JP2611283B2 - 免震用高ロスゴム組成物 - Google Patents

免震用高ロスゴム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は免震用高ロスゴム組成物に係り、特に自動
車、各種機械等の振動に対する防振、制振、並びに地震
振動エネルギーの伝達緩和、吸収装置の免震ゴムとして
使用するに好適な高ロス特性を有するゴム組成物に関す
る。
[従来の技術] 各種の振動エネルギーの伝達緩和、吸収装置には、通
常、高ロス特性を有するゴムが使用されているが、従
来、このような用途に供するゴム組成物には、高ロス特
性をもたせるために、カーボンを多量に配合すると共
に、加工性を改善し、加硫後の伸び特性を改善する目的
でオイル等の軟化剤をかなり多量に添加使用している。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、周知の通り、カーボンを多量に混入す
ることによりゴム材料のロス特性を高くすることはでき
るが、反面、加工性が極端に低下し、材料の破断時伸び
が大幅に低下する。このため、通常は、オイル等の軟化
剤を多量に混入することによってこれらの問題点を改善
する方法が採られているが、オイル等を多量に混入使用
することは、オイルの移行、揮散等の別の問題を伴うた
め、長期使用を目的とするゴム製品には望ましくないこ
とであった。
一方、ハイスチレン配合のSBRのように、ゴムそのも
のが常温で高ロス特性を有するものもある。
しかしながら、ハイスチレン配合SBRは、高いロス特
性が得られる反面、その副作用として、クリープ量が大
きくなると共に、弾性率及びロス特性の温度依存性が極
めて大きくなるため、実際に使用できる温度範囲が非常
に限定されたものになるという問題があった。このよう
な問題は、上記高カーボン−高オイル配合ゴム組成物に
ついても同様に起こり得る。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明の免震用高ロスゴム組成物は、軟化点又は融点
が150℃以下であるフェノール樹脂をゴム100重量部に対
し3〜40重量部配合してなり、その加硫物が下記(i)
及び(ii)の特性を満足することを特徴とする。
(i) 25℃、100%引張変形時のヒステリシス比が0.2
〜0.7 (ii) 5Hz、0.01%動的変形時の−10℃、30℃におけ
る貯蔵弾性率E(-10)、E(30)の比E(-10)/E(30)が1.0〜
2.5 かかる本発明によれば、フェノール樹脂の配合によ
り、ゴム材料の高ロス特性を具備すると共に、その温度
依存性、破壊特性、接着性等が著しく改善された高ロス
免震ゴムが提供される。
即ち、本発明者らは、高ロス特性に優れている上に、
温度依存性や破壊特性、接着性等の特性にも優れるゴム
組成物を得るべく鋭意検討を重ねたところ、特定のフェ
ノール樹脂がゴムの加工性を改善し、加硫時にはゴムと
の間に化学的反応又は物理的な相互作用が生じてゴム特
性の向上に寄与することを見出した。具体的には、フェ
ノール樹脂配合ゴムは、通常のプロセスオイル配合ゴム
に比べ、 ロスを増加させる効果が大きく、 ロスの大きさに比べ、弾性率の温度依存性が極めて
小さく、 クリープ量も小さく、 ゴム−金属接着性が良好で、 通常のプロセスオイル配合ゴムにみられる長期使用
時のオイルの移行が殆ど認められず、ゴム特性の長期安
定性にも優れる、 ことなどが確認された。
本発明はこのような知見に基きなされたものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、ゴムに配合するフェノール樹脂は、
軟化点又は融点が150℃以下のフェノール樹脂である
が、このようなフェノール樹脂としては、ノボラック型
フェノール樹脂、又は変性フェノール樹脂が好適であ
る。
ノボラック型フェノール樹脂はフェノールに対するホ
ルムアルデヒドのモル比F/Pが0.6〜1.0程度のもので、
その合成には主にシュウ酸、塩酸、硫酸、トルエンスル
フォン酸などが触媒として用いられる。ノボラック型フ
ェノール樹脂は反応釜にフェノール、ホルマリン及び触
媒を加えて加熱し、適当時間還流反応を行なった後、真
空脱水あるいは静置脱水により分離した水を除去し、更
に残っている水と未反応フェノールを除去すれば、融点
50〜100℃程度の固形のノボラックとして合成される。
最近では、このノボラックは塊状、フレーク状あるい
は棒状で供給される場合もあるが、ノボラックはこのま
までは熱硬化しない。そこで通常は、ヘキサミンを加え
混合・粉砕して粉末状の製品とする。ヘキサミンの添加
量はノボラックに対し10重量%前後が標準である。硬化
剤はヘキサミンのほかに固形レゾールが使用されること
もある。また、固形ノボラックを有機溶剤に溶解した液
状ノボラックもある。
変性フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノー
ル樹脂をロジン油、トール油、カシュー油、リノール
酸、オレイン酸、リノレイン酸等のオイル又はキシレ
ン、メシチレン等の芳香族炭化水素で変性した樹脂等が
挙げられる。
本発明において、これらのフェノール樹脂の配合量
は、得られるゴム組成物の加工性とゴムのロス特性の点
から、ゴム100重量部に対して3〜40重量部にする必要
があり、好ましくは5〜30重量部である。
なお、本発明のゴム組成物のゴム成分としては特に限
定されないが、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(B
R)、スチレン−ブタジエンゴム(BBR)、エチレン−プ
ロピレンゴム(EPR、EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロ
ゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴムが望ましく、これ
らのゴムは単独で用いても、2種以上を混合して用いて
も良い。
本発明においては、フェノール樹脂添加配合に際し
て、破断時伸びの改善等の目的で、次の、の粘着付
与剤を添加することは極めて有効である。
シクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンなど
の石油系炭化水素樹脂をゴム100重量部当り、2〜40重
量部。
ロジン又はロジン誘導体を、ゴム100重量部当り、
2〜20重量部。
その他、本発明のゴム組成物は、必要に応じて、各種
充填剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、オイル等、ゴム
材料の一般的な配合剤を含有していても良く、通常の加
硫条件で加硫されることにより高ロスゴムが得られる。
ところで、本発明のゴム組成物は、その加硫物が下記
(i)、(ii)の特性を満足するように構成されたもの
である。
(i) 25℃、100%引張変形時のヒステリシス比が0.2
〜0.7 (ii) 5Hz、0.01%動的変形時の−10℃、30℃におけ
る貯蔵弾性率E(-10)、E(30)の比E(-10)/E(30)が1.0〜2.
5 以下に上記(i)、(ii)の限定理由について説明す
る。
(i) 材料のヒステリシス比 一般に、材料のヒステリシスロス特性、減衰特性の尺
度としては、損失正接tanδ値が用いられる。しかし、
周知の通り、tanδは、材料に微小振幅の刺激に対する
応答遅れとして測定される量であるため、大変形を受け
る製品に使用する材料のロス特性を記述するパラメータ
ーとしては不適である。
そこで本発明では、25℃、100%引張変形時の材料の
ヒステリシス比(h100)をロス特性のメジャーとした。
なお、引張速度200mm/minで、h100は、第1図の応力−
歪曲線において の面積比で与えられる。
h100は高ロスゴム材料としては、できるだけ大きいこ
とが望ましいが、このことは必然的に材料の塑性変形と
それに伴うクリープを大きくする。従って、両特性を良
好なものとする25℃におけるh100の範囲は、 0.2≦h100≦0.7 好ましくは 0.25≦h100≦0.65 より好ましくは 0.3≦h100≦0.6 である。
(ii) 材料の弾性率の温度依存性 多くのゴム製品の使用温度は一般に冬期には−10℃、
夏期には30℃の環境条件になることは十分考えられる。
このような状況に対し、ゴム材料等は、多かれ少なかれ
弾性率が温度依存性を示し、低温程硬くなる傾向を持
つ。更に材料のロス量が大きくなる程、大きな温度依存
性を示す傾向がある。
本発明においては、材料の弾性率の温度依存性が小さ
いことが好ましい。具体的には、5Hz、0.01%歪で動的
に測定された貯蔵弾性率Eの−10℃における値E(-10
と30℃における値E(30)との比は 好ましくは 更に好ましくは とされる。
本発明の免震用高ロスゴム組成物を加硫して得られる
ゴムは極めて優れた高ロス特性を有し、しかも、温度依
存性、破壊特性、接着性等も良好であることから、振動
エネルギーの吸収、緩和に係わる免震用ゴム材料として
有用であり、とりわけ、本発明の免震用高ロスゴム組成
物を免震装置に適用した場合には、その伸び特性、温度
依存性、ゴム−金属接着性及び長期物性の安定性といっ
た面で、優れた特性を有する製品を得ることが可能であ
る。
以下に、本発明の免震用高ロスゴム組成物を免震構
造、特に免震ゴムへ適用する場合を例に挙げて、説明を
加える。
周知の通り、免震構造の作用効果はコンクリートのよ
うな剛体建物と基礎土台との間に、横方向に柔らかい、
即ち剪断剛性率の小さい免震ゴムを挿入することによ
り、コンクリート建物の固有周期を地震の周期からずら
すことによる。このため、免震ゴムを建物と土台との間
に挿入する免震設計により、地震により建物が受ける加
速度は非常に小さくなる。
しかしながら、建物のゆっくりした横揺れはそのまま
残るため、この横揺れ量が大きいと建物と他の構造物と
の衝突や水管、ガス管、配線などの備品の破壊をもたら
すこととなる。
そこで従来においては、一般にこの横揺れ変位を小さ
くするために、免震構造体とダンパーを並列に並べて配
置して使用している。
しかしながら、免震構造体とダンパーとを並列に設置
する方法は、設置作業が煩雑となり、大幅なコスト上昇
をもたらし有利な方法とはいえない。そこで、上記問題
を解決するために、複数個の剛性を有する硬質板と粘弾
性的性質を有する軟質板とを交互に貼り合わせた免震ゴ
ムにおいて、免震ゴムの軟質板を構成する材料自身に、
高いヒステリシスロスを付与することによって、免震効
果とダンピング効果を兼備させることについて検討を重
ねた結果、次のようなことを知見した。
即ち、ダンパーとしての作用のみを考えた場合におい
ては、ヒステリシスロスの大きい材料程望ましい。しか
るに、ヒステリシスロスが大きくなると、クリープが大
きくなり、また弾性率の温度依存性が大きくなるなど、
建物を支える免震構造体としては望ましくない副作用が
現れる。このため、軟質板の構造材料には、 ヒステリシスロス特性が特定の大きさの範囲にある
こと。
弾性率の温度依存性が小さいこと。
が要求される。
上記の観点より、本発明の免震用高ロスゴム組成物を
免震ゴムの軟質板用材料として用いれば、免震効果とダ
ンピング効果とを同時に発揮しうる、理想的免震ゴムが
できることを示唆している。
本発明の免震用高ロスゴム組成物を軟質板用材料とし
て用い、第2図に示す如く、剛性を有する硬質板1と軟
質板2とを交互に積層してなる積層構造体3の上下面に
フランジ4,5を設けた免震構造体とする場合、次のよう
な改良を加えることにより、著しく優れた効果が得られ
る。
I 第3図に示す如く、積層構造体3の外表面を耐候性
等に優れた特殊ゴム6で被覆することにより、免震構造
体の耐久性を大幅に向上させることができる。
耐候性改善のための被覆層のゴム材料としては、例え
ば、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタン、シリコ
ンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、エチレンプロピレン
ゴム(ERP及びEPDM)、ハイパロン、塩素化ポリエチレ
ン、エチレン酢酸ビニルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、クロロプレンゴム等が挙げられる。これらのうち、
特にブチルゴム、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴ
ム、ハイパロン、塩素化ポリエチレンン、エチレン酢酸
ビニルゴム、クロロプレンゴムが耐候性の面からは効果
的である。更に、軟質板を構成するゴムとの接着性を考
慮した場合には、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、クロロブチレンゴムが望ましい。
これらのゴム材料は単独で用いても、2種以上をブレ
ンドして用いても良い。また、伸び、その他の物性を改
良するために市販ゴム、例えば、天然ゴム、イソプレン
ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニト
リルゴム等とブレンドしても良い。更に、これらのゴム
材料には、各種充填剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑
剤、軟化剤、オイル等、ゴム材料に一般的な配合剤を混
合しても良い。特に、シクロペンタジエン樹脂、シクロ
ペンタジエン樹脂の誘導体、ジシクロペンタジエン樹
脂、ジシクロペンタジエン樹脂の誘導体、及びシクロペ
ンタジエン又はジシクロペンタジエンの関連化合物の重
合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種を、エチレ
ンプロピレンゴムを主成分とするゴム材料100重量部に
対し5〜50重量部、更にロジン誘導体を2〜30重量部添
加することにより、破壊特性、金属との接着性等が大幅
に改良され、極めて有利である。
このようなゴム材料で形成される被覆層の厚さは、一
般に厚ければ厚い程、内部保護効果が高く好ましいが、
反面、コスト高となり、また加硫を遅らせるなどの問題
もおきる。このようなことから、被覆層の厚さは1〜30
mm、望ましくは2〜20mm、とりわけ3〜15mmとするのが
好ましい。ただし、免震構造体に耐火性等が要求される
場合においては、被覆層を30mmを超える厚さとすること
も可能である。
II Iの如く、被覆層を設けた場合において、第4図に
示す如く、硬質板1のエッジ部を円弧形状ないし円弧類
似形状に膨出させることにより、硬質板1のエッジ部に
接触している軟質板2の部分に過大な応力及び歪が発生
し、この部分で損傷を起こすのを防止することができ
る。
この場合、硬質板1の側端面に形成される膨出部の断
面円弧形状の円弧の半径は、第4図のV部の拡大図であ
る第5図に示すrの値で、 好ましくは 0.1R≦r より好ましくは 0.3R≦r とりわけ 0.5R≦r とするのが望ましい。(ただし、1Rは半径1mmの円弧で
ある。) なお、この膨出部の円弧形状又は円弧類似形状とは、
上記の円弧以外に、局部応力を低減させるべく円弧的な
働きをするものであれば、特に制限はない。
III 第4図に示す如く、積層構造体3のフランジ4、
5と接する部分を、フランジ4、5に向けて次第に横断
面積が大きくなるように、その外表面が内側に縦断面円
弧状ないし円弧類似形状に反った湾曲面とすることによ
り、フランジ付近に局部歪が集中するのを防止し、最大
局部歪を大幅に低下し、歪を平均的に分布させることに
より、局部歪による免震構造体の損傷、破損等の問題を
解消することができる。
この場合、湾曲面の円弧形状は、第5図に示すよう
に、軟質板2の厚さk、硬質板1の厚さhに対して、半
径Lが、 好ましくは より好ましくは とりわけ であるようなものとするのが望ましい。
なお、本実施例において、この湾曲面の円弧形状又は
円弧類似形状とは、第4図のような円弧形状の他に、こ
れに類似した形状で局部応力を低減させる効果を有する
ものであれば良く、その他の形状を採用することもでき
る。
IV 次の及び/又はの構成とすることにより、フラ
ンジ近傍の硬質板の曲げ変形に起因する局部歪の発生が
減少され、局部歪による免震構造体の損傷、破壊等の問
題が解消される。
フランジ取付側の硬質板の曲げ剛性率は中心側の硬
質板の曲げ剛性に比べて高い。
フランジ取付側の軟質板の引張応力は中心側の軟質
板の引張応力に比べて高い。
即ち、第6図に示すような、軟質板R1、R2、R3……RM
と、鋼板等の剛性を有する硬質板S1、S2、S3……SMとを
交互に積層して構成されている(なお、RM及びSMは、各
々、中心部の軟質板及び硬質板を指す。)積層構造体3
において、例えば、硬質板S1、S2、S3……SMの25℃にお
ける曲げ剛性を、各々、ES1、ES2、ES3、……ESMとした
場合、硬質板S1の曲げ剛性ES1は硬質板SMの曲げ剛性ESM
に対し、 好ましくは 更に好ましくは となるようにする。
また硬質板S2の曲げ剛性ES2は硬質板SMの曲げ剛性ESM
に対し、 好ましくは とするのが望ましい。
の構成については、具体的には、軟質板R1、R2、R3
……RMの25℃における100%伸長時の引張応力(Modulus
100)を、各々、ER1、ER2、ER3、……ERMとすると、
軟質板R1の引張応力ER1は軟質板RMの応力ERMに対し、 好ましくは より好ましくは となるようにする。
また軟質板R2の引張応力ER2は軟質板RMの引っ張応力E
RMに対し 好ましくは とするのが好ましい。
V 径の異なる硬質板を組合せて、積層体の少なくとも
フランジと接する部分が、フランジに向けて次第に横断
面積が大きくなるように、その外表面が内側に縦断面円
弧状ないし円弧類似形状に沿った湾曲面とすることによ
り、フランジ付近に、最大局部歪等の大きな局部歪が集
中するのを防止し、歪を全体に幅広く平均的に分布さ
せ、最大局部歪を大幅に低減すると共に、座屈を防止し
て、局部歪や座屈による免震構造体の損傷、破損等の問
題を解消することができる。
即ち、第7図に示す如く、硬質板1、1′、1″…の
ぞれぞれの径l1、l2、l3…は l1>l2>l3… とし、積層構造体3の断面形状を、内側に反った湾曲面
(換言すると外側に凹形状を形成する湾曲面)とする。
この場合においても、前記I、IIの構成を取り入れ
て、第8図のような構造とすることにより、それぞれ効
果を得ることができる。
VI 積層構造体の周縁部分の剛性を内側部分の剛性より
も高くすることにより、大きな局部歪が積層構造体の特
に軟質板の周縁部に発生するのを防ぎ、その結果最大局
部歪を大幅に低減することが可能となる。
具体的には、次の及び/又はを採用することがで
きる。
第9図に示す如く、軟質板2の周縁部分2aの剛性を
内側部分2bの剛性よりも高くする。例えば、軟質板2の
周縁部分2a、内側部分2bに、それぞれ剛性の異なる材料
を用い、これを貼り合せて構成することができる。
この場合、各々の材料は、25℃、200mm/minの引張速
度にて50%引張伸長時の弾性率で表した場合、周縁部分
の2aの弾性率をEout、内側部分2bの弾性率をEinとする
と、 好ましくは より好ましくは となるように選定するのが好ましい。
この場合、本発明の高ロスゴム組成物を用いて軟質板
を形成する際に、前述の軟化点又は融点が150℃以下の
フェノール樹脂をゴム材料に対して多量に配合すること
により硬度を高くしたゴム組成物を周縁部分に用い、内
側部分にはこのフェノール樹脂配合量の少ないゴム組成
物を用いることにより、容易に、所望の構成とすること
ができる。
硬質板の積層枚数を積層構造体3の周縁部分におい
て増やす。例えば、第10図に示す如く、硬質板1として
通常の硬質板1aと共に、中心部をくり抜いて例えばドー
ナツ状にした硬質板1bを用い、これを交互に軟質板2の
間に積層する。
、の場合において、積層構造体3の剛性を高くす
る周縁部分の幅、即ち第9図及び第10図におけるlと、
積層構造体3の直径又は一辺の長さ、即ち第9図及び第
10図におけるl0との関係は、 好ましくは とするのが望ましい。
ところで、このような免震構造体は、免震効果と共に
より高い減衰効果を発揮させるために、軟質板及び硬質
板よりなる積層構造体の中心部に円筒状の空間を設け、
この空間にダンパーを配置したものとするのが好まし
い。この場合、円筒状の空間の直径(内径)をD1とし、
積層構造体の直径(外径)をD0としたときに、D1とD0
の比がD1/D0≦0.7とりわけD1/D0≦0.5となるようにする
のが好適である。
ダンパーの材料としては、 未加硫ゴム及び/又は加硫ゴムに必要に応じて充填
剤を充填したもの 樹脂又は粘性体や可塑剤等を配合した樹脂 FRP 等の粘弾性材料等が好ましく、次の(イ)、(ロ)の物
性を有するものであることが好ましい。
(イ) 25℃、50%引張変形時(引張速度200mm/min)
のヒステリシス比(h50)が0.2以上とりわけ0.3以上で
あること。
(ロ) 周波数5Hz、歪0.01%、温度25℃で動的に測定
された貯蔵弾性率(E)が1≦E≦2×104(Kg/cm2
とりわけ5≦E≦1×104(Kg/cm2)の範囲にあるこ
と。
このように優れたヒステリシス特性を有する特定の粘
弾性物質をダンパーとして配置することによって、小変
形から大変形に至る幅広い領域で、極めて高減衰の免震
構造体を得ることができた。
また、この場合において、第11図に示す如く、ダンパ
ー10と積層構造体3の空洞内壁との間に、ダンパーより
も低弾性の材料7又は空気層を含む層を形成することに
より、微小振動に対してダンパーが免震構造体の減衰作
用を阻害するのを防止することができる。
この場合、積層構造体3の大きさ、ダンパー10の大き
さ、低弾性材料7の厚さ等にも特に制限はなく、免震構
造体の使用目的等に応じて適宜選定されるた、例えば、
積層構造体3の空洞の直径L1と積層構造体の直径L2との
比、L1/L2は、 好ましくは 更に好ましくは であることが望ましい。
また、低弾性材料7の厚さL0と積層構造体3の空洞の
直径L1との比、L0/L1は、 好ましくは であることが望ましい。
[実施例] 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1,2 第1表に示す組成のゴム組成物を加硫し、各々、その
物性を調べた。結果を第1表に示す。
第1表より、比較例1のゴム組成物では、アロマオイ
ルを多量に使用しているところから、温度依存性が著し
く劣り、また、比較例2のゴム組成物はロス特性が劣る
のに対し、特定のフェノール樹脂を配合した実施例1〜
5の本発明のゴム組成物では、ロス特性、温度依存性が
いずれも良好であることが明らかである。
*1: ノボラック型フェノール樹脂融点130℃ *2: h100;25℃、100%引張変形時の試料のヒステリシ
ス比であり、ロス特性のメジャーとした。なお、引張速
度200mm/minで、h100は第1図の応力−歪曲線におい
て、 の面積比で与えられる。
*3: E(-10)/E(30);12Hz、歪0.01%で動的測定された
貯蔵弾性率Eの−10℃におけるE(-10)と30℃における値
E(30)との比であり、温度依存性の指標とした。
実施例6,比較例3 実施例5(実施例6)及び比較例2(比較例3)のゴ
ム組成物を軟質板材料として、第12図に示すような本発
明の免震構造体を製造し、その減衰効果を調べた。
免震構造体の各部の仕様及び測定条件は下記の通りで
ある。
免震構造体仕様 第12図における各部の大きさ a=160mm b=164mm c=53m d部の形状=第5図に示すrの値でr=1mmの断面円弧
形状 e部の形状=第5図に示すL,h,kの値が となる断面円弧形状の湾曲面 軟質板:実施例5又は比較例2のゴム 2mm厚さ(k)×18層(=36mm) 硬質板:鉄板 1mm厚さ(h)×17層(=17mm) 測定条件 温度:室温(25℃) 振動:0.5Hzの両振り(第13図参照) 鉛直方向の荷重:30Kg/cm2 水平方向の剪断歪:100% なお、減衰効果は、積層ゴムの減衰効果の大きさを示
す値として建築や機械分野で一般に用いられている等価
粘性減衰定数(Equivalent Viscous Damping Coefficie
nt)を用いて表示した。
結果を第2表に示す。
第2表より、本発明の免震用高ロスゴム組成物を用い
た免震構造体は、著しく優れた免震効果を有することが
認められる。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の免震用高ロスゴム組成物
は、ロス特性に優れると共に、温度依存性、破壊特性、
接着性等の特性にも著しく優れていることから、各種の
免震、除震、防振、制振装置に用いられる免震ゴムのゴ
ム材料として極めて有効であり、あらゆる環境下に長期
間安定して、その高ロス特性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は応力−歪曲線を示すグラフである。第2図〜第
11図は各々本発明の免震用高ロスゴム組成物を用いて構
成される免震構造体の例を示す図であって、第2図、第
3図、第4図、第6図、第7図、第8図、第9図、第10
図及び第11図は断面図、第5図は第4図V部の拡大図で
ある。第12図は実施例6及び比較例3で製造した免震構
造体の概略図である。第13図は実施例6及び比較例3の
両振りの状態を示す概略図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟化点又は融点が150℃以下であるフェノ
    ール樹脂をゴム100重量部に対し3〜40重量部配合して
    なり、その加硫物が下記(i)及び(ii)の特性を満足
    することを特徴とする免震用高ロスゴム組成物。 (i) 25℃、100%引張変形時のヒステリシス比が0.2
    〜0.7 (ii) 5Hz、0.01%動的変形時の−10℃、30℃におけ
    る貯蔵弾性率E(-10)、E(30)の比E(-10)/E(30)が1.0〜2.
    5
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