JP2608337B2 - 単球/マクロフアージ特性を有する哺乳動物連続細胞系およびインビトロにおけるそれらの樹立 - Google Patents

単球/マクロフアージ特性を有する哺乳動物連続細胞系およびインビトロにおけるそれらの樹立

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JP2608337B2 JP1285095A JP28509589A JP2608337B2 JP 2608337 B2 JP2608337 B2 JP 2608337B2 JP 1285095 A JP1285095 A JP 1285095A JP 28509589 A JP28509589 A JP 28509589A JP 2608337 B2 JP2608337 B2 JP 2608337B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は単球/マクロファージ特性を有する連続細胞
系を正常なヒトまたはマウス細胞から樹立する方法およ
びこの方法により樹立された連続細胞系に関する。
単球およびマクロファージは造血幹細胞に由来する。
かかる幹細胞はまた赤血球、顆粒球、血小板およびリン
パ球のような他の細胞の前駆物質でもある。一旦幹細胞
が単球/マクロファージパスウエイにかけられると、そ
れらはプロ単球に分化する。プロ単球は高い細胞分裂を
示しかつ組織培養フラスコに少ししかまたは全く付着し
ない、小さく丸い細胞である。プロ単球は単球に成熟
し、このものはわずかながら大きく、細胞分裂の度合い
がより低くそしてより付着性が高い。最後にこの単球が
成熟してマクロファージとなり、これは細胞分裂を全く
示さずかつ強い付着性を示す大きな細胞である。
単球/マクロファージ特性を有する連続細胞系は多数
の重要な用途を有する。これら細胞系は正常な単球/マ
クロファージ増殖、成熟および機能の特性化、サイトカ
インの大規模生産およびこれらサイトカインを特定する
組み換えDNAクローン産生のためのmRNAの大規模生産、
ウイルスおよび寄生虫病原体の増殖、および場合により
かかるウイルスおよび寄生虫病原体用ワクチンの生産お
よびかかるウイルスおよび寄生虫病原体用薬剤の評価に
使用できる。
単球/マクロファージ特性を有する連続細胞系の使用
はかかる系を樹立するのが困難なゆえに限定されてき
た。連続細胞系はマウスおよびヒト源から単離されてい
るが、しかし使用に供することができる細胞系時にヒト
源からの細胞系の数は少ない。
少数の例外は別として、単球/マクロファージ特性を
有するヒト細胞系は白血病患者からのみ樹立されてき
た。従って、かかる細胞系の細胞は悪性でありそして正
常なヒト細胞機能の研究にとって正常なヒト細胞から樹
立された細胞系の細胞よりも有用性が劣る。さらに、悪
性細胞から樹立された細胞系はサイトカインおよびワク
チンの生産にとっては正常な細胞から樹立された細胞系
に比較して望ましくない、なぜなら悪性細胞は最終生成
物から分離するのが困難な望ましくない副生物を分泌す
る可能性があるからである。2種類の最も普通に用いら
れるヒト細胞系はU−937[Sundstrom他、Int.J.Cance
r,17:565−577(1976)]およびTHP−1[Tshuchiya
他、Int.J.Cancer,26:171−176(1980)]である。両細
胞系は白血病細胞をインビトロ増殖に適合させることに
より樹立された。単球/マクロファージ生成物の生産に
場合により用いられるもう一つのヒト細胞系はHL−60で
ある[Collins他、Nature,270:247−349(1977)]。こ
の細胞系は、用いられた刺激剤の種類に応じ刺激されて
顆粒粒または単球/マクロファージの性質の幾分かを発
現しうるゆえあまり分化していない前駆細胞から樹立さ
れたと思われる。HL−60もまた白血病細胞から樹立され
た。
マウス系においては、単球/マクロファージ特性を有
するおよそ15種の連続細胞系が入手できる。これらの細
胞系は自然発生的に生成した腫瘍を有するかまたは、た
いていの場合マウスをがんウイルスまたは化学的発がん
物質で処理することにより誘発された腫瘍を有するマウ
スから樹立された。
複製欠損がんウイルス(SV40)DNAを末梢血液単球に
トランスフェクションさせることによる正常マウスから
の単球/マクロファージ特性を有する連続細胞系の樹立
は記載されている[Schwarzbaum他、J.Immunol.,132:11
58−1162(1984)]。同様の方法もヒト細胞系の樹立に
用いられている[Nagata他、Nature,306:597−599(198
3)]。この方法で生成するヒト細胞系は増殖因子依存
性であり、インビトロ増殖に外因性コロニー刺激因子
(CSF)の添加を必要とする。外因性増殖因子をなんら
必要としない連続細胞系はがんウイルスからのがん遺伝
子を単球に導入することにより樹立されている[Pierce
他、1986,Clinical Haematology(England)15:573−59
6]。がん遺伝子およびウイルスDNAを含有する細胞系は
正常細胞の特性ではなく、従って正常な細胞機能の研究
にとっては正常な細胞から樹立された細胞系に比べ望ま
しくない。加えてこれら細胞系はがん遺伝子またはウイ
ルス粒子により有害な副生物が分泌される可能性がある
ゆえ、ワクチンまたはサイトカインの生産にとっては正
常な細胞から樹立された細胞系よりも有用性が低い。
単球/マクロファージ特性を有する連続細胞系は幾つ
かの正常な哺乳動物源から樹立されている。Wardley他
[Immunology,39:67−73(1980)]はヤギ、ブタ、モル
モット、ヒツジ、ウサギ、イヌおよびネコを含めた種々
の種類の末梢血液単球からの単球/マクロファージ連続
細胞系の樹立について記載している。この細胞系を樹立
するには非常にしばしば、およそ毎日、培地全部の交換
が必要であった。ヒト、ウマおよびウシから細胞系を樹
立する試みはうまくゆかなかった。
Salahuddin他[J.Exp.Med.,155:1842−1857(198
2)]は浮遊液中における複製性ヒト単球/マクロファ
ージおよび付着性非複製性マクロファージからなる長期
間(約5か月)細胞系の樹立について記載している。こ
れら細胞系はすべてエプスタイン−バールウイルス(EB
V)−血清陰性個体の末梢血液から樹立された。結局、
大部分の細胞系は非複製性成熟マクロファージとして終
わっている。しかしながら、培地中で数年間増殖した2
種の細胞系は1個体の末梢血液単核細胞から樹立された
[Salahuddin他、Biotechniques,5(5):432−443(19
87)]。かかる細胞系の製法は補添された不連続性パー
コールグラジエントでの細胞分離、ヒドロコルチゾンお
よびビタミンD3を含有する培地での増殖、毎週の全培地
交換、穏やかな連続的撹拌、およびEBV−血清陰性個体
からの末梢血液を必要とした。Salahuddin等により記載
された方法は成功および失敗に関する何等明らかな説
明、またはEBV−血清陰性であること以外の出発細胞に
関する選択基準に関する説明なく試行された約28列の2
種の場合においてのみなされたと思われる。かかる細胞
系を産生させるための信頼しうる製法がない事態におい
ては、Salahuddin等による研究を再現したい人々にとっ
て偶然によるこの2細胞系の創造は可能なことではな
い。
多種類の正常細胞源および哺乳動物種から単球/マク
ロファージ特性を有する連続細胞系をインビトロで樹立
する方法が必要とされている。
単球/マクロファージ特性を有する哺乳動物連続細胞
系をインビトロにおいて樹立するための本発明方法は下
記工程すなわち、 a) 正常な出発細胞の浮遊液を調製し、 b) 該出発細胞の浮遊液を培地中で培養する、但しこ
の出発細胞がヒト細胞である場合は培地にインシュリ
ン、トランスフェリンおよび亜セレン酸塩を含有する血
清代替物を補添するものとし、 c) 該出発細胞の浮遊液を付着細胞が生成するに十分
な時間インキュベーションし、 d) 培地を取り変えることにより非付着細胞を除去
し、 e) 付着細胞をそれが増殖表面上で集密的またはほと
んど集密的となるまで周期的に培地を部分交換しながら
培地中で培養し、そして f) 前記集密的またはほとんど集密的な細胞を十分な
時間培養して、速やかに分裂しかつ希釈後に培地中で集
密となるまで増殖できる均一な形態を有する細胞を生成
させる 工程を包含するものである。
本発明はまた実質的に悪性細胞および悪性細胞の生産
物を含有しない、単球/マクロファージ特性を有するヒ
ト連続細胞系をも包含する。本発明はさらに、正常な哺
乳動物細胞から樹立された単球/マクロファージ特性を
有するヒトまたはマウス連続細胞系をも包含する。本発
明は細胞系それ自体に限定されるものではなく、かかる
細胞系のすべてのクローン、突然変異体、修飾体または
遺伝子物質をも包含するものである。
本発明は正常な哺乳動物細胞から単球/マクロファー
ジ特性を有する哺乳動物連続細胞系をインビトロで樹立
する方法に関する。本発明の細胞系を包含する細胞は単
球/マクロファージの前駆体であると考えられている。
これらの細胞は表面マーカーを有しそして単球/マクロ
ファージに特徴的なサイトカインを産生するが、単球/
マクロファージ前駆体に特徴的な細胞形態および細胞増
殖パターンを有する。正常な哺乳動物細胞から樹立され
たのであるから、本発明の細胞系を包含するヒト細胞は
非悪性であると考えられており、そしてそれゆえその細
胞系は悪性細胞および悪性細胞の生産物を含有しないと
考えられており、一方マウス細胞系の幾つかは悪性細胞
を含有すると思われる。連続細胞系とは、かかる細胞系
を含有する細胞が均一な形態をしており、迅速に分裂
し、そして希釈後に培地中で集密となるまで増殖できる
ことを意味する。
本発明はここに記載される方法により樹立された細胞
系に限定されないのみならず、かかる細胞系のすべての
クローン、突然変異体、修飾体および遺伝子物質をも包
含するものである。修飾とはその細胞系を包含する細胞
に外来遺伝子物質を導入することを意味する。
かかる細胞系の樹立に用いられうる出発細胞には哺乳
動物の正常な脾臓、リンパ節および胸線細胞が包含され
る。正常とは、悪性でない細胞を意味する。さらに、遠
心分離したヒト血漿検体の軟膜からの細胞のような、末
梢血液から得られた単核細胞も使用できる。骨髄を含む
単球/マクロファージ系統の細胞を包含する任意の組織
または体液が本発明の出発細胞源として使用されうるこ
とが予想される。
必要な場合は出発細胞を処理して単個細胞浮遊液を調
製することができる。例えば、脾臓細胞をホモジナイズ
して篩に通すことができる。末梢血液細胞は単一細胞と
して存在し処理する必要はない。
ヒト脾臓を細胞源として用いる場合は、幾つかの異な
る調製法が用いられうる。新鮮な脾臓組織は10%ウシ胎
児血清(FCS)を含有するイスコーブ培地で1日間貯蔵
でき次にホモジナイズすることができる。生成する細胞
は直接T−25またはT−25組織培養フラスコに塗布でき
る。あるいはまた、脾臓をホモジナイズし、得られる脾
臓細胞をフィコール−ハイペク(Ficoll−Hypaque)グ
ラジエントでの遠心分離により分別しそして液体窒素中
で凍結させることもできる。これら凍結された細胞は解
凍しそして連続細胞系樹立のための出発細胞として使用
できる。
単個細胞浮遊液は組織培養フラスコに入れ、そして標
準的な組織培養用培地例えばグルタミンおよび2−メル
カプトエタノールを含有するイスコーブ培地に10%(v/
v)FCSを補添したものの中で培養することができる。他
の組織培養基も満足できると予想される。
FCS以外の動物血清も本発明において使用できるが、F
CSが好ましい。FCSの異なる製造者ロットは異なる増殖
因子を含有する可能性があるので、それゆえFCSの全ロ
ットが使用できるわけではない。検査されそしてミエロ
ーマおよびハイブリドーマ細胞の増殖に有効であること
が判明したFCSロットも本発明における細胞増殖に有効
である。
本発明に用いられる培地は培地にリポポリサッカライ
ド(LPS)が混入するのを阻止するためにパイロジェン
不含水を用いて調製されるのが好ましい。LPSは細胞分
化を刺激して成熟した非分裂性マクロファージを生成す
ることができる。リポポリサッカライドを含有しない水
および培地を本発明の実施において使用するのが好まし
い。
ヒト細胞から細胞系を樹立するのに用いられる培地は
インシュリン、トランスフェリン、亜セレン酸塩例えば
亜セレン酸ナトリウム、および場合により他の増殖因子
例えば1% Nutridoma−SP(Boehrnger−Mannheim)を
含有する血清代替物を補添された標準的な組織培養基で
ある。かかる血清代替物の添加はヒト連続細胞系の樹立
にとって重要である。かかる細胞系はインシュリン、ト
ランスフェリンおよび亜セレン酸塩を含有する血清代替
物の非存在下では樹立できなかった。
培養を開始するに必要な出発細胞濃度は出発細胞源の
如何による。例えば、脾臓細胞が出発細胞として用いら
れる場合は、T−75組織培養フラスコ中の細胞2.0×105
−7.5×106個/培地20mlの濃度が用いられうる。末梢血
清細胞を用いる場合は、T−25組織培養フラスコ中の細
胞約1.0×107個/培地10mlまたはT−75組織培養フラス
コ中の細胞2.0×107個/培地20mlなるより高い濃度が必
要である。
本発明を実施するための工程は完全なかつ明白な用語
で記載できるが、各工程で起こる出来事は詳述困難であ
る。異なる種類の出発細胞は異なる増殖パターンを示
し、記載された工程間に重複がありうるしそして操作中
に起きる事象がそれぞれの出発細胞に関し重複する可能
性がある。
出発細胞浮遊液を培養用に塗布した後、細胞を付着細
胞が生成されるに十分な時間静かに放置する。これには
約2日間を要しうる。付着細胞とは増殖表面に付着した
細胞を指す。これら付着細胞を培養すると単球/マクロ
ファージ特性を有する連続細胞系を得ることができる。
この期間に続き、組織培養フラスコを穏やかに揺り動
かして全ての非付着細胞を際懸濁させそして培地を例え
ば吸引により除去してT−25フラスコ中の新鮮な培地約
10mlおよびT−75フラスコ中の新鮮な培地20〜25mlと置
換する。非付着細胞とは増殖表面に付着していないが上
清中に浮遊したままである細胞を指す。これら非付着細
胞は増殖して上清中で死に、栄養分を消耗させ、新たな
細胞の増殖を阻止しうる有毒物質を産生しうるのでその
除去は重要である。
次に、周期的好ましくは毎週の培地交換が行われ、培
地の約半分が取り出されて同量の新たな培地と置換され
る。末梢血液細胞は比較的高い細胞濃度を必要とするの
で、取り出された培地は遠心分離して、消費された培地
から細胞を分離する。これら細胞は新たな培地と一緒に
組織培養フラスコに再導入されうる。部分的な培地置換
が本発明の決定的に重要な工程であると考えられる。部
分的な培地置換により、細胞により分泌された増殖因子
が組織培養フラスコ中に累積できると考えられる。これ
ら増殖因子が細胞の増殖を刺激する。周期的、部分的な
培地交換はその細胞が増殖表面上で集密的またはほとん
ど集密的となるまで必要である。細胞は増殖表面上に実
質的に連続した細胞単層が観察されうる場合に集密的ま
たはほとんど集密的といえる。一旦細胞が集密的または
ほとんど集密的となれば、周期的で部分的な培地交換は
もはや必要ない、なぜなら細胞はたとえ全ての培地が取
り去られても迅速に増殖因子を再補充できるに十分に濃
度が高いからである。
一旦細胞が集密的またはほとんど集密的となれば、培
地の全交換を必要としうる他の状況が出て来る。例え
ば、培養を開始するのに比較的高い細胞濃度を用いた場
合は種々の種類の付着細胞が迅速に増殖しうる。細胞の
かかる増殖オーバーは栄養分を枯渇させそして新しい細
胞の増殖および付着に必要なスペースを失わせうる。幾
つかの付着細胞は薄めて細胞かきおとし器を用いて穏や
かにかきおとすことにより除去できる。かきおとし後、
細胞屑はすべての培地を新鮮な培地と置換することによ
り除去せねばならない。残存する細胞は周期的に部分的
または全培地交換を行いながら培養を継続できる。
通常、個々の細胞培養物の種類に応じ細胞の塗布から
1〜5か月で均一な形態を有する迅速に分裂する細胞が
上清中に観察できる。中程度に分裂する細胞は連続細胞
系の樹立に先立ちしばしば観察できるが、かかる細胞は
寸法および形態が多様であろう。
連続細胞系は、迅速に分裂しかつ希釈後に培地中で集
密となるまで増殖しうる均一な形態を有する細胞が生成
された場合に樹立される。迅速に分裂する細胞は世代時
間24〜48時間を有する。連続細胞系の細胞は低細胞濃
度、例えば細胞1.0×103個/mlまで希釈でき、そしてか
かる希釈後に培地中で集密となるまで増殖しうる。
本発明方法により樹立された連続細胞系はホモジニア
スな細胞系ではない。しかしながら、一旦連続細胞系が
樹立されると、細胞をクローン化してホモジニアスなク
ローン化細胞系を生成させることができる。幾つかの場
合には、ある種の細胞は単個細胞が産生しうる量より多
い増殖因子を必要とし、そしてそれゆえかかる細胞はク
ローン化できない。しかしながら、かかる細胞は非クロ
ーン化細胞系として維持でき、次にインビトロで長期間
増殖後にクローン化できる。
本発明のクローン化および非クローン化細胞系のいず
れも外因性増殖因子を添加することなく培地中で連続的
に増殖しそして無血清培地中での増殖に速やかに適応す
る。これら細胞系はそれらが単球/マクロファージ系統
であることを示す表面抗原を発現する。例えば、マウス
細胞系はMac−1,Mac−2およびMac−3のような表面抗
原を発現し、ヒト細胞系はMo1およびM1のような表面抗
原を発現する。これら細胞系はまた、単球/マクロファ
ージにより分泌される特徴的なサイトカインであるIL−
1およびハイブリドーマ増殖因子(HGF)のような種々
のサイトカインをも合成し分泌する。サイトカインは他
の種類の細胞を調節するタンパク分子である。本発明の
細胞系を無血清増殖に用いてHGFを産生させることおよ
びB細胞ハイブリドーマによりモノクローナル抗体をイ
ンビトロ産生させることはE.I.du Pont de Nemours社の
米国特許出願第114054号(1987年10月26日出願)に記載
されている。
単球/マクロファージ特性を有する本発明の細胞系は
IL−1,HGF,腫瘍壊死因子(TNF)、およびインターフェ
ロンを含む種々のサイトカインを産生しうる。下記実施
例に示される通り、IL−1およびHGFは本発明の少なく
とも幾種類かの細胞系により産生される。本発明の幾種
類かの細胞系はそれら自身でIL−1およびHGFを産生し
うるが、他の細胞系はそれらがIL−1およびHGFを産生
しうるに先立ち、リポポリサッカライドのような刺激剤
での刺激を必要とする可能性がある。本発明の細胞系は
何等外因性増殖因子を必要とせず無血清合成培地中で増
殖しうるので、分泌されたIL−1およびHGFの精製を単
純化できる。従って、本発明の細胞系は精製容易な特定
の分泌産物ならびにこれら産物をコードするmRNAを大量
に提供しうるホモジニアス源である。
多数の異なるウイルスおよび寄生虫が一般に単球/マ
クロファージ中および単球/マクロファージ特性を有す
る本発明の細胞系中で複製できる。かかるウイルスの一
つはヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1)である。この
ウイルスはTリンパ球および単球/マクロファージの両
方中で複製する。表面抗原CD4はこのウイルスが結合す
るレセプターの少なくとも一部分である。下記実施例に
示される通り、本発明の細胞系の大部分は表面CD4発現
陽性である。
HIV−1は細胞をウイルスで感染させそしてそのウイ
ルスを細胞内で複製させることにより産性されうる。こ
の感染は、細胞をCEM3Bのような既知HIV−1産生性細胞
系から得られた上清と感染を起こすに十分な時間である
約72時間インキュベーションすることにより達成でき
る。この感染した細胞はそのウイルスを細胞内で複製さ
せるに十分な時間である約1週間インキュベーションさ
せることができる。細胞を例えば界面活性剤を用いて溶
菌させてウイルスを放出させ、これは溶菌した細胞から
容易に単離できる。現代では、HIV−1の生産にはTリ
ンパ球細胞系のウイルスによる感染が用いられる。しか
しながら、HIV−1の単離物の幾つか、特に神経系から
のそれはTリンパ球におけるよりも単球/マクロファー
ジ中における方がかなり良好に複製する。従って、本発
明の細胞系はTリンパ球におけるよりも単球/マクロフ
ァージ中における方がより良好に複製するウイルスの生
産に有利でありうる。
ウイルスおよびウイルス性溶解物は診断目的および治
療目的例えば死滅ウイルスワクチンに使用できる。本発
明の細胞系はかかるワクチンの生産に使用できる。加え
て、本発明の細胞系は単球/マクロファージ中における
ウイルス発現調節の研究およびかかるウイルスに対する
治療剤のインビトロ評価に使用できる。この両方の用途
共、HIVが単球/マクロファージ中において潜伏性感染
を起こしそれが活性化されると疾病を起こしうるという
推測があるので重要である。本発明の細胞系はまた、単
球/マクロファージ内で何がウイルスを活性化させるか
の判定、単球/マクロファージ内で潜伏状態のウイルス
を薬剤が不活性化する能力の評価、および薬剤がウイル
スを活性化できないことの確認の評価を研究するのにも
使用できる。
単球/マクロファージ中で複製しそしてヒト以外の哺
乳動物種に病原性を有する多数のウイルスおよび寄生虫
がある。単球/マクロファージ特性を有する細胞系がこ
れらの種から単離できそしてかかるウイルスおよび寄生
虫の生産に使用でき、それが次に診断および治療目的に
用いられうることは予想される。
大部分の個体から単球/マクロファージ特性を有する
細胞系を樹立できることにより、ヒト免疫系における細
胞性協同作用の遺伝的基礎を研究する機会が得られる。
単球/マクロファージがTおよびBリンパ球に抗原を提
示するのに遺伝的組織適合性が必要とされる。大部分の
個体からTおよびBリンパ球連続細胞系を調製できる
が、大部分の個体から単球/マクロファージ特性を有す
る細胞系を調製することは今までできなかった。本発明
の細胞系を用いる研究により、究極的にはヒト免疫系に
おける治療を促進させる機会を高めることができよう。
以下に本発明の実施例を示す。
実施例 単球/マクロフアージ特性を有する連続細胞系の樹立と
利用 A.C3H/HeJマウスからの連続細胞系の樹立 一匹の雌C3H/HeJマウスを殺し、その脾臓と一方の肺
を取り出した。その脾臓を#150メツシユスクリーンを
通過させ、ヒポキサンチン(13.6mg/ml)、チミジン
(7.6mg/ml)、L−グルタミン(2mM)およびウシ胎児
血清10%(v/v)を補添したIscove′s Modified Dulbec
co′s Medium 30ml中に入れた。この脾臓細胞を含有す
る培地10mlを次に、3個のT−25培養フラスコ中で各々
培養した。肺は#150メツシユスクリーンに通し、上記
の補添培地10mlに入れT−25フラスコ中で培養した。
2日間インキュベートした後、フラスコを軽く揺り動
かして非付着細胞を混ぜ合せた。各々のフラスコから、
アスピレータにより培地を除去し、そして新鮮な培地5m
lと交換した。細胞を1週間培養した後、各フラスコに
新鮮な培地5mlを追加し、各フラスコ内の全量を10mlに
した。培養17日後、各フラスコから培地5mlを除去し、
新鮮培地5mlと交換した。23日目、フラスコ表面上にほ
ぼ集密な細胞が観察された。各フラスコから培地10mlを
除去し、新鮮培地10mlを加えた。28日目に、フラスコの
内面の一部をプスチツク製細胞スクレーパーで掻き取る
ことによりフラスコ中の細胞を薄めた。掻き取った細胞
を含む培地10mlを各フラスコから取り出し、10mlの新鮮
培地を加えた。脾臓および肺臓の出発細胞を含むフラス
コ中では単一形態の迅速に分裂する細胞が観察された。
約1ヵ月の後(細胞培養から2ヵ月目)これらの細胞を
96−ウエルプレート中限界稀釈法によりクローン化し
た。得られた細胞系をそれぞれ、SPL HeJ.AおよびL He
j.Bと称する。
B.ヒト脾臓PMCからの連続細胞系の樹立 死体腎臓提供者からのヒト脾臓約1cm×1cm切片約15片
を死後直ちに得た。その組織切片を実施例Aに記述した
培地中に入れ氷上で一夜貯蔵した。次の日その切片を#
50ワイヤメツシユスクリーンに通し、次いで#150ワイ
ヤメツシユスクリーンに通した。この細胞を、約40ずつ
の培地を含有する50ml減菌遠心管2個中に入れた。この
管を約400×Gで10分間遠心分離した。1つの管からの
細胞ペレツトをウシ胎児血清9mlおよびジメチルスルホ
キシド1ml中に再懸濁した。この再懸濁細胞を分割して1
ml凍結用バイアル10本中で凍らせ、後日の研究のための
液体窒素中で貯蔵した。
第2の管からの細胞ペレツトをL−グルタミン(2m
M)、2−メルカプトエタノール(5.0×10-5M)、ウシ
胎児血清10%(v/v)、およびNutridoma SP(Boehringe
r Mannheim)1%を含有するIscove培地を用いて20ml量
となすことにより細胞浮遊液を調製した。細胞の濃度は
1.5×106個/mlであった。T−75フラスコに1から9の
番号を付け、各々10mlの培地を加えた。1番フラスコに
細胞浮遊液10mlを加え全体容量を20mlとした。残りの細
胞浮遊液の1:2稀釈物は、細胞浮遊液10mlを2番フラス
コ中の培地10mlに加え、混合し、この混合物から10mlを
取り出し、そしてこの10mlを3番フラスコに加えること
により調製した。同様に1:2稀釈物を9番フラスコまで
調製した。
翌日、1番〜5番フラスコを軽く揺らして赤血球及び
他の付着細胞を再懸濁させた。各フラスコ内の非付着性
細胞を含有する培地を完全に除去し、新鮮な培地20mlで
置き換えた。1番から3番フラスコ中には多くの付着細
胞が観察された。
毎週、各フラスコから培地の半量を除去し新鮮培地と
交換した。9個のフラスコのうち、1番および7番フラ
スコは酵母(yeast)汚染していたのでまた8番および
9番フラスコは生存細胞を観察できなかったので放棄し
た。28日目、2、5および6番フラスコ中で単一形態の
迅速に分裂する細胞が観察された。4番フラスコでは細
胞培養を始めて約3カ月後まで迅速に分裂する細胞は何
ら見られなかった。PMC−2と名付けた2番フラスコか
らの細胞を限界稀釈法によりクローン化し、そしてこの
クローンをPMC−2.1、PMC−2.2およびPMC−2.3と名付け
た。この連続細胞系PMC−2をAmerican Type Culture C
ollection(ATCC)、メリーランド、に1988年10月7日
に寄託しATCC受託番号CRL 9852を与えられた。
C.ヒト末梢血からの連続細胞系の樹立 1人のドナーから新鮮血40mlを採取した。この血液を
ヘパリンナトリウムを含む10mlのVacutainer管(Becton
−Dickinson)中に集めた。この管を500×gで20分管遠
心分離した。黄淡褐色被膜(軟膜)をパスツールピペツ
トで取り出した。この淡黄褐色被膜細胞をL−グルタミ
ン(2mM)および2−メルカプトエタノール(5×10
-5M)を含むが血清もしくは代替血清を含有しないIscov
e′s培地12mlに加えた。細胞2mlを種々の種類の血清、
血漿および代替血清を補添した異なる培地を入れた数個
の各フラスコ中に入れて培養した。この補添物は容量比
で、ヒト血清10%+Nutridoma−SP 1%;ウシ胎児血清1
0%+Nutridoma−SP 1%;ウシ胎児血清5%+ヒト血清
5%+Nutridoma−SP 1%;ヒト血漿5%+ウシ胎児血
清5%;ヒト血漿10%および合成培地〔(SM),Dulbecc
o′s Modified Eagle′s Medium 50%(DME,Hazelton−
Dutchland)およびHank′s F−12 Medium(F−12,Haze
lton−Dutchland)50%、それに2.4mM L−グルタミン,5
μg/mlウシインシユリン(Sigma Chemicals),30μg/ml
ヒトトランスフエリン(Sigma Chemicals),および2.6
ng/ml亜セレン酸ナトリウムを補足したものである〕+
ヒト血清10%からなる。各フラスコ内の総量は10mlであ
った。培養2日後、フラスコを軽く揺らして非付着細胞
を再懸濁させた。非付着細胞を含有するすべての培地を
取り出しそして新鮮培地と交換した。上記実施例Bに述
べた様にして、週毎に交換を実施した。ただし取り出し
た培地を遠心分離し、この培地から細胞を集め、それら
細胞を新鮮な培養基と伴にフラスコ内に再度導入した。
最初の細胞培養1ヵ月後、ウシ胎児血清10%+Nutrid
oma−SP 1%を補添した培地を入れたフラスコ内には、
単一の形態で、迅速に分裂する多くの細胞があった。ま
たウシ胎児血清5%+ヒト血清5%+Nutridoma−SP 1
%;ヒト血漿5%+ウシ胎児血清5%;および合成培地
を補添した培地を含有するフラスコ群にはいくつかの細
胞が含まれていた。ヒト血清10%+Nutridoma−SP 1%
および血漿10を補添した培地を含有するフラスコ群には
極めて小量の細胞しかなかった。
ウシ胎児血清10%+Nutridoma−SPを補足した培地を
含有するフラスコ内の細胞を、最初の細胞培養から数え
大体3カ月間、すなわち細胞が上清中で集密となるまで
培養した。得られた細胞系をSCと名付け、クローン化は
しなかった。この連続細胞系SCを1988年10月7日にATCC
に寄託した。ATCC受託番号CRL 9855。
D.流動細胞計測法によるヒト連続細胞系の特性化 本発明の方法により樹立された細胞系の系統の判定を
行なうため、十分に特性化されているネズミモノクロー
ナル抗体を使用し、そしてEpicsC流動細胞計測計中で蛍
光を分析することにより、工程BおよびCで樹立したい
くつかのヒト細胞系の表面表現型を判定した。モノクロ
ーナル抗体試薬は市販品として得られ(Coulter社およ
びBecton Dickinson)、モノクローナル抗体の一群は軟
球/マクロフアージ表面マーカーMo1,Mo2,M1,M2,M3,My
4,My7およびMy9を認識するもの並びに正常および白血病
性のBおよびTリンパ球の表面マーカーを認識するもの
を含有した。
クローン化した細胞系としなかった細胞系両方共に試
験を行なった。下記表中においてクローン化した細胞系
は「.」で示し後にクローン番号を付記し、非クローン
化細胞系には「.」がない。細胞系PMC−2およびSCは
それぞれ実施例1Bおよび1Cで樹立したものである。細胞
系90196B.1,MD.1,KMA.1,PH.1およびEL 1は凍結脾臓細胞
から樹立した。脾臓を工程Bで述べたように断片に切
り、5%(v/v)ウシ胎児血清を補添したRPMI 1640培地
と伴に機械式組織破砕機(Stomacher)中に入れた。得
られた細胞浮遊液をFicoll−Hypaqueグラジエントで遠
心分離し、そして、その細胞をジメチルスルホキシド10
%およびウシ胎児血清40%中1×108個/mlの濃度で凍結
貯蔵した。この凍結細胞を解凍して工程Bに示したよう
なクローン化連続細胞系の樹立に用いた。非クローン無
限増殖性細胞系90196B,MD,KMA,PH,およびEL 1は1988,1
0,7にATCCに寄託し、それぞれ受託番号CRL 9853,CRL 98
50,CRL 9856,CRL 9851,およびCRL 9854を得た。
T−25フラスコ中Iscove′s Modified Dulbecco′s M
edium(IMDM)+ウシ胎児血清10%+Nutridoma−SP 1%
中で工程Cで述べた様にして増殖させた個々の細胞系か
らの細胞数を数え、そして3×106個の細胞をTIL緩衝液
(ウシ胎児血清2%およびアジ化ナトリウム0.02%を補
足したHankの平衡塩類溶液)で洗浄した。この細胞を1
%ヤギ血清中に予め吸収させて非特定的なバツクグラウ
ンド結合を減少させ、そして400×gで遠心分離した。
得られた細胞ペレツトをTIL緩衝液1.5mlに加え、その50
μlずつを、96−ウエルマイクロタイタープレートのウ
エルに入れた。この細胞を表面マーカーに特異的な第1
の抗体と20分間インキユベータした。このプレートを遠
心分離し、細胞をTIL緩衝液で洗浄した。第1の抗体に
特異的なフルオレセインイソチオシアネート(FITC)標
識第2の抗体をプレートに加え、20分間インキユベート
した後、このプレートを遠心分離しラベルした細胞をTI
L緩衝液で洗浄した。陰性対照は第2の抗体のみとイン
キユベートした。ラベルした細胞をTIL緩衝液中パラホ
ルムアルデヒドで固定し、直ちに分析するか、または分
析するまで4℃貯蔵した。
ラベルした細胞の分析はEpicsCの流動細胞計測計(Co
ulter Corp.)を使用し、散乱パラメーター角を少し前
方に設定し生存しているラベルした細胞を選択的に分析
した。アツセイ中の細胞サンプル中に存在するラベルし
た生存していない細胞はFITCでラベルした第2の抗体の
非特異的結合のために、広い光散乱を示す。このような
光散乱により検定した結果を解釈が妨げられる。このよ
うな妨害をなくするために光散乱を少ししか示さない生
存している細胞のみを分析した。ラベルした細胞をフロ
ー室に流入させながら、アルゴンレーザーから焦点を合
わせた488nm線を使用して蛍光励起を起こさせた。各サ
ンプルについて大体2,000〜5,000のラベル化細胞をルー
チンで分析した。陰性対照の値を差し引いた後、各表面
マーカーについての陽性細胞パーセンテージを計算し
た。全細胞について、第2の抗体試薬でのバツクグラウ
ンド染色は全細胞の15%またはそれ以下であった。その
結果を第1表にまとめた。陽性細胞のパーセンテージが
少くとも20%のものを表面マーカー発現が陽性であると
みなした。単球/マクロフアージ細胞系U−937も対照
として掲載した。
上掲した結果より、本発明の細胞系は単球/マクロフ
アージ系統に特徴的な表面マーカーを発現したことが示
される。すべての細胞系がM1に関して陽性であり、そし
てPMC−2およびMD.1を除いたすべてがMy4,My7およびMy
9に関して陽性であった。
詳細データは上記に示さなかったが、ほとんどの細胞
系がDr(Ia)抗原の表面発現に関して陽性であり、そし
て、PMC−2およびMD.1を除く細胞系が補体成分C3に対
する受容体を発現した。Dr(Ia)抗原およびC3の発現も
また単球/マクロフアージ系統の細胞系の特性である。
発現されたマーカーのいくつかは予想外であった。B
細胞マーカーであるB1およびB4はほとんどの細胞系によ
って発現された。B2はMD.1細胞系のみにより発現され
た。B1,B2およびB4マーカーは正常B細胞に特徴的であ
るが種々の非−T細胞白血病並びに急性化中の白血病細
胞によっても発現される。単球/マクロフアージ系統で
ある細胞系U−937もB1およびB4マーカーを発現した。
U−937の結果から、本発明の細胞系は、MD.1およびPMC
−2細胞系を除き、おそらく細胞分化の正常な段階に相
当する細胞系であると考えられ、これは単球/マクロフ
アージ系統に関わるが、通常リンパ球系統のいくつかの
マーカーを発現するものである。
また本発明の細胞系はTリンパ球系統の細胞に特徴的
な数種の異った表面マーカーをも発現した。これらのマ
ーカーのうち最も目立ったものはT4,OKT4,OKT4A,および
Leu3a抗体により認識されるものであり、これらはすべ
てHIV−1受容体のエピトープ,CD4を認識する。正常な
単球/マクロフアージはその表面でCD4を発現しHIV−1
感染を受け易いことが知られているが、本発明の細胞系
による他のT細胞表面マーカーの発現は予想外であっ
た。しかしながらよく特性化されているU−937細胞系
もまたこのようなT細胞表面マーカーを発現した。
E.ヒト細胞系の細胞化学的特性化 ここまで述べた本発明の細胞系の系統をさらに判定す
るために、細胞を一連の細胞化学染色法で処理し、そし
て光学顕微鏡で分析した。試薬と操作は市販キツト(Si
gma Chemical社)から入手した。使用した染料は過ヨウ
素酸−Schiff(PAS),ミエロペルオキシダーゼ,ナフ
トールAS−Dクロロアセテートエステラーゼ,ナフチル
Ac ACエステラーゼおよびスーダンブラツクBであっ
た。「+」および「−」はそれぞれ陽性および陰性染色
を意味する。「+/−」とは弱い染色を指す。「D」お
よび「G」とは、それぞれ拡散したおよび粒状化した染
色のことである。「ND」とはその試料に関して染色測定
を行わなかったことを指す。用いられた染料は単球/マ
クロフアージ系統の細胞と他の系統の細胞とを区別する
のに役立てられた。
本発明細胞系全部からの細胞は、細胞系MD.2およびPM
C−2.3を除き、すべての染料に関して陽性染色された。
すべての染料に対して陽性染色性であるのは単球/マク
ロフアージ系統の細胞の特徴である。
F.ヒト細胞系によるサイトカインの分泌 本発明の方法により樹立された細胞系の代表的な試料
を細菌性リポ多糖体(LPS)およびホルボールミリステ
ートアセテート(PMA)で刺激し、そしてIL−1および
ハイプリドーマ増殖因子(HGF)の産生についてアツセ
イした。
a. ヒト細胞系によるIL−1の産生 合成培地中で細胞を大体5×105個/mlに生長させ、そ
して刺激を与えないか、または20ng/mlのPMAまたは10μ
g/mlのS.minnesota RE 595 LPS(Ribi Immunochemical
s)で48時間刺激した。PMAおよびLPSいずれも単球/マ
クロフアージ系統の細胞中で、IL−1の産生を刺激する
ことが知られている。対照として細胞の入っていない合
成培地を使用した。細胞は遠心分離により除去し、上清
を膜過により滅菌した。上清のIL−1活性を胸線細胞
コマイトジエン検定により測定した。これはGeryら(J.
Exp.Med.136:128 1972)に記載され、T細胞マイトジエ
ンである植物凝集素(PHA)を最適量以下で用いること
による胸線細胞C3H/HeJの同時刺激を使用するものであ
る。IL−1の活性の単位は標準組み換えIL−1と比較す
ることにより測定した。
第3表からわかるように、本発明の細胞系のほとんど
が、単独または刺激を受けるかのいずれかにより、IL−
1を産生した。LPSで刺激した場合は刺激しなかった場
合またはPMAで刺激した場合よりもIL−1の産生が多
い。LPS刺激の後、IL−1の産生が増加するのは単球/
マクロフアージ系統の細胞に関して一貫している。細胞
系KMA.3,KMA.1およびPH.1はIL−1の産生を行なわない
が、これは本発明細胞系の個々の差異を強調しているだ
けであり、これらの細胞系が単球/マクロフアージ系統
ではないことを示す訳ではない。
b.ヒト細胞系によるHGFの産生 ヒトハイブリドーマ細胞を標的として使用してヒトHG
Fの存在に関するアツセイを確立しようとする試みは、
外因性HGFが存在しない場合でも、ハイブリドーマ細胞
のバツクグラウンド生長が高いためうまく行かなかっ
た。したがって、ヒトハイブリドーマ増殖因子の活性は
マウスハイブリドーマ細胞を標的として使用するアツセ
イにより測定された。マウスHGFは多くのマウスハイブ
リドーマの非適合性の無血清増殖を促進することが明ら
かにされている。他のヒトリンフオカインおよびモノカ
インによる標的細胞に対する種間刺激に基づき、マウス
ハイブリドーマ細胞の無血清増殖の促進はヒトハイブリ
ドーマ細胞の増殖促進をも行うであろう蛋白質を示すこ
とが予想された。
マウスハイブリドーマ細胞系を低密度で、蛋白質含量
の少ない代替血清を補足した非蛋白質基準組織培養基中
で培養した。増殖因子を含有するならし培地の試料を加
え、約72時間のインキユベーシヨンの後、増殖および/
または活性化を下記の如く測定し、ならし培地を添加し
ていない対照細胞と比較した。
ならし培地を調製するには、ヒト細胞系を先づ工程C
の記述の如く低蛋白質、合成培地(SM)で増殖するよう
に適応させた。あるいはまた、この細胞系を1%Nutrid
oma−SP(Boehringer−Mannheim)を補足したIscove′s
Medium中で増殖するように適応させた。このヒト細胞
系をSMまたはIscove′s+Nutridoma−SP中で数代継代
増殖させることによりいずれかの培地で増殖するように
適応させ、この時点での増殖速度は10%FBSを含有する
培地中で得られた速度の約80〜90%であった。この細胞
系を血清のない培地中で生長させた。というのは、血清
がアツセイすべき試料中に存在していると、HGF活性に
ついて陽性を与えるからである。この細胞系は集密近く
まで(7〜10×105個/ml)増殖し、そして、LPS(E.col
i 055:B5W,Difco)を最終濃度で0.1μm/mlまたは1μm/
ml,またはホルボールミリステートアセテートを最終濃
度20ng/mlで加えるか、または何も加えなかった。48時
間インキユベートした後、上澄液を各細胞系から取り出
し、細胞および細胞くずは遠心分離を15分間48,000×g
で行なうことにより除去した。更に細かいくずを除去
し、そしてその溶液を滅菌0.22ミクロンフイルターを通
過させて滅菌した。各細胞系からの上澄液は分割して−
70℃で凍結するかまたは4℃で数週間貯蔵した。
HGF活性の検定のために、各ヒト細胞系からの上澄液
の一部20μlを96−ウエルを有する全面セルプレート
(Coastar Scientific)のウエルに加えた。単球/マク
ロフアージ系統の2つの細胞系U−937およびTHP−1か
らの上澄液と細胞のない培地をそれぞれ陽性および陰性
対照として使用した。ネズミハイブリドーマ細胞(系24
E/10)8000個/ウエルを各プレートに加え、そして湿度
調節されたCO2インキィユベーター中37℃で72時間増殖
させた。使用した培地は1%Nutridoma−SP(Boehringe
r−Mannheim)を補足したIscove′s培地であった。8
−チヤンネルの真空マニホールドを用いて、個々のウエ
ルから上澄液を除去し、そして各ウエルにMTT〔3−
(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェ
ニルテトラゾリウムブロミド〕(Sigma Chemical Co.,I
scove′s培地中1mg/ml)100μlを加えた。この96−ウ
エルプレートを湿度調節したCO2インキユベーター中37
℃で3時間インキユベートした。インキユベート後、各
ウエルを8チヤンネル真空マニホールドを有するアスピ
レーターで引いた。0.04 NHClを含有するイソプロパノ
ール100μlを各ウエルに加え、そしてプレートを60秒
間激しく振とうし、生存細胞が含まれるウエル内で産生
するホルマザン色素を可溶化した。ウエル中の色素溶液
の吸光度を試験波長570nmおよび参照波長690nmで自動プ
レート読み取り器で測定した。検定は3度実施し、吸光
度を平均した。平均の吸光度を第4表に示した。陰性コ
ントロールより50%またはそれ以上大きい吸光値を陽性
をみなした。
第4表からわかるように、本発明の細胞系のほとん
ど、並びに2つのコントロール細胞系U−937とTHP−1
で、単独でまたは刺激を受けた場合HGFを産生した。LPS
0.1μg/mlでの刺激に関する吸光度を第4表に示さなか
ったのは適当なコントロールを決定できなかったからで
ある。しかしながらLPS 0.1μg/mlによる刺激について
の細胞系吸光度とLPS 1μg/mlによる刺激についての細
胞系吸光度とを比較することにより、LPS 0.1μg/mlのL
PSで刺激してもほとんどの細胞系でHGFを産生しないこ
とが明らかにされた。HGFを産生しない細胞系PMC−2.3
およびEL 1.3は、個々の細胞系の差異を強調する助けに
なるものであり、このらの細胞系が単球/マクロフアー
ジではないことを示すものではない。
G.ヒト細胞系によるリゾチーム分泌 リゾチーム分泌は単球/マクロフアージの特性であ
る。本発明の種々の細胞系からの細胞をIscove′s Medi
um+10%FCS中で大体1×106個/mlとなるまで4〜6日
間生長させた。各細胞系から細胞を含まない上澄液試料
を得て、そしてHerscowitzら(Manual of Macrophage M
ethodology,Marcel Dekker,Inc.,New York,1981,240〜2
41頁)により述べられている凍結乾燥したミクロコツカ
スリソデクチクス(Micrococcus lysodecticus)細胞を
使用する分光光度分析によりリゾチームを検定した。細
胞系U−937およびTHP−1、これは単球/マクロフアー
ジ系統である、をコントロールとして使用した。標準曲
線は鶏卵の白色リゾチームを使用して作成した。そして
リゾチームの濃度はすべてこの標準曲線と相対的に表わ
した。
第 5 表 ヒト細胞系によるリゾチームの分泌細 胞 系 リゾチーム(μg/ml) KMA.1 <0.005 MD.2 <0.005 PMC−2.1 <0.005 EL 1.3 <0.005 SC 1.24 PH.1 2.72 90196B.1 0.57 U−937 1.39 THP−1 0.57 第5表から明らかなように、細胞系Ph.1,SCおよび901
96B.1並びに2つのコントロール細胞系U−937およびTH
P−1のすべてがリゾチーム分泌を行なっている。細胞
系MD.2,PMC−2.1,EL 1.3およびKMA.1.ではリゾチームを
分泌していないが、これもほ発明の個々の細胞系の差異
を強調するものであり、これらの細胞系が単球/マクロ
フアージ系統でないことを示すものではない。
H.ヒト細胞系におけるHIV−1の複製 ヒト細胞系P.1,MD.1,KMA.1および90196B.1を集密にな
るまで生長させ、各細胞系から1×108個の細胞を遠心
分離により集め、洗浄し、これを5×105個/mlの濃度で
HIV−1産性細胞系であるCEM 3B細胞の上澄液中に再懸
濁し、この細胞系をHIV−1で感染した。72時間後、こ
の細胞を遠心分離により集め、新鮮なDulbecco′s Modi
fied Eagle′s Medium中2×105個/mlで再懸濁した。こ
れらの懸濁液の試料はHIV−1感染させる前の各細胞系
から集め、そして第6、10、12、14、16および20日目に
後感染させた。細胞を遠心分離により除去し、細胞上澄
液は保管した。感染期間内には、細胞の形態および生長
パターンについて目に見えた変化はなかった。
各細胞上澄液を0.5%Triton X−100で処理し、第20目
の細胞懸濁液が集まるまで凍結した。次に細胞の試料を
すべて、p24 ELISA検出キツト(DuPont)を使用してHIV
−1 p24ウイルス抗原について検定した。未感染および
慢性感染したT細胞系であるCEMおよびH9は、それぞれ
陽性および陰性コントロールとして併記した。
第6表で明らかなように、本発明の細胞系MD.1におい
てHIV−1が複製しておりこれはHIV−1構造の蛋白質p2
4を産生することから証明される。MD.1以外のすべての
細胞系で6日目および10日目にp24蛋白質がいくらか産
生している証拠があるかp24のレベルはその時点以降減
少した。6日目と10日目で産生したp24がCEM 3Bの上澄
液からの残存p24であるか、または低レベルのp24が潜在
的または低レベルで産生した感染を示しているかはわか
っていない。この実験はHIV−1感染を検出するように
企図していないので、ELISAによれば検出可能な隠蔽さ
れたp24抗原が得られなかったが、本発明の細胞系によ
っては細胞内ウイルスおよび/またはウイルス抗原が累
積している可能性が残されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C12N 5/00 D 審判番号 平7−8450 (72)発明者 マイクル・テリー・ラーゲン アメリカ合衆国デラウエア州(19711) ニユーアーク.クウオーツミルロード 11 (56)参考文献 国際公開88/4687(WO,A1) Experirnental Hem atalogy,15[6](1987)P. 685−694 Journal of Immuno logical Methods,[65 ](1983)P.319−332 Journal of Immuno logical Methods,[99 ](1987)P.259−270

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単球/マクロファージ特性を有するヒトま
    たはマウス連続細胞系をインビトロにおいて正常細胞か
    ら樹立するに当たり、下記工程すなわち、 a)ヒトもしくはマウスの正常な出発細胞の浮遊液を調
    製し、 b)該浮遊液を、外因性造血細胞増殖因子を含まない標
    準組成培地および補添物からなり、該補添物は、マウス
    細胞が培養されるときは動物血清からなり、ヒト細胞が
    培養されるときは動物血清とインシュリン、トランスフ
    ェリンおよび亜セレン酸塩を含有する血清代替物とから
    なる培地で培養し、 c)該浮遊液を付着性細胞を形成するに十分な時間培養
    し、 d)培地を取り替えることにより非付着性の細胞を除去
    し、 e)工程d)で残存した付着性細胞をそれが増殖表面上
    で集密的またはほとんど集密的となるまで培地を周期的
    に部分的に交換しながら培養し、 f)前記集密的またはほとんど集密的な細胞を十分な時
    間培養して、24〜48時間の世代時間を有し、低細胞濃度
    に希釈した後で外因性造血細胞増殖因子を添加しない培
    地中で集密となるまで増殖し得る均一な形態を有する細
    胞を生成させる ことからなる方法。
  2. 【請求項2】工程f)で生成された細胞のクローニング
    を付加的に包含することからなる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】ヒト細胞が末梢血液細胞および脾臓細胞か
    らなる群から選択されたものである請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の方法により樹立された単球
    /マクロファージ特性を有する連続ヒトまたはマウス連
    続細胞系。
  5. 【請求項5】請求項1記載の方法により樹立された単球
    /マクロファージ特性を有するATCC受託番号CRL9850,CR
    L9851,CRL9852,CRL9853,CRL9854,CRL9855またはCRL9856
    からなるヒト連続細胞系。
JP1285095A 1988-11-02 1989-11-02 単球/マクロフアージ特性を有する哺乳動物連続細胞系およびインビトロにおけるそれらの樹立 Expired - Lifetime JP2608337B2 (ja)

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