JP2613559B2 - Squid磁束計 - Google Patents

Squid磁束計

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JP2613559B2
JP2613559B2 JP6140690A JP14069094A JP2613559B2 JP 2613559 B2 JP2613559 B2 JP 2613559B2 JP 6140690 A JP6140690 A JP 6140690A JP 14069094 A JP14069094 A JP 14069094A JP 2613559 B2 JP2613559 B2 JP 2613559B2
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健一 岡島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SQUID(Supercon
ducting Quantum Interference Device :超伝導量子干
渉デバイス)を使用して磁場を計測するSQUID磁束
計に係り、より詳しくは、ジョセフソン接合部の臨界電
流値の揺らぎに起因する低周波領域における1/f雑音
を低減しうるSQUID磁束計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、SQUIDは、図5(A)に示す
ように、液体ヘリウムや液体窒素等により断熱容器(ク
ライオスタット等)内で低温状態に維持された超伝導リ
ング101内に2つのジョセフソン接合102,103
を備えて構成される。このSQUIDの端子104,1
05にバイアス電流源106からバイアス電流を流した
状態で、ピックアップコイルや入力コイル等を介して超
伝導リング101内に磁束が鎖交すると、超伝導リング
101に周回電流が誘起され、リング内のジョセフソン
接合102,103における量子的な干渉効果により、
入力磁束に対応した出力電圧がジョセフソン接合10
2,103の両端、すなわち端子104,105間に発
生するため、微弱な磁場変化を出力電圧の大きな変化に
変換するトランスデューサとして動作するもので、特に
高感度磁束計として利用される。このSQUID磁束計
は、現在得られる磁束計の中では最も感度が高く、ま
た、その応答が非常に早く、数GHz (ギガヘルツ)ない
し数10GHz で動作し、生体の神経電流によって発生す
る生体磁場の計測や、材料の非破壊検査などの分野でそ
の応用が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、SQUID磁
束計には以下の問題点がある。まず、SQUIDの物理
的特性から、入力磁束と出力電圧が磁束量子(Φo =
2.07fWb)を1周期とする周期関数となるため、
SQUIDからの出力電圧を計測するだけでは入力磁束
量は得られない、という問題点がある。さらに、2つの
ジョセフソン接合の臨界電流が熱的に揺らぐことに起因
する1/f雑音が発生する、という問題点がある。上記
のうち、第1の問題点については、SQUID出力の検
出回路を工夫することによって解決を図っている。すな
わち、SQUID出力を増幅し、さらにその出力を磁束
の形でSQUIDリングに帰還させる方法である。この
方法により、SQUIDリング内は磁束が特定の値(動
作点)に保たれ、この動作点からの変位磁束に対してS
QUIDは電圧を発生することになる。このようなSQ
UID動作方式は、SQUID出力をループ状にSQU
IDに帰還させSQUIDリング内磁束を特定の値に保
持(磁束ロック)して動作するため、磁束ロックループ
(FLL:Flux Locked Loop)方式と呼ばれ、SQUI
Dを磁束計として動作させる上で公知の技術となってい
る。
【0004】一方、1/f雑音の低減方法としては、S
QUIDに印加されるバイアス電流をプラス、マイナス
に交互に変化させ、両方のバイアス信号での出力を積分
する方法が提案されている。すなわち、SQUIDのジ
ョセフソン接合に流す電流Iとジョセフソン接合の両端
に発生する電圧Vとの関係(I−V特性)では、図5
(B)に示すように、特定の電流値(臨界電流)までは
超伝導性が保持され電圧は発生しない。ジョセフソン接
合にながれる電流がこの臨電流を超えると、ジョセフ
ソン接合は常伝導となり、その両端に電圧が発生する。
ここで、SQUIDリングに外部磁束が鎖交すると、外
部磁束による遮蔽電流によりI−V特性が変化する。こ
こでSQUIDに一定のバイアス電流を流しながら外部
磁束を変化させると、SQUIDの出力電圧は、図5
(C)に示すように、磁束量子(Φo=2.07fW
b)を1周期として変化する。この電圧Vと外部磁束Φ
との関係はV−Φ特性と呼ばれる。バイアス電流を正、
負とするとそれぞれV−Φ特性が得られ、それぞれのV
−Φ特性の位相は2つのジョセフソン接合の臨電流値
の違いによって決定される。すなわち、2つのジョセフ
ソン接合の臨電流値が等しい場合には、V=0におい
て正・負2つのV−Φ特性は対称となる。これに対し、
2つのジョセフソン接合の臨電流値が異なる場合に
は、正・負2つのV−Φ特性はΦ軸方向で逆向きにずれ
る。また、外部磁束がSQUIDリングを鎖交した場合
には、正・負2つのV−Φ特性はΦ軸方向で同じ向きに
ずれる。以上のことから、2つのV−Φ特性を用いるこ
とにより、外部磁束による磁気信号と、2つのジョセフ
ソン接合の臨電流揺らぎによる電圧雑音(1/f雑
音)を区別することができる。ここで、SQUIDの動
作点は、出力電圧を大きくするためV−Φ特性の最も急
峻な点(傾きの最大の点。たとえば、V−Φ曲線の傾斜
の中点など。)が選ばれる。
【0005】以下に、上記の1/f雑音低減方法に関す
る従来技術の問題点を述べる。まず、第1の従来技術と
して、米国特許 USP 4,389,612号が挙げられるが、この
特許で開示された従来技術は、図6(A)に示すような
構成をとり、図6(B)に示すように、SQUID1に
対する変調磁束とバイアス電流とを同期して変化させ、
SQUID1の出力電圧を位相検波器7Eで検波し、積
分器6で積分した後、変調帰還コイル8によりSQUI
D1に帰還する方法である。この場合、変調磁束の周波
数とバイアス電流の周波数は異なり、バイアス電流の周
波数のほうが変調磁束周波数よりも高くなっている。S
QUIDの動作点は、図6(C)に示すように、図6
(C)中の(a)と(d)を2往復した後、(b)と
(c)を2往復する。位相検波器7Eでの検波信号は、
図6(B)に示すように、バイアス電流信号と変調磁束
信号の排他的論理和(Exclusive OR)となる。ここで、
排他的論理和をとった検波信号は、デューティが50%
ではなく、振幅振動やジッタなどの問題がある。さら
に、この方法を採用する場合には、検波信号を論理回路
を用いて作成しなければならず、論理回路による雑音が
問題となる。また、2つのジョセフソン接合の臨界電流
値が異なった場合には、図6(D)に示すように、正・
負バイアス時のV−Φ特性の位相が異なるため、動作点
がV−Φ特性の最も急峻な点からずれてしまう、という
問題がある。この問題は、実効的な磁束電圧変換率が小
さくなることに相当し、白色雑音のレベル増大を引き起
こす、という問題もあった。
【0006】次に第2の従来技術として、Journal of L
ow Temperature Physics,Vol.51,Nos.1/2,pp.207-224(1
983)で開示された技術が挙げられるが、この第2の従来
技術は、図7(A)に示すような構成をとり、図7
(B)に示すように、SQUID1に対する変調磁束と
バイアス電流とを同期して変化させ、SQUID1の出
力電圧を位相検波器7Fで検波し、積分器6で積分した
後、変調帰還コイル8によりSQUID1に帰還する方
法である。この場合、変調磁束の周波数とバイアス電流
の周波数は異なり、変調磁束周波数のほうがバイアス電
流周波数よりも高くなっている。さらに、負のバイアス
電流を印加した際に同期して、磁束量子Φoの1/2の
大きさの磁束をSQUIDリングに加える。SQUID
の動作点は、図7(C)に示すように、図7(C)中の
(a)と(b)を複数回往復した後、(c)と(e)を
複数回往復する。位相検波器7Fでの検波信号は、図7
(B)に示すように、バイアス電流信号と変調磁束信号
の排他的論理和(Exclusive OR)となる。ここで、排他
的論理和をとった検波信号は、デューティが50%では
なく、振幅振動やジッタなどの問題がある。さらに、こ
の方法を採用する場合には、検波信号を論理回路を用い
て作成しなければならず、論理回路による雑音が問題と
なる。また、2つのジョセフソン接合の臨界電流値が異
なった場合には、図7(D)に示すように、正・負バイ
アス時のV−Φ特性の位相が異なるため、動作点がV−
Φ特性の最も急峻な点からずれてしまう、という問題が
ある。この問題は、実効的な磁束電圧変換率が小さくな
ることに相当し、白色雑音のレベル増大を引き起こす、
という問題もあった。
【0007】次に第3の従来技術として、電子情報通信
学会論文誌C−II、Vol.J72-C-II、No.2,pp.148-157(19
89) で開示された技術が挙げられるが、この第3の従来
技術は、図8(A)に示すような構成をとり、図8
(B)に示すように、SQUID1に対する変調磁束と
バイアス電流とを同期して変化させ、SQUID1の出
力電圧を位相検波器7Gで検波し、積分器6で積分した
後、変調帰還コイル8によりSQUID1に帰還する方
法である。この場合、変調磁束の周波数とバイアス電流
の周波数は異なり、変調磁束周波数のほうがバイアス電
流周波数よりも高くなっている。SQUIDの動作点
は、図8(C)に示すように、図8(C)中の(a)と
(b)を複数回往復した後、(d)と(c)を複数回往
復する。位相検波器7Fでの検波信号は、図8(B)に
示すように、バイアス電流信号と変調磁束信号の排他的
論理和(Exclusive OR)となる。ここで、排他的論理和
をとった検波信号は、デューティが50%ではなく、振
幅振動やジッタなどの問題がある。さらに、この方法を
採用する場合には、検波信号を論理回路を用いて作成し
なければならず、論理回路による雑音が問題となる。ま
た、2つのジョセフソン接合の臨界電流値が異なった場
合には、図8(D)に示すように、正・負バイアス時の
V−Φ特性の位相が異なるため、動作点がV−Φ特性の
最も急峻な点からずれてしまう、という問題がある。こ
の問題は、実効的な磁束電圧変換率が小さくなることに
相当し、白色雑音のレベル増大を引き起こす、という問
題もあった。
【0008】次に第4の従来技術として、米国電気電子
学会(IEEE)のTransaction onMagnetics,Vol.25,N
o.2,pp.1034-1037(1989) で開示された技術が挙げられ
るが、この第4の従来技術は、図9(A)に示すような
構成をとり、図9(B)に示すように、SQUID1に
対する変調磁束とバイアス電流とを同期して変化させ、
SQUID1の出力電圧を積分器6で積分した後、変調
帰還コイル8によりSQUID1に帰還する方法であ
る。SQUIDの動作点は、図9(C)に示すように、
図9(C)中の(a)と(c)または(b)と(d)を
交互に移動する。信号は変調されないため、直流成分を
含み、信号増幅のための磁束トランスを使用することが
できない。そのため、きわめてローノイズの直流アンプ
が必要になる、という問題がある。さらに、この方法に
よってSQUIDの低周波雑音(1/f雑音)が減少す
るものの、回路自身の持つ低周波雑音(1/f雑音)の
除去は不可能である、という問題がある。さらに、2つ
のジョセフソン接合の臨界電流値が異なった場合には、
図9(D)に示すように、正・負バイアス時のV−Φ特
性の位相が異なるため、動作点がV−Φ特性の最も急峻
な点からずれてしまう、という問題がある。この問題
は、実効的な磁束電圧変換率が小さくなることに相当
し、白色雑音のレベル増大を引き起こす、という問題も
あった。
【0009】第5の従来技術として、米国電気電子学会
(IEEE)のTransaction on Magnetics,Vol.25,No.
2,pp.1034-1037(1989) で開示された技術が挙げられる
が、この第5の従来技術は、図10(A)に示すような
構成をとり、図10(B)に示すように、SQUID1
に対する変調磁束とバイアス電流とを同期して変化さ
せ、第2高調波を位相検波器7Jで検波し積分器6で積
分した後、変調帰還コイル8によりSQUID1に帰還
する方法である。これは、図10(C)に示すように、
SQUIDの動作点を、図10(C)中の(a)→
(f)→(c)→(f)→(a)と変化させることに相
当する。この方法では、ゼロレベル(f)を信号の間に
挟むため、磁束電圧変換率は低減し、1/f雑音は減少
するものの、白色雑音は増加する、という問題がある。
さらに、2つのジョセフソン接合の臨界電流値が異なっ
た場合には、図10(D)に示すように、正・負バイア
ス時のV−Φ特性の位相が異なるため、動作点がV−Φ
特性の最も急峻な点からずれてしまう、という問題があ
る。この問題は、実効的な磁束電圧変換率が小さくなる
ことに相当し、白色雑音のレベル増大を引き起こす、と
いう問題もあった。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、ジョセフソン接合部の臨界電流値
の揺らぎに起因する低周波領域における1/f雑音を効
果的に低減しうるSQUID磁束計を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願の第1の発明に係るSQUID磁束計は、ジョ
セフソン接合を有するSQUIDリングを有し被験体か
らの磁気信号に対応して電圧を発生するSQUIDと、
当該SQUIDにバイアス電流を供給する手段と、前記
SQUIDからの検知磁束信号を変調する手段と、前記
SQUIDからの出力電圧を増幅する手段と、変調され
た信号を復調する手段と、復調された信号を前記SQU
IDに磁気的に帰還する手段とを備え、前記SQUID
リング内の磁束を特定の値である動作点に保ち、外部磁
束の当該動作点からの変化分に対して電圧出力するよう
な帰還動作を行うSQUID磁束計において、前記バイ
アス電流を正と負に交番させるとともに、正バイアス時
に2つの動作点を、かつ負バイアス時に2つの動作点
を、それぞれ設定し、これらの動作点のうち2つまたは
4つの動作点を順次移動させ、前記ジョセフソン接合の
物理的特性の揺らぎに起因する雑音を除去するように構
成される。上記において、前記正負バイアス印加時に、
前記SQUIDリング内に異なる磁束を供給し、かつそ
の磁束量の差が磁束量子の1/2を超えることがないよ
うに構成してもよい。また、本願の第2の発明に係るS
QUID磁束計は、ジョセフソン接合を有するSQUI
Dリングを有し被験体からの磁気信号に対応して電圧を
発生するSQUIDと、当該SQUIDにバイアス電流
を供給する手段と、前記SQUIDからの検知磁束信号
を変調する手段と、前記SQUIDからの出力電圧を増
幅する手段と、増幅された信号を前記SQUIDに磁気
的に帰還する手段とを備え、前記SQUIDリング内の
磁束を特定の値である動作点に保ち、外部磁束の当該動
作点からの変化分に対して電圧出力するような帰還動作
を行うSQUID磁束計において、前記バイアス電流を
正と負に交番させるとともに、正バイアス時の2つの動
作点のうちの一方の動作点と負バイアス時の2つの動作
点のうちの一方の動作点を交互に移動させ、前記ジョセ
フソン接合の物理的特性の揺らぎに起因する雑音を除去
するように構成される。上記において、前記正負バイア
ス印加時に、前記SQUIDリング内に異なる磁束を供
給し、かつその磁束量の差が磁束量子の1/2を超える
ことがないように構成してもよい。
【0012】
【作用】上記構成を有する本発明によれば、正バイアス
と負バイアスでそれぞれ動作点を設定しており、SQU
ID内の2つのジョセフソン接合の臨界電流の相違によ
るV−Φ特性の位相のずれを補正する磁束を外部から加
えている。このため、2つのジョセフソン接合の臨界電
流値が異なった場合に正・負バイアス時のV−Φ特性の
位相が異なっても、補正磁束により動作点はV−Φ特性
の最も急峻な点を保持し、従来のようにSQUID内の
2つのジョセフソン接合の物理的パラメータ(臨界電流
値)の揺らぎに起因するSQUID磁束計の低周波雑音
(1/f雑音:フリッカー雑音)を除去することができ
る。したがって、最大の実効的磁束電圧変換率得ら
れ、白色雑音のレベル増大も生じない。また、論理回路
等を使用しないため、論理回路による雑音の問題は生じ
ない。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明の第1実施例であるSQUID磁束計
の構成およびその動作を示したものである。このSQU
ID磁束計は、図1(A)に示すような構成をとり、図
1(B)に示すように、SQUID1に対する変調磁束
とバイアス電流とを1/2波長ずらして変化させ、SQ
UID1の出力電圧を位相検波器7Aで検波し、積分器
6で積分した後、変調帰還コイル8によりSQUID1
に帰還する方法である。このような構成により、本実施
例では、正バイアスと負バイアスでそれぞれ2つの動作
点を設定している。また、図1(B)に示すように、S
QUID内の2つのジョセフソン接合の臨界電流の相違
によるV−Φ特性の位相のずれを補正する磁束ΔΦ(実
際には、磁束量の異なる2つの磁束を付与する。)を外
部から加えている。また、この場合、ΔΦの大きさは磁
束量子Φo の1/2を超えないように設定する。
【0014】この場合、変調磁束の周波数とバイアス電
流の周波数は等しくなっている。SQUIDの動作点
は、図1(C)に示すように、図1(C)中で(a)→
(b)→(c)→(d)を順次移動する。
【0015】位相検波器7Aでの検波信号は、図1
(B)に示すように、バイアス電流信号と変調磁束信号
の排他的論理和(Exclusive OR)となる。ここで、排他
的論理和をとった検波信号は、デューティが50%であ
り、振幅振動やジッタなどの問題は生じない。さらに、
この方法を採用する場合には、検波信号を論理回路を使
用しないで作成することができ、論理回路による雑音の
問題は生じない。
【0016】また、2つのジョセフソン接合の臨界電流
値が異なった場合には、図1(D)に示すように、正・
負バイアス時のV−Φ特性の位相が異なるが、図1
(B)に示すように、正・負のバイアス電流を印加した
際に同期してΔΦの大きさの磁束が補正磁束SQUID
リングに加えられているので、ΔΦの補正磁束により動
作点はV−Φ特性の最も急峻な点を保持し、従来のよう
にSQUID内の2つのジョセフソン接合の物理的パラ
メータ(臨界電流値)の揺らぎに起因するSQUID磁
束計の低周波雑音(1/f雑音)を除去することができ
る。したがって、実効的な磁束電圧変換率は減少せず最
大の値を得ることができ、白色雑音のレベル増大も生じ
ない。
【0017】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図2は本発明の第2実施例であるSQUID磁束計
の構成およびその動作を示したものである。このSQU
ID磁束計は、図2(A)に示すような構成をとり、図
2(B)に示すように、SQUID1に対する変調磁束
とバイアス電流とを同期して変化させ、SQUID1の
出力電圧を位相検波器7Bで検波し、積分器6で積分し
た後、変調帰還コイル8によりSQUID1に帰還する
方法である。このような構成により、本実施例では、正
バイアスと負バイアスでそれぞれ2つの動作点を設定し
ている。また、図2(B)に示すように、SQUID内
の2つのジョセフソン接合の臨界電流の相違によるV−
Φ特性の位相のずれを補正する磁束ΔΦ(実際には、磁
束量の異なる2つの磁束を付与する。)を外部から加え
ている。また、この場合、ΔΦの大きさは磁束量子Φo
の1/2を超えないように設定する。
【0018】この場合、変調磁束の周波数とバイアス電
流の周波数は異なり、バイアス電流周波数のほうが変調
磁束周波数よりも高くなっている。SQUIDの動作点
は、図2(C)に示すように、図2(C)中で(a)→
(c)→(b)→(d)を順次移動するか、あるいは、
その逆の(d)→(b)→(c)→(a)を順次移動す
る。
【0019】位相検波器7Bでの検波信号は、図2
(B)に示すように、バイアス電流信号と変調磁束信号
の排他的論理和(Exclusive OR)となる。ここで、排他
的論理和をとった検波信号は、デューティが50%であ
り、振幅振動やジッタなどの問題は生じない。さらに、
この方法を採用する場合には、検波信号を論理回路を使
用しないで作成することができ、論理回路による雑音の
問題は生じない。
【0020】また、2つのジョセフソン接合の臨界電流
値が異なった場合には、図2(D)に示すように、正・
負バイアス時のV−Φ特性の位相が異なるが、図2
(B)に示すように、正・負のバイアス電流を印加した
際に同期してΔΦの大きさの磁束が補正磁束SQUID
リングに加えられているので、ΔΦの補正磁束により動
作点はV−Φ特性の最も急峻な点を保持し、従来のよう
にSQUID内の2つのジョセフソン接合の物理的パラ
メータ(臨界電流値)の揺らぎに起因するSQUID磁
束計の低周波雑音(1/f雑音)を除去することができ
る。したがって、実効的な磁束電圧変換率は減少せず最
大の値を得ることができ、白色雑音のレベル増大も生じ
ない。
【0021】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。図3は本発明の第3実施例であるSQUID磁束計
の構成およびその動作を示したものである。このSQU
ID磁束計は、図3(A)に示すような構成をとり、図
3(B)に示すように、SQUID1に対する変調磁束
とバイアス電流とを同期して変化させ、SQUID1の
出力電圧を位相検波器7Cで検波し、積分器6で積分し
た後、変調帰還コイル8によりSQUID1に帰還する
方法である。このような構成により、本実施例では、正
バイアスと負バイアスでそれぞれ2つの動作点を設定し
ている。また、図3(B)に示すように、SQUID内
の2つのジョセフソン接合の臨界電流の相違によるV−
Φ特性の位相のずれを補正する磁束ΔΦ(実際には、磁
束量の異なる2つの磁束を付与する。)を外部から加え
ている。また、この場合、ΔΦの大きさは磁束量子Φo
の1/2を超えないように設定する。
【0022】この場合、変調磁束の周波数とバイアス電
流の周波数は異なり、変調磁束周波数のほうがバイアス
電流周波数よりも高くなっている。SQUIDの動作点
は、図3(C)に示すように、図3(C)中で(a)→
(c)→(d)→(b)を順次移動するか、あるいは、
その逆の(b)→(d)→(c)→(a)を順次移動す
る。
【0023】位相検波器7Cでの検波信号は、図3
(B)に示すように、バイアス電流信号と変調磁束信号
の排他的論理和(Exclusive OR)となる。ここで、排他
的論理和をとった検波信号は、デューティが50%であ
り、振幅振動やジッタなどの問題は生じない。さらに、
この方法を採用する場合には、検波信号を論理回路を使
用しないで作成することができ、論理回路による雑音の
問題は生じない。
【0024】また、2つのジョセフソン接合の臨界電流
値が異なった場合には、図3(D)に示すように、正・
負バイアス時のV−Φ特性の位相が異なるが、図3
(B)に示すように、正・負のバイアス電流を印加した
際に同期してΔΦの大きさの磁束が補正磁束SQUID
リングに加えられているので、ΔΦの補正磁束により動
作点はV−Φ特性の最も急峻な点を保持し、従来のよう
にSQUID内の2つのジョセフソン接合の物理的パラ
メータ(臨界電流値)の揺らぎに起因するSQUID磁
束計の低周波雑音(1/f雑音)を除去することができ
る。したがって、実効的な磁束電圧変換率は減少せず最
大の値を得ることができ、白色雑音のレベル増大も生じ
ない。
【0025】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。図4は本発明の第4実施例であるSQUID磁束計
の構成およびその動作を示したものである。このSQU
ID磁束計は、図4(A)に示すような構成をとり、図
4(B)に示すように、SQUID1に対する変調磁束
とバイアス電流とを同期して変化させ、SQUID1の
出力電圧を積分器6で積分した後、変調帰還コイル8に
よりSQUID1に帰還する方法である。このような構
成により、本実施例では、正バイアスと負バイアスでそ
れぞれ2つの動作点を設定している。また、図4(B)
に示すように、SQUID内の2つのジョセフソン接合
の臨界電流の相違によるV−Φ特性の位相のずれを補正
する磁束ΔΦ(実際には、磁束量の異なる2つの磁束を
付与する。)を外部から加えている。また、この場合、
ΔΦの大きさは磁束量子Φo の1/2を超えないように
設定する。
【0026】この場合、変調磁束の周波数とバイアス電
流の周波数は等しくなっている。SQUIDの動作点
は、図4(C)に示すように、図4(C)中で(a)と
(d)の間、または(b)と(c)の間を順次移動す
る。
【0027】この方法を採用する場合には、検波信号を
論理回路を使用しないで作成することができ、論理回路
による雑音の問題は生じない。
【0028】また、2つのジョセフソン接合の臨界電流
値が異なった場合には、図4(D)に示すように、正・
負バイアス時のV−Φ特性の位相が異なるが、図4
(B)に示すように、正・負のバイアス電流を印加した
際に同期してΔΦの大きさの磁束が補正磁束SQUID
リングに加えられているので、ΔΦの補正磁束により動
作点はV−Φ特性の最も急峻な点を保持し、従来のよう
にSQUID内の2つのジョセフソン接合の物理的パラ
メータ(臨界電流値)の揺らぎに起因するSQUID磁
束計の低周波雑音(1/f雑音)を除去することができ
る。したがって、実効的な磁束電圧変換率は減少せず最
大の値を得ることができ、白色雑音のレベル増大も生じ
ない。
【0029】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではない。上記実施例は、例示であり、本発明の特
許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な
構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる
ものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0030】たとえば、上記実施例では、位相補正のた
めに加える補正磁束ΔΦは、正バイアス時のV−Φ特性
が負バイアス時のV−Φ特性よりも位相が進んでいる場
合を例にとって説明したが、これには限定されず、他の
位相ずれの場合であっても本発明は上記実施例と全く同
様に応用可能である。
【0031】さらに、上記実施例における増幅器は、ト
ランジスタやOPアンプからなる増幅器のみに限定され
るものではなく、前記回路素子からなる増幅器とコイル
から構成されるトランスやタンク回路とを組み合せても
よい。また、その周波数特性は必ずしも平坦である必要
はない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、上記構成を有する
本発明によれば、正バイアスと負バイアスでそれぞれ動
作点を設定しており、SQUID内の2つのジョセフソ
ン接合の臨界電流の相違によるV−Φ特性の位相のずれ
を補正する磁束を外部から加えている。このため、2つ
のジョセフソン接合の臨界電流値が異なった場合に正・
負バイアス時のV−Φ特性の位相が異なっても、補正磁
束により動作点はV−Φ特性の最も急峻な点を保持し、
従来のようにSQUID内の2つのジョセフソン接合の
物理的パラメータ(臨界電流値)の揺らぎに起因するS
QUID磁束計の低周波雑音(1/f雑音:フリッカー
雑音)を除去することができる。したがって、最大の実
効的磁束電圧変換率得られ、白色雑音のレベル増大も生
じない。また、論理回路等を使用しないため、論理回路
による雑音の問題は生じない、という利点も有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSQUID磁束計における1/f
雑音低減方法の第1実施例を説明する図である。
【図2】本発明に係るSQUID磁束計における1/f
雑音低減方法の第2実施例を説明する図である。
【図3】本発明に係るSQUID磁束計における1/f
雑音低減方法の第3実施例を説明する図である。
【図4】本発明に係るSQUID磁束計における1/f
雑音低減方法の第4実施例を説明する図である。
【図5】従来技術における問題点を説明する図(1)で
ある。
【図6】従来技術における問題点を説明する図(2)で
ある。
【図7】従来技術における問題点を説明する図(3)で
ある。
【図8】従来技術における問題点を説明する図(4)で
ある。
【図9】従来技術における問題点を説明する図(5)で
ある。
【図10】従来技術における問題点を説明する図(6)
である。
【符号の説明】
1 SQUID 5 増幅器 6 積分器 7A〜7J 位相検波器 8 変調帰還コイル 9A〜9J 発振器 10A〜10G カウンタ 11E,11G Exclusive OR回路 12 波形処理器 101 超伝導リング 102,103 ジョセフソン接合 104,105 端子

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジョセフソン接合を有するSQUIDリ
    ングを有し被験体からの磁気信号に対応して電圧を発生
    するSQUIDと、当該SQUIDにバイアス電流を供
    給する手段と、前記SQUIDからの検知磁束信号を変
    調する手段と、前記SQUIDからの出力電圧を増幅す
    る手段と、変調された信号を復調する手段と、復調され
    た信号を前記SQUIDに磁気的に帰還する手段とを備
    え、前記SQUIDリング内の磁束を特定の値である動
    作点に保ち、外部磁束の当該動作点からの変化分に対し
    て電圧出力するような帰還動作を行うSQUID磁束計
    において、 前記バイアス電流を正と負に交番させるとともに、正バ
    イアス時に2つの動作点を、かつ負バイアス時に2つの
    動作点を、それぞれ設定し、これらの動作点のうち2つ
    または4つの動作点を順次移動させ、前記ジョセフソン
    接合の物理的特性の揺らぎに起因する雑音を除去するこ
    とを特徴とするSQUID磁束計。
  2. 【請求項2】 前記正負バイアス印加時に、前記SQU
    IDリング内に異なる磁束を供給し、かつその磁束量の
    差が磁束量子の1/2を超えることがないように構成し
    たことを特徴とする請求項1に記載したSQUID磁束
    計。
  3. 【請求項3】 ジョセフソン接合を有するSQUIDリ
    ングを有し被験体からの磁気信号に対応して電圧を発生
    するSQUIDと、当該SQUIDにバイアス電流を供
    給する手段と、前記SQUIDからの検知磁束信号を変
    調する手段と、前記SQUIDからの出力電圧を増幅す
    る手段と、増幅された信号を前記SQUIDに磁気的に
    帰還する手段とを備え、前記SQUIDリング内の磁束
    を特定の値である動作点に保ち、外部磁束の当該動作点
    からの変化分に対して電圧出力するような帰還動作を行
    うSQUID磁束計において、 前記バイアス電流を正と負に交番させるとともに、正バ
    イアス時の2つの動作点のうちの一方の動作点と負バイ
    アス時の2つの動作点のうちの一方の動作点を交互に移
    動させ、前記ジョセフソン接合の物理的特性の揺らぎに
    起因する雑音を除去することを特徴とするSQUID磁
    束計。
  4. 【請求項4】 前記正負バイアス印加時に、前記SQU
    IDリング内に異なる磁束を供給し、かつその磁束量の
    差が磁束量子の1/2を超えることがないように構成し
    たことを特徴とする請求項に記載したSQUID磁束
    計。
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