JP2614949C - - Google Patents

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JP2614949C
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optical fiber
oxygen concentration
cylinder
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Fujikura Ltd
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、光ファイバの樹脂被覆形成方法に係わり、特に樹脂被覆表面のタッ
クを低減させることにより、単心線で使用する際のハンドリング性、保存安定性 を向上させ、また、後加工時の取扱性を向上させるものである。 【0002】 【従来の技術】 従来より、光ファイバの樹脂被覆を形成するには、光ファイバ母材を線引炉に
入れて、所定の径の光ファイバ裸線を線引した後、コーティングダイを通して光
ファイバ外周面に紫外線硬化型樹脂を塗布し、塗布された樹脂に紫外線を照射し
て硬化させた後、巻取る方法が一般に行なわれている。 【0003】 図4は、従来使用されていた光ファイバ被覆形成装置の一例を示すものである
この装置は、光ファイバ裸線あるいは既に樹脂被覆を形成した光ファイバ素線等
の光ファイバ1を通過させつつ、その外周面に紫外線硬化型樹脂をコーティング
するコーティングダイ2と、コーティングダイ2により外周面に樹脂をコーティ
ングされた光ファイバ3を連続的に通過させつつ、UVランプで紫外線を照射し
て光ファイバ外周面に塗布された樹脂を硬化させるUV照射装置4とを備えて構
成されている。このUV照射装置4を通過して樹脂が硬化した光ファイバ5はフ
ァイバ引取機に送られる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前述した従来の被覆形成装置の場合には、コーティングダイ2
からUV照射装置までの間は、樹脂コーティングを終えた光ファイバ3が外気と
接しているため、紫外線照射装置4内に外気を巻き込むことになり、紫外線を照
射しても、樹脂表面層は硬化が不十分になってしまう。すなわち、紫外線硬化型
樹脂層全体として見れば見かけ状は硬化しているものの、その表面層だけは他部
よりも硬化度が低くなってしまう。 【0005】 この原因については次のように考えられる。一般に酸素はラジカル捕捉効果の
あることが知られている。一方、紫外線硬化型樹脂中に含まれる光開始剤は紫外
線を照射されることによりラジカル分子に開裂するが、酸素が近傍にあると生成
したラジカル分子は紫外線硬化型樹脂モノマーよりも酸素と反応してしまい、硬 化反応が起こらなくなる。 【0006】 このように被覆表面の硬化度が低下した光ファイバは、被覆表面がベタつき、
表面タック性が多いものとなる。そしてこのような光ファイバは、被覆に着色を
施す工程で、送出張力が不安定になり、また着色インクの塗布性が悪く、さらに
被覆の表面にゴミが付着しやすいなどの理由から、着色不良を生じる問題があっ
た。また表面がベタつき、表面タック性が多いことから、得られた被覆ファイバ
を単心線として使用する場合のハンドリング性が低下し、特に融着接続する際に
取扱性が悪い問題があった。 【0007】 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、樹脂被覆表面のタックを低減させ
ることにより、単心線で使用する際のハンドリング性、保存安定性を向上させ、
また、後加工時の取扱性を向上させる被覆形成方法の提供を目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】 かかる課題は、光ファイバの外周面に紫外線硬化型樹脂をコーティングダイで
コーティングした直後から、これにUV照射装置において紫外線を照射して該紫
外線硬化型樹脂を硬化させるまでの操作を、酸素濃度が1%以下の雰囲気下で行
なうために、コーティングダイとUV照射装置とを筒体で気密に接続し、この筒
に形成された供給口より筒体内に酸素を含まないガスを供給するとともに上記
筒体に取り付けられた酸素濃度センサにより筒体内の酸素濃度を測定する光ファ
イバの被覆形成方法によって解消される。 【0009】 また、上記の被覆形成方法を実施するための装置として、光ファイバの外周面
に紫外線硬化型樹脂をコーティングするコーティングダイと、このコーティング
ダイにより外周面に紫外線硬化型樹脂がコーティングされた光ファイバに紫外線
を照射して該樹脂を硬化させるUV照射装置と、該コーティングダイとUV照射
装置とを接続するとともに内部に光ファイバを通過させる接続体を有し、 この接続体は、該コーティングダイと該UV照射装置とを気密に接続する筒体 と、この筒体内に酸素を含まないガスを供給する供給口と上記筒体内の酸素濃度
を測定する酸素濃度センサを有し、上記供給口より酸素を含まないガスを筒体内
に供給するとともに酸素濃度を測定し、筒体内およびUV照射装置の内部を酸素
濃度1%以下の雰囲気とするようにした光ファイバの被覆形成装置が好適に使用
される。 【0010】 【作用】 光ファイバの外周面に紫外線硬化型樹脂をコーティングした後、紫外線を照射
して該樹脂を硬化させるまでの操作を、酸素濃度が1%以下の雰囲気下で行なう
ことによって、樹脂表面の硬化度の低下を防止することができ、樹脂被覆表面の
硬化度が十分な光ファイバが得られる。 【0011】 【実施例】 図1は、本発明に係わる光ファイバの被覆形成装置の一実施例を示すものであ
る。この装置は、光ファイバ10の外周面に紫外線硬化型樹脂をコーティングす
るコーティングダイ11と、外周面に紫外線硬化型樹脂をコーティングした光フ
ァイバ12に紫外線を照射してこの樹脂を硬化させるUV照射装置13と、コー
ティングダイ11とUV照射装置13とを気密に接続する筒体14を有し、この
筒体14内に光ファイバ12を通過させるとともに筒体14内とUV照射装置1
3内部とを酸素濃度1%以下の雰囲気に保持する接続体15とを備えて構成され
ている。 【0012】 上記接続体15は、筒体14と、この筒体14のUV照射装置13側に設けら
れた供給口16を通して筒体14内に窒素ガス等の酸素を含まないガスを供給す
るための供給装置(図示せず)と、筒体14に取り付けられ、筒体14内の酸素
濃度を測定する酸素濃度センサ17を備えて構成されている。上記筒体14は、
そのUV照射装置13側が該装置13の光ファイバ通路に連通しており、筒体1
4内に供給されるガスによって筒体14内とUV照射装置13内とを酸素濃度1
%以下の低酸素雰囲気に保持できるようになっている。 【0013】 本発明に係わる被覆形成方法では、このような装置を用い、光ファイバ10の
外周面に紫外線硬化型樹脂(未硬化樹脂)をコーテイングした後、この光ファイ
バに紫外線を照射して硬化させるまでの操作を、接続体15によってコーテイン
グ済ファイバ12の表面が外気に触れる事無く、酸素濃度1%以内の低酸素雰囲
気で行なう。この時の酸素濃度が1%を越えると、形成される被覆の表面層のゲ
ル分率が低下し、表面がベタつくような被覆が形成されることになり好ましくな
い。 【0014】 この筒体14内およびUV照射装置13内の酸素濃度は、センサ17により常
時モニタしておくことが望ましく、万一酸素濃度が1%を越えた場合には、被覆
形成操作を一旦停止するか、あるいは供給ガス(無酸素ガス)の流量を上げて、
低酸素濃度雰囲気を維持する。 【0015】 このような被覆形成方法を行なうことによって、未硬化樹脂をコーティングし
た光ファイバ12を外気と接する事無く酸素濃度1%以下の低酸素雰囲気下で紫
外線照射して樹脂を硬化させることができ、表面層だけ硬化度が低くなる不都合
を防止できるので、被覆表面の硬化が充分な光ファイバ18が得られる。この光
ファイバ18は、その被覆表面のベタつきがないので、巻取リールから送出の際
の送出張力の変動が小さく、かつ着色層形成のための着色インクの塗布性がよく
、さらに被覆の表面にゴミが付着し難いことなどから、被覆表面への着色が容易
となる。また得られた被覆ファイバを単心線として使用する場合にも、ベタつき
がないのでハンドリング性が良好となり、融着接続する際の取扱性も良好となる
。 【0016】 なお、本発明は、光ファイバの1層の被覆形成にのみ限定される事無く、既に
別の被覆が形成された光ファイバ素線への被覆形成に適用することができ、さら
にまた、図1に示す被覆形成装置を縦に2つ以上接続することにより、紫外線硬
化型樹脂からなる2層以上の被覆を有する光ファイバ心線の被覆形成においても
適用させることができる。 【0017】 (実験例) 図1に示した装置を縦に2つ並べ、光ファイバにウレタンアクリレート系紫外
線硬化型樹脂からなる2層の被覆を有する光ファイバを作製した。この光ファイ
バ裸線は外径125μm、プライマリコート外径が200μm、セカンダリコー
ト外径が250μmとなるように設定した。 【0018】 それぞれの被覆形成装置の接続体内の酸素濃度雰囲気を種々に設定して各樹脂
被覆を形成して光ファイバ素線とし、ボビンに巻き取った。ついで、この光ファ
イバ素線を再度ボビンから送り出し着色装置に送り込んで条長10kmにわたり
、着色層を形成する際の送出張力(設定張力50g)を測定し、被覆形成時の酸
素濃度と張力変動幅との関係を調べた。その結果を図2に試料1として示した。
また、同様にして得られた光ファイバの被覆表面のゲル分率を測定し、被覆形成
時の酸素濃度とゲル分率の関係を調べ、その結果を図3に試料1として示した。
なお、これら図2および図3中で白丸で示した試料2は、従来法によりコーティ
ングダイとUV照射装置の間に接続体を設けずに樹脂コーティングされた光ファ
イバを外気と接触させた状態で被覆形成したものである。 【0019】 図2および図3に示したように、コーティングダイとUV照射装置の間に接続
体を設けて酸素濃度を1%以下に調節して被覆を形成した場合には、樹脂のゲル
分率が高くなり、着色した時の送出張力の変動が小さくなり、表面硬化度の高い
樹脂被覆が形成された。 【0020】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、光ファイバの外周面に未硬化樹脂をコ
ーティングした光ファイバが外気と接する事無く酸素濃度1%以下の低酸素雰囲
気下で紫外線照射して樹脂を硬化させることができ、表面層だけ硬化度が低くな
る不都合を防止できるので、被覆表面の硬化が充分な光ファイバが得られる。こ
のファイバは送出張力の変動が小さく着色インクの塗布性がよく、さらに被覆の 表面にゴミが付着し難いことなどから、表面への着色が容易となる。また得られ
た被覆ファイバを単心線として使用する場合にもハンドリング性が良好となり、
融着接続する際の取扱性も良好となるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例を示す被覆形成装置の側面図である。 【図2】 本発明に係わる実験例の結果を示すもので、光ファイバ被覆形成
時の酸素濃度と得られた光ファイバの張力変動幅の関係を示すグラフである。 【図3】 同じく光ファイバ被覆形成時の酸素濃度と被覆のゲル化分率の関
係を示すグラフである。 【図4】 従来の被覆形成装置の一例を示す側面図である。 【符号の説明】 10,12・・・光ファイバ、11・・・コーテイングダイ(コーテイング手段)、1
3・・・UV照射装置(硬化手段)、14・・・筒体、15・・・接続体

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 紫外線硬化型樹脂からなる被覆を有する光ファイバの被覆形成
    方法において、 光ファイバの外周面に紫外線硬化型樹脂をコーティングダイでコーティングし
    た直後から、これにUV照射装置において紫外線を照射して該紫外線硬化型樹脂
    を硬化させるまでの操作を、酸素濃度が1%以下の雰囲気下で行なうために、コ
    ーティングダイとUV照射装置とを筒体で気密に接続し、この筒体に形成された
    供給口より筒体内に酸素を含まないガスを供給するとともに上記筒体に取り付け
    られた酸素濃度センサにより筒体内の酸素濃度を測定することを特徴とする光フ
    ァイバの被覆形成方法。 【請求項2】 光ファイバの外周面に紫外線硬化型樹脂をコーティングするコ
    ーティングダイと、このコーティングダイにより外周面に紫外線硬化型樹脂がコ
    ーティングされた光ファイバに紫外線を照射して該樹脂を硬化させるUV照射装
    置と、該コーティングダイとUV照射装置とを接続するとともに内部に光ファイ
    バを通過させる接続体を有し、 この接続体は、該コーティングダイと該UV照射装置とを気密に接続する筒体
    と、この筒体内に酸素を含まないガスを供給する供給口と、上記筒体内の酸素濃
    度を測定する酸素濃度センサを有し、 上記供給口より酸素を含まないガスを筒体内に供給するとともに、酸素濃度を
    測定し、筒体内およびUV照射装置の内部を酸素濃度1%以下の雰囲気とするよ
    うにしたことを特徴とする光ファイバの被覆形成装置。

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