JP2609985B2 - 再構成肉製品およびその製造法 - Google Patents
再構成肉製品およびその製造法Info
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Description
詳しくは、しゃぶしゃぶ用肉や焼肉用肉などの再構成肉
製品、およびその製造方法に関するものである。
たいという要望からなされたもので、従来から多数検討
されてきている。最近では結着剤として、コーンスター
チ、分離大豆蛋白質、小麦グルテンを用い、鶏肉をエク
ストルーダーにより再構成する技術(J. Food Sci., Vo
l. 55, No. 4, Page 942〜946(1990))、および牛肉に結
合組織、アルギン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、乳酸
を順次混合して、再構成する方法が知られている (J. F
ood Sci., Vol. 55, No. 4, Page 911〜914(1990))。そ
の他の結着法としては、ハムなどの製造に代表されるよ
うに、加熱ゲル化性蛋白質をリン酸塩等に浸漬した豚肉
などにインジェクションし、65〜75℃に加熱ゲル化させ
る方法が知られている。
ーを用いる方法では、加熱により肉を結着するため、生
肉の形態で流通することができない。また得られる再構
成肉は、本来の肉とはかなり異なった食感となる。アル
ギン酸ナトリウムを用いる方法では生肉の状態でもある
程度の結着力が得られるが、結着面が不自然である等の
問題があった。
場合、生で流通されるしゃぶしゃぶ用肉や焼き肉用肉に
用いることはできない。また、リン酸塩を用いる場合な
ど肉がハム様の味となり、生の食肉を調理したような味
と風味にはなり得なかった。さらに、肉の蛋白質がリン
酸塩により溶解するので肉本来の好ましい肉粒感が得ら
れないという問題があった。
体を調製し、これを凍結処理することにより得られる弾
力性のあるスポンジ状ゲルについて出願した(特願平3
−162407)。この基本技術を応用し、蛋白質とキトサン
を混合して得た組成物を肉食品原料に添加し凍結処理す
ることにより得られる再構成肉について出願した(特願
平4−87460)。さらに、この再構成肉の手法を応用して
しゃぶしゃぶ用肉や焼き肉用肉等の再構成の生肉製品を
得ることが出来ないかを検討した。この方法において
は、結着剤のゲル化速度が早すぎるという欠点があげら
れる。すなわち、蛋白質とキトサンよりなる結着剤を肉
に混合後、重曹などにより中和し、長時間攪拌を行う
と、ゲル化が進行し、さらに攪拌を続けると再構成肉の
結着性が悪くなる。そのため、中和から充填までを迅速
に行う必要がある。これは、1度形成されたゲルが攪拌
により壊され、結着性が劣化したものと考えられる。
質に注目し、これについて検討した結果、ゲル化速度
は、蛋白質として、大豆蛋白質とホエー蛋白質を特定割
合用いることにより、最終的なゲル強度を損なうことな
く、コントロールでき、本発明の製品を得ることができ
ることを見出した。
する蛋白質として、大豆蛋白質0.5 〜4重量%、ホエー
蛋白質0.1 〜5重量%(結着剤を 100重量%とする) を
含有させて、ゲル強度を損なうことなく、ゲル化速度を
調整することにより、肉粒感をそのままに保持し、生肉
の風味を変えずに結着する再構成生肉製品を提供する。
羊肉、あるいは魚肉など、全ての食肉を用いることがで
きる。肉の大きさも任意のものを用いることができる。
しゃぶしゃぶ用肉や焼き肉用の再構成生肉製品を製造す
るには、まず結着剤全体を100 %として、大豆蛋白質を
0.5 〜4重量%、ホエー蛋白質を0.1 〜5重量%になる
ように水に溶解する。このとき、結着剤の色を白くする
ために脂肪を乳化してもよい。次いでキトサン、食用酸
を加え結着剤を得る。この結着剤を中和し、肉に混合す
るか、肉に混合してから全体を中和するかによって、中
和された肉・結着剤の混合物を得る。該混合物を樹脂フ
ィルム等に充填後、凍結することにより弾力性のある強
固なゲルが形成され全体としてブロック状の再構成肉が
得られる。
の分離大豆蛋白質(90%以上)のほか、豆乳、おから、
おからパウダー、など大豆蛋白質が含まれているもので
あれば全て使用できる。但しこの場合は、大豆蛋白質と
して0.5 〜4重量%となるよう調整して添加する必要が
ある。大豆蛋白質が0.5 重量%以下では結着剤がゲル化
した後のゲル強度が著しく低いものとなり、4重量%以
上ではゲル化そのものが阻害され、結着剤として使用で
きない。最適値としては1.6 〜2.8 であるが、前述した
ようにゲル化速度が速く、作業性にやや問題が残る。こ
こにホエー蛋白質を0.1 〜5重量%添加すると、最終的
なゲル強度を損なうことなく、ゲル化速度をコントロー
ルできるので作業性が格段に良くなる。
エー蛋白質濃縮物(WPC)、ホエー蛋白質分離物(W
PI)、脱塩ホエー、未脱塩ホエーなどが使用できる
が、この場合も蛋白質量に換算して添加する必要があ
る。ホエー蛋白質が0.1 重量%以下ではゲル化速度をコ
ントロールする効果がなく、5重量%以上では最終的な
ゲル強度まで低下してしまい、結着性が悪くなる。
合は、大豆蛋白質とホエー蛋白質を含む溶液を60〜90℃
に加熱し油脂を10〜40重量%添加後、ホモミキサー、高
圧ホモゲナイザーなどで乳化を行い冷却すれば良い。脂
肪が10%以下だと白色度が低く、40%以上では粘度が高
くなり好ましくない。キトサンの添加量は0.5 重量%以
下ではゲル化せず、3重量%以上では粘度が高くなり取
扱いが困難になる。食用酸はキトサンを溶かすために加
えることができ特に限定されないが、乳酸、クエン酸、
リンゴ酸、酢酸、アスコルビン酸、グルタミン酸などが
例示できる。これらの酸により添加する量は異なってく
るが、pHが3〜6程度になれば良い。3以下ではその
後の中和が困難となり、6以上ではキトサンを十分溶解
することができない。結着剤は中和してから肉と混合し
ても、肉と混合してから中和しても良い。原料肉の肉片
が1〜4cmと比較的小さい場合は結着剤と肉を混合後中
和した方が混合しやすく、10cm以上と比較的大きい場合
は中和した結着剤を肉に塗布し張り合わせると良い。い
ずれの場合も、全体のpHが6〜7となるようにしなけ
ればならない。6以下では加熱によりゲルが溶融したり
収斂味を呈したりする。7以上では肉の風味が変わり、
通常の肉と同じ風味にするという、本発明の目的を果た
すことができない。中和を終えた肉は凍結により完全に
ゲル化させる。凍結は、例えば−20℃の通風冷却により
行えば良いが特に手段は選ばない。こうして得られた再
構成肉は、非常に結着性が良く、しかも結着剤の粘度が
下がり、ゲル化速度が遅くなることにより余裕をもって
充填・成形作業ができるため、作業性が非常に良かっ
た。
は次のように考えられる。ホエー蛋白質は大豆蛋白質よ
りもキトサンとの反応性が弱いと考えられる。従ってホ
エー蛋白質だけで結着剤を調製した場合、ゲル形成はか
なり弱いものとなる。一方、大豆蛋白質を減らすことに
よっても、結着剤の粘度を下げ、作業性を良くすること
はできるが、得られた肉の結着性が劣化し、離水が多く
なる。これは、ゲル化に必要な蛋白質が不足したためと
考えられる。この不足した分を弱いゲル形成のホエー蛋
白質で補うと、ゲル化前の粘度を低く保ちながらも、最
終的には高いゲル強度を持つ結着剤を得ることができた
ものと考えられる。
る。 実施例1 分離大豆蛋白質(蛋白質=90.2%)180g、分離ホエー蛋
白質(蛋白質=90%)50gを水9450gに溶解し、80℃ま
で加熱した。続いて、精製牛脂2kgを添加しホモミキサ
ーにより5分間乳化を行った。20℃まで冷却しキトサン
160g、乳酸160gを加え、結着剤12kgを得た。一方、牛赤
身肉10kgを1〜2cmのダイス状に裁断し、該結着剤3kg
を添加し、ソーセージ用ミキサーにより5分間混合し
た。次に重曹74gを添加しさらに5分間混合した。これ
を減圧下に脱気後、直径10cmのケーシングに充填した。
全ての原料を充填するのに約1時間を要した。ついで、
これを凍結し再構成生肉13kgを得た。比較例として、ホ
エー蛋白質を添加せず、分離大豆蛋白質230gを用いたも
の(比較例A)および180g用いたもの(比較例B)を同
様に操作した。結果を表に示した。比較例Aでは早い時
期に充填したものでは結着性が十分であったが、最後に
充填したものでは一部結着面の剥がれる傾向が認められ
た。比較例Bでは、全体に結着性が悪くドリップが多か
った。本発明による実施例では最初に充填したものから
最後に充填したものまで良好に結着していた。
剤それぞれ3kgに重曹24gを添加し良く混合した。一
方、豚もも肉10kgを厚さ2cmの薄切りとし、肉に結着剤
を塗り、水平に4〜5枚張り合わせた。凍結ゲル化させ
た後、調味液に浸漬し、燻煙し、ベーコン風の良好な再
構成肉を得た。比較例Aの結着剤を用いた場合は、作業
時にゲル化が始まり作業が難しかった。また比較例Bの
結着剤を用いた場合は、作業性に問題はなかったもの
の、調味液に浸漬したときに結着面の剥がれやすい傾向
が認められた。
として大豆蛋白質とホエ−蛋白質を特定割合用いること
により、最終的なゲル強度を損なうことなく、肉粒感を
そのままに保持し、生肉の風味を変えずに結着し、しゃ
ぶしゃぶ用肉や焼き肉用肉としても使用できる再構成肉
を作業性良く製造できる。しかも、結着剤を中和した後
の充填時間を従来よりも長くとることができ、余裕をも
って作業することが可能となった。
Claims (2)
- 【請求項1】蛋白質とキトサンを用いた結着剤中に大豆
蛋白質0.5 〜4重量%、ホエー蛋白質0.1 〜5重量%
(結着剤を 100重量%とする) を含有することを特徴と
する再構成肉製品。 - 【請求項2】蛋白質とキトサンを用いた結着剤中に大豆
蛋白質0.5 〜4重量%、ホエー蛋白質0.1 〜5重量%を
含有させて、ゲル化速度を調整することを特徴とする再
構成肉製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5093774A JP2609985B2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 再構成肉製品およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5093774A JP2609985B2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 再構成肉製品およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06277006A JPH06277006A (ja) | 1994-10-04 |
JP2609985B2 true JP2609985B2 (ja) | 1997-05-14 |
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ID=14091776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5093774A Expired - Fee Related JP2609985B2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | 再構成肉製品およびその製造法 |
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---|---|---|---|---|
CN116896989A (zh) * | 2020-12-23 | 2023-10-17 | 维利奥有限公司 | 制造成形肉类替代食物产品的方法和包含植物基蛋白质粘合剂成分的成形肉类替代食物产品、植物基蛋白质粘合剂成分和制造植物基蛋白质粘合剂成分的方法 |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP5093774A patent/JP2609985B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06277006A (ja) | 1994-10-04 |
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