JP2614197B2 - 緑青発色処理液の再利用方法 - Google Patents

緑青発色処理液の再利用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緑青発色処理廃液中に
溶解された銅イオンを除去して発色原液として再利用す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人工緑青の発色原液には、主成分として
当初から緑青を生成する成分である銅イオンを含有する
ものと、そうでないもの、即ち当初には銅イオンを含ま
ないが化成反応中に銅板の素地から銅イオンが溶出させ
るように仕込まれたもの、とに大別される。緑青発色処
理廃液とは、人工緑青の発色処理に用いた発色原液の処
理後の回収液のことである。当初から銅イオンを含有す
る発色原液としては、例えば特公昭57−52425号
公報に示されるような硫酸銅、硫酸アンモニウム及び塩
化アンモニウムを主成分とする酸性溶液がある。この発
色処理廃液も、銅イオンを主成分とするが、再利用は困
難で、産業廃棄物として処理されていた。一方、緑青成
分の銅イオンを含まない発色原液としては、塩化アルミ
ニウムを主成分として含む酸性溶液がある。この発色処
理廃液は、銅イオンを含有する塩化アルミニウム酸性溶
液であり、銅イオンと共に中間物質として生成した極微
細な塩基性塩化第二銅の沈澱物が含有されるため、中和
処理し、廃液処理されていた。
【0003】そして、従来より銅イオンを含有する酸性
溶液から銅を除去するこれまでの一般的な方法として
は、 硫化物として沈澱分離する(=硫化脱銅法), 中和法により銅を沈澱させる(=中和法), 金属鉄或いは金属亜鉛によるセメンテーションで沈澱
銅として分離する, 等の方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
〜の方法を銅イオンを含有する緑青発色処理廃液に適
用しても以下の問題点を生じるため、再利用することが
できなかった。まず、前記の硫化脱銅法では、銅イオ
ンを硫化銅として分離することは可能であるが、用いた
硫化水素ガスが、処理廃液中に残留して微妙に周辺に漂
い、基材の銅板表面に付着し、黒化汚染させるという問
題点を生ずる。また、前記の中和法では、銅イオンを
水酸化銅として沈澱分離することは可能であるが、水酸
化銅の沈澱に伴って主成分のアルミニウムが水酸化アル
ミニウムとして共沈するという問題点を生ずる。さら
に、前記の金属鉄或いは金属亜鉛による脱銅方法で
は、銅イオンを沈澱銅として除去することは可能である
が、脱銅のため溶解した鉄イオン又は亜鉛イオンが処理
廃液中に混入するため回収して再利用する際に発色工程
で生成した緑青の色調が不調和となるという問題点を生
ずる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提
案されたもので、塩化アルミニウムを含有する緑青発色
処理廃液から銅イオンを除去するに当たり、金属アルミ
ニウムを添加して銅イオンを沈澱銅として除去し、しか
も金属アルミニウムが溶解して塩化アルミニウム濃度が
高められ、他成分の混入を回避したクローズド方式の緑
青発色処理液の再利用方法に関するものである。
【0006】本発明に用いる緑青発色処理液は、銅板に
作用させた際に以下のような反応を生ずると考えられ
る。 (1)塩化第一銅の発生(化成反応) AlCl3 + H2 O → Al(OH)3 + HCl 2Cu + 2HCl → 2CuCl + H2 ↑ (2)オゾンによる酸化反応と加水分解反応 ここで、オゾン等を作用させて強制酸化を行うと、以下
のような反応をたどって緑青(塩基性塩化第二銅)Cu
Cl2 ・3Cu(OH)3 が生成すると考えられる。 Cu + O3 → CuO + O2 CuO + 2HCl → CuCl2 + H2 O CuO + H2 O → Cu(OH)2 CuCl2 + 2H2 O → Cu(OH)2 +2HCl 3Cu + O3 + 3H2 O → 3Cu(OH)2 6CuCl+ O3 + 3H2 O → 3CuCl2 +3Cu(OH)2 CuCl2 + 3Cu(OH)2 → CuCl2 ・3Cu(OH)2 したがって、回収した緑青発色処理廃液の中には、Al
3+、Cu2+、Cl- などの各イオンと、CuCl2 ・3
Cu(OH)2 、Al(OH)3 、CuCl、Cu(O
H)2 などの各沈澱物とが混在すると考えられる。
【0007】本発明では上記緑青発色処理廃液中に、金
属アルミニウムを添加するのであるが、緑青発色処理廃
液中の銅イオンと金属アルミニウムとの置換反応は次の
ように進行することが考えられる。銅とアルミニウムの
標準電極電位はそれぞれ Cu2+ + 2e → CuO 0.337EO /V Al3+ + 3e → AlO −1.662EO /V である。アノード反応は、 AlO → Al3+ + 3e・・・・・・・・・・・・(1) カソード反応は、 CuO → Cu2+ + 2e・・・・・・・・・・・・(2) となり、反応の総体は 2AlO + 3Cu2+ → 2Al3+ + 3CuO ・・・(3) となる。緑青発色処理廃液のpHは1.5〜3.0であ
り、このpH領域において上記の反応が常温で進行し、
沈澱銅が生成すると考えられる。また、緑青発色処理廃
液中には銅イオンの他、濾過困難でやっかいな中間生成
物である塩基性塩化第二銅の極微細な沈澱物が含有され
ているが、銅イオンと金属アルミニウムとの置換反応に
よって沈澱銅が生成する際に、この塩基性塩化銅の極微
細な沈澱物と共沈するため、デカンテーション等による
沈澱銅の分離処理が容易となる。
【0008】尚、金属アルミニウムの添加量は、緑青発
色処理廃液中に含まれる銅イオンを沈澱銅とするのに必
要な量であればよいが、水素発生反応が併行して起るた
め、当量添加量の1.2倍量以上であればよい。
【0009】沈澱銅を分離した緑青発色処理廃液(以
下、脱銅処理後液という)は、透明性が高く、成分調整
を行い、発色原液として繰り返し再利用しても、この脱
銅処理後液を用いて処理された緑青銅板の色調は、新た
に調製した発色処理液を用いた場合と比較して何等影響
のないことがわかった。
【0010】
【実施例】
[実施例1]塩化アルミニウム(AlCl3 )を主成分
とし、Al…30g/l,Cu…20g/l,Cl-
110g/l,中間沈澱物…50g/l(乾量)を含有
する緑青発色処理廃液100lを用い、ゆるやかに攪拌
しつつ、アルミニウムメタルチップ(Al)を1000
g添加して常温で5時間脱銅処理を実施した。続いてデ
カンテーションにより沈澱銅と反応残のアルミニウムを
分離し、脱銅処理後液98lを得た。脱銅処理後液の組
成は、Al…38g/l,Cu…0.03g/l,Cl
- …110g/l、pHは2.6であった。脱銅処理後
液は、主成分の濃度をAl…31g/l,Cu…0.0
2g/l,Cl- …140g/l、pH…1.88に調
整し、緑青発色原液として再利用した結果、発色した緑
青の色調には全く影響がなく、上記脱銅処理を5回繰り
返して緑青発色原液として再利用した結果でも緑青の色
調に全く影響のないことを確認した。
【0011】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範
囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施す
ることができる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように本発明の緑青発色処
理液の再利用方法は、銅イオンを含有する緑青発色廃液
中から金属アルミニウムとの置換反応により沈澱銅とし
て容易に除去し、しかも添加した金属アルミニウムが溶
解して塩化アルミニウム濃度が高められ、他成分が混入
して緑青発色の色合いが変化することもなく、再利用す
ることができるものである。したがって、人工緑青銅板
の製品へのコスト低減の効果は極めて大きく、且つ産業
廃棄物再利用の面でも寄与したことの効果は大きい。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化アルミニウムを含有する緑青発色処
    理廃液から銅イオンを除去するに当たり、金属アルミニ
    ウムを添加して銅イオンを沈澱銅として除去すると共に
    この脱銅処理後液を繰り返し発色原液として用いること
    を特徴とする緑青発色処理液の再利用方法。
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