JP2607297B2 - 紙塗被用組成物 - Google Patents

紙塗被用組成物

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JP2607297B2 JP2017785A JP1778590A JP2607297B2 JP 2607297 B2 JP2607297 B2 JP 2607297B2 JP 2017785 A JP2017785 A JP 2017785A JP 1778590 A JP1778590 A JP 1778590A JP 2607297 B2 JP2607297 B2 JP 2607297B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、印刷光沢、接着強度及び耐水性が優れた塗
工紙の形成に適用して好適な紙塗被用組成物に関するも
のである。
〔従来の技術〕
従来から、合成高分子ラテックスは、紙加工、繊維処
理、接着剤等の分野に幅広く使用されている。なかで
も、紙加工用としては、塗工紙における合成バインダー
としての使用が、近年、急激な伸びを示している。
一般に、塗工紙は、原紙の表面に紙塗被用組成物を塗
工して塗工層を形成したものであり、該紙塗被用組成物
は、通常、顔料並びにこの顔料を結着するための合成バ
インダー(ラテックス)及び天然バインダー(カゼイン
等)からなる結合材等から構成されてなるものである。
現在、塗工紙の特性として、印刷物の美観の点から優
れた印刷光沢を有すること、並びに印刷の高速化に伴
い、塗工層が原紙に対して充分に大きな接着強度を有
し、且つ大きな耐水性を有することが重要視されてい
る。
かかる塗工紙に対する性能向上を、紙塗被用組成物に
含まれるラテックスの改質により達成しようとする技術
が、例えば、特開昭50−94034号公報、特開昭57−19139
2号公報等に開示されており、これら公報にはシアン化
ビニル系化合物をビニル単量体成分の一種として調製し
たカルボキシル変性スチレン−ブタジエン系共重合体ラ
テックスを用いるものが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記共重合体ラテックスを含有する紙
塗被用組成物によっても充分満足すべき印刷光沢、接着
強度並びに耐水性を有する塗工層を備えた塗工紙かが得
られていないのが実情である。
従って、本発明の目的は、印刷光沢、接着強度並びに
耐水性の優れた塗工紙を形成することができる紙塗被用
組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、種々検討した結果、紙塗被用組成物の
合成バインダーとして特定の割合で配合された2種類の
ラテックスを用いることにより、上記目的が達成される
ことを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、紙被
覆用顔料100重量部に対し、下記のラテックス(A)及
びラテックス(B)を、それぞれの固形分重量比が99:1
〜70:30となる範囲内で、合計5〜20重量部含有するこ
とを特徴とする紙被覆用組成物を提供するものである。
ラテックス(A): (a)脂肪族共役ジエン化合物;29〜50重量%、(b)
ビニル芳香族化合物;35〜75重量%、(c)エチレン系
不飽和カルボン酸;1〜10重量%及び(d)前記(a)〜
(c)の化合物と共重合可能な前記(b)(c)の化合
物を除くエチレン系不飽和化合物;0〜20重量%から成
る、単量体組成物を重合させた、平均粒子径が1000〜20
00Å、ゲル含有量が75〜100%及びガラス転移温度が−1
0〜20℃である共重合体ラテックス。
ラテックス(B): (a)脂肪族共役ジエン化合物;30〜60重量%、(b)
ビニル芳香族化合物;35〜75重量%、(c)エチレン系
不飽和カルボン酸;1〜5重量%及び(d)前記(a)〜
(c)の化合物と共重合可能な前記(b)(c)の化合
物を除くエチレン系不飽和化合物;0〜20重量%から成る
単量体組成物を重合させた、平均粒子径が300〜800Å、
ゲル含有量が75〜100%及びガラス転移温度が−30〜10
℃である共重合体ラテックス。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明の紙塗被用組成物の特徴をなす合成バイ
ンダーを構成するラテックス(A)及びラテックス
(B)を中心に説明し、紙塗被用組成物全体については
後述する。尚、以下の説明では、原則として、ラテック
ス(A)及びラテックス(B)の間で異なる点について
はその旨明示し、共通する事項は同時に説明する。
(a)脂肪族共役ジエン化合物(単量体(a))とし
ては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチ
ル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、
2−シアノ−1,3−フタジエン、置換直鎖共役ペンタジ
エン類、直鎖及び側鎖共役ヘキサジエン等があるが、こ
れらのうち、特に1,3−ブタジエンが好適に用いられ
る。
これらの単量体は、得られる共重合体に良好な柔軟性
と接着強度とを与える為に、全単量体の混合物である単
量体組成物100重量部に対して、ラテックス(A)では2
9〜50重量%好ましくは30〜40重量%使用され、ラテッ
クス(B)では30〜60重量%、好ましくは35〜50重量%
使用される。
上記単量体(a)の使用量が29重量%(30重量%)未
満であると、塗工紙において充分な弾性や接着強度が得
られず、また50重量%(60重量%)を越えると、紙塗被
用組成物の粘性が大きくなりすぎ、塗工性が低下する
(カッコ内はラテックス(B)の場合)。
(b)ビニル芳香族化合物(単量体(b))として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ジメチルスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好適に
使用される。
これらの単量体は、単量体組成物100重量部に対し
て、ラテックス(A)及びラテックス(B)の何れの場
合も35〜75重量%、好ましくは40〜60重量%使用され
る。
両ラテックスにおいて、上記単量体(b)の使用量が
35重量%未満では、共重合体が柔らかくなりすぎ、塗工
紙における耐水性が劣化し、75重量%を越えると硬くな
りすぎて造膜性が不充分となり、バインダーとしての機
能が低下する。
(c)エチレン系不飽和カルボン酸(単量体(c))
としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸等のモノ又はジカル
ボン酸を使用することができるが、ジカルボン酸無水物
も使用することができる。
これらの単量体は、単量体組成物100重量部に対し
て、ラテックス(A)では1〜10重量%、好ましくは2
〜6重量%、ラテックス(B)では1〜5重量%、好ま
しくは2〜4重量%使用される。
上記単量体(c)の使用量が1重量%未満では、両ラ
テックスとも接着力、機械的安定性が低下し、10重量%
(5重量%)を越えるとラテックスの粘度が高くなり過
ぎ、ハンドリングが難しくなる(カッコ内はラテックス
(B)の場合)。
(d)上記(a)〜(c)と共重合可能な(b)
(c)以外のエチレン系不飽和化合物(単量体(d))
としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸メチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリート等のアクリル酸、ある
いはメタクリル酸のアルキルエステル類、アクリロニト
リル、メタアクリロニトリル等のビニルシアン化合物、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルエチルケト
ン、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、
アリルアセテート、メタアリルアセテート、アクリルア
ミド、メタアクリルアミド、N−メチルロールアクリル
アミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、アクロレイン、アリルアルコール等を使用すること
ができる。
これらの使用量は、単量体組成物100重量部に対し
て、ラテックス(A)及びラテックス(B)の何れの場
合も0〜20重量%、好ましくは5〜17重量%である。
本発明においては、上述のラテックス(A)及びラテ
ックス(B)は、それぞれ単独の使用では、得られる紙
塗被用組成物の流動性、接着力が不充分であり、また塗
工紙への印刷光沢も不充分である。しかしながら、上記
両者を併用することによって、これらの諸特性向上の効
果が相乗的に奏せられる。この場合のラテックス(A)
及びラテックス(B)の混合割合は、固形分重量比がそ
れぞれ99:1〜70:30、好ましくは90:10〜80:20である。
この範囲をずれると、特に塗工紙における印刷光沢と接
着強度が低下してくる。
本発明のラテックス(A)とラテックス(B)は、公
知の方法により、水性媒体中で上記の各単量体を所定量
ずつ混合してなる単量体組成物を、乳化剤、重合開始
剤、連鎖移動剤の共存下で共重合させることにより製造
される。
上記乳化剤としては、いわゆる陰イオン性界面活性剤
が好適に使用され、その例としては、高級アルコール硫
酸エステル塩、アルキルアリルスルホン酸塩、高級アル
コール(ポリ)エチレンオキサイドエステルの硫塩化物
のアルカリ塩、アルキルサクシネートのスルホン酸塩、
高級アルコール(ポリ)エチレンオキサイドの燐酸モノ
(又はジ)エステルのアルカリ塩、非イオン性界面活性
剤、硫酸エステル並びに燐酸エステル塩等が挙げられ
る。
また、陰イオン性界面活性剤と組み合わせてポリエチ
レンアルキルフェノールエーテル、ポリエチレングリコ
ールの脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤を使用
することも可能である。
上記重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素等の
無機過酸化物、キュメンハイドロパーオキシド、ラウロ
インパーオキシド、ジイソブチルベンゾイルパーオキシ
ド等の有機過酸化物、又は前記酸化触媒と次亜硫酸ナト
リウム、ホルムアルデヒドのスルホン酸塩等の還元剤と
併用する、いわゆるレドックス系触媒等が挙げられる。
更に、共重合体ラテックスの乳化重合時には、必要に応
じて各種電解質を共存させることができる。
上記連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタ
ン、n−ヘキサデシルメルカプタン、tert−ヘキサデシ
ルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、tert
−テトラデシルメルカプタン等のメルカプタン類、テト
ラエチルチウラムスルフィド、四塩化炭素、臭化エチレ
ン及びペンタフェニルエタン等の炭化水素類、またはア
クロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−
エチルヘキシルチオグリコール等が挙げられる。
これらの連鎖移動剤は、単独で、又は二種以上を組み
合わせて使用することができる。また、使用方法として
は、一括添加、分割添加又は連続添加のいずれの方法で
も差し支えない。
重合温度は特に制限されず、重合時間や重合速度の点
から、一般に高温重合の方が好ましいが、レドックス系
触媒による低温重合も可能である。また、必要に応じ
て、重合途中で重合停止剤により重合を停止させること
も可能である。
前述の如くして得られた共重合体ラテックスは、安定
性改良のために、通常pH7程度になるように塩基性物質
を添加し、未反応モノマーの除去工程、濃縮工程を経て
本発明の紙塗被用組成物の調製に供される。
本発明の紙塗被用組成物を構成する共重合体ラテック
スは、その分散相をなす重合体粒子の平均粒径が、ラテ
ックス(A)では1000〜2000Å、好ましくは1200〜1600
Å、ラテックス(B)では300〜800Å、好ましくは400
〜600Åである。
共重合体ラテックス(A)の重合粒子の平均粒径が10
00Å未満では、共重合体ラテックスの粘度が上昇して紙
塗被用組成物の塗工性が悪くなるので好ましくない。ま
た、平均粒径が2000Åを越えると、塗工紙の印刷光沢が
低下して好ましくない。
共重合体(B)の重合粒子の平均粒径が300Å未満で
は、耐水性が低下するので好ましくない。また、平均粒
径が800Åを越えると、塗工紙の印刷光沢が低下する傾
向があり好ましくない。
ここで、「重合体粒子の平均粒径」とは、共重合体ラ
テックスをオスミウム酸で処理し、これを電子顕微鏡を
用いて倍率3万倍で写真撮影し、得られた顕微鏡写真に
おける粒子500個の粒径を測定して平均した値である。
かかる重合体の平均粒径は、共重合体ラテックスの製造
に用いられる乳化剤の添加量を調整することによって制
御することができる。
本発明における共重合体ラテックスのゲル含有量は、
ラテックス(A)及びラテックス(B)の何れでも75〜
100%、好ましくは80〜90%である。共重合体ラテック
スのゲル含有量と塗工紙における接着強度との間には、
相関関係が認められ、ゲル含有量が上記の範囲外である
と、接着強度が不充分となって好ましくない。ここで、
「ゲル含有量」とは、300mlメタノールと34%塩化カル
シウム水溶液20mlを越えた溶液中にラテックス10mlを添
加し、固液を濾過分離後、乾燥固形分約0.12gを精秤
し、沸騰トルエンで6時間抽出した時の抽出残量の重量
割合(%)で表わした値である。かかるゲル含有量は、
共重合体ラテックスの製造において、連鎖移動剤を用い
ることによって調節が可能である。
本発明の紙塗被用組成物を構成する共重合体ラテック
スのガラス転移温度は、ラテックス(A)では−10〜20
℃、好ましくは−5〜10℃、ラテックス(B)では−30
〜10℃好ましくは−15〜5℃である。ガラス転移温度が
20℃(10℃)を越えると、塗工紙における接着強度が不
充分となり、逆に、−10℃(−30℃)未満では印刷光沢
と耐水性が不充分となる(カッコ内はラテックス(B)
の場合)。ここで、「ガラス転移温度」とは、共重合体
ラテックスを乾燥し、得られた固体を示差走査熱量計
「DSC910型」(デュポン社製)によって測定して得られ
た値である。
ガラス転移温度は、脂肪族共役ジエン化合物(単量体
(a))の量を変えることによって制御することが可能
である。
以上、合成バインダーを構成するラテックス(A)及
びラテックス(B)を中心に説明したが、本発明の紙塗
被用組成物は、下記の紙塗被用顔料と、天然水溶性バイ
ンダー及び前述の共重合体ラテックスからなる上記合成
バインダーで構成される混合バインダーと、その他分散
剤等から構成される。
本発明の紙塗被用組成物に用いられる顔料は、特に限
定されるものではなく、カオリン、炭酸カルシウム、酸
化チタン、水酸化アルハニウム、硫酸バリウム、亜鉛
華、サチンホワイト等、一般の紙塗被用顔料であればい
ずれでもよく、望まれる品質に応じてこれらの顔料を適
宜組み合わせて使用することもできる。
また、本発明の紙塗被用組成物に用いられる天然水溶
液バインダーとしては、カゼイン、澱粉、酸化澱粉、大
豆蛋白、リン酸エステル化澱粉、その他の変性澱粉を使
用することができる。その使用量は、上記紙被覆用顔料
100重量部に対して好ましくは、20重量部以下、更に好
ましくは1〜15重量部である。
本発明の合成バインダーとしては、前述のラテックス
(A)とラテックス(B)との混合物を上記紙被覆用顔
料100重量部に対して5〜20重量部、好ましくは8〜15
重量部含有せしめる。尚、ラテックス(A)とラテック
ス(B)の混合比は前述の如く、固形分重量比で99:1〜
70:30の範囲である。
以上詳述した本発明の紙塗被用組成物は、後述する実
施例から理解されるように、二種の異なる性能を有する
共重合体ラテックス(ラテックス(A)、(B))を上
記所定範囲割合で混合したラテッスク混合物を合成バイ
ンダーとして用いることにより、塗工紙の印刷光沢、接
着強度及び耐水性を著しく改善することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明は以
下に示す実施例に限定されるものではない。
実施例1 〔ラテックス(A)及びラテックス(B)の製造〕 窒素置換した600mlの耐圧ガラス製反応器に、水、各
単量体、tert−ドデシルメルカプタン、アルキルジフェ
ニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ピロリン酸ナト
リウム、過硫酸カリウムを表1の各欄に示す割合で仕込
み、内部を撹拌させながら、65℃で20時間、重合反応を
行った。
尚、乳化剤(アルキルジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム)の添加量によって、ラテックス粒子の平
均粒径を調整することができる。
上記重合反応と後、ラテックス固形分に対して約200p
pmになるようにシリコン系消泡剤(SM−5512)を加え、
ジャケット加熱によりストリップを行い、未反応モノマ
ーを除去した後、濃縮工程を経て、固形分濃度及びpHを
調整し、表1に示すNo.1〜6のラテックス6種類を製造
し、且つその物性を測定し、その結果を同表に記載し
た。
〔混合ラテックスの調製〕
次いで、下記表1に示したNo.1〜2のラテックス
(A)とNo.3〜6のラテックス(B)とを、下記表2に
示した比率となるように混合し、(1)〜(6)の混合
ラテックス6種類を調製した。
〔紙塗被用組成物の調製〕
表2の比率で調製した混合ラテックス(1)〜(6)
を合成バインダーとして用い、顔料、天然バインダー
(酸化澱粉)及び分散剤を表3に示す配合組成(乾燥重
量部)で混合し、紙塗被用組成物(塗工液)を調製し
た。
〔塗工紙の作成〕 上記表3に記載した紙塗被用組成物を用いて、市販上
質原紙に11±1g/m2になるように、ワイヤーバーにより
塗工を行う。塗工後、直ちに熱風乾燥器に入れ、120
℃、30秒の条件で乾燥して塗工紙とした。得られた塗工
紙を、更に55℃、100kg/cmでスーパーカレンダーがけを
3回行い、恒温恒湿室(20℃、65%RH)中に24時間放置
した後、塗工紙の物性測定のサンプルとした。
なお、紙塗被用組成物及び塗工紙について得られた物
性の測定結果は、表4に示した。各々の物性は、以下に
示す方法により測定した。
・粘度;BM型粘度計を用いて測定した、25℃、6rpm及び6
0rpmにおける粘度で表示した。
・印刷光沢:RIテスターを使用して、オフセット用イン
キ0.4mlを用いて試料にベタ刷りし、直ちに熱風により
乾燥して、75°鏡面光沢を測定した。測定値は、試料5
枚の平均値を採用した。
・ドライピック:RIテスターを用いて、インキ(TV=2
5)で6回重ね刷りを行い、印刷面のピッキング状態を
肉眼で判定し、その結果を5段階で評価した(数値が大
きいほど優秀)。
・ウェットピック:モルトンロールで塗工紙に給水さ
せ、その直後にRIテスターを用いて、インキ(TV=10)
で印刷を行い、印刷面のピッキング状態を肉眼で判定
し、その結果を5段階で評価した(数値が大きいほど優
秀)。
・吸水着肉性:モルトンロールで塗工紙を水で湿し、RI
テスターを用い、ピッキングの起きない程度のオフセッ
トインキ(TV=15)を用い、ベタ塗りを行い、インクの
転移性を観察した。その結果は肉眼判定により5段階で
評価した(数値が大きいほど優秀)。
比較例1 表1における重合No.1〜6の配合及び物性からなるラ
テックス(A)及びラテックス(B)を混合せずに、各
ラテックスをそれぞれ合成バインダーとして単独で用
い、実施例1と同様の条件で紙塗被用組成物を調製し、
且つ塗工紙を得た。
紙塗被用組成物の物性及び塗工紙の性能に関して実施
例1の場合と同様の条件で評価し、得られた結果を表5
に示した。
比較例2 ゲル含有量27.9%と65.9%に変化させたラテックス
7、8、ガラス転移温度を変化させたラテックス9、1
0、粒径を変化させたラテックス11を表6の処方により
製造し、実施例1と同様にして紙塗被用組成物を調製
し、且つ該紙塗被用組成物を用いて作成した塗工紙の性
能を評価し、その結果を表6に併せて記載した。
表6の結果より、印刷光沢、ドライピック、ウェット
ピック、吸水着肉性の特性バランスが悪くなることが明
らかである。
比較例3 ラテックス9(粒子径1240Å、ゲル含有量98.3%、ガ
ラス転移温度−13℃)90部と、ラテックス11(粒子径89
0Å、ゲル含有量58.3%、ガラス転移温度7℃)10部と
をブレンドし、混合ラテックスを調製し、実施例1と同
様の方法で紙塗被用組成物を調製し、且つ該紙塗被用組
成物を用いて塗工紙を作成した。
得られた塗工紙について実施例1と同様にして測定し
た物性は、次の通りであった。
印刷光沢=87.2%、ドライピック=3、 ウェットピック=3、吸水着肉性=2。
〔発明の効果〕
本発明の紙塗被用組成物は、原紙に適用することによ
り、印刷光沢、接着強度並びに耐水性の優れた塗工紙を
形成することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙被覆用顔料100重量部に対して、下記の
    ラテックス(A)及びラテックス(B)を、固形分重量
    比がそれぞれ99:1〜70:30となる範囲内で、合計5〜20
    重量部含有することを特徴とする紙塗被用組成物。 ラテックス(A): (a)脂肪族共役ジエン化合物;29〜50重量%、(b)
    ビニル芳香族化合物;35〜75重量%、(c)エチレン系
    不飽和カルボン酸;1〜10重量%及び(d)前記(a)〜
    (c)の化合物と共重合可能な前記(b)(c)の化合
    物を除くエチレン系不飽和化合物;0〜20重量%から成
    る、単量体組成物を重合させた、平均粒子径が1000〜20
    00Å、ゲル含有量が75〜100%及びガラス転移温度が−1
    0〜20℃である共重合体ラテックス。 ラテックス(B): (a)脂肪族共役ジエン化合物;30〜60重量%、(b)
    ビニル芳香族化合物;35〜75重量%、(c)エチレン系
    不飽和カルボン酸;1〜5重量%及び(d)前記(a)〜
    (c)の化合物と共重合可能な前記(b)(c)の化合
    物を除くエチレン系不飽和化合物;0〜20重量%から成る
    単量体組成物を重合させた、平均粒子径が300〜800Å、
    ゲル含有量が75〜100%及びガラス転移温度が−30〜10
    ℃である共重合体ラテックス。
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