JP2610984B2 - 紛体を連続するトウにスプレする方法及び装置 - Google Patents

紛体を連続するトウにスプレする方法及び装置

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    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B7/00Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas
    • B05B7/14Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas designed for spraying particulate materials
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は微粒子粉体材料をスプレする載置に係わり、
特に個々のストランド(strand)から成るトウ(tow)
の連続ロービング(粗紡糸)内に微粒子粉体材料をスプ
レする載置に関する。
発明の背景 連続ロービングやトウを使用してフィルタ等を作る技
術は周知である。トウは複数の繊維状の糸体すなわちス
トランドから成り、これらの糸体は、編んでいない繊維
材料から作られることが多く、細長く一本に束ねられて
いる。このような個々の糸体は、トウの全長にわたって
連続的に延在したものでもよいし、または長さが数イン
チのものを使用してそれらの端同士をつなぐようにして
もよい。
フィルタの製造の際には、例えばトウを構成する個々
の糸体を、糸体のろ過作用を向上させる材料で、及び/
又は個々の糸体をトウ内でともに接着する材料で被覆す
ることが望ましい。例えば、発明者グルーブ(Greve)
等の米国特許第4,317,425号及び発明者アーサー(Arthu
t)の米国特許第4,421,055号に開示された公知のシステ
ルでは、スプレ室内に固定された一以上のスプレ器の前
をトウを軸方向に移動させながら被覆材を塗布するもの
であった。このスプレ室には余剰の被覆材を収集する回
収システムが設けられている。このようなスプレ器は回
転ブラシを具備し、この回転ブラシの毛は貯蔵槽又は供
給ローラーから被覆材を取り出して、この被覆材を微細
滴の形で移動中のトウ上に発射する。
この公知方法は、トウ内の糸体の一部に被覆材が塗布
されない場合がしばしば生ずるという問題がある。詳述
すると、上述のように塗布された被覆材は個々の糸体を
束ねた時の密度又は密集度によっては、トウの内部に浸
透せずに一部の糸体の外表面を被覆しないことがある。
この結果、トウの外表面のみ、又はトウ外表面の直下の
糸体までにしか、被覆材が塗布されないことになる。こ
のような塗布状態のトウは充分なろ過特性を発揮するこ
とができない。
そこで、トウ内の糸体のすべてを完全に被覆する為に
被覆材の塗布前にトウ内の個々の糸体を互いに分離させ
る試みがこれまで、いろいろ行われていた。この種の装
置の一例が発明者ワイルド(Wylde)の米国特許第2,96
6,198号に開示されている。このワイルド(Wylde)特許
では、加圧空気流により乱流が生じている室内にトウを
通過させてトウの個々の糸体を分離させる。上記室の内
部には管が配設され、この管にはトウに加圧空気を印加
する点よりも下流側に放出オリフィスが設けられ、上記
糸体の分離後に上記管から液体被覆材が個々の糸体に塗
布される。
ところが、このワイルド(Wylde)の特許に開示され
たような装置にも以下の問題がある。即ち、被覆材を噴
出する管が被覆室の内部に配置され、トウが、この被覆
室の通過時に上記管の所を取り囲むように通らねばなら
ないので、トウが損傷してしまう。特に個々の糸体が比
較的密に束ねられている場合にトウの損傷が生ずるとい
う問題がある。
発明の要約 そこで、本発明の諸目的は、トウに損傷を与えること
なく、トウの個々の糸体の外体面を被覆材でほぼ完全に
被覆することができる、被覆材によるトウの被覆方法及
び装置を提供することにある。
これらの目的は以下の構成の本発明の装置によって達
成される。即ち本発明の装置は中空スプレ室と、このス
プレ室の一端に接続された入口案内体と、スプレ室の反
対端に接続された出口案内体とを具備し、個々の糸体か
ら成るトウは上記スプレ室をとおして上記入口案内体と
上記出口案内体との間を軸方向に移動可能であり、一実
施例では、上記両案内体はスプレ室に固定されているが
別の例ではスプレ室にスリーブが形成され、これらのス
リーブには案内体が摺動可能に取付けられる。これらの
案内体は外壁を有しこの外壁には複数のOリング(オー
・リング)が取付けられ、これらのOリング(オー・リ
ング)はスリーブの内壁と対面の上記案内体外壁との間
をシールする。上記室の一方側面には抜け口が形成さ
れ、この抜け口の反対側には入口ポートが形成され、こ
の入口ポートは被覆材、好ましくは空気で搬送される空
気搬送微粒子粉体被覆材をスプレするスプレ器に接続さ
れている。このスプレ器は空気搬送微粒子粉体材料をト
ウの移動方向にほぼ垂直な方向からトウに噴出ように
し、これによって、トウの個々の糸体は互いに分離され
微粒子粉体材料はトウの直径方向即ち全厚さ方向の隣接
糸体の外表面の間に止まる。
現時点での好適実施例では、スプレ室の直径と出口案
内体の直径とは、トウの「膨脹」直径、即ち個々の繊維
が空気搬送される微粒子物体流をあてられて互いに分離
された時の直径、即ち横断方向最大寸法を制限するよう
に、選定されている。スプレ室と出口案内体の寸法を上
述のように選定した場合には、スプレ室内にスプレされ
た空気流に搬送された微粒子粉体材料はトウの外周囲を
流れるのではなくトウの内部を貫通する。
本発明のスプレ器は、本発明の出願人が所有する米国
特許第4,600,603号に開示されたものと同様の種類のも
のである。別の観点によれば、本願の発明は上述のよう
なスプレガンとこスプレガンに被覆材を供給する被覆材
源とを所定の圧力レベルで作動させるもので、この圧力
レベルの選定によって、空気搬送される微粒子粉体流の
速度はトウの個々の糸体を互いに充分に分離させ得る値
になると共に、微粒子粉体材料の量は糸体の外表面を充
分に被覆し得る値になる。空気搬送される微粒子粉体流
の速度は、多数の変数、例えばトウ内の個々の糸体の密
度や、トウの直径即ち横断方向最大寸法や、スプレ室を
貫通するように軸方向に移動中にトウに加えられる引張
力や、スプレ室に通過するトウの軸方向速度や、トウの
ストランドしたがって糸体を構成する材料の種類や、微
粒子粉体材料の寸法及び形状や、トウに塗布される微粒
子粉体材料の量や、その他の要因に応じて選定される。
例えば、トウの密度が比較的高い場合又はスプレ室を
通過中のトウに加えられる引張力がかなり大きい場合に
は、個々の糸体を分離するために空気搬送微粒子粉体流
の速度を増大する必要がある。他方、トウの糸体が比較
的ゆるく束ねられた場合やトウの直径が比較的小径であ
る場合やスプレ室を通過する時のトウの速度が比較的低
速である場合には、空気搬送微粒子粉体材料の速度は減
速される。
この場合の好適な実施例では、微粒子状のフェノール
樹脂が直径約1インチ(2.54cm)の室内に約7,000〜9,6
00フィート/分(fpm)(約210,000〜290,000cm/分)の
速度でスプレされた。スプレ室を通過するトウは、長さ
約2〜3インチ(約5.1〜7.6cm)、直径25〜30ミクロン
の個々の繊維を有する直径約0.625インチ(約1.6cm)の
ポリエステル繊維材料から成るものであった。トウの速
度が約100フィート/分(約3,000cm/分)の時、トウ内
の個々の糸体は充分に分離され、糸体の外表面はフェノ
ール樹脂によって実質的に被覆され、この結果、この被
覆後のトウの重量は25〜30%の範囲で増加した。
本発明のここに示す好適実施例の構造や作用や利点は
添附図面を参照した以下の説明から明らかになるであろ
う。
実施例 第1図において、図示の装置は、直径又は厚さ13のロ
ービング又はトウ12の個々の糸体10上に空気搬送(エア
エントレイン)の微粒子粉体材料をスプレするもので、
このトウ12は、ボックス即ちリール14梳綿機(カード
機)や紡糸口金やその他のトウ生成機から発生する。ト
ウ12は、リール14から軸方向に引き出され後述のスプレ
室16を通過し、その後に巻取機18に巻付けられる。この
巻取機18は第1図に概略的に示した駆動系19によって回
転される。トウ12を構成する個々の糸体10は、トウの全
長にわたって延在するか又は数インチの長さであり、所
望の密度に束ねられている。このような糸体10は不織の
あるいは編まれていない繊維状材料等から作ることがで
きる。このトウ12の製作は、本発明の一部を構成してい
ないので、本明細書では詳述しない。
スプレ室16は、中空の内部20と粉体入口22と排気口し
たがってベント部24とを有し、この排気口24は粉体入口
22から約180゜離れている。第1図及び第2図の実施例
では、スプレ室16の一端に、中空で円筒状の入口案内体
26が固着され、スプレ室16の反対端には中空で円筒状の
出口案内体28が固設され、この出口案内体28は入口案内
体26に軸方向に整合している。
第3図に示したスプレ室90は、上述の構造の変形例で
あり、軸方向に整合し対向するスリーブ92、94と、粉体
入口96と、ベント部即ち回収ライン98とを具備し、この
粉体入口96には内側肩部97が形成されている。入口案内
体100は、スリーブ92内に挿入可能であり、出口案内体1
02はスリーブ94内に挿入自在である。粉体入口96内には
スプレガン32のノズル88が入り込み、入口96の肩部97に
当接して裾え付けられている。
入口案内体100の内側端は、外端104を有し、この外壁
104には互いに離間した溝106、108が形成され、これら
の溝106、108にはOリング110が収容されている。入口
案内体100には溝106、108の外方に環状肩部112が形成さ
れ、この肩部112は、入口案内体100がスリーブ92に完全
に挿入されたときにスリーブ92の外側縁93に当接する。
入口案内体100には、更に中央通路114が形成され、この
通路114の直径は、スプレ室90と出口案内体102とのいず
れの直径よりも小系で、トウ12の直径即ち厚さ13にほぼ
等しく定められている。
同様に、出口案内体102の内側縁は外壁116を有し、こ
の外壁116には互いに離間した溝118、120が形成され、
これらの溝118、120にはOリング122が収容されてい
る。出口案内体102には環状の肩部124が形成され、この
肩部124は、出口案内体102が完全にスリーブ94内に挿入
された時にスリーブ94の外側縁95に当接する。出口案内
体102は中央通路126を有し、トウ12は後述のようにスプ
レ室90の後に通路126を通過する。このように、入口及
び出口案内体100、102の両方とも、スプレ室90に取り外
し可能に取付けられ、この室90に対して漏洩のないよう
にシールされている。
好適実施例では、微粒子粉体材料は、粉体スプレガン
32に接続された粉体源30からスプレ室16かスプレ室90か
のいずれかに供給される。この粉体源30は発明者ダンカ
ン(Duncan)等の米国特許第3,746,254号に詳述された
タイプのもので、この引用によりこの特許の開示は本件
明細書の一部を構成するものである。粉体源30は、要約
すると、微粒子粉体材料35が充満されたホッパー34を有
し、このホッパー34の出口36は通路38に接続され、この
通路38は計量ブロック40内に形成されている。計量即ち
粉体流量ライン42は、弁44を有し、一端が出口36に接続
され、他端が加圧空気源46に接続されている。計量ブロ
ック40内には出口管48が取付けられ、この出口管48には
室49が形成され、この室49は通路38に接続されている。
出口管48は軸方向通路50を有し、この通路50には室49の
下流側にベンチュリ管部52が形成されている。空気・流
体化ライン54は、弁56を有し、一端が通路50の上流で室
49に接続され、他端が加圧空気源46に接続されている。
この作用は次の通りである。即ち加圧空気源46からの
加圧空気は、計量即ち粉体流量ライン42を介してホッパ
ー34の出口36に送られる。この流量ライン42に取付けら
れた弁44は、ホッパー34の出口36に送られる空気の圧力
を制御し、これにより通路38内に沈殿する微粒子粉体材
料の量を制御する。微粒子粉体材料流は通路38を通って
出口管48内の室49内に流入する。空気流動体化ライン54
からの加圧空気は、弁56の圧力設定によって制御された
速度でもって上記微粒子粉体材料流に衝突する。こうし
て、微粒子粉体材料は、流動体化ライン54からの空気流
内に連行したがって搬送(entrain)されて、ベンチュ
リ管52を通って加速され軸方向通路50を出て、粉体スプ
レガン32に接続された移送ライン60に流入する。
粉体スプレガン32は、任意の適宜構造を有してよく、
例えば、発明者マルダー(Mulder)の米国特許第4,600,
603号に示されたような構造のものを使用することがで
きる。尚、この米国特許は、この引用によって本明細書
の一部を構成するものである。また、粉体スプレガン32
は,本質的には、本発明の一部を構成するものではない
ので、本明細書では簡単に述べるにとどめる。粉体スプ
レガン32は、移送ライン60に接続された粉体導入ヘッド
62と、このヘッド62の下流側に配設された粉体スプレ胴
部64とを具備する。これらの粉体導入ヘッド62と胴部64
との両方とも共通の支柱66によって支持されている。
粉体導入ヘッド62は本体68を有し、この本体68の下端
には逆向きの空気流増幅器70が取付けられている。胴部
64は、ほぼ管状のスリーブ72と、このスリーブ72の頂部
に取付けられた空気流増幅器74とを具備する。空気流増
幅器70の出口と空気流増幅器74の入口は、空気間隙76だ
け互いに離間しており、これによって周囲の空気即ち部
屋内の空気が自由に両増幅器70、74に流入し、これによ
りスプレガン32を通過中の粉体の搬送する空気を補充す
る。
空気流増幅器70は、懸濁・空気ライン80によって加圧
空気源78に接続され、この空気ライン80には弁82が設け
られている。懸濁・空気ライン80から空気流増幅器70の
入口71に流入した圧縮空気は、移送ライン60からスプレ
ガン32の内に流入された微粒子粉体材料の流れに対して
上流方向に向けられる。この空気流増幅器70内の高圧か
つ高速の空気流の働きは、周囲空気即ち室内空気を空気
間隙76から空気増幅器70内に吸込んで、空気増幅器70内
の空気と粉体との均質な混合体発生させることである。
空気流増幅器74の入口73は、弁86を有するパタン(pa
ttern)・空気ライン84によって空気源78に接続されて
いる。このパタン・空気ライン84を通って空気流増幅器
74に流入する圧縮空気は、下流方向に向けられ、周囲空
気を空気間隙76を介して吸引することにより、空気流増
幅器70からの空気粉体混合物を下方に吸込み胴部64に送
る。こうしてこの空気搬送の微粒子粉体材料は空気流増
幅器74によって加速され粉体スプレ胴部64を通って管状
スリーブ72から流出する。尚、このスリーブ72は、ノズ
ル88によってスプレ室16の粉体入口22又はスプレ室90の
粉体入口96に接続されている。
本発明のスプレ器の作用は次の通りである。第1図及
び第2図の実施例において、個々の細長い糸体10から成
るトウ12は、リール14から解かれ入口案内体26を介して
スプレ室16の内部20内に挿入され(この内部20におい
て、トウ12は微粒子粉体材料の注入を受けるのである
が)、その後に、出口案内体28を通って巻取機18に至
る。この巻取機18は駆動系19によって回転され、トウ12
を一定の送り速度でもって軸方向にスプレ室16と案内体
26、28の中央を通るように引張る。トウ12は、巻取機18
に集められた後に、オーブン等によって加熱され、この
加熱によって微粒子粉体材料35が溶融しトウ12の糸体10
に接着する。
トウ12がスプレ室16を通過する途中で、粉体スプレガ
ン32はトウ12に空気搬送の微粒子粉体材料流35を衝突さ
せる。この微粒子粉体材料流35はトウ12が室16をその軸
方向に移動するその移動方向にほぼ垂直にスプレされる
ことが好ましい。粉体スプレガン32から噴出される空気
搬送微粒子粉体材料の速度は主に、パタン・空気ライン
84の弁86の圧力設定によって制御されるものあり、この
速度はトウ12内の個々の糸体10を互いに分離するように
選定される。トウ12を構成する個々の糸体10は、スプレ
室16内において夫々の糸体10の間に空気が混入にされ
る、即ち上記スプレ室16内において互いに離れるように
物理的に動かされ、これにより、微粒子粉体材料35がト
ウ12の内部に流入し、トウ12内の隣接する糸体10の外表
面の間に止まる。これによって、粉体材料35はトウ12の
ほぼ直径即ち厚さ13の全体にわたって糸体10の外表面を
被覆する。余剰の粉体材料は排気口したがってベント部
24から収集され再使用される。
好適な実施例では、入口及び出口案内体26、28の内径
即ち横断方向内部寸法とスプレ室16の内径即ち横断方向
内部寸法は、トウ12内の糸体10の外表面をほぼ完全にカ
バーできるように選定されている。入口案内体26の直径
がトウ12の内径にほぼ等しいことが好ましい。またスプ
レ室16の直径は入口案内体26の内径及びトウの初期直
径、即ち厚さ13よりも多少大きく、これによってトウ12
は、スプレガン32から噴出された空気搬送された微粒子
粉体材料の衝突によって、制御されて膨張する。この室
16内でのトウ12の「制御下での膨張」は、個々の糸体10
室16内部の限られた空間内において互いに分離させる。
この結果、微粒子粉体材料35はトウ12の中を通り、隣接
糸体10の間に入り込むようになされる。尚、仮に室16の
内壁とトウ12の外表面との間に空間即ち間隙が形成され
たとした場合は、微粒子粉体材料がトウ12の外表面の周
囲を流れてしまうという事態が生じ得るが、本発明で
は、このような事態の発生はない。
トウ12は、その内部に微粒子粉体材料35がスプレされ
た後、スプレ室16を出て出口案内体28を通って巻取機18
に巻取られる。この出口案内体28の直径はスプレ室16の
直径よりも小径であるが、トウ12の初期直径、即ち厚さ
13よりも大きな径に選定することが望ましい。また、ト
ウ12は上述の微粒子粉体材料35のスプレ後にスプレ室16
を出て出口案内体28を通る際に、多少圧縮されて、これ
によりトウ12内の内部空気が除去又は減少される。こう
してトウ12の最終直径は、その初期直径即ち厚さ13より
も大きくなる。
第3図の装置の作用も上述した第1図及び第2図の装
置の作用と実質的に同一であり、トウ12は入口案内体10
0を通ってスプレ室90の内部91内に入る。このスプレ室
内部91において、トウ12の糸体10の微粒子粉体材料35に
よってほぼ被覆され、その後出口案内体102を通過して
出る。この第3図の装置と第1図、第2図の装置との基
本的な差異は、入口及び出口案内体100、102が取外可能
であり、トウ12の寸法が異なった場合に、それに応じた
直径の通路の入口又は出口案内体と容易に交換できる点
である。
上述のように、本発明の方法は、トウ12の個々の糸体
10が互いに分離されて微粒子粉体材料35がそれらの間に
入り込めるように、空気搬送される微粒子粉体材料流35
の向きを軸方向移動トウ12の移動方向に対しほぼ垂直に
定めて、この粉体材料流35をトウ12に衝突させるもので
ある。空気搬送される微粒子粉体材料流35の速度は、微
粒子粉体材料35とトウ12の物理的特性及び本システムの
種々のパラメータに従って制御する必要がある。例え
ば、束ねられたトウ12の糸体10の密度やトウ12の直径
は、かなり変わり得るものであり、また空気搬送微粒子
体材料流35の速度は、トウ12の密度又は寸法に無関係
に、トウ12の糸体10を分離できるように調整する必要が
ある。一般には、束状の糸体10を高密度化及びトウ12を
大径化すると、糸体10の分離の為には微粒子粉体材料流
35を高速化する必要がある。
トウ移送システムのパラメータも、トウ12へのスプレ
時の空気搬送微粒子粉体材料35の速度に影響を及ぼす。
例えば、リール14と巻取機18とによってトウ12に加えら
れる引張力は可変であり、一般にはこの引張力が増大す
るにつれて、空気搬送微粒子粉体材料35の速度も、糸体
10の分離の為に増大させなければならない。更に、微粒
子粉体材料流35の速度は、スプレ室16内でのトウ12の速
度又は滞在(通過所要)時間の関数として変化させる必
要がある。
また、粉体材料の密度及びその他の物理的諸特性も、
トウ12にスプレされる微粒子粉体材料35の量も、やはり
微粒子粉体材料流35の速度に影響を及ぼすものである。
粉体スプレガン32からスプレ室16に噴出される微粒子
粉体材料35の速度は、種々のトウ12や種々のシステム作
動条件や種々の微粒子粉体材料に関する実験を最少限行
うだけで容易に選定することができる。
本発明の方法を実施するのに用いたテスト条件の一例
を以下に示す。
トウパラメータ: ファイバー長さ:2〜3インチ(約5.1〜7.6cm) ファイバー直径:25〜30ミクロン トウ長さ:100フィート(約30cm) トウ直径:0.625インチ(約1.6cm) トウ速度:100フィート/分(約30m/分) 粉体パラメータ: 粉体の種類:BTL社製の29〜302フェノール樹脂 微粒子寸法:75〜100ミクロン 微粒子形状:不規則 微粒子硬化時間及び温度:380゜F(約193℃)で3時間 空気圧の設定: 空気流量ライン(42):20ポンド/平方インチ(psi)
(約14000kg/m2) 空気流動体化ライン(54):30ポンド/平方インチ(ps
i)(約21000kg/m2) 懸濁空気ライン(80):20ポンド/平方インチ1(psi)
(約14000kg/m2) スプレ室及び案内体: 入口案内体直径:0.625インチ(約1.6cm) スプレ室直径:1.000インチ(約2.5cm) 出口案内体直径:0.750インチ(約1.8cm) 上述のパラメータ値の場合には指向空気ライン84の圧
縮空気圧は、約15〜25psi(約11,000〜18,000kg/m2)の
間で変化し、粉体スプレノズル88からスプレ室16に噴出
される空気搬送微粒子粉体材料流35の速度は約7,000〜
9,600フィート/分(約2,100〜2,900m/分)の範囲であ
った。この範囲の速度でスプレ室16に流入した空気搬送
微粒子紛体材料流35は、トウ12内の個々の糸体10を充分
に分離し、また粉体材料35はトウ12全体の隣接糸体10の
外表面の間に止まり、これによってスプレ室16を出たト
ウ12の重量は約25〜30%増加することが分った。第2図
を見ると、トウ12は、スプレ室16を通過する際に、直径
がほぼ室16の直径にまで増大して糸体10を互いに分離さ
せ、その後にトウ12は小径の出口案内体28で圧縮されて
最終直径、約0.750インチ(約1.8cm)になった。
本発明を、上記においては、好適の実施例について説
明したが、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更
を加えかつ部材を均等物に置換することができることは
当業者であれば明らかであろう。更に、本発明の必須の
範囲から逸脱することなく、材料や条件を本発明に適合
するように種々変更することもできる。
例えば、スプレ室16の粉体入口22は、スプレ室16の長
軸に対してはほ垂直方向に向くように図示されている
が、この粉体入口22は、室16の長軸に対して約45゜まで
傾けることができ、これによって粉体は、粉体入口22か
らトウ12の移動方向に噴出される。
従って、本発明は、最良の実施形として開示された特
別の実施例に限定解釈されるものではなく、添附の特許
請求の範囲内のすべての実施例を含むものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、微粒子紛体材料でトウの個々の糸体を被覆す
る装置を一部断面で示した全体概略図である。 第2図は、第1図で円で囲んだ領域の拡大概念図であ
り、尺度を大幅に拡大して示してある。 第3図は、一部断面で示したスプレ室の拡大図であっ
て、スプレ室に案内体を取付ける変形例を示している。 [主要部分の符号の説明] 10……糸体(ストランド) 12……トウ 16、90……スプレ室 20、91……スプレ室中空内部 22……粉体入口 24、98……排気口 26、100……入口案内体 28、102……出口案内体 30……粉体源 32……スプレガン 92、94……スリーブ 110、122……オー・リング

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】個々の糸体から成る軸方向移動トウに微粒
    子粉体材料をスプレする装置において、 内部が中空であり、粉体入口ポートおよび排気口が形成
    されたスプレ室と、 上記スプレ室にそれぞれ接続された空間の入口案内体お
    よび中空の出口案内体と、 上記スプレ室の長手軸に対してある角度で上記スプレ室
    の上記粉体入口ポートに取り付けられた粉体スプレ器と
    を具備し、 トウは、第1方向に移動自在で、上記中空の入口案内体
    を通過し、このスプレ室の上記長手軸に沿って上記スプ
    レ室の上記中空内部に入り、上記出口案内体から退出
    し、 上記粉体スプレ器は、上記トウの個々の糸体が上記スプ
    レ室内で互いに分離され、かつ、上記微粒子粉体材料が
    上記トウの厚さ方向のほぼ全体にわたって隣接糸体の外
    表面の間に止まるような速度でもって、空気搬送させる
    微粒子粉体材料流を上記スプレ室の上記中空内部をスプ
    レすることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】上記スプレ室の上記中空内部の横断方向内
    部寸法は、上記トウの個々の糸体が上記空気搬送微粒子
    粉体材料による衝突の際に上記スプレ室の上記中空内部
    において互いに分離され得るように、上記トウの横断方
    向寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の装
    置。
  3. 【請求項3】上記中空の出口案内体の上記横断方向内部
    寸法は上記スプレ室の上記横断方向内部寸法よりも小さ
    く、上記トウは、上記スプレ室から出て上記中空出口案
    内体を通過する際に圧縮されその直径を減少されること
    を特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】上記中空の入口案内体の横断方向内部寸法
    は、上記スプレ室と上記中空出口案内体との上記横断方
    向内部寸法よりも小さいが、しかし上記トウの横断方向
    寸法よりもわずかに大きいことを特徴とする請求項2又
    は請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】上記スプレ室の上記粉体入口ポートに取り
    付けられた上記スプレ器の上記取付角度は約90゜である
    ことを特徴とする請求項1記載の装置。
  6. 【請求項6】個々の糸体から成る軸方向移動トウに微粒
    子粉体材料をスプレする装置において、 内部が中空に形成されたスプレ室が設けられ、このスプ
    レ室には第1スリーブと第2スリーブと粉体入口ポート
    と排気口とが夫々形成され、これらの第1及び第2スリ
    ーブと粉体入口ポートと排気口とはいずれも上記中空内
    部に夫々連通され、また上記第1及び第2スリーブは夫
    々通路を形成する壁部を有すること、 上記スプレ室の上記第1スリーブに取外可能に接続され
    た中空の入口案内体が設けられ、上記中空の入口案内体
    は上記第1スリーブの上記壁部との間をシールする手段
    を有すること、 上記中空の入口案内体と軸方向に一致するように上記ス
    プレ室の上記第2スリーブに取外可能に接続された中空
    の出口案内体が設けられ、上記中空の出口案内体は上記
    第2スリーブの上記壁との間をシールする手段を有する
    こと、 上記中空の入口案内体と上記スプレ室と上記中空の出口
    案内体とはトウを受入れ可能であり、このトウは、第1
    方向に移動し、上記中空の入口案内体を通過して上記ス
    プレ室の上記中空内部に入り、このスプレ室の上記長手
    軸に沿って移動し上記出口案内体から退出すること、 上記スプレ室の長手軸に対してある角度をもって、上記
    スプレ室の上記粉体入口ポートに、粉体スプレ器が取り
    付けられ、上記粉体スプレ器は、上記トウの個々の糸体
    が上記スプレ室内で互いに分離されかつ空気搬送される
    微粒子粉体材料が上記トウの厚さ方向のほぼ全体にわた
    って隣接糸体の外表面の間に止まるような速度でもっ
    て、上記微粒子粉体材料流を上記スプレ室の上記中空内
    部にスプレすること、 を特徴とする装置。
  7. 【請求項7】上記中空の入口案内体は少なくとも1個の
    溝が形成された壁部を有し、上記溝にはオー・リングの
    シールが取り付けられ、上記中空の入口案内体は、上記
    オー・リングのシールが上記第1スリーブの上記壁部の
    内表面に係合しその間を封止するように、上記第1スリ
    ーブの上記壁部によって形成された上記通路を挿入可能
    であることを特徴とする請求項6記載の装置。
  8. 【請求項8】上記中空の出口案内体は少なくとも1個の
    溝が形成された壁を有し、上記溝にはオー・リングのシ
    ールが取り付けられ、上記中級の出口案内体は、上記オ
    ー・リングのシールが上記第2スリーブの上記壁部の内
    表面に係合しその間を封止するように、上記第2スリー
    ブの上記壁部によって形成された上記通路に挿入可能で
    あることを特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】個々の糸体から成るトウの中に微粒子粉体
    材料をスプレする方法において、 スプレ室の中空内部をその長手軸に沿って貫通するよう
    にトウを移動させる工程と、 空気搬送される微粒子粉体材料流を上記スプレ室の上記
    中空内部にスプレする工程であって、上記空気搬送され
    る微粒子粉体材料流は、上記スプレ室の上記長手軸に対
    してある角度でスプレされ、上記トウの個々の糸体が上
    記スプレ室内で互いに分離されかつ上記微粒子粉体材料
    が上記トウの厚さ方向のほぼ全体にわたって隣接糸体の
    外表面の間に止まるような速度でスプレされる工程と、
    を具備する方法。
  10. 【請求項10】個々の糸体から成るトウの中に微粒子粉
    体材料をスプレする方法において、 トウを、中空の入口案内体を通して移動させて、スプレ
    室の内部にその長手軸に沿って進入させる工程と、 空気搬送される微粒子粉体材料流を上記スプレ室の上記
    中空内部にスプレする工程であって、上記空気搬送され
    る微粒子粉体材料流は、上記スプレ室の上記長手軸に対
    してある角度でスプレされ、上記トウの個々の糸体が上
    記スプレ室内で互いに分離されかつ上記微粒子粉体材料
    が上記トウの厚さ方向のほぼ全体にわたって隣接糸体の
    外表面の間に止まるような速度でスプレされる工程と、 微粒子粉体材料がスプレされた上記トウを、上記スプレ
    室の外に、中空の出口案内体内を通して移動させる工程
    であって、上記中空の出口案内体の横断方向の内部寸法
    は上記スプレ室よりも小さく、上記トウは、上記スプレ
    室を出て上記中空出口案内体を通る際に圧縮されその直
    径が減少されることを特徴とする方法。
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