JP2609876B2 - 連続可変変速機の発進制御方法 - Google Patents

連続可変変速機の発進制御方法

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JP2609876B2
JP2609876B2 JP62274745A JP27474587A JP2609876B2 JP 2609876 B2 JP2609876 B2 JP 2609876B2 JP 62274745 A JP62274745 A JP 62274745A JP 27474587 A JP27474587 A JP 27474587A JP 2609876 B2 JP2609876 B2 JP 2609876B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は連続可変変速機の発進制御方法に係り、特
にノーマルスタートモード時のクラッチのロックアップ
後にクラッチ入力軸の回転数信号とクラッチ出力軸の回
転数信号とを比較して車速信号系が故障であることを判
断するとともに、故障検出後にクラッチ出力軸の回転数
信号の代わりにクラッチ入力軸の回転数信号を使用すべ
く制御し、ソフトウェアのみの変更で車速信号系の故障
判断が可能であるとともに、故障判断後に正常時と同等
に良好なドライブモードの走行フィーリングを確保し得
る連続可変変速機の発進制御方法に関する。
〔従来の技術〕
車両において、内燃機関と駆動車輪間に変速機を介在
している。この変速機は、広範囲に変化する車両の走行
条件に合致させて駆動車輪の駆動力と走行速度とを変更
し、内燃機関の性能の充分に発揮させている。変速機に
は、例えば回転軸に固定された固定プーリ部片とこの固
定プーリ部片に接離可能に回転軸に装着された可動プー
リ部片とを有するプーリの両プーリ部片間に形成される
溝幅を油圧により減増することによりプーリに巻掛けら
れたベルトの回転半径を減増させ動力を伝達し、変速比
(ベルトレシオ)を変える連続可変変速機がある。この
連続可変変速機としては、例えば特開昭57−186656号公
報、特開昭59−43249号公報、特開昭59−77159号公報及
び特開昭61−233256号公報に開示されている。
また、連続可変変速機には、油圧により動力を断続す
る油圧クラッチを有するものがある。この油圧クラッチ
は、エンジン回転数や気化器絞り弁開度等の信号に基づ
いて各種の制御モードで制御されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、従来の連続可変変速機の発進制御方法にお
いては、車両の運転状態を示す各信号の内のクラッチ出
力軸の回転数信号(車速)をスピードピックアップによ
り検出し、検出した信号を制御部に入力させ、各種制御
用信号として使用している。
このとき、連続可変変速機が正常である時に、スピー
ドピックアップの故障や信号ケーブルの断線、あるいは
短絡等の事故が生ずることにより、クラッチ出力軸の回
転数信号いわゆる車速信号を得ることができなくなる。
さすれば、ドライブモードからホールドモードに移行
し、このときスロットルが踏込み動作されていれば、ノ
ーマルスタートモードへ移行するが、このノーマルスタ
ートモードにおいては、車速信号を得ることができない
ので、車速=0となり、ドライブモードへの移行が不可
能であるという不都合がある。
この結果、車速信号を得ることができない場合には、
車両の発進を行うことは可能であるが、クラッチのロッ
クアップできず、変速も行われないという不都合があ
る。
〔発明の目的〕
そこでこの発明の目的は、上述の不都合を除去すべ
く、連続可変変速機制御方法において、ノーマルスター
トモード時にクラッチのロックアップを行い、クラッチ
のロックアップ後にクラッチ入力軸の回転軸信号とクラ
ッチ出力軸の回転数信号とを比較し所定条件を満足する
ことにより車速信号系が故障であると判断するととも
に、故障判断後にはクラッチ出力軸の回転数信号の代わ
りにクラッチ入力軸の回転数信号を使用すべく制御する
ことにより、ソフトウェアのみの変更で車速信号系の故
障判断が可能となるとともに、故障判断後に正常時と同
等にドライブモードに移行し得て、良好なドライブモー
ドの走行フィーリングを確保し得る連続可変変速機の発
進制御方法を実現するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
この目的を達成するためにこの発明は、固定プーリ部
片とこの固定プーリ部片に接離可能に装着された可動プ
ーリ部片との両プーリ部片間の溝幅を油圧により減増し
て前記両プーリに巻掛けられるベルトの回転半径を減増
させ変速比を変化させるべく変速制御する連続可変変速
機制御方法において、ノーマルスタートモード時にクラ
ッチデューティが所定値以下となる状態が5秒間連続し
た際にクラッチのロックアップを行い、クラッチのロッ
クアップ後にクラッチ入力軸の回転数信号とクラッチ出
力軸の回転数信号とを比較し所定条件を満足することに
より車速信号系が故障であると判断するとともに、故障
判断後にはクラッチ出力軸の回転数信号の代わりにクラ
ッチ入力軸の回転数信号を使用すべく制御することを特
徴とする。
〔作用〕
この発明の方法によれば、ノーマルスタートモード時
にクラッチのロックアップを行い、このクラッチのロッ
クアップ後に、クラッチ入力軸の回転数信号とクラッチ
出力軸の回転数信号とを比較し、所定条件を満足するこ
とにより車速信号系が故障であると判断し、故障判断後
にはクラッチ出力軸の回転数信号の代わりにクラッチ入
力軸の回転数信号を使用すべく制御し、ソフトウェアの
みの変更で車速信号系の故障判断を可能とするととも
に、故障判断後に正常時と同等に良好なドライブモード
の走行フィーリングを確保している。
〔実施例〕
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体
的に説明する。
第1〜4図は、この発明の実施例を示すものである。
第3、4図において、2は連続可変変速機、4はベル
ト、6は駆動側プーリ、8は駆動側固定プーリ部片、10
は駆動側可動プーリ部片、12は被駆動側プーリ、14は被
駆動側固定プーリ部片、16は被駆動側可動プーリ部片で
ある。前記駆動側プーリ6は、第3、4図に示す如く、
回転軸18に固定される駆動側固定プーリ部片10と、回転
軸18の軸方向に移動可能且つ回転不可能に前記回転軸18
に装着された駆動側可動プーリ部片10とを有する。ま
た、前記被駆動側プーリ12は、前記駆動側プーリ6と同
様な構成で、被駆動側固定プーリ部片14と被駆動側可動
プーリ部片16とを有する。
前記駆動側可動プーリ部片10と被駆動側可動プーリ部
片12とには、第1、第2ハウジング20、27が夫々装着さ
れ、第1、第2油圧室24、26が夫々形成される。被駆動
側の第2油圧室26内には、被駆動側可動プーリ部片16を
被駆動側固定プーリ部片14に接近すべく付勢する押圧ス
プリング28を設ける。
前記回転軸18の端部には、オイルポンプ30が設けられ
ている。このオイルポンプ30は、オイルを、オイルパン
32からオイルフィルタ34を経て、油圧回路36を構成する
第1、第2オイル通路38、40によって前記第1、第2油
圧室24、26に送給するものである。第1オイル通路38途
中には、入力軸シーブ圧たるプライマリ圧を制御すべく
圧力制御手段42を構成する変速制御弁たるプライマリ圧
制御弁44が介設される。また、プライマリ圧制御弁44よ
りもオイルポンプ30側の第1オイル通路38には、第3オ
イル通路46によってライン圧(一般に5〜25kg/cm2)を
一定圧(4.0〜5.0kg/cm2)に制御する定圧制御弁48が連
設される。更に、プライマリ圧制御弁44には、第4オイ
ル通路50を介してプライマリ圧力制御用第1三方電磁弁
52が連設される。
また、前記第2オイル通路40途中には、ポンプ圧たる
ライン圧を制御する逃し弁機能を有するライン圧制御弁
54が第5オイル通路56を介して連設される。ライン圧制
御弁54は、第6オイル通路58を介してライン圧力制御用
第2三方電磁弁60が連設される。
更に、前記ライン圧制御弁54の連通する部位よりも第
2油圧室26側の第2オイル通路40途中には、クラッチ圧
を制御するクラッチ圧制御弁62が第7オイル通路64を介
して連設されている。このクラッチ圧制御弁62には、第
8オイル通路66を介してクラッチ圧制御用第3三方電磁
弁68が連設される。
また、前記プライマリ圧制御弁44及びプライマリ圧力
制御用第1電磁弁52、定圧制御弁48、第6オイル通路5
8、ライン圧力制御用第2三方電磁弁60、そしてクラッ
チ圧制御弁62は、第9オイル通路70によって夫々連通し
ている。
前記クラッチ圧制御弁62は、第10オイル通路72を介し
て油圧クラッチ74に連絡するとともに、この第10オイル
通路70途中には第11オイル通路76を介して圧力センサ78
を連絡している。この圧力センサ78は、ホールドおよび
スタートモード等のクラッチ圧を制御する際に直接油圧
を検出することができ、この検出油圧を目標クラッチ圧
とすべく指令する機能を有する。また、ドライブモード
時にはクラッチ圧がライン圧と略等しくなるので、ライ
ン圧制御にも寄与するものである。
前記油圧クラッチ74は、ピストン80、円環状スプリン
グ82、第1圧力プレート84、フリクションプレート86、
第2圧力プレート88等から構成されている。
また、車両の図示しない気化器のスロットル開度やエ
ンジン回転等の種々条件を入力しデューティ率を変化さ
せ変速制御を行う制御部90を設け、この制御部90によっ
て前記プライマリ圧力制御用第1三方電磁弁52および定
圧制御弁48、ライン圧力制御用第2三方電磁弁60、そし
てクラッチ圧制御用第3三方電磁弁68の開閉動作を制御
させるとともに、前記圧力センサ78をも制御させるべく
構成されている。また、前記制御部90に入力される各種
信号と入力信号の機能について詳述すれば、 、シフトレバー位置の検出信号 ……P、R、N、D、L等の各レンジ信号により各レン
ジに要求されるライン圧やレシオ、クラッチの制御 、キャブレタスロットル開度の検出信号 ……予めプログラム内にインプットしたメモリからエン
ジントルクを検知、目標レシオあるいは目標エンジン回
転数の決定 、キャブレタアイドル位置の検出信号 ……キャブレタスロットル開度センサの補正と制御にお
ける精度の向上 、アクセルペダル信号 ……アクセルペダルの踏込み状態によって運転者の意志
を検知し、走行時あるいは発進時の制御方法を決定 、ブレーキ信号 ……ブレーキペダルの踏込み動作の有無を検知し、クラ
ッチの切り離し等制御方法を決定 、パワーモードオプション信号 ……車両の性能をスポーツ性(あるいはエコノミー性)
とするためのオプションとして使用 等がある。
この制御部90は、前記油圧クラッチ74がノーマルスタ
ートモードにある時にクラッチデューティが所定値、例
えば15%以下となる状態が5秒間連続した際にクラッチ
のロックアップを行い、クラッチのロックアップ後にク
ラッチ入力軸たる前記回転軸18の回転数信号とクラッチ
出力軸たる後述する最終出力軸112の回転数信号とを比
較し所定条件を満足することにより車速信号系が故障で
あると判断するとともに、故障判断後にはクラッチ出力
軸たる最終出力軸112の回転数信号の代わりにクラッチ
入力軸たる回転軸18の回転数信号を使用すべく制御する
機能を有する。
詳述すれば、前記所定条件とは、後述する第1回転検
出器104による回転軸18の回転数信号と例えば車速を検
出する後述の第3回転検出器114による最終出力軸112の
回転数信号とを比較し、この差が500rpm以上で、且つこ
の500rpm以上の状態が2秒間連続した際に車速信号系が
故障であることを判断すべく制御するものである。ま
た、故障判断後には最終出力軸112の回転数信号の代わ
りに回転軸18の回転数信号を制御部90に入力させて使用
すべく制御するものである。
また、前記第1ハウジング20外側に入力軸回転検出歯
車102が設けられ、この入力軸回転検出歯車102の外周部
位近傍には入力軸側の第1回転検出器104が設けられ
る。また、前記第2ハウジング22外側に出力軸回転検出
歯車106が設けられ、この出力軸回転検出歯車106の外周
部位近傍に出力軸側の第2回転検出器108が設けられ
る。前記第1回転検出器104と第2回転検出器108との検
出信号は、前記制御部90に出力され、エンジン回転数の
ベルトレレシオとを把握するために利用される。
前記油圧クラッチ74に出力伝達用歯車110が設けら
れ、この出力伝達用歯車110外周部位近傍には最終出力
軸112の回転を検出する第3回転検出器114が設けられ
る。つまり、この第3回転検出器114は、減速歯車およ
び差動機、駆動軸、タイヤに直結する最終出力軸の回転
を検出するものであり、車速の検出を可能とするもので
ある。また、前記第2回転検出器108と第3回転検出器1
14とにより、油圧クラッチ74前後の回転検出が可能であ
り、クラッチスリップ量の検出を果し得るものである。
次に、この実施例の作用について説明する。
連続可変変速機2は、第3、4図に示す如く、回転軸
18上に位置するオイルポンプ30が回転軸18の駆動に応じ
て作動し、そのオイルは変速機底部のオイルパン32から
オイルフィルタ34を介して吸収される。このポンプ圧で
あるライン圧はライン圧制御弁54で制御され、このライ
ン圧制御弁54からの洩れ量、つまりライン圧制御弁54の
逃し量が大であればライン圧は低くなり、反対に少なけ
ればライン圧は高くなる。
前記ライン圧制御弁54の動作は専用の第2三方電磁弁
60により制御されるものであり、この第2三方電磁弁60
の動作に追従して前記ライン圧制御弁54が動作するもの
であり、第2三方電磁弁60は一定周波数のデューティ率
で制御される。即ち、デューティ率0%とは第2三方電
磁弁60が全く動作しない状態であり、出力側が大気側に
導通し出力油圧はゼロとなる。また、デューティ率100
%とは第2三方電磁弁60が動作して出力側が大気側に導
通し、制御圧力と同一の最大出力油圧となり、デューテ
ィ率によって出力油圧を可変させている。従って、前記
第2三方電磁弁60の特性は、前記ライン圧制御弁54をア
ナログ的に動作させることが可能となり、第2三方電磁
弁60のデューティ率を任意に変化させてライン圧を制御
することができる。また、この第2三方電磁弁60の動作
は前記制御部90によって制御されている。
変速制御用のプライマリ圧は前記プライマリ圧制御弁
44によって制御され、このプライマリ圧制御弁44も前記
ライン圧制御弁54と同様に、専用の第1三方電磁弁52に
よって動作が制御されている。この第1三方電磁弁52
は、プライマリ圧を前記ライン圧に導通、あるいはプラ
イマリ圧を大気側に導通させるために使用され、ライン
圧を導通させてベルトレシオをフルオーバドライブ側に
移行、あるいは大気側に導通させてフルロー側に移行さ
せるものである。
クラッチ圧を制御するクラッチ圧制御弁62は、最大ク
ラッチ圧を必要とする際にライン圧側と導通させ、また
最低クラッチ圧とする際には大気側と導通させるもので
ある。このクラッチ圧制御弁62も前記ライン圧制御弁54
やプライマリ圧制御弁44と同様に、専用の第3三方電磁
弁68によって動作が制御されているので、ここでは説明
を省略する。クラッチ圧は最低の大気圧(ゼロ)から最
大のライン圧までの範囲内で変化するものである。
クラッチ圧の制御には、5つのパターンがある。
このパターンは、 (1)、ニュートラルモード ……シフト位置がNまたはPでクラッチを完全に切り離
す場合、クラッチ圧は最低圧(ゼロ) (2)、ホールドモード ……シフト位置がDまたはRでスロットルを離して走行
意志の無い場合、あるいは走行中に減速しエンジントル
クを切りたい場合、クラッチ圧はクラッチが接触する程
度の低いレベル (3)、スタートモード ……発進時あるいはクラッチ切れの後に再びクラッチを
結合しようとする場合、クラッチ圧をエンジンの吹き上
がりを防止するとともに車両をスムースに動作できるエ
ンジン発生トルク(クラッチインプットトルク)に応じ
た適切なレベル (4)、スペシャルスタートモード ……(イ)、車速が8km/H以上でシフトレバーをD→N
→Dと繰り返して使用した場合、あるいは、 (ロ)、減速運転時に8km/H<車速<15km/Hでブレーキ
状態を解除した状態、 (5)、ドライブモード ……完全な走行状態に移行しクラッチが完全に結合した
場合、クラッチ圧はエンジントルクに十分に耐えるだけ
の余裕のある高いレベル の5つがある。このパターンの(1)はシフト捜査と連
動する専用の図示しない切換バルブで行われ、他の
(2)、(3)、(4)、(5)は制御部90による第
1、第2、第3三方電磁弁52、60、68のデューティ率制
御によって行われている。特に(5)の状態において
は、クラッチ圧制御弁62によって第7オイル通路64と第
10オイル通路72とを連通させ、最大圧発生状態とし、ク
ラッチ圧はライン圧と同一となる。
また、前記プライマリ圧制御弁44やライン圧制御弁5
4、そしてクラッチ圧制御弁62は、第1、第2、第3三
方電磁弁52、60、68からの出力油圧によって夫々制御さ
れているが、これら第1、第2、第3三方電磁弁52、6
0、68を制御するコントロール油圧は定圧制御弁48で調
整される一定油圧である。このコントロール油圧はライ
ン圧より常に低い圧力であるが、安定した一定の圧力で
ある。また、コントロール油圧は各制御弁44、54、62に
も導入され、これ等制御弁44、54、62の安定化を図って
いる。
次に、連続可変変速機2の電子制御について説明す
る。
連続可変変速機2は油圧制御されているとともに、制
御部90からの指令により、ベルト保持とトルク伝達のた
めの適切なライン圧や、変速比の変更のためのプライマ
リ圧、及び油圧クラッチ74を確実に結合させるためのク
ラッチ圧が夫々確保されている。
次に、第2図のフローチャートに基づいて発進制御に
ついて説明する。
プログラムがスタート(100)すると、先ずノーマル
スタートモードか否かの判断(101)を行い、NOの場合
には他のコントロールモードによりチェック(102)
し、リターン(118)に移行させ、YESの場合には、アク
セルペダル信号がオンか否かの判断(103)を行う。
この判断(103)がNOの場合には、ホールドモード処
理(104)を行ってリターン(118)に移行させ、YESの
場合には、エンジン回転数が500rpmを越えるか否かの判
断(105)を行う。そして、エンジン回転数が500rpm以
下の場合にはホールドモード処理(104)に移行させ、
エンジン回転数が500rpmを越える場合には、エンジン回
転数が1200rpm以上か否かの判断(106)を行う。
エンジン回転数が1200rpm未満の場合には、ノーマル
スタートモード処理(114)を行い、リターン(118)に
移行させ、エンジン回転数が1200rpm以上の場合には、
車速が8km/H未満か否かの判断(107)を行う。
この判断(107)において車速が8km/H以上の場合に
は、クラッチスリップ量が20rpm以下か否かの判断(10
8)に移行する。そして、判断(108)においてクラッチ
スリップ量が20rpmを越える場合には、上述のノーマル
スタートモード処理(114)に移行させ、クラッチスリ
ップ量が20rpm以下の場合には、ドライブモード処理(1
09)を行い、リターン(118)に移行させる。
また、上述の判断(107)において車速が8km/H未満の
場合には、ブレーキ信号がオンか否かの判断(110)を
行い、この判断(110)がNOの場合には、クラッチデュ
ーティが15%以下か否かの判断(111)に移行し、判断
(110)がYESの場合には、図示しないタイマをクリヤ
(112)した後にクラッチデューティが15%以下か否か
の判断(111)に移行する。
判断(111)においてクラッチデューティが15%を越
える場合には、カウントフラグをクリヤするとともに、
タイマをクリヤ(113)し、上述のノーマルスタートモ
ード処理(114)を行い、リターン(118)に移行させ
る。また、クラッチデューティが15%以下の場合には、
カウントフラグをセット(115)し、タイマが5秒をカ
ウント、つまり5秒経過したか否かの判断(116)を行
う。
この判断(116)において、タイマが5秒経過してい
ない場合には、上述のノーマルスタートモード処理(11
4)を行い、リターン(118)に移行させる。また、タイ
マが5秒経過した場合には、再度カウントフラグをセッ
ト(117)し、上述のドライブモード処理(109)を行
い、リターン(118)に移行させる。
また、車速信号系の故障の判断について詳述する。
先ず、前記油圧クラッチ74のロックアップ動作を説明
すれば、ノーマルスタートモードからドライブモードへ
の移行、つまり油圧クラッチ74がロックアップさせるた
めには、従来は車速≧8km/Hの条件を満足する必要があ
り、車速信号系の故障時にはこの故障判断を行うことが
できないものである。
また、上述のノーマルスタートモードにおいてはエン
ジントルクが伝達されて車速が上昇すると、ベルトレシ
オがロー位置のままなのでエンジン回転が吹き上がる。
ノーマルスタートモードでは、クラッチコントロールに
より目標エンジン回転数とすべくクラッチ圧を制御して
いる。そして、この制御状態においては、実際のエンジ
ン回転数が目標エンジン回転数たる目標値(例えばMAX2
200rpm)を遥かに越えているものであり、クラッチ圧を
最大として実際のエンジン回転数を降下させるべくクラ
ッチデューティを出力させている。このとき、クラッチ
デューティは5〜10%である。
次に第1図のフローチャートに基づいて車速信号系の
故障判断と故障判断後の制御について説明する。
プログラムがスタート(200)すると、先ずノーマル
スタートモードか否かの判断(201)を行い、NOの場合
にはこの判断(201)を繰返し行い、YESの場合には、ク
ラッチデューティが15%以下か否かの判断(202)を行
う。そして、この判断(202)がNOの場合には判断(20
1)に戻り、YESの場合には、クラッチデューティが15%
以下の状態が5秒間連続したか否かの判断(203)を行
う。判断(203)がNOの場合には判断(201)に戻り、YE
Sの場合には、油圧クラッチ74のロックアップを行う(2
04)。
また、この油圧クラッチ74のロックアップ後に、クラ
ッチ入力軸たる回転軸18の回転数信号とクラッチ出力軸
たる最終出力軸112の回転数信号とを検出し、これら回
転数信号を比較(205)し、こられの差が500rpm以上か
否かの判断(206)を行う。そして、この判断(206)が
NOの場合には回転軸18の回転数信号と最終出力軸112の
回転数信号との比較(205)に移行し、YESの場合には、
回転軸18の回転数信号と最終出力軸112の回転数信号と
の差が500rpm以上で、且つこの状態が2秒間連続したか
否かの判断(207)を行う。
判断(207)がNOの場合には、上述の回転軸18の回転
数信号と最終出力軸112の回転数信号との比較(205)に
移行し、YESの場合には、前記最終出力軸112の車速信号
系の故障であると判断(208)する。
そして、最終出力軸112の回転数信号に代えて回転軸1
8の回転数信号を使用すべく制御する(209)。
なお、カタートモードにおいては、油圧クラッチ74の
ロックアップをクラッチデューティの入力信号のみで行
っているが、例えば坂路発進の際に2200rpmの目標値付
近で油圧クラッチ74を制御する場合には、クラッチデュ
ーティは20〜70%程度であり、ロックアップへの移行条
件を満足しないものである。
この結果、車速信号系の正常状態時に、クラッチデュ
ーティによる油圧クラッチ74のロックアップへの移行が
果たされない。
また、油圧クラッチ74のロックアップへの移行条件を
満足するのは、ベルトレシオがロー位置で、且つ車速が
30km/H以上で走行している状態の時であり、この状態で
油圧クラッチ74がロックアップしても移行時のショック
がなく、何ら不具合が生じないものである。
これにより、ノーマルスタートモード時のロックアッ
プ後の回転軸回転数信号と最終出力軸の回転数信号との
比較によって車速信号系が故障であるか否かを判断する
ことができるとともに、最終出力軸たる車速信号系の故
障判断後にはクラッチ出力軸の回転数信号の代わりにク
ラッチ入力軸の回転数信号を使用すべく制御することが
でき、制御部内のソフトウェアのみの変更で車速信号系
の故障検出が可能となり、新たなハードウェアを追加す
る必要がなく、構成が複雑化せず、コストを低廉とし得
て、経済的に有利である。
また、車速信号系の故障判断後に最終出力軸の回転数
信号の代わりに回転軸の回転数信号を使用すべく制御す
ることにより、故障判断後において正常時と同等にドラ
イブモードに移行させることができ、良好なドライブモ
ードの走行フィーリングを確保し得て、実用上有利であ
る。
〔発明の効果〕
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれ
ば、連続可変変速機制御方法において、ノーマルスター
トモード時にクラッチのロックアップを行い、クラッチ
のロックアップ後にクラッチ入力軸の回転数信号とクラ
ッチ出力軸の回転数信号とを比較し所定条件を満足する
ことにより車速信号系が故障であると判断するととも
に、故障判断後にはクラッチ出力軸の回転数信号の代わ
りにクラッチ入力軸の回転数信号を使用すべく制御する
ので、ソフトウェアのみの変更で車速信号系の故障検出
が可能となり、構成が複雑化せず、コストを低廉とし得
て、経済的に有利である。また、車速信号系の故障判断
後にクラッチ出力軸の回転数信号の代わりにクラッチ入
力軸の回転数信号を使用すべく制御することにより、故
障判断後において正常時と同等にドライブモードに移行
でき、良好なドライブモードの走行フィーリングを確保
し得て、実用上有利である。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図はこの発明の実施例を示し、第1図は車速信
号系の故障判断および故障判断後の制御を示す発進制御
方法のフローチャート、第2図は発進制御方法のフロー
チャート、第3図は連続可変変速機の要部切欠き断面
図、第4図は連続可変変速機と油圧回路との概略図であ
る。 図において、2は連続可変変速機、4はベルト、6は駆
動側プーリ、12は被駆動側プーリ、18は回転軸、30はオ
イルポンプ、38は第1オイル通路、40は第2オイル通
路、42は圧力制御弁手段、44はプライマリ圧制御弁、46
は第3オイル通路、48は定圧制御弁、50は第4オイル通
路、52はプライマリ圧制御用第1三方電磁弁、54はライ
ン圧制御弁、56は第5オイル通路、58は第6オイル通
路、60はライン圧制御用第2三方電磁弁、62はクラッチ
圧制御弁、64は第7オイル通路、66は第8オイル通路、
68はクラッチ圧制御用第3三方電磁弁、70は第9オイル
通路、72は第10オイル通路、74は油圧クラッチ、78は圧
力センサ、90は制御部、そして112は最終出力軸であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辰巳 巧 兵庫県姫路市千代田町840番地 三菱電 機株式会社姫路製作所内 (72)発明者 山本 博明 兵庫県姫路市定元町13番地の1 三菱電 機コントロールソフトウェア株式会社姫 路事業所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定プーリ部片とこの固定プーリ部片に接
    離可能に装着された可動プーリ部片との両プーリ部片間
    の溝幅を油圧により減増して前記両プーリに巻掛けられ
    るベルトの回転半径を減増させ変速比を変化させるべく
    変速制御する連続可変変速機制御方法において、ノーマ
    ルスタートモード時にクラッチデューティが所定値以下
    となる状態が5秒間連続した際にクラッチのロックアッ
    プを行い、クラッチのロックアップ後にクラッチ入力軸
    の回転数信号とクラッチ出力軸の回転数信号とを比較し
    所定条件を満足することにより車速信号系が故障である
    と判断するとともに、故障判断後にはクラッチ出力軸の
    回転数信号の代わりにクラッチ入力軸の回転数信号を使
    用すべく制御することを特徴とする連続可変変速機の発
    進制御方法。
  2. 【請求項2】前記所定条件は、クラッチ入力軸の回転数
    信号とクラッチ出力軸の回転数信号とを比較した際の差
    が500rpm以上で且つこの500rpm以上の状態が2秒間連続
    した所定条件である特許請求の範囲第1項記載の連続可
    変変速機の発進制御方法。
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