JP2612318B2 - 紫外線硬化型孔版印刷用インク - Google Patents

紫外線硬化型孔版印刷用インク

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は紫外線硬化型孔版印刷用インクに係り、特に
輪転謄写印刷機に好適な紫外線硬化型孔版印刷用インク
に関する。
〔従来の技術〕
従来、紫外線硬化型インクは、凸版印刷用、オフセッ
ト印刷用またはスクリーン印刷用に開発されたものであ
り、該インクを孔版印刷機、特に輪転謄写印刷機に使用
する場合には、紫外線硬化型インクに用いられる樹脂の
重合度を変えたり、粉体などを加えたりしてインクの粘
度およびタック(粘着性)を調整することが必要であっ
た。すなわち、従来のインクの調整法では、印刷時の温
度等の条件に適するインクの粘度およびタックにするた
め、何種類もある重合度を変えた樹脂のなかから適当な
ものを選択して使用したり、粉体を添加したりしてい
た。しかし、樹脂による調整では高重合度の樹脂を使用
すると樹脂自身の高粘度、高タックの性状がインクに引
き継がれ、印刷用紙の舞い上がりを生じてしまい、また
低重合度の樹脂を使用すると保存安定性が低下してハン
ドリングの悪くなることがある。一方、粉体添加による
調整では、あらかじめの粘度、タックの設定が他の温度
では適さないことがあり、使用の都度調整が必要であっ
た。以上のことから、このように調整した紫外線硬化型
インクを使用した場合でも、 (1)インクのタックが高いため、印刷中に印刷用紙が
版胴に貼りつき、また印刷用紙の舞い上がりが生じて印
刷作業効率の低下を招きやすい、 (2)インクの粘度変化が大きいため、高温度ではイン
ク粘度が低下して印刷物の濃度が高くなり、印刷画像に
ニジミが生じ、鮮明な印刷物が得られず、また低温度で
はインク粘度が高くなり、印刷濃度が低くなって印刷画
像のカスレが生じ、鮮明な印刷物が得られないという問
題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、イ
ンク粘度の温度による変化の少ない、輪転謄写印刷機に
適したタックを有する紫外線硬化型孔版印刷用インクを
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、前記目的を達成するため、鋭意研究した
結果、紫外線硬化型インクの中にシリコーンオイルを添
加、分散させることによりインクの硬化性を阻害するこ
となく、前記目的を達成できることを見出し、本発明に
到達した。
すなわち、本発明は、紫外線硬化型インクにシリコー
ンオイルを5〜20重量%分散させてなる紫外線硬化型孔
版印刷用インクに関する。
本発明に用いられる紫外線硬化型インクとしては特に
限定はなく、通常使用されている凸版印刷用、オフセッ
ト印刷用、スクリーン印刷用等の紫外線硬化型インクで
あればよい。紫外線硬化型インクに使用される紫外線硬
化樹脂は、例えばポリエステル系アクリレート、ウレタ
ン系アクリレート、エポキシ系アクリレート、ポリオー
ル系アクリレートなどが用いられ、これらには光重合開
始剤が配合されている。
本発明に用いられるシリコーンオイルとしては、特に
限定はなく、通常のシリコーンオイルおよびその変性物
を用いることができる。シリコーンオイルの主鎖は、直
鎖型でも分岐型でもよい。変性シリコーンオイルは分散
性を向上する点で好ましく、例えばアミノ基、カルボキ
シル基、ニトリル基などの極性基の導入されたもの、一
部フッ素置換を行ったものなどが好ましく用いられる。
これらのうち特にアミノ基を導入したシリコーンオイル
は、インクへの分散性並びに分散安定性が良好であるた
め好ましい。シリコーンオイルの添加量は、紫外線硬化
型インクに対して5〜20重量%、好ましくは10〜15重量
%である。シリコーンオイルが5重量%未満では目的と
する効果が得られず、また20重量%を超えると経時安定
性が悪くなり、分離しやすくなる。シリコーンオイルの
分散は、例えば顕微鏡で調べて直径5μm以下の球状オ
イルとなるような状態まで行うことが好ましい。
本発明の紫外線硬化型孔版印刷用インクは、前述の紫
外線硬化型インクにシリコーンオイルを適量添加し、例
えばホモミキサーなどの撹拌機で予備撹拌し、その後、
3本ロールなどで混練りさせて得られる。また分散性を
よくするために例えばノニオン系界面活性剤などを添加
することもできる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。なお、
実施例中、部とあるのは重量部を意味する。
実施例1 エポキシ系紫外線硬化樹脂UV−22C (播磨化成社製商品名) 3.1部 ポリエステル系紫外線硬化樹脂SA−2006 (三菱油化社製商品名) 63.1部 ポリエステル系紫外線硬化樹脂SA−4100 (三菱油化社製商品名) 6.2部 有機ベントナイト系粉体チクソゲルVZ (日産ガードラー触媒社製) 8.0部 ポリエーテル変性シリコーンオイル (信越化学社製) 10.0部 顔料 カーボンブラック 9.6部 光重合開始剤 イルガーキュアー651 (チバガイギー社製) 4.0部 上記の配合物および配合量で、予備撹拌としてスリー
ワンモータ(新東化学社製)で1時間40分撹拌した。次
に3本ロールミルに2回とおして混練し、本発明の紫外
線硬化型孔版印刷用インクを得た。
このインクを用いて輪転謄写印刷機のリソグラフ007
(理想科学社製)で印刷を行ったところ、5℃の環境下
でも印刷のカスレはなく、良好な印刷物が得られた。ま
た35℃の環境下でも印刷物濃度の上昇はわずかであり、
ニジミの発生がなく、良好な印刷物が得られた。またど
ちらの環境下でも版に印刷用紙が貼りつくことはなかっ
た。その結果を第1表に示した。
なお、このシリコーンオイルは、光学的および化学的
に不活性であることから、インクの硬化性に何ら寄与す
ることがない添加物であるが、確認のため同一条件で硬
化実験を行ったところ、添加、未添加によって硬化性
(硬化速度)に差は見られなかった。
比較例1 実施例1において、シリコーンオイルを用いなかった
以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型インクを作製
し、また同様にして印刷試験を行ったところ、5℃の環
境で印刷した印刷物は、印刷濃度が低く、カスレが生じ
た。また35℃の環境で印刷した印刷物にはインクの濃度
が上昇し、ニジミが生じていた。さらに版胴への用紙の
貼りつき現象が見られた。その結果を第1表に示した。
〔発明の効果〕
本発明の紫外線硬化型孔版印刷用インクによれば、イ
ンクの硬化性を阻害することなく温度変化に対する粘度
およびタックを安定させることができるため、印刷物の
ばらつきのない、良好な印刷物を得ることができ、かつ
印刷用紙の印刷機版胴への貼りつきがなくなるため、印
刷作業効率を向上させることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線硬化型インクにシリコーンオイルを
    5〜20重量%分散させてなる紫外線硬化型孔版印刷用イ
    ンキ。
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