JP2611694B2 - 自動演奏装置 - Google Patents

自動演奏装置

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JP2611694B2
JP2611694B2 JP8124062A JP12406296A JP2611694B2 JP 2611694 B2 JP2611694 B2 JP 2611694B2 JP 8124062 A JP8124062 A JP 8124062A JP 12406296 A JP12406296 A JP 12406296A JP 2611694 B2 JP2611694 B2 JP 2611694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子楽器のシー
ケンサや自動伴奏装置あるいは自動リズム演奏装置等の
自動演奏装置に関し、自動演奏のテンポに応じて音量等
の楽音制御情報を可変制御できるようにしたことに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子楽器のキーボードやコンピュータ等
から入力される演奏情報を記憶し、記憶された演奏情報
に基づいて演奏音を再生するシーケンサタイプの自動演
奏装置としては、特開昭58−211191号や特開昭
63−193192号公報に示されたものがある。この
種の自動演奏装置においては、テンポクロックに従って
演奏情報をメモリから読み出し、その演奏情報に基づき
楽音信号を発生する。その場合、従来の自動演奏装置で
は、テンポクロック周波数を可変制御することにより再
生演奏のテンポを所望のものに自由に変化させることは
できたが、その演奏テンポの変化に応じて再生演奏音の
音量や音色等を自動的に変化することはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自然楽器を
手動演奏する場合に、演奏中に演奏テンポを変更した場
合は、演奏音の音量や音色等がテンポ変更前と全く同じ
ということは滅多になく、テンポを変更したときの演奏
操作の微妙な変化に連動して、演奏音の音量や音色等も
微妙に変化するのが自然である。しかるに、従来の自動
演奏装置では上述のように、テンポクロック周波数が変
更されても、自動演奏音の音量や音色等が自動的に変化
することはなかったので、自然楽器の演奏に比べて演奏
表現力が劣るという問題があった。この発明は上述の点
に鑑みてなされたもので、演奏テンポの変化に応じて演
奏音の音量や音色等の楽音要素を可変制御できるように
した自動演奏装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係る自動演奏
装置は、自動演奏のテンポを設定するためのテンポ設定
手段と、複数の異なる種類の楽音制御情報を発生する楽
音制御情報発生手段と、前記テンポ設定手段で設定され
たテンポに応じて前記楽音制御情報を変更するものであ
って、少なくとも2つの異なる楽音制御情報についてそ
れぞれに独立の変更特性に従って前記テンポに応じた変
更を行う楽音制御情報変更手段と、変更された前記楽音
制御情報に応じて制御された特性を持つ楽音信号を、前
記テンポ設定手段で設定されたテンポに従って自動的に
発生する楽音自動発生手段とを具えたものである。
【0005】テンポ設定手段により自動演奏のテンポが
任意に設定され、ここで設定されたテンポに従って楽音
自動発生手段では楽音信号を自動的に発生する。楽音制
御情報発生手段からは複数の異なる種類の楽音制御情報
が発生され、楽音信号の音量、音色等の特性が各楽音制
御情報によって制御される。この発明では、楽音制御情
報発生手段から発生された楽音制御情報は、楽音制御情
報変更手段を介して楽音自動発生手段に与えられるよう
になっており、この楽音制御情報変更手段では、テンポ
設定手段で設定されたテンポに応じて該楽音制御情報を
変更する。従って、自動演奏のテンポの変動に追従し
て、自動演奏音の音量、音色等の特性が自動的に変化す
る。ここで、楽音制御情報変更手段では、少なくとも2
つの異なる楽音制御情報についてそれぞれに独立の変更
特性に従って設定テンポに応じた変更を行うようになっ
ている。従って、設定されたテンポに応じた各楽音制御
情報毎の変更の態様を多様化/多彩化することができ、
豊富な演奏表現を行うことができる。
【0006】例えば、それぞれに独立の変更特性に従っ
て変更される前記少なくとも2つの異なる楽音制御情報
を、いずれも楽音音量制御用として使用される音量ボリ
ューム設定情報とベロシティ情報(すなわちタッチ情
報)とする。その場合、設定テンポに応じて同じ音量を
制御するのであっても、その情報の種類によって、制御
の特性を大きく異ならせることができ、特殊な制御が可
能である。例えば、設定テンポが速くなるほど、音量ボ
リューム設定情報の変更量を小とし、ベロシティ情報の
変更量を大とし、反対に、設定テンポが遅くなるほど、
音量ボリューム設定情報の変更量を大とし、ベロシティ
情報の変更量を小とするような、互いに反対の変更特性
とした場合、テンポが変化しても、音量の変化は相殺さ
れてあまり目立たないものとなり、その分、他の楽音制
御情報(例えば音色フィルタ制御用の情報)についての
テンポ連動制御を目立たせることができる。これに限ら
ず、各楽音制御情報を独立の変更特性に従ってテンポ連
動制御することにより、その他の特殊制御を適宜行うこ
とができるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。図1は、本発明を適用し
た自動演奏装置の基本構成をブロック図にて示したもの
である。すなわち、この自動演奏装置は、自動演奏のテ
ンポを設定するためのテンポ設定手段と、複数の異なる
種類の楽音制御情報を発生する楽音制御情報発生手段
と、前記テンポ設定手段で設定されたテンポに応じて前
記楽音制御情報を変更するものであって、少なくとも2
つの異なる楽音制御情報についてそれぞれに独立の変更
特性に従って前記テンポに応じた変更を行う楽音制御情
報変更手段と、変更された前記楽音制御情報に応じて制
御された特性を持つ楽音信号を、前記テンポ設定手段で
設定されたテンポに従って自動的に発生する楽音自動発
生手段とを具えている。
【0008】図2はシーケンサタイプの自動演奏装置の
一実施例を示すものである。マイクロプロセッサユニッ
ト(CPU)10は、この自動演奏装置全体の動作を制
御するものである。このCPU10に対してバス19を
介してプログラム及びデータメモリ11、ワーキングレ
ジスタ12、シーケンサメモリ13、操作パネル14、
入出力装置15及びテンポクロック発生器18が接続さ
れている。この実施例では番号10〜15,18,19
で示された部分がシーケンサモジュールであり、このシ
ーケンサモジュールに対して入出力装置15を介して鍵
盤回路16及び音源17のモジュールがそれぞれ接続さ
れる。各モジュール間のデータの授受は周知のMIDI
規格で行われる。プログラム及びデータメモリ11はC
PU10の各種プログラムや各種データを格納するもの
であり、リードオンリーメモリ(ROM)で構成されて
いる。ワーキングレジスタ12はCPU10がプログラ
ムを実行する際に発生する各種データを一時的に格納す
るものであり、ランダムアクセスメモリ(RAM)の所
定のアドレス領域がそれぞれ割り当てられる。シーケン
サメモリ13は、ランダムアクセスメモリ(RAM)で構
成され、演奏情報を記憶する。
【0009】操作パネル14は、音色、音量、音高、効
果等を選択・設定・制御するための各種操作子を含むも
のであり、例えば音量を設定するためのボリュームを有
しており、設定された音量を示すデータがボリュームデ
ータとして利用される。入出力装置15はMIDI規格
で表現された演奏情報の入出力を行うものであり、任意
の演奏情報をシーケンサモジュールに入力するための鍵
盤回路16が接続可能であると共に、このシーケンサモ
ジュールから出力される演奏情報を受け取る音源17が
接続可能である。勿論、鍵盤回路16の代わりにコンピ
ュータ等を接続し、所望の演奏情報を入力することもで
きる。鍵盤回路16は、発生すべき楽音の音高を指定す
る鍵盤のそれぞれの鍵に対応して設けられた複数のキー
スイッチからなる回路を含んで構成されており、新たな
鍵が押圧されたときはキーオンイベント情報を出力し、
鍵が新たに離鍵されたときはキーオフイベント情報を出
力する。また、鍵押し下げ時の押鍵操作速度又は押圧力
等を判別してタッチデータを生成する処理を行い、生成
したタッチデータをベロシティデータとして出力する。
このようにキーオン、キーオフイベント情報及びベロシ
ティ情報はMIDI規格で表現されており、後述するよ
うにキーコードと割当てチャンネルを示すデータをも含
んでいる。
【0010】音源17は、複数のチャンネルで楽音信号
の同時発生が可能であり、入出力装置15を経由して与
えられた演奏情報(MIDI規格に準拠したデータ)を
入力し、このデータに基づき楽音信号を発生する。音源
17における楽音信号発生方式はいかなるものを用いて
もよい。例えば、発生すべき楽音の音高に対応して変化
するアドレスデータに応じて波形メモリに記憶した楽音
波形サンプル値データを順次読み出すメモリ読み出し方
式、又は上記アドレスデータを位相角パラメータデータ
として所定の周波数変調演算を実行して楽音波形サンプ
ル値データを求めるFM方式、あるいは上記アドレスデ
ータを位相角パラメータデータとして所定の振幅変調演
算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるAM方
式等の公知の方式を適宜採用してもよい。音源17から
発生されたデジタル楽音信号はD/A変換器(図示せ
ず)によって、アナログの楽音信号に変換され、サウン
ドシステム(図示せず)を介して発音される。
【0011】テンポクロック発生器18は時間間隔を計
数したり、自動演奏のテンポを設定したりするためのテ
ンポクロックパルスを発生するものであり、このテンポ
クロックパルスの周波数は操作パネル14に有るテンポ
設定操作子によって調整可能である。発生したテンポク
ロックパルスはCPU10に対してインタラプト命令と
して与えられ、インタラプト処理により自動演奏処理が
実行される。 シーケンサメモリ13に記憶する自動演
奏情報は演奏シーケンスを示す情報であり、記録モード
時において演奏者の実際の演奏手順に従って演奏情報を
順次記憶し、プレイモード時においては上記テンポクロ
ックに従ってその記憶内容を順次読み出す。記憶する演
奏情報としては、鍵盤回路16及び操作パネル14にお
ける情報イベントに基づく各種情報である。すなわち、
押鍵時において、キーオンイベント情報を記憶し、離鍵
時においてキーオフイベント情報を記憶し、各イベント
の間では、それらイベント間の時間間隔を示す時間情報
を記憶する。また、操作パネル14で音量ボリュームが
操作された場合はボリュームチェンジイベント情報を記
憶し、その他の操作子の操作が変更された場合も必要に
応じてコントロールチェンジイベント情報を記憶する。
これら自動演奏情報の記録手順については公知であるた
め詳細説明は省略する。
【0012】シーケンサメモリ13に記憶する演奏情報
は、例えばMIDI規格のデータフォーマットからな
る。その一例を「キーオン」、「キーオフ」、「時間間
隔」及び「ボリュームチェンジ」の4種類の情報につい
て示すと図3のようである。各データの第1バイト目は
メッセージの種類を示すステータスバイト(メッセージ
の種類を判別するための識別コードとして利用されるバ
イト)であり、これに続く第2及び第3バイト目はデー
タバイトである。「キーオン」データすなわちキーオン
イベント情報の第1バイト目は、そのデータが「キーオ
ン」データであることを示す『9』と、このキーオンイ
ベントが割り当てられているMIDIのチャンネルナン
バを示す『X』とからなり、識別コード『9X』で表さ
れる。「キーオフ」データすなわちキーオフイベント情
報の第1バイト目は、そのデータが「キーオフ」データ
であることを示す『8』と、このキーオフイベントが割
り当てられているMIDIのチャンネルナンバを示す
『X』とからなり、識別コード『8X』で表される。
「キーオン」及び「キーオフ」データの第2バイト目は
その鍵のキーコードを示し、第3バイト目はその鍵のタ
ッチ情報であるベロシティデータである。
【0013】「時間間隔」データの第1バイト目の識別
コード『F4』はMIDI規格では未定義のものである
が、この実施例では楽音の発音タイミングを示す時間間
隔の識別コードとして使用する。その時間間隔は第2バ
イト目の上位7ビットと第3バイト目の下位7ビットと
で表わされる。「ボリュームチェンジ」データの第1バ
イト目は、そのデータがコントロールチェンジのデータ
であることを示す『B』と、コントロールチェンジすべ
きMIDIのチャンネルナンバを示す『X』とからな
り、識別コード『BX』で表される。そして、第2バイ
ト目のデータ『07』はコントロールチェンジの内容が
ボリュームチェンジであることを示し、第3バイト目の
データはそのボリューム値を示す。以上のようにMID
I規格においては、1単位のイベント情報又は時間情報
は3バイトデータで構成される。シーケンサメモリ13
においては、ポインタによって指定される1アドレスは
1バイトであり、3バイトデータからなる1単位のイベ
ント情報又は時間情報が連続する3つのポインタアドレ
スに記憶される。
【0014】この実施例では、シーケンサメモリ13は
32トラックの規模を有している。1トラックは1つの
演奏パートに対応する。また、1トラックにつき16チ
ャンネルの楽音発生が可能である。つまり、1演奏パー
トは16チャンネルポリフォニックである。上述のMI
DI規格の1バイト目のチャンネル『X』は1トラック
内の16チャンネルのいずれかを示している。シーケン
サメモリ13では、各トラック毎にシーケンシャルな演
奏情報を記憶し、再生時は各トラックの演奏情報を読み
出す。この実施例では、テンポクロック周波数が変更さ
れた場合に、ベロシティデータ(つまりタッチデータ)
とボリュームデータ(つまり音量データ)をそのテンポ
クロック周波数に応じて自動的に補正するようになって
いる。その場合の補正法の一例として、テンポクロック
周波数を変数としたベロシティ補正関数若しくは補正テ
ーブル及びボリューム補正関数若しくは補正テーブルを
使用して補正を行う。この場合、プリセットされたベロ
シティ補正テーブル及びボリューム補正テーブルを使用
するプリセットモードと、演奏者によって所望のベロシ
ティ補正関数及びボリューム補正関数を設定し、これを
使用するマニュアルモードのどちらかのモードで補正を
行うかの選択が行えるようになっている。
【0015】次に、CPU10によって実行される図2
の自動演奏装置の処理の一例を図4から図13に示した
フローチャートに基づいて説明する。その前に、各処理
で使用されるワーキングレジスタ12の内容について説
明する。ワーキングレジスタ12には次のようなレジス
タがそれぞれ設定されている。 ・FLG:一単位の演奏情報の1バイト目にある識別コ
ードを記憶する識別コードレジスタ ・MD(TRK):再生、記録、停止等の動作モードを
トラック毎に記憶するモードレジスタ ・POINT(TRK):シーケンサメモリ13のアド
レスをトラック毎に指定するポインタ ・PRI:装置に標準的に装備されている補正テーブル
を使用するプリセットモードか、又はユーザが任意に設
定した補正関数を使用するマニュアルモードかを示す補
正モードレジスタであり、プリセットモードのときPR
I=“1”、マニュアルモードのときPRI=“0”で
ある。 ・KCD:キーコードを一時記憶するキーコードレジス
タ ・VEL:ベロシティデータを記憶するベロシティレジ
スタ ・VOL:ボリュームデータを記憶するボリュームレジ
スタ ・VELC(TRK):演奏者によって設定されたマニ
ュアルモード用のベロシティ補正関数をトラック毎に記
憶するベロシティ補正関数レジスタ・VOLC(TR
K):演奏者によって設定されたマニュアルモード用の
ボリューム補正関数をトラック毎に記憶するボリューム
補正関数レジスタ・TEMP:テンポクロック周波数を
設定するテンポデータを記憶するテンポ設定レジスタ ・TRK:現在処理中のトラック番号(1〜32)を指
示するトラック番号レジスタ ・TIME(TRK):時間間隔データをトラック毎に
記憶する時間間隔レジスタ
【0016】図4はCPU10が処理するメインルーチ
ンの一例を示す図である。まず、電源が投入されると、
CPU10はプログラム及びデータメモリ11に格納さ
れている制御プログラムに応じた処理を開始する。「イ
ニシャライズ」では、ワーキングレジスタ12を初期化
する。その後に、「プレイスイッチイベント」処理、
「テンポ設定イベント」処理、「プリセット/マニュア
ル設定イベント」処理、「ボリューム補正関数設定イベ
ント」処理、「ベロシティ補正関数設定イベント」処理
及びその他各種処理(記録スイッチ処理、停止スイッチ
処理、テンキー入力処理等のその他の操作イベント処
理)がイベントの発生に応じて繰り返し実行される。
【0017】「プレイスイッチイベント」処理は、操作
パネル14のプレイ(再生)スイッチが操作されたとき
に自動演奏(再生)を開始するための処理である。この
処理の一例は図9に示されている。「テンポ設定イベン
ト」処理は操作パネル14上のテンポ設定操作子が操作
された時に行われる。この処理の一例は図5に示されて
いる。「プリセット/マニュアル設定イベント」処理
は、操作パネル14上の補正モード選択スイッチが操作
された時に行われる。この処理の一例は図6に示されて
いる。「ボリューム補正関数設定イベント」処理及び
「ベロシティ補正関数設定イベント」処理は共に操作パ
ネル14上の操作子によって補正関数の設定操作がなさ
れた時に行われる。これらの処理の一例は第7図及び第
8図に示されている。「その他」の処理では、操作パネ
ル15におけるその他の操作子の操作に基づく処理や、
その他の種々の処理が行われる。
【0018】図5に示す「テンポ設定イベント」処理で
は、操作パネル14上のテンポ設定操作子によって指定
された設定値をテンポデータとしてテンポ設定レジスタ
TEMPに記憶し、そのテンポデータをテンポクロック
発生器18に送出する。これによって、テンポクロック
発生器18は設定されたテンポに従う周波数を持つテン
ポクロックパルスを発生する。図6に示す「プリセット
/マニュアル設定イベント」処理では、操作パネル14
の補正モード選択スイッチが操作される毎に補正モード
レジスタPRIの内容をプリセットモード又はマニュア
ルモードに反転する処理を行う。即ち、プリセット補正
テーブルを使用する場合はプリセットモードとして補正
モードレジスタPRIには“1”がセットされ、マニュ
アル補正関数を使用する場合にはマニュアルモードとし
て補正モードレジスタPRIには“0”がセットされ
る。
【0019】図7に示す「ボリューム補正関数設定イベ
ント」処理では、マニュアルモード用のボリューム補正
関数を各トラック毎(つまり各演奏パート毎)に設定す
る処理を行う。まず、所望のトラックを操作パネル14
の操作子によって指定し、そのトラックの番号を示すデ
ータをトラック番号レジスタTRKに記憶する。次に、
設定されたボリューム補正関数をトラック番号レジスタ
TRKによって指定されたトラック番号のボリューム補
正関数レジスタVOLC(TRK)に記憶する。図8に
示す「ベロシティ補正関数設定イベント」処理では、マ
ニュアルモード用のベロシティ補正関数を各トラック毎
(つまり各演奏パート毎)に設定する処理を行う。ま
ず、所望のトラックを操作パネル14の操作子によって
指定し、そのトラックの番号を示すデータをトラック番
号レジスタTRKに記憶する。次に、設定されたベロシ
ティ補正関数をトラック番号レジスタTRKによって指
定されたトラック番号のベロシティ補正関数レジスタV
ELC(TRK)に記憶する。
【0020】次に、図9に従って「プレイスイッチイベ
ント」処理の各ステップの内容を順に説明する。 ステップ21:第1番目のトラックから処理を開始する
ために、トラック番号レジスタTRKに“1”を設定す
る。 ステップ22:動作モードレジスタMD(TRK)に格
納されている値が再生モードを示す値であるかどうかを
判断し、再生モード(YES)の場合は次のステップ2
3に進み、再生モード以外の記録又は停止モード(N
O)の場合はステップ31に進む。動作モードレジスタ
MD(TRK)はトラック毎に設けられており、このス
テップ22ではトラック番号レジスタTRKで指定され
るトラックの動作モードを判定する。このようにトラッ
ク毎に動作モードを設定することによって再生するトラ
ックを任意に指定することができるようになっている
が、トラック毎の動作モード設定処理については詳細説
明を省略する。
【0021】ステップ23:トラック番号レジスタTR
Kによって指定されたトラックに関するシーケンサメモ
リ13の先頭アドレスをポインタPOINT(TRK)
に格納する。 ステップ24:ポインタPOINT(TRK)のアドレ
スに対応するシーケンサメモリ13内の演奏情報データ
を識別コードレジスタFLGに格納する。 ステップ25:識別コードレジスタFLGに格納されて
いる演奏情報データの識別コードを判定し、それぞれの
識別コードに応じた処理ステップに進む。 ステップ26:識別コードが「キーオン」イベントを示
す『9X』の場合に行う処理であり、図10のキーオン
イベントサブルーチンを行う。
【0022】ステップ27:識別コードが「キーオフ」
イベントを示す『8X』の場合に行う処理であり、キー
オフ処理を行う。この処理はキーオン処理とほぼ同様で
あってよいので、詳細説明は省略する。 ステップ28:識別コードが時間情報を示す『F4』の
場合に行う処理であり、図11の時間間隔設定サブルー
チンを行う。 ステップ29:識別コードが「コントロールチェンジ」
イベントを示す『BX』の場合に行う処理であり、図1
2のコントロールチェンジサブルーチンを行う。 ステップ30:識別コードが上記以外のコードの場合に
行う処理であり、それぞれのコードに応じた処理を行
う。ここではこの処理についての説明は省略する。 ステップ31:トラック番号レジスタTRKの内容に1
をプラスし、トラック番号を1だけインクリメントす
る。 ステップ32:インクリメントされたトラック番号レジ
スタTRKの値が最大シーケンサトラック数32より大
きいかどうかを判断し、小さい場合はステップ22に戻
り、インクリメントされたトラック番号に関して上述と
同様の処理を施す。大きい(YES)場合は全トラック
の先頭アドレスについての処理が終了したのでリターン
し、メインルーチンに戻り、これ以降は図13の処理を
テンポクロックによるインタラプト処理で実行する。
【0023】図9のステップ26又は図13のステップ
67で実行されるキーオンイベントサブルーチンの詳細
を図10を用いて説明する。 ステップ41:識別コードレジスタFLGの内容がキー
オンの場合に、MIDI規格からなるキーオンデータ
(図3参照)の第2バイト目のキーコードデータをキー
コードレジスタKCDに格納する。 ステップ42:MIDI規格からなるキーオンデータの
第3バイト目のベロシティデータをベロシティレジスタ
VELに格納する。 ステップ43:補正モードレジスタPRIの値が
“0”、即ちマニュアルモードであるかどうかを判断
し、マニュアルモード(YES)の場合はステップ44
に進み、そうでない(NO)場合はステップ45に進
む。
【0024】ステップ44:ここではマニュアルモード
によるベロシティ補正を行う。すなわち、トラック番号
レジスタTRKによって指定されたトラックのベロシテ
ィ補正関数レジスタVELC(TRK)に記憶されたベ
ロシティ補正関数に従い、ベロシティレジスタVELの
ベロシティデータをテンポ設定レジスタTEMPのテン
ポ設定データに応じて補正し、補正済みのベロシティデ
ータをベロシティレジスタVELに格納する。このよう
なデータ補正の手法は種々考えられる。例えば、ベロシ
ティ補正関数レジスタVELC(TRK)のベロシティ
補正関数としてテンポ設定データを独立変数とし、補正
済みのベロシティデータを従属変数とする複数の関数テ
ーブルを具備し、そのうち1つの関数カーブをベロシテ
ィレジスタVELのベロシティデータに応じて選択し、
選択された関数カーブからテンポ設定レジスタTEMP
のテンポデータに応じて補正済みベロシティデータを引
き出すようにしてもよい。この場合、ベロシティ補正関
数レジスタVELC(TRK)のベロシティ補正関数か
ら補正済みベロシティデータを引き出す変数はVELと
TEMPの2個であるから、VELC(TRK)(VE
L,TEMP)でこれを表現する。勿論、このように補
正済みベロシティデータを2つの変数VELとTEMP
に応じて補正関数テーブルからダイレクトに引き出す手
法に限らず、1つの変数TEMPに応じて補正係数を引
き出し、この補正係数をVELのベロシティデータに乗
算することによりデータ補正するようにしてもよく、さ
らにその他の手法であってもよい。
【0025】ステップ45:ここではプリセットモード
によるベロシティ補正を行う。すなわち、予め装置に標
準的に装備されているベロシティ補正テーブルに従い、
ベロシティレジスタVELのベロシティデータをテンポ
設定レジスタTEMPのテンポ設定データに応じて補正
し、補正済みのベロシティデータをベロシティレジスタ
VELに格納する。例えば、プリセットされたベロシテ
ィ補正テーブルからベロシティレジスタVELの値及び
テンポレジスタTEMPの値に基づいた補正済みベロシ
ティデータを引き出し、これをベロシティレジスタVE
Lに格納する。この場合も、上述と同様に、VELとT
EMPの2つを変数とせずに、TEMPのみを変数とし
て補正係数を引き出し、これをVELに乗算することに
よりデータ補正を行うようにしてもよい。
【0026】ステップ46:ポインタPOINT(TR
K)の内容に3をプラスし、トラック番号を3だけイン
クリメントする。ここで、3だけインクリメントする理
由は、第2及び第3バイト目のデータ、ここではキーコ
ードデータ及びベロシティデータをジャンプして、次の
演奏情報のステータスバイト(第1バイト)のアドレス
をポインタPOINT(TRK)が指示するようにする
ためである。 ステップ47:ステップ41の処理でキーコードレジス
タKCDに格納されたキーコードデータと、ステップ4
4又は45のいずれかの処理でベロシティレジスタVE
Lに格納された補正済みベロシティデータとをそれぞれ
有するMIDIのキーオンメッセージを入出力装置15
を介して音源17に送出する。これによって、音源17
はベロシティデータの補正されたキーオンメッセージに
基づいて楽音を発生するようになる。
【0027】次に、図9のステップ28又は図13のス
テップ69で実行する時間間隔設定サブルーチンの詳細
例を図11を用いて説明する。この処理は、識別コード
レジスタFLGの内容が時間情報を示している場合に行
われる処理であり、まず、この時間情報データの第2及
び第3バイト目に有る時間間隔データをトラック番号レ
ジスタTRKにより指定されたトラックの時間間隔レジ
スタTIME(TRK)に格納する。次に、当該トラッ
クのポインタPOINT(TRK)の内容に3をプラス
し、シーケンメモリ13のアドレスを3だけインクリメ
ントし、次の演奏情報の1バイト目を指示する。
【0028】次に、図9のステップ29又は図13のス
テップ70で実行されるコントロールチェンジイベント
サブルーチンの詳細例を図12を用いて説明する。この
処理は、識別コードレジスタFLGの内容が『BX』、
即ちコントロールチェンジイベントの場合に行われる処
理である。 ステップ51:ポインタPOINT(TRK)によって
指示されたコントロールチェンジメッセージの第2バイ
ト目の内容が『07』、即ちボリュームチェンジである
かどうかを判断し(図3参照)、『07』(YES)の
場合はステップ52に進み、そうでない(NO)の場合
はステップ53に進む。 ステップ52:コントロールメッセージの第3バイト目
のボリュームデータをボリュームレジスタVOLに格納
する。 ステップ53:第2バイト目の内容が『07』以外の場
合に行う処理であり、その他のパラメータ変更処理等を
行う。
【0029】ステップ54:補正モードレジスタPRI
の値が“0”、即ちマニュアルモードであるかどうかを
判断し、マニュアルモード(YES)の場合はステップ
55に進み、そうでない(NO)場合はステップ56に
進む。 ステップ55:ここではマニュアルモードによるボリュ
ーム補正を行う。すなわち、トラック番号レジスタTR
Kによって指定されたトラックのボリューム補正関数レ
ジスタVOLC(TRK)に記憶されたボリューム補正
関数に従い、ボリュームレジスタVOLのボリュームデ
ータをテンポ設定レジスタTEMPのテンポ設定データ
に応じて補正し、補正済みのボリュームデータをボリュ
ームレジスタVOLに格納する。
【0030】このようなデータ補正の手法は種々考えら
れる。例えば、ボリューム補正関数レジスタVOLC
(TRK)のボリューム補正関数としてテンポ設定デー
タを独立変数とし、補正済みのボリュームデータを従属
変数とする複数の関数テーブルを具備し、そのうち1つ
の関数カーブをボリュームレジスタVOLのボリューム
データに応じて選択し、選択された関数カーブからテン
ポ設定レジスタTEMPのテンポデータに応じて補正済
みボリュームデータを引き出すようにしてもよい。この
場合、ボリューム補正関数レジスタVOLC(TRK)
のボリューム補正関数から補正済みボリュームデータを
引き出す変数はVOLとTEMPの2個であるから、V
OLC(TRK)(VOL,TEMP)でこれを表現す
る。勿論、このように補正済みボリュームデータを2つ
の変数VOLとTEMPに応じて補正関数テーブルから
ダイレクトに引き出す手法に限らず、1つの変数TEM
Pに応じて補正係数を引き出し、この補正係数をVOL
のボリュームデータに乗算することによりデータ補正す
るようにしてもよく、さらにその他の手法であってもよ
い。
【0031】ステップ56:ここではプリセットモード
によるボリューム補正を行う。すなわち、予め装置に標
準的に装備されているボリューム補正テーブルに従い、
ボリュームレジスタVOLのボリュームデータをテンポ
設定レジスタTEMPのテンポ設定データに応じて補正
し、補正済みのボリュームデータをボリュームレジスタ
VOLに格納する。例えば、プリセットされたボリュー
ム補正テーブルからボリュームレジスタVOLの値及び
テンポレジスタTEMPの値に基づいた補正済みボリュ
ームデータを引き出し、これをボリュームレジスタVO
Lに格納する。この場合も、上述と同様に、VOLとT
EMPの2つを変数とせずに、TEMPのみを変数とし
て補正係数を引き出し、これをVOLに乗算することに
よりデータ補正を行うようにしてもよい。
【0032】ステップ57:ポインタPOINT(TR
K)の内容に3をプラスし、シーケンサメモリ13のア
ドレスを3だけインクリメントし、次の演奏情報の1バ
イト目つまりスティタスバイトを指示する。 ステップ58:ステップ55又は56のいずれかの処理
でボリュームレジスタVOLに格納された補正済みボリ
ュームデータを有するMIDIのコントロールチェンジ
メッセージを入出力装置15を介して音源17に送出す
る。これによって、音源17はボリュームデータの補正
されたコントロールチェンジメッセージに基づいて楽音
を発生するようになる。
【0033】図9のプレイスイッチイベントルーチンは
プレイスイッチがオンされたときに1回だけ行われる。
これ以後は、テンポクロックの割り込みに従い、図13
に例示するテンポクロック割り込みルーチンが繰り返し
実行される。このルーチンはテンポクロック発生器18
からCPU10にテンポクロックが与えられる毎に実行
される処理である。 ステップ61:第1番目のトラックから処理を開始する
ために、トラック番号レジスタTRKに“1”を設定す
る。 ステップ62:トラック番号レジスタTRKによって指
定されたトラックの動作モードレジスタMD(TRK)
に格納されている値が再生モードを示す値であるかどう
かを判断し、再生モードYESの場合は次のステップ6
3に進み、再生モードNOつまり記録又は停止モードの
場合はステップ72に進む。
【0034】ステップ63:再生モードYESの場合
は、トラック番号レジスタTRKによって指定されたト
ラックに対応する時間間隔レジスタTIME(TRK)
の値が“0”であるかどうかを判断し、“0”の場合は
ステップ64に進み、“0”以外の場合はステップ65
に進む。時間間隔レジスタTIME(TRK)の値が
“0”以外であるとは、演奏イベント間の時間間隔をカ
ウントしている最中であることを示す。他方、時間間隔
レジスタTIME(TRK)の値が“0”であるとは、
時間間隔のカウントが終了したことを示す。 ステップ64:ステップ63で時間間隔レジスタTIM
E(TRK)の値が“0”と判断された場合は、次の演
奏情報をシーケンサメモリ13から読み出す必要がある
ので、ポインタPOINT(TRK)によって指示され
た次の演奏情報メッセージの1バイト目から次の演奏情
報の識別コードを読み出し、これを識別コードレジスタ
FLGに格納する。
【0035】ステップ65:ステップ63で時間間隔レ
ジスタTIME(TRK)の値が“0”以外と判断され
た場合は、このレジスタの値から1だけマイナスし、時
間間隔レジスタTIME(TRK)の値をデクリメント
し、ステップ72に進む。つまり、時間カウントはテン
ポクロックパルスによって時間間隔データをデクリメン
トすることによって行う。 ステップ66:識別コードレジスタFLGに格納されて
いる演奏情報データの識別コードを判定し、それぞれの
識別コードに応じた処理ステップに進む。 ステップ67:識別コードが「キーオン」イベントを示
す『9X』の場合に行う処理であり、図10のキーオン
イベントサブルーチンを行う。 ステップ68:識別コードが「キーオフ」イベントを示
す『8X』の場合に行う処理であり、キーオフ処理を行
う。
【0036】ステップ69:識別コードが時間情報を示
す『F4』の場合に行う処理であり、図11の時間間隔
設定サブルーチンを行う。 ステップ70:識別コードが「コントロールチェンジ」
イベントを示す『BX』の場合に行う処理であり、図1
2のコントロールチェンジイベントサブルーチンを行
う。 ステップ71:識別コードが上記以外のコードの場合に
行う処理であり、それぞれのコードに応じた処理を行
う。 ステップ72:トラック番号レジスタTRKの内容に1
をプラスし、トラック番号を1だけインクリメントす
る。 ステップ73:インクリメントされたトラック番号レジ
スタTRKの値が最大トラック数32より大きいかどう
かを判断し、小さい場合はステップ62に戻り、インク
リメントされたトラック番号に関して上述と同様の処理
を繰り返す。大きい(YES)場合はテンポクロック分
についての全トラックの処理が終了したのでリターンす
る。その後、次のテンポクロックパルス発生によるイン
タラプト信号の発生によって、再び処理を実行する。
【0037】以上の構成において、再生動作つまり自動
演奏動作について説明すると、まず、補正モードをプリ
セットモードとするかマニュアルモードとするかの選択
を予め行い、図6の処理により、補正モードレジスタP
RIの内容を設定する。また、マニュアルモード用のベ
ロシティ補正関数及びボリューム補正関数の設定を所望
に応じて行い、図7、図8の処理により、ボリューム補
正関数レジスタVOLC(TRK),ベロシティ補正関
数レジスタVELC(TRK)に格納する。勿論、これ
らの設定処理(図6〜図8の処理)は自動演奏中でも設
定変更可能である。
【0038】次に、所望の再生トラックの選択を行った
後、プレイスイッチをオンすると、図9のプレイスイッ
チイベント処理が実行される。この場合、再生トラック
の先頭の演奏情報が例えばキーオンデータであるとする
と、ステップ26が実行され、図10のキーオンイベン
トサブルーチンに入る。このキーオンイベントサブルー
チンでは、補正モードがマニュアルモードであるか、プ
リセットモードであるかに応じてステップ44又は45
の処理が行われ、テンポクロックの周波数に応じたベロ
シティデータの補正が行われる。これにより、キーオン
データに応じた楽音が、補正されたベロシティデータに
従ってタッチレスポンス制御のなされた状態で発音され
る。次の演奏情報が時間間隔データの場合は、図13の
テンポクロックインタラプトルーチンのステップ69の処
理を行った後、このインタラプトルーチンのステップ6
5の処理をテンポクロックタイミング毎に繰り返して、
時間間隔データをデクリメントすることによって時間カ
ウントを行う。
【0039】時間間隔分のカウントが終了すると、図1
3のステップ64により次の演奏情報が読み出される。
次の演奏情報がボリュームチェンジイベントだと仮定す
ると、ステップ70により図12のコントールチェンジ
サブルーチンを行う。ここでは、補正モードがマニュア
ルモード/プリセットモードのどららかに応じてステッ
プ55又は56の処理を行い、ボリュームデータを演奏
テンポの速さに応じて補正する。これにより、補正され
たボリュームデータに従って発生音の音量が制御され
る。こうして、自動演奏のテンポに応じてタッチレスポ
ンス制御と設定音量が修正されるので、テンポを変更す
れば、それに追従してタッチレスポンス制御状態と設定
音量が変化することになる。しかも、そのようなテンポ
に応じた補正は各トラック毎に独立に行えるので、各ト
ラック(各演奏パート)毎に独立にテンポに応じた音量
等の制御が行える。
【0040】尚、上記実施例では、演奏者によって設定
されたボリュームデータやベロシティデータ等の楽音制
御情報をテンポに応じて変更・補正するようにしている
が、これに限らず、テンポに応じて一義的に楽音制御情
報の値を決定するようにしてもよい。例えば、テンポに
応じて一義的にボリュームデータの値を決定する場合
は、図12のコントロールチェンジイベントサブルーチ
ンを図14のように変更すればよい。図14において
は、図12のステップ52が省略されており、また、図
12のステップ55及び56がステップ55a及び56
aのように変更されている。ステップ55aでは、ステ
ップ55のボリューム補正関数レジスタVOLC(TR
K)に代えてボリューム設定関数レジスタVOLS(T
RK)を使用する。このボリューム設定関数レジスタV
OLS(TRK)には、テンポを独立変数とし、ボリュ
ームデータを従属変数とするボリューム設定関数を、前
述と同様の手法によってマニュアルモードにより適宜選
択設定し、格納するものとする。そして、このステップ
55aでは、トラック番号レジスタTRKによって指定
されたトラックのボリューム設定関数レジスタVOLS
(TRK)に格納されているボリューム設定関数に従
い、テンポ設定レジスタTEMPのテンポ設定データに
応じたボリュームデータを引き出し、これをボリューム
レジスタVOLに格納する。
【0041】ステップ56aでは、ステップ56のボリ
ューム補正テーブルに代えてボリューム設定テーブルを
使用する。このボリューム設定テーブルには、テンポを
独立変数とし、ボリュームデータを従属変数とするプリ
セットモード用のボリューム設定関数が記憶されてい
る。そして、このステップ56aでは、ボリューム設定
テーブルに記憶されているプリセットモード用のボリュ
ーム設定関数に従い、テンポ設定レジスタTEMPのテ
ンポ設定データに応じたボリュームデータを引き出し、
これをボリュームレジスタVOLに格納する。テンポに
応じて一義的にボリュームデータの値を設定する場合
は、図10のキーオンイベントサブルーチンおけるステ
ップ42,44,45を上述と同様に変更すればよい。
【0042】上記実施例では、ソフトウェア処理により
この発明を実施しているが、専用のハードウェアを構成
し、同様の制御を行うようにしてもよい。上記実施例で
は、シーケンサのトラック数が32の場合について説明
したが、これに限定されることはない。また、上記実施
例では、各トラック毎に独立に演奏テンポに応じた楽音
制御情報の補正若しくは変更・設定を行なうようにして
いるが、これに限らず、複数トラック(パート)で共通
に行なってもよい。演奏テンポに応じて補正若しくは変
更・設定を行なう対象とする楽音制御情報の種類は、上
記実施例のようなボリュームデータ(音量設定情報)及
びベロシティデータ(タッチ情報)に限らず、音色情
報、音高情報、各種楽音効果設定情報、エンベロープ情
報等、楽音要素を制御するための如何なる情報であって
もよい。
【0043】この発明が適用可能な自動演奏装置は、上
記実施例のようなシーケンサに限らず、自動ベースコー
ドや自動アルペジョ等の自動伴奏装置、あるいは自動リ
ズム演奏装置等、テンポクロックに従って自動演奏を行
なうタイプの如何なる自動演奏装置にも適用できること
は言うまでもない。
【0044】また、上記実施例では、設定した自動演奏
のテンポに応じて楽音制御情報が常時変更(補正)若し
くは設定されるようになっているが、これに限らず、テ
ンポ設定値を変更したときに経過的に(一時的に)楽音
制御情報を変更(補正)若しくは設定するようにしても
よい。そのためには、例えば、テンポ設定手段における
テンポ設定値が変化したことを検出する変化検出手段を
具備し、通常は演奏者によって設定されたボリュームデ
ータによって楽音信号の音量を制御する、あるいは実際
のキータッチ通りのベロシティデータによって楽音信号
のタッチレスポンス制御を行なうようにするが、前記変
化検出手段によりテンポ設定値が変化したことが検出さ
れたときに一時的にこれらのボリュームデータあるいは
ベロシティデータ等楽音制御情報をテンポに応じて変更
若しくは設定するようにすればよい。例えば、図10の
ステップ43,44,45や図12のステップ54,5
5,56の処理をキーオンイベントルーチンやコントロ
ールチェンジイベントルーチンから省略し、テンポ設定
イベントルーチンにおいて上記ステップ43,44,4
5やステップ54,55,56の処理と同様の処理を行
ない、この処理に基づき得られた楽音制御情報により一
時的に楽音制御を行なうようにすればよいし、またそれ
以外の手法も可能である。
【0045】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば、自動演
奏におけるテンポの変化に応じて演奏音の音量や音色等
の楽音要素を可変制御することができるようになり、豊
かな演奏表現を行なうことができる、という優れた効果
を奏する。特に、少なくとも2つの異なる楽音制御情報
についてそれぞれに独立の変更特性に従って設定テンポ
に応じた変更を行うようにしたので、設定されたテンポ
に応じた各楽音制御情報毎のの変更の態様を多様化/多
彩化することができ、豊富な演奏表現を行うことができ
る、という優れた効果を奏する。また、それぞれに独立
の変更特性に従って変更される前記少なくとも2つの異
なる楽音制御情報を、いずれも楽音音量制御用として使
用される音量ボリューム設定情報とベロシティ情報(す
なわちタッチ情報)とすることにより、設定テンポに応
じて同じ音量を制御するのであっても、その情報の種類
によって、制御の特性を大きく異ならせることができ、
特殊な制御が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を適用した自動演奏装置の基本構成
例を示す機能ブロック図。
【図2】 この発明の実施に係る電子楽器の一実施例の
ハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】 図2のシーケンサメモリに記憶する演奏情報
をMIDI規格で表現した場合のデータフォーマットの
一例を示す図。
【図4】 図2のCPUが処理するメインルーチンの一
例を示すフローチャート。
【図5】 図4のテンポ設定イベント処理の詳細例を示
すフローチャート。
【図6】 図4のプリセット/マニュアル設定イベント
処理詳細例を示すフローチャート。
【図7】 図4のボリューム補正関数設定イベント処理
の詳細例を示すフローチャート。
【図8】 図4のベロシティ補正関数設定イベント処理
の詳細例を示すフローチャート。
【図9】 図4のプレイスイッチイベント処理の詳細例
を示すフローチャート。
【図10】 図9及び図13のキーオンイベントサブル
ーチンの詳細例を示すフローチャート。
【図11】 図9及び図13の時間間隔設定サブルーチ
ンの詳細例を示すフローチャート。
【図12】 図9及び図13のコントロールチェンジイ
ベントサブルーチンの詳細例を示すフローチャート。
【図13】 テンポクロック割り込み処理の詳細例を示
すフローチャート。
【図14】 図12のコントロールチェンジイベントサ
ブルーチンの変更例を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 CPU 11 プログラム及びデータメモリ 12 ワーキングレジスタ 13 シーケンサメモリ 14 操作パネル 15 入出力装置 16 鍵盤回路 17 音源 18 テンポクロック発生器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動演奏のテンポを設定するためのテン
    ポ設定手段と、 複数の異なる種類の楽音制御情報を発生する楽音制御情
    報発生手段と、 前記テンポ設定手段で設定されたテンポに応じて前記楽
    音制御情報を変更するものであって、少なくとも2つの
    異なる楽音制御情報についてそれぞれに独立の変更特性
    に従って前記テンポに応じた変更を行う楽音制御情報変
    更手段と、 変更された前記楽音制御情報に応じて制御された特性を
    持つ楽音信号を、前記テンポ設定手段で設定されたテン
    ポに従って自動的に発生する楽音自動発生手段とを具え
    る自動演奏装置。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも2つの異なる楽音制御情
    報は、いずれも楽音音量制御用として使用される音量ボ
    リューム設定情報とベロシティ情報である請求項1に記
    載の自動演奏装置。
  3. 【請求項3】 前記楽音制御情報変更手段は、任意の補
    正関数を発生する手段を具備し、前記テンポ設定手段で
    設定されたテンポを示す情報と前記楽音制御情報発生手
    段で発生された楽音制御情報とをパラメータとして、前
    記補正関数に従って該楽音制御情報を変更するものであ
    る請求項1に記載の自動演奏装置。
  4. 【請求項4】 楽音自動発生手段は、複数の系列で並行
    して楽音信号を自動発生することができるものであり、
    前記楽音制御情報変更手段は、前記テンポに応じて各系
    列毎に独立に前記楽音制御情報を変更することができる
    ものである請求項1に記載の自動演奏装置。
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