1番地 住友 金属工業株式会社綱管製造所内 (72)発明者 加納 洋一 兵庫県尼崎市東向島西之町1番地 住友 金属工業株式会社綱管製造所内 (72)発明者 岸原 重樹 神奈川県川崎市川崎区殿町2丁目8番3 号 第一高周波工業株式会社機器事業部 内 (72)発明者 高森 秀幸 神奈川県川崎市川崎区殿町2丁目8番3 号 第一高周波工業株式会社機器事業部 内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属管に通電を行って該金属管を加熱し熱
    処理する直接通電式の金属管熱処理装置であって、水平
    状態と垂直状態に起伏自在な傾動架台と、該傾動架台に
    支承され相互間で軸心方向に離脱着可能な伸縮構造の分
    割ベッセルとを備えており、 該分割ベッセルは、前記傾動架台の先端側および基端側
    にそれぞれ位置して対向側の端が開放し反対向側の端が
    閉塞した2つのベッセルからなり、且つ2のベッセルが
    軸心方向に離脱した状態で一方のベッセルの閉塞側の端
    から他方のベッセルの開放側の端までの距離が前記金属
    管の全長を超えると共に前記一方のベッセルが前記他方
    のベッセルの軸心外へ退避できるように構成されてお
    り、 更に前記傾動架台の先端側に位置するベッセルは閉塞側
    の端に通電可能な管クランプおよび管内外面へのシール
    ガス供給排出孔を有し、基端側に位置するベッセルは閉
    塞側の端に通電可能な管クランプおよび管内外面へのシ
    ールガス供給排出孔を有すると共に軸心方向へ移動自在
    に設けられていることを特徴とする金属管熱処理装置。
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