JP2613151B2 - プラスチック成形材料の混合方法 - Google Patents

プラスチック成形材料の混合方法

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JP2613151B2
JP2613151B2 JP4134102A JP13410292A JP2613151B2 JP 2613151 B2 JP2613151 B2 JP 2613151B2 JP 4134102 A JP4134102 A JP 4134102A JP 13410292 A JP13410292 A JP 13410292A JP 2613151 B2 JP2613151 B2 JP 2613151B2
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義彦 蔵本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バージン材と、所望
の色の顔料を高濃度に混入したマスターバッチ等の着色
材とを設定された混合比率に基づいてプラスチック成形
材料として混合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バージン材と着色材とを、混合比
率を設定してプラスチック成形材料として混合する装置
には、回転円板に形成した計量室にスクレーパーを上下
動し、回転円板の回転によって定量的に両材料を混合す
る回転円板型の計量供給装置が知られている。すなわ
ち、上記スクレーパーの高さ調節(ストローク長さ調
節)により、計量室内に充填される材料容積を規制し、
上記回転円板の1回転毎の排出量を定量化することによ
り(単位時間当たりにも定量化されている)、上記両材
料が設定された混合比率で混合できるように構成されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
容積計量式の回転円板の計量室に充填する材料を調節す
るスクレーパーは手動で行うものであるため、バージン
材を変えたり、あるいはマスターバッチ(着色材)を変
えたりする時には、過去に使用した材料であっても、そ
の都度計量チェックを行い、設定された混合比率に基づ
き、マスターバッチに対するバージン材の排出量(混合
量)を手動で設定(計量室内へ突出するスクレーパーの
突出長さを変更することにより、計量室内の材料充填量
をその層厚さで調節する)しなければならず、そのため
時間を要し作業効率が悪いという問題があった。特に押
出成形においては材料供給を止めることなく色替等を実
施しなければならないため、短時間で色替え、材料替え
をしなければならず、そのロスが多い等の問題があっ
た。
【0004】この発明は、マスターバッチ等の着色材の
計量値(計量されて定量的に排出されるもの、例えば回
転円板が1回転毎に排出される排出重量または排出容
積)や倍率(定量的に排出されるマスターバッチに対
し、設定された混合倍率に基づくバージン材の排出重量
または排出容積)とバージン材の計量データ(経験的に
得られたバージン材の排出実績)をもとにし、定量的に
投入される着色材に対するバージン材の排出量を自動設
定できるようになし、上記従来例の問題点を改良したも
のを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、回転円板の計量室に供給されるバージン
材を、上下動させるスクレーパーのストローク長さによ
り、連続的に層厚を調節して排出する装置を用い、設定
された混合比率に基づき着色材とバージン材を混合する
プラスチック成形材料の混合方法において、計量されて
定量的に排出される着色材の計量排出値、及び上記混合
比率から導かれる倍率を基にしてバージン材の必要排出
量を算出すると共に、少なくともスクレーパーの最大ス
トロークと最小ストロークにおけるバージン材の最小排
出値と最大排出値とをバージン材の計量データとして入
力し、そして上記必要排出量に見合うバージン材の量
、前記計量データから導かれるスクレーパーのストロ
ーク長さにより設定できるようにしたことを特徴とす
る。
【0006】製品の銘柄又はコード番号に対し、バージ
ン材の種類、着色材の種類及び倍率、バージン材のスク
レーパー位置等を予め記憶させておき、製品の銘柄を指
定することにより着色材に対するバージン材の混合量を
自動的に設定できるようにすることが好ましい。
【0007】色替信号と製品の銘柄を指定することによ
り、色替えを行うようにすることが好ましい。
【0008】材料替信号により、現在使用している材料
とは異なる材料を自動的に切替えするようにする方が好
ましい。
【0009】
【実施例】この発明の一実施例を図1ないし図3に基づ
いて以下に説明する。1は容積式計量供給装置であっ
て、これは、回転円板用収納空間10a及び材料排出口
11を形成した基台10(固定的に配設される)と、基
台10の前記収納空間10aに回転可能に収納され、か
つ後述する如く円周方向に多数の計量孔を形成した回転
円板20(回転される)と、回転円板20を覆う蓋体3
0(固定的に配設される)によって構成される。この蓋
体30には、粉粒状のプラスチック原料(バージン材)
や着色材などを供給する材料供給口2、3を設け、これ
らにはフランジ継手等を介して原料供給源を接続する。
【0010】回転円板20には、その中心から外周方向
に向かい、異なる同心円上に2列以上に計量室を設ける
(実施例では2列L1、L2の計量室を設け、これらの
列に沿って多数の貫通孔を設けてこれらを計量室21・
・・21、22・・・22とし、円周方向に等間隔に配
置しているとともに、該計量室21、22における単位
当たりの容積は同一としてある(不同一であっても良
い))。各列L1、L2・・・に形成する計量室21、
22の形状、口径、深さ、容積、個数、形成位置などは
任意に設定される(回転円板20の1回転あたりの材料
排出量が定量的に設定されれば良い)。また、前記貫通
孔からなる計量室21・・・21、22・・・22に代
えて環状溝(図示せず)を採用することもできる。
【0011】各列L1、L2における任意の計量室2
1、22の上方には、前述した材料供給口2、3が設け
てある。すなわち、図2に示すように、回転円板20の
回転方向を矢印の如く反時計方向としたときに、第1列
L1の所定地点にはナチュラルペレット等のA材(バー
ジン材)を供給する第1材料供給口2を設けるととも
に、その第1材料供給口2の下流側には、スクレーパー
5の上下動機構を蓋体30に取付け、上下動するスクレ
ーパ5の下端は、回転する回転円板20の計量室22に
向けて進退することとし、図3に示すようにこの計量室
22に供給されたA材の充填厚さを調節して所望の計量
値と合致(設定された混合比率に基づく計算された排出
量と、スクレーパー5によって実際に調節されて排出さ
れる量が合致するようにすること)するように構成して
いる。すなわち基台10に形成された材料排出口11か
らは、回転円板20が回転することによって複数の計量
室22に充填されたA材が排出され、この回転円板20
の1回転当たりの排出量は一定に調整され、この排出量
は上記スクレーパー5の上下動によって行う。第1材料
供給口2より中心寄りの位置で第2列L2の所定上部位
置には、マスターバッチの如き着色材等のB材を供給す
る第2材料供給口3を設けている。すなわちこの着色材
は複数の計量室21に満たされ、そして排出口12から
排出されて前記A材と混合されながら次工程へ送給され
る。上記回転円板20の1回転当たりの排出量は一定で
あり、このB材の排出量を基準値の一つとして上記A材
の排出量を調節するため、スクレーパー5を上下動させ
る。この第2材料供給口3の下流側位置には、他のスク
レーパーを上述スクレーパー5と同様の作用を発揮させ
る目的で設けてもよい。
【0012】なお、材料供給源は前記実施例の如く2つ
に限るものではなく、3つ以上でもよく任意であり、こ
の場合、回転円板20の各列L1、L2・・・に異なる
材料を供給して、それぞれの計量室21、22および他
の計量室で計量して排出する。回転円板20の中央下部
には小円筒23を垂下し、該小円筒23の上方には回転
軸7の上部を挿通してナット等で連結すると共に、この
回転軸7の下部はベアリング8で支承し、さらにそのベ
アリング8の下部には歯車機構26を介して駆動源6と
連結してある。なお、基台10と回転円板20との結合
方法、回転円板20と回転軸7との結合方法は何れも実
施例の構造に限らず任意である。
【0013】基台10は、上向きの外周壁14を有する
略皿形状で、該外側壁14の上端外周面には蓋体30を
嵌合するための環状段部15が形成されている。基台1
0の平板部の外側壁14寄りには、各列L1、L2の計
量室21、22・・・に充填された材料を回転変位する
ことにより配合して排出する1つ又は2つ以上の材料排
出口11、12が形成されており、その下部には各材料
排出口11、12を1つの通路に集約するシュートが接
続されている。
【0014】スクレーパー5は計量室22への突出長さ
を可変にする為に、例えば台形ネジを形成した駆動軸5
0に螺合し、この駆動軸50は出力軸52を介して駆動
源51に連結している。駆動源51の出力軸52には、
位置を検出するためのポテンショメーター(PM)53
を回転するために、歯車54を設け、この歯車54とポ
テンショメーター53の歯車55とを噛合するようにし
ている。スクレーパー5は駆動軸50を中心にして回動
しないように、向きを一定にして上下させるためにピン
56を設けてガイドしている。なお、位置の検出手段と
しては、ポテンショメーター53の代わりに例えばステ
ッピングモータ等を使用してもよい。
【0015】上記装置を使用してマスターバッチとバー
ジン材を混合する方法は以下の通りである。まずスクレ
ーパー5の最大ストローク位置と、最小ストローク位置
における、ポテンショメーター53の検出値をメモリー
しておき(移動ストローク長さとポテンションメーター
の検出値との関係)、その可変値の中で任意のスクレー
パー位置を検出して移動出来るようにしておく。また計
量データによる自動の位置設定、つまりバージン材の必
要排出量の設定方法は、マスターバッチの計量値(単位
時間当たりまたは回転円板20の単位回転当たりにおけ
るマスターバッチの定量的な量)と倍率(定量的に排出
されるマスターバッチの量に対するバージン材の混合
率)を入力し、バージン材の必要排出量を算定する。次
に上記スクレーパー5の最小ストローク位置(回転円板
20に対して最大に下げた位置)とスクレーパー5の最
大ストローク位置における単位時間当たり(または回転
円板20の単位回転当たり)における、バージン材の実
際の最大排出値と最小排出値を計量データとして入力す
る。すなわちスクレーパー5のストローク長さとバージ
ン材の排出量は上記2位置の間で比例関係を保って変位
すると考えられる。なおスクレーパー5の位置変化に対
し、バージン材の排出量が比例関係的でない場合には、
任意の位置における複数点(3以上)でのデータを取り
入力すると精度を上げることができる。さらに計量デー
タの入力は図5に示す如く電子秤あるいはホストコンピ
ュータ又は成形機等より自動的に取り込みすることも可
能である。以上のデータをもとにマスターバッチの排出
量と倍率に基づき、必要排出量のバージン材を排出する
為、スクレーパー位置を演算してこれを所定位置に自動
的に設定する。すなわち上記で算定されたバージン材の
必要排出量を入力し、そして最大排出値と最小排出値か
ら導かれた比例関係式を用いて、スクレーパー5のスト
ローク長さを決定し、このストローク長さを達成するた
め、これをポテンションメーターの検出値によって制御
する。
【0016】請求項2に記載したように、本発明は、製
品の銘柄又はコード番号に対し、バージン材(ナチュラ
ル材)の種類、着色材の種類及び倍率、バージン材のス
クレーパー位置等を予め記憶させておき、製品の銘柄を
指定することにより着色材に対するバージン材の混合排
出量を自動的に設定できる。この場合、制御的には、上
記実施例でのデータを使用する材料ごとに例えば製品銘
柄又はコード番号ごとに登録しメモリーする。材料替え
を行う場合に、過去使用した材料を使用する場合には登
録メモリーしたデータを呼び出して自動的に再設定でき
るようにする。この制御ブロックの一実施例は図5に示
す如くである。
【0017】本発明は、請求項3に記載している如く、
色替信号と製品の銘柄を指定することにより、色替えを
行うこともできる。この場合は、バージン材とマスター
バッチが同材質で、色又はマスターバッチの倍率のみが
異なり、製品銘柄の異なる製品を作るときに行うもので
ある。製品銘柄を指定することにより、登録された計量
データ、マスターバッチの倍率、バージン材のスクレー
パー位置を呼び出し、バージン材の排出量をスクレーパ
ーの位置を自動的に設定して色替えを行う方法である。
【0018】図6が上記方法を例示しており、マスター
バッチ等の第2材料供給源3A・・・3Aより配管を介
して多種材料切換用の捕集装置60を、容積式計量供給
装置1に取り付けることにより行う。図中17はシュー
ト、18は吸引空気源であり、19は成形機である。図
7は押出成形での動作チャートを示している。この場
合、色替指令は、ホストコンピュータ又は押出機等によ
り、次回製品を銘柄指定することにより行う。
【0019】図8は射出成形での動作チャートの例を示
す。この場合は、マスターバッチ材の方に多種材料切換
用の捕集装置60を設け、複数の色違いマスターバッチ
材を供給できるようにするとともに、成形が非連続に行
なわれ、かつ成形機19側を図6に示すエアパージ手段
61によりパージするようにしている。このときの色替
指令は成形機19又はホストコンピュータ等により行
う。
【0020】本発明は請求項4に記載したように、材料
替信号により、現在使用している材料とは異なる材料を
自動的に切替えすることもできる。この場合の実施例
は、バージン材が異なるもの同士を切替えする方法であ
る。具体的構成は図9及び図10に示す如くである。つ
まり、マスターバッチ材だけでなく、バージン材の方に
も多種材料切換用の捕集装置60を取り付けてなるもの
である。図10は図9の構成においての押出成形での動
作チャートを示す。図10の62はA材とパージ材とB
材を含み、63はB材とパージ材とC材を含む。
【0021】
【発明の効果】この発明によれば、以上に述べた構成に
より、押出成形においてもロスなく連続押出成形ができ
るとともに、人手によらずにスクレーパーが自動調整を
行い、所望の混合量での排出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する容積式計量供給装置の断
面図である。
【図2】同上の一部破断平面図である。
【図3】スクレーパーの断面図である。
【図4】計量供給装置の概略分解斜視図である。
【図5】制御系のブロック図である。
【図6】一実施例の概略正面図である。
【図7】押出成形での動作チャートである。
【図8】射出成形での動作チャートである。
【図9】他の実施例の概略正面図である。
【図10】押出成形での動作チャートである。
【符号の説明】
1 容積式計量供給装置 5 スクレーパー 10 基台 20 回転円板 53 ポテンショメーター 60 捕集装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−142125(JP,A) 特公 昭59−30129(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転円板の計量室に供給されるバージン
    材を、上下動させるスクレーパーのストローク長さによ
    り、連続的に層厚を調節して排出する装置を用い、設定
    された混合比率に基づき着色材とバージン材を混合する
    プラスチック成形材料の混合方法において、計量されて
    定量的に排出される着色材の計量排出値、及び上記混合
    比率から導かれる倍率を基にしてバージン材の必要排出
    量を算出すると共に、少なくともスクレーパーの最大ス
    トロークと最小ストロークにおけるバージン材の最小排
    出値と最大排出値とをバージン材の計量データとして入
    力し、そして上記必要排出量に見合うバージン材の量
    を、前記計量データから導かれるスクレーパーのストロ
    ーク長さにより設定できるようにしたことを特徴とする
    プラスチック成形材料の混合方法。
  2. 【請求項2】 製品の銘柄又はコード番号に対する、バ
    ージン材の種類、着色材の種類及び倍率、バージン材の
    スクレーパー位置等を予め記憶させておき、製品の銘柄
    を指定することにより着色材に対するバージン材の混合
    量を自動的に設定できるようにしたことを特徴とする請
    求項1記載のプラスチック成形材料の混合方法。
  3. 【請求項3】 色替信号と製品の銘柄を指定することに
    より、色替えを行うようにした請求項1または2記載の
    プラスチック成形材料の混合方法。
  4. 【請求項4】 材料替信号により、現在使用している材
    料とは異なる材料を自動的に切替えするようにした請求
    項1または2記載のプラスチック成形材料の混合方法。
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