JP2607176Y2 - 自動車フロントガラスの反射像防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】本案は、各種自動車の運転席
において、自動車のフロントガラスにインストルメント
パネルの上面部が反射して写ることにより生じる視野障
害を防止し、運転の安全性を向上する為の自動車フロン
トガラスの反射像防止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来各種自動車のインストルメントパネ
ル（以下インバネと略す）の上面部は計器盤部、トレイ
部等が組み合わされ、投差、凹部が形成される等してお
り、またその素材は一体成型のレジンであって、表面部
の反射防止効果も不充分であった。

【０００３】さらにまた上記トレイには当然、小物や伝
票類が収容されることにはなるが、フロントガラスから
入射した光線は、上記インバネ部の段差、凹部等、さら
にトレイ内の収納物類に反射し、そのまま運転者の眼を
射る他、光線の入射角に応じ、再びフロントガラスの内
面で反射した後運転者の眼に届くこととなる。そして後
者の場合、フロントガラスにはインバネの表面部そのも
の、その段差、凹部、その隅角部、トレイ内の小物類が
写し出され、運転者にとって最も重要な運転視野を妨げ
る原因となる。特に日射しの強い時期には、直接光、反
射光自体運転者の眼を疲れさせることに加えて、この反
射像も加わり、安全運転上の問題となっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本考案が解決しようと
するところは前記のような問題点を解決し、自動車のフ
ロントガラスにインストルメントパネルの上面部、特
に、この上面部に形成されているトレイを含む凹部が反
射して写ることにより生じる視野障害を防止し、運転の
安全性を向上することのできる自動車フロントガラスの
反射射像防止装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手投】本考案に係る自動車フロ
ントガラスの反射像防止装置は、上面部にトレイ部が形
成されているインストルメントパネルの上面に、表面部
が反射率が低い反射防止面部とされた概略長方形状の硬
質基体を、この硬質基体とインストルメントパネル間の
座席側に前記トレイ部へ伝票類を出し入れできる間隔が
形成されるように載置して、インストルメントパネルの
表面を平板化したことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】このような自動車フロントガラスの反射像防止
装置は、トレイ部が形成されているインストルメントパ
ネルの上面部が表面部の反射率が低い硬質基体で覆われ
て平板化されているので、トレイ部やその内部の伝票類
の反射像がフロントガラスに写ることがない。

【０００７】

【実施例】次に本考案を図示の実施例について詳細に説
明する。１は合成樹脂板材よりなり、インストルメント
パネルの上面に載置されたとき、この上面部を覆ってこ
の上面に形成されているトレイ部などの凹凸のある上面
部が平板化されるような大きさとした概略長方形形状の
硬質基体であって、この硬質基体１の表面部はエンボ
ス、フロッキング、粘着などの方法により梨地、クロス
地、起毛地などの反射率が低い状態とされた反射防止面
部２が形成されている。なお、図１に示す実施例におい
て、３は硬質基体１のフロントガラスＢ側の前縁部に穿
設れたスリット状の通気溝であって、該通気孔３は硬質
基体１をインストルメントパネルＡの上面部に載置した
際、インストルメントパネルＡがフロントガラスＢの基
部に接する部分に設けられている空気吹出口４と連通す
るように設けられるものである。そして、この硬質基体
１は、レジン材により一体成型されたインストルメント
パネルＡの上面部に図１に示すように載置してある。

【０００８】このように構成されたものは、インストル
メントパネルＡの上面部がたとえ計器部ＤとトレイＣと
され、該トレイＣ内に小物、伝票などが収容されていた
としても、トレイＣが硬質基体１に覆われて表面が平板
状とされてしまううえ、該硬質基体１の平板状をした表
面は、例えば、梨地、クロス地、起毛地などの反射率が
低い状態とした反射防止面部２とされているため、仮に
フロントガラスＢを通じて強い光線Ｘがインストルメン
トパネルＡに向かって入射しても、トレイＣの内部に入
ることなく入射光の殆どは硬質基体１に吸収されるか、
乱反射されることとなり、ごく一部しか運転者の眼に届
かず、また、フロントガラスＢに上記インストルメント
パネルＡの上面部のトレイＣにある収容物、載置物の像
が写ることもなく、運転者にとって重要なフロントガラ
スＢの視野の妨げも解消されることとなる。

【０００９】しかも、図１に示すように、硬質基体１と
インストルメントパネルＡ間の座席側には、前記トレイ
部（Ｃ）へ伝票類を出し入れできる間隔を形成してある
ので、反射防止面部２による前記効果の外に、前記間隔
があるためトレイ部Ｃ内にしばしば伝票を出し入れする
配達業務などに使用する場合、特に便利に利用できるも
のである。

【００１０】

【００１１】なお、図２に示す他の実施例のように、硬
質基体１の表面部の反射防止面部２のフロントガラスＢ
寄りの部分に比較的反射率のよい反転文字などで「交通
安全」などの標語あるいはマスコットの絵柄などの表示
部６を形成印字しておけば、反射防止面部２による前記
効果の外に、表示部６の文字をフロントガラスＢの下縁
部に視野を妨げられない範囲で浮かび上がらせることが
でき、安全運転効果を一層高めることができる。

【００１２】

【考案の効果】本考案は、前記実施例による説明によっ
て明らかなように、上面部にトレイ部が形成されている
インストルメントパネル上に、表面部が反射率が低い反
射防止面部とされた概略長方形状の硬質基体を載置する
だけで、フロントガラスにトレイ内の収納物などの反射
像が浮かんで運転者の視野を妨げるという従来の問題点
を解決することができ、しかも、トレイ内の収納物の出
し入れには何等支障がないという特長があり、各種自動
車の安全運転の向上に大きな効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す使用状態の斜視図であ
る。

【図２】本考案の他の実施例を説明する斜視図である。

【符号の説明】

１ 硬質基体 ２ 反射防止面部Ａ インストルメントパネル Ｃ トレイ部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面部にトレイ部（Ｃ）が形成されてい
   るインストルメントパネル（Ａ）の上面に、表面部が反
   射率が低い反射防止面部（２）とされた概略長方形状の
   硬質基体（１）を、この硬質基体（１）とインストルメ
   ントパネル（Ａ）間の座席側に前記トレイ部（Ｃ）へ伝
   票類を出し入れできる間隔が形成されるように載置し
   て、インストルメントパネル（Ａ）の表面を平板化した
   ことを特徴とする自動車フロントガラスの反射像防止装
   置。