JP2613542B2 - 地中連続壁の継手清掃機 - Google Patents

地中連続壁の継手清掃機

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JP2613542B2
JP2613542B2 JP16328293A JP16328293A JP2613542B2 JP 2613542 B2 JP2613542 B2 JP 2613542B2 JP 16328293 A JP16328293 A JP 16328293A JP 16328293 A JP16328293 A JP 16328293A JP 2613542 B2 JP2613542 B2 JP 2613542B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は地中連続壁の継手清掃機
に係り、特に後行エレメントの施工前に行う継手清掃作
業において、エレメント継手部の仕切鋼板や継手鉄筋の
表面に付着したマッドケーキやスライムを確実に除去で
きるようにした地中連続壁の継手清掃機に関する。
【0002】
【従来の技術】地中連続壁は仮設山留め壁としてのみな
らず、地下空間を利用する大規模な構造物の2方向耐側
圧壁としてあるいは耐震壁として利用され、その構造上
の利点が広く認められている基礎構造である。長大橋梁
や超高層ビル等の施工においては、まず土圧、水圧を受
ける剛性の高い仮設山留め壁として利用され、次いで本
体構築において基礎構造あるいは本体構造の一部として
採用されている。このようにその用途が広がるにつれ
て、施工精度や構造上の強度に対しての仕様も厳しいも
のとなり、設計及び施工上において種々の検討や対策が
なされている。
【0003】特に、地中連続壁は大規模な場所打ち鉄筋
コンクリート構造であるため、施工状態の良否が構造物
の品質を大きく左右する。このため掘削からコンクリー
ト打設までの一連の施工段階で十分な施工管理が求めら
れている。通常、地中連続壁はその施工形状、延長、掘
削機械の規模等から複数のエレメントに割り付けられ、
まず先行エレメント部分の壁体が所定の施工サイクルで
築造され、その後先行エレメントの壁体を接続するよう
に隣接する後行エレメントが施工され、連続した地中壁
が完成する。このように地中連続壁は複数の壁体が連結
されて全体が築造されるため、壁体としての止水性の保
持及び一体構造物としての確実な応力伝達がなされる必
要がある。(以下、本明細書では隣接する先行エレメン
トと後行エレメントとの溝内の深度方向に沿って形成さ
れる鉛直継手部を単に「継手部」と記して説明する。)
これら継手部の多くは先行エレメントから延出させた配
力筋の重ね継手構造と、仕切鋼板等の鉄骨部材や鉄板部
材との合成構造からなる。仕切鋼板は一般に地中連続壁
の壁厚に等しい幅の鋼板で、先行エレメントの鉄筋かご
の端部に一体的に溶接等で固定され、先行エレメントの
鉄筋かごと一緒に溝内に設置される。その際、前述の配
力筋はこの仕切鋼板を貫通して所定の継手長が確保され
るように延出して配筋されている。また、配力筋等の継
手部が後行エレメントを掘削する掘削機の刃先等の接触
により変形するのを防止するために継手防護部材が先行
エレメントの端部に組み込まれる。この継手防護部材に
は平面形状が略コ字形をなす仮設箱型枠で構成されたジ
ョイントボックスや、仕切鋼板の両端部から延設された
側溝板の妻部分に設置されるジョイントプレートが使用
されている。これらの継手防護部材を設置することによ
り後行エレメント掘削時等に、先行エレメントの仕切鋼
板から延出している配力筋が確実に防護される。
【0004】ところで、地中連続壁工事では、掘削時の
溝壁面の安定や掘削土砂の排出のために掘削時の溝内に
は安定液が満されている。この安定液は掘削後の溝壁面
を自立保持するために十分な比重と粘性を有し、溝壁面
に不透水性のマッドケーキを形成するようになってい
る。安定液にはベントナイトを主材とするベントナイト
系と水溶性高分子を主材とするポリマー系とがあるが、
いずれの安定液においても液成分に応じたマッドケーキ
が形成され、このマッドケーキにより溝壁面が膜状に覆
われる。これにより安定液の水圧が土圧に抗して作用
し、溝壁面の安定が確保される。このマッドケーキを形
成する性質は造壁性と呼ばれ、安定液の重要な性質であ
る。
【0005】ところで、後行エレメントの掘削開始以後
コンクリート打設終了まで、溝内はこの安定液で満たさ
れる。したがって先行エレメント端部に連結されたジョ
イントボックス内も安定液で満たされ、前述の配力筋は
安定液内に没し、コンクリート打設が完了するまで安定
液内に存置されることになる。このときマッドケーキの
造壁性により安定液中にある継手筋や仕切鋼板の表面に
もマッドケーキが形成される。その厚さは安定液の種類
や存置時間により異なるが、通常ポリマー系で1〜5m
m、ベントナイト系では5〜20mmに達する。ベント
ナイト系では含有鉱物の(−)イオンが鉄筋(Fe)の
(+)イオンに電気吸着されることによりポリマー系よ
り厚くマッドケーキが形成される。
【0006】また、掘削により発生した土砂等は安定液
中に浮遊し、時間の経過とともに沈降して溝底に堆積す
る。この堆積物はスライムと呼ばれ、このスライムが溝
底に残存した状態でコンクリートを打設すると、堆積し
ているスライムがコンクリート中に巻き込まれてコンク
リートの品質を著しく低下させる。またコンクリート打
設により吹き上げられたスライムはエレメント端部に集
積し、前述のマッドケーキに混入したり仕切鋼板面に付
着し、壁体の止水性の低下を引き起こしている。したが
って、前述のマッドケーキやスライムを取り除くために
種々の装置が開発されている。
【0007】このうち継手部に付着したマッドケーキを
取り除く装置として次のような継手清掃機がある。図7
は高圧水を噴射可能なノズル50を本体の外周部分に多
数配設した継手清掃機の一例を示したものである。この
継手清掃機51は溝内に満たされた安定液W内におい
て、仕切鋼板52から延出した継手筋53の内側位置
を、高圧水を噴射させながら深さ方向に昇降できる。こ
の噴射された高圧水54により鉄筋53の表面や仕切鋼
板52の表面に付着しているマッドケーキが吹き飛ばさ
れ、取り除かれる。継手清掃機は高圧水源の別により清
掃機本体内にセットされた水中ポンプで安定液Wを循環
利用するタイプと、地上に設置された高圧ポンプにより
清水あるいは新しい安定液を供給して噴射させるタイプ
とに分けられる。
【0008】図8は溝内に満たされた安定液W内におい
て、仕切鋼板から延出した継手筋の寸法に合わせてブラ
シを本体の側面に密植した清掃機を上方から見た状態を
示している。この清掃機61は図8に示したように仕切
鋼板62のフランジ部分62aをガイドとして本体を地
上の図示しないクレーン等の昇降装置を操作して昇降さ
せて使用するものである。清掃機の昇降により密植され
たブラシ63の先端63aが鉄筋64の表面に摺接し、
その部分の鉄筋表面に付着したマッドケーキが掻き落さ
れる。このためブラシ63の先端63aは常に継手筋6
4や仕切鋼板62に接するようにその位置が設定されて
いる。(同図中、簡単化のためにブラシの一部が省略し
て示されている。)この他、ヘラ状のスクレーパを掘削
機にアタッチメントを介して取着し、スクレーパで擦り
取る方法や、ブラシを密植した回転板を備えた装置等が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の噴射
ノズルを有する清掃機では高圧水の当たる部分の鉄筋に
付着したマッドケーキは取り除けるが、高圧水の当たら
ない鉄筋背面側や交差部、仕切鋼板のウェブ部材の溶接
部分に付着したマッドケーキは十分に除去できず洗浄性
能がやや劣るという問題がある。また、安定液を高圧水
として使用する場合には既にマッドケーキの混入してい
るものを再び循環して使用することになり、洗浄効果が
落ちるという問題がある。また地上の高圧ポンプで、清
水を供給して使用する場合には安定液の比重が変化する
ので、安定液の品質管理が必要で作業が煩雑になる。ま
た新しい安定液を供給して使用する場合には新液を投入
する分だけコストアップにつながってしまう。
【0010】一方、図8に示したブラシで鉄筋表面のマ
ッドケーキを掻き落とす清掃機ではブラシが摺接する部
分しかマッドケーキを除去できないので、継手部に設け
られた部材の形状が複雑であったりすると、細かい部分
にまでブラシが十分当接せず十分にマッドケーキを掻き
落とせない。また、あらかじめ設定された壁厚の場合に
しか適用できないので、その壁厚が異なる継手の清掃を
行う場合にはその都度、壁厚にあったブラシ配置の清掃
機を製造したり、ブラシ部分を改造したりする必要があ
る。また、掻き落とされたマッドケーキが沈降し、再び
下側の鉄筋部分に堆積してしまうという問題もある。そ
の他の装置においても鉄筋の各部や仕切鋼板の細部を清
掃することができず、部分的にマッドケーキが残存して
しまうという問題を有する。また継手形状の変化に対す
る対応性が低く、形状が変わるとその都度、継手形状に
あわせて製作する必要があり、コストアップにつなが
る。
【0011】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、継手部の形状に左右されず
に、継手部の鉄筋や仕切鋼板の表面に付着したマッドケ
ーキを確実に取り除くとともに、マッドケーキを含んだ
安定液を拡散させることなく回収するようにした地中連
続壁の継手清掃機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、既設壁体部から安定液内に延出した継手部を保護す
るように設置された継手防護部材内に吊持され、該継手
防護部材内を昇降可能な清掃機本体と、該清掃機本体の
下端の周縁から先端部が前記継手防護部材の内周面に当
接するように設けられた沈降遮断部と、前記清掃機本体
の一部に設けられた伸縮自在な支持腕により支持され、
該支持腕の伸縮により前記継手部に当接するとともに、
前記清掃機本体内に設けられた起振手段により前記支持
腕を介して振動し、前記継手部表面に付着した沈降付着
物を前記継手部から除去する振動発生手段と、前記清掃
機本体下端に設けられた吸引口を介して前記沈降付着物
を前記安定液とともに地上に排出する排泥手段とを備え
たことを特徴とするものである。
【0013】また、既設壁体部から安定液内に延出した
継手部を包囲するような平面形状をなし、前記継手部の
一部をガイドとして昇降可能に吊持された清掃機本体
と、該清掃機本体の下端の周縁から先端部が前記継手部
に当接するように設けられた沈降遮断部と、前記清掃機
本体の一部に設けられた伸縮自在な支持腕により支持さ
れ、該支持腕の伸縮により前記継手部に当接するととも
に、前記清掃機本体内に設けられた起振手段により前記
支持腕を介して振動し、前記継手部表面に付着した沈降
付着物を前記継手部から除去する振動発生手段と、前記
清掃機本体下端に設けられた吸引口を介して前記沈降付
着物を前記安定液とともに地上に排出する排泥手段とを
備えたことを特徴とするものである。
【0014】前記発明において、前記清掃機本体は周面
所定位置に複数の噴射ノズルが配設され、該噴射ノズル
からの高圧水噴射により前記継手部を洗浄できるように
することが好ましい。また前記沈降遮断部は弾性たわみ
可能なブラシ形状とすることが好ましい。
【0015】
【作用】本発明によれば、清掃機本体を既設壁体部から
安定液内に延出した継手部を保護するように設置された
継手防護部材内に昇降可能に吊持し、該清掃機本体の下
端の周縁から先端部が前記継手防護部材の内周面に当接
するように沈降遮断部を設け、前記清掃機本体の一部に
設けられた伸縮自在な支持腕で支持され、該支持腕の伸
縮により前記継手部に当接する振動発生手段を備え、該
振動発生手段を前記清掃機本体内に設けられた起振手段
により前記支持腕を介して振動し、前記継手部表面に付
着した沈降付着物を前記継手部から除去するとともに、
前記清掃機本体に設けられた吸引口を介して前記沈降付
着物を前記安定液とともに地上に排出する排泥手段を設
けたので、継手部に加えられた振動により継手部表面に
形成された沈降付着物が剥離し、安定液内を沈降し吸引
口において吸引され、確実に回収される。
【0016】以上の発明において、前記清掃機本体の周
面所定位置に複数の噴射ノズルを配設し、該噴射ノズル
からの高圧水噴射により前記継手部を洗浄することによ
り継手部の清掃が確実に行われる。また、前記沈降遮断
部は弾性たわみ可能なブラシ形状とすることにより清掃
機が鉄筋と干渉して昇降に支障が生じるのを防止するこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明による地中連続壁の継手清掃機
の一実施例を図1乃至図3を参照して説明する。図1は
本発明による継手清掃機の全体を示した概略斜視図であ
る。同図において、符号1は清掃機本体を示しており、
この清掃機本体1は本体の上面の所定位置に取着されて
いる吊り金具3に接続された吊りワイヤ4を介して地上
に設置された図示しないクローラクレーンやウインチ架
台により昇降可能に吊持されている。清掃機本体1の下
端位置にはブラシ5が密植されたブラシ固定プレート2
が図示しない固定ボルトを介して固着されている。また
ブラシ固定プレート2と本体1下端との間には清掃機本
体1の全周にわたって吸引口8が形成されている。この
吸引口8は清掃機本体1内で排泥管10に連通してお
り、さらにこの排泥管10は清掃機本体1の上面から地
上まで延設されている。そして地上で図示しないサクシ
ョンポンプ等に接続され、ポンプ運転により吸引口8か
ら安定液を吸引して地上に汲み上げることができる。
【0018】ここで、沈降遮断部としてのブラシ5の構
成について説明する。ブラシ5はブラシ固定プレート2
の外周縁の全周にわたり植設された合成樹脂製ブラシで
あり、本実施例ではナイロン製ブラシが使用されてい
る。ブラシ5の長さは地中連続壁の壁厚方向において、
ブラシ固定プレート2を含んだ幅A(図1参照)が継手
清掃時に継手清掃機が昇降する図示しないジョイントボ
ックスの内のり寸法より僅かに大きく設定されている。
このため図2及び図3に示したようにブラシ5の先端5
aはジョイントボックス20の内面にその端面全体で強
く当接する。
【0019】また、ブラシ5は図2及び図3に示したよ
うに配力筋25と干渉する位置を越えてジョイントボッ
クス20の内面位置まで延びているため、継手清掃機の
昇降に伴って配力筋25部分を通過しなければならな
い。このときブラシ5は弾性たわみ性を有しているた
め、本体1の昇降に伴い、水平方向に配筋された配力筋
25に押し当てられ一時的に湾曲して配力筋25部分を
通過できる。通過後は弾性により再び直毛状になり、ブ
ラシ先端5aはジョイントボックス20の内側表面に接
する。ブラシの剛性としては前述のマッドケーキが沈降
してブラシ表面にある程度の厚さで堆積しても過度に撓
まず、またブラシの植設密度としてはブラシマッドケー
キを含んだ安定液が逸漏しない程度に厚さ方向(上下方
向)にも密に植設されている。一方、ブラシ固定プレー
ト2の長さBについてはブラシ先端5bが仕切鋼板の表
面に当接する程度に設定されている。ブラシの材質とし
てはナイロン製の他、ポリプロピレン製等、弾性、耐久
性の要求を満たす種々の材質が選定できる。
【0020】次に、清掃機本体1の側面に設けられた振
動発生手段を構成する振動プレートについて図1及び図
2を参照して説明する。同図において、清掃機本体1の
長手方向の両面1aにはそれぞれ2本の支持腕たる伸縮
ロッド15が延出しており(図2にその根元部が示され
ている)、さらに伸縮ロッド15の先端には振動プレー
ト16が固着されている。この振動プレート16は立断
面が外方に向けて凸部16aを有する略「く」字形をな
すように加工された鋼板である。この振動プレート16
は、伸縮ロッド15に図示しない硬質ゴムからなるジョ
イント部材17により接続されている。一方、伸縮ロッ
ド15の根元部は図3に示したように清掃機本体1内に
内蔵された起振手段たる起振機18に連結されており、
起振機18を運転した際に所定の振動数で振動し、さら
にその振動はジョイント部材17を介して振動プレート
16に伝達されるようになっている。なお、伸縮ロッド
15の伸縮量は本実施例では振動プレート16の外表面
の一部に装着された接触センサや清掃機本体1に装備さ
れた非接触性距離計等により鉄筋との離れが検知され、
その値に応じて自動的に設定される。この他マニュアル
操作によりロッドを伸縮させて鉄筋と振動プレート16
とのの接触状態を調整して清掃機の昇降に支障のないよ
うにしても良い。
【0021】さらに清掃機本体1の上端側面には複数の
噴射ノズル30が所定間隔で配設されている。この噴射
ノズル30は図示しない地上の高圧ポンプから清掃機本
体1まで延設された送水管31を介して供給された高圧
水を噴射できるようになっている。その他、継手清掃機
の昇降時の安定性を確保するために昇降ガイド32がジ
ョイントボックス20の妻部内面20aに対向した位置
に取着されている。この昇降ガイド32は図2に示した
ようにジョイントボックス20の妻部内面に形成された
図示しないガイドフランジに係止され、このガイドフラ
ンジに沿って清掃機本体1はジョイントボックス20内
を安定して昇降できる。
【0022】図2は掘削した安定液内で伸縮ロッド15
が伸長して振動プレート16の外面が鉄筋に接した状態
での継手清掃の動作状態を示した説明図である。図中符
号23は先行エレメントの打設コンクリートであり、打
設コンクリート23の妻部23aは仕切鋼板24で仕切
られ、さらに仕切鋼板24を介してジョイントボックス
20が連結されている。このジョイントボックス20内
には清掃機本体1と溝の深さ方向に所定ピッチで配筋さ
れた配力筋25と、この配力筋25と直交して溶接接合
された主筋26の一部が示されている。図の簡単化のた
めに配力筋25が支持されている仕切鋼板24はごく一
部しか示していない。なお、ジョイントボックス20内
の配力筋25の長さは後行エレメントの継手筋との重ね
継手に必要なラップ長を確保できるような寸法に設定さ
れている。この状態で清掃機本体のブラシ5は主筋26
を部分的に包み込むようにして先端部5aがジョイント
ボックス20の内面20aに当接している。また、前述
の振動プレート16はその外面凸部16aが主筋26に
接する位置まで伸縮ロッド15が伸長されている。
【0023】この状態で前述の起振機18を運転すると
伸縮ロッド15の振動を介して振動プレート16全体が
細かい振動を開始する。本実施例では振動プレート16
の振動数は8,000〜10,000vpm程度の高周
波振動に設定されており、振幅も小さい。そしてこの振
動が軽く接触している主筋26に伝わると、縦横に配筋
された鉄筋25、26が細かく振動し、その表面に付着
していたマッドケーキやスライムが振動により剥がれる
ように取り除かれる。さらにこの振動は鉄筋を介して仕
切鋼板24にも伝わり、仕切鋼板24の表面に付着した
マッドケーキも振動により剥離させることができる。鉄
筋に付着しているマッドケーキ分の除去を中心に以下の
説明を進めるが、マッドケーキに混ざっているスライム
も同時に除去回収されることは言うまでもない。
【0024】なお、本実施例では図1及び図2に示した
ような振動プレート16を使用したが、この形状は清掃
機本体1の昇降の際に、振動プレート16が鉄筋と競っ
て昇降が妨げられないものであれば、円板状等、種々の
形状をとることができる。また、伸縮ロッド15には多
段の油圧テレスコピック式が用いられ、鉄筋間隔に応じ
て振動プレート16を容易にセットすることができる。
この他、ロッド先端にアタッチメント筒を連結して壁厚
にあったロッド長さを確保するようにしても良い。
【0025】また、従来の技術にブラシで鉄筋表面に付
着したマッドケーキを掻き落とす構造のものがある。こ
れに対して本発明による清掃機に備え付けられたブラシ
は振動により鉄筋表面から剥離したマッドケーキ等が溝
内を沈降しないように受けとめる受け皿として機能する
点でこの従来技術と異なる。しかし、前述のように清掃
機が昇降する際にブラシが鉄筋に押し当てられるので、
このとき鉄筋表面のマッドケーキを掻き落とす効果も副
次的に発揮されることは言うまでもない。本発明による
継手清掃機を壁厚の異なる地中連続壁にも適用するため
にはブラシ長の異なるブラシ固定プレート2を数種準備
することが好ましい。壁厚が異なる地中連続壁の継手清
掃を行う場合にはブラシ固定プレート2ごと適当なブラ
シ長さのものに交換すれば清掃機本体はそのまま使用す
ることができる。
【0026】ここで鉄筋表面や仕切鋼板表面から洗い落
とされたマッドケーキの回収について図3を参照して説
明する。図3は溝内が安定液Wで満たされ、継手清掃機
のブラシ5の先端5aがジョイントボックス20の内面
20aに当接し、さらに振動プレート16が主筋26に
接している状態を仕切鋼板24側から模式的に示した正
面図である。同図において、振動プレート16の一部が
鉄筋26に接し、鉄筋26、25を振動させ各鉄筋の表
面からマッドケーキが取り除かれるが、このマッドケー
キは安定液W内に混入した状態で徐々に沈降する。この
とき図示しない地上のサクションポンプにより排泥管1
0を介して清掃機本体1の下端に設けられた吸引口8か
らブラシ5上に沈降堆積したマッドケーキと、マッドケ
ーキが混入した安定液Wとが一挙に吸引される。これに
より継手清掃機が吊持されている位置では鉄筋25、2
6、仕切鋼板24から取り除かれたマッドケーキが排泥
管10を介して確実に地上に回収される。このときマッ
ドケーキが剥離した鉄筋及び仕切鋼板の表面を洗浄する
ために噴射ノズル30から高圧水を噴射させることもで
きる。これらの継手清掃作業が進行する過程で、マッド
ケーキとともに回収された安定液Wは、脱水処理工程等
を経て固液分離され、砂分、固形分及び分離水とに分け
られる。溝底部と頂部との間で清掃機を上昇下降させて
清掃、回収作業を行うことで継手部の清掃が完了する。
なお、排泥管10から安定液とともにマッドケーキを回
収する際に、良液置換を併用することも可能である。こ
れにより清掃効果はさらに向上する。
【0027】以上の説明では継手清掃作業はジョイント
ボックスを撤去する前の工程でジョイントボックス内に
継手清掃機を据え付け、ジョイントボックスの内面に設
けられているガイドを介して継手清掃機を昇降させた。
図4はジョイントボックスを撤去した後に継手清掃を行
うようにした継手清掃機をその主要部が明らかになるよ
うに示した平面断面図である。図4に示した継手清掃機
は従来例として図8に示した継手清掃機の平面形状とほ
ぼ同じ形状をしており、図8と同様に仕切鋼板24のフ
ランジ部分24aをガイドとして本体を地上の図示しな
いクレーン等の昇降装置により昇降できるようになって
いる。このとき前述の振動プレート16は図示したよう
に主筋26の内側から接して鉄筋に振動を伝えるように
なっている。同時に清掃機本体1に形成された外側面部
に植設されたブラシ6と、振動プレート16の下端部分
の本体に植設されたブラシ5とにより安定液W内を沈降
するマッドケーキが受けとめられるようになっている。
なお、本実施例ではブラシ5、6は清掃機本体1下端を
塞ぐように全周にわたって植設されているが、図4では
図の簡単化のために一部が省略されて示されている。
【0028】図5及び図6は本発明による継手清掃機の
他の実施例を示した部分断面図である。図5には清掃機
本体1内部に2列に並設された棒状バイブレータ35が
示されている。さらにこの棒状バイブレータ35にはブ
ラシ5が植設されている。このように振動発生手段にブ
ラシ5を振動させるブラシ付きバイブレータ36を利用
することができる。図6は図5に示したブラシ付きバイ
ブレータ36を清掃機本体1の側面部に周設した状態を
示したものである。同図に示した状態で清掃機本体内部
に設けられた図示しない棒状バイブレータを運転するこ
とによりブラシ付きバイブレータ36の接している鉄筋
26や仕切鋼板24に微小振動を伝えることができ、表
面に付着しているマッドケーキを確実に剥離させること
ができる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、前述の
発明によれば、継手鉄筋の寸法や仕切鋼板の形状の影響
を受けずに継手部材の細部まで確実に清掃でき、これに
より継手部の止水性、構造上の連続性が確実に向上し、
壁体の施工品質が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地中連続壁の継手清掃機の一実施
例を示した斜視図。
【図2】図1に示した継手清掃機の溝内での清掃状態を
模式的に示した動作状態図。
【図3】図2に示した清掃状態を正面から示した部分正
面図。
【図4】図1に示した継手清掃機の変形例を示した部分
断面平面図。
【図5】本発明による継手清掃機の他の実施例を示した
概略斜視図。
【図6】図5に示した装置を組み込んだ継手清掃機の一
例を示した部分断面平面図。
【図7】従来の継手清掃機の一例を示した部分断面平面
図。
【図8】従来の継手清掃機の一例を示した部分断面平面
図。
【符号の説明】
1 清掃機本体 5,6 ブラシ 8 吸引口 10 排泥管 15 伸縮ロッド 16 振動プレート 20 ジョイントボックス 24 仕切鋼板 25 配力筋 26 主筋 30 噴射ノズル 31 送水管 36 ブラシ付きバイブレータ W 安定液

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設壁体部から安定液内に延出した継手部
    を保護するように設置された継手防護部材内に吊持さ
    れ、該継手防護部材内を昇降可能な清掃機本体と、 該清掃機本体の下端の周縁から先端部が前記継手防護部
    材の内周面に当接するように設けられた沈降遮断部と、 前記清掃機本体の一部に設けられた伸縮自在な支持腕に
    より支持され、該支持腕の伸縮により前記継手部に当接
    するとともに、前記清掃機本体内に設けられた起振手段
    により前記支持腕を介して振動し、前記継手部表面に付
    着した沈降付着物を前記継手部から除去する振動発生手
    段と、 前記清掃機本体下端に設けられた吸引口を介して前記沈
    降付着物を前記安定液とともに地上に排出する排泥手段
    とを備えたことを特徴とする地中連続壁の継手清掃機。
  2. 【請求項2】既設壁体部から安定液内に延出した継手部
    を包囲するような平面形状をなし、前記継手部の一部を
    ガイドとして昇降可能に吊持された清掃機本体と、 該清掃機本体の下端の周縁から先端部が前記継手部に当
    接するように設けられた沈降遮断部と、 前記清掃機本体の一部に設けられた伸縮自在な支持腕に
    より支持され、該支持腕の伸縮により前記継手部に当接
    するとともに、前記清掃機本体内に設けられた起振手段
    により前記支持腕を介して振動し、前記継手部表面に付
    着した沈降付着物を前記継手部から除去する振動発生手
    段と、 前記清掃機本体下端に設けられた吸引口を介して前記沈
    降付着物を前記安定液とともに地上に排出する排泥手段
    とを備えたことを特徴とする地中連続壁の継手清掃機。
  3. 【請求項3】前記清掃機本体は周面所定位置に複数の噴
    射ノズルが配設され、該噴射ノズルからの高圧水噴射に
    より前記継手部を洗浄することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2のいずれかに記載の地中連続壁の継手清掃
    機。
  4. 【請求項4】前記沈降遮断部は弾性たわみ可能なブラシ
    形状をなすことを特徴とする請求項1または請求項2の
    いずれかに記載の地中連続壁の継手清掃機。
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