JP2608732B2 - 薄葉物の型抜き装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、カード貼付用の粘着剤付きプリントシート
などを型抜きするための簡便な型抜き装置に関するもの
である。

従来の技術 テレホンカードやJR各社のオレンジカードなどのプリ
ペイドカード（代金前払いカード）には、フリーデザイ
ンカードやモデルデザインカードと呼ばれるカードがあ
る。

フリーデザインカードは、そのカードの使用目的に必
要な最小限の印刷を施した以外は白紙のカードであり、
購入者が自分の好みのデザインの印刷を行うものであ
る。

モデルデザインカードは、そのカードの使用目的に必
要な最小限の印刷と図柄だけを印刷したものであり、購
入者が文字部分の印刷を行うものである。

これらフリーデザインカードやモデルデザインカード
は、広告宣伝、企業PR、販売促進用、各種行事の景品・
記念品、結婚式の引出物、名刺などの目的に広く利用さ
れている。

従来これらのカードの印刷は、たとえば、フリーデザ
インカードの場合で500枚以上、モデルデザインカード
の場合で50枚以上というような制約があった。

しかしながら、テレホンカードなどは、誕生祝、両親
や親しい友人へのプレゼント、その他プライベートな目
的に、ごく少ない枚数を印刷したい場合が多いが、この
印刷を印刷業者に依頼して行うことは、枚数が少なすぎ
て実行しがたい場合が多い。

そこで、ビデオカメラで撮影したものを画面に映し出
し、そのあるシーンのところで画面をとめてプリントア
ウトし、これを適当な大きさに切ってカードに貼り付け
るようすることがなされており、このためのプリント用
紙として、粘着剤付きプリントシートとその粘着剤面を
保護する剥離性シートとからなるものが開発されてい
る。

この場合、プリントシートをカードに貼る大きさに打
ち抜くために、受け板と型抜き刃付き板体との間に、剥
離性シート／粘着剤付きプリントシートからなる薄葉物
をはさんだ状態でプレスをかけて型抜きする装置（トム
ソンと呼ばれる装置）が開発されている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、プレス式のトムソンは、装置のかさが
大きいこと、テコによるプレス操作が煩わしく、しかも
腕力を要すること、操作にある程度の熟練を要すること
などの不利があり、業務用としてはともかく、家庭用に
は向いていないという問題点がある。

本発明は、コンパクトでかつ操作の行いやすい型抜き
装置を提供することを目的とするものである。

発明が解決しようとする問題点 本発明の薄葉物の型抜き装置は、受け板（６）と型抜
き刃付き板体（７）との間に薄葉物（８）をはさんだ状
態の積層体（９）を送るための送路面（２）を備えた基
台（１）、該基台（１）の送路面（２）を横断して設け
た下方側送りロール（３）、該下方側送りロール（３）
の上方にこれと平行に配設した上方側送りロール
（４）、両ロール（３），（４）のうち少なくとも一方
を回転させるための回転操作部（５）から構成され、か
つ前記の上方側送りロール（４）の周面には、長さ方向
の平面（4a）が形成されていることを特徴とするもので
ある。

以下本発明を詳細に説明する。

薄葉物（８）としては、型抜き可能なものであれば、
紙・紙製品、織布、不織布、プラスチックスフィルムま
たはシート、金属箔、天然または合成皮革、薄板、発泡
シート、これらのラミネート物をはじめ任意のものが使
用できるが、粘着剤付きプリントシート（8a）とその粘
着剤面を保護する剥離性シート（8b）とからなるカード
貼付用薄葉物が重要である。

受け板（６）としては、金属、プラスチックス、ゴ
ム、木板、合板、セラミックスなどが用いられる。

型抜き刃付き板体（７）としては、合板、木板、プラ
スチックス板、金属板などが用いられ、植設する刃（7
a）の全体形状は、角形、平行四辺形、円形、だ円形、
ハート型、星型、亜鈴形、雲形をはじめ任意の形状とす
ることができる。

本発明の薄葉物の型抜き装置は、送路面（２）を備え
た基台（１）、該基台（１）の送路面（２）を横断して
設けた下方側送りロール（３）、該下方側送りロール
（３）の上方にこれと平行に配設した上方側送りロール
（４）、両ロール（３），（４）のうち少なくとも一方
を回転させるための回転操作部（５）の各部材からな
る。

送路面（２）は、受け板（６）と型抜き刃付き板体
（７）との間に上述の薄葉物（８）をはさんだ状態の積
層体（９）を送るための面である。

下方側送りロール（３）、上方側送りロール（４）の
少なくとも表面の材質は、金属、プラスチックス、硬質
ゴム、セラミックスなどから構成する。

上方側送りロール（４）は、円筒または円柱の周面に
長さ方向の平面（4a）を形成したものとすることが必要
である。型抜き操作時に上方側送りロール（４）の平面
（4a）側を真下に位置させれば、積層体（９）の挿し込
みおよび位置決めが容易となり、かつ後述の回転操作部
（５）による上方側送りロール（４）の回転開始時に積
層体（９）の挿し込み側のみに圧力がかかって積層体
（９）の後端が浮くようなトラブルを生じないからであ
る。

回転操作部（５）は、両ロール（３），（４）のうち
少なくとも一方を回転させるために設けられるが、通常
は上方側送りロール（４）を回転させるようにする。回
転操作部（５）による上方側送りロール（４）の回転は
モータにより行うこともできるが、通常は手動で十分で
ある。

作用 本発明の装置により薄葉物（８）の型抜きを行うにあ
たっては、まず、受け板（６）上に薄葉物（８）を載置
し、その上から型抜き刃付き板体（７）の刃（7a）の側
を下にして当接する。

次に、このようにして準備した積層体（９）を基台
（１）の送路面（２）に置き、該積層体（９）を下方側
送りロール（３）および上方側送りロール（４）にぶつ
かるまで押し込む。上方側送りロール（４）には平面
（4a）を設けてあるので、積層体（９）はこの平面（4
a）直下にまで入り込む。

この状態で回転操作部（５）を操作すると、積層体
（９）は上方側送りロール（４）により下方側送りロー
ル（３）および送路面（２）に押し付けられた状態で送
路面（２）を移動し、この間に薄葉物（８）は型抜き刃
付き板体（７）の刃（7a）により型抜きされる。つま
り、上方側送りロール（４）は、積層体（９）の送りと
プレスの双方の役割を果たす。

上方側送りロール（４）の高さを適宜に設定すれば、
たとえば薄葉物（８）が粘着剤付きプリントシート（8
a）とその粘着剤面を保護する剥離性シート（8b）とか
らなるカード貼付用薄葉物である場合、薄葉物（８）全
体を打ち抜く打ち抜きカットのほか、粘着剤付きプリン
トシート（8a）のみをカットするハーフカットも可能で
ある。

実 施 例 第１図は本発明の装置の一例を示した正面図、第２図
はその平面図、第３図はその右側面図、第４図はその要
部の拡大断面図である。

（１）は基台であり、支柱（1a）を介して水平方向に
送路面（２）を設けてある。

基台（１）の両側面中央からは２個の架台（10），
（10）が立設しており、これらの架台（10），（10）間
に、下方側送りロール（３）と上方側送りロール（４）
とが送路面（２）を横断して架設してある。

下方側送りロール（３）は、その上端が送路面（２）
とほぼ同じ面かこれよりわずかに高くなるように設置し
てあり、一方、上方側送りロール（４）は、その下端が
下方側送りロール（３）の上端と若干の間隙を有するよ
うに配置してある。

下方側送りロール（３）は円筒形を有するが、上方側
送りロール（４）は、第４図のように、円筒の周面に長
さ方向の平面（4a）を形成してある。

また、上方側送りロール（４）の軸（4b）の一端に
は、回転操作部（５）の一例としてのハンドルを取り付
けてある。

第４図の（９）は積層体であり、下側の受け板（６）
と上側の型抜き刃付き板体（７）との間に薄葉物（８）
をはさんだものである。薄葉物（８）は、たとえば、粘
着剤付きプリントシート（8a）とその粘着剤面を保護す
る剥離性シート（8b）とからなる。型抜き刃付き板体
（７）の刃（7a）は下向きに植設されている。

上方側送りロール（４）の平面（4a）が真下に位置す
るようにセットしておき、積層体（９）を基台（１）の
送路面（２）に載置して、上方側送りロール（４）の平
面（4a）直下にまで押し込み、ついでハンドル（５）を
回せば、第４図中、右側から左側に積層体（９）が移動
し、その間に積層体（９）の薄葉物（８）が型抜き刃付
き板体（７）の刃（7a）により型抜きされる。

発明の効果 本発明の装置によれば、操作に熟練を要することなく
誰もが簡単にかつ腕力を要さずに薄葉物（８）を型抜き
することができる。しかも装置が簡単でかつコンパクト
であるので、故障のおそれが少ない点、コストの点およ
び収納の点でも有利である。

上方側送りロール（４）の周面には長さ方向の平面
（4a）を形成してあるので、積層体（９）の挿し込みお
よび位置決めが容易となる上、回転操作部（５）の回転
操作開始時に積層体（９）の挿し込み側のみに圧力がか
かって積層体（９）の後端が浮くようなトラブルを生じ
ないので、操作が著しく行いやすくなる。

従って、本発明の装置は、家庭用あるいは店頭用の型
抜き装置、殊に、粘着剤付きプリントシート（8a）とそ
の粘着剤面を保護する剥離性シート（8b）とからなるカ
ード貼付用薄葉物（８）の型抜きの目的に有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の一例を示した正面図、第２図は
その平面図、第３図はその右側面図、第４図はその要部
の拡大断面図である。 （１）……基台、（1a）……支柱、（２）……送路面、
（３）……下方側送りロール、（４）……上方側送りロ
ール、（4a）……平面、（4b）……軸、（５）……回転
操作部、ハンドル、（６）……受け板、（７）……型抜
き刃付き板体、（7a）……刃、（８）薄葉物、（8a）…
…粘着剤付きプリントシート、（8b）……剥離性シー
ト、（９）……積層体、（10）……架台

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】受け板（６）と型抜き刃付き板体（７）と
   の間に薄葉物（８）をはさんだ状態の積層体（９）を送
   るための送路面（２）を備えた基台（１）、該基台
   （１）の送路面（２）を横断して設けた下方側送りロー
   ル（３）、該下方側送りロール（３）の上方にこれと平
   行に配設した上方側送りロール（４）、両ロール
   （３），（４）のうち少なくとも一方を回転させるため
   の回転操作部（５）から構成され、かつ前記の上方側送
   りロール（４）の周面には、長さ方向の平面（4a）が形
   成されていることを特徴とする薄葉物の型抜き装置。
2. 【請求項２】薄葉物（８）が、粘着剤付きプリントシー
   ト（8a）とその粘着剤面を保護する剥離性シート（8b）
   とからなるカード貼付用薄葉物である特許請求の範囲第
   １項記載の装置。